JP2007262235A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温条件のハンダリフロー処理においてもパッケージクラックの発生を低減することができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)下記式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂、(C)アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、及び(D)無機充填材を溶融混練して得られる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Figure 2007262235

(式中、mは1〜10の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、各種半導体の封止に好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、及び前記エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して得られる半導体装置に関する。
近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、プリント基板等に実装される半導体装置はハンダリフローによる表面実装法を用いて高密度実装されることが主流となってきている。前記半導体装置は、半導体素子やリードフレーム等を、無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物等の封止材で封止して半導体パッケージを形成することにより得られる。前記封止は、トランスファー成形等の手段を用いて、予め半導体素子を搭載したリードフレームを載置した金型内に前記樹脂組成物を充填することにより行われている。
しかしながら、上記のようにして得られる半導体パッケージは、前記封止された後プリント配線基板等に実装されるまでの間に、封止材中のエポキシ樹脂が空気中の水分を吸湿する。そして、半導体パッケージ内に吸湿された水分は、ハンダリフローの際に高温条件に曝されることにより気化膨張する。前記水分の気化膨張は、半導体パッケージ内の樹脂成分にクラックを生じさせたり、半導体素子やリードフレーム等と樹脂成分との剥離を生じさせたりするという問題があった。
上記のような問題を解決する方法としては、例えば、下記特許文献1には、無機充填材を高い割合で含有するエポキシ樹脂組成物を封止材として用いることにより、封止材中のエポキシ樹脂成分の量を相対的に低下させて、封止材全体としての吸湿率を低下させる技術が開示されている。
特開平10−182947号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術によれば、エポキシ樹脂組成物が無機充填材を高い割合で含有するために成形時の樹脂組成物の充填性が低下する。このような充填性の低下は、得られる半導体パッケージに未充填部分を生じさせたり、ボイドを発生させる原因になっていた。このようなボイド部や未充填部に存在する空気等のガス成分はハンダリフローの際に高温に曝されて膨張するために、クラックの発生原因になる。とくに、近年においては、リフローハンダとしては環境負荷の低い、鉛フリーハンダが用いられてきている。鉛フリーハンダは、鉛含有ハンダに比べて融点が高いために、ハンダリフローの温度が、鉛含有ハンダに比べて10〜30℃程度も高く設定される。従って、このような、従来よりも高い温度で行われるハンダリフローにおいては、前記問題はさらに顕著に生じる。
また、前記充填性の低下は半導体素子等と封止材との密着性も低下させる。密着性の低下は、封止材と半導体素子等との間における剥離の原因にもなり半導体装置の信頼性低下の原因になっていた。
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、半導体素子の封止に用いられるエポキシ樹脂組成物において、低吸水率であって、半導体素子との密着性が高く、さらに充填性に優れた半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物及びそれから得られる信頼性に優れた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)下記式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂;
Figure 2007262235
(式(1)中、mは1〜10の整数を示し、(P)は、下記式(2)又は(3)で表される構造を示す。(Q)は式(4)で表される構造又は水素を示す。
Figure 2007262235
Figure 2007262235
Figure 2007262235
前記式(2)及び(3)中、R1〜R6は夫々独立して炭素数1〜6のアルキル基を示す。)、(C)アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、及び(D)無機充填材を溶融混練して得られることを特徴とするものである。
このような樹脂組成物は、半導体素子を封止する際の成形時における充填性に優れており、また、吸湿性が低く、半導体素子との密着性に優れているので、半導体装置のパッケージの耐ハンダリフロー性、特に高温における耐ハンダリフロー性を向上させることができる。
更に、前記(C)成分としては、アミノシランカップリング剤が溶融分散されたビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物であることが、アミノシランカップリング剤を容易に前記フェノール樹脂中に含有させることができる点で好ましい。
