JP5254910B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に係り、特に、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いた正極板と、炭素材を負極活物質に用いた負極板と、を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度である特長を生かして、VTRカメラやノート型パソコン、携帯電話等の民生用機器の電源に広く使用されている。一般的に、リチウムイオン二次電池の内部構造は、捲回式とされている。すなわち、正極、負極活物質がそれぞれ金属箔に塗着された帯状の電極が、セパレータを挟んで渦巻状に捲回され、捲回群が形成されている。この捲回群が円筒状の電池缶に収容され、電解液を注液後、封口されている。民生用リチウムイオン二次電池の一つとして、直径が18mm、高さが65mmの18650型電池が広く普及している。18650型電池では、高容量化、長寿命化が求められ、正極活物質に、主にコバルト酸リチウムが用いられている。この電池では、電池容量が約1.3〜1.7Ah、電池出力が約10Wである。
一方、自動車産業界においては、環境問題に対応するために、電池のみを動力源とする電気自動車(EV)や、内燃機関エンジンと電池との両方を動力源とするハイブリット(電気)自動車の開発が進められている。電気自動車等の移動体用電池では、高出力化や高エネルギー化の特性が求められているため、この要求への対応にリチウムイオン二次電池が注目されている。移動体用リチウムイオン二次電池には、電気自動車の普及のため、低価格化も求められている。そのため、例えば正極活物質には、資源的に豊富で低コストのリチウムマンガン複合酸化物が用いられ、その高性能化を狙った改善がなされている。
移動体用リチウムイオン二次電池では、高容量化や加速性能等を左右する高出力化が求められている。高出力化に対応するため、電池の内部抵抗を低減することが重要である。それには、正極活物質の比表面積を大きくすることで対応することができる。正極活物質の比表面積を大きくするために、正極活物質の平均粒子径を小さくする試みがなされている。ところが、正極活物質の平均粒子径を小さくすると、電極製作時に粉体が飛散し、正極集電体に正極活物質を塗布するためのスラリ化がしにくい等の弊害が生じる。これを解決するためには、正極活物質の一次粒子を凝集させた二次粒子を形成させることで対応することができる。例えば、正極活物質の平均粒子径が5μm以下で、導電助材の一次粒子径が70nm以下であり凝集体でのサイズが1μm未満のリチウムイオン二次電池用正極が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−47512号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、平均粒子径の小さい正極活物質の周辺に導電助材が効率よく分散するため、電池の高出力化を図ることができるものの、負極活物質の平均粒子径については制限がない。このため、正極活物質の平均粒子径と負極活物質の平均粒子径とが異なると、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とに差が生じることがある。正負極間でリチウムイオンの挿入離脱の速度に差が生じると、繰り返しの充放電に伴い、リチウムイオンの挿入離脱による正負極活物質の利用効率が悪化し、容量が低下するおそれがある。
本発明は上記事案に鑑み、容量低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、リチウムイオンを挿入離脱可能なリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用い導電材を添加した正極板と、リチウムイオンを離脱挿入可能な炭素材を負極活物質に用い導電材が無添加の負極板と、を備え、前記正極活物質の平均一次粒子径D(P)と前記負極活物質の平均一次粒子径D(N)との比D(P)/D(N)が1.0〜1.2の範囲であるとともに、前記正極活物質の平均一次粒子径D(P)が2μm以下であることを特徴とする。
本発明では、正極板に導電材を添加し、負極板に導電材が無添加であり、正極活物質の平均一次粒子径D(P)と負極活物質の平均一次粒子径D(N)との比D(P)/D(N)を1.0〜1.2の範囲とし、正極活物質の平均一次粒子径D(P)を2μm以下とすることで、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とが同程度となり、リチウムイオンの挿入離脱に伴う正負極活物質の利用効率が向上するため、繰り返しの充放電でも正負極活物質の劣化が抑制されるので、容量低下を抑制することができる。この場合において、正極活物質および負極活物質では、一次粒子が凝集した二次粒子を形成していてもよい。
本発明によれば、正極板に導電材を添加し、負極板に導電材が無添加であり、正極活物質の平均一次粒子径D(P)と負極活物質の平均一次粒子径D(N)との比D(P)/D(N)を1.0〜1.2の範囲とし、正極活物質の平均一次粒子径D(P)を2μm以下とすることで、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とが同程度となり、リチウムイオンの挿入離脱に伴う正負極活物質の利用効率が向上するため、繰り返しの充放電でも正負極活物質の劣化が抑制されるので、容量低下を抑制することができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の断面図である。 実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池に用いた正極活物質の一次粒子および二次粒子の電子顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、正極板および負極板がセパレータW5を介して対向するように断面渦巻状に捲回された捲回群7を有している。捲回群7は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器8に収容されている。電池容器8には、本例では、外径が40mm、内径が39mmのものが用いられている。
