JP2001247749A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001247749A
JP2001247749A JP2000059987A JP2000059987A JP2001247749A JP 2001247749 A JP2001247749 A JP 2001247749A JP 2000059987 A JP2000059987 A JP 2000059987A JP 2000059987 A JP2000059987 A JP 2000059987A JP 2001247749 A JP2001247749 A JP 2001247749A
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JP
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epoxy resin
dihydroxy
resin composition
general formula
butyl
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JP2000059987A
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English (en)
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Makoto Matsuo
誠 松尾
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱時強度、耐半田性に優れる半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)一般式(1)で示される化合物及び/又は
一般式(1)で示される化合物の加水分解物、(D)無
機充填材、(E)硬化促進剤を必須成分とすることを特
徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (R1は炭素数1〜10のアルコキシ基、R2は炭素数1
〜10のアルキル基、nは1〜3の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐半田性に優れる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半
導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
としてエポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コ
スト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年
の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向にお
いて、半導体の高集積化も年々進み、又、半導体装置の
表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エポキシ
樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきてい
る。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では解決
できない問題点も出てきている。その最大の問題点は、
表面実装の採用により半導体装置が半田浸漬、或いはリ
フロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸
湿した水分が爆発的に気化する際の応力により、半導体
装置にクラックが発生したり、半導体素子、リードフレ
ーム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分
とエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面で剥離が生じ、信
頼性が著しく低下する現象である。
【0003】半田処理による信頼性低下を改善するため
に、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の充填量を増加
させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し
耐半田性を向上させるとともに、低溶融粘度の樹脂を使
用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法が
一般的となりつつある。一方、半田処理による信頼性に
おいて、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部
に存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界
面の接着性は非常に重要になってきている。この界面の
接着力が弱いと、半田処理後の基材との界面で剥離が生
じ、更にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発
生する。
【0004】従来から耐半田性の向上を目的として、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ―アミ
ノプロピルトリエトキシシラン等のカップリング剤をエ
ポキシ樹脂組成物中に添加してきた。しかし近年ますま
す厳しくなっている耐半田性の要求に対して、これらの
カップリング剤では充分な性能を確保できなくなってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸湿後の半
田処理においても硬化物の半導体装置にクラックや基材
との剥離が発生しない耐半田性に優れるエポキシ樹脂組
成物を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(A)エ
ポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)一般式
(1)で示される化合物及び/又は一般式(1)で示さ
れる化合物の加水分解物、(D)無機充填材、(E)硬
化促進剤を必須成分とすることを特徴とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を
封止してなることを特徴とする半導体装置である。
【化5】 (R1は炭素数1〜10のアルコキシ基、R2は炭素数1
〜10のアルキル基、nは1〜3の整数である。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるエポキシ樹脂
は、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマ
ー全般を指し、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の結晶性エポキ
シ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、ナフトール型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。又、これらは単独でも混
合して用いても良い。
【0008】又、これらの内では融点150℃未満の結
晶性エポキシ樹脂が好ましい。150℃以上だと、溶融
混練時に十分に融解せず均一分散できないので、この溶
融混合物を用いたエポキシ樹脂組成物の成形品は不均一
となり、強度が各部分によって異なるために半導体装置
の性能が低下するので好ましくない。これらの条件を満
たす結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、一般式
(2)のビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(3)のビ
スフェノール型エポキシ樹脂、一般式(4)のスチルベ
ン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【化6】 (式中のR3は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それ
らは同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整
数。)
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】 (式中のR6は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を
表し、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R7
