JP2004087965A - フリップチップデバイス製造方法及び半導体実装用補強組成物 - Google Patents

フリップチップデバイス製造方法及び半導体実装用補強組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】チップとインターポーザ間の封止保護が可能なウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法、及び、再溶融させて半導体チップをリペアするときクリーニング性に優れ、かつ、耐熱性にも優れた半導体実装用補強組成物を提供する。
【解決の手段】シリコンチップ上のバンプとインターポーザのパッドとを溶融接合するとともに、加熱により再流動化可能な熱硬化性樹脂を用いた補強組成物を再流動化させて両者の隙間を充填する工程を有するウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法、並びに、特定の芳香族2官能エポキシ化合物の1種又は2種、特定の芳香族2官能フェノール化合物の1種又は2種以上の化合物並びにリン系触媒等の1種又は2種以上の化合物を含有し、エポキシ成分とフェノール成分とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1である補強組成物。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化後の加熱により再溶融可能な重合性樹脂組成物を使用した、シリコンチップとプリント配線基板間の封止保護が可能なウエハーレベルフリップチップデバイス及びウエハーレベルCSP製造方法に関する。
また、本発明は、ディスペンス温度で液状で、加熱により室温でタックフリーの固形樹脂となり、ハンダ付け温度で溶融及び流動し、そのため実装接合部のギャップを埋めることができるバンプ補強用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、再溶融させて半導体チップを引き剥がした(リペアした)後、その樹脂残さを溶剤でクリーニングすることができ、かつ、耐熱性にも優れた半導体実装用補強樹脂に関する。
さらに、本発明は、アウターボール補強材、インナーバンプ補強材、ウエハーレベルフリップチップ補強材及びこれらを使用してなる半導体デバイスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリップチップは、シリコンチップ上にバンプと呼ばれる電極端子が形成されたものである。これは、直接マザーボードに実装することも可能であるが、多くの場合、プリント配線基板(インターポーザ等)に固定されてパッケージされ、パッケージに設けられた外部接続用端子(アウターボール又はアウターバンプともいう)を介してマザーボードに実装される。インターポーザと接合されるシリコンチップ上のバンプはインナーバンプと呼ばれ、インターポーザ上のパッドと呼ばれる多数の微小な接合面と電気的に接続される。インナーバンプとパッドとの接合部は微小であるため力学的に弱く、樹脂で封止補強される。この封止補強方法としては、従来、インナーバンプとパッドとをあらかじめ溶融接合した後、シリコンチップとインターポーザの隙間に液状の補強材を注入するアンダーフィル(キャピラリーフローともいう)方式が広く用いられている。
【0003】
しかし、アンダーフィル方式は、封止補強材の中にボイドが発生したり、封止補強に手間がかかるため、生産性の点で改善の余地があった。これに対して、シリコンウエハー上でバンプ形成面に先に補強材を供給しておくウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法は、チップの生産性向上に大きく貢献することが期待されている。なお、本明細書中、ウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法は、シリコンウエハー上でフリップチップデバイスの組み立て工程の少なくとも一部を行うフリップチップデバイスの製造方法をいう。これには、例えば、デバイスの組み立て工程のうち、バンプ形成面に補強樹脂を塗布する工程をシリコンウエハー上で行う場合、インターポーザの設置までシリコンウエハー上で行う場合、バンプの形成、樹脂封止、再配線形成、ハンダボール形成等の工程を全てシリコンウエハー上で行う場合、等がありうる。フリップチップデバイスとは、フリップチップがプリント配線基板と接合された半導体デバイスをいう。これには、フリップチップがインターポーザと称されるプリント配線基板上にパッケージされたもの、フリップチップが電子機器回路プリント配線基板に搭載されたもの、等の態様が含まれる。
【0004】
従来試みられているウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法においては、例えば、フリップチップバンプを形成したシリコンウエハーに、固形のエポキシモールディングコンパウンド(EMC)をトランスファーモールドするか、又は、液状の熱硬化性樹脂からなる補強材を塗布してタックフリー化した後、個々のシリコンチップにダイシングし、これをリフロー工程と呼ばれる加熱工程によりバンプを溶融してインターポーザと接合する。しかるに、図3に示すように、従来の方法においては、熱硬化した補強材10はシリコンチップ9の回路形成面やインナーバンプの根元を覆って保護しているが、インターポーザ11面の配線パターンやインナーバンプとパッドとの溶融接合部は封止されず、強度上の弱点となり、かつ、電気的接続不良の原因ともなる問題が存在していた。
【0005】
また、一般に、シリコンチップの膨張率とプリント配線基板の膨張率とは同じ大きさではなく、通常、基板の方が大きいので、インナーバンプ補強材の膨張率は、理想的にはプリント配線基板とシリコンチップとの中間の値であるが、そうでなかったとしても、出来るだけ小さくすることが要求される。それのみか、熱応力がバンプに集中するのを避けるために、インナーバンプ補強材の弾性率はバンプのそれより大きくすることが求められる。しかし、一方では、基板が薄いか柔らかい場合は、補強材に起因するパッケージの反りを、特にウエハーレベルで適用する場合などでは、抑える必要がある。以上のことがらは、シリコンウエハー上でバンプ形成、樹脂封止、配線形成、等を行いチップサイズのパッケージングをするウエハーレベルCSP製造方法でつくられるチップサイズパッケージ(CSP)デバイスにも該当する。従って、ウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法やウエハーレベルCSP製造方法に適用できるとともに、インナーバンプの補強効果に優れた補強材が望まれる。
【0006】
BGA半導体デバイスは、図4(a)に示すように、接続用端子として、ハンダの突起であるアウターボール15を有する。アウターボール15はアウターバンプともいうが、一般にフリップチップのインナーバンプより大型である。BGA半導体デバイス12は、通常、110〜130℃程度で数時間程度の乾燥(ベーク)工程を経て真空パックされたのち、マザーボード上に実装される。実装は、先ずマザーボード上に配置されている接続端子にソルダーペーストを印刷方式等により塗布し、その上に対応する個々のアウターボールが接触するように載せ、リフロー温度への加熱(通常は205〜280℃程度)によりこのアウターボールのハンダを溶融させ、接続端子と接合する(この工程をリフロー工程という)ことにより行なわれる。
【0007】
しかし、アウターボールで接合されるBGA半導体デバイスとマザーボードとの熱膨張係数が異なるため、リフロー工程が終了して冷却されると、接合部に応力やひずみが集中してかかる。このため、温度サイクル試験の実施や衝撃により、接合部が破損しやすい。更に、パッケージそのものの不良が接続後に発見された場合にもリペアの必要が生じる。そこで、これらの問題に対処するために、加熱硬化後に不良な半導体デバイスを取り除き、交換することができるリペアラブル組成物が提案された(特開2000−154237号公報)。