捲回群7の捲回中心には、ポリプロピレン樹脂製で円筒状の軸芯1が使用されている。捲回群7の上側には、軸芯1のほぼ延長線上に正極板からの電位を集電するための円環状の正極集電リング3が配置されている。正極集電リング3は、軸芯1の上端部に固定されている。正極集電リング3の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極板から導出された正極リード片2の端部が超音波溶接で接合されている。正極集電リング3の上方には、正極外部端子となる円盤状の電池蓋9が配置されている。正極集電リング3の上部には、予め複数枚のアルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極リード11の一端が接合されており、正極リード11の他端は電池蓋9の下面に接合されている。
一方、捲回群7の下側には負極板からの電位を集電するための円環状の負極集電リング5が配置されている。負極集電リング5の内周面には軸芯1の下端部外周面が固定されている。負極集電リング5の外周縁には、負極板から導出された負極リード片4の端部が超音波溶接で接合されている。負極集電リング5の下部では、負極リード6を介して負極外部端子を兼ねる電池容器8の内底部に抵抗溶接で接合されている。
電池蓋9は、蓋ケースと、気密を保つ弁押さえと、内圧上昇に応じて開裂する内圧開放機構の開裂弁とで構成されており、これらが積層されて蓋ケースの周縁をカシメることによって組立てられている。開裂弁の開裂圧は、本例では、約9×10Paに設定されている。電池蓋9は、ガスケット10を介して電池容器8の上部にカシメ固定されている。ガスケット10には、ポリプロピレン樹脂やEPDM樹脂等の絶縁性および耐熱性を有する材質が用いられている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池容器8内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、本例では、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1:1の割合で混合した混合溶媒中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1mol/Lの濃度で溶解したものが用いられている。
捲回群7は、正極板と負極板とが、これら両極板が直接接触しないようにセパレータW5を介し、軸芯1の周囲に捲回されている。セパレータW5には、本例では、リチウムイオンが通過可能な微多孔性で幅90mm、厚さ30μmのポリエチレン製フィルムが用いられている。正極リード片2と負極リード片4とが、それぞれ捲回群7の互いに反対側の両端面に配置されている。捲回群7および正極集電リング3の鍔部周面全周には、捲回群7と電池容器8との電気的接触を防止するために絶縁被覆が施されている。捲回群7の最大径部が絶縁被覆存在部となるように巻き数が調整され、最大径が電池容器8の内径より僅かに小さく設定されている。絶縁被覆には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着材を塗布した粘着テープが用いられている。
捲回群7を構成する正極板は、正極集電体のアルミニウム箔W1を有している。アルミニウム箔W1の厚さは、本例では、20μmに設定されている。アルミニウム箔W1の両面には、正極活物質を含む正極合材(正極混合材)W2が略均等に塗着されている。正極活物質には、リチウム遷移金属複合酸化物としてのマンガン酸リチウムが用いられている。マンガン酸リチウムは、一次粒子の平均粒子径D(P)[以下、単に粒子径D(P)という。]が0.8〜1.2μmに設定されている。正極合材W2には、正極活物質以外に、導電材として鱗片状黒鉛が、バインダ(結着材)としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)がそれぞれ配合されている。
アルミニウム箔W1への正極合材W2の塗着時には、N−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する。)等の分散溶媒で粘度調整された正極合材スラリが調製される。この正極合材スラリがアルミニウム箔W1に薄膜状に塗布される。正極板は、乾燥後プレス、裁断され、帯状に形成されており、アルミニウム箔W1を含まない正極合材W2塗着部の厚さ75μmに設定されている。アルミニウム箔W1の長寸方向一側の側縁には、正極合材W2の無塗着部が形成されている。無塗着部は櫛状に切り欠かれており、切り欠き残部で正極リード片2が形成されている。
