JP3752930B2 - 円筒形リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は円筒形リチウムイオン電池に係り、特に正極集電体に充放電によりリチウムを放出・収容可能な正極活物質を塗着した帯状の正極と、負極集電体に充放電によりリチウムを収容・放出可能な負極活物質を塗着した帯状の負極とが、リチウムイオンが通過可能な帯状のセパレータを介して軸芯の回りに捲回された電極捲回群を備え、電極捲回群は軸芯と共に円筒形電池容器に内蔵され、前記電池容器内で支持又は固定された構造の円筒形リチウムイオン電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池は、高出力、高エネルギー密度である点から、EV(電気自動車)用電源として注目されている。リチウムイオン二次電池はその形状で、円筒形と角形とに分類することができる。通常、円筒形電池の内部は、電極が正極、負極共に活物質が金属箔に塗着された帯状であり、正極、負極が直接接触しないようにセパレータを挟んで円筒状の軸芯の回りに断面が渦巻状に捲回され、電極捲回群が形成された捲回式構造が採られている。そして、電池容器となる円筒形の缶又は容器に電極捲回群が収納され、電解液注液後、封口し、初充電することで電池としての機能が付与される。
【0003】
EV用電源用途に適した概ね容量30Ah以上の高容量、高出力のリチウムイオン二次電池においては、電池長さ、電池径ともに大きくなる。上述したように、活物質が金属箔に塗着された帯状の電極は、大きな電池径に対応させるべく、活物質の塗着量を増加させて電極を厚くすると、活物質層が剥離、脱落して電極形状が維持できなくなる。このため、活物質の塗着厚さを薄くした長尺の帯状の電極とし、その捲回回数を多くすることで電極捲回群の径を大きくしている。
【0004】
一方、大電流放電が可能で高出力の電池を得るために、例えば特開平第9−92335号公報には、電極から数多くのリードを取り出し、そのリードを集結させて電池端子を兼ねる集電部材を電池内に構成する技術が提案されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
ところが、以上のような捲回式構造を有し、電極捲回群が長く、多数回捲回された電極捲回群においては、高出力が得られる反面、大電流放電、大電流充電(急速充電や回生)によるジュール熱でしばしば発熱を伴い、電極捲回群自体が大きいことから、電池表面からの放熱が追いつかず蓄熱に至る。EVに搭載された電池の蓄熱対策として、EVの電池室内に空気を取り入れたり、又は循環させたりする工夫や、更にその効率を向上させるべく電池室構造の工夫が考案されている。
【0006】
正極活物質として充放電によりリチウムを放出、収容することができるリチウム−遷移金属複酸化物を、負極活物質として充放電によりリチウムを収容、放出することができる炭素質物質を用いたリチウムイオン電池は、常温環境下に対して高温環境下では、寿命特性が低下する。EVに搭載された電池は、低温環境、高温環境にかかわらず、充放電されることになるので、とりわけ高温環境下での寿命特性を改善することは、EVの寿命にそのまま反映されることとなり、EVの電池搭載方法だけでなく、電池自体の放熱効率を向上させることは極めて重要な課題となる。
【0007】
本発明は上記事案に鑑み、リチウム−遷移金属複酸化物を正極に用いても寿命特性に優れる円筒形リチウムイオン電池を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、正極集電体に充放電によりリチウムを放出・収容可能な正極活物質を塗着した帯状の正極と、負極集電体に充放電によりリチウムを収容・放出可能な負極活物質を塗着した帯状の負極とが、リチウムイオンが通過可能な帯状のセパレータを介して軸芯の回りに捲回された電極捲回群を備え、前記電極捲回群は前記軸芯と共に円筒形電池容器に内蔵され、前記電池容器内で支持又は固定された構造の円筒形リチウムイオン電池において、前記電池容器の電池表面側の表面粗さRaが5μm以上であることを特徴とする。
【0009】
本発明では、電池容器の電池表面側の表面粗さRaを5μm以上とすることにより、電池容器表面積が大きくなり、電池容器表面の放熱効率を向上させることができるので、高温下で寿命が低下するリチウム−遷移金属複酸化物を正極に用いた円筒形リチウムイオン電池の寿命特性を改善することができる。
【0010】
この場合において、正極活物質にリチウムマンガン複酸化物を、及び/又は負極活物質に非晶質炭素を用いるようにすれば、円筒形リチウムイオン電池の寿命特性の改善効果を大きくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をEV搭載用円筒形リチウムイオン電池に適用した実施の形態について説明する。
【0012】
<電池製造方法>
[正極板の作製]