【0008】
しかるに、リペアを確実に行うためには、半導体デバイスの実装後に再溶融させてチップを引き剥がした後に、基板側に付着している樹脂残さを完全に除去しておかねばならない(なお、本明細書中、単に半導体デバイスの実装というときはBGA半導体デバイスのマザーボードへの設置及びフリップチップのインターポーザへの設置又は直接マザーボードへの設置を含む)。すなわち、リペアラブル組成物は、特に半導体デバイスの実装に使用する場合、加熱硬化した後に再溶融させたとき、樹脂を溶剤でクリーニングすることが可能なものでなければならない(以下、この性質をクリーニング性という)。
【0009】
また、温度サイクル試験の、特に高温時に、補強材が確実に熱応力から接合部を保護するために、及び、発熱を余儀なくされる半導体デバイスの信頼性向上のために、充分な耐熱性が要求される。そのために、アウターボール補強材樹脂は高Tgであることが望ましい。また、それのみか、BGA半導体デバイスが大きいとき、補強材自体の熱膨張が無視できなくなる。従って、耐ヒートショック性及び耐落下衝撃性を向上させたアウターボール補強材が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の現状に鑑みて、本発明は、シリコンチップとプリント配線基板間の封止保護、例えば、インナーバンプとパッドとの溶融接合部の保護、が可能なウエハーレベルでのチップ製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、ウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法やウエハーレベルCSP製造方法に適用できるとともに、インナーバンプの補強効果に優れた補強材を提供することを目的とする。
本発明はまた、クリーニング性に優れ、同時に耐熱性にも優れた半導体実装用補強樹脂を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐ヒートショック性及び耐落下衝撃性を向上させたアウターボール補強材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)バンプが形成されたシリコンウエハーに、再溶融可能な重合性樹脂組成物からなる補強組成物を塗布する工程(以下工程(a)という)、
(b)上記補強組成物をタックフリー化する工程(以下工程(b)という)、
(c)プリント配線基板を上記バンプに接合するために、上記バンプと上記プリント配線基板のパッドとを接合するとともに、上記補強組成物を再流動化させてバンプ形成面とプリント配線基板との隙間を充填する工程(以下工程(c)という)、及び
(d)シリコンウエハーを切断する工程
をふくむフリップチップデバイス製造方法である。上記製造方法はウエハーレベルCSP製造方法であってよい。上記工程(d)は、上記工程(b)の後であって上記工程(c)の前に有することもできる。または、必要に応じて、上記工程(d)は、上記工程(c)の後に置くこともできる。
本発明はまた、バンプが形成されたシリコンチップに、再溶融可能な重合性樹脂組成物からなる補強組成物を塗布する工程、
上記補強組成物をタックフリー化する工程、及び、
プリント配線基板を上記シリコンチップに接合するために、上記シリコンチップのバンプと上記プリント配線基板のパッドとを、溶融接合するとともに、上記補強組成物を再流動化させて上記溶融接合と同時に上記バンプと上記パッドとの溶融接合部分を被覆する工程、
を有するフリップチップデバイス製造方法でもある。
【0012】
本発明はまた、2官能エポキシ化合物、2官能フェノール化合物及び組成物全量の5重量%以上の充填剤からなり、上記2官能エポキシ化合物と上記2官能フェノール化合物とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1であるる樹脂組成物であって、
ディスペンス温度で液状で、従って、半導体デバイス又はシリコンウエハーのバンプ形成面に、ディスペンス、スクリーン印刷又はスピンコートによって塗布することができ、
ハンダの軟化点以下での加熱により室温でタックフリーの固形樹脂となり、
ハンダ付け温度で溶融及び流動し、そのため半導体デバイス又はシリコンウエハーと基板との実装接合部のギャップを埋めることができ、それにより、疲労又は衝撃がひき起こす電気的導通不良から上記接合部を保護及び補強し、特に温度サイクル条件での実装半導体デバイスの信頼性を向上させることができるバンプ補強用樹脂組成物でもある。
本発明はまた、上記バンプ補強用樹脂組成物からなるインナーバンプ補強材、並びに、ウエハー上で適用するためのバンプ補強材であるウエハーレベルフリップチップバンプ補強材及びウエハーレベルCSP補強材でもある。
【0013】
本発明はまた、(A)式(1)で表される2官能エポキシ化合物及び式(2)で表される2官能エポキシ化合物からなる群から選択された1種又は2種の化合物、(B)式(3)で表される2官能フェノール化合物、式(4)で表される2官能フェノール化合物、式(5)で表される2官能フェノール化合物及び式(6)で表される2官能フェノール化合物からなる群から選択された1種又は2種以上の化合物、並びに、(C)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物を含有し、(A)成分と(B)成分とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1である半導体実装用補強組成物である。
【0014】
【化2】
Figure 2004087965
【0015】
式(6)中、R、Rは、同一又は異なって、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ペンチル、アリル、又は、フェニルである。
本発明はまた、上記半導体実装用補強組成物からなるアウターボール補強材、インナーバンプ補強材及びウエハーレベルフリップチップバンプ補強材でもある。
本発明はさらに、上記(B)成分として少なくとも式(4)で表される2官能フェノール化合物を含有する上記半導体実装用補強組成物からなるフラックス性補強材;クリーニング性及びフラックス性を有し、かつ、硬化後の加熱により再溶融可能でTgが100℃以上である、2官能エポキシ化合物と2官能フェノール化合物とが重付加してなる重合性樹脂組成物;クリーニング性及びフラックス性を有し、かつ、硬化後の加熱により再溶融可能でTgが100℃以上である、2官能エポキシ化合物と2官能フェノール化合物とが重付加してなる重合性樹脂組成物で封止された半導体デバイスである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
フリップチップデバイス製造方法
本発明のフリップチップデバイス製造方法の一態様を、図1により説明する。
1.工程(a)
インナーバンプ1が形成されたシリコンウエハー2上に、再溶融可能な重合性樹脂からなる補強組成物を塗布する。上記インナーバンプ1の材質は、例えば、共晶ハンダ、鉛フリーハンダ等のハンダ、金、ニッケル等の金属又は金、ニッケル等の合金等であってよい。上記インナーバンプ1の形状は、バンプ形成時の溶融ハンダの表面張力により、通常、球状、半球状、偏平球状等であり得る。また、金バンプやニッケルバンプは、尖端形状であり得る。
【0017】
上記補強組成物の塗布は、常法により、ディスペンサー、スクリーン印刷、コーター、スピンコーター等を使用して行うことができる。塗布量は、例えば、バンプの頭部が工程(b)で露出しやすいように、バンプ高さより小さい平均厚さになるように塗布することができる。また、後述するように、シリコーン系消泡剤を添加した補強組成物を使用してもよい。
【0018】
