JP2001279054A - 熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いた成形材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いた成形材料

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JP2001279054A
JP2001279054A JP2000089678A JP2000089678A JP2001279054A JP 2001279054 A JP2001279054 A JP 2001279054A JP 2000089678 A JP2000089678 A JP 2000089678A JP 2000089678 A JP2000089678 A JP 2000089678A JP 2001279054 A JP2001279054 A JP 2001279054A
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thermosetting resin
coupling agent
resin composition
weight
molding
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Tomohito Ootsuki
智仁 大槻
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性、熱安定性、成形品強度共に優れ、且
つ成形時のバリ発生が少ない熱硬化性樹脂組成物、およ
びこれを用いた成形材料を提供する。 【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂100重量
部、ヘキサメチレンテトラミン13〜17重量部、熱硬
化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品25〜100重量部、
および、組成物全重量に対して総量が0.2〜1重量%
のカップリング剤を必須成分とし、さらには、カップリ
ング剤として、エポキシシランカップリング剤およびア
ミノシランカップリング剤の、それぞれ少なくとも1種
類以上を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時のバリ発生
が少なく、硬化性、熱安定性に優れ、成形品強度共に優
れた熱硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた成形材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、耐
久性、電気特性、機械特性等の諸特性や、経済性などが
優れているため、自動車部品、電子・電気部品、機械部
品、また厨房部品などに、幅広く利用されている。近
年、コスト削減や生産性の向上方法として、バリ取り工
数の削減や、成形時に熱安定性を維持しつつ短時間で成
形ができ、かつ目的とする性能を満たす成形品を製造で
きるような成形材料の開発が求められている。
【0003】従来より、フェノール樹脂成形材料におい
て、硬化時間を短縮するために、様々な改良がなされて
きているが、成形バリを低減する方法に関しては、速硬
化にすることで、結果的にバリを少なくしているのが、
現状である。
【0004】硬化時間短縮の方法については、例えば、
フェノール性水酸基に対して、オルト−オルト位にメチ
レン鎖を有するハイオルソノボラックを使用する方法、
塩酸アニリン、塩酸ヒドロキシルアミン、塩酸メタアミ
ノフェノール等の脂肪族、または芳香族アミンの塩酸塩
等を添加する方法(例えば、特開昭45−2975号公
報)などがある。また、硬化剤としてヘキサメチレンテ
トラミンとフェノール誘導体との付加物を添加する方法
(特開昭54−116049号公報)等が挙げられる。
【0005】しかし、これらの方法を用いると硬化時間
は短縮されるが、射出成形時に、加熱シリンダー内可塑
化過程において硬化反応が起こり、熱安定性が著しく低
下してしまう。従って、射出成形の特徴である、長時間
の連続成形ができないという問題や、強度等の成形品特
性が低下することがあるなどの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決するために、成形時のバリ発
生が少なく、硬化性、熱安定性に優れ、成形品強度共に
優れた熱硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた成形材
料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ノボラッ
ク型フェノール樹脂100重量部、ヘキサメチレンテト
ラミン13〜17重量部、熱硬化性樹脂硬化物・成形品
の粉砕品25〜100重量部、および、組成物全重量に
対して総量が0.2〜1重量%のカップリング剤を必須
成分とすることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物およ
びこれを用いた成形材料である。
【0008】また、好ましくは、カップリング剤が、エ
ポキシシランカップリング剤およびアミノシランカップ
リング剤の、それぞれ少なくとも1種類以上を含んでい
ることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物に用
いるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とホ
ルムアルデヒド類とを、通常の方法で合成したノボラッ
ク型フェノール樹脂であり、芳香族炭化水素樹脂、ジメ
トキシパラキシレン、ジシクロペンタジエンなどで、適
宜変性したものも用いることができる。
【0010】ノボラック型フェノール樹脂の合成に用い
るフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、ナフトール、p−t−ブチルフェノール、
ビスフェノールA、レゾルシノールなどの1価及び多価
フェノール類、並びにそれらの置換体を例示することが
でき、それらの1種または2種以上を用いることができ
る。一方、ホルムアルデヒド類としては、ホルマリン、
パラホルムアルデヒドなどを例示することができる。
【0011】また、本発明に用いるエポキシシランカッ
プリング剤としては、β−(3,4エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルエトキシシランなど末端および/または側鎖にエ