また、前記エポキシ樹脂組成物に更に(E)シリコーン系消泡剤が含有されている場合は、得られるエポキシ樹脂組成物で半導体を封止する際の充填性をさらに高める点で好ましい。
また、前記エポキシ樹脂組成物に(D)無機充填材がエポキシ組成物全量中に85〜93質量%含有されている場合は、半導体パッケージの封止材の吸湿性とともに熱膨張率を低減し得る点で好ましい。
また、本発明の半導体装置は、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体が封止されてなることを特徴とする。このような半導体装置は耐ハンダリフロー性、特に高温における耐ハンダリフロー性に優れたものである。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、半導体素子を封止する際の充填性に優れており、また、半導体素子との密着性が高いものである。また、前記封止により得られる半導体装置は、ハンダリフローにより表面実装される際に発生するクラック、特に鉛フリーハンダに要求される高温条件のハンダリフローの際に発生するクラックが低減される。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)上記式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂、(C)アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、及び(D)無機充填材を溶融混練して得られるものである。
(A)成分であるエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を特に限定なく用いることができる。具体的には、例えば、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有割合は、エポキシ樹脂組成物全量に対して2〜15質量%であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化剤成分として、(B)成分である式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂(以下、「式(1)のフェノール樹脂」という場合がある)を含有する。前記フェノール樹脂を配合することにより、得られる半導体パッケージの吸湿性を低下させることができる。
前記式(1)のフェノール樹脂の基本骨格の繰り返し単位数mは1〜10であり、好ましくは1〜5である。また、繰り返し単位数が異なる複数成分を組み合わせて用いてもよい。
式(1)のフェノール樹脂の具体例としては、例えば、式(5)〜(7)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。
Figure 2007262235
Figure 2007262235
Figure 2007262235
式(5)で示されるフェノール樹脂は、式(1)において(P)が式(3),R5及びR6がメチル基,mが2,(Q)が水素の場合であり、式(6)で示されるフェノール樹脂は、式(1)において(P)が式(2),R1〜R4は全てメチル基、mが1,及び(Q)が式(4)で示される場合のものである。
また、式(7)で示されるフェノール樹脂は、式(1)においてmが2で、それぞれ別の(P)を有する場合を示し、繰り返し単位を構成する一つの(P)は式(2)であり、別の一つの(P)は式(3)であり、R1〜R6は全てメチル基であり、(Q)が水素の場合である。前記式(7)で示されるフェノール樹脂のように、mが2以上の場合には、(P)として式(2)と式(3)とが混在していてもよい。
式(1)のフェノール樹脂の具体例(市販品)としては、例えば、三菱瓦斯化学(株)製の「ニカノールGLP」(キシレン樹脂変性フェノール樹脂)などを挙げることができる。
本発明における(C)成分は、硬化剤成分であり、アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物である。
前記フェノール樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂組成物中にアミノシランカップリング剤を良好に分散させるものであり、このようにアミノシランカップリング剤をエポキシ樹脂組成物中に良分散させることにより半導体素子リードフレームに対する密着性を高めることができる。その結果、半導体装置の耐ハンダリフロー性を向上させることができる。
前記アミノシランカップリング剤を含有する媒体としてビフェニル骨格を有するフェノール樹脂を用いることにより、本発明のエポキシ樹脂組成物中への分散を良好にすることができ、その結果、前記半導体素子への密着性を高めることができる。
本発明におけるビフェニル骨格を有するフェノール樹脂とは、フェノール樹脂の主鎖中にビフェニル骨格が導入された樹脂である。
前記ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
また、前記アミノシランカップリング剤が含有されている。シランカップリング剤としてアミノシランカップリング剤を用いることにより、前記半導体素子への高い密着性を有する本発明のエポキシ樹脂組成物が得られる。
アミノシランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中ではγ−アミノプロピルトリエトキシシランがフェノール樹脂に溶融分散させる際の反応性が適当な点から好ましい。
