JP3618182B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信頼性、特に半田実装時の耐半田性に優れ、かつ生産性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トランジスター、IC、LSI等の半導体素子は、従来から、セラミックパッケージ等によって封止され、半導体装置化されていたが、最近では、コスト、量産性の観点から、プラスチックパッケージを用いた樹脂封止が主流になっている。この種の樹脂封止には、従来から、エポキシ樹脂が使用されており良好な成績を収めている。しかしながら、半導体分野の技術革新によって集積度の向上とともに素子サイズの大形化、配線の微細化が進み、パッケージも小形化、薄形化する傾向にあり、これに伴って封止材料に対してより以上の信頼性(得られる半導体装置の熱応力の低減、耐湿信頼性、耐熱衝撃試験に対する信頼性等)の向上が要望されている。特に、近年、電子装置の小形で高機能にする要求から、実装の高密度化が進んでいる。このような観点から従来のピン挿入型パッケージから表面実装型パッケージが主流になってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような表面実装型パッケージでは、実装前にパッケージが吸湿した状態で用いられると、半田実装時に水分の蒸気圧により、各部材との剥離やパッケージにクラックや膨れが発生する問題がある。
【0004】
また、より高密度化のためにパッケージの薄形化、大形化が進み、その成形もより緻密になり、ボイドの発生、金線ワイヤーの流れ、半導体チップを搭載するダイのシフト等問題が多く発生している。
【0005】
このような問題に対する解決策として、例えば、下記の一般式(1)で表されるような、より低粘度で低吸湿性のエポキシ樹脂を用い、さらに無機フィラーを多く含有させた封止用樹脂組成物が提案されているが、半田耐熱性および成形性の両者を充分満足させるものではない。
【0006】
【化5】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、半田耐熱性および成形性の双方に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、下記の(A)〜(D)成分を含有するという構成をとる。
(A)エポキシ樹脂。
(B)下記の一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂。
【化6】
(C)無機質充填剤。
(D)下記の(d1)および(d2)からなる混合シラン系カップリング剤。
(d1)下記の式(a)で表されるエポキシシラン系カップリング剤。
【化7】
(d2)下記の式(c)で表されるアミノシラン系カップリング剤。
【化8】
【0009】
すなわち、本発明者らは、成形性に優れ、かつ半田耐熱性にも優れた封止用樹脂組成物を得るために一連の研究を重ねた。その結果、封止用樹脂組成物の構成成分として、上記のように、一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂を用い、さらに特定のエポキシシラン系カップリング剤(d1)を必須成分とし、これに特定のアミノシラン系カップリング剤(d2)を配合した混合シラン系カップリング剤を用いると、上記エポキシシラン系カップリング剤使用によるリードフレームに対する接着力が向上するという作用効果と、上記アミノシラン系カップリング剤を用いることによる封止樹脂の高温強度および高温伸びが向上するという作用効果との相乗効果により、著しい半田耐熱性の向上が実現することを見出し本発明に到達した。
【0010】
そして、上記封止用樹脂組成物において、エポキシ樹脂として前記一般式(1)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることにより、封止用樹脂組成物の低粘度化が図られ、その結果、無機質充填剤の高充填化が実現してより一層半田耐熱性と成形性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、特定のフェノール樹脂(B成分)と、無機質充填剤(C成分)と、複数種類のシラン系カップリング剤からなる混合シラン系カップリング剤(D成分)を用いて得られるものであり、通常、粉末状あるいはこれを打錠したタブレット状になっている。
【0013】
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定するものではなく、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラックビスA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂等従来公知の各種エポキシ樹脂が用いられる。なかでも、低粘度で低吸湿性を備えているという点から、下記の一般式(1)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0014】
【化9】
【0015】
上記式(1)において、R1 〜R4 が、水素原子、メチル基を有するものが好ましく、特にそのなかでも、水素原子が70重量%以下で、残りがメチル基であるものが、低吸湿性および反応性の点から好ましい。
【0016】
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられる特定のフェノール樹脂(B成分)としては、下記の一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂が用いられる。
【0017】
【化10】
【0018】
上記式(2)において、繰り返し数n,mとも、好適には各上限値が20に設定される。そして、繰り返し数nは1〜9、繰り返し数mは1〜9の範囲が好ましく、特に好ましくは、繰り返し数nは1〜5、繰り返し数mは1〜5の範囲である。さらに好ましくは、繰り返し数nが1〜5、繰り返し数mが1〜5において、n+m=2〜5となる範囲である。また、上記式(2)中、繰り返し単位nと繰り返し単位mとはランダム結合であってもよいし、ブロック結合であってもよい。
