JP2002015774A - 非水電解液リチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液リチウム二次電池

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JP2002015774A
JP2002015774A JP2000195428A JP2000195428A JP2002015774A JP 2002015774 A JP2002015774 A JP 2002015774A JP 2000195428 A JP2000195428 A JP 2000195428A JP 2000195428 A JP2000195428 A JP 2000195428A JP 2002015774 A JP2002015774 A JP 2002015774A
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negative electrode
positive electrode
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battery
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JP2000195428A
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Tomohiro Iguchi
智博 井口
Kenji Nakai
賢治 中井
Yoshimasa Koishikawa
佳正 小石川
Kensuke Hironaka
健介 弘中
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Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力特性及び寿命特性に優れる非水電解液リ
チウム二次電池を提供する。 【解決手段】 帯状の正極と帯状の負極とを帯状のセパ
レータを介して渦巻き状に捲回した捲回群6の総空隙量
Pt(cm)の1.0倍以上の液量Ve(g)の非水
電解液を電池容器5内に注入し、非水電解液中のリチウ
ムイオン量を0.7〜1.5モル/リットルとし、正極
活物質にリチウムマンガン複酸化物、負極活物質に非晶
質炭素を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液リチウム
二次電池に係り、特に、帯状の正極と帯状の負極とを帯
状のセパレータを介して捲回した電極捲回群と、非水電
解液と、を電池容器内に収容し密閉した非水電解液リチ
ウム二次電池の出力特性及び寿命特性に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池に代表される非
水電解液リチウム二次電池(以下、リチウム電池とい
う。)は、高エネルギー密度であるメリットを活かし
て、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話等の
ポータブル機器用の電源のみならず、電気自動車用電源
としても注目されている。すなわち、自動車産業界にお
いては環境問題に対応すべく、排出ガスのない、動力源
を完全に電池のみとした電気自動車と、内燃機関エンジ
ン及び電池の両方を動力源とするハイブリッド電気自動
車の開発が加速され、実用段階に到達している。
【0003】リチウム電池はその形状で円筒形と角形と
に分類されるが、電気自動車用電源としては現時点で円
筒形のものが多く用いられている。円筒形リチウムイオ
ン電池内部の正極及び負極は、共に活物質が金属箔に塗
着された帯状であり、セパレータを挟んでこれら両電極
が直接接触しないように断面が渦巻状に捲回された捲回
式の構造とされている。そして、この電極捲回群が円筒
形の電池容器内に収納され、電解液注液後、封口されて
いる。
【0004】電気自動車等の電源となるリチウム電池に
は、当然、高出力、高エネルギー特性が要求されてお
り、電極を含む電極捲回群の工夫のみならず、非水電解
液についても種々の工夫が必要である。非水電解液の工
夫例として、例えば、本出願人の特願平第11−119
359号には、リチウム塩とこのリチウム塩を溶解する
有機溶剤の割合についての技術が開示されている。
【0005】なお、同出願にも開示されているように、
リチウム電池の電極捲回群を構成する正極及び負極等の
発電要素は、水分の影響を受けて著しく劣化するので、
電池容器の開口部はレーザ溶接等により密閉され、発電
要素が外気から遮断された密封構造が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにリチウム電
池の開発進展に伴い、電気自動車用電源には、より高出
力であると共に、経時によっても出力の低下の少ない長
寿命の電池が要求されている。一方、ハイブリッド電気
自動車用電源には、より高出力であると共に、エンジン
とモータとを併用することから高い入出力特性の維持が
可能な電池、換言すれば、経時によっても直流内部抵抗
の増加が少ない電池の要求がなされている。従って、よ
り高出力で長寿命の(当初特性の維持が可能な)リチウ
ム電池が得られれば、電気自動車及びハイブリッド自動
車の普及は加速するものと思われる。
【0007】本発明は上記事案に鑑み、出力特性及び寿
命特性に優れる非水電解液リチウム二次電池を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、正極集電体の両面にリチウム遷移金属複
酸化物を正極活物質として含む正極合剤が塗布され該正
極合剤に多孔質体が形成された帯状の正極と負極集電体
の両面に炭素材を負極活物質として含む負極合剤が塗布
され該負極合剤に多孔質体が形成された帯状の負極とを
リチウムイオンが通過可能な微細孔を有する帯状のセパ
レータを介して捲回した電極捲回群と、前記リチウムイ
オンの移動を許容する非水電解液と、を電池容器内に収
容し密閉した非水電解液リチウム二次電池において、前
記電池容器内に収容される非水電解液の液量が前記電極
捲回群の空隙量の1.0倍以上であることを特徴とす
る。
【0009】本発明では、電池容器内に収容される非水
電解液の液量を電極捲回群の空隙量の1.0倍以上とす
ることにより、正極合剤及び負極合剤に形成された多孔
質体に、活物質との電気化学反応を促進・維持する非水
電解液が浸潤・拡散されるので、高い初期出力を確保す
ることができると共に、出力の低下や直流抵抗の増加を
抑制し、長寿命の非水電解液リチウム二次電池を実現す
ることができる。
【0010】この場合において、非水電解液中のリチウ
ムイオン量を、0.7モル/リットル以上、かつ、1.
