JP2004143383A - 固形シランカップリング剤組成物、その製造方法およびそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲル化してない固形のシランカップリング剤であって、樹脂組成物 中に添加して金属等との密着性に優れ、かつ貯蔵安定性や溶融時の流動性にも優れた固形シランカップリング剤を提供すること。
【解決手段】以下の成分の反応生成物からなる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(A)ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(B)アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(C)フェノール化合物:50重量%〜90重量%
【選択図】 なし
【解決手段】以下の成分の反応生成物からなる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(A)ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(B)アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(C)フェノール化合物:50重量%〜90重量%
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、無機材料または有機材料に対する樹脂の密着性を改善し、および樹脂組成物の流動性と貯蔵安定性を改善させる固体のシランカップリング剤、またそれを配合した樹脂組成物に関するものであり、電子材料,塗料,プライマー,接着剤等の分野に使用できる。特に電子材料に使用されている封止材や粉体塗料等の粉末状組成物の添加剤、または潜在的に硬化性を有するが非加熱下では貯蔵安定性を要求される液状樹脂組成物の分野に適している。
【0002】
【従来の技術】
近年電子材料分野は軽薄短小化の流れとともにハロゲンやアンチモンフリー、鉛フリー半田化等の流れがあり、封止材等にはさらなる特性向上が必要とされる現状にある。
例えば、半導体用封止樹脂は従来ノボラックエポキシ樹脂をフェノールノボラック樹脂で硬化させるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、半導体は高集積化により、パッケージの小型化、薄型化、また環境問題から、鉛フリー半田への流れ、さらにリードフレームのPPF(プリプレーティッドフレーム)の開発等により封止樹脂に対する要求は年々厳しいものとなってきており、従来のエポキシ樹脂組成物では信頼性の確保が困難になってきている。具体的な要求特性としてはチップやリードフレームとの密着性、特に吸湿させた後、半田に浸漬してもクラックや界面はくり等が生じないことである。
【0004】
また、塗料の分野では、溶剤系塗料が一般的に使用されているが、有機溶剤に対する公害規制の強化および施行が急速に具体化されている。このような状況の中、有機溶剤をまったく使用しない粉体塗料が注目されている。しかしながら溶剤塗料に比べ薄膜化が困難であったり、平滑性がおとる等の問題点とともに、特にポリエステル系粉体塗料において金属等との二次密着性が低いことが言われている。
このような金属や無機物と樹脂との接着性を改善させる手段としてはシランカップリング剤の表面処理または樹脂への添加の方法がとられるのが一般的である。
【0005】
上記封止材関係では主にエポキシ系、アミノ系、メルカプト系のシランカップリング剤は効果があり,長年使用されてきていたが,近年の上記環境問題対応や軽薄短小化の流れでは,要求特性を満足出来ない場合が増えてきている現状にある。また、封止材の大部分または粉体塗料は粉末状であるため、液状のシランカップリング剤は均一混合性や取り扱い上問題となる。このような点から固体のシランカップリング剤が望まれていたが現在市販されておらず、液状のシランカップリング剤を使わざるをえない状況である。
【0006】
シランカップリング剤とフェノール樹脂とを混合反応し、得られた反応生成物を封止材用途でエポキシ樹脂組成物の成分として使用することは既に提案されている(特許文献1〜6)。このような反応生成物は、シランカップリング剤が液状であるため、シランカップリング剤/フェノール樹脂の比率が低い場合は固体状で粉砕することが可能であるが、シランカップリング剤の比率が高くなるにつれて徐々に柔らかくなり(軟化点が低下し)、粉砕できなくなる。それぞれのシランカップリング剤によって異なるが、ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤は、数%〜10%以下(残りはフェノール樹脂)でないと粉砕できなくなる。
【0007】
シランカップリング剤を混合した後にアルコールを除去する方法が特許文献2〜5に記載されており、アルコールを除去すると軟化点は上昇するが、シランカップリング剤同士の縮合反応によりシロキサン結合が生成しゲル化するために期待される接着力向上効果が得られ難い。一方アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有する塩基性を有するシランカップリング剤は、アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基がシランカップリング剤中のアルコキシシリル基の加水分解の触媒となるため、フェノールの水酸基との反応およびシランカップリング剤同士の縮合反応が進みやすく固体となりやすい。しかしながらこれらの塩基性シランカップリング剤は、触媒活性が強いため、封止剤中に添加すると接着強度は向上するものの、流動性が低下しトランスファーモールドする際に問題が生じやすい。
【0008】
また、特許文献2〜5にフェノール樹脂とシランカップリング剤の反応(混合)の方法が記載されている。いずれの特許も、シランカップリング剤とフェノール樹脂を高温下で混合し、生成してきたアルコールを除去する方法で製造している。この際、前述した通り、数%のシランカップリング剤(残りはフェノール樹脂)では問題なく固形化できるが、フェノール樹脂硬化剤の作用が強すぎ、固形シランカップリング剤というよりは、シラン剤で変性したフェノール樹脂であり、硬化剤としてエポキシ樹脂組成物に多量に添加しなければ効果が得られない。フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物は、多量に添加してもさほど問題はないが、他の硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物や不飽和ポリエステルなどのエポキシ樹脂以外の樹脂組成物では、カップリング剤添加量を多くするために多量に添加すると、フェノール樹脂添加量も増加し、好ましくない。
【0009】