上記重合性樹脂としては再溶融可能なものであれば特に限定されない。このような重合性樹脂としては、例えば、後に詳述する本発明のバンプ補強用樹脂組成物等を好適に使用することができる。
【0019】
2.工程(b)
次に、上記補強組成物をタックフリー化し、好ましくは、上記インナーバンプ1の先端がタックフリー化した上記補強組成物3から露出したシリコンウエハーを得る(図1(2)参照)。上記タックフリー化は、重合性樹脂を、室温ではタックフリーであるが反応性を有する段階まで加熱により重合反応を進行させることにより行うことができる。上記加熱は、重合性樹脂が充分に重合するに必要な温度及び時間の条件よりもより低温及び/又は短い時間あって、しかも、ある程度重合反応が進行し得る温度及び時間で行うことができる。上述の重合性樹脂を使用する場合は、100〜170℃、好ましくは110〜130℃、0.5〜16時間加熱することで室温ではタックフリーではあるが反応性を有する段階まで重合反応を進行させることができる。なお、インナーバンプの一部がタックフリー化した上記補強組成物から露出したシリコンウエハーを得るために、組成物の塗布の際に塗布厚みをバンプ高さより薄くなるように塗布してもよいが、上記組成物にさらにシリコーン系消泡剤を添加することにより、タックフリー化する際に、補強組成物自身の表面張力によりバンプの頭頂部が露出するのを促す効果を利用してもよい。
【0020】
シリコーン系消泡剤としては、例えばST86PA(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)等を、エポキシ化合物100重量部に対して、0.005〜0.1重量部使用することができる。
【0021】
本発明の製造方法においては、上記工程(b)の後であって、下記に詳述する工程(c)の前に、上述の工程(b)で得られたシリコンウエハーを、常法により、チップサイズにダイシングする工程を有してもよい(図1(3)参照)。
【0022】
3.工程(c)
プリント配線基板を上記バンプに接合するために、上記バンプとプリント配線基板のパッドとを接合するとともに、上記補強組成物を再流動化させてバンプ形成面とプリント配線基板との隙間を充填する。プリント配線基板としては、例えば、マザーボードやインターポーザ等であり得る。以下はインターポーザを例として説明する。バンプを介してシリコンチップと電気的に接続するために、プリント配線基板には、バンプとの接合点が準備されている。これを通常、パッドという。インターポーザ6と接合するために、ダイシングされたシリコンチップのインナーバンプと上記インターポーザのパッド5とを接合するとともに、上記補強組成物を、好ましくは上記接合と同時に再流動化させて、インナーバンプとパッドとの接合部を保護、補強するために、上記シリコンチップと上記インターポーザとの隙間を充填する(図1(4)、(5)参照)。なお、このとき、シリコンチップは半導体回路形成面を下に向けてひっくり返してインターポーザに載せられる。上記接合は、溶融接合であってもよく、非溶融接合、例えば、金等の金属同士の固相拡散接合等であってもよい。パッドとハンダのバンプとの溶融接合の際には、例えば、先ず約150〜180℃に昇温し、次に約205〜280℃であってインナーバンプの融点以上に昇温する加熱プロファイルを使用することができる。ハンダの溶融接合のために、補強材組成物中にフラックスを添加しておくこともできる。上記工程(c)は、例えば、IRリフロートンネルを通過させて行う、通常、単にリフローと称される方法であってもよく、又は、ヒートツールで一つずつ荷重をかけながら加熱するローカルリフローにより行うこともできる。リフローを減圧下で行うと樹脂のボイド発生を抑止することができる。また、非溶融接合の際には、バンプとパッドの金属接合を促進するために、超音波を使用してもよい。
【0023】
本発明においては、このバンプ接合に際して、同時に、タックフリー状態まで重合している重合性樹脂を、例えば、リフロー加熱を利用して、再流動化させる。このとき、バンプ高さが充分沈み込み、重合性樹脂とインターポーザとが接触可能な程度にシリコンチップとインターポーザとが接近することが可能となる。そのため、予め塗布した補強材がシリコンチップとインターポーザの間の隙間を容易に充填することができる。その結果、フリップチップバンプとパッドとの接合部の被覆が可能になる。この様子を図2の模式図に示す。図2(a)、(c)に模式的に示すように、重合性樹脂が再流動化することにより、バンプは溶融や荷重等によりその体積を一定にしたまま変形し、バンプ高さが充分低下する(S1、S3)。一方、重合性樹脂が再流動化しない場合は、図6(b)、(d)に模式的に示すように、樹脂から露出したバンプの部分のみ変形することができるので、バンプ高さの低下が少なく(S2、S4)、図2(b)及び(d)中の実線で示した部分が樹脂の外に残り、インナーバンプとパッドの接合部が露出することになる。図2中、塗りつぶしの部分は樹脂を示す。点線で表したバンプが実線で表した形状に変形可能である。S1〜S4は変形によるバンプ高さの低下量を示す。(a)、(c)は、再流動可能な樹脂の場合を模式的に示し、(b)、(d)は再流動不可能な樹脂の場合を模式的に示す。
【0024】
本発明の製造方法を、後述するCSPの製造方法として用いる場合には、シリコンウエハーの個別チップへのダイシング工程を、通常は、パッケージング工程の終段、例えば、上記工程(c)若しくは、後述する工程(e)を置く場合はその後、又は、必要な場合には、これらの工程の後に外部接続用ハンダボールを形成する工程を置いた後、に置くであろう。
【0025】
本発明の方法においては、上記工程(c)の後にさらに、(e)ポストキュアを、例えば、150℃で1〜2時間、又は、180℃で0.5〜1時間、行う工程を有することができる。
【0026】
また、図1の(1′)から始まる工程に示すように、インナーバンプ1が形成されたシリコンチップ4に、再溶融可能な重合性樹脂からなる補強組成物を塗布する工程、上記補強組成物をタックフリー化する工程、及び、インターポーザを上記シリコンチップに接合するために、上記シリコンチップのインナーバンプと上記インターポーザのパッドとを、例えば、先ず約150〜180℃に昇温し、次に約205〜280℃であって上記インナーバンプの融点以上に昇温する加熱プロファイル等により、溶融接合するとともに、上記補強組成物を再流動化させて上記溶融接合と同時に上記インナーバンプと上記パッドとの溶融接合部分を被覆する工程、によりフリップチップデバイスを製造することも可能である。
【0027】
なお、図1の(1)は、シリコンウエハー2上にインナーバンプ1を形成した状態を表し、(2)は、加熱によりタックフリー化させた補強材3付きウエハーレベルフリップチップを表し、(3)は、ダイシングにより切り出したチップを表す。また、図1の(1’)は、インナーバンプ1を形成したシリコンチップ4を表す。(4)は、補強材つきフリップチップとインターポーザ6とを組み合わせる様子を表す。(5)は、フリップチップとインターポーザとを接合した状態を表す。(6)は、アウターボール8を形成した様子を表す。必要なら上記工程(5)又は(6)でリペアを行うことができる。こうして出来上がったフリップチップBGAを、上述の工程に準じてマザーボードに搭載する。
【0028】
ウエハーレベルCSP製造方法
ウエハーレベルCSP製造方法は、バンプ形成、樹脂封止、再配線形成、外部接続用ハンダボール形成、等をシリコンウエハー上で行うパッケージ方法であると一般に理解されている。この方法では、通常、シリコンウエハー上でチップのパッケージングすなわち半導体デバイスの組み立て工程を行った後にダイシングされる。この方法で、半導体チップと同じか僅かに大きいサイズのパッケージ(チップサイズパッケージ;CSP)を作ることができる。この方法を、上述のウエハーレベルフリップチップ製造方法を適用して行うことができる。例えば、まず、シリコンウエハー面上に電極端子となるバンプが形成されたシリコンウエハーに、再溶融可能な重合性樹脂組成物からなる補強組成物を塗布し、上記補強組成物を上述の製造方法に準じてタックフリー化し、好ましくは、タックフリー化した補強組成物からバンプの先端が露出したシリコンウエハーを得る。この際に、上述の製造方法で言及したように、補強組成物にシリコーン系消泡剤を添加しておくことができる。次に、必要に応じて、外部接続用の端子をハンダボール等で形成する。こうして得たシリコンウエハーを個々のシリコンチップにダイシングしてチップサイズパッケージができあがる。