5モル/リットル以下とすれば、高い初期出力を得るこ
とができ、初期直流抵抗を小さくすることができる。ま
た、非水電解液の液量を、電極捲回群の空隙量の1.2
5倍以上とすれば、出力の低下や抵抗の増加をより抑制
することができる。このとき、負極活物質には非晶質炭
素が好ましく、正極活物質にはリチウムマンガン複酸化
物が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図面を参
照して本発明を電気自動車に搭載される円筒形リチウム
イオン電池に適用した第1の実施の形態について説明す
る。
【0012】<正極板の作製>正極活物質としてリチウ
ム遷移金属複酸化物であるマンガン酸リチウム(LiM
)粉末やコバルト酸リチウム(LiCoO
粉末と、導電剤として鱗片状黒鉛(平均粒径:20μ
m)及びアセチレンブラックと、結着剤としてポリフッ
化ビニリデン(PVDF)と、を重量比で85:8:
2:5の割合で混合し、これに分散溶媒のN−メチル−
2−ピロリドン(NMP)を添加、混練したスラリを、
厚さ20μmの正極集電体としてのアルミニウム箔の両
面に実質的に均等かつ均質となるように塗布すると共
に、正極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未塗布
部を残した。
【0013】その後乾燥、プレス、裁断して幅300m
m、後述するように、長さLp(cm)、アルミニウム
箔両面の(アルミニウム箔の厚さを含まない)正極合剤
としての正極活物質合剤(層)の厚さTp(μm)、か
さ密度Ap(g/cm)及び空隙量Pp(cm
の、多孔質体(空隙)が実質的に均等に形成された帯状
の正極板を得た。このとき、プレス圧を変えることによ
って、正極活物質合剤層のかさ密度Apを変えることが
でき、空隙率すなわち空隙量Ppを変えることができ
る。
【0014】正極板のスラリ未塗布部に切り欠きを入
れ、切り欠き残部をリード片とした。また、隣り合うリ
ード片を20mm間隔とし、リード片の幅は10mmと
した。
【0015】<負極板の作製>ビーズ状黒鉛粉末や非晶
質炭素粉末92重量部に結着剤として8重量部のポリフ
ッ化ビニリデンを添加し、これに分散溶媒のN−メチル
−2−ピロリドンを添加、混練したスラリを、厚さ10
μmの負極集電体としての圧延銅箔の両面に実質的に均
等かつ均質となるように塗布すると共に、負極板長寸方
向の一方の側縁に幅50mmの未塗布部を残した。
【0016】その後乾燥、プレス、裁断して幅306m
m、後述するように、長さLn(cm)、銅箔両面の
(銅箔の厚さを含まない)負極合剤としての負極活物質
合剤(層)の厚さTn(μm)、かさ密度An(g/c
)及び空隙量Pn(cm)の、多孔質体(空隙)
が実質的に均等に形成された帯状の負極板を得た。この
とき、プレス圧を変えることによって、負極活物質合剤
層のかさ密度Anを変えることができ、空隙率すなわち
空隙量Pnを変えることができる。
【0017】負極板のスラリ未塗布部に正極板と同様に
切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。ま
た、隣り合うリード片を20mm間隔とし、リード片の
幅を10mmとした。
【0018】<電池の作製>上記作製した帯状の正極板
と負極板とを、これら両極板が直接接触しないように厚
さ40μmのリチウムイオンが通過可能なポリエチレン
製セパレータを介して捲回した。このとき、正極板及び
負極板のリード片(図1の符号9参照)が、それぞれ電
極捲回群としての捲回群の互いに反対側の両端面に位置
するようにした。セパレータには、空隙率40%、後述
する長さLs(cm)、空隙量Ps(cm)のものを
用いた。なお、セパレータの長さLsは正極板及び負極
板の接触を防止するために二つ折りとして使用したこと
から、正極板、負極板の長さLp、Lnの2倍以上とな
る。
【0019】また、正極板及び負極板を捲回したとき
に、捲回最内周では捲回方向に正極板が負極板からはみ
出すことがなく、また最外周でも捲回方向に正極板が負
極板からはみ出すことがないように、負極板の長さを正
極板の長さよりも18cm長くなるようにした。捲回方
向と垂直方向においても正極活物質塗布部が負極活物質
塗布部からはみ出すことがないよう、負極活物質塗布部
の幅を、正極活物質塗布部の幅よりも6mm長くした。
【0020】そして、捲回群径を、正極板、負極板、セ
パレータの長さを調整し、65±0.1mmとした。こ
の捲回群の総空隙量Pt(cm)は、正極板の空隙量
Pp、負極板の空隙量Pn及びセパレータの空隙量Ps
の和(Pt=Pp+Pn+Ps)となる。
【0021】図1に示すように、正極板から導出されて
いるリード片9を変形させ、その全てを、軸芯11のほ
ぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1)周囲から一体
に張り出している鍔部7周面付近に集合、接触させた
後、リード片9と鍔部7周面とを超音波溶接してリード
片9を鍔部7周面に接続し固定した。また、負極外部端
子1’と負極板から導出されているリード片9との接続
操作も、正極外部端子1と正極板から導出されているリ
ード片9との接続操作と同様に行った。
【0022】その後、正極外部端子1及び負極外部端子
1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁
被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆
8には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタア
クリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用い
た。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に
亘って何重にも巻いて絶縁被覆8とした。捲回群6の最
