JP2006040772A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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克典 鈴木
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Abstract

【課題】高容量、高出力でありながらも、安全性を確保可能なリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン電池では、アルミニウム箔にマンガン酸リチウムを塗着した正極板と、圧延銅箔に非晶質炭素を塗着した負極板とが多孔質セパレータを介して捲回された極板群が非水電解液に浸潤させて電池容器に収容されている。極板群の捲回中心には、軸芯が配置されている。軸芯の下端部には負極集電リングが固定されており、負極集電リングは負極リード板を介して電池容器の内底部に溶接されている。軸芯、負極集電リング、負極リード板は同一材質の銅製である。軸芯、負極集電リング、負極リード板間の熱伝導で極板群全体の温度分布の偏りが低減して多孔質セパレータが一様にシャットダウンする。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン電池に係り、特に、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極板と、炭素材を用いた負極板とを多孔質セパレータを介して捲回した電極群が非水電解液に浸潤され、前記正極板及び負極板が正極及び負極の接続部材を介して外部端子に接続されたリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は、高エネルギ密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。リチウムイオン電池では、通常、帯状金属箔に正負極活物質が塗着された正負極板が、これら正負極板が直接接触しないように多孔質セパレータを介して断面渦巻状に捲回された捲回式の内部構造を有している。捲回された電極群は、非水電解液に浸潤させて円筒状の電池容器に収容されている。一般的な円筒型リチウムイオン電池の寸法は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高さ65mmであり、小形民生用リチウムイオン電池として広く普及している。18650型リチウムイオン電池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコバルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量は、おおむね1.3Ah〜1.8Ah、出力はおよそ10W程度である。
一方、自動車産業界においては、環境問題に対応すべく、動力源を完全に電池のみにした排出ガスのない電気自動車や、内燃機関エンジンと電池との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の開発が加速され、既に一部実用化されている。電気自動車の電源となる電池には、高出力、高エネルギ密度が得られる特性が要求されており、この要求にマッチした電池としてリチウムイオン電池が注目されている。高エネルギ密度のリチウムイオン電池を得るために、例えば、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極活物質層の厚さと炭素材を用いた負極活物質層の厚さとを制限する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、リチウムイオン電池の場合、高出力になればなるほど安全性が低下する傾向にあり、特に電気自動車用電源に用いられる高容量、高出力の大型リチウムイオン電池では、必ずしも特許文献1に記載されている範囲で安全性が確保されるとは限らない。また、過充電等の電池異常時には、非水電解液が気化して電池内圧が高まり安全性が低下する。これを避けるために、リチウムイオン電池は、充電時等の電池電圧を制御する電圧コントローラと共に電源システムとして用いられている。人を乗せて走る電気自動車の場合、電圧コントローラが故障してしまったときの過充電時、不慮の衝突事故のときに遭遇する可能性のある電池のクラッシュ時や異物突き刺し時、外部短絡時等の電池自体の安全性を確保することは、最低限必要な、非常に重要な電池特性である。ここでいう電池の安全性は、電池異常時の電池の挙動が、人に身体的損害を与えないことは当然のことながら、車両への損傷を最小限に抑えることを意味する。
また、大型リチウムイオン電池では、大電流充電、大電流放電がなされるため、上述した18650型リチウムイオン電池に採用されているような、電池異常時の内圧上昇に応じて作動する電流遮断機構(一種の切断スイッチ)を電池構造内に設けることは実質的に不可能である。このため、従来から大型リチウムイオン電池では、正負極を離隔するセパレータに多孔質ポリエチレン製フィルムが用いられている。この多孔質セパレータは、通常の充放電時にはリチウムイオンが通過可能であり正負極間の内部短絡を防止している。過充電時には、非水電解液と活物質との化学反応に伴う発熱でポリエチレンが軟化溶融してシャットダウン(多孔を閉塞してリチウムイオンの通過を遮断)するため、充放電が遮断されるので、電池温度の急激な上昇等を未然に防ぐことができる。また、電池温度の上昇を抑制するために、例えば、電極群の捲回中心部に金属製軸芯を配置することで電池内部の熱を電池外部に放熱する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2701347号公報 特開平10−92469号公報