は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それらは同一もし
くは異なっていてもよい。mは0〜4の整数。)
【0011】一般式(2)のビフェニル型エポキシ樹脂
としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェ
ニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルビフェニル、又は4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフ
ェニル等(置換位置の異なる異性体を含む)のグリシジ
ルエーテル化物が挙げられる。
【0012】一般式(3)のビスフェノール型エポキシ
樹脂としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(2,3,5−トリメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3’,
5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−ターシャリブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、又はビス(2−ターシャリブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のグリ
シジルエーテル化物が挙げられる。
【0013】一般式(4)のスチルベン型エポキシ樹脂
としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−
ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)のグリシジルエーテ
ル化物が挙げられる。
【0014】これらの内では、入手のし易さ、性能、原
料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,5−トリ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ターシャリブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
のグリシジルエーテル化物(以上7種のエポキシ樹脂
を、以下a群という)、3−ターシャリブチル−2,
4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
ルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキ
シ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ター
シャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,
5’−トリメチルスチルベンのグリシジルエーテル化物
(以上3種のエポキシ樹脂を、以下b群という)、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチ
ルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
ターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
ル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジ
メチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、又は4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
5,5’−ジメチルスチルベンのグリシジルエーテル化
物(以上6種のエポキシ樹脂を、以下c群という)から
選択される1種以上が好ましい。
【0015】a群の内、ビフェニル型エポキシ樹脂で
は、低粘度化効果が大きく、且つ反応性に富む4,4’
−ジヒドロキシビフェニルの骨格が含まれているものが
特に好ましい。その他のa群では、ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス
(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ビス(2−ターシャリブチル−5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルフィドのグリシジルエー
テル化物が特に好ましい。又、スチルベン型エポキシ樹
脂では、b群から選ばれる1種以上と、c群から選ばれ
る1種以上との混合物が、融点が低くなるため好まし
い。これらの混合比、混合方法等は特に限定しない。例
えば、スチルベン型エポキシ樹脂の原料であるスチルベ
ン型フェノール類をグリシジルエーテル化する前に混合
しておいたり、両方のスチルベン型エポキシ樹脂を溶融
混合する方法等がある。又、耐湿信頼性向上のために、
本発明に使用されるエポキシ樹脂中に含まれる塩素イオ
ン、ナトリウムイオン、その他フリーのイオンは、極力
少ないことが望ましい。
【0016】本発明に用いられるフェノール樹脂として
は、分子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テルペン変
性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、ジフェニレン骨
格のみを含むフェノールアラルキル型フェノール樹脂等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、これらは単独でも混合して用いても良い。全エポキ
シ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性
水酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2.
0、特に好ましくは0.7〜1.5である。0.5〜
2.0の範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下
するので好ましくない。
【0017】本発明に用いられるシランカップリング剤
は、一般式(1)で示される化合物と一般式(1)で示
される化合物の加水分解物からなる群から選択される1
種以上である。一般式(1)で示される化合物は、1分
子中に多くのアルコキシ基及びアルキル基を有するた
め、樹脂成分との相溶性に優れ、樹脂成分に均一に分散
させることができ、樹脂成分との反応性が高まると同時
に、無機充填材や各種基材表面の水酸基と反応すること
により接着強度が高まり、耐半田性を向上させる。一般
式(1)中のR1は炭素数1〜10のアルコキシ基、R2
は炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1〜3の整
数であるが、アルコキシ基が無機充填材や各種基材との
接着性を向上させることから、n=3が最も好ましい。
又、アルコキシ基の炭素数を調整することにより、本発
明のシランカップリング剤と樹脂成分や無機充填材との
反応性を調整することができる。
【0018】一般式(1)で示される化合物の加水分解
物は、予めアルコキシ基が加水分解されているため、容
易に無機充填材や各種基材表面の水酸基と水素結合或い
は共有結合を形成し、耐半田性を向上させることが可能
となる。加水分解の方法としては、例えば、一般式
(1)で示される化合物と純水を混合し、混合物が2層
に分離しなくなるまで十分攪拌混合する方法等が挙げら
れる。
【0019】本発明のシランカップリング剤は、他のシ
ランカップリング剤と併用できる。併用できるシランカ
ップリング剤としては、1分子中にアルコキシシリル基
と、エポキシ基等の有機官能基を有するシラン化合物全
般を指し、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキ
シシラン等のアミノ基を有するシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポ
キシ基を有するシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等のメルカプト基を有するシラン、ビニル
トリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン、γ−
(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメ
タクリル基を有するシラン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。又、これらは単独でも混合し
て用いても良い。本発明のシランカップリング剤の添加
量としては、全エポキシ樹脂組成物中に0.05〜1.