充放電によりリチウムを放出・収容可能な活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)粉末やマンガン酸リチウム(LiMn)粉末87重量部と、導電剤として鱗片状黒鉛(平均粒径:20μm)8.7重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)4.3重量部と、を混合し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加、混練したスラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した。このとき、正極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅300mm、後述する所定長さ及び正極活物質合剤塗布部所定厚さの帯状の正極板を得た。正極活物質合剤層の空隙率はいずれも35+−2%とした。正極板のスラリ未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。また、隣り合うリード片を20mm間隔とし、リード片の幅は10mmとした。
【0013】
[負極板の作製]
充放電によりリチウムを収容・放出可能な黒鉛質炭素である大阪ガスケミカル株式会社(以下、大阪ガスケミカルという。)製のMCMB粉末や、非晶質炭素である呉羽化学工業株式会社(以下、呉羽化学という。)製カーボトロンP粉末92重量部に結着剤として8重量部のポリフッ化ビニリデンを添加し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドンを添加、混練したスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面に塗布した。このとき、負極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅305mm、後述する所定長さ及び負極活物質塗布部所定厚さの帯状の負極板を得た。負極活物質層の空隙率はいずれも35+−2%とした。負極板のスラリ未塗布部に正極板と同様に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。また、隣り合うリード片を20mm間隔とし、リード片の幅を10mmとした。
【0014】
[電池の作製]
上記作製した帯状の正極板と負極板とをこれら両極板が直接接触しないように厚さ40μm、幅310mmのポリエチレン製セパレータと共に、直径14mm、内径8mmのガラス繊維をフィラーとして30%分散混入させたポリプロピレン製中空管で捲回中心となる軸芯11の回りに、40回以上捲回した。このとき、正極板及び負極板のリード片(図1の符号9参照)が、それぞれ捲回群(電極捲回群)の互いに反対側の両端面に位置するようにした。捲回群径は、正極板、負極板及びセパレータの長さ及び正極板、負極板の厚さを調整し、63+−0.5mmとした。
【0015】
図1に示すように、正極板から導出されているリード片9を変形させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1)周囲から一体に張り出している集電部材の一部としての鍔部7周面付近に集合、接触させた後、リード片9と鍔部7周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部7周面に接続し固定した。また、負極外部端子1’と負極板から導出されているリード片9との接続操作も、正極外部端子1と正極板から導出されているリード片9との接続操作と同様に行った。
【0016】
その後、正極外部端子1及び負極外部端子1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆8には、基材がポリプロピレンで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に亘って少なくとも1周以上巻いて絶縁被覆8とした。そして、捲回群6を外径67mm、内径66mmのステンレス(SUS304)製電池容器5内に挿入した。後述するように、この電池容器5の電池表面側の表面粗さRaは5μm以上とした。
【0017】
次に、アルミナ製で円盤状電池蓋4(蓋板)裏面と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25mmの第2のセラミックワッシャ3’を、図1に示すように、先端が正極外部端子1を構成する極柱、先端が負極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。また、アルミナ製で厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状の第1のセラミックワッシャ3を電池蓋4に載置し、正極外部端子1、負極外部端子1’をそれぞれ第1のセラミックワッシャ3に通した。その後、電池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、双方の接触部全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1、負極外部端子1’は、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して電池蓋4外部に突出している。そして、図1に示すように、第1のセラミックワッシャ3、金属製ナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ14を、この順に正極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込んだ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられている。開裂弁10の開裂圧は、1.3×10〜1.8×10Pa(130〜180N/cm)とした。