一方、シランカップリング剤の含有比率を多くすると、シランカップリング剤とフェノール樹脂との反応により生成するアルコールを除去する際、シラン同士の縮合が起こりゲル化して溶剤に溶けなくなる。このゲル化した反応生成物は、樹脂組成物を加熱溶融して硬化反応させる際、樹脂と混ざり難く、シランカップリング剤のカップリング効果が不十分となり、密着性の向上が十分に発揮されない。
【0010】
こうしたことから、特許文献4の段落[0032]にシランカップリング剤のフェノール樹脂に対する割合は0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%であると記載されているものの、実際の実施例においては10重量%以下となっている。その他、特許文献2,3,5においても実施例ではシランカップリング剤の含有率が10重量%以下となっている。
【0011】
【特許文献1】
特公平7ー17739号公報
【特許文献2】
特許第2506220号
【特許文献3】
特公平7−94534号公報
【特許文献4】
特開平9−67427号公報
【特許文献5】
特開2002−128867号公報
【特許文献6】
特開昭59−181036号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした状況の下で、ゲル化していない固形シランカップリング剤を提案するもので、特に樹脂組成物中に添加することにより、金属等の基材との密着性および樹脂組成物の貯蔵安定性や溶融時の流動性を改善する固形シランカップリング剤及びその製法を提供することを目的とするものであり、あわせてそのカップリング剤を含む樹脂組成物、粉体塗料、封止材料を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の(A)〜(C)を反応させてなる固形シランカップリング剤を見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)以下の成分の反応生成物からなる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(A)ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(B)アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(C)フェノール化合物:50重量%〜90重量%
(2)(1)記載の(A)シランカップリング剤、(1)記載の(B)シランカップリング剤および(C)フェノール化合物をアルコールとともに、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させることを特徴とする非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
(3)60℃〜150℃に加温し溶融させたフェノール化合物に、上記(A)のシランカップリング剤および上記(B)のシランカップリング剤とアルコールの混合溶液を添加し、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
(4)上記(A)のシランカップリング剤および上記(B)のシランカップリング剤とアルコールの混合溶液を添加し、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(5)上記(C)のフェノール化合物がフェノール樹脂であることを特徴とする前記(1)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(6)上記(A)と(B)の成分の合計が10重量%以上であることを特徴とする前記(1)、(4)または(5)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物 。
(7)前記(1)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む樹脂組成物。
(8)無機質充填材を含む前記(7)記載の樹脂組成物。
(9)前記(7)または(8)記載の樹脂組成物を加熱することにより得られた樹脂硬化物
(10)前記(1)、(4)、(5)、(6)のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む粉体塗料。
(11)前記(1)、(4)、(5)、(6)のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む封止材料。
【0015】
本発明の固形シランカップリング剤は、上記のとおり、(A)、(B)、(C)成分の反応生成物である。
そして、この固形シランカップリング剤を得るには、反応時アルコールを共存させることが重要である。これらを単に混合して反応させる従来のフェノール樹脂とシランカップリング剤の反応方法で合成すると(B)成分の反応活性が強すぎて加水分解および縮合が促進されてゲル化してしまうが、本発明の製造方法を用いればゲル化することなく、かつ粉砕可能な固体が得られる。
【0016】
すなわち、本発明の製造方法と従来法との違いは、上記(A)、(B)および(C)成分を反応させるに当たり、アルコールを添加することにあり、これにより(A)+(B)のシランカップリング剤の合計が10重量%以上添加してもゲル化しないことが確認された。本発明のシランカップリング剤は、固形でかつ粉砕が容易であるため粉体塗料や粉末状の封止材に対して添加が容易であり、金属等に対する密着性も向上することが確認された。また固体状であるので、貯蔵安定性(または潜在性、室温では反応せず、硬化させるため、加熱した際に反応する性質)にも優れるため、潜在性の必要な塗料、ワニス、レジスト等の液状樹脂組成物の分野にも適用可能である。
【0017】
本発明に使用する(A)成分のビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤としては、市販されているものが簡単に入手できる。
【0018】
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0019】
本発明に使用する(B)成分のアミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有する塩基性を有するシランカップリング剤としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは特開平05−186479,特開平05−039295、特開平09−295988,特開平09−296135,特開平09−295989,特開平09−295992,特開2000−297094等に記載されているものがあげられる。
【0020】
本発明に使用するフェノール化合物は、1分子中に1個以上のフェノール性水酸基を有するもので、軟化点または融点が60℃以上であればどのようなものでもよいが,例えば,ビスフェノールA,ビスフェノールF,ポリビニルフェノール,フェノールノボラック樹脂,クレゾールノボラック樹脂,ビスフェノールAノボラック樹脂,ビスフェノールFノボラック樹脂,アラルキルフェノール樹脂等のフェノール樹脂が好ましいものとしてあげられる。