【0019】
上記一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂(B成分)は、水酸基当量150〜220、軟化点40〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量150〜200、軟化点50〜90℃である。
【0020】
上記エポキシ樹脂(A成分)と特定のフェノール樹脂(B成分)との配合割合は、エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合することが好適である。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0021】
上記エポキシ樹脂(A成分)および特定のフェノール樹脂(B成分)とともに用いられる無機質充填剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知のものが用いられる。例えば、石英ガラス、タルク、シリカ粉末およびアルミナ粉末等があげられる。なかでも、シリカ粉末、特に溶融シリカ粉末を用いることが好適である。
【0022】
さらに詳しく述べると、シリカ粉末のなかでも、下記の(a)〜(d)に示す粒度分布に設定されたものを用いることが、より高度な封止用樹脂組成物の低粘度化が図られ、その結果、より一層の無機質充填剤の高充填化の実現が図られる。
【0023】
(a)平均粒径20〜60μmの球状シリカ粉末がシリカ粉末全体の40〜80重量%。
(b)平均粒径1〜10μmの球状シリカ粉末がシリカ粉末全体の5〜50重量%。
(c)平均粒径0.1〜1μmの球状シリカ粉末がシリカ粉末全体の5〜20重量%。
(d)平均粒径1〜20μmの破砕シリカ粉末がシリカ粉末全体の0〜20重量%。
【0024】
このような無機質充填剤(C成分)の含有量は、例えば、上記のように、シリカ粉末〔上記(a)〜(d)の粒度分布に設定されたシリカ粉末等を含む〕を用いる場合、エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上となるように設定することが好ましい。特に好適なのは80〜93重量%の範囲である。すなわち、無機質充填剤(C成分)の含有量が75重量%未満では、半田耐熱性が大幅に低下する傾向がみられるからである。
【0025】
つぎに、上記A〜C成分とともに用いる特定の混合シラン系カップリング剤(D成分)は、エポキシシラン系カップリング剤(d1)を必須成分とし、これにアミノシラン系カップリング剤(d2)を配合したものである。このように、上記エポキシシラン系カップリング剤を必須成分として用いることにより、リードフレームに対する接着力の向上効果が得られ、さらに、上記アミノシラン系カップリング剤を用いることにより、封止樹脂の高温強度および高温伸びの向上効果が得られ、結果、上記d1成分とd2成分との併用により、良好な成形性とともに優れた耐半田性の実現という相乗効果が得られるようになる。
【0026】
上記エポキシシラン系カップリング剤(d1)としては、下記の式(a)で表されるものが用いられる。
【0027】
【化11】
【0028】
さらに、上記アミノシラン系カップリング剤としては、下記の式(c)で表されるアミノシラン系カップリング剤が用いられる。
【0029】
【化12】
【0030】
上記必須成分であるエポキシシラン系カップリング剤(d1)と、アミノシラン系カップリング剤(d2)との両者の混合割合(d1/d2)は、全体を100とした場合、重量比で、d1/d2=80/20〜20/80の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはd1/d2=60/40〜40/60である。すなわち、エポキシシラン系カップリング剤(d1)の混合比が20未満(d2が80を超える)では、リードフレームに対する接着力が低下するため、成形性および耐半田性に悪影響が生じ、また保存性も低下する傾向がみられる。逆にエポキシシラン系カップリング剤(d1)の混合比が80を超える(d2が20未満)と、高温強度および高温伸びが低下するために耐半田性が低下する傾向がみられるからである。
【0031】
さらに、上記エポキシシラン系カップリング剤(d1)と、アミノシラン系カップリング剤(d2)とからなる混合シラン系カップリング剤(D成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物中0.10〜1.50重量%の範囲となるように設定することが好ましく、特に好ましくは0.2〜1.0重量%である。すなわち、混合シラン系カップリング剤(D成分)の含有量が0.10重量%未満では、耐半田性に対する物性(高温強度および高温伸び)の充分な向上効果が得られず、また1.50重量%を超えると、樹脂が高粘度となり、成形性(ワイヤー流れ、ダイシフト)に悪影響が生じる恐れがあるからである。
【0032】
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分に加えて、硬化促進剤を用いてもよい。上記硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン類等(リン系硬化促進剤)があげられる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。なかでも、特に、その硬化性、耐湿信頼性という点から、上記各種リン系硬化促進剤を用いることが好ましい。
【0033】
そして、上記硬化促進剤、例えば、リン系硬化促進剤は、他の成分と同様に単に配合するだけでもよいが、予め、上記フェノール樹脂(B成分)の一部または全部に溶融混合して用いると、成形性および耐半田性に関してより一層良好な結果が得られる。