0重量%が好ましく、特に0.1〜0.4重量%が好ま
しい。
【0020】通常、カップリング剤はインテグラルブレ
ンドによりエポキシ樹脂組成物中に混合されるが、本発
明のシランカップリング剤は、予めエポキシ樹脂やフェ
ノール樹脂の全部又は一部に加熱混合しても良い。本発
明のシランカップリング剤は、半導体装置の内部に存在
する各種基材とエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面での
親和性の向上や、化学結合の形成による界面の接着性の
向上にも効果がある。この場合は、配合されたシランカ
ップリング剤が、エポキシ樹脂組成物の成形時に各種基
材との界面に効率的に移行しやすいことが必要になる。
このために有効な手法が、本発明のシランカップリング
剤を予め樹脂成分に加熱混合させる方法である。
【0021】又、本発明のシランカップリング剤は、無
機充填材表面に存在することにより、無機充填材とエポ
キシ樹脂組成物中の有機成分を化学的に結合させ、界面
の接着性の向上に有効であると考えられる。このように
無機充填材と有機成分との界面の接着性を向上させるた
めには、本発明のシランカップリング剤が無機充填材表
面に存在すること、より好ましくは吸着又は固定化して
いることが必要で、このため、本発明のシランカップリ
ング剤で無機充填材表面を処理すると、界面の接着性が
向上するので、熱時強度や耐半田性の向上に効果があ
る。無機充填材表面に本発明のシランカップリング剤を
処理する方法としては、例えば、攪拌している無機充填
材にシランカップリング剤、或いはそのアルコール等の
溶液を噴霧し、更に攪拌を行った後、室温に放置した
り、或いは加熱することにより表面処理無機充填材を得
る方法等を挙げることができる。又、表面処理した無機
充填材を用いる他に、本発明のシランカップリング剤を
インテグラルブレンド又は樹脂成分と予め加熱混合する
手法とを併用しても良い。
【0022】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シ
リカが好ましい。形状は限りなく真球状であることが好
ましく、又、粒子の大きさの異なるものを混合すること
により充填量を多くすることができる。無機充填材の配
合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に75〜94重
量%が好ましい。75重量%未満だと、無機充填材によ
る補強効果が十分に発現せず、且つ吸湿要因である樹脂
成分の配合量が多くなるので、エポキシ樹脂組成物の硬
化物の吸湿量が増大してしまうため、半田処理時に半導
体装置にクラックが発生しやすくなるため好ましくな
い。94重量%を越えると、エポキシ樹脂組成物の流動
性が低下し、成形時に充填不良やチップシフト、パッド
シフト、ワイヤースイープが発生しやすくなるため好ま
しくない。本発明の無機充填材は、必要に応じてカップ
リング剤やエポキシ樹脂或いはフェノール樹脂で予め処
理して用いても良く、処理の方法としては、溶剤を用い
て混合した後に溶媒を除去する方法や、直接無機充填材
に添加し混合機を用いて処理する方法等がある。
【0023】本発明に用いられる硬化促進剤としては、
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進
するものであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウ
ム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、
2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。又、こ
れらは単独でも混合して用いても良い。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、カーボンブラック、ベンガ
ラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の
低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸
及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化
防止剤等の各種添加剤を配合することができる。本発明
のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分、及びそ
の他の添加剤等をミキサーを用いて混合後、熱ロール、
加熱ニーダー、押出機等の混練機で溶融混練し、冷却後
粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
て、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製
造するには、トランスファーモールド、コンプレッショ
ンモールド、インジェクションモールド等の成形方法で
硬化成形すればよい。
【0025】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割
合は重量部とする。 実施例1 式(5)のビフェニル型エポキシ樹脂を主成分とする樹脂(エポキシ当量19 0、融点105℃) 6.2重量部
【化9】
【0026】 式(6)のフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量174、軟化点75℃) 5.7重量部
【化10】
【0027】 式(7)のシランカップリング剤(以下、シランカップリング剤Aという) 0.4重量部
【化11】
【0028】 溶融球状シリカ 87.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 0.2重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.3重量部 をミキサーを用いて常温で混合した後、表面温度が90
℃と45℃の2本ロールを用いて30回混練し、冷却後
粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキ
シ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示
す。
【0029】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 熱時強度:240℃での曲げ強さをJIS K 691
1に準じて測定した。単位はN/mm2。 耐半田性:トランスファー成形機を用いて、金型温度1
75℃、射出圧力75kg/cm2、硬化時間2分で1
00ピンTQFP(パッケージサイズは14×14m
m、厚み1.4mm、シリコンチップサイズは8.0×
8.0mm、リードフレームは42アロイ製)を成形
し、175℃、8時間で後硬化させた。得られたパッケ
ージを85℃、相対湿度85%の環境下で72時間又は
168時間放置し、その後240℃の半田槽に10秒間
浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発
生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ
数)×100]を%で表示した。又、チップとエポキシ
樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を超音波探傷装
置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面
積)×100]として、5個のパッケージの平均値を求
め、%で表示した。
【0030】(実施例2〜8、比較例1〜3)表1の配
合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を
得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。なお実施例1で用いた以外のエポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、溶融混合物、加水分解物の詳細を以下に示
す。 ・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量196、軟化点55℃) ・式(8)のスチルベン型エポキシ樹脂を主成分とする
樹脂(エポキシ当量187、融点110℃)