大径部が絶縁被覆8存在部となるように巻き数を調整
し、該最大径をステンレス製の電池容器5の内径より僅
かに小さくして捲回群6を電池容器5内に挿入した。電
池容器5の外径は67mm、内径は66mmである。
【0023】そして、アルミナ製で円盤状電池蓋4裏面
と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25
mmの第2のセラミックワッシャ3’を、図1に示すよ
うに、先端が正極外部端子1を構成する極柱、先端が負
極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。
また、アルミナ製で厚さ2mm、内径16mm、外径2
8mmの平板状の第1のセラミックワッシャ3を電池蓋
4に載置し、正極外部端子1、負極外部端子1’をそれ
ぞれ第1のセラミックワッシャ3に通した。その後、電
池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、双方の接触
部全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1、
負極外部端子1’は、電池蓋4の中心に形成された穴を
貫通して電池蓋4外部に突出している。そして、図1に
示すように、第1のセラミックワッシャ3、金属製ナッ
ト2底面よりも平滑な金属ワッシャ14を、この順に正
極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込ん
だ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇に応じて開裂す
る開裂弁10が設けられている。開裂弁10の開裂圧
は、130〜180kPaとした。
【0024】次いで、ナット2を正極外部端子1、負極
外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッ
シャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ
14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付
けにより固定した。このときの締め付けトルク値は7N
・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワ
ッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4裏
面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)製Oリン
グ16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気か
ら遮断される。
【0025】その後、電池蓋4に形成した注液口15か
ら非水電解液を電池容器5内に後述する所定注液量Ve
(g)注入し、その後注液口15を封止して、円筒形リ
チウムイオン電池20を組み立てた。その後、初充電を
行うことにより円筒形リチウムイオン電池20に電池と
しての機能を付与した。なお、円筒形リチウムイオン電
池20には、電池容器5の内圧の上昇に応じて電流を遮
断する電流遮断機構は設けられていない。
【0026】非水電解液には、エチレンカーボネート
(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチル
カーボネート(DEC)の体積比1:1:1の混合溶液
中へ、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を所定量
溶解し、電解液中のリチウムイオン量を後述する所定濃
度(以下、Li濃度と略称する。)としたものを用い
た。また、捲回群6の総空隙量Ptに対する非水電解液
の注液量Veの割合Ve/Pt(以下、対空隙注液率と
いう。)を1.0倍以上とした。
【0027】(第2実施形態)次に、本発明をハイブリ
ッド電気自動車に搭載される円筒形リチウムイオン電池
に適用した第2の実施の形態について説明する。なお、
本実施形態において第1実施形態と同一の部材には同一
の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所のみ説明
する。
【0028】<正極板の作製>第1実施形態と同一の正
極スラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電
体)の両面に実質的に均等かつ均質となるように塗布す
ると共に、正極板長寸方向の一方の側縁に幅30mmの
未塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅8
0mm、後述するように、長さLp(cm)、アルミニ
ウム箔両面の(アルミニウム箔の厚さを含まない)正極
活物質合剤層の厚さTp(μm)、かさ密度Ap(g/
cm)及び空隙量Pp(cm)の、多孔質体(空
隙)が実質的に均等に形成された帯状の正極板を得た。
正極板のスラリ未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残
部をリード片とした。また、隣り合うリード片を20m
m間隔とし、リード片の幅は5mmとした。
【0029】<負極板の作製>第1実施形態と同一の負
極スラリを、厚さ10μmの圧延銅箔の両面に実質的に
均等かつ均質となるように塗布すると共に、負極板長寸
方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残した。そ
の後乾燥、プレス、裁断して幅86mm、後述するよう
に、長さLn(cm)、銅箔両面の(銅箔の厚さを含ま
ない)負極活物質合剤層の厚さTn(μm)、かさ密度
An(g/cm)及び空隙量Pn(cm)の、多孔
質体(空隙)が実質的に均等に形成された帯状の負極板
を得た。負極板のスラリ未塗布部に正極板と同様に切り
欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。また、隣
り合うリード片を20mm間隔とし、リード片の幅を5
mmとした。なお、負極板の長さを正極板の長さよりも
12cm長く、負極活物質塗布部の幅を、正極活物質塗
布部の幅よりも6mm長くした。
【0030】<電池の作製>上記作製した帯状の正極板
と負極板とを、これら両極板が直接接触しないように厚
さ40μmのリチウムイオンが通過可能なポリエチレン
製セパレータを介して捲回した。第1実施形態と同様
に、セパレータには、空隙率40%、後述する長さLs
(cm)、空隙量Ps(cm)のものを用い、正極板
及び負極板の接触を防止するために二つ折りとして使用
した。
【0031】そして、捲回群径を、正極板、負極板、セ
パレータの長さを調整し、38±0.1mmとした。こ
の捲回群の総空隙量Pt(cm)は、正極板の空隙量
Pp、負極板の空隙量Pn及びセパレータの空隙量Ps
の和(Pt=Pp+Pn+Ps)となる。
【0032】図2に示すように、捲回群105の両端か
ら導出された正極リード片108、負極リード片109
を変形してそれぞれ円環状導体である正極集電リング1
11、負極集電リング112に溶接した。その後、捲回
群105と円筒状の有底電池缶106との電気的接触を
防止するために、捲回群105の外周面全周に絶縁被覆
を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイミドで、そ
の片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布
した粘着テープを用いた。この粘着テープを捲回群10
5の外周面に亘って1周以上巻いて絶縁被覆113とし
た。このとき、捲回群105の最大径部が絶縁被覆存在
部となるように巻き数を調整し、該最大径を電池缶10
6の内径である39mmより僅かに小さくした。次い
で、正極集電リング111を、開裂弁を内蔵し外部出力
端子となる電池蓋107に、負極集電リング112を、
外部端子となる電池缶106にそれぞれ導体リードを介
して溶接し、捲回群105を電池缶106内に収容・固
定した。なお、開裂弁の開裂圧は1.3〜1.8×10
Paに設定されている。
【0033】そして、非水電解液を電池缶106内に後
述する所定注液量Ve(g)注入した後、電池缶106
の開口部を、ガスケット110を介して電池蓋107で
封口して、円筒形リチウムイオン電池120を組み立て
た。その後、初充電を行うことにより円筒形リチウムイ
オン電池120に電池としての機能を付与した。
【0034】非水電解液には、第1実施形態と同様のも
のを用いた。捲回群105の総空隙量Ptに対する非水
電解液の注液量Veの割合Ve/Pt(以下、対空隙注
液率という。)を1.0倍以上とした。
【0035】次に、上述した第1実施形態及び第2実施
形態に従って、捲回群6、105の総空隙量Pt及び非
水電解液のLi濃度、注液量Ve等を種々変更して作製
した実施例の円筒形リチウムイオン電池20、120に
ついて説明する。また、比較のために作製した比較例の
電池についても併記する。なお、以下の実施例におい
て、実施例1−1〜実施例1−17の電池は第1実施形
態に従って作製したものであり、実施例2−1〜実施例
2−17の電池は第2実施形態に従って作製したもので
ある。
【0036】(実施例1−1)下表1に示すように、実
施例1−1では、第1実施形態に従って、正極活物質に
日本化学工業株式会社製コバルト酸リチウム(LiCo
)粉末、商品名セルシードC−10を用い、正極活
物質合剤層の厚さTpを186μm、かさ密度Apを
3.00g/cm、空隙量Ppを88cmとし、長
さLpが604cmの正極板を作製した。ここで空隙量
Ppは、正極活物質合剤層の厚さTpと、塗布重量及び
正極活物質層構成材料の比重(真密度)とから計算され
る値を用いた。各活物質層構成材料の比重は、例えばピ
クノメータを用いて測定することができる(負極板につ
いても同じ)。なお、本実施例並びに以下の実施例及び
比較例の電極において、各活物質層構成材料の比重は、
コバルト酸リチウム5.1、マンガン酸リチウム4.2
8、導電材の鱗片状黒鉛2.22、アセチレンブラック
1.31、PVDF1.77、ビーズ状黒鉛MCMB
2.2、非晶質炭素カーボトロンP1.52である。
【0037】負極活物質に大阪ガスケミカル株式会社製
ビーズ状黒鉛粉末、商品名MCMBを用い、負極活物質
合剤層の厚さTnを198μm、かさ密度Anを1.4
g/cm、空隙量Pnを133cmとし、長さLn
が622cmの負極板を作製した。
【0038】正極板と負極板とを、長さLs=1309
cm(空隙量Ps=67cm)のセパレータを介して
捲回し捲回群6を作製した。捲回群6の総空隙量Ptは
288cmとなる。Li濃度が1.0リットル/モル
の非水電解液を注液量Ve=288g電池容器5内に注
入して電池を組み立てた。本実施例の電池の対空隙注液
率Ve/Ptは1.00となる。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例1−2〜1−7)表1に示すよう
に、実施例1−2〜実施例1−7では、非水電解液のL
i濃度及び注液量Veを除き、その他は上述した実施例
1−1と同様に電池を作製した。実施例1−2では、L
i濃度=0.65リットル/モル、注液量Ve=31
6.8gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/
Pt=1.1)。実施例1−3では、Li濃度=0.7
リットル/モル、注液量Ve=316.8gの非水電解
液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.1)。実
施例1−4では、Li濃度=1.0リットル/モル、注
液量Ve=360.0gの非水電解液を注入した(対空
隙注液率Ve/Pt=1.25)。実施例1−5では、