しかしながら、過充電時には、非水電解液と活物質との化学反応に伴う発熱で電極群内部に熱が偏在するため、電極群内部での温度分布が偏り上述した多孔質セパレータのシャットダウンの進行にバラツキが生じることとなる。多孔質セパレータがシャットダウンしていない部分では充電が継続されるため、電流が集中すると共に、過充電量が増大して電池の安全性を損なうことがある。また、温度分布が偏ることで部分的に温度が上昇すると多孔質セパレータ自体が溶融して正負極間の短絡が生じるため、電流が集中することもある。上述した特許文献2の技術でも、電池内部の熱は電池容器から放熱されるものの、軸芯と異なる材質の接合部材との接合部で生じる熱抵抗が大きくなることがあるため、電極群内部では温度分布の偏りが低減するとはいえない。
本発明は上記事案に鑑み、高容量、高出力でありながらも、安全性を確保可能なリチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極板と、炭素材を用いた負極板とを多孔質セパレータを介して捲回した電極群が非水電解液に浸潤され、前記正極板及び負極板が正極及び負極の接続部材を介して外部端子に接続されたリチウムイオン電池において、前記電極群の捲回中心に前記正極又は負極の接続部材と同一材質の金属製軸芯が配置されており、前記軸芯の一端部が前記正極及び負極の接続部材のいずれか一方に接合されていることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池では、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極板と、炭素材を用いた負極板とが多孔質セパレータを介して捲回された電極群の捲回中心に正極又は負極の接続部材と同一材質の金属製軸芯が配置され、軸芯の一端部が正極及び負極の接続部材のいずれか一方に接合されているので、例えば、過充電等の電池異常時に非水電解液と活物質との化学反応に伴う発熱で熱が偏在しても軸芯から接続部材を介して熱伝導し放熱しやすくなり電極群全体の温度分布の偏りが低減するため、多孔質セパレータのシャットダウンがほぼ一様に進行し電池異常時の安全性を確保することができる。
この場合において、正極及び負極の接続部材のいずれか他方が、絶縁部材を介して軸芯の他端部に固定すれば、コンパクトな構造で正極及び負極の接続部材のいずれか他方を固定することができる。また、軸芯の材質をアルミニウム又はアルミニウム合金とし、一端部を正極の接続部材に接続してもよい。更に、軸芯の材質を銅又は銅合金とし、一端部を負極の接続部材に接続してもよい。
本発明によれば、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極板と、炭素材を用いた負極板とが多孔質セパレータを介して捲回された電極群の捲回中心に正極又は負極の接続部材と同一材質の金属製軸芯が配置され、軸芯の一端部が正極及び負極の接続部材のいずれか一方に接合されているので、例えば、過充電等の電池異常時に非水電解液と活物質との化学反応に伴う発熱で熱が偏在しても軸芯から接続部材を介して熱伝導し放熱しやすくなり電極群全体の温度分布の偏りが低減するため、多孔質セパレータのシャットダウンがほぼ一様に進行し電池異常時の安全性を確保することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を電気自動車用電源に用いられる円筒型リチウムイオン電池に適用した実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン電池20は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器7及び帯状の正極板及び負極板がセパレータを介して断面渦巻状に捲回された極板群6を有している。
極板群6の捲回中心には、銅製で熱伝導性を有する中空円筒状の軸芯1が配置されている。極板群6の上側には、正極板からの電位を集電するためのアルミニウム製の正極集電リング4が配置されている。正極集電リング4は、軸芯1と正極集電リング4とを絶縁するポリプロピレン樹脂製の絶縁スリーブ17を介して軸芯1の上端部に固定されている。絶縁スリーブ17は、図2に示すように、上部側が大口径、下部側が小口径の2段型の円筒形状に成形されている。上部側の内周面18には正極集電リング4の下端部外周面が接着剤で固定されており、下部側の外周面19には軸芯1の上端部内周面が接着剤で固定されている。
正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極板から導出された正極リード片2の端部が超音波溶接されている。正極集電リング4の上方には、正極外部端子となる円盤状の電池蓋が配置されている。電池蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ弁押え14と、内圧上昇により開裂する開裂弁(内部ガス排出弁)11とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12の周縁をカシメることで組立てられている。開裂弁11の開裂圧は約9×10Paに設定されている。正極集電リング4の上部には複数枚のアルミニウム製リボンを重ね合わせて構成した正極リード板9の一端が固定されており、正極リード板9の他端は蓋ケース12の下部に溶接されている。正極集電リング4及び正極リード板9で正極接続部材(以下、接続部材Pという。)が構成されており、接続部材Pで電池蓋と正極板とが電気的に接続されている。