【0029】
バンプ補強用樹脂組成物
本発明のバンプ補強用樹脂組成物は、2官能エポキシ化合物、2官能フェノール化合物及び組成物全量の5重量%以上の充填剤からなり、前記2官能エポキシ化合物と前記2官能フェノール化合物とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1である樹脂組成物である。このものは、ディスペンス温度(例えば、80℃程度、又はそれ以下の温度でありうる)で液状で、従って、半導体デバイス又はウエハーのインナーバンプ形成面に、ディスペンス、スクリーン印刷又はスピンコートによって塗布することができる。また、該組成物はハンダの軟化点(例えば、鉛共晶ハンダで約170℃程度、鉛フリーハンダで約230℃程度でありうる)以下での加熱により室温でタックフリーの固形樹脂となり、ハンダ付け温度(例えば、205〜280℃程度でありうる)で溶融及び流動する。そのためインナーバンプ形成面とプリント基板間の隙間を埋めることができ、それにより、疲労又は衝撃がひき起こす電気的導通不良から前記接合部を保護及び補強し、特に温度サイクル条件(例えば、−55〜125℃程度、500〜1000サイクル程度でありうる)での実装半導体デバイスの信頼性を向上させることができる。また、もし必要なら、ハンダ軟化温度まで、再加熱することにより、リペアのために上記実装半導体デバイスの取り外しも可能である。
【0030】
上記2官能エポキシ化合物(A−1)としては、たとえばカテコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジエポキシ化合物類、ジメチロールシクロヘキサンジグリシジルエーテル、Celloxide2021P(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、リモネンジオキシドなどの脂環式ジエポキシ化合物類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型エポキシ化合物類およびこれらが部分縮合したオリゴマー混合物(ビスフェノール型エポキシ樹脂類)、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテルなどがあげられる。ビフェニル型又はテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型又はビスクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン又はジ−t−ブチルヒドロキノン型エポキシ樹脂等の、単独では結晶性を示すエポキシ樹脂も、結晶性がでない程度に希釈して使用することができる。
【0031】
再溶融する温度を下げさせるために、(A−1)成分の一部を、たとえばp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族モノエポキシ化合物類等の1官能エポキシ化合物(A−11)に、好ましくは5〜30重量%の範囲でおきかえてもよい。
【0032】
2官能フェノール化合物(B−1)としては、たとえばカテコールなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジヒドロキシ化合物類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)などのビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレンなどの縮合環を有する化合物、ジアリルレゾルシン、ジアリルビスフェノールA、トリアリルジヒドロキシビフェニルなどのアリル基を導入した2官能フェノール化合物などがあげられる。ヒドロキノン等の結晶性化合物は、結晶性が表れない程度に希釈して使用することができる。
【0033】
接着力の増強のために、(B−1)成分の一部を、たとえばピロガロール、フロログルシノール、3核体フェノールノボラック、カテコールのホルムアルデヒド縮合物など3官能以上のフェノール化合物(B−11)に、好ましくは1〜20重量%の範囲でおきかえてもよい。
【0034】
充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミ、フュームドシリカ(アエロジル)等を挙げることができる。これらのうち、出来るだけ少ない添加量で作業性を損なうことなく効果的に線膨張係数を低減できる点で、溶融シリカが好ましい。
【0035】
充填材の添加量は、組成物全量に対して少なくとも5重量%である。充填材の配合によって、補強材の線膨張係数を調節することができる。インナーバンプの補強材に求められる特性としては、以下の事項がある。プリント基板が厚いか又は固いものである場合、チップと基板との熱膨張量の差から生じる熱応力を効果的に吸収するために、補強材の線膨張係数は、理想的にはチップと基板の中間の値である。そうでなかったとしても、線膨張係数は出来るだけ小さいことが望ましい。半導体デバイスに使用される材料の線膨張係数を例示すると、ガラスクロス含浸エポキシ樹脂基板(17×10−6−1)、シリコンチップ(3×10−6−1)、セラミック基板(7×10−6−1)、ハンダ(35〜37×10−6−1)程度である。従って、補強材は、線膨張係数が、40×10−6−1以下、さらには、37×10−6−1以下のものであることが好ましい。
【0036】
一方、プリント基板が薄いか又は柔らかいものである場合、温度サイクル試験の上限温度付近で補強材の弾性率がバンプの弾性率より高いことが望ましい。さもないと、熱応力がバンプに集中してしまう。従って、フィラーの充填が必要となるが、樹脂のTgが高いと半導体デバイスパッケージの反りが大きくなる。例えば、ウエハーレベルにおいては、そのため寸法精度が保てなくなる。従って、反りを低くしつつ弾性率を高める工夫が必要となる。低いTg、例えば、50℃程度以上100℃程度以下、である樹脂に充填剤を添加して、反りを低くしつつ弾性率を高めることができるような工夫が必要であることが洞察される。
【0037】
以上のことを考慮して、充填剤の添加量は、5〜80重量%程度、例えば、必要に応じて、5〜15重量%、15〜30重量%、30〜50重量%、30〜80重量%等でありうる。線膨張率の低下のためには、充填量を多くしても流動性の低下を出来るだけ少なくする必要から、球状溶融シリカ等の充填剤の使用が好ましい。その添加量は30〜80重量%であってよい。弾性率を高めるためには、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ等の充填剤の使用が好ましい。その添加量は10〜50重量%であってよい。また、充填剤の沈降防止のためにフュームドシリカを1重量%以上、例えば、1〜5重量%程度添加してもよい。フュームドシリカを使用する場合は、その添加量と他の充填剤の添加量とを合わせた配合量は少なくとも5重量%である。
【0038】
(A−1)成分((A−11)成分が使用されるときは(A−1)成分及び(A−11)成分)並びに(B−1)成分((B−11)成分が使用されるときは(B−1)成分及び(B−11)成分)は、(A−1)成分中のエポキシ基のモル数と(B−1)成分中のフェノール性水酸基のモル数との比が0.8/1〜1.2/1となるように配合される。より正確な流動性発現と硬化物の一層の信頼性(例えば、耐湿性)とを兼備させる観点から、上記比は0.9/1〜1.1/1であることが好ましい。