Li濃度=1.0リットル/モル、注液量Ve=43
2.0gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/
Pt=1.5)。実施例1−6では、Li濃度=1.5
リットル/モル、注液量Ve=316.8gの非水電解
液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.1)。実
施例1−7では、Li濃度=1.7リットル/モル、注
液量Ve=316.8gの非水電解液を注入した(対空
隙注液率Ve/Pt=1.1)。
【0041】(実施例1−8〜1−10)表1に示すよ
うに、実施例1−8〜1−10では、正極活物質にセル
シードC−10を用い、正極活物質合剤層の厚さTpを
180μm、かさ密度Apを3.00g/cm、空隙
量Ppを91cmとし、長さLpが642cmの正極
板を作製した。一方、負極活物質に呉羽化学工業株式会
社製非晶質炭素粉末、商品名カーボトロンP(表1及び
後述する表2では、PICと略記する。)を用い、負極
活物質合剤層の厚さTnを176μm、かさ密度Anを
1.0g/cm、空隙量Pnを126cmとし、長
さLnが660cmの負極板を作製した。正極板と負極
板とを、長さLs=1385cm(空隙量Ps=71c
)のセパレータを介して捲回し捲回群6を作製し
た。捲回群6の空隙量Ptは288cm となる。
【0042】実施例1−8〜実施例1−10では、非水
電解液のLi濃度を1.0リットル/モルとし、注液量
Veのみを変えて電池を作製した。実施例1−8では注
液量Ve=288.0gの非水電解液を注入し(対空隙
注液率Ve/Pt=1.0)、実施例1−9では注液量
Ve=360.0gの非水電解液を注入し(対空隙注液
率Ve/Pt=1.25)、実施例1−10では注液量
Ve=432.0gの非水電解液を注入した(対空隙注
液率Ve/Pt=1.5)。
【0043】(実施例1−11〜1−17)表1に示す
ように、実施例1−11〜1−17では、正極活物質に
三井金属株式会社製マンガン酸リチウム(LiMn
)粉末を用い、正極活物質合剤層の厚さTpを211
μm、かさ密度Apを2.66g/cm、空隙量Pp
を102cmとし、長さLpが623cmの正極板を
作製した。一方、負極活物質に非晶質炭素粉末カーボト
ロンPを用い、負極活物質合剤層の厚さTnを160μ
m、かさ密度Anを1.0g/cm、空隙量Pnを1
12cmとし、長さLnが641cmの負極板を作製
した。正極板と負極板とを、長さLs=1347cm
(空隙量Ps=69cm)のセパレータを介して捲回
し捲回群6を作製した。捲回群6の総空隙量Ptは28
3cmとなる。
【0044】実施例1−11〜実施例1−17では、非
水電解液のLi濃度及び注液量Veを変えて電池を作製
した。実施例1−11では、Li濃度=1.0リットル
/モル、注液量Ve=283.0gの非水電解液を注入
した(対空隙注液率Ve/Pt=1.0)。実施例1−
12では、Li濃度=0.65リットル/モル、注液量
Ve=311.3gの非水電解液を注入した(対空隙注
液率Ve/Pt=1.1)。実施例1−13では、Li
濃度=0.7リットル/モル、注液量Ve=311.3
gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=
1.1)。実施例1−14では、Li濃度=1.0リッ
トル/モル、注液量Ve=353.75gの非水電解液
を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.25)。実
施例1−15では、Li濃度=1.0リットル/モル、
注液量Ve=424.5gの非水電解液を注入した(対
空隙注液率Ve/Pt=1.5)。実施例1−16で
は、Li濃度=1.5リットル/モル、注液量Ve=3
11.3gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve
/Pt=1.1)。実施例1−17では、Li濃度=
1.7リットル/モル、注液量Ve=311.3gの非
水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.
1)。
【0045】(比較例1−1)表1に示すように、比較
例1−1では、非水電解液の注液量Veを273.6g
(対空隙注液率Ve/Pt=0.95)とした以外は上
述した実施例1−1と同様に電池を作製した。
【0046】(比較例1−2)表1に示すように、比較
例1−2では、非水電解液の注液量Veを268.85
g(対空隙注液率Ve/Pt=0.95)とした以外は
上述した実施例1−11と同様に電池を作製した。
【0047】(実施例2−1〜2−7)下表2に示すよ
うに、実施例2−1〜2−7では、第2実施形態に従っ
て、正極活物質にセルシードC−10を用い、正極活物
質合剤層の厚さTpを80μm、かさ密度Apを3.0
0g/cm、空隙量Ppを6.3cmとし、長さL
pが367cmの正極板を作製した。また、負極活物質
にMCMBを用い、負極活物質合剤層の厚さTnを86
μm、かさ密度Anを1.4g/cm、空隙量Pnを
9.7cmとし、長さLnが379cmの負極板を作
製した。正極板と負極板とを、長さLs=830cm
(空隙量Ps=12.6cm)のセパレータを介して
捲回し捲回群105を作製した。捲回群105の総空隙
量Ptは28.6cmとなる。
【0048】実施例2−1〜実施例2−7では、非水電
解液のLi濃度及び注液量Veを変えて電池を作製し
た。実施例2−1では、Li濃度=1.0リットル/モ
ル、注液量Ve=28.6gの非水電解液を注入した
(対空隙注液率Ve/Pt=1.0)。実施例2−2で
は、Li濃度=0.65リットル/モル、注液量Ve=
31.5gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve
/Pt=1.1)。実施例2−3では、Li濃度=0.