【0021】
上記(A)、(B)、(C)を反応させる際の混合比は、1重量%〜40重量%:1重量%〜40重量%:50重量%〜90重量%であるが、より好ましくは,5重量%〜20重量%:5重量%〜20重量%:60重量%〜85重量%である。
シランカップリング剤の含有率が多いと固形化や粉砕しにくくなるとともにゲル化しやすくなるため、(A)+(B)は40重量%以下が好ましい。
【0022】
反応は、上記(A)、(B)、(C)をアルコールの共存下に攪拌しながら、60℃〜150℃に加熱して行う。本発明においては、アルコールを反応時に共存させることが重要であり、これらの各成分の混合順序は特に制限されるものではない。好ましくは、加熱し溶融させたフェノール化合物を撹拌しながら、上記(A)のシランカップリング剤、または上記(B)のシランカップリング剤をアルコールとの混合溶液として添加し、60℃〜150℃で10分〜2時間撹拌しながら反応させた後、90℃〜150℃で5分〜2時間乾燥させる。この際のアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、nーブタノール、t−ブタノール等を使用することができる。
【0023】
アルコールの有機基が大きすぎると、乾燥後も固形シランカップリング剤中に多く残存し、軟化点が低下する。一方アルコールの有機基が小さいと乾燥時にすぐに蒸発してしまい、軟化点が上昇するが、ゲル化しやすくなる。このようなことからより好ましいアルコールとしては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールである。
【0024】
上記(A)成分のシランカップリング剤の選定であるが、シランカップリング剤を使用する樹脂組成物の種類に応じて選択することが好ましい。例えば封止材等に使用されるエポキシ樹脂組成物では、グリシジル基、メルカプト基を含有するシランカップリング剤が好ましく、またポリエステル系粉体塗料には、ビニル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基を含有するシランカップリング剤が好ましい。
【0025】
本発明の固形シランカップリング剤は、樹脂に添加することにより、その樹脂の金属やガラス、セラミックなどの無機材料に対する密着性を向上させることができる。このような樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等があり、これらの樹脂を用いた封止材、積層板、レジスト、塗料、プライマー、接着剤等の添加剤として使用できる。また、本発明のカップリング剤は固体であるため、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の潜在的硬化剤として作用する。
【0026】
さらに、本発明の固形シランカップリング剤は、容易に粉砕されて粉体塗料に添加することができる。そして同様に被塗装物に対して密着性を向上することができる。このような粉体塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂粉体塗料、エポキシ樹脂粉体塗料、アクリル樹脂粉体塗料、ハイブリッド系粉体塗料、ポリウレタン系粉体塗料、TGIC系粉体塗料等がある。
本発明の固形シランカップリング剤は、上記のように容易に粉砕されるが、粉砕後、ブロッキングを防止するためにシリカなどのアンチブロッキング剤を添加することもできる。
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化ケイ素などの無機充填剤、硬化促進剤、難燃剤、ワックス等をさらに添加することができる。
【0027】
【実施例】
次に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例の配合割合は重量部とする。
固形シランカップリング剤の合成および溶解性試験
【0028】
実施例1
フェノールノボラック樹脂80g(軟化点:100℃)を120℃に加熱し溶融した。その溶融したフェノールノボラック樹脂中に撹拌しながら3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを添加した後、イミダゾールシラン(特開平5−186479の方法で1H−イミダゾールと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを反応させて得られた化合物)15gとイソプロパノール6gを混合したものを添加し,添加後1時間撹拌した。この反応混合物を120℃の乾燥器に1時間いれた。この反応混合物を室温で冷却した後、粉砕し固形シランカップリング剤1を得た。得られた固形カップリング剤1はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0029】
実施例2
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを10gに、イミダゾールシラン15gを10gとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤2を得た。得られた固形カップリング剤2はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0030】
実施例3
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを15gに、イミダゾールシラン15gを5gとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤3を得た。得られた固形カップリング剤3はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0031】
実施例4
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤4を得た。得られた固形カップリング剤4はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0032】
実施例5
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤5を得た。得られた固形カップリング剤5はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0033】
実施例6
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランをビニルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤6を得た。得られた固形カップリング剤6はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0034】