【0034】
さらに、内部応力の低減化のために、シリコーン化合物を用いてもよい。上記シリコーン化合物としては、例えば、下記の一般式(4)および一般式(5)で表されるシリコーン化合物があげられる。これらは単独でもしくは併用して用いられる。
【0035】
【化13】
【0036】
上記シリコーン化合物のなかでも、下記の式(6)および式(7)で表されるものが好ましい。そして、上記式(7)のなかでも、特に好ましいものとして具体的には、式(8)のものがあげられる。
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
上記シリコーン化合物の配合量は、エポキシ樹脂組成物全体の5重量%以下となるよう設定することが好ましい。特に好ましくは0.1〜3重量%の範囲内である。
【0041】
なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、樹脂硬化物と成形用金型との離型性を向上させ、成形作業性を良好にするために、各種離型剤を配合してもよい。上記離型剤としては、ポリエチレン系ワックス、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の公知のものがあげられる。なかでも、離型性と接着性(信頼性)という観点からポリエチレン系ワックスを用いることが好ましい。さらに、上記ポリエチレン系ワックスのなかでも、酸化ポリエチレンワックスを用いることが好ましく、上記酸化ポリエチレンワックスとしては、酸価10〜30で、滴点(溶融して液滴状になる温度)90〜130℃のものを用いることが好ましい。
【0042】
上記離型剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の0.1〜2.0重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。
【0043】
そして、上記離型剤、例えば、ポリエチレン系ワックスは、他の成分と同様に単に配合するだけでもよいが、予め、前記フェノール樹脂(B成分)の一部または全部に溶融混合して用いると、離型性と接着性(信頼性)に関してより一層良好な結果が得られる。
【0044】
さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分、硬化促進剤、シリコーン化合物、離型剤以外に、必要に応じて、他の添加剤として、三酸化アンチモン、リン系化合物等の難燃剤や、顔料、イオントラップ剤等を適宜に配合することができる。
【0045】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記A〜D成分、硬化促進剤、シリコーン化合物、離型剤、および、必要に応じて上記他の添加剤を所定の割合で配合する。ついで、これら配合物をミキシングロール機等の混練機にかけ、加熱状態で溶融混練してこれを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程を経ることによって目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。なお、D成分である混合シラン系カップリング剤は、上記のように、他の成分とともに単に配合するだけでもよいが、予め、上記フェノール樹脂(B成分)の一部または全部に溶融混合して用いてもよい。
【0046】
また、上記各成分の配合に先立って、前述のシリコーン化合物を用いて上記A成分およびB成分の少なくとも一方を変性し、この変性樹脂と残りの成分とを配合してもよい。
【0047】
このような半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止等は特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法によって行うことができる。
【0048】
このようにして得られる半導体装置は、特定のフェノール樹脂(B成分)および特定の混合シラン系カップリング剤(D成分)を用いるため、優れた半田耐熱性と、低粘度化の実現による流動性向上の結果から優れた成形性とを備えている。
【0049】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0050】
まず、実施例に先立って、下記に示す各成分を準備した。
【0051】
〔エポキシ樹脂A〕
下記の式(A)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点107℃)
【化17】
【0052】
〔エポキシ樹脂B〕
下記の式(B)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量175、軟化点125℃)
【化18】
【0053】
〔エポキシ樹脂C〕
下記の式(C)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点85℃)
【化19】
【0054】
〔フェノール樹脂D〕
下記の式(D)で表されるフェノール樹脂(水酸基当量163、軟化点73℃)
【化20】
【0055】
〔フェノール樹脂E〕
下記の式(E)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量173、軟化点70℃)
【化21】
【0056】
〔フェノール樹脂F〕
下記の式(F)で表されるフェノール樹脂(水酸基当量110、軟化点80℃)
【化22】
【0057】
〔無機質充填剤〕
下記に示す球状シリカ粉末a〜c、および、破砕シリカ粉末dを用いた。
(a)平均粒径20〜60μmの球状シリカ粉末。
(b)平均粒径1〜10μmの球状シリカ粉末。
(c)平均粒径0.1〜1μmの球状シリカ粉末。
(d)平均粒径1〜20μmの破砕シリカ粉末。
【0058】
〔硬化促進剤〕
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(4P4B)