7リットル/モル、注液量Ve=31.5gの非水電解
液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.1)。実
施例2−4では、Li濃度=1.0リットル/モル、注
液量Ve=35.8gの非水電解液を注入した(対空隙
注液率Ve/Pt=1.25)。実施例2−5では、L
i濃度=1.0リットル/モル、注液量Ve=42.9
gの非水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=
1.5)。実施例2−6では、Li濃度=1.5リット
ル/モル、注液量Ve=31.5gの非水電解液を注入
した(対空隙注液率Ve/Pt=1.1)。実施例2−
7では、Li濃度=1.7リットル/モル、注液量Ve
=31.5gの非水電解液を注入した(対空隙注液率V
e/Pt=1.1)。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例2−8〜2−10)表2に示すよ
うに、実施例2−8〜2−10では、正極活物質にセル
シードC−10を用い、正極活物質合剤層の厚さTpを
80μm、かさ密度Apを3.00g/cm、空隙量
Ppを6.1cmとし、長さLpが354cmの正極
板を作製した。一方、負極活物質にカーボトロンPを用
い、負極活物質合剤層の厚さTnを95μm、かさ密度
Anを1.0g/cm、空隙量Pnを10.5cm
とし、長さLnが366cmの負極板を作製した。正極
板と負極板とを、長さLs=804cm(空隙量Ps=
12.2cm)のセパレータを介して捲回し捲回群1
05を作製した。捲回群105の総空隙量Ptは28.
8cmとなる。
【0051】実施例2−8〜実施例2−10では、非水
電解液のLi濃度を1.0リットル/モルとし、注液量
Veのみを変えて電池を作製した。実施例2−8では注
液量Ve=28.8gの非水電解液を注入し(対空隙注
液率Ve/Pt=1.0)、実施例2−9では注液量V
e=36.0gの非水電解液を注入し(対空隙注液率V
e/Pt=1.25)、実施例2−10では注液量Ve
=43.2gの非水電解液を注入した(対空隙注液率V
e/Pt=1.5)。
【0052】(実施例2−11〜2−17)表2に示す
ように、実施例2−11〜2−17では、正極活物質に
マンガン酸リチウム(LiMn)粉末を用い、正
極活物質合剤層の厚さTpを91μm、かさ密度Apを
2.66g/cm、空隙量Ppを7.5cmとし、
長さLpが375cmの正極板を作製した。一方、負極
活物質に非晶質炭素粉末カーボトロンPを用い、負極活
物質合剤層の厚さTnを66μm、かさ密度Anを1.
0g/cm、空隙量Pnを7.7cmとし、長さL
nが386cmの負極板を作製した。正極板と負極板と
を、長さLs=844cm(空隙量Ps=12.8cm
)のセパレータを介して捲回し捲回群105を作製し
た。捲回群105の総空隙量Ptは28.0cmとな
る。
【0053】実施例2−11〜実施例2−17では、非
水電解液のLi濃度及び注液量Veを変えて電池を作製
した。実施例2−11では、Li濃度=1.0リットル
/モル、注液量Ve=28.0gの非水電解液を注入し
た(対空隙注液率Ve/Pt=1.0)。実施例2−1
2では、Li濃度=0.65リットル/モル、注液量V
e=30.8gの非水電解液を注入した(対空隙注液率
Ve/Pt=1.1)。実施例2−13では、Li濃度
=0.7リットル/モル、注液量Ve=30.8gの非
水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.
1)。実施例2−14では、Li濃度=1.0リットル
/モル、注液量Ve=35.0gの非水電解液を注入し
た(対空隙注液率Ve/Pt=1.25)。実施例2−
15では、Li濃度=1.0リットル/モル、注液量V
e=42.0gの非水電解液を注入した(対空隙注液率
Ve/Pt=1.5)。実施例2−16では、Li濃度
=1.5リットル/モル、注液量Ve=30.8gの非
水電解液を注入した(対空隙注液率Ve/Pt=1.
1)。実施例2−17では、Li濃度=1.7リットル
/モル、注液量Ve=30.8gの非水電解液を注入し
た(対空隙注液率Ve/Pt=1.1)。
【0054】(比較例2−1)表2に示すように、比較
例2−1では、非水電解液の注液量Veを27.2g
(対空隙注液率Ve/Pt=0.95)とした以外は上
述した実施例2−1と同様に電池を作製した。
【0055】(比較例2−2)表2に示すように、比較
例2−2では、非水電解液の注液量Veを26.6g
(対空隙注液率Ve/Pt=0.95)とした以外は上
述した実施例2−11と同様に電池を作製した。
【0056】<試験・評価> [試験1]次に、以上のように作製した実施例1−1〜1
−17及び比較例1−1、1−2の各電池について、室
温で充電した後放電し、放電容量を測定した。充電条件
は、4.2V定電圧、制限電流30A、4.5時間とし
た。放電条件は、10A定電流、終止電圧2.7Vとし
た。
【0057】その後、得られた放電容量を基準に、4.
2V充電状態の各電池を、0.2C、0.5C、1.0
Cで各10秒間連続放電した。横軸電流に対して、各1
0秒目の電圧を縦軸にプロットし、3点を直線近似した
直線が、終止電圧である2.7Vと交差する点の電流値
を読み取り、この電流値と2.7Vとの積をその電池の
出力とした。
【0058】更にその後、各電池を25±2°Cの雰囲
気で下記条件により充放電を100サイクル繰り返して
100サイクル目の出力を初期の出力と同様にして求
め、初期の出力に対する100サイクル目の出力の百分
率(出力維持率)を算出した。 充電:4.2V定電圧、制限電流0.5CA、4.5時
間 放電:0.5CA定電流、終止電圧2.7V
【0059】[試験結果1]下表3にこれら一連の試験の
試験結果を示す。
【0060】
【表3】
【0061】[試験2]また、実施例2−1〜2−17及
び比較例2−1、2−2の各電池について、室温で充電
した後放電し、放電容量を測定した。充電条件は、4.