実施例7
実施例1においてイミダゾールシランを3−アミノプロピルトリメトキシシランとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤7を得た。得られた固形カップリング剤7はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0035】
比較例1
実施例2においてイソプロピルアルコールを混合せずにイミダゾールシランを添加した以外は実施例2と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤8を得た。得られた固形カップリング剤8はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解せず、ゲル化していることを確認した。
【0036】
比較例2
フェノールノボラック樹脂80g(軟化点:100℃)を120℃に加熱し溶融した。その溶融したフェノールノボラック樹脂中に撹拌しながら3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン20gを添加した後1時間撹拌した。この反応混合物を120℃の乾燥器に1時間いれた。この反応混合物を室温で冷却したが軟化点が40℃以下であり粉砕することができなかった。
【0037】
潜在硬化性評価
実施例8
エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン製)100gに対して、固形シランカップリング剤1、2および3 それぞれ5gを混合した試料3種を調製し、DSC分析を行った。その結果を図1〜図3に示す。
この結果より、エポキシ樹脂との反応開始温度は75〜80℃であり、潜在硬化性を示すことが確認された。また、メルカプトシラン(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)とイミダゾールシランの配合比率が大きくなるにつれて発熱反応のピーク頂点温度が徐々に上昇することが確認された。これは、配合比率を変えることにより反応性が制御できることを意味しており、樹脂組成物の用途や目的に応じて配合比率の選定が可能である。
【0038】
接着性評価
実施例9
封止材作成の原料
エポキシ樹脂(ビフェニル型,エポキシ当量192):7.93重量部
フェノール樹脂(フェノールノボラック,水酸基当量106):4.38重量部
硬化促進剤(TPP):0.25重量部
カーボンブラック:0.20重量部
カルナバワックス:0.25重量部
フィラー:87.00重量部(龍森(株)製,球状シリカ,商品名(MSR−25),平均粒径25μm)
【0039】
封止材作製手順
・原料配合:フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、TPP、カーボンブラック、カルナバワックスの順で自動乳鉢に添加。シランカップリング剤はワックス添加後に添加(添加したシランカップリング剤は以下に示す)。
・ドライブレンド:自動乳鉢を使用し、約10分間ブレンド。
・熱混練:熱ロール機を90℃に温めて混練。
原料が黒色に変色してから約4分間熱混練を継続。
・粉砕:スタンプミルを使用し、約30分間粉砕。
【0040】
使用したシランカップリング剤
実施例9−1:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部と固形シランカップリング剤1を0.5重量部添加した。
実施例9−2:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量と固形シランカップリング剤2を0.5重量部添加した。
実施例9−3:シランカップリング剤として固形シランカップリング剤3を2.0重量部添加した。
【0041】
比較例3:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.3重量部添加した。
比較例4:シランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.3重量部、イミダゾールシランを0.1重量部添加した。得られた封止材は一部凝集物が生じたため、接着評価は行わなかった。
比較例5:3−メルカプトプロピルトリメトキシシランとフェノール樹脂を従来の方法で混合および乾燥し、5%3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが含有された反応混合物を作成した。この反応混合物を粉砕し、上記封止材組成物 中に2.0重量部添加した。
【0042】
評価サンプル作成および結果
上記封止材を用いて銅合金板(C−7025,サイズ:50mm×25mm)2枚をのりしろ12.5mm×25mmで接着させた。このときの硬化条件は175℃で8時間とした。この試験片を引張試験機により引っ張り,せん断強度を測定した。このときの引張速度は1mm/minとした。その結果を表1に示す
【0043】
【表1】
【0044】
以上の実施例および比較例から本発明の製造方法によりゲル化していない固形シランカップリング剤が合成可能であり、比較例3の樹脂組成物に本発明の固形シランカップリング剤を添加しても(実施例9−1,9−2)、また比較例3のシランカップリング剤を本発明のシランカップリング剤に置き換えても、接着強度が向上することが確認された。
また、従来法で合成した混合物(比較例5)では十分な接着特性が得られないことが確認された。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシランカップリング剤組成物は、固形でありかつ容易に粉砕可能であるため、樹脂や粉末状の封止剤や粉体塗料に対して均一に混合しやすく、またこれを添加した樹脂の金属、無機材料、有機材料に対する密着性を向上することができる。更に優れた貯蔵安定性を有する潜在硬化性を付与することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
【図2】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
【図3】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、無機材料または有機材料に対する樹脂の密着性を改善し、および樹脂組成物の流動性と貯蔵安定性を改善させる固体のシランカップリング剤、またそれを配合した樹脂組成物に関するものであり、電子材料,塗料,プライマー,接着剤等の分野に使用できる。特に電子材料に使用されている封止材や粉体塗料等の粉末状組成物の添加剤、または潜在的に硬化性を有するが非加熱下では貯蔵安定性を要求される液状樹脂組成物の分野に適している。
【0002】
【従来の技術】
近年電子材料分野は軽薄短小化の流れとともにハロゲンやアンチモンフリー、鉛フリー半田化等の流れがあり、封止材等にはさらなる特性向上が必要とされる現状にある。