(C)成分中のアミノシランカップリング剤の含有割合は、5〜30質量%、さらには10〜20質量%であることが好ましい。前記含有割合が低すぎる場合には、本発明のエポキシ樹脂組成物中にアミノシランカップリング剤の必要量を含有させるために(C)成分全体の配合量が多くなりすぎ、高すぎる場合には、(C)成分の樹脂粘度、従って本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度が低くなりすぎてハンドリング性が悪くなる傾向がある。
なお、(C)成分には、前記アミノシランカップリング剤とともに必要に応じてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のその他のシランカップリング剤を含有してもよい。
前記アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物は、例えば、ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂中にアミノシランカップリング剤を溶融分散させることにより調製される。
前記溶融分散させる方法としては、例えば、コンビミックス釜に前記ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂を仕込み、この釜を140℃に加熱して前記ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂の温度を130〜140℃として完全に溶融してから、アミノシランカップリング剤をホッパーより少量ずつ撹拌しながら滴下する方法が挙げられる。
そして、アミノシランカップリング剤が溶融分散されたフェノール樹脂組成物は、通常、冷却固化した後、粉砕して粉粒物の形態で使用される。
例えば、溶融されたフェノール樹脂中にアミノシランカップリング剤を全量滴下後、粘度等を確認しながら1時間程度攪拌してから溶融された樹脂を取り出し、5℃以下にて冷却固化した後、粉砕して使用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤成分として、前記成分のほか、必要に応じてその他の硬化剤成分を含有してもよい。その他の硬化剤成分の具体例としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、前記式(1)で示すもの以外のフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等の各種多価フェノール化合物もしくはナフトール化合物等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤成分の含有割合は特に制限されないが、通常、エポキシ樹脂成分全量に対する配合比で全エポキシ樹脂成分/全硬化剤成分=0.5〜1.5(当量比)、さらには0.8〜1.2であることが好ましい。前記配合比が小さすぎると、硬化剤の配合量が多すぎて経済的に不利となるおそれがあり、また上記の配合比が大きすぎると、フェノール樹脂の配合量が少なすぎて硬化不足になるおそれがある。
また、式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂の配合割合としては、硬化剤成分の全体量に対して、10〜100質量%、さらには30〜90質量%であることが好ましい。前記割合が低すぎる場合には、式(1)のフェノール樹脂を用いる効果が低下して、吸湿性を充分に低下させることができなくなり、耐ハンダリフロー性を充分に向上させることができなくなるおそれがある。
また、アミノシランカップリング剤を含有するフェノール樹脂組成物の含有割合は、硬化剤成分の全体量に対して、10〜50質量%、さらには20〜30質量%であることが好ましい。前記割合が低すぎる場合には、本発明のエポキシ樹脂組成物中におけるアミノシランカップリング剤の割合が低すぎるものとなり、結果として、半導体素子への前記高い密着性が発現されず、高すぎる場合にはアミノシランカップリング剤の反応性が高すぎて成形性のバランスが崩れる傾向がある。
なお、本発明のエポキシ樹脂配合物は硬化反応を促進するための硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としてはエポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進することができるものであれば特に制限することなく使用することができる。具体的には、例えばトリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィントリメチルホスフィンなどの有機リン化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミンなどの三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類等が挙げられる。
硬化促進剤は全樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.1〜5質量%配合するのが好ましい。硬化促進剤の配合量が全樹脂成分の配合量に対して0.1質量%未満であれば、硬化促進効果を高めることができず、硬化促進剤の配合量が全樹脂成分の配合量に対して5質量%を超えると、硬化が促進されすぎて成形時に流動性が不充分になり、また、経済的にも不利となるおそれがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含有される無機充填材は、吸湿性を低減させるとともに熱膨張率を低減させる等の目的で含有されるものである。
前記無機充填材の具体例としては、例えば、溶融シリカや結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、窒化珪素等の従来からエポキシ樹脂組成物の無機充填材として用いられているものを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中ではシリカが好ましい。