【0039】
上記バンプ補強用組成物は、2官能エポキシ化合物及び2官能フェノール化合物を主成分とするので、3次元架橋構造の形成を抑制している。従って、加熱により再流動化できる。また、本発明の組成物は、触媒の使用を必須とするものではない。詳細は不明であるが、その結果、充填剤の配合と相まって、低い線膨張係数を得ることができるものと思われる。また、シェルフライフの向上に資することができる。
【0040】
上記組成物には、本発明の効果が損われない範囲で、更に、エポキシ化合物とフェノール化合物との反応を促進する触媒、及び、例えば、湿潤剤、応力吸収剤、着色剤、カップリング剤、接着性付与剤等の変性剤、からなる群から選択される少なくとも1種を含有することができる。
【0041】
上記バンプ補強用組成物は、インナーバンプ補強材に要求される低線膨張係数、及び/又は、高い弾性率を達成することができる。従って、例えば、フリップチップインナーバンプ、ウエハーレベルCSP製造方法のためのインナーバンプ補強材、ウエハーレベルで適用するフリップチップバンプ補強材等として好適に使用することができる。上記バンプ補強用組成物は、半導体デバイスの補強材として使用することにより、半導体デバイスを使用した各種電子・電気製品の信頼性を向上することができる。該半導体デバイスは、小型化、高密度化が可能であり、各種電子・電気製品に使用され得る。例えば、携帯電話、ポケットベル、PDA(Personal Degital Assistant)、GPS(Global Positioning System)、ビデオカメラ、DVD、ノートブックパソコン、等の携帯用小型電子・電気製品等に搭載されうる。
【0042】
半導体実装用補強組成物
本発明の半導体実装用補強組成物(以下、本発明の補強組成物ともいう)においては、エポキシ化合物成分として、上記式(1)で表される2官能エポキシ化合物及び/又は式(2)で表される2官能エポキシ化合物(A)以外に、エポキシ化合物成分全体の10重量%以下の範囲で上記以外のエポキシ化合物(A1)を使用することができる。このようなエポキシ化合物としては、とくに限定なく1官能のエポキシ化合物、2官能のエポキシ等を使用し得る。
【0043】
本発明の補強組成物に用いることのできる上記式(1)又は式(2)で表される2官能エポキシ化合物以外の2官能エポキシ化合物としては、例えば、上述した2官能エポキシ化合物(A−1)として例示した化合物のなかから、適宜選択した1種又は2種以上を使用することができる。これらのうちでは、貯蔵安定性、タックフリー性、リペア性、硬化による接着・接合の強度などの点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0044】
本発明の補強組成物に用いることのできる1官能エポキシ化合物としては、例えば、上述した1官能エポキシ化合物(A−11)として例示した化合物のなかから、適宜選択した1種又は2種以上を使用することができる。
【0045】
上記(A)成分の一部を上記(A1)成分におきかえて得られる混合物を用いる場合には、上記(A1)成分の量は、組成物の性能を低下させることのないようにエポキシ化合物成分全体の10重量%以下が好ましい。
【0046】
本発明の半導体実装用補強組成物においては、フェノール化合物成分として、上記式(3)で表される2官能フェノール化合物、上記式(4)で表される2官能フェノール化合物、上記式(5)で表される2官能フェノール化合物及び上記式(6)で表される2官能フェノール化合物の少なくとも1種(B)が用いられる。このうち、上記式(4)で表される2官能フェノール化合物を使用した場合には、意外にも、ハンダ付けのフラックス性を発揮することができる。従って、ハンダ付け工程に通常必要となるフラックス剤を使用する必要がなくなる。このため、上記式(4)で表される2官能フェノール化合物を含有する本発明の補強組成物は、フラックス性補強材を与える。なお、上記フラックス性の組成物とするためには、上記式(4)で表される2官能フェノール化合物を好ましくは、組成物中に、少なくとも0.7重量%、さらに好ましくは1.4重量%、一層好ましくは3重量%含有する。
【0047】
本発明の補強組成物においては、上記2官能フェノール化合物(B)以外に、フェノール化合物成分全体の10重量%以下の範囲で上記以外のフェノール化合物(B1)を使用することができる。このようなフェノール化合物としては、とくに限定なく2官能のフェノール、3官能のフェノール化合物等を使用し得る。
【0048】
上記フェノール化合物(B1)として使用できる2官能のフェノールの具体例としては、例えば、上述した2官能フェノール化合物(B−1)として例示した化合物のなかから、適宜選択した1種又は2種以上を使用することができる。
【0049】
上記フェノール化合物(B1)として使用できる3官能以上のフェノール化合物としては、上述した3官能フェノール化合物(B−11)として例示した化合物のなかから、適宜選択した1種又は2種以上を使用することができる。これらのうちでは、Tgの向上に有効であるという点から、ピロガロールが好ましく使用される。
【0050】
上記(B)成分の一部を(B1)成分におきかえて得られる混合物を用いる場合には、上記(B1)成分の量は、フェノール化合物成分全体の10重量%以下であることが好ましい。
【0051】
本発明の補強組成物において、上記(C)成分としては、リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール(TBZ):
【0052】
【化3】
Figure 2004087965
【0053】
(式中、nは2〜6、好ましくは3〜4の整数)および2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール(NPZ):
【0054】
【化4】
Figure 2004087965
【0055】
(式中、Arはアリール基、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基を示す)は、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。リン系触媒は、再流動性をよくすることができるので好ましい。
【0056】
上記リン系触媒の例としては、3個の有機基を有する有機リン系化合物があげられ、その具体例としては、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体、テトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレートなどがあげられる。これらのうちでは、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体が好ましい。
【0057】
本発明の補強組成物において、上記(A)成分と上記(B)成分とのモル数の比は0.8/1〜1.2/1である。上記(A1)成分が使用されるときは(A)成分及び(A1)成分、並びに、上記(B1)成分が使用されるときは(B)成分及び(B1)成分は、官能基のモル数を基準にすればよく、(A)成分及び(A1)成分中のエポキシ基のモル数と(B)成分及び(B1)成分中のフェノール性水酸基のモル数との比が上記範囲となるように配合して使用される。配合量の比が上記範囲外であると、組成物の硬化後の強度が低下しやすくなる。より正確な流動性発現と、硬化物の一層の信頼性(例えば、耐湿性)とを兼備させる観点から、好ましくは、0.9/1〜1.1/1である。
【0058】
上記(C)成分の使用量は、通常は、上記(A)成分(上記(A1)成分が使用されるときは(A)と(A1)との混合物)100重量部に対して、0.1〜1重量部、さらには0.1〜0.8重量部、とくには0.2〜0.6重量部であるのが、接着・接合強度、再溶融性などの点から好ましい。
【0059】
