JP2002327104A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2002327104A
JP2002327104A JP2001134833A JP2001134833A JP2002327104A JP 2002327104 A JP2002327104 A JP 2002327104A JP 2001134833 A JP2001134833 A JP 2001134833A JP 2001134833 A JP2001134833 A JP 2001134833A JP 2002327104 A JP2002327104 A JP 2002327104A
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epoxy resin
resin composition
semiconductor
silane coupling
coupling agent
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Shinichi Maebotoke
伸一 前佛
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子との密着性、熱時強度に優れ、特
に吸湿後の半田処理においてクラックや半導体素子、リ
ードフレームとの剥離が発生しない耐半田性に優れた半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 リードフレームを有し半導体素子を封止
してなる半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物におい
て、該半導体素子の表面に存在する元素のうちC、O、
H以外の元素を1種以上含むシランカップリング剤を必
須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐半田性に優れる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びリードフレーム
を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
としてエポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コ
スト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年
の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向にお
いて、半導体素子の高集積化が年々進み、又半導体装置
の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきてい
る。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では解決
できない問題点も出てきている。その最大の問題点は、
表面実装の採用により半導体装置が半田浸漬、或いはリ
フロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸
湿した水分が爆発的に気化する際の応力により、半導体
素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物と
の界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因して半導体
装置にクラックが発生し信頼性が著しく低下することで
ある。
【0003】そこで半田処理による信頼性低下を改善す
るために、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の充填量
を増加させ、低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し
耐半田性を向上させるとともに、溶融粘度の低い樹脂成
分を使用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる
手法が一般的となりつつある。一般的に半導体素子の表
面は、回路保護のためSiN、SiON等の薄膜で被覆
されているが、エポキシ樹脂組成物との密着性を向上さ
せるためポリイミド樹脂を塗布しているものもある。更
にリードフレームのダイパッド部分に十字スリットや孔
を設けて、積極的に半導体素子の裏面を露出させ接着面
積を増大させて密着力を増すことで耐半田性を向上させ
た構造の半導体装置や、ダイアタッチ部分の面積を極力
小さくしてダイアタッチ材起因の吸湿量を下げることで
耐半田性を向上させた構造の半導体装置もある。又、リ
ードフレームの表面粗度を上げて、エポキシ樹脂組成物
の硬化物との密着性を改善したり、メッキ素地を改質す
ることにより密着性を改善するというものも存在する
が、表面粗度を上げても、樹脂成分自体の濡れ性が十分
でないものを用いると、その効果が十分に発揮されず、
コスト面においても満足できるものではない。以上の点
から半田処理後の信頼性において、エポキシ樹脂組成物
の硬化物と半導体装置内部に存在する半導体素子やリー
ドフレーム等の基材との界面の接着性は益々重要になっ
てきている。界面での接着力が弱いと半田処理後の基材
との界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因し半導体
装置にクラックが発生する。従来から耐半田性の向上を
目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシ
ラン等のシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物中
に添加されてきた。しかし近年、実装時のリフロー温度
の上昇や、前述のダイパッド部分に十字スリットや孔を
設けて半導体素子の裏面を露出させた構造の半導体装置
や、ダイアタッチ部分の面積を極力小さくした構造の半
導体装置の出現など、益々厳しくなっている耐半田性に
対する要求に対して、これらのシランカップリング剤だ
けでは充分に対応できなくなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体素子
との密着性に優れ、吸湿後の半田処理においてクラック
や半導体素子、リードフレームとの剥離が発生しない耐
半田性に優れるエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた
リードフレームを有する半導体装置を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)リード
フレームを有し半導体素子を封止してなる半導体装置の