例えば、半導体用封止樹脂は従来ノボラックエポキシ樹脂をフェノールノボラック樹脂で硬化させるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、半導体は高集積化により、パッケージの小型化、薄型化、また環境問題から、鉛フリー半田への流れ、さらにリードフレームのPPF(プリプレーティッドフレーム)の開発等により封止樹脂に対する要求は年々厳しいものとなってきており、従来のエポキシ樹脂組成物では信頼性の確保が困難になってきている。具体的な要求特性としてはチップやリードフレームとの密着性、特に吸湿させた後、半田に浸漬してもクラックや界面はくり等が生じないことである。
【0004】
また、塗料の分野では、溶剤系塗料が一般的に使用されているが、有機溶剤に対する公害規制の強化および施行が急速に具体化されている。このような状況の中、有機溶剤をまったく使用しない粉体塗料が注目されている。しかしながら溶剤塗料に比べ薄膜化が困難であったり、平滑性がおとる等の問題点とともに、特にポリエステル系粉体塗料において金属等との二次密着性が低いことが言われている。
このような金属や無機物と樹脂との接着性を改善させる手段としてはシランカップリング剤の表面処理または樹脂への添加の方法がとられるのが一般的である。
【0005】
上記封止材関係では主にエポキシ系、アミノ系、メルカプト系のシランカップリング剤は効果があり,長年使用されてきていたが,近年の上記環境問題対応や軽薄短小化の流れでは,要求特性を満足出来ない場合が増えてきている現状にある。また、封止材の大部分または粉体塗料は粉末状であるため、液状のシランカップリング剤は均一混合性や取り扱い上問題となる。このような点から固体のシランカップリング剤が望まれていたが現在市販されておらず、液状のシランカップリング剤を使わざるをえない状況である。
【0006】
シランカップリング剤とフェノール樹脂とを混合反応し、得られた反応生成物を封止材用途でエポキシ樹脂組成物の成分として使用することは既に提案されている(特許文献1〜6)。このような反応生成物は、シランカップリング剤が液状であるため、シランカップリング剤/フェノール樹脂の比率が低い場合は固体状で粉砕することが可能であるが、シランカップリング剤の比率が高くなるにつれて徐々に柔らかくなり(軟化点が低下し)、粉砕できなくなる。それぞれのシランカップリング剤によって異なるが、ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤は、数%〜10%以下(残りはフェノール樹脂)でないと粉砕できなくなる。
【0007】
シランカップリング剤を混合した後にアルコールを除去する方法が特許文献2〜5に記載されており、アルコールを除去すると軟化点は上昇するが、シランカップリング剤同士の縮合反応によりシロキサン結合が生成しゲル化するために期待される接着力向上効果が得られ難い。一方アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有する塩基性を有するシランカップリング剤は、アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基がシランカップリング剤中のアルコキシシリル基の加水分解の触媒となるため、フェノールの水酸基との反応およびシランカップリング剤同士の縮合反応が進みやすく固体となりやすい。しかしながらこれらの塩基性シランカップリング剤は、触媒活性が強いため、封止剤中に添加すると接着強度は向上するものの、流動性が低下しトランスファーモールドする際に問題が生じやすい。
【0008】
また、特許文献2〜5にフェノール樹脂とシランカップリング剤の反応(混合)の方法が記載されている。いずれの特許も、シランカップリング剤とフェノール樹脂を高温下で混合し、生成してきたアルコールを除去する方法で製造している。この際、前述した通り、数%のシランカップリング剤(残りはフェノール樹脂)では問題なく固形化できるが、フェノール樹脂硬化剤の作用が強すぎ、固形シランカップリング剤というよりは、シラン剤で変性したフェノール樹脂であり、硬化剤としてエポキシ樹脂組成物に多量に添加しなければ効果が得られない。フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物は、多量に添加してもさほど問題はないが、他の硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物や不飽和ポリエステルなどのエポキシ樹脂以外の樹脂組成物では、カップリング剤添加量を多くするために多量に添加すると、フェノール樹脂添加量も増加し、好ましくない。
【0009】
一方、シランカップリング剤の含有比率を多くすると、シランカップリング剤とフェノール樹脂との反応により生成するアルコールを除去する際、シラン同士の縮合が起こりゲル化して溶剤に溶けなくなる。このゲル化した反応生成物は、樹脂組成物を加熱溶融して硬化反応させる際、樹脂と混ざり難く、シランカップリング剤のカップリング効果が不十分となり、密着性の向上が十分に発揮されない。
【0010】
こうしたことから、特許文献4の段落[0032]にシランカップリング剤のフェノール樹脂に対する割合は0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%であると記載されているものの、実際の実施例においては10重量%以下となっている。その他、特許文献2,3,5においても実施例ではシランカップリング剤の含有率が10重量%以下となっている。
【0011】
【特許文献1】
特公平7ー17739号公報
【特許文献2】
特許第2506220号
【特許文献3】
特公平7−94534号公報
【特許文献4】
特開平9−67427号公報
【特許文献5】
特開2002−128867号公報
【特許文献6】
特開昭59−181036号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした状況の下で、ゲル化していない固形シランカップリング剤を提案するもので、特に樹脂組成物中に添加することにより、金属等の基材との密着性および樹脂組成物の貯蔵安定性や溶融時の流動性を改善する固形シランカップリング剤及びその製法を提供することを目的とするものであり、あわせてそのカップリング剤を含む樹脂組成物、粉体塗料、封止材料を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の(A)〜(C)を反応させてなる固形シランカップリング剤を見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)以下の成分の反応生成物からなる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(A)ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(B)アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(C)フェノール化合物:50重量%〜90重量%
