JP4839517B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解質二次電池に係り、特に、リチウム複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤を用いた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解質二次電池を代表するリチウム二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活かして主にVTRカメラやノート型パソコン、携帯電話などのポータブル機器に使用されている。最近では、電気自動車用や電力貯蔵用を目的とする、大型のリチウム二次電池の研究開発も活発に行われている。特に、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源としてモータを用いる方式の電気自動車や、動力源として内燃機関とモータの両方を用いるハイブリッド方式の電気自動車の開発が進められており、その一部はすでに実用化されている。
【0003】
非水電解質二次電池の正極には、充放電によりリチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質に、例えば、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム複酸化物が用いられている。正極活物質は一般に、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の正極活物質の導電性を高める導電材やアルミニウム箔等の正極集電体から正極活物質の剥離・離脱を防止する結着剤と混合して用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非水電解質二次電池の場合、高容量、高出力になればなるほど安全性が低下する傾向にあり、特に高出力化を狙った大型の非水電解質二次電池では、電池が異常状態に陥ったときの現象がやや激しくなる傾向が見られる。例えば、電気自動車用電源に用いられるような高容量、高出力の電池ともなると、大電流充電、大電流放電がなされるために、小型の非水電解質二次電池で一般的に採用されているような、電池内部の圧力上昇に応じて作動する電流遮断機構(一種の切断スイッチ)を電池容器の内部に設けることが技術的に難しい。
【0005】
このため大型の非水電解質二次電池を電気自動車用の電源に使用する場合には、1)充電制御システムが故障した場合の過充電時、2)不慮の衝突事故によるクラッシュ時、3)異物の突き刺し時、又は4)外部短絡時などの異常状態において安全性を確保することが、非常に重要な課題となってきている。
【0006】
本発明は上記事案に鑑み、大型の電池にも適用可能で安全性に優れた非水電解質二次電池を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、リチウム複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤を用いた非水電解質二次電池において、前記導電材にアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の無定形炭素と、炭素結晶格子の002面間距離d002が0.337nm以上、C軸方向の長さLcが12nm以下、平均粒径が5μm以上の黒鉛及び/又は非晶質炭素と、を用いたことを特徴とする。
【0008】
本発明では、高容量、高出力の非水電解質二次電池を確保するために、リチウム複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤が用いられている。非水電解質二次電池では、異常状態に陥ったときに、大電流充電又は大電流放電状態が維持され、非水電解液とリチウム複酸化物との化学反応により電池容器内で急激かつ大量のガスが発生し、電池容器の内圧を上昇させる。一般に、非水電解質二次電池では、電池容器内の内圧上昇を防止するために、電池容器に所定圧で内圧を開放する内圧開放機構を有しているが、導電材にアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の無定形炭素と、炭素結晶格子の002面間距離d002が0.337nm以上、C軸方向の長さLcが12nm以下、平均粒径が5μm以上の黒鉛及び/又は非晶質炭素と、を用いることにより、内圧開放機構からのガス放出が極めて穏やかに行われると共に、電池表面の温度上昇も少なくなる。このため、本発明によれば、大型の電池にも適用可能で安全性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
【0009】
この場合において、黒鉛及び/又は非晶質炭素の平均粒径が5〜20μm、黒鉛及び/又は非晶質炭素の重量が無定形炭素の重量に対し20〜80重量%であれば、サイクル劣化も小さく、正極活物質合剤の正極集電体への塗工性にも優れた非水電解質二次電池とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る非水電解質二次電池を電気自動車用の円筒型リチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
【0011】
1.正極板の作製
正極活物質としてマンガン酸リチウム(LiMn2O4)粉末と、導電材と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、重量比85:10:5の割合で混合し、この混合物に分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを添加した後、混練してスラリを得た。導電材には、無定形炭素としてのアセチレンブラックと、後述するように、炭素結晶格子の002面間距離d002が0.337nm以上、C軸方向の長さLcが12nm以下の黒鉛化の低い黒鉛及び所定の粒径に粉砕、分級した非晶質炭素のすくなくとも一方と、を用いた。