一方、負極板は、負極集電体の圧延銅箔W3を有している。圧延銅箔W3の厚さは、本例では、10μmに設定されている。圧延銅箔W3の両面には、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に挿入、離脱可能な非晶質炭素等の炭素材を含む負極合材(負極混合材)W4が略均等に塗着されている。非晶質炭素は、一次粒子の平均粒子径D(N)[以下、単に粒子径D(N)という。]が0.8〜2.2μmに設定されている。バインダには、上述した正極合材W2に配合したものと同様にPVDFが用いられている。圧延銅箔W3への負極合材W4の塗着時には、NMP等の分散溶媒で粘度調整された負極合材スラリが調製される。この負極合材スラリが圧延銅箔W3に薄膜状に塗布される。負極板は、乾燥後プレス、裁断され、帯状に形成されており、圧延銅箔W3を含まない負極合材W4塗着部の厚さ78μmに設定されている。圧延銅箔W3の長寸方向一側の側縁には、正極板と同様に負極合材W4の無塗着部が形成されており、負極リード片4が形成されている。
ここで、正極活物質と負極活物質との一次粒子径D(P)、D(N)について説明する。正負極活物質の一次粒子径比D(P)/D(N)は、0.8〜1.2の範囲に設定されている。すなわち、正極活物質の一次粒子径D(P)と負極活物質の一次粒子径D(N)とは同程度に設定されている。そのため、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とが同程度となり、正極活物質の利用効率が向上する。図2に示すように、正極活物質では複数の一次粒子が凝集した球状の二次粒子が形成されている。正極活物質の一次粒子径D(P)は、2μm以下に設定されている。上述した一次粒子径比D(P)/D(N)を考慮すると負極活物質の一次粒子径D(N)は2.5μm以下となる。このため、正負極活物質の比表面積が大きくなり、リチウムイオンの受け入れ許容量が増大する。なお、負極活物質においても図2と同様に一次粒子が凝集した球状の二次粒子が形成されている。
(電池組立)
リチウムイオン二次電池20の組立では、まず、作製した正負極板をセパレータW5を介して軸芯1の周囲に捲回し捲回群7を作製する。軸芯1にセパレータW5をテープ等で固定した後、正極板、負極板を正極合材W2塗着面と負極合材W4塗着面とが適切に対向し、かつ、正極リード片2と負極リード片4とが互いに反対方向に位置するように捲回する。このとき、正極板、負極板、セパレータW5の長さを調整し、捲回群7の直径を38±0.1mmに設定した。捲回群7の両端面にそれぞれ導出されている正極リード片2および負極リード片4を正極集電リング3および負極集電リング5にそれぞれ溶接した後、負極集電リング4を底部に向けて電池容器8内に捲回群7を挿入する。負極集電リング4に予め溶接しておいた負極リード6を電池容器8の内底部に抵抗溶接で接合した後、正極集電リング3に予め一端を溶接しておいた正極リード11の他端を電池蓋9の下面に溶接で接合する。非水電解液注液後、電池蓋9を電池容器8の上部にカシメ固定することで、設計容量5.0Ahの円筒型リチウムイオン二次電池20の組立を完成させる。
次に、本実施形態に従い作製したリチウムイオン二次電池20の実施例について詳細に説明する。なお、実施例1、実施例2および実施例6は、参考として示したものである。また、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、正極活物質に一次粒子径D(P)が0.8μmであるマンガン酸リチウムを用いた。正極合材では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを100重量部、導電材として鱗片状黒鉛を10重量部、バインダとしてPVDFを10重量部、を混合した。負極活物質に一次粒子径D(N)が1.0μmである非晶質炭素を用いた。負極合材では、負極活物質として非晶質炭素粉末を100重量部、バインダとしてPVDFを10重量部、を混合した。正負極活物質は、粉砕、分級により一次粒子径D(P)、D(N)を調整したものである。正極活物質の一次粒子径D(P)と負極活物質D(N)の一次粒子径との比D(P)/D(N)は、0.8であった。
(実施例2〜6)
表1に示すように、実施例2〜6では、正極活物質の一次粒子径D(P)および負極活物質の一次粒子径D(N)をそれぞれ変えること以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。すなわち、実施例2では、D(P)を1.0μm、D(N)を1.2μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は0.8であった。実施例3では、D(P)を1.0μm、D(N)を1.0μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は1.0であった。実施例4では、D(P)を1.0μm、D(N)を0.9μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は1.2であった。実施例5では、D(P)を2.0μm、D(N)を2.0μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は1.0であった。実施例6では、D(P)を2.5μm、D(N)を2.2μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は1.1であった。
(比較例1〜2)
表1に示すように、比較例1〜2では、正極活物質の一次粒子径D(P)および負極活物質の一次粒子径D(N)をそれぞれ変えること以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。すなわち、比較例1では、D(P)を1.0μm、D(N)を0.8μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は1.3であった。また、比較例2では、D(P)を1.0μm、D(N)を1.4μmに調整し、粒子径比D(P)/D(N)は0.7であった。