ポキシ基を持ったカップリング剤を例示することができ
る。
【0012】本発明に用いられるアミノシランカップリ
ング剤としては、、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランなど、末端および/または
側鎖にアミノ基を持ったカップリング剤を例示すること
ができる。
【0013】本発明において、カップリング剤は、エポ
キシシランカップリング剤及びアミノシランカップリン
グ剤の中から選ばれた、それぞれ少なくとも1種類以上
を用いるが、これら以外のカップリング剤を併用しても
良い。
【0014】一般的にカップリング剤は、無機フィラー
の表面に被膜を形成し、樹脂と無機物のバインダーとし
ての役割を持っているが、フェノール成形材料のように
無機フィラーばかりではなく、有機フィラーも混在する
系では、従来よりあまり使用されていなかった。有機フ
ィラーの多いフェノール成形材料にカップリング剤を添
加した場合、有機フィラーと樹脂とのバインダー効果が
ほとんど期待できないため、可ソ化効果の方が発現し、
成形材料の流動性を増しバリが発生しやすくなるためで
ある。
【0015】しかし、エポキシシランカップリング剤と
アミノシランカップリング剤の様に、末端のエポキシ基
とアミノ基とが反応する組み合わせでは、それぞれの1
種類以上を併用することより、初期の流動性が増し、か
つ成形時にカップリング剤同士が反応することにより、
可ソ化効果が失なわれ、高弾性率化とバリ発生の低減に
効果がある。また、初期流動性が増すことにより、成形
材料中にバリの発生を抑制する高分子量体の添加も可能
になる。
【0016】本発明に用いる熱硬化性樹脂硬化物・成形
品の粉砕品とは、フェノール樹脂成形材料を用いて熱硬
化性樹脂成形品を成形する際に発生するカル、スプー
ル、ランナー部および成形不良品を粉砕したものを意味
する。また、成形品が使用済みとなり不要になった、廃
プラスチックを粉砕したものも含まれる場合がある。
【0017】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
充てん材として、熱硬化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品
を用いるが、粉砕品は、粒径100μm以下程度に、微
粉砕したものを用いるのが、好ましい。この他の充てん
材としては、木粉、パルプ粉及び各種織物粉砕物などの
有機質粉末、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、
ガラス、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム及び
カーボン等の無機質粉末、ガラス繊維及びカーボン繊維
などの無機質繊維など、これらを1種以上、更には、離
型剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加することがで
きる。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物の配合は、ノ
ボラック型フェノール樹脂100重量部に対して、ヘキ
サメチレンテトラミン13〜17重量部、硬化性樹脂硬
化物・成形品の粉砕品25〜100重量部と、組成物全
重量に対して0.2〜1重量%のカップリング剤とを必
須成分とし、必要に応じて前記のその他の充てん材およ
び各種添加剤を添加する。
【0019】熱硬化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品は、
25重量未満であると、フェノール樹脂成形材料の問題
点である機械強度不足が補えず、100重量部を越える
場合は、流動性が悪くなり成形不良や成形品の強度不足
が起こる。
【0020】また、カップリング剤の配合量について
は、本発明の樹脂組成物全重量に対して、総量が、好ま
しくは0.2〜1重量%、より好ましくは0.3〜0.8
重量%である。0.2重量%未満であると、十分な成形
材料との効果が得にくく、逆に1重量%を越えると、効
果の向上が認められず、また成形材料粘度が低下し、逆
にバリの発生が助長される傾向になる。エポキシシラン
カップリング剤およびアミノシランカップリング剤の添
加比率は、当量比でエポキシシランカップリング剤(e
pと略)/アミノシランカップリング剤(amと略)=
ep/am=0.8〜1.2の範囲であればよく、より好
ましくはep/am=1である。
【0021】カップリング剤処理は、予めカップリング
剤と熱硬化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品および必要に
応じて添加する充てん材を、ヘンシェルミキサー等の高
速回転で撹拌・混合ができるミキサーを用いて行うこと
ができるが、以下に一例をあげる。熱硬化性樹脂硬化物
・成形品の粉砕品および必要に応じて添加する充てん材
を、ヘンシェルミキサーに入れて、撹拌しながらカップ
リング剤をそれぞれ順に滴下し、さらに1000rpm
/5分間混合処理を行う。撹拌中は系中の温度を50℃
以下にする。ただし、予備混合の回転速度および混合時
間は、カップリング剤や配合内容、配合量に応じて、適
した回転速度と撹拌時間を選択する必要があるため、こ
れによってなんら限定されないのは言うまでもない。
【0022】本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、前記各
成分を、一般的な方法で混合した後、熱ロールあるいは
ニーダーなどの公知の技術によって、混練して成形材料
とすることができる。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、射出成
形機などの成形機を用いて、一般的な成形温度、例え
ば、金型温度170℃以上程度で硬化させて、成形を行
うが、バリ発生量が少なく、従来の半分の時間で硬化が
可能で、かつ流動性、熱安定性に優れるため成形品全般
に用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。熱硬化性樹脂成形材料の調製は、充てん材にカップ
リング剤を予め混合して、カップリング剤処理を行い、
次に、フェノール樹脂およびその他副資材とを配合し
た。得られた成形材料の各特性の測定方法及び条件は、
下記の通りとし、各実施例の評価結果を表1に、比較例
の評価結果を表2にまとめて示した。
【0025】1.表面硬度(硬化性の評価) 得られた成形材料を射出成形により、金型温度175