封止用エポキシ樹脂組成物において、該半導体素子の表
面に存在する元素のうちC、O、H以外の元素を1種以
上含むシランカップリング剤を必須成分とすることを特
徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、(2)シラ
ンカップリング剤が、同一分子内に(A)第1級のアミ
ノ基、(B)第2級のアミノ基及び/又は第3級のアミ
ノ基、及び(C) −[CH2−CH2−NH]n− (ただし、nは1
以上の整数である。)で示される構造を有するものであ
る(1)項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(3)エポキシ樹脂が、フェニレン骨格及び/又はビフ
ェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれ
る1種以上である(1)又は(2)項記載の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、(4)フェノール樹脂が、フェ
ニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノ
ールアラルキル樹脂である(1)、(2)、又は(3)
項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、(5)リー
ドフレームを有し、(1)〜(4)項のいずれかに記載
のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してな
ることを特徴とする半導体装置、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるシランカップ
リング剤は、リードフレームを有し半導体素子を封止し
てなる半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物におい
て、該半導体素子の表面に存在する元素のうちC、O、
H以外の元素を1種以上含むものであれば特に限定され
るものではなく、又、C、O、Hが存在していてもよ
い。これらのシランカップリング剤は、1種類を単独で
用いても2種類以上を併用してもよい。なお、本発明で
は、半導体素子の素材やタイプ、半導体素子の各種の表
面加工の種類や工程の順序等は、特に限定されるもので
はない。又、本発明でいう「半導体素子の表面」の「表
面」とは、「物体の外部」という意味である。従来の一
般的なシランカップリング剤は、シランカップリング剤
のシラノール基と基材であるリードフレームの金属表面
の水酸基、酸素、或いは金属そのものとを化学結合させ
接着性を付与するという目的でエポキシ樹脂組成物に添
加され、主としてリードフレーム金属表面の水酸基との
反応を狙ったシランカップリング剤が用いられている。
又、半導体素子表面に存在する元素のうちC、O、Hに
ついては、加工工程由来の有機物や、表面層が酸化した
ものや、水酸基等として存在するため従来の一般的なシ
ランカップリング剤との反応にも問題ない。しかし、半
導体素子表面は回路保護のためSiN、SiON等の薄
膜やポリイミドの塗膜等で被覆されていることが普通で
あり、C、O、H以外の元素も存在している。この様に
半導体素子表面にC、O、H以外の元素が存在すると、
半導体素子表面と従来の一般的なシランカップリング剤
との親和性が低下し濡れ性を悪化するため十分な反応が
行えず期待通りの効果が得られない。
【0007】そこで、本発明のシランカップリング剤を
用いると、シランカップリング剤自身に半導体素子表面
に存在する元素と同じ元素が含まれるため、半導体素子
表面との親和性が増し濡れ性が向上することで半導体素
子表面の水酸基、SiN、SiON、ポリイミド、更に
は半導体素子裏面のSi露出部分等との反応も起こり易
くなり、エポキシ樹脂組成物との接着性が発現する。半
導体素子表面に存在する元素のうち、C、O、H以外の
元素としては、例えば、SiN、SiON、ポリイミド
等に由来するN、半導体素子裏面のSi露出部分に由来
するSi、ダイアタッチ剤の硬化時に発生する揮発成分
に由来するS等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。本発明のシランカップリング剤としては、
例えば、Nを含むものとしてγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランといったアミノ系のシランカップリング
剤、 −[CH2−CH2−NH]n− (ただし、nは1
以上の整数である。)で示されるポリエチレンイミンの
繰り返し構造を有するシランカップリング剤、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシランといったウレイド系の
シランカップリング剤、3−イソシアナートプロピルト
リメトキシシランといったウレタン系のシランカップリ
ング剤等、Sを含むものとしてγ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。中でも好ましいものとしては、 −[CH2−CH2−NH]n− (ただし、nは1
以上の整数である。)で示される繰り返し構造を有する
シランカップリング剤であり、特に半導体素子裏面のS
i露出部分等との密着性にも優れ、耐半田性に優れた半
導体装置を得ることができる。
【0008】ところで第1級のアミノ基を有するシラン
カップリング剤は、反応性が高く、半導体素子裏面のS
i露出部分等とも容易に反応し密着性が向上する反面、
半導体封止用エポキシ樹脂組成物の主充填材であるシリ
カ等とも容易に反応するため、エポキシ樹脂組成物の材
料化の段階でシリカ等の表面と反応してしまい、凝集物
が発生したり、エポキシ樹脂組成物の粘度が上昇したり
して、薄型の半導体装置に適用し難いという傾向があ
る。又、第2級のアミノ基、第3級のアミノ基を有する
シランカップリング剤は、反応性が低く、基材であるリ
ードフレームの金属との反応性も低く、特に半導素子裏
面のSi露出部分等との反応性が低いため、十分な密着
性が発現されないという傾向がある反面、基材との濡れ
性は向上するという利点がある。そのため特に、同一分
子内に(A)第1級のアミノ基、(B)第2級のアミノ
基及び/又は第3級のアミノ基、及び(C) −[CH2−CH2−NH]n− (ただし、nは1
以上の整数である。)で示されるポリエチレンイミンの
くり返し構造を有するシランカップリング剤を用いれ
ば、第1級のアミノ基による適度な基材との接着性向
上、第2級のアミノ基及び/又は第3級のアミノ基によ
る基材との濡れ性付与と、凝集物発生や粘度上昇の防
止、更に−[CH2−CH2−NH]n−(ポリエチレン
イミン)のくり返し構造による樹脂成分への適度な相溶
性付与を図ることができ、特に半導体素子裏面のSi露