前記無機充填材の含有割合はエポキシ樹脂組成物の全体量に対して85〜93質量%であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えばシリコーン系消泡剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、流動改質剤、着色剤、滑剤、シリコーン系可撓剤等を必要に応じて含有してもよい。
特に、前記添加剤としては(E)シリコーン系消泡剤を含有する場合には、樹脂の流動性がさらに、高くなる点から好ましい。
前記シリコーン系消泡剤としては、例えば、オイル型、溶液型、粉末型、エマルジョン型等の形態のものが挙げられる。
また、シリコーン系消泡剤の配合割合としては、エポキシ樹脂組成物の全量中0.1〜4質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。前記割合が低すぎるとその効果が発現されず、高すぎるとパッケージ表面に汚れとしてブリードして金型からの離型が損なわれる場合がある。
また、離型剤としては、例えばカルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボシキル基含有ポリオレフィン等を用いることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、前記(A)エポキシ樹脂、(B)式(1)のフェノール樹脂、(C)アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、及び(D)無機充填材の各成分と、必要に応じて配合される添加剤を溶融混練することにより得られる。
溶融混練は、前記各種成分を、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーによりドライブレンドした後、硬化反応が生じない温度範囲において溶融混練する方法により行われる。前記溶融混練の方法としては、具体的には、例えば、前記配合物を80〜120℃程度に加熱したロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等の溶融混練手段で溶融混練して押し出す方法が挙げられる。押し出した後、冷却固化後、粉砕機で粉砕して、粉粒状に形成してもよい。
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られたエポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止して得られる。
本発明の半導体装置を製造するにあたっては、リードフレームや基板等に半導体(素子)を搭載した後、これを上記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(封止樹脂)で封止するようにする。この封止にはトランスファー成形(トランスファーモールド)を採用することができ、半導体素子を搭載したリードフレームや基板等を金型のキャビティに配置した後、キャビティに上記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を充填し、これを加熱し硬化させて封止された半導体装置が得られる。このトランスファー成形を採用した場合の金型の温度は170〜180℃、成形時間は30〜120秒に設定することができるが、金型の温度や成形時間及びその他の成形条件は、従来の封止成形と同様に設定することができ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の材料の種類や製造される半導体装置の種類によって適宜設定変更できる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例または比較例では、原材料として次のものを用いた。
・o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:住友化学工業(株)製ESCN195XL(エポキシ当量195)
・フェノール樹脂A:三菱瓦斯化学(株)製ニカノールGLP(上記式(5)〜(7)の構造を有するフェノール樹脂の混合物,水酸基当量163)
・ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂B:エア ウオーターケミカル(株)製のビフェニルアラルキル樹脂であるHE200C−10 水酸基当量205
・フェノールノボラック樹脂C:荒川化学(株)製 タマノール−752 水酸基当量 104
・無機充填材:電気化学工業(株)製FB820(シリカ)
・アミノシランカップリング剤:信越化学工業(株)製KBE903(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)
・シリコーン系消泡剤:信越化学工業(株)製 KF6702
・カルナバワックス:大日化学(株)製F1−100
・カーボンブラック:三菱化学(株)製40B
・硬化促進剤:北興化学工業(株)トリフェニルホスフィン
(実施例1〜5)
ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂とアミノシランカップリング剤とを表1に示した割合で予め溶融混合した。溶融混合はビフェニル骨格を有するフェノール樹脂をコンビミックス釜により140℃に加熱溶融し、この溶融された樹脂にアミノシランカップリング剤を少量ずつ滴下分散して行った。そして、全量滴下後、1時間攪拌したものを取り出して冷却・粉砕し、アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物を得た。