(試験・評価)
各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池について、初期放電容量およびサイクル試験後の高負荷放電容量を測定した。初期放電容量は、25±2℃の雰囲気下において、各電池を充電した後放電して測定した。充電条件は、4.1V定電圧、制限電流5A、2.5時間とした。放電条件は、50A(10CA)定電流、終止電圧2.7Vとした。初期放電容量測定後、サイクル試験を行った。サイクル試験では、各電池において、50±3℃の雰囲気下で、50A(10CA)の定電流で充電および放電をした。電池の充電状態(SOC)が80%〜20%で動作するようにオーム損を考慮し、終止電圧は上限4.0V、下限3.0Vとした。充電と放電、および、放電と充電の間の休止は無しとした。このサイクル試験を連続して2000回繰り返して行い、測定した放電容量を高負荷放電容量とした。初期放電容量および、サイクル後の放電容量を初期放電容量に対する百分率で表した容量維持率を下表2に示す。
表2に示すように、比較例1〜2では、初期放電容量は4.5Ah以上を示したものの、サイクル試験後の容量維持率が90%以下となり、十分な容量を維持することができなかった。これに対して、実施例1〜5では、初期放電容量が4.5Ah以上を示し、サイクル試験後の容量維持率も90%以上と向上し、十分な容量を維持することができた。これは、実施例1〜5では、正極活物質の粒子径D(P)と負極活物質の粒子径D(N)との粒子径比D(P)/D(N)を0.8〜1.2の範囲とし、正極活物質の一次粒子径と負極活物質の一次粒子径を同程度に揃えたためである。すなわち、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とが同程度となり、リチウムイオンの挿入離脱に伴う正負極活物質の利用効率が向上するため、繰り返しの充放電でも正負極活物質の劣化が抑制されたので、容量低下が抑制されたためと考えられる。
また、表2に示すように、実施例6では、サイクル試験後の容量維持率が90%以上と優れていたものの、初期放電容量が4.4Ahを示し、実施例1〜5と比べて若干低下した。これは、実施例6では、正極活物質の一次粒子径D(P)を、2.0μmを超える2.5μmとしたためと考えられる。すなわち、実施例1〜5では、D(P)を2.0μm以下に制限したことで正極活物質の比表面積が増大し、リチウムイオンの受け入れる許容量が増加したため、高容量化を図ることができたと考えられる。
(作用)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20の作用等について説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極活物質の一次粒子径D(P)と負極活物質の一次粒子径D(N)との粒子径比D(P)/D(N)が0.8〜1.2の範囲に設定されている。すなわち、正極活物質の一次粒子径と負極活物質の一次粒子径とが同程度に設定されている。そのため、正極で挿入離脱されるリチウムイオンの速度と負極で離脱挿入されるリチウムイオンの速度とが同程度となり、正負極活物質が効率良くリチウムイオンの挿入離脱に利用される。これにより、繰り返しの充放電に伴う正負極活物質の劣化が抑制でき、容量低下を抑制することができる。粒子径比D(P)/D(N)が0.8に満たない場合、正極活物質では一次粒子径が小さくなり、リチウムイオンが挿入離脱しやすくなるが、負極活物質では一次粒子径が大きくなり、リチウムイオンの離脱挿入に時間がかかる。このため、リチウムイオンの離脱挿入の速度が遅い負極では、負極内部より負極表層部で頻繁にリチウムイオンの挿入離脱が行われ、劣化が早く進む。これにより、負極活物質の利用効率が悪化し、容量が低下しやすくなる(比較例2も参照)。粒子径比D(P)/D(N)が1.2を超える場合、正極活物質では一次粒子径が大きくなり、リチウムイオンが挿入離脱に時間がかかり、負極活物質では一次粒子径が小さくなり、リチウムイオンの離脱挿入がしやすくなる。このため、リチウムイオンの挿入離脱の速度が遅い正極では、正極内部より正極表層部で頻繁にリチウムイオンの挿入離脱が行われ、劣化が早く進む。これにより、正極活物質の利用効率が悪化し、容量が低下しやすくなる(比較例1も参照)。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極活物質の一次粒子径D(P)が2μm以下に制限されている。上述した粒子径比D(P)/D(N)を考慮すると負極活物質の一次粒子径D(N)が2.5μm以下となる。このため、正極活物質および負極活物質の比表面積が大きくなり、リチウムイオンの受け入れ許容量が増大するため、高容量化を図ることができる。
更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極活物質および負極活物において、複数の一次粒子が凝集した二次粒子が形成されている(図2参照)。このため、正負極活物質の比表面積を増大させるために一次粒子径を小さく制限しても、電極作製時に正極活物質および負極活物質の粉体が飛散することを防ぐことができる。また、電極集電体に正極合材や負極合材を塗布するときに凝集を抑制しスラリ化をしやすくすることができる。