1V定電圧、制限電流5A、3.5時間とした。放電条
件は、1A定電流、終止電圧2.7Vとした。
【0062】その後、得られた放電容量を基準に、4.
1V充電状態の各電池を、2C、5C、10Cで各10
秒間連続放電した。横軸電流に対して、各10秒目の電
圧を縦軸にプロットし、3点を直線近似した直線が、終
止電圧である2.7Vと交差する点の電流値を読み取
り、この電流値で2.7Vを除した値をその電池の直流
抵抗値とした。
【0063】更にその後、各電池を25±2°Cの雰囲
気で下記条件により充放電を10万サイクル繰り返して
10万サイクル目の直流抵抗値を初期直流抵抗値と同様
にして求め、初期直流抵抗値に対する10万サイクル目
の直流抵抗値の百分率(抵抗増加率)を算出した。 充電:5CA定電流、上限電圧4.1V 放電:5CA定電流、終止電圧2.7V
【0064】[試験結果2]下表4にこれら一連の試験の
試験結果を示す。
【0065】
【表4】
【0066】[評価]表3及び表4から明らかなように、
正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO)、負
極活物質にMCMBを用いた比較例1−1、実施例1−
1〜1−7及び比較例2−1、実施例2−1〜2−7の
電池のうち、非水電解液のLi濃度を0.7リットル/
モルを下回る0.65リットル/モルとした実施例1−
2、実施例2−2の電池、又は、1.5リットル/モル
を上回る1.7リットル/モルとした実施例1−7、実
施例2−7の電池は、電池容量が大きく下回ることはな
いが、Li濃度を0.7リットル/モル以上、かつ、
1.5リットル/モル以下とした他の電池と比較して出
力に若干ながら遜色が見られる。更に、対空隙注液率V
e/Ptが1.0を下回り0.95の比較例1−1の電
池では、初期容量が106Ahと良好であったが、10
0サイクル目の出力維持率が50%と、対空隙注液率V
e/Ptが1.0以上の他の実施例の電池に対し遜色す
ることが判る。一方、対空隙注液率Ve/Ptが0.9
5の比較例2−1の電池では、初期容量には優れるが初
期直流抵抗に遜色が見られ、更に、10万サイクル目の
抵抗増加率が150%と、対空隙注液率Ve/Ptが
1.0以上の他の実施例の電池と比べ大きく遜色する。
なお、以上の電池で対空隙注液率Ve/Ptが1.25
を越えると、他の実施例の電池に比べ出力維持率や抵抗
増加率に大きく変化はなかった。
【0067】また、正極活物質にコバルト酸リチウム、
負極活物質に非晶質炭素を用い、非水電解液のLi濃度
を1.0リットル/モルとし、対空隙注液率Ve/Pt
を1.0〜1.5とした実施例1−8〜1−10及び実
施例2−8〜2−10の電池は、初期容量、初期出力又
は初期直流抵抗、及び、出力維持率又は抵抗増加率が共
に良好であることが判る。
【0068】更に、正極活物質にマンガン酸リチウム、
負極活物質に非晶質炭素を用いた比較例1−2、実施例
1−11〜1−17及び比較例2−2、実施例2−11
〜2−17の電池のうち、非水電解液のLi濃度が0.
7リットル/モルを下回る0.65リットル/モル、又
は1.5リットル/モルを上回る1.7リットル/モル
とした実施例1−12、1−17及び実施例2−12、
2−17の電池では、初期容量が大きく下回ることはな
いが、他の電池と比較して初期出力が小さい、又は初期
直流抵抗が大きい、という難点がある。また、対空隙注
液率Ve/Ptが1.0を下回り0.95の比較例1−
2、2−2の電池では、初期容量、初期出力又は初期直
流抵抗に遜色が見られ、更に、出力維持率又は抵抗増加
率では大きな遜色が見られる。なお、これらの電池で、
対空隙注液率Ve/Ptが1.25を越えると、他の実
施例の電池に比べ出力維持率や抵抗増加率に大きく変化
はなかった。
【0069】以上を纏めると、対空隙注液率Ve/Pt
を1.0以上とすることにより、出力維持率の低下を抑
制することができ、又は、抵抗増加率を小さくすること
ができる。また、非水電解液中のリチウムイオン量を
0.7モル/リットル以上、かつ、1.5モル/リット
ル以下とすることにより、高い初期出力を得ることがで
き、又は、初期直流抵抗を低く抑えることができる。更
に、負極活物質には、ビーズ状黒鉛のMCMBよりも非
晶質炭素が良好である。注液量Veが1.25以上で出
力維持率の確保又は抵抗増加率の抑制が良好となる。更
に、正極活物質にコバルト酸リチウムを使用するよりも
マンガン酸リチウムを使用する方が初期容量は低いが、
出力特性、持に100サイクル目の出力維持率を良好に
維持することができ、又は、入出力特性、特に10万サ
イクル目の抵抗維持率を低下させることができる。この
ような高出力、長寿命の電池は電気自動車又はハイブリ
ッド電気自動車用の電源に適している。
【0070】なお、上記実施形態では、電気自動車及び
ハイブリッド自動車の電源に用いられる大形の二次電池
について例示したが、電池の用途や大きさ、電池容量に
は限定されないことはいうまでもない。また、円筒形電
池に限らず、例えば捲回群を角形や多角形状に捲回した
非水電解液リチウム二次電池にも適用可能である。
【0071】更に、上記実施形態では、電流遮断機構を
備えない円筒形リチウムイオン電池について例示した
が、本発明は電流遮断機構を備えた電池に適用するよう
にしてもよい。このようにすれば、車両衝突事故等の異
常時に電気系の電流遮断機構が作動しなくても機械系の
開裂弁10等の内圧低減機構が作動するので、車載電池
のより高い安全性が確保される。
【0072】また、上記実施形態では、絶縁被覆8、1
13に、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタア
クリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用い
たが、これに限定されるものではなく、例えば、基材が
ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンで、
その片面又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルア
クリレート等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープ
や、粘着剤を塗布しないポリオレフィンやポリイミドか
らなるテープ等を好適に使用することができる。
【0073】更に、上記実施形態では、正極にコバルト
酸リチウムやマンガン酸リチウム、負極にビーズ状黒鉛
や非晶質炭素、電解液にエチレンカーボネートとジメチ
ルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:
1:1の混合液中へ6フッ化リン酸リチウムを所定量溶
解したものを用いたが、これらの種類には特に制限はな
く、また結着剤、負極活物質、非水電解液も通常用いら
れているいずれのものも使用可能である。しかしなが