【0012】
得られたスラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗着して正極合剤層とした。スラリの塗着の際に、正極活物質塗着量を250g/m2とし、アルミニウム箔の長寸方向に対して側縁の一方に幅50mmの未塗着部分を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して、幅300mm、所定長さの正極板を得た。正極合剤層のかさ密度は2.65〜2.8g/cm3に調製した。
【0013】
アルミニウム箔に形成した幅50mmの未塗着部の一部に切り欠きを入れてその一部を除去し、矩形状の残部を集電用のリード片9(図1参照)として用いた。なお、リード片9の幅を約10mm、隣り合うリード片9の間隔を約20mmとした。
【0014】
2.負極板の作製
負極活物質として、黒鉛であるメソフェーズピッチ系カーボンファイバ(MCF)(株式会社ペトカ製、製品名:メルブロンミルド)92重量部に、結着剤として8重量部のポリフッ化ビニリデンを添加し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドンを添加後、混練してスラリを得た。このスラリを、厚さが10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面に塗着した。なお、スラリの塗着量は75g/m2とし、スラリの塗着の際には、銅箔の長寸方向に対して側縁の一方に幅50mmの未塗着部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して、幅305mm、所定長さの負極板を得た。負極合剤層のかさ密度は1.2〜1.4g/cm3に調製した。銅箔に形成した幅50mmの未塗着部に切り欠きを入れてその一部を除去し、矩形状の残部を集電用のリード片9として用いた。なお、リード片9の幅を約10mm、隣り合うリード片9の間隔を約20mmとした。
【0015】
正極板及び負極板の活物質の仕込み量は、次のようにして決定した。すなわち、セパレータを介して対向する単位面積あたりの仕込み量を、正極板の充電終止電位4.5V(vs.Li/Li+)までの充電が可能な容量と、負極板の終止電圧0V(vs.Li/Li+)までの充電が可能な容量とがほぼ同じになるようにした。なお、正極活物質であるマンガン酸リチウムの単位重量あたりの充電可能な容量は105mAh/gであり、負極活物質である黒鉛の単位重量あたり充電可能な容量は360mAh/gであった。
【0016】
3.電池の作製
上記した正極板と負極板を、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータを挟んだ状態で中空円筒状の軸芯14を中心に捲回して捲回群6を作製した。このとき、正極板のリード片9と負極板のリード片9とを、それぞれ捲回群6の反対側に配置した。また、正極板の塗着部が対向する負極板の塗着部からはみ出すと、リチウムイオン二次電池の放電特性や安全性が低下するので、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回するときに、負極板から先に巻き始めるとともに、最外周も正極板よりも負極板の方が長くなるように、負極板の長さは正極板の長さよりも約18cm長くした。更に、正極板と負極板との幅方向においても、正極活物質の塗着部と負極活物質の塗着部との対向位置に位置ズレが起きないように、負極活物質の塗着部の幅を、正極活物質の塗着部の幅よりも約5mm大きくした。捲回終了時に正極板、負極板及びセパレータを切断することにより、捲回群6の直径を65±0.1mmとした。
【0017】
図1に示すように、正極板から導出されているリード片9を、集めて束にした状態で折り曲げて変形させた後、正極外部端子1aに形成された鍔部7に接触させた。そして、リード片9と鍔部7とを、超音波溶接装置を用いて溶接して電気的に接続した。なお、負極板についても同様に、リード片9と負極外部端子1bに形成された鍔部7とを超音波溶接して電気的に接続した。
【0018】
その後、正極外部端子1aの鍔部7、負極外部端子1bの鍔部7及び捲回群6の外周面全体を絶縁被覆8で覆った。この絶縁被覆8として、片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗着したポリイミド製の粘着テープを用いた。捲回群6の外周部分が絶縁被覆8で覆われ、ステンレス製の電池容器5の内径よりも僅かに小さくなるように粘着テープの巻き数を調整した後、捲回群6を電池容器5内に挿入した。すなわち、後述する正極合剤層の組成を変えることによる、捲回群6直径の多少のバラツキに対して、粘着テープの巻き数で調整した。なお、電池容器5は、外形が67mm、内径が66mmの円筒形状を有している。
【0019】
次に、電池蓋4の外側の面と当接する部分の厚さが2mm、内径16mm、外径25mmの第2のセラミックワッシャ3bを、正極外部端子1a及び負極外部端子1bのそれぞれの先端に嵌め込んだ。そして、厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの板状の第1のセラミックワッシャ3aを電池蓋4に載置し、正極外部端子1a、負極外部端子1bのそれぞれを第1のセラミックワッシャ3aに通した。
【0020】