出部分との接着性を向上させることができる。これによ
り、とりわけ薄型の半導体装置や、リードフレームのダ
イパッド部分に十字スリットや孔を設けた構造の半導体
装置や、ダイアタッチ部分の面積を極力小さくした構造
の半導体装置等の封止用に好適となる。
【0009】本発明のシランカップリング剤は、他のシ
ランカップリング剤と併用してもよい。併用できるシラ
ンカップリング剤としては、1分子中にアルコキシシリ
ル基と、エポキシ基等の有機官能基を有するシラン化合
物全般を指し、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有する
シラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有す
るシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキ
シシラン等のメタクリル基を有するシラン等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。これ
らのシランカップリング剤は1種類を単独で用いても2
種類以上を併用してもよい。
【0010】本発明のシランカップリング剤は、予めア
ルコキシ基の一部又は全部を加水分解して得られた加水
分解物をエポキシ樹脂組成物に添加してもよい。加水分
解の方法としては、特に限定するものではないが、例え
ば、本発明のシランカップリング剤と純水を混合し、混
合物が2層に分離しなくなるまで十分攪拌混合する方法
等が挙げられる。
【0011】通常、カップリング剤は、エポキシ樹脂組
成物中にインテグラルブレンドによって混合されるが、
本発明のシランカップリング剤の全部又は一部を加水分
解して得られた加水分解物は、予めエポキシ樹脂やフェ
ノール樹脂の全部又は一部に加熱混合してもよい。又、
材料添加時の分散性を向上させるために、予めメタノー
ル、イソプロピルアルコールといった溶剤で希釈した上
で添加することも可能である。本発明のシランカップリ
ング剤を予め樹脂成分に加熱混合したものを用いること
により、エポキシ樹脂組成物の成形時に各種基材との界
面に効率的に移行し易くなる。
【0012】又、本発明のシランカップリング剤は、無
機充填材表面に存在することにより、無機充填材とエポ
キシ樹脂組成物中の有機成分を化学的に結合させ、無機
充填材と有機成分との界面の接着性の向上にも有効であ
ると考えられる。このように無機充填材と有機成分との
界面の接着性を向上させるためには、本発明のシランカ
ップリング剤が無機充填材表面に存在すること、より好
ましくは吸着又は固定化していることが必要で、このた
め、本発明のシランカップリング剤で無機充填材表面を
処理したり、本発明のシランカップリング剤の全部又は
一部を加水分解して得られた加水分解物で無機充填材表
面を処理すると、界面の接着性が向上するので、熱時強
度や耐半田性の向上に効果がある。本発明のシランカッ
プリング剤を無機充填材表面に処理する方法としては、
例えば、攪拌している無機充填材にシランカップリング
剤、或いはそのアルコール溶液等を噴霧し、更に攪拌を
行った後、室温に放置したり、或いは加熱することによ
り表面処理した無機充填材を得る方法等を挙げることが
できる。
【0013】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、分子内にエポキシ基を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノール
メタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキ
シ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有す
る)、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフ
ェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポ
キシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポ
キシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。これらのエポキシ樹脂は1種類を単独で用いて
も2種類以上を併用してもよい。これらの内では、常温
では結晶性の固体であるが、融点を越えると極めて低粘
度の液状となり、無機充填材を高充填化できるものが好
ましく、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が
挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例え
ば、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジ
グリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテ
ル等が挙げられる。特に、薄型の半導体装置では吸湿率
を低減することが望ましく、無機充填材の高充填化がで
き、更に低吸湿率でもあるフェノールアラルキル型エポ
キシ樹脂(フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格
を有する)、ビフェニル型エポキシ樹脂からなる群から
選ばれる1種以上を用いることが望ましい。その他のエ
ポキシ樹脂も極力粘度の低いものを使用することが望ま
しい。又、耐湿信頼性向上のために、エポキシ樹脂中に
含まれる塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フリー
のイオンは、極力少ないことが望ましい。
【0014】本発明に用いられるフェノール樹脂として
は、分子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テルペン変
性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有
する)、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、
ビフェニレン骨格等を有する)等が挙げられる。これら
のフェノール樹脂は1種類を単独で用いても2種類以上
を併用してもよい。特に、薄型の半導体装置では吸湿率
を低減させることが望ましく、無機充填材の高充填化が
でき、更に低吸湿率でもあるフェノールアラルキル樹脂
(フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有す
る)を用いることが望ましい。又、耐湿信頼性向上のた
めに、フェノール樹脂中に含まれる塩素イオン、ナトリ
ウムイオン、その他フリーのイオンは、極力少ないこと