【0059】
〔ポリエチレン系ワックス〕
酸化ポリエチレンワックス(酸価18、滴点105℃)
【0060】
〔シリコーン化合物G〕
下記の式(G)で表されるシリコーン化合物
【化23】
【0061】
〔シリコーン化合物H〕
下記の式(H)で表されるシリコーン化合物
【化24】
【0062】
〔イオントラップ剤〕
ハイドロタルサイト類化合物
【0063】
〔シラン系カップリング剤a〕
下記の式(a)で表されるエポキシシラン系カップリング剤
【化25】
【0064】
〔シラン系カップリング剤b〕
下記の式(b)で表されるメルカプトシラン系カップリング剤
【化26】
【0065】
〔シラン系カップリング剤c〕
下記の式(c)で表されるジアミノシラン系カップリング剤
【化27】
【0066】
〔シラン系カップリング剤d〕
下記の式(d)で表されるモノアミノシラン系カップリング剤
【化28】
【0067】
【実施例1〜10、比較例1〜11】
下記の表1〜表4に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロール機(温度100℃)で3分間溶融混練を行い、冷却固化後粉砕して目的とする粉末状のエポキシ樹脂組成物を得た。なお、上記各成分の配合に際して、実施例1では、各成分の配合に先立って、予め、上記フェノール樹脂Dと触媒とを溶融混合した。また、実施例5では、各成分の配合に先立って、予め、上記フェノール樹脂Dと酸化ポリエチレンワックスとを溶融混合した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
このようにして得られた各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用い、まず、このエポキシ樹脂組成物硬化体の高温曲げ強度、高温曲げ弾性率および高温曲げ伸びを測定した。また、上記各エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形にて半導体装置を作製した。さらに、この半導体装置を用い、半田耐熱性について、下記の方法に従って測定・評価した。これらの結果を下記の表5〜表8に示す。
【0073】
〔高温曲げ強度・高温曲げ弾性率・高温曲げ伸び〕
エポキシ樹脂組成物を用いて、硬化条件:175℃×2分間(成形)+175℃×5時間(ポストキュア)にて、測定評価用硬化体を作製し、これを121℃×100%×96時間の吸湿後、250℃にて、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ伸びを測定した(JIS K 6911に準拠)。
【0074】
〔半田耐熱性〕
まず、半導体装置(QFP−80:14×20×厚み2.7mm)をつぎの条件で製造(TOWA社製自動成形機)した。
【0075】
・リードフレーム:42アロイ製
・ダイパッドの大きさ:8×8mm
・成形条件:温度100℃、注入時間10秒、注入圧力100kg/mm2 、成形時間 120秒、エポキシ樹脂組成物製タブレットの圧縮比93%
【0076】
このようにして製造された半導体装置について、85℃/85%RHの相対湿度に設定された恒温槽中に、168時間放置して吸湿させた後、IRリフロー(240℃×10秒)の熱処理を行った。このときの熱衝撃により発生したパッケージクラックの有無、剥離の有無を目視により観察し評価した。パッケージクラックの発生および剥離の発生の双方とも確認されなかったものを◎、パッケージクラックは発生しなかったが、剥離が発生したものを○、パッケージクラックおよび剥離の双方とも発生したものを×として表示した。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
上記表5〜表8の結果から、全ての実施例品は高温特性(高温曲げ強度、高温曲げ弾性率、高温曲げ伸び)に優れ、さらに、半田耐熱性にも優れていることがわかる。これに対して、比較例品は、高温特性および半田耐熱性の少なくともいずれか一つに劣っている。このように、全実施例品は、高温特性および半田耐熱性おいて優れた特性を有することがわかる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と前記一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂(B成分)と無機質充填剤(C成分)とともに、エポキシシラン系カップリング剤(d1)を必須成分とし、これにアミノシラン系カップリング剤(d2)を配合した混合シラン系カップリング剤(D成分)を含有するため、半田耐熱性と成形性の双方とも優れたものとなる。このことから、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、高密度化によるパッケージの薄形化に充分対応できるものである。
【0083】
そして、上記エポキシ樹脂(A成分)として前記一般式(1)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることにより、封止用樹脂組成物の低粘度化が図られ、その結果、無機質充填剤の高充填化が実現してより一層半田耐熱性と成形性が向上する。
Claims (2)
- 下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)下記の一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂。
(D)下記の(d1)および(d2)からなる混合シラン系カップリング剤。
(d1)下記の式(a)で表されるエポキシシラン系カップリング剤。
- 上記(A)成分であるエポキシ樹脂が、下記の一般式(1)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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