なお、本実施形態では、円筒型電池について例示したが、本発明は電池の形状については限定されず、角型、その他の多角型の電池にも適用可能である。また、本実施形態では、帯状の正負極板が捲回された捲回式電池について例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、正負極を順次重ねた積層式電池としてもよい。更に、本発明の適用可能な構造としては、上述した電池容器8に電池蓋9がカシメによって封口されている構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として、正負外部端子が、電池蓋をそれぞれ貫通し、電池容器内で軸芯を介して押し合っている状態の電池を挙げることができる。
また、本実施形態では、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物として、マンガン酸リチウムを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。リチウムイオンを挿入離脱可能で、予め十分な量のリチウムイオンが挿入されたリチウム遷移金属複合酸化物であればよい。また、リチウム遷移金属複合酸化物中に含まれる遷移金属元素の一部を他の遷移金属元素で置換またはドープしてもよい。また、本実施形態では、正極活物質において球状の二次粒子が形成されていることを例示したが、本発明は二次粒子の形状に限定されず、鱗片状や塊状等でもよい。同様に負極活物質の二次粒子の形状についても、特に限定されるものではない。
更に、本実施形態では、負極活物質として非晶質炭素を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。負極活物質としては、リチウムイオンを挿入離脱可能な物質であればよく、例えば、天然黒鉛等や人工の各種黒鉛材、コークス等の炭素材料等を使用してもよい。また、粒子形状についても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。負極活物質として、負極集電体への密着性に優れ、負極合材層の脱落を抑制でき、断面渦巻状に捲回するときに可撓性に優れることを考慮すれば、非晶質炭素を用いることが好ましい。
また更に、本実施形態では、正極の導電材として鱗片状黒鉛を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、炭素材料等の導電性を有するものではればよい。また、本実施形態では、正極および負極のバインダとしてPVDFを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体やこれらを2種以上混合させた混合体等を用いてもよい。
更にまた、本実施形態では、セパレータW5として微多孔性ポリエチレンフィルムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、材質にポリプロピレン等を用いてもよく、複数のフィルムを積層してもよい。また、本実施形態では、EC、DEC、DMCを体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPFを溶解した非水電解液を例示したが、一般的なリチウム塩を電解液として、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いてもよく、本発明は、用いられるリチウム塩や有機溶媒には特に制限されない。例えば、リチウム塩としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAsF、LiB(C)、CHSOLi、CFSOLi等、または、これら2種以上を混合した混合物も用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、1、2−メトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1、3−ジオキソラン、4−メチル1、3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等を用いることができ、これらの2種以上を混合した混合溶媒も用いることもできる。このような非水電解液を用いると、電池容量を向上させ、寒冷地での使用にも適合させることが可能となる。
本発明は、容量低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池を提供するため、リチウムイオン二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
W2 正極合材
W4 負極合材
7 捲回群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池)

Claims (2)

  1. リチウムイオンを挿入離脱可能なリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用い導電材を添加した正極板と、
    リチウムイオンを離脱挿入可能な炭素材を負極活物質に用い導電材が無添加の負極板と、
    を備え、
    前記正極活物質の平均一次粒子径D(P)と前記負極活物質の平均一次粒子径D(N)との比D(P)/D(N)が1.0〜1.2の範囲であるとともに、前記正極活物質の平均一次粒子径D(P)が2μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記正極活物質および前記負極活物質は、前記一次粒子が凝集した二次粒子を形成していることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
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