【0018】
次いで、ナット2を正極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付けにより固定した。このときの締め付けトルク値は5N・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4裏面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)製Oリング16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気から遮断される。
【0019】
その後、電池蓋4に設けた注液口15から電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後注液口15を封止することにより円筒形リチウムイオン電池21を完成させた。
【0020】
電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶液中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。なお、円筒形リチウムイオン電池21には、電池容器5の内圧の上昇に応じて電流を遮断する電流遮断機構は設けられていない。
【0021】
(実施例)
次に、本実施形態に従って作製した円筒形リチウムイオン電池21の実施例について説明する。まず、本実施例の正極板及び負極板を次のように作製した。
【0022】
<正極板>
[正極板C−1] 正極活物質に日本化学工業株式会社(以下、日本化学という。)製セルシードC−10を用いたコバルト酸リチウムとし、正極集電体を含んだ電極厚さ195μm、長さ636cmの正極板を作製した(以下、この正極板を正極板C−1という。)。このときの正極活物質合剤層のかさ密度は2.77g/cmとした。
[正極板C−2] 正極活物質に日本化学製セルシードC−10を用いたコバルト酸リチウムとし、正極集電体を含んだ電極厚さ199μm、長さ629cmの正極板を作製した(以下、この正極板を正極板C−2という。)。このときの正極活物質合剤層のかさ密度は2.77g/cmとした。
[正極板M−1] 正極活物質を三井金属株式会社(以下、三井金属という。)製のマンガン酸リチウムとし、正極集電体を含んだ電極厚さ240μm、長さ620cmの正極板を作製した(以下、この正極板を正極板M−1という。)。このときの正極活物質合剤層のかさ密度は2.61g/cmとした。
[正極板M−2] 正極活物質を三井金属製のマンガン酸リチウムとし、正極集電体を含んだ電極厚さ243μm、長さ618cmの正極板を作製した(以下、この正極板を正極板M−2という。)。このときの正極活物質合剤層のかさ密度は2.61g/cmとした。
【0023】
<負極板>
[負極板B−1] 黒鉛質炭素として、大阪ガスケミカル製のMCMBを用い、負極集電体を含んだ電極厚さ173μm、長さ654cmの負極板を作製した(以下、この負極板を負極板B−1という。)。このときの負極活物質合剤層のかさ密度は1.35g/cmとした。
[負極板B−2] 黒鉛質炭素として、大阪ガスケミカル製のMCMBを用い、負極集電体を含んだ電極厚さ141μm、長さ638cmの負極板を作製した(以下、この負極板を負極板B−2という。)。このときの負極活物質合剤層のかさ密度は1.35g/cmとした。
[負極板P−1] 非晶質炭素として、呉羽化学製カーボトロンPを用い、負極集電体を含んだ電極厚さ175μm、長さ647cmの負極板を作製した(以下、この負極板を負極板P−1という。)。このときの負極活物質合剤層のかさ密度は0.98g/cmとした。
[負極板P−2] 非晶質炭素として、呉羽化学製カーボトロンPを用い、負極集電体を含んだ電極厚さ140μm、長さ636cmの負極板を作製した(以下、この負極板を負極板P−2という。)。このときの負極活物質合剤層のかさ密度は0.98g/cmとした。
【0024】
<構成>
(実施例1)表1に示すように、正極板C−1と負極板B−1とを組み合わせた電池21を作製した。電池容器5の表面を、サンドブラスト処理により表面粗さRa=5μmとした。電池容器5は円筒状に加工されたままの状態では、金属光沢を示しているが、サンドブラスト処理により金属光沢が弱まり、ややくすんだ表面外観となる。
【0025】
【表1】
Figure 0003752930
【0026】
(実施例2)表1に示すように、正極板C−2と負極板P−1とを組み合わせ、それ以外は実施例1と同様に電池21を作製した。
(実施例3)表1に示すように、正極板M−1と負極板B−2とを組み合わせ、それ以外は実施例1と同様に電池21を作製した。
(実施例4)表1に示すように、正極板M−2と負極板P−2とを組み合わせ、それ以外は実施例1と同様に電池21を作製した。
(実施例5)表1に示すように、サンドブラスト処理により表面粗さRa=10μmとした電池容器5を用いた以外は実施例4と同様に電池21を作製した。