その後、円盤状をした電池蓋4の周端面を電池容器5の開口部に嵌合し、電池蓋4と電池容器5の接触部分の全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1a、負極外部端子1bは、電池蓋4の中心にある穴を貫通して外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシャ3a、金属製のナット2の底面よりも平滑な金属ワッシャ11を、この順に正極外部端子1a、負極外部端子1bのそれぞれに嵌め込んだ。電池蓋4には、電池の内部圧力の上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられており、その開裂圧力は12.7〜17.6×102kPa(13〜18kgf/cm2)とした。
【0021】
ナット2を、正極外部端子1a、負極外部端子1bにそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ3b、第1のセラミックワッシャ3aを介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付けて固定した。このときの締め付けトルク値は、6.86N・mとした。電池蓋4の裏面と鍔部7の間に介在させたゴム製(EPDM製)のOリング12を締め付け時に圧縮することにより、電池容器内部の発電要素等は外気から遮断される。
【0022】
電池蓋4に設けた注液口13から、所定量の電解液を電池容器5内に注入した後、注液口13を封止することにより円筒型リチウムイオン二次電池20を完成させた。電解液には、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:1の割合で混合した後、6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/l溶解した有機電解液(非水電解液)を用いた。なお、円筒型リチウムイオン二次電池20には、電池内部の圧力上昇に応じて作動する電流遮断機構は設けられていない。
【0023】
【実施例】
次に、上記実施形態に従って、正極板に用いる導電材を種々変更して作製した実施例の電池について説明する。比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
【0024】
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、正極の導電材に、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名:デンカブラック、表1以下の表ではABと略記する。)に加え、平均粒径5μmに粉砕、分級した非晶質炭素(呉羽化学工業株式会社製、商品名:カーボトロンP)をアセチレンブラックに対して20%の重量比率で混合したものを用いて電池を作製した。
【0025】
【表1】
【0026】
(実施例2〜5)
表1に示すように、実施例2〜実施例5では、粉砕、分級して平均粒径をそれぞれ10μm、20μm、3μm、25μmとした非晶質炭素を用いた以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0027】
(実施例6)
表1に示すように、実施例6では、正極の導電材に、アセチレンブラックに加え、平均粒径10μmに粉砕、分級した非晶質炭素をアセチレンブラックに対して40%の重量比率で混合したものを用いて電池を作製した。
【0028】
(実施例7〜9)
表1に示すように、実施例7〜実施例9では、非晶質炭素のアセチレンブラックに対する重量比率をそれぞれ80%、10%、90%とした以外は実施例6と同様に電池を作製した。
【0029】
(比較例1)
表1に示すように、比較例1では、正極の導電材に、アセチレンブラックに加え、平均粒径5μmで炭素結晶格子の002面間距離d002が0.3354nm以上、C軸方向の長さLcが100nm以上の黒鉛化の進んだ黒鉛(日本黒鉛製、商品名:J−SP)をアセチレンブラックに対して20%の重量比率で混合したものを用いて電池を作製した。
【0030】
(比較例2)
表1に示すように、比較例2では、正極の導電材に、アセチレンブラックに加え、平均粒径20μmで炭素結晶格子の002面間距離d002が0.3354nm以上、C軸方向の長さLcが100nm以上の黒鉛化の進んだ天然黒鉛(神戸理材製、商品名:TC−15)をアセチレンブラックに対して20%の重量比率で混合したものを用いて電池を作製した。
【0031】
(試験)
次に、作製した実施例及び比較例の電池について、以下に述べる充放電サイクル試験及び過充電試験を行うと共に、正極合剤の正極集電体への塗工性についても観察した。
【0032】
充放電サイクル試験では、各電池について、25°Cにて、下記の充放電条件で初期の放電容量を測定した後、各電池の一部について、同じく25°Cにて、同じ充放電条件で充放電サイクルを繰り返し、200サイクル目の放電容量を測定した。
充電条件:4.2V(定電圧充電)、80A(制限電流)、3.5h、25°C
放電条件:20A(定電流放電)、終止電圧2.5V、25°C
【0033】
過充電試験では、初期の放電容量を測定した各電池の一部について、25°C、80Aの定電流で連続的に過充電状態として、開裂弁10を開裂させガス放出を起こさせた。このガス放出の状況、電池容器の変形状況及びガス放出に伴う電池重量の維持状況でガス放出の程度を評価すると共に、電池容器5表面の最高温度を測定した。
【0034】
下表2に充放電サイクル試験及び過充電試験の試験結果を示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から明らかなように、実施例1〜5の電池は、比較例1、2の電池と同程度の初期特性を示す。しかしながら、非晶質炭素の平均粒径が5〜20μmの範囲を外れる実施例4、5の電池はサイクル劣化が大きい。また、80Aの定電流で連続過充電をした場合では、実施例1〜5の電池は開裂弁10からのガス放出が穏やかであったが、比較例1、2の電池は勢いよく(激しく)ガスを放出し、電池表面の最高温度も高かった。すなわち、導電材に無定形炭素のアセチレンブラックと、炭素結晶格子の002面間距離d002が0.337nm以上、C軸方向の長さLcが12nm以下の非晶質炭素と、を用いることにより、ガスの放出が緩やかで、電池表面の温度上昇も少なく、安全性に優れた電池とすることができる。