℃、硬化時間15秒、25秒、40秒間のそれぞれの条
件で硬化させ、金型から試験片を取り出して、10秒後
における試験片の表面硬度を、バーコル硬度計No.9
35型を用いて測定した。
【0026】2.曲げ強さ 得られた成形材料を射出成形により、金型温度175℃
で180秒間硬化させて得られた試験片を、JIS−K
−6911に準じて曲げ強度を測定した。
【0027】3.熱安定性評価 東洋精機製ラボプラストミルを用いて、100℃におけ
る成形材料の安定持続時間を測定し、熱安定性を評価し
た。
【0028】4.バリ評価 バリ評価金型(エアベントギャップ:100μm、50
μm、30μm、10μm)を用いて、金型温度175
℃で180秒間の条件で、得られた成形材料を射出成形
し、エアベント部に発生したバリ長さを測定し評価し
た。
【0029】[熱硬化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品の
カップリング剤処理]所定量の熱硬化性樹脂硬化物・成
形品の粉砕品(100μm以下)を、ミキサーに入れて
撹拌する。その撹拌物に、表1に記号で示したカップリ
ング剤を、それぞれ表1に示した割合になる量を滴下
し、さらに撹拌を行った。撹拌中の系中の温度は40℃
以下であった。尚、使用したエポキシシランカップリン
グ剤およびアミノシランカップリング剤の種類(組み合
わせ)は、表2に付記した通りである。
【0030】(実施例1)ノボラック型フェノール樹脂
(数平均分子量800)100g、カップリング剤処理
した熱硬化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品25g、ヘキ
サメチレンテトラミン16g、及び離型剤6gを予備混
合し、加熱ロールにより混練して、熱硬化性樹脂成形材
料を得た。
【0031】(実施例2〜14)実施例1において用い
た、カップリング剤処理した熱硬化性樹脂硬化物・成形
品の粉砕品に代えて、それぞれ、カップリング剤処理で
得られた充てん材を、表1の記載に従って用いた以外
は、全て実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂成形材料
を調製した。
【0032】(比較例1〜8)実施例1において用い
た、カップリング処理例した熱硬化性樹脂硬化物・成形
品の粉砕品に代えて、それぞれ、カップリング剤処理で
得られた充てん材を、表2の記載に従って用いた以外
は、全て実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂成形材料
を調製した。
【0033】(比較例9〜16)実施例1において用い
た、カップリング処理例した熱硬化性樹脂硬化物・成形
品の粉砕品に代えて、カップリング剤未処理充てん材
を、表2の記載に従って用いた以外は、全て実施例1と
同様にして、熱硬化性樹脂成形材料を調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1〜14で得られた成形材料で成形した場合、硬化
性、熱安定性、バリの低減がともに良好である。これに
対して、表2に示したように、比較例1〜3は、熱安定
性は良好であるが硬化性が悪く、比較例4〜7は、熱安
定性、硬化性ともに劣る。比較例8は、熱安定性は良好
であるが硬化性は悪い。比較例では、全般に曲げ強さが
不十分で、硬化性と熱安定性のバランスに欠けている。
また、バリについて見ると、比較例9〜11のように、
カップリング剤未処理の充てん材ではバリが長くなる
が、カップリング剤を添加すると効果はあるものの、適
切な量ではないため、実施例のような低バリ性にはなら
ない。
【0037】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物、及びこれ
を用いた成形材料は、強度等の硬化物特性を劣化させる
ことなく、成形時のバリ発生量が少なく、硬化性に極め
て優れており、かつ熱安定性にも優れている。本発明の
熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた成形材料を利用
すれば、成形時における硬化時間が大幅に短縮でき、成
形のハイサイクル化を図ることができて、生産性を向上
することができ、しかも、高品質の成形品を得ることが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボラック型フェノール樹脂100重量
    部、ヘキサメチレンテトラミン13〜17重量部、熱硬
    化性樹脂硬化物・成形品の粉砕品25〜100重量部、
    および、組成物全重量に対して総量が0.2〜1重量%
    のカップリング剤、を必須成分とすることを特徴とする
    熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 カップリング剤が、エポキシシランカッ
    プリング剤およびアミノシランカップリング剤の、それ
    ぞれ少なくとも1種類以上を含むものであることを特徴
    とする、請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された熱
    硬化性樹脂組成物を用いた成形材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004037880A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Nikko Materials Co., Ltd. 固形シランカップリング剤組成物、その製造方法およびそれを含有する樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004037880A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Nikko Materials Co., Ltd. 固形シランカップリング剤組成物、その製造方法およびそれを含有する樹脂組成物
US7109273B2 (en) 2002-10-28 2006-09-19 Nikko Materials Co., Ltd. Solid silane coupling agent composition, process for producing the same, and resin composition containing the same

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