本発明の補強組成物の配合を例示するなら、上記(A)成分は、1)上記式(1)の化合物若しくは式(2)の化合物のいずれか単独、又は、2)上記式(1)の化合物/式(2)の化合物=10/1〜1/10(重量比)の配合があり得、上記(B)成分は、3)上記式(3)の化合物、式(4)の化合物若しくは式(5)の化合物のいずれか単独、4)式(3)の化合物/式(4)の化合物=15/1〜1/15(重量比)、5)式(4)の化合物/式(5)の化合物=15/1〜1/15(重量比)、又は、6)式(3)の化合物/式(5)の化合物=15/1〜1/15(重量比)、7)式(3)の化合物/式(4)の化合物/式(5)の化合物=1〜15/1〜15/1〜15(重量比)があり得る。
【0060】
本発明の補強組成物を熱硬化させて得られる樹脂は、上述の成分の組み合わせにより、Tgが従来開示されているリペアラブル組成物よりも少なくとも15℃程度高くなり、100℃を超える値が得られるので、耐熱性が従来のリペアラブル組成物に比べて大幅に向上する。なお、Tgは示差走査熱量計(DSC)を用いて常法により測定することができる。
【0061】
なお、本発明の補強組成物は、5℃で1月間密封状態で保存した場合にも結晶が析出しないことが望ましい。
【0062】
本発明の補強組成物には、さらに、シリコーン系消泡剤(D)を添加することができる。上記シリコーン系消泡剤(D)としては、上述したシリコーン系消泡剤として例示した化合物から適宜選択した1種又は2種以上を使用することができる。
【0063】
また、上記(D)成分の使用量は、上記(A)成分(上記(A1)成分が使用されるときは(A)と(A1)との混合物)100重量部に対して、0.005〜0.1重量部、さらには0.01〜0.05重量部であるのが好ましい。
【0064】
本発明の補強組成物には、本発明の効果が損われない範囲で、各種カップリング剤、充填剤、顔料、レベリング剤等のその他の添加剤やフィラーを添加してもよい。
【0065】
本発明の補強組成物は、高耐熱性のアウターボール補強材、フリップチップバンプ補強材、ウエハーレベルフリップチップバンプ補強材、ウエハーレベルCSP補強材等として好適に使用することができる。すなわち、例えば、半導体デバイス実装用アウターボール補強材として使用する場合、BGA半導体デバイスのアウターボール面に塗布し、つぎに、リフロー工程の前に行なわれるBGA半導体デバイスを110〜130℃に加熱して乾燥(ベーク)させる工程を利用して、室温でタックフリーではあるが反応性を有する段階まで硬化反応を進行させることができる。そのため乾燥工程後には、輸送やその後の作業に適した状態にすることができる。また、乾燥工程中は高温であるため補強材の粘度が大きく低下するうえに表面張力が大きいため、前記乾燥工程でアウターボールの頭頂部が補強材から露出し、該頭頂部に補強材が残留しないようにすることができる。このとき、本発明のフラックス性補強材を使用していれば、リフロー工程をフラックス無しに行うことができる。
【0066】
なお、図4は、BGA半導体デバイスに本発明の補強材を使用するときの実施の形態を示す一連の断面説明図であり、(a)は補強材が塗布される前のBGA半導体デバイスを表わし、(b)はアウターボール面に補強材が塗布された状態のBGA半導体デバイスを表わし、(c)は乾燥工程により補強材がタックフリー化した状態のBGA半導体デバイスを表わし、(d)はリフロー工程によりマザーボードに実装された状態のBGA半導体デバイスを表わす。また、図中、12はBGA半導体デバイス、13は封止剤、14は基板、15はアウターボール、16はシリコンチップ、17は補強材、18はタックフリー化した補強材、19はマザーボードを示す。
【0067】
本発明の補強組成物をフリップチップバンプ補強材として使用する場合は、上述した本発明のウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法又は本発明のフリップチップデバイス製造方法に適用することができる。または、インターポーザ上に補強材を塗布しておきその上からシリコンチップを設置して接着するか、若しくは、チップのバンプ形成面に先に補強材を塗布しておき、加熱によりタックフリー化させた補強材付きフリップチップを作成し、それをインターポーザに設置後、リフロー又はローカルリフローにより接合することができる。好ましくは、上述した本発明のウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法又は本発明のフリップチップデバイス製造方法を適用する。なお、こうして出来上がったフリップチップBGA(図1(6)参照)をマザーボードに実装する際は、BGA基板のアウターボールとマザーボードとを上述の工程と同様にして接合することができる。
【0068】
本発明の補強組成物は、硬化後の樹脂のTgが100℃以上であり、通常、100〜135℃の範囲でありうる。従って、補強材樹脂の軟化温度が充分高く、耐熱性に優れている。この補強樹脂を使用してなる半導体デバイス、例えば、BGA半導体デバイスやフリップチップは、マザーボードやインターポーザへの実装後に、リペア可能である。
【0069】
上記リペアは、実装又は封止後に再加熱して補強材樹脂を再溶融させ、不良なBGA半導体デバイスやフリップチップを取り外して、新たなデバイスやチップと交換することにより行うことができる。このとき、新たにデバイスやチップを取り付ける前に、デバイスやチップを取り外した後の表面を、樹脂の残さが無いようにすることが、確実なリペアのために極めて重要である。本発明の補強組成物を使用した樹脂は、溶剤でクリーニングすることができる特徴を有する。このクリーニング工程は、例えば、溶剤に浸漬するか又は溶剤を含ませた柔らかい素材で表面を拭き取る等の操作で行うことができる。上記溶剤としては極性の高い溶剤であれば特に限定されず、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)等を使用することができる。
【0070】
【実施例】
本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
バンプ補強用組成物
実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4
表1に示す各成分を表1に示す組成になるように混合して均一な組成物を調製し、以下の方法で作業性、タックフリー性、線膨張係数、弾性率、再流動性、補強性の各評価を行なった。また、各組成物のエポキシ基のモル数/フェノール性水酸基のモル数を官能基の当量比として示した。なお、表中の略号は以下のとおりである。
EPICLON HP−4032D:ナフタレン型エポキシ樹脂、官能基当量141、官能基数2、大日本インキ化学工業社製。
EPICLON 850CRP:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、官能基当量172、官能基数2、大日本インキ化学工業社製。
フロログルシノールPGE:フロログルシノール型エポキシ樹脂、官能基当量116、官能基数3、ナガセケムテックス社製。
EP−4088S:ジシクロペンタジエンジメタノール型エポキシ樹脂、官能基当量167、官能基数2、旭電化工業社製。
BPFD:ビスフェノールF、官能基当量100、官能基数2、三井化学社製。TPP−K:テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、北興化学工業社製。
A187:シランカップリング剤、日本ユニカー社製。
SO−E5:球状溶融シリカ、アドマテックス社製。
ST86PA:シリコーン消泡剤、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製。
【0072】
評価方法
1.作業性
80℃での組成物の粘度(mPa.s)をRVT型回転粘度計(BROOKFIELD社製)で測定した。評価基準は60万mPa.s未満のものを○、60万mPa.s以上600万mPa.s未満のものを△、600万mPa.s以上のものを×とした。