一方、極板群6の下側には負極板からの電位を集電するための銅製の負極集電リング5が配置されている。負極集電リング5の内周面には軸芯1の下端部外周面が溶接されている。負極集電リング5の外周縁には、負極板から導出された負極リード片3の端部が溶接されている。負極集電リング5の下部には電気的導通のための銅製の負極リード板8が溶接されており、負極リード板8は電池容器7の内底部に溶接されている。負極集電リング5及び負極リード板8で負極接続部材(以下、接続部材Nという。)が構成されており、接続部材Nで負極外部端子となる電池容器7と負極板とが電気的に接続されている。軸芯1及び接続部材Nは同一材質の銅で構成されており、軸芯1と接続部材Nとが接合されている。電池容器7は、外径40mm、内径39mmに設定されている。
電池蓋は、絶縁性及び耐熱性のEPDM樹脂製ガスケット10を介して電池容器7の上部にカシメることで固定されている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池容器7内には、図示しない非水電解液が注液されている。非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解して用いられている。なお、リチウムイオン電池20には、電池温度の上昇に応じて電気的に作動する、例えば、PTC素子や、電池内圧の上昇に応じて正極又は負極の電気的リードが切断される電流遮断機構は配置されていない。
極板群6は、正極板と負極板とがこれら両極板が直接接触しないように、幅90mm、厚さ40μmでポリエチレン製の2枚の多孔質セパレータを介して軸芯1の周囲に捲回されている。多孔質セパレータの捲回開始端は軸芯1に熱溶着されており、巻き始めには、軸芯1に多孔質セパレータが1周以上巻かれている。正極リード片2と負極リード片3とは、それぞれ極板群6の互いに反対側の両端面に配置されている。極板群6及び正極集電リング4の鍔部周面全周には、絶縁被覆が施されている。絶縁被覆には、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープが用いられている。粘着テープは鍔部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻かれている。正極板、負極板、セパレータの長さを調整することで、極板群6の直径が38±0.1mmに設定されている。
極板群6を構成する負極板は、負極集電体として厚さ10μmの圧延銅箔を有している。圧延銅箔の両面には、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵、放出可能な平均粒子径5〜20μmの非晶質炭素粉末(呉羽化学工業株式会社製、商品名;カーボトロンP)を含む負極合剤がほぼ均等かつ均質に塗着されている。負極合剤には、負極活物質の92重量部に対して、バインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン(PVDF)の8重量部が配合されている。圧延銅箔に負極合剤を塗着するときには、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が用いられる。圧延銅箔の長寸方向一側の側縁には、幅30mmの負極合剤の未塗着部が形成されている。未塗着部は櫛状に切り欠かれており、切り欠き残部で負極リード片3が形成されている。隣り合う負極リード片3の間隔が50mm、負極リード片3の幅が5mmに設定されている。負極板は、乾燥後、負極合剤層のかさ密度が1.0g/cmとなるように、加熱可能なロールプレス機でプレス加工され、幅86mmに裁断されている。
一方、正極板は、正極集電体として厚さ20μmのアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の両面には、正極活物質としてリチウム遷移金属複酸化物のマンガン酸リチウム(化学式LiMn)粉末を含む正極合剤がほぼ均等かつ均質に塗着されている。正極合剤には、正極活物質の100重量部に対して、導電剤の燐片状黒鉛(平均粒径20μm)の10重量部及びバインダのPVDFの10重量部が配合されている。アルミニウム箔に正極合剤を塗着するときには、分散溶媒としてNMPが用いられる。アルミニウム箔の長寸方向一側の側縁には、負極板と同様に幅30mmの正極合剤の未塗着部が形成されており、正極リード片2が形成されている。隣り合う正極リード片2の間隔が50mm、正極リード片2の幅が5mmに設定されている。正極板は、乾燥後、正極合剤層のかさ密度が2.65g/cmとなるように、負極板と同様にプレス加工され、幅82mmに裁断されている。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン電池20の作用等について説明する。
本実施形態のリチウムイオン電池20では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いた正極板と、負極活物質に非晶質炭素を用いた負極板とをポリエチレン製の多孔質セパレータを介して捲回した極板群6を非水電解液に浸潤させて電池容器7内に収容することで、高出力、高容量を確保している。また、極板群6の捲回中心には、接続部材Nと同一材質の銅製の軸芯1が配置されており、この軸芯1の下端部が負極集電リング5に接合されている。このため、過充電時に非水電解液と活物質との化学反応に伴う発熱で熱が偏在しても、接続部材N及び軸芯1が同一材質であり熱伝導性が同じため、軸芯1から接続部材Nを介して電池容器7に熱伝導し電池容器7から電池外部に放熱しやすくなり、極板群6全体の温度分布の偏りが低減する。これにより、多孔質セパレータにほぼ均等に熱がかかりポリエチレンが軟化、溶融してシャットダウン(多孔を閉塞してリチウムイオンの通過を遮断すること)がほぼ一様に進行するため、充電電流が遮断され過充電電気量の増大が抑制されるので、リチウムイオン電池20の安全性を確保することができる。更に、本実施形態のリチウムイオン電池20では、負極集電体の材質(圧延銅箔)にも軸芯1及び接続部材Nと同一の材質が用いられている。このため、負極集電体と負極集電リング5との間でも熱伝導しやすくなり、極板群6の温度分布の偏りを低減しやすくすることができる。