(実施例6)表1に示すように、サンドペーパー処理により表面粗さRa=5μmとした電池容器5を用いた以外は実施例4と同様に電池21を作製した。
【0027】
<比較例の構成>
また、以上の実施例と比較するために、同時に比較例1〜比較例5の円筒形リチウムイオン電池を作製した。なお、比較例1〜比較例4の電池は、それぞれ実施例1〜実施例4の電池と電池容器5の表面粗さRaを除いて同仕様(同一構成)とした。
【0028】
(比較例1)表1に示すように、サンドブラスト処理により表面粗さRa=4μmとした電池容器5を用いた以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例2)表1に示すように、サンドブラスト処理により表面粗さRa=4μmとした電池容器5を用いた以外は実施例2と同様に電池を作製した。
(比較例3)表1に示すように、サンドブラスト処理により表面粗さRa=4μmとした電池容器5を用いた以外は実施例3と同様に電池を作製した。
(比較例4)表1に示すように、サンドブラスト処理により表面粗さRa=4μmとした電池容器5を用いた以外は実施例4と同様に電池を作製した。
(比較例5)表1に示すように、円筒状に加工されたままの状態の電池容器5を用いた以外は実施例4と同様に電池を作製した。なお、この電池容器5の表面粗さRaは0.5μmであった。
【0029】
<試験・評価>
[試験]
次に、以上のように作製した実施例及び比較例の各電池について、25+−3°Cにて、4.2V定電圧、電流制限(上限)30A、5時間の充電の後、30A定電流、終止電圧2.5Vの条件で放電し、放電容量を計測した。
【0030】
その後、電池温度を60+−3°Cまで加温し、環境温度60+−3°Cにて、4.2V定電圧、電流制限30A、充電終止条件:定電圧時の電流が0.3Aに到達した時点、で充電の後、30A定電流、終止電圧2.5Vの条件で充放電サイクルを繰り返した。充電と放電、放電と充電の切り替え時には、15分間の休止期間を設けた。
【0031】
[試験結果]
初期放電容量計測結果と充放電サイクル寿命特性試験結果と下表2に示す。なお、表2において、充放電サイクル寿命特性は、各電池の初期放電容量を100としたときの300サイクル時点での放電容量を百分率で示した放電容量維持率で表している。また、表2において「同仕様との差」は、電池容器5の表面粗さRa以外は電極を含めて同仕様の比較例の電池との放電容量維持率に対する差を示している(例えば、実施例1の電池の場合には、比較例1の電池との差{87(%)−77(%)}=10(ポイント))。
【0032】
【表2】
Figure 0003752930
【0033】
[評価]
表2から明らかなように、電池容器5の表面粗さRaが5μm以上である実施例1〜6の電池は、表面粗さRaが5μm未満である比較例1〜5の電池と比べて放電容量維持率、換言すれば、サイクル寿命、が向上している。このようにサイクル寿命が向上する理由は、適切な表面粗さRaを持った電池容器5を用いることで、電池容器5の表面面積が大きくなり、電池表面からの放熱効果が向上したことによると考えられる。
【0034】
また、サンドペーパーで処理した電池容器5を用いた実施例6の電池が、サンドブラストで処理し、同じ表面粗さRaの電池容器5を用いた実施例4の電池に対して若干放電容量維持率(サイクル寿命)が向上していた。これは、サンドペーパー処理の方が、電池容器5の表面が粗面化し表面積が増大したことによるものと思われる。
【0035】
更に、実施例1〜4の電池からも明らかなように、適切な表面粗さRaの電池容器5を用いることで、正極活物質や負極活物質の種類に限定されることなく放電容量維持率(サイクル寿命)は向上するが、表2に示した同仕様との差を参照すると、正極活物質に、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチウムを用いた実施例3及び4の電池は、電池容器5の表面粗さRa以外は同仕様の比較例3及び4の電池と比べてサイクル寿命向上の効果が大きく、また、負極活物質に、非晶質炭素を用いた実施例2及び4の電池は、電池容器5の表面粗さRa以外は同仕様の比較例2及び4の電池と比べてサイクル寿命向上の効果が大きいことが分かる。特に、正極活物質に、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチウムを、負極活物質に、非晶質炭素を用いた実施例4の電池は、電池容器5の表面粗さRa以外は同仕様の比較例4の電池と比べてひときわサイクル寿命向上の効果が大きくなっている(同仕様との差15ポイント)。
【0036】
本実施形態では、EV搭載用の大型の円筒形リチウムイオン電池について例示したが、本発明は、実質3Ah以上の放電容量を有する円筒形リチウムイオン電池であれば、電池の用途や放電容量の大小に拘わらず効果を発揮することができる。また、本発明の円筒形リチウムイオン電池は、エンジンルーム等50°C程度の高温下に配置されても長寿命であり、高容量、高出力の電池にも適用可能であるので、特に電気自動車の電源としてふさわしい。
【0037】
なお、本実施形態では電池容器5に円盤状電池蓋4をレーザ溶接した場合を例示したが、有底筒状容器(缶)に電池上蓋がカシメによって封口されている構造の円筒形リチウムイオン電池にも本発明の適用は可能である。
【0038】