2.タックフリー性
適量の組成物を半導体デバイスに塗布し、120℃で0.5時間加熱後に、室温で指触により評価し、補強材表面に全くべたつきがないものを○、多少べたつきがあるが指に付着しないものを△、べたついて指に付着するものを×とした。
3.低熱膨張性
適量の組成物を120℃で0.5時間加熱後、150℃で3時間反応させた後に、それぞれの試料をTg以下の温度(−50〜50℃)でその線膨張係数(10−6−1)を測定した。評価基準は50×10−6−1以上を×、40×10−6−1以上50×10−6−1未満を△、40×10−6−1以下を○とした。
4.弾性率
適量の組成物を120℃で0.5時間加熱後、150℃で3時間反応させた後に、それぞれの試料を90℃でその弾性率(GPa)を測定した。評価基準は0.1GPa未満を×、0.1GPa以上0.4GPa未満を△、0.4GPa以上を○とした。
5.再流動性
適量の組成物を120℃で0.5時間加熱後、150℃で3時間反応させた後にそれぞれの試料から1辺が2mmの立方体を切り出し205℃に保持した熱板上に置いた際の流動性を評価した。評価基準は樹脂自体の自重で変形したものを○、樹脂の形状がかわらないものを×とした。
6.補強効果
2mm平方のシリコンチップを5mm平方のシリコンチップ上に、各試料を接着剤として用いて貼り付け、120℃/0.5時間+150℃/3時間加熱して試料を反応させた後、Die Shear テスターを用いてDie Shear Strengthを90℃にて測定した。評価基準は0.1kgF/4mm未満を×、0.1kgF/4mm以上1.2kgF/4mm未満を△、1.2kgF/4mm以上を○とした。
【0073】
【表1】
Figure 2004087965
【0074】
フリップチップデバイスの製造
本発明のフリップチップデバイス製造方法は、典型的には、例えば、以下のようにして実施することができる。表1に示す配合例により均一な組成物を調製し、共晶ハンダ(融点180℃)のほぼ球形のインナーバンプ(直径約120μm)が形成されたシリコンウエハー又はシリコンチップに、厚さ約150μmで塗布し、125℃で12時間放置してタックフリー化する。この段階で、バンプの頭部を補強材樹脂の外に露出させる。シリコンウエハーの場合はダイシングの後、厚さ約20μmのパッド(銅製)を持つインターポーザの上にシリコンチップを乗せ、240℃、5〜10秒間加熱して、リフローさせる。このとき、必要ならフラックスを使用する。バンプが溶融してパッドと接合するとともに、樹脂も溶融するので、バンプ高さが沈み込み、チップとインターポーザの隙間が狭まり、樹脂がバンプとパッドの接合部及びインターポーザの配線パターンを被覆する。
【0075】
半導体実装用補強組成物
実施例1〜6及び比較例1〜4
表2に示す各成分を表2に示す組成になるように混合して均一な組成物を調製し、以下の方法で耐熱性、Tg、クリーニング性及びフラックス性の各評価を行なった。なお、表中の略号は以下のとおりである。
EPICLON HP−4032D:大日本インキ化学工業社製、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、エポキシ当量141g/eq。
LSAC−8022:旭化成エポキシ社製、t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、エポキシ当量140g/eq。
EPICLON 830LVP:大日本インキ化学工業社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量162g/eq。
EPICLON 850CRP:大日本インキ化学工業社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量172g/eq。
デナコールEX−201(表中はEX−201と表記):ナガセケムテックス社製、レゾルシンジグリシジルエーテル、エポキシ当量126g/eq。
TPTP:北興化学工業(株)製、トリ−p−トリルホスフィン
ST86PA:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、シリコーン系消泡剤(無溶剤、透明タイプ)
【0076】
評価方法
1.Tg測定
メトラー社製DSC(Differential Scanning Calorimeter)を用いて測定した。
2.耐熱性
Tgが120℃以上を◎、119〜105℃を○、104〜95℃を△、94℃以下の×と評価した。
3.クリーニング性
240℃でリペア(引き剥がし)した後、基材に付着している樹脂残さを、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)をしみ込ませた綿棒で拭き取りが可能であるかを試験した。拭き取って残さが残らないものを○、残さが残るものを×と評価した。
4.フラックス性
銅板の上に直径0.8mmの共晶ハンダボールを一個置き、その上から樹脂試料を一滴垂らして、150℃/1分+240℃/1分加熱した場合に、無荷重でもハンダボールが銅板に濡れ広がるものを○、ハンダボールに荷重をかければ銅板に濡れ広がるものを△、荷重をかけても濡れ広がらないものを×と評価した。結果を表2に示した。
5.タックフリー性
適量の組成物を半導体デバイスに塗布し、125℃で12時間放置後に、指触により評価し、補強材表面に全くべたつきがないものを○、多少べたつきがあるが指に付着しないものを△、べたついて指に付着するものを×とした。
6.再流動性
1次実装した半導体デバイスを240℃、5分の条件でリフロー工程にてバンプとパッドの接合部及びインターポーザの配線パターンを被覆したものを○、組成物の形状がタックフリー直後とかわらないものを×とした。
7.補強効果
別途作成した接着性試験片(アルミニウム/アルミニウム)にて、引っ張り剪断接着強さを測定した。200kg/cm以上のものを◎、100kg/cm以上200kg/cm未満を○、とした。
【0077】
【表2】
Figure 2004087965
【0078】
実施例1〜6から、本発明の補強組成物は少なくとも105℃以上のTgを示し、耐熱性が良好であった。比較例3の従来の組成物は、従来の技術の範囲で出来るだけ高いTgを出すように試みた組成物である。従って、Tgだけに注目すれば比較的高いTgを示したが、しかし、クリーニング性は不良であった。むしろ、従来の組成物では、比較例1、2が示すように、クリーニング性を示す組成であったとしても、70〜90℃程度のTgでなければクリーニング性を確保することは不可能であることが示された。従って、耐熱性とクリーニング性の両方の性能を兼備し得ることは従来の組成物では不可能であったが、本発明の補強組成物はそれを可能にしたことが確認できた。また、特定のフェノール化合物t−ブチルヒドロキノンを使用した実施例2、4及び5の組成物は、フラックス性に優れていることが明らかであった。
【0079】
【発明の効果】
本発明は、信頼性の高いフリップチップを製造することができるウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法を実現する。
本発明はまた、信頼性が向上した半導体デバイス及び製品を製造することができる。
本発明によれば、再溶融させた時に溶剤でクリーニングすることができ、かつ、従来品より高いTgを持つ耐熱性に優れた半導体実装用補強樹脂が得られる。
また、本発明は、耐熱性に優れたアウターボール補強材、フリップチップバンプ補強材及びウエハーレベルフリップチップバンプ補強材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハーレベルフリップチップデバイス製造方法の実施の一態様を示す図。
【図2】補強材の流動化とバンプ高さの低下を説明する模式図。