また、本実施形態のリチウムイオン電池20では、軸芯1の上端部と正極集電リング4との間にポリプロピレン樹脂製の絶縁スリーブ17が配置されている。このため、コンパクトな構造で正極集電リング4を固定することができ、通常時には軸芯1を介して正負極が短絡することなく充放電を行うことができる。過充電時には、絶縁スリーブ17に用いたポリプロピレン樹脂の融点(約170°C)が多孔質セパレータのポリエチレン樹脂(約120°C)より高いため、多孔質セパレータのシャットダウンが絶縁スリーブ17の溶融より早く生じる。このため、大電流で充放電される大型リチウムイオン電池でも、過充電時には多孔質セパレータのシャットダウンがほぼ一様に進行して充電電流を遮断するので、安全性を確保することができる。
これに対し、従来の大型リチウムイオン電池では、極板群の軸芯にポリエチレン等の樹脂製の材質が用いられており、過充電時に発熱しても軸芯を熱伝導しないため、極板群内部での温度分布が偏り多孔質セパレータのシャットダウンの進行にバラツキが生じる。多孔質セパレータがシャットダウンしていない部分では充電が継続されるため、電流の集中が生じ、過充電電気量が増大して電池の安全性を損なう問題があった。また、軸芯を金属製とすることで内部の熱を電池容器から外部へ放熱しても、金属の材質が異なると熱伝導性が異なり、異なる金属の接合部で生じる熱抵抗が大きくなることがあるため、温度分布の偏りは低減しない。更に、化学反応が続くと温度上昇により多孔質セパレータ自体が部分的に溶融して正負極間の短絡が生じるため、電流が集中して急激な温度上昇を引き起こす等の安全性低下の問題もあった。本実施形態のリチウムイオン電池20は、これらの問題を解決することができる。
なお、本実施形態では、軸芯1の材質を接続部材Nと同一の銅製とし、軸芯1の下端部を負極集電リング5に接合する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、同一材質に銅合金等の材質を用いても同様の効果を得ることができる。また、軸芯1と接続部材Nとを一体で成型すれば、部材数を減らすことができ電池組立を簡素化することができる。更に、本実施形態では、軸芯1に正極板、負極板を捲回する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、正負極板を捲回後、捲回中心に軸芯1を挿入するようにしてもよい。また、軸芯1の材質を接続部材Pと同一材質のアルミニウム製又はアルミニウム合金等の材質とし、軸芯1の上端部を正極集電リング4に接合するようにしてもよい。このときには、軸芯1の下端部と負極集電リング5との間に絶縁スリーブを配置すればよい。
また、本実施形態では、絶縁スリーブ17にポリプロピレン樹脂を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸芯1と正極集電リング4との間を絶縁できる材料であればよい。本実施形態以外で用いることのできる材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げることができるが、多孔質セパレータより高い融点を有する材料が好ましい。また、本実施形態では、軸芯1に絶縁スリーブ17を接着剤で固定する例を示したが、例えば、小口径の外周部19にピンを固定し対応する軸芯1の内周面に溝を形成しておくことでピンと溝とを嵌合させるようにしてもよい。このようにすれば、絶縁スリーブ17の回転を防止して正極リード片2の破断を防止することができる。
更に、本実施形態では、有底円筒型のリチウムイオン電池20を例示したが、本発明は電池形状に制限されるものではなく、例えば、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。また、電池構造にも制限されるものではなく、本実施形態以外の電池構造としては、正負外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して押し合っている構造を挙げることができる。
また更に、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを、負極活物質に非晶質炭素をそれぞれ例示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、正極活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム遷移金属複酸化物であればよく、複数種の遷移金属を含む複合酸化物としてもよい。また、リチウムやマンガンの一部をそれら以外の元素で置換又はドープした材料を用いることもできる。本実施形態以外で用いることのできる負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造の各種黒鉛材、コークス等の炭素材を挙げることができ、その形状としても、球状、鱗片状、繊維状、塊状等特に制限されるものではない。