【化12】 ・フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化
点105℃)
【0031】[加水分解物の製造例]シランカップリン
グ剤Aと純水を重量比で80:20で混合し、この混合
物が2層に分離しなくなるまで十分攪拌混合し、加水分
解物Aを得た。
【0032】[加熱混合物の製造例] (溶融混合物A)式(5)のビフェニル型エポキシ樹脂
を主成分とする樹脂6.2重量部とフェノールアラルキ
ル樹脂5.7重量部を110℃で完全に溶融混合させた
後、シランカップリング剤Aを0.4重量部加えて溶融
混合物Aを得た。(溶融混合物B)式(6)のフェノー
ルアラルキル樹脂5.7重量部を110℃で完全に溶融
させた後、シランカップリング剤Aを0.2重量部加え
て溶融混合物Bを得た。
【0033】[表面処理した無機充填材の製造例] (処理シリカA)溶融球状シリカ87重量部をミキサー
で攪拌しながら、シランカップリング剤Aを0.4重量
部滴下し加えた。そのまま攪拌を15分間継続したの
ち、室温で8時間放置し、処理シリカAを得た。 (処理シリカB)溶融球状シリカ87重量部をミキサー
で攪拌しながら、シランカップリング剤Aを0.2重量
部滴下し加えた。そのまま攪拌を15分間継続したの
ち、室温で8時間放置し、処理シリカBを得た。
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明に従うと、熱時強度、耐半田性に
優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用
いた半導体装置が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/08 C08L 83/08 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC03X CC04X CC05X CD05W CD11W CE00X DE138 DE148 DJ018 DJ038 DJ048 DL008 EJ016 EU099 EU119 EW019 EX077 EY019 FA048 FD018 FD14X FD146 FD159 FD160 GQ05 4J036 AD01 AD04 AD07 AD08 AD10 AD15 AD20 AF06 AF07 AF08 AF11 AF17 DA01 DA02 DA05 DB05 DC40 DC46 DD07 DD09 FA02 FA03 FA05 FB07 FB08 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB03 EB04 EB06 EB08 EB09 EB12 EC05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
    樹脂、(C)一般式(1)で示される化合物及び/又は
    一般式(1)で示される化合物の加水分解物、(D)無
    機充填材、(E)硬化促進剤を必須成分とすることを特
    徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (R1は炭素数1〜10のアルコキシ基、R2は炭素数1
    〜10のアルキル基、nは1〜3の整数である。)
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(A)が、一般式(2)、
    一般式(3)、一般式(4)から選ばれる1種以上の結
    晶性エポキシ樹脂である請求項1記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。 【化2】 (式中のR3は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それ
    らは同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整
    数。) 【化3】 【化4】 (式中のR6は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を
    表し、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R7
    は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それらは同一もし
    くは異なっていてもよい。mは0〜4の整数。)
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂が、4,4’−ジヒドロキ
    シビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,
    5,5’−テトラメチルビフェニル、ビス(3,5−ジ
    メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビ
    ス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニ
    ル)プロパン、もしくはビス(2−ターシャリブチル−
    5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドのグ
    リシジルエーテル化物、又は3−ターシャリブチル−
    2,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチル
    スチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒド
    ロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−
    ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,
    5,5’−トリメチルスチルベンのグリシジルエーテル
    化物の3種から選ばれる1種以上と4,4’−ジヒドロ
    キシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、
    4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
    ル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒド
    ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジ
    メチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’
    −ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
    ン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
    トラメチルスチルベン、もしくは4,4’−ジヒドロキ
    シ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチ
    ルスチルベンのグリシジルエーテル化物の6種から選ば
    れる1種以上との混合物である請求項1〜2記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で示される化合物及び/又
    は一般式(1)で示される化合物の加水分解物が、エポ
    キシ樹脂(A)及び/又はフェノール樹脂(B)の全部
    又は一部に予め加熱混合されている請求項1〜3記載の
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機充填材(D)が、予め一般式(1)
    で示される化合物及び/又は一般式(1)で示される化
    合物の加水分解物で表面処理されたものである請求項1
    〜4記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のいずれかの半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して
    なることを特徴とする半導体装置。
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