が望ましい。全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノー
ル樹脂のフェノール性水酸基との当量比としては、好ま
しくは0.8〜1.5、特に好ましくは0.9〜1.3
である。0.8〜1.5の範囲を外れると、硬化性、耐
湿信頼性等が低下する可能性がある。
【0015】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム等が挙げ
られ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併
用してもよい。特に溶融球状シリカが好ましい。粒子の
形状は限りなく真球状であることが好ましく、又、粒子
の大きさの異なるものを混合することにより充填量を多
くすることができる。無機充填材の含有量としては、全
エポキシ樹脂組成物中に65〜94重量%が好ましい。
65重量%未満だと無機充填材による補強効果が十分に
発現せず、かつ吸湿要因である樹脂成分の含有量が多く
なるので、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸湿量が増大
してしまい、半田処理時に半導体装置にクラックが発生
しやすくなる可能性がある。94重量%を越えると、エ
ポキシ樹脂組成物の流動性が極端に低下し、成形時に充
填不良やチップシフト、パッドシフト、ワイヤースイー
プが発生し易くなる可能性がある。
【0016】本発明に用いられる硬化促進剤としては、
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進
するものであればよく、例えば、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2
−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
硬化促進剤は1種類を単独で用いても2種類以上を併用
してもよい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、シランカ
ップリング剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充
填材、硬化促進剤の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹
脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビス
マス水和物等の無機イオン交換体、カーボンブラック、
ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴ
ム等の低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級
脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型
剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、シランカップリング
剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填材、硬化
促進剤、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて混合
後、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導
体装置を製造するには、トランスファーモールド、コン
プレッションモールド、インジェクションモールド等の
成形方法で硬化成形すればよく、特にLQFP、TQF
Pといった薄型のリードフレームタイプの半導体装置に
好適である。
【0018】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。配合単
位は重量部とする。 実施例1 シランカップリング剤1(東レダウコーニングシリコーン(株)・製SZ60 50。第1級のアミノ基、第2級のアミノ基、及び−[CH2−CH2−NH]n − で示される構造を有する) 0.1重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.1重量部 ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、融点105℃) 5.0重量部 フェノールアラルキル樹脂1(フェニレン骨格を含む。水酸基当量174、軟 化点75℃) 4.2重量部 溶融球状シリカ 89.9重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUという) 0.2重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.3重量部 をミキサーを用いて混合した後、ロールを用いて加熱混
練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得ら
れたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果
を表1に示す。
【0019】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.9MPa、硬化時間120sで測定した。
単位はcm。 熱時強度:260℃での曲げ強さをJIS K 691
1に準じて測定した。単位はN/mm2。 耐半田性1:100ピンTQFP(パッケージサイズは
14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップサイ
ズは8.0×8.0mmでパッシベーションはSi
N)、リードフレームは銅で銅フラッシュメッキ付き)
を用い、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬
化時間120sでトランスファー成形し、125℃、4
時間で後硬化させた。得られたパッケージ各20個を8
5℃/相対湿度85%/168時間処理後、260℃の
半田槽に10s浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察
し、クラック発生率[(クラック発生率)=(クラック
発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を
%で表示した。又、超音波探傷装置を用いてチップとエ
ポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を測定
し、剥離率[(剥離率)=(剥離面積)/(チップ面
積)×100]として、20個のパッケージの平均値を
求め、%で表示した。 耐半田性2:44ピンTSOP(パッケージサイズは1