更にまた、本実施形態では、非水電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解して用いることができる。用いられるリチウム塩や有機溶媒にも特に制限はない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いてもよい。また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等、又はこれら2種以上の混合溶媒を用いてもよい。混合配合比についても制限されるものではない。
次に、本実施形態に従い作製した円筒型リチウムイオン電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、銅製の軸芯1と負極集電リング5とを接合し、軸芯1と正極集電リング4との間にポリプロピレン樹脂製の絶縁スリーブ17を配置した。
(実施例2)
実施例2では、軸芯1の材質に接続部材Pと同じアルミニウムを用いた。軸芯1と正極集電リング4とを接合し、軸芯1と負極集電リング5との間にポリプロピレン樹脂製の絶縁スリーブを配置した。
(比較例1)
比較例1では、極板群の捲回中心にポリプロピレン樹脂製の軸芯を用い、絶縁スリーブを配置しない以外は実施例1と同様にした。
(測定、試験)
実施例及び比較例の各電池について、以下の測定、試験を行った。室温下で充電後に放電して放電容量を測定した。充電条件は、4.2V定電圧、制限電流80A、3.5時間とした。放電条件は、20A定電流、終止電圧2.5Vとした。その後、室温下にて80A定電流で連続充電試験を行い、電池挙動を観察した。連続充電試験時には、開裂弁11が開裂した後、ガス放出の現象が起こる。このガス放出の程度を示すために、現象発生後の電池重量を測定し、試験開始前の電池重量に対する百分率(単位%)を電池重量変化として求めた。また、ガス放出後、電池容器の変形の有無を目視で確認し、過充電時の内部短絡にいたる時間も測定した。下表1に、容器変形の有無、電池重量変化、内部短絡にいたる時間の測定結果を示す。
表1に示すように、ポリプロピレン樹脂製の軸芯を用いた比較例1のリチウムイオン電池では、50分で内部短絡を生じ、開裂弁の開裂後、開裂弁から電池内容物の一部の放出を伴って比較的激しくガスを放出した。現象(ガス、電池内容物の放出)後の電池重量変化は71%となり、電池容器の変形が認められた。このことから、比較例1のリチウムイオン電池では、極板群内部の温度分布が偏り多孔質セパレータ自体が部分的に溶融して内部短絡を生じたと考えられる。
これに対して、銅製の軸芯1を銅製の負極集電リング5に接合した実施例1、及び、アルミニウム製の軸芯1をアルミニウム製の正極集電リング4に接合した実施例2のリチウムイオン電池20では、それぞれ60分、74分で電流が流れなくなった。また、開裂弁11の開裂後はガスの穏やかな放出のみが観察され、電池容器の変形もなく内部短絡も認められなかった。電池重量変化は80%以上を保持しており、電池内容物の放出は殆どなかった。このことから、実施例1及び実施例2のリチウムイオン電池20では、異常時に極めて穏やかな挙動を示すことが判明した。軸芯1から接合部材N又は接合部材Pを通じて熱伝導して放熱することで極板群6の温度分布がほぼ均等となり、多孔質セパレータがほぼ一様にシャットダウンしたためと考えられる。
以上の試験結果から、接続部材Pと同一材質の軸芯1を正極集電リング4に接合したリチウムイオン電池20、又は、接続部材Nと同一材質の軸芯1を負極集電リング5に接続したリチウムイオン電池20では、極板群6の温度分布の偏りが少なくなり、リチウムイオン電池20が過充電等の異常状態にさらされた場合の挙動が極めて穏やかであり、安全性を確保することができることが明らかとなった。
本発明は、高容量、高出力でありながらも、安全性を確保可能なリチウムイオン電池を提供するものであり、製造、販売に寄与し、産業上利用できる。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン電池を示す断面図である。 実施形態の絶縁スリーブを示す断面図である。
符号の説明
P 正極接続部材
N 負極接続部材
1 軸芯
6 極板群(電極群)
17 絶縁スリーブ(絶縁部材)
20 円筒型リチウムイオン電池(リチウムイオン電池)

Claims (4)

  1. リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極板と、炭素材を用いた負極板とを多孔質セパレータを介して捲回した電極群が非水電解液に浸潤され、前記正極板及び負極板が正極及び負極の接続部材を介して外部端子に接続されたリチウムイオン電池において、前記電極群の捲回中心に前記正極又は負極の接続部材と同一材質の金属製軸芯が配置されており、前記軸芯の一端部が前記正極及び負極の接続部材のいずれか一方に接合されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記正極及び負極の接続部材のいずれか他方が、絶縁部材を介して前記軸芯の他端部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記軸芯は、材質がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、一端部が前記正極の接続部材に接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 前記軸芯は、材質が銅又は銅合金であり、一端部が前記負極の接続部材に接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン電池。
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