【図3】従来の補強方法におけるチップとインターポーザの接合部の模式断面図。
【図4】BGA半導体デバイスに本発明の補強材を使用するときの実施の一態様を示す一連の断面説明図。
【符号の説明】
1.インナーバンプ
2.シリコンウエハー
3、17.補強材
4、9、16.シリコンチップ
5.パッド
6、11.インターポーザ
7.フィレット
8、15.アウターボール
10.従来の補強材
12.BGA半導体デバイス
13.封止材
14.基板
18.タックフリー化した補強材
19.マザーボード
A.バンプとパッドとの溶融接合部

Claims (26)

  1. (a)バンプが形成されたシリコンウエハーに、再溶融可能な重合性樹脂組成物からなる補強組成物を塗布する工程、
    (b)前記補強組成物をタックフリー化する工程、及び、
    (c)プリント配線基板を前記バンプに接合するために、前記バンプと前記プリント配線基板のパッドとを接合するとともに、前記補強組成物を再流動化させてバンプ形成面とプリント配線基板との隙間を充填する工程、
    を含むフリップチップデバイス製造方法。
  2. 前記工程(a)においてバンプは、球状又は尖端形状である請求項1記載のフリップチップデバイス製造方法。
  3. 前記工程(b)により、前記バンプの先端がタックフリー化した前記補強組成物から露出したシリコンウエハーを得る請求項1又は2記載のフリップチップデバイス製造方法。
  4. 前記工程(c)は、バンプとパッドとを溶融接合する請求項1〜3のいずれかに記載のフリップチップデバイス製造方法。
  5. ウエハーレベルCSP製造方法である請求項1〜4のいずれか記載のフリップチップデバイス製造方法。
  6. 前記工程(b)の後であって前記工程(c)の前に、前記工程(b)で得たシリコンウエハーをシリコンチップにダイシングする工程(d)を有する請求項1〜4のいずれかに記載のフリップチップデバイス製造方法。
  7. バンプが形成されたシリコンチップに、再溶融可能な重合性樹脂組成物からなる補強組成物を塗布する工程、
    前記補強組成物をタックフリー化する工程、及び、
    プリント配線基板を前記シリコンチップに接合するために、前記シリコンチップのバンプと前記プリント配線基板のパッドとを、溶融接合するとともに、前記補強組成物を再流動化させて前記溶融接合と同時に前記バンプと前記パッドとの溶融接合部分を被覆する工程、
    を有するフリップチップデバイス製造方法。
  8. 2官能エポキシ化合物、2官能フェノール化合物及び組成物全量の5重量%以上の充填剤からなり、前記2官能エポキシ化合物と前記2官能フェノール化合物とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1である樹脂組成物であって、
    ディスペンス温度で液状で、従って、半導体デバイス又はウエハーのバンプ形成面に、ディスペンス、スクリーン印刷又はスピンコートによって塗布することができ、
    ハンダの軟化点以下での加熱により室温でタックフリーの固形樹脂となり、
    ハンダ付け温度で溶融及び流動し、そのため半導体デバイス又はウエハーと基板との実装接合部のギャップを埋めることができ、それにより、疲労又は衝撃がひき起こす電気的導通不良から前記接合部を保護及び補強し、特に温度サイクル条件での実装半導体デバイスの信頼性を向上させることができるバンプ補強用樹脂組成物。
  9. 更に、エポキシ化合物とフェノール化合物との反応を促進する触媒、及び、変性剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項8記載のバンプ補強用樹脂組成物。
  10. 請求項8に記載のバンプ補強用樹脂組成物からなるインナーバンプ補強材。
  11. 請求項8に記載のバンプ補強用樹脂組成物からなるウエハーレベルフリップチップバンプ補強材。
  12. 請求項8に記載のバンプ補強用樹脂組成物からなるウエハーレベルCSP補強材。
  13. 請求項8記載のバンプ補強用樹脂組成物を使用してなる半導体デバイス及び前記半導体デバイスを使用した電子・電気製品。
  14. (A)式(1)で表される2官能エポキシ化合物及び式(2)で表される2官能エポキシ化合物からなる群から選択された1種又は2種の化合物、(B)式(3)で表される2官能フェノール化合物、式(4)で表される2官能フェノール化合物、式(5)で表される2官能フェノール化合物、及び式(6)で表される2官能フェノール化合物からなる群から選択された1種又は2種以上の化合物並びに(C)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物を含有し、前記(A)成分と前記(B)成分とのモル数の比が0.8/1〜1.2/1である半導体実装用補強組成物。
    Figure 2004087965
    式(6)中、R、Rは、同一又は異なって、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ペンチル、アリル、又は、フェニルである。
  15. 前記(A)成分のうち10重量%以下を、式(1)で表される2官能エポキシ化合物及び式(2)で表される2官能エポキシ化合物以外の他の1官能又は多官能のエポキシ化合物で置き換えた請求項14記載の半導体実装用補強組成物。
  16. 前記(B)成分のうち10重量%以下を、式(3)で表される2官能フェノール化合物、式(4)で表される2官能フェノール化合物、式(5)で表される2官能フェノール化合物及び式(6)で表される2官能フェノール化合物以外の他の多官能のフェノール化合物で置き換えた請求項14又は15記載の半導体実装用補強組成物。
  17. 前記(B)成分は、少なくとも、式(6)で表される2官能フェノール化合物を含有する請求項14〜16のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物。
  18. 前記(B)成分は、少なくとも、式(4)で表される2官能フェノール化合物を含有する請求項14〜16のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物。
  19. さらに、(D)シリコーン系消泡剤を含有する請求項14〜18のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物。
  20. 請求項14〜19のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物からなるアウターボール補強材。
  21. 請求項14〜19のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物からなるインナーバンプ補強材。
  22. 請求項14〜19のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物からなるウエハーレベルフリップチップバンプ補強材。
  23. 請求項14〜19のいずれかに記載の半導体実装用補強組成物からなるウエハーレベルCSP補強材。
  24. 請求項18記載の半導体実装用補強組成物からなるフラックス性補強材。
  25. 加熱硬化した後に再溶融させたとき樹脂を溶剤でクリーニングすることが可能で、しかもハンダ接合のフラックス性を有し、かつ、硬化後の加熱により再溶融可能でTgが100℃以上である、2官能エポキシ化合物と2官能フェノール化合物とが重付加してなる重合性樹脂組成物。
  26. 加熱硬化した後に再溶融させたとき樹脂を溶剤でクリーニングすることが可能で、しかもハンダ接合のフラックス性を有し、かつ、硬化後の加熱により再溶融可能でTgが100℃以上である、2官能エポキシ化合物と2官能フェノール化合物とが重付加してなる重合性樹脂組成物を使用した半導体デバイス。
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