8×10mm、厚み1.0mm、シリコンチップサイズ
は8.0×4.0mmでパッシベーションはSiN)、
リードフレームは42アロイ製で、アイランドサイズ
8.5×4.5mmに5×2mmの角孔を設けたウィン
ドウ構造)を用い、金型温度175℃、注入圧力9.8
MPa、硬化時間60sでトランスファー成形し、12
5℃、4時間で後硬化させた。得られたパッケージ各2
0個を85℃/相対湿度60%/168時間で処理後、
260℃の半田槽に10s浸漬した。顕微鏡で外部クラ
ックを観察し、クラック発生率[(クラック発生率)=
(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×
100]を%で表示した。又、超音波探傷装置を用いて
チップ裏面とエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積
の割合を測定し、剥離率[(剥離率)=(裏面剥離面
積)/(チップ裏面面積)×100]として、20個の
パッケージの平均値を求め、%で表示した。
【0020】実施例2〜5、比較例1〜5 表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。なお、実施例1以外で用いたエポキシ樹脂、
フェノール樹脂、溶融混合物、表面処理した無機充填材
の詳細を以下に示す。オルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量196、軟化点55℃)、フ
ェノールアラルキル型エポキシ樹脂(ビフェニレン骨格
を含む。エポキシ当量272、軟化点58℃)、フェノ
ールアラルキル樹脂2(ビフェニレン骨格を含む。水酸
基当量200、軟化点65℃)、フェノールノボラック
樹脂(水酸基当量105、軟化点105℃)。
【0021】[溶融混合物の製造例] (溶融混合物A)オルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂11.7重量部とフェノールノボラック樹脂5.
5重量部を120℃で完全に溶融混合させた後、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランを0.2重量部
の割合で加えて溶融混合物Aを得た。
【0022】[表面処理した無機充填材の製造例] (処理シリカA)溶融球状シリカ60重量部をミキサー
で攪拌しながら、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン(第1級のアミノ基を有する)0.2重量部を滴下し
加えた。そのまま攪拌を15分間継続した後、室温で8
時間放置し、処理シリカAを得た。 (処理シリカB)溶融球状シリカ60重量部をミキサー
で攪拌しながら、シランカップリング剤1とイソプロピ
ルアルコールを重量比1:1で混合した希釈液を0.4
重量部滴下し加えた。そのまま攪拌を15分間継続した
後、150℃で3時間加熱し処理シリカBを得た。 (処理シリカC)溶融球状シリカ60重量部をミキサー
で攪拌しながら、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン0.2重量部を滴下し加えた。そのまま攪拌を
15分間継続した後、150℃で3時間加熱し処理シリ
カCを得た。
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明に従うと、半導体素子との密着
性、熱時強度に優れ、特に吸湿後の半田処理においてク
ラックや半導体素子、リードフレームとの剥離が発生し
ない耐半田性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、及びこれを用いたリードフレームを有する半導体装
置が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC042 CC052 CD031 CD041 CD051 CD061 CD131 CE002 CM013 EX076 FD010 FD090 FD150 GQ05 4J036 AB01 AB02 AD07 AD10 AF05 AF06 AF07 AF09 AF19 AH15 DC46 FB07 FB08 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 CA22 EA02 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB13 EB18 EB19 EC03 EC05 EC09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リードフレームを有し半導体素子を封止
    してなる半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物におい
    て、該半導体素子の表面に存在する元素のうちC、O、
    H以外の元素を1種以上含むシランカップリング剤を必
    須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤が、同一分子内に
    (A)第1級のアミノ基、(B)第2級のアミノ基及び
    /又は第3級のアミノ基、及び(C) −[CH2−CH2−NH]n− (ただし、nは1
    以上の整数である。)で示される構造を有するものであ
    る請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂が、フェニレン骨格及び/
    又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型
    エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂からなる群か
    ら選ばれる1種以上である請求項1、又は2記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール樹脂が、フェニレン骨格及び
    /又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル
    樹脂である請求項1、2、又は3記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 リードフレームを有し、請求項1〜4の
    いずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素
    子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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