(2)(1)記載の(A)シランカップリング剤、(1)記載の(B)シランカップリング剤および(C)フェノール化合物をアルコールとともに、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させることを特徴とする非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
(3)60℃〜150℃に加温し溶融させたフェノール化合物に、上記(A)のシランカップリング剤および上記(B)のシランカップリング剤とアルコールの混合溶液を添加し、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
(4)上記(A)のシランカップリング剤および上記(B)のシランカップリング剤とアルコールの混合溶液を添加し、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(5)上記(C)のフェノール化合物がフェノール樹脂であることを特徴とする前記(1)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(6)上記(A)と(B)の成分の合計が10重量%以上であることを特徴とする前記(1)、(4)または(5)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物 。
(7)前記(1)記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む樹脂組成物。
(8)無機質充填材を含む前記(7)記載の樹脂組成物。
(9)前記(7)または(8)記載の樹脂組成物を加熱することにより得られた樹脂硬化物
(10)前記(1)、(4)、(5)、(6)のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む粉体塗料。
(11)前記(1)、(4)、(5)、(6)のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む封止材料。
【0015】
本発明の固形シランカップリング剤は、上記のとおり、(A)、(B)、(C)成分の反応生成物である。
そして、この固形シランカップリング剤を得るには、反応時アルコールを共存させることが重要である。これらを単に混合して反応させる従来のフェノール樹脂とシランカップリング剤の反応方法で合成すると(B)成分の反応活性が強すぎて加水分解および縮合が促進されてゲル化してしまうが、本発明の製造方法を用いればゲル化することなく、かつ粉砕可能な固体が得られる。
【0016】
すなわち、本発明の製造方法と従来法との違いは、上記(A)、(B)および(C)成分を反応させるに当たり、アルコールを添加することにあり、これにより(A)+(B)のシランカップリング剤の合計が10重量%以上添加してもゲル化しないことが確認された。本発明のシランカップリング剤は、固形でかつ粉砕が容易であるため粉体塗料や粉末状の封止材に対して添加が容易であり、金属等に対する密着性も向上することが確認された。また固体状であるので、貯蔵安定性(または潜在性、室温では反応せず、硬化させるため、加熱した際に反応する性質)にも優れるため、潜在性の必要な塗料、ワニス、レジスト等の液状樹脂組成物の分野にも適用可能である。
【0017】
本発明に使用する(A)成分のビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤としては、市販されているものが簡単に入手できる。
【0018】
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0019】
本発明に使用する(B)成分のアミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有する塩基性を有するシランカップリング剤としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは特開平05−186479,特開平05−039295、特開平09−295988,特開平09−296135,特開平09−295989,特開平09−295992,特開2000−297094等に記載されているものがあげられる。
【0020】
本発明に使用するフェノール化合物は、1分子中に1個以上のフェノール性水酸基を有するもので、軟化点または融点が60℃以上であればどのようなものでもよいが,例えば,ビスフェノールA,ビスフェノールF,ポリビニルフェノール,フェノールノボラック樹脂,クレゾールノボラック樹脂,ビスフェノールAノボラック樹脂,ビスフェノールFノボラック樹脂,アラルキルフェノール樹脂等のフェノール樹脂が好ましいものとしてあげられる。
【0021】
上記(A)、(B)、(C)を反応させる際の混合比は、1重量%〜40重量%:1重量%〜40重量%:50重量%〜90重量%であるが、より好ましくは,5重量%〜20重量%:5重量%〜20重量%:60重量%〜85重量%である。
シランカップリング剤の含有率が多いと固形化や粉砕しにくくなるとともにゲル化しやすくなるため、(A)+(B)は40重量%以下が好ましい。
【0022】
反応は、上記(A)、(B)、(C)をアルコールの共存下に攪拌しながら、60℃〜150℃に加熱して行う。本発明においては、アルコールを反応時に共存させることが重要であり、これらの各成分の混合順序は特に制限されるものではない。好ましくは、加熱し溶融させたフェノール化合物を撹拌しながら、上記(A)のシランカップリング剤、または上記(B)のシランカップリング剤をアルコールとの混合溶液として添加し、60℃〜150℃で10分〜2時間撹拌しながら反応させた後、90℃〜150℃で5分〜2時間乾燥させる。この際のアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、nーブタノール、t−ブタノール等を使用することができる。
【0023】
アルコールの有機基が大きすぎると、乾燥後も固形シランカップリング剤中に多く残存し、軟化点が低下する。一方アルコールの有機基が小さいと乾燥時にすぐに蒸発してしまい、軟化点が上昇するが、ゲル化しやすくなる。このようなことからより好ましいアルコールとしては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールである。
【0024】
上記(A)成分のシランカップリング剤の選定であるが、シランカップリング剤を使用する樹脂組成物の種類に応じて選択することが好ましい。例えば封止材等に使用されるエポキシ樹脂組成物では、グリシジル基、メルカプト基を含有するシランカップリング剤が好ましく、またポリエステル系粉体塗料には、ビニル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基を含有するシランカップリング剤が好ましい。