また、本実施形態では、絶縁被覆8に、基材がポリプロピレンで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、基材がポリイミドやポリエチレン等のポリオレフィンで、その片面又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープや、粘着剤を塗布しないポリオレフィンやポリイミドからなるテープ等を好適に使用することができる。
【0039】
更に、本実施形態では、リチウムイオン電池用の正極にコバルト酸リチウムやマンガン酸リチウム、負極に黒鉛質炭素や非晶質炭素、電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合液中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解したものを用いたが、本発明の電池の製造方法には特に制限はなく、また結着剤、負極活物質、非水電解液も通常用いられているいずれのものも使用可能である。EV用途向け高容量、高出力の電池で、かつ安全性を確実に確保するためには、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物を用いるよりも、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチウムを用いることがより望ましい。
【0040】
また、本実施形態ではポリフッ化ビニリデンを結着剤として使用したが、これ以外のリチウムイオン電池用極板活物質結着剤としては、テフロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体等を用いてもよい。
【0041】
更に、本実施形態に示した以外のリチウム二次電池用正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムを挿入したリチウムマンガン複酸化物が好ましく、スピネル構造を有したマンガン酸リチウムや、結晶中のマンガンやリチウムの一部をそれら以外の元素で置換又はドープした材料を使用してもよい。また、リチウムとマンガンとの原子比が化学量論比からずれた活物質を使用しても以上の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また更に、以上の実施形態に示した以外のリチウムイオン電池用負極活物質を使用しても本発明の適用は制限されない。例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等を使用してもよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
【0043】
また、電解液としては、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液を使用してもよく、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限されるものではない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。
【0044】
そして、本実施形態以外の非水電解液有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれら2種類以上の混合溶媒を用いることができ、更に、混合配合比についても限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電池容器の電池表面側の表面粗さRaを5μm以上とすることにより、電池容器表面積が大きくなり、電池容器表面の放熱効率を向上させることができるので、高温下で寿命が低下するリチウム−遷移金属複酸化物を正極に用いた円筒形リチウムイオン電池の寿命特性を改善することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態のEV搭載用円筒形リチウムイオン電池の断面図である。
【符号の説明】
4 電池蓋(蓋板)
5 電池容器
6 捲回群(電極捲回群)
7 鍔部(集電部材の一部)
11 軸芯
21 円筒形リチウムイオン電池

Claims (3)

  1. 正極集電体に充放電によりリチウムを放出・収容可能な正極活物質を塗着した帯状の正極と、負極集電体に充放電によりリチウムを収容・放出可能な負極活物質を塗着した帯状の負極とが、リチウムイオンが通過可能な帯状のセパレータを介して軸芯の回りに捲回された電極捲回群を備え、前記電極捲回群は前記軸芯と共に円筒形電池容器に内蔵され、前記電池容器内で支持又は固定された構造の円筒形リチウムイオン電池において、前記電池容器の電池表面側の表面粗さRaが5μm以上であることを特徴とする円筒形リチウムイオン電池。
  2. 前記正極活物質は、リチウムマンガン複酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウムイオン電池。
  3. 前記負極活物質は、非晶質炭素であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の円筒形リチウムイオン電池。
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