ら、電気自動車等の用途で高出力かつ長寿命の電池とす
るためには、正極活物質としてリチウム・コバルト複合
酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物を用いるより
も、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチウ
ムを用いることがより望ましい。
【0074】また、上記実施形態ではポリフッ化ビニリ
デンを結着剤として使用したが、リチウムイオン電池用
極板活物質結着剤としては、テフロン(登録商標)、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化
ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各
種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン
等の重合体及びこれらの混合体等を用いてもよい。
【0075】更に、上記実施形態に示した以外の正極活
物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であ
り、予め十分な量のリチウムを挿入したリチウムマンガ
ン複酸化物が好ましく、スピネル構造を有したマンガン
酸リチウムや、結晶中のマンガンやリチウムの一部をそ
れら以外の元素で置換又はドープした材料を使用しても
よい。
【0076】また更に、上記実施形態に示した以外の負
極活物質を使用しても本発明の適用は制限されない。例
えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの
炭素質材料等を使用してもよく、その粒子形状において
も、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるも
のではないが、非晶質炭素を用いる方が好ましい。
【0077】また、電解液としては、一般的なリチウム
塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液を使
用してもよく、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限され
るものではない。例えば、電解質としては、LiClO
、LiAsF、LiPF 、LiBF、LiB
(C、CHSOLi、CFSOLi
等やこれらの混合物を用いることができる。
【0078】そして、上記実施形態以外の非水電解液有
機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエ
トキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオ
キソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスル
ホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれ
ら2種類以上の混合溶媒を用いることができ、更に、混
合配合比についても限定されるものではない。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電池容器内に収容される非水電解液の液量を電極捲回群
の空隙量の1.0倍以上とすることにより、正極合剤及
び負極合剤に形成された多孔質体に、活物質との電気化
学反応を促進・維持する非水電解液が浸潤・拡散される
ので、高い初期出力を確保することができると共に、出
力の低下や直流抵抗の増加を抑制し、長寿命の非水電解
液リチウム二次電池を実現することができる、という効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な第1実施形態の円筒形リチ
ウムイオン電池の断面図である。
【図2】本発明が適用可能な第2実施形態の円筒形リチ
ウムイオン電池の断面図である。
【符号の説明】
6、105 捲回群(電極捲回群) 4、107 電池蓋(電池容器の一部) 5 電池容器(電池容器の一部) 106 電池缶(電池容器の一部) 20、120 円筒形リチウムイオン電池(非水電解液
リチウム二次電池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小石川 佳正 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 (72)発明者 弘中 健介 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ13 HJ07 HJ09 HJ10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体の両面にリチウム遷移金属複
    酸化物を正極活物質として含む正極合剤が塗布され該正
    極合剤に多孔質体が形成された帯状の正極と負極集電体
    の両面に炭素材を負極活物質として含む負極合剤が塗布
    され該負極合剤に多孔質体が形成された帯状の負極とを
    リチウムイオンが通過可能な微細孔を有する帯状のセパ
    レータを介して捲回した電極捲回群と、前記リチウムイ
    オンの移動を許容する非水電解液と、を電池容器内に収
    容し密閉した非水電解液リチウム二次電池において、前
    記電池容器内に収容される非水電解液の液量が前記電極
    捲回群の空隙量の1.0倍以上であることを特徴とする
    非水電解液リチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記非水電解液中のリチウムイオン量
    は、0.7モル/リットル以上、かつ、1.5モル/リ
    ットル以下であることを特徴とする請求項1に記載の非
    水電解液リチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記非水電解液の液量は、前記電極捲回
    群の空隙量の1.25倍以上であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の非水電解液リチウム二次電
    池。
  4. 【請求項4】 前記負極活物質が非晶質炭素であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載の非水電解液リチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記正極活物質がリチウムマンガン複酸
    化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項に記載の非水電解液リチウム二次電池。
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