【0025】
本発明の固形シランカップリング剤は、樹脂に添加することにより、その樹脂の金属やガラス、セラミックなどの無機材料に対する密着性を向上させることができる。このような樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等があり、これらの樹脂を用いた封止材、積層板、レジスト、塗料、プライマー、接着剤等の添加剤として使用できる。また、本発明のカップリング剤は固体であるため、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の潜在的硬化剤として作用する。
【0026】
さらに、本発明の固形シランカップリング剤は、容易に粉砕されて粉体塗料に添加することができる。そして同様に被塗装物に対して密着性を向上することができる。このような粉体塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂粉体塗料、エポキシ樹脂粉体塗料、アクリル樹脂粉体塗料、ハイブリッド系粉体塗料、ポリウレタン系粉体塗料、TGIC系粉体塗料等がある。
本発明の固形シランカップリング剤は、上記のように容易に粉砕されるが、粉砕後、ブロッキングを防止するためにシリカなどのアンチブロッキング剤を添加することもできる。
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化ケイ素などの無機充填剤、硬化促進剤、難燃剤、ワックス等をさらに添加することができる。
【0027】
【実施例】
次に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例の配合割合は重量部とする。
固形シランカップリング剤の合成および溶解性試験
【0028】
実施例1
フェノールノボラック樹脂80g(軟化点:100℃)を120℃に加熱し溶融した。その溶融したフェノールノボラック樹脂中に撹拌しながら3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを添加した後、イミダゾールシラン(特開平5−186479の方法で1H−イミダゾールと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを反応させて得られた化合物)15gとイソプロパノール6gを混合したものを添加し,添加後1時間撹拌した。この反応混合物を120℃の乾燥器に1時間いれた。この反応混合物を室温で冷却した後、粉砕し固形シランカップリング剤1を得た。得られた固形カップリング剤1はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0029】
実施例2
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを10gに、イミダゾールシラン15gを10gとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤2を得た。得られた固形カップリング剤2はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0030】
実施例3
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5gを15gに、イミダゾールシラン15gを5gとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤3を得た。得られた固形カップリング剤3はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0031】
実施例4
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤4を得た。得られた固形カップリング剤4はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0032】
実施例5
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤5を得た。得られた固形カップリング剤5はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0033】
実施例6
実施例1において3−メルカプトプロピルトリメトキシシランをビニルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤6を得た。得られた固形カップリング剤6はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0034】
実施例7
実施例1においてイミダゾールシランを3−アミノプロピルトリメトキシシランとした以外は実施例1と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤7を得た。得られた固形カップリング剤7はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解可能であり、ゲル化していないことを確認した。
【0035】
比較例1
実施例2においてイソプロピルアルコールを混合せずにイミダゾールシランを添加した以外は実施例2と同様な方法で合成し、固形シランカップリング剤8を得た。得られた固形カップリング剤8はDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解せず、ゲル化していることを確認した。
【0036】
比較例2
フェノールノボラック樹脂80g(軟化点:100℃)を120℃に加熱し溶融した。その溶融したフェノールノボラック樹脂中に撹拌しながら3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン20gを添加した後1時間撹拌した。この反応混合物を120℃の乾燥器に1時間いれた。この反応混合物を室温で冷却したが軟化点が40℃以下であり粉砕することができなかった。
【0037】
潜在硬化性評価
実施例8
エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン製)100gに対して、固形シランカップリング剤1、2および3 それぞれ5gを混合した試料3種を調製し、DSC分析を行った。その結果を図1〜図3に示す。
この結果より、エポキシ樹脂との反応開始温度は75〜80℃であり、潜在硬化性を示すことが確認された。また、メルカプトシラン(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)とイミダゾールシランの配合比率が大きくなるにつれて発熱反応のピーク頂点温度が徐々に上昇することが確認された。これは、配合比率を変えることにより反応性が制御できることを意味しており、樹脂組成物の用途や目的に応じて配合比率の選定が可能である。