【0037】
塗工性の観察では、アルミニウム箔へ導電材を含む正極合剤がほぼ均質に塗工できたか否かを目視観察した。下表3に平均粒径が10μmの非晶質炭素についてアセチレンブラックに対する重量比率を変更して混合した場合の塗工性の良否の観察結果を纏める。
【0038】
【表3】
【0039】
表2及び表3に示すように、実施例2、6、7の電池では、塗工性もよく、安全性も高い。しかしながら、アセチレンブラックに対する重量比率が20%未満の実施例8の電池では、サイクル劣化が大きく、また、アセチレンブラックに対する重量比率が80%を超える実施例9の電池では、塗工性が悪く、正極板にアルミニウム箔の露出部が観察された。従って、安全性に加え、塗工性及びサイクル劣化についても考慮すると、非晶質炭素の平均粒径は5〜20μmの範囲にあることが好ましく、非晶質炭素のアセチレンブラックに対する重量比率が20〜80%であることが更に好ましいことが分かる。
【0040】
なお、本実施形態では、導電材にアセチレンブラックと非晶質炭素とを用いた例を示したが、非晶質炭素の代わりに、黒鉛化の低い黒鉛又は、非晶質炭素と黒鉛化の低い黒鉛との混合物を用いた場合でも同様の結果を示した。
【0041】
また、本実施形態では、無定形炭素としてアセチレンブラックを例示したが、例えば、ケッチェンブラック等アセチレンブラック以外の無定形炭素を用いるようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、大型の円筒型リチウムイオン二次電池の例を示したが、有底筒状の電池容器を用い、上蓋をかしめによって封口する比較的小形のリチウムイオン二次電池でも同様の良好な結果が得られた。
【0043】
更に、本実施形態では、片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗着したポリイミド製の粘着テープを絶縁被覆に用いた例を示したが、これに制限されるものではない。すなわち、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンの片面又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル系粘着剤を塗着した粘着テープや、粘着剤を塗着しないポリオレフィンやポリイミドからなるテープなども同様に使用できる。
【0044】
また、本実施形態では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた例を示したが、リチウム・コバルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物なども使用できる。一方、負極活物質としては、非晶質炭素、人造黒鉛、コークスなどの炭素質材料等も使用でき、それらの粒子形状においても特に制限されるものではない。
【0045】
また更に、本実施形態では結着剤としてポリフッ化ブニリデンを例示したが、テフロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体やこれらの混合物も使用できる。
【0046】
そして、本実施形態では非水電解液の電解質にLiPF6を例示したが、他の電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li等やこれらの混合物を用いることができる。なお、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メテルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトニル、または、これらの2種類以上の混合溶媒も用いられる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電池異常時におけるガス放出が緩やかで電池表面の温度上昇も抑制されるので、大型の電池にも適用可能で安全性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の電気自動車用円筒型リチウムイオン二次電池の断面図である。
【符号の説明】
20 円筒型リチウムイオン二次電池(非水電解質二次電池)
Claims (3)
- リチウム複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤を用いた非水電解質二次電池において、前記導電材にアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の無定形炭素と、炭素結晶格子の002面間距離d002が0.337nm以上、C軸方向の長さLcが12nm以下、平均粒径が5μm以上の黒鉛及び/又は非晶質炭素と、を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
- 前記黒鉛及び/又は非晶質炭素の平均粒径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記黒鉛及び/又は非晶質炭素の重量が前記無定形炭素の重量に対し20〜80重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池。
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