次に、エポキシ樹脂、式(1)のフェノール樹脂、前記アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、無機充填材、シリコーン系消泡剤、硬化促進剤、カルナバワックス、及びカーボンブラックを、表1に示すような配合割合(質量%)となるように、ブレンダーに投入し30分間混合し均一化して配合物を得た。そして前記配合物を80℃に加熱した2本ロールで溶融混練して押し出し、冷却後粉砕機で粉砕して、粒状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。
前記のように調整した各エポキシ樹脂組成物を用いて、以下に示す方法で評価した。
(充填性)
充填性1:
Cuリードフレームに寸法8×9×0.4(mm)のテスト用チップを銀ペーストを用いて搭載した外形寸法14×14×2.7(mm)の128pinTQFP(Thin Quad Flat Package)のパッケージを各エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形(金型温度:175℃,注入圧力:6.9MPa,成形時間:90秒間,後硬化175℃/6時間)により封止成形し、評価用試料を作製した。
そして、実体顕微鏡にて、径が0.1mm以上の未充填ボイドの数を確認し、試験パッケージ数(10個又は20個)に対する未充填発生パッケージ数を評価した。なお、表1には、分母に試験パッケージ数を分子に未充填発生パッケージ数を記載した。
充填性2:
充填性1で評価したパッケージを、軟X線装置にて撮影した写真により径が0.2mm以下の未充填ボイドの大きさを計測し、その最大値(mm)にて評価した。
(耐ハンダリフロー性)
Cuリードフレームに寸法8×9×0.4(mm)のテスト用チップを銀ペーストを用いて搭載した外形寸法28×28×3.2(mm)の160pinQFPのパッケージを、各エポキシ樹脂組成物を用いて前記と同様の成形条件で封止成形して各々10個の評価用試料を作製した。そしてこれらの評価用試料を温度85℃、湿度85%の条件で168時間吸湿させた後、IRリフロー装置により、240℃、10秒間の条件でハンダリフロー処理を行ない、パッケージクラックの有無を確認し、クラックが発生していたパッケージの数で評価した。
また、さらに72時間、96時間、168時間のそれぞれの時間で前記と同条件の吸湿処理をした後、その評価試料をさらにIRリフロー装置により260℃、10秒間の条件でハンダリフロー処理を行ない、同様に、クラックが発生していたパッケージの数で評価した。
結果を表1に示す。
(比較例1〜2)
ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂とアミノシランカップリング剤とを溶融混合する代わりに、それぞれを配合物の1組成として他の成分と同時に添加して溶融混練し、表
1に示す配合で各成分を配合した以外は実施例1〜5と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
式(1)のフェノール樹脂の代わりにフェノールノボラック樹脂を用いて、表1に示す配合割合で各成分を配合した以外は実施例1〜5と同様にして樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007262235
表1に示されるように、式(1)のフェノール樹脂を用いなかった比較例1〜3は、充填性及び耐ハンダリフロー性に劣り、アミノシランカップリング剤をビフェニル骨格を有するフェノール樹脂に溶融分散させる代わりに、それぞれを他の成分と同時に添加した組成物を調製した比較例1及び2は、特に、充填性1(未充填発生パッケージ数)による評価が悪かった。

Claims (5)

  1. 半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ樹脂、
    (B)下記式(1)に示す構造を有するフェノール樹脂;
    Figure 2007262235
    (式(1)中、mは1〜10の整数を示し、(P)は、下記式(2)又は(3)で表される構造を示す。(Q)は式(4)で表される構造又は水素を示す。
    Figure 2007262235
    Figure 2007262235
    Figure 2007262235
    前記式(2)及び(3)中、R1〜R6は夫々独立して炭素数1〜6のアルキル基を示す。)、
    (C)アミノシランカップリング剤を含有するビフェニル骨格を有するフェノール樹脂組成物、及び
    (D)無機充填材
    を溶融混練して得られることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(C)成分が、ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂にアミノシランカップリング剤が溶融分散されたフェノール樹脂組成物である請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 更に(E)シリコーン系消泡剤が配合されてなる請求項1又は2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. (D)無機充填材が、前記エポキシ樹脂組成物全量中に85〜93質量%配合されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止して得られる半導体装置。
JP2006089226A 2006-03-28 2006-03-28 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Pending JP2007262235A (ja)

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