【0038】
接着性評価
実施例9
封止材作成の原料
エポキシ樹脂(ビフェニル型,エポキシ当量192):7.93重量部
フェノール樹脂(フェノールノボラック,水酸基当量106):4.38重量部
硬化促進剤(TPP):0.25重量部
カーボンブラック:0.20重量部
カルナバワックス:0.25重量部
フィラー:87.00重量部(龍森(株)製,球状シリカ,商品名(MSR−25),平均粒径25μm)
【0039】
封止材作製手順
・原料配合:フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、TPP、カーボンブラック、カルナバワックスの順で自動乳鉢に添加。シランカップリング剤はワックス添加後に添加(添加したシランカップリング剤は以下に示す)。
・ドライブレンド:自動乳鉢を使用し、約10分間ブレンド。
・熱混練:熱ロール機を90℃に温めて混練。
原料が黒色に変色してから約4分間熱混練を継続。
・粉砕:スタンプミルを使用し、約30分間粉砕。
【0040】
使用したシランカップリング剤
実施例9−1:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部と固形シランカップリング剤1を0.5重量部添加した。
実施例9−2:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量と固形シランカップリング剤2を0.5重量部添加した。
実施例9−3:シランカップリング剤として固形シランカップリング剤3を2.0重量部添加した。
【0041】
比較例3:シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.3重量部添加した。
比較例4:シランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.3重量部、イミダゾールシランを0.1重量部添加した。得られた封止材は一部凝集物が生じたため、接着評価は行わなかった。
比較例5:3−メルカプトプロピルトリメトキシシランとフェノール樹脂を従来の方法で混合および乾燥し、5%3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが含有された反応混合物を作成した。この反応混合物を粉砕し、上記封止材組成物 中に2.0重量部添加した。
【0042】
評価サンプル作成および結果
上記封止材を用いて銅合金板(C−7025,サイズ:50mm×25mm)2枚をのりしろ12.5mm×25mmで接着させた。このときの硬化条件は175℃で8時間とした。この試験片を引張試験機により引っ張り,せん断強度を測定した。このときの引張速度は1mm/minとした。その結果を表1に示す
【0043】
【表1】
【0044】
以上の実施例および比較例から本発明の製造方法によりゲル化していない固形シランカップリング剤が合成可能であり、比較例3の樹脂組成物に本発明の固形シランカップリング剤を添加しても(実施例9−1,9−2)、また比較例3のシランカップリング剤を本発明のシランカップリング剤に置き換えても、接着強度が向上することが確認された。
また、従来法で合成した混合物(比較例5)では十分な接着特性が得られないことが確認された。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシランカップリング剤組成物は、固形でありかつ容易に粉砕可能であるため、樹脂や粉末状の封止剤や粉体塗料に対して均一に混合しやすく、またこれを添加した樹脂の金属、無機材料、有機材料に対する密着性を向上することができる。更に優れた貯蔵安定性を有する潜在硬化性を付与することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
【図2】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
【図3】実施例8で得られたDSC曲線を示すグラフ
Claims (11)
- 以下の成分の反応生成物からなる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
(A)ビニル基、グリシジル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、クロロ、メルカプト基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(B)アミノ基、ジメチルアミノ基、イミダゾール基のうち少なくとも1種類の官能基を含有するシランカップリング剤:1重量%〜40重量%
(C)フェノール化合物:50重量%〜90重量% - 請求項1記載の(A)シランカップリング剤、請求項1記載の(B)シランカップリング剤および(C)フェノール化合物をアルコールとともに、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させることを特徴とする非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
- 60℃〜150℃に加温し溶融させた(C)フェノール化合物に、上記(A)のシランカップリング剤および上記(B)のシランカップリング剤とアルコールの混合溶液を添加し、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物の製造方法。
- 請求項1記載の(A)シランカップリング剤、請求項1記載の(B)シランカップリング剤および(C)フェノール化合物をアルコールとともに、60℃〜150℃で反応させた後、90℃〜150℃で乾燥させて得られる非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
- 上記(C)のフェノール化合物がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
- 上記(A)と(B)の成分の合計が10重量%以上であることを特徴とする請求項1、4または5記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物。
- 請求項1,4,5,6のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む樹脂組成物。
- 無機質充填材を含む請求項7記載の樹脂組成物。
- 請求項7または8記載の樹脂組成物を加熱することにより得られた樹脂硬化物。
- 請求項1,4,5,6のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む粉体塗料。
- 請求項1,4,5,6のいずれかに記載の非ゲル化、粉砕性固形シランカップリング剤組成物を含む封止材料。
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