JP3479818B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP3479818B2
JP3479818B2 JP24687295A JP24687295A JP3479818B2 JP 3479818 B2 JP3479818 B2 JP 3479818B2 JP 24687295 A JP24687295 A JP 24687295A JP 24687295 A JP24687295 A JP 24687295A JP 3479818 B2 JP3479818 B2 JP 3479818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子内にベンゼン
環を有するシランカップリング剤とフェノール樹脂とを
反応させたシランカップリング剤変性フェノール樹脂を
用いることにより、接着性、耐湿信頼性に優れ、更には
硬化物の吸水率も従来のものより低くできるエポキシ樹
脂組成物及びこの組成物で封止された半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】トラン
ジスタ、IC、LSI等の半導体素子は通常セラミック
パッケージやプラスチックパッケージ等により封止さ
れ、半導体装置化されている。このうちセラミックパッ
ケージは、構成材料そのものが耐熱性を有し、耐浸透性
にも優れているため、温度、湿度に対して強く、しかも
中空パッケージのため機械的強度も高く、信頼性の高い
封止が可能である。しかしながら、セラミックパッケー
ジは、構成材料が比較的高価なものであること、量産性
に劣る欠点があるなどのため、最近ではプラスチックパ
ッケージを用いた樹脂封止が主流になってきている。こ
の種の樹脂封止には、従来からエポキシ樹脂組成物が使
用されており、良好な成績を収めている。
【0003】しかしながら、従来用いられているエポキ
シ樹脂組成物により封止された半導体装置は、従来のセ
ラミックパッケージ等により封止された半導体装置に比
べ封止操作が簡単で経済性、作業性等に優れるという利
点がある反面、封止された半導体装置のアルミ配線ある
いはアルミ電極が吸湿によって腐食し、この腐食により
アルミ配線が断線し不良が発生するという欠点を有して
いた。これは封止樹脂とリードフレームとの界面あるい
は封止樹脂表面から半導体装置内に水が浸入し、その浸
入した水が封止樹脂中を通過する際に封止樹脂中のイオ
ン性不純物の運び役となり、このイオン性不純物がアル
ミ配線あるいはアルミ電極の腐食を発生させるものと考
えられている。
【0004】このため、これらの問題に対し、半導体装
置内に水が浸入しない、耐湿信頼性に優れた半導体装置
の開発について研究が進められ、樹脂組成物中にシラン
カップリング剤を含有させたもの、無機質充填剤に表面
処理を施したもの、無機質充填剤を増量させたものやシ
ランカップリング剤とフェノール樹脂との反応生成物を
エポキシ樹脂組成物の成分として使用したもの(特開昭
62−101055,特開平3−174745,同4−
51548号公報)等が提案されている。
【0005】しかしながら、特開昭62−10105
5,特開平3−174745,同4−51548号公報
等に提案されているシランカップリング剤とフェノール
樹脂との反応生成物をエポキシ樹脂組成物の成分として
使用したものでは、シランカップリング剤としてγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等の親水性の高いシランカップリング
剤を用いているために、半導体装置内への水分の浸入を
効果的に遮断することは難しく、最近の益々高度化した
半導体装置の封止に対する要求を完全に満たすことは困
難である。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、接着性、耐湿信頼性に優れ、吸水率の小さい硬化物
を与えるエポキシ樹脂組成物及びこの組成物の硬化物で
封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、下記一般式(1)で表される分子内にベンゼン環
(即ち、フェニレン骨格)を有するシランカップリング
剤とフェノール樹脂とを反応させることによりシランカ
ップリング剤変性フェノール樹脂が得られること、この
シランカップリング剤変性フェノール樹脂は、従来公知
のフェノール樹脂と同様にエポキシ樹脂の硬化剤として
使用でき、これにより、接着性と耐湿信頼性が大きく向
上し、更には硬化物の吸水率も従来のものより低くでき
るエポキシ樹脂組成物の成型物を与えること、それ故、
本発明で得られたシランカップリング剤変性フェノール
樹脂を含有してなるエポキシ樹脂組成物は表面実装半導
体装置封止用樹脂として非常に有用であることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
【化2】 (式中、R1はグリシジル基、R2は水素原子、炭素数1
〜6の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
アルケニロキシ基、アリーロキシ基又はハロゲン原子で
あり、R3は2価の有機基、R4は炭素数1〜6の1価炭
化水素基、R5は炭素数1〜6の1価炭化水素基であ
り、aは0,1又は2であり、bは0〜4の整数であ
る。)
【0009】従って、本発明は、上記一般式(1)で表
される分子内にベンゼン環(フェニレン骨格)を有する
シランカップリング剤化合物とフェノール樹脂とを反応
させてなるシランカップリング剤変性フェノール樹脂を
含有してなるエポキシ樹脂組成物及びかかる組成物の硬
化物で封止された半導体装置を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0011】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ樹脂が配合される。本発明で使用されるエポキシ樹脂
は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有する
エポキシ樹脂であり、具体的にはビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビス
フェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の
ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型
エポキシ樹脂及びその重合物、ビフェニル型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン
環含有エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、臭素
化エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0012】これらのエポキシ樹脂の中でも次式で示さ
れるナフタレン環含有エポキシ樹脂やビフェニル型エポ
キシ樹脂が低吸湿、高接着性を得るために望ましいもの
である。
【0013】
【化3】
【0014】なお、ナフタレン環含有エポキシ樹脂中の
α−ナフトールやα,β−ナフトールのエポキシ化物は
10重量%以下、特に耐熱性や耐湿性の面から望ましく
は7重量%以下であることが好ましい。この他にフェノ
ールのみからなる二核体やフェニルグリシジルエーテル
は0.5重量%以下、望ましくは0.2重量%以下であ
ることが好ましい。
【0015】これらエポキシ樹脂は軟化点が50〜12
0℃でエポキシ当量が100〜400を有するものが望
ましい。軟化点が50℃未満のエポキシ樹脂を用いた場
合、硬化物のガラス転移温度が低下するばかりか、成形
時にバリやボイドが発生し易いといった場合が生じる。
また軟化点が120℃を超える場合、粘度が高くなり過
ぎて成形できなくなるおそれがある。なお、ナフタレン
環含有エポキシ樹脂の軟化点はナフタレン環含有エポキ
シ樹脂中のα−ナフトールやα,β−ナフトールのエポ
キシ化物含有量に影響されるが、α−ナフトールやα,
β−ナフトールのエポキシ化物の含有量が10重量%以
下であって、かつ軟化点が50〜120℃、より好まし
くは70〜110℃のものが好適である。
【0016】また、これらナフタレン環含有エポキシ樹
脂やビフェニル型エポキシ樹脂を半導体封止用に用いる
場合、加水分解性塩素が1000ppm以下、望ましく
は500ppm以下、ナトリウム、カリウムは10pp
m以下であることが好ましい。加水分解性塩素が100
0ppmを超えたり、ナトリウム、カリウムが10pp
mを超える樹脂で半導体装置を封止し、長時間高温高湿
下に半導体装置を放置した場合、耐湿性が劣化するおそ
れがある。
【0017】本発明は、上記エポキシ樹脂の硬化剤とし
て、下記一般式(1)で表される分子内にベンゼン環
(即ち、フェニレン骨格)を有するシランカップリング
剤とフェノール樹脂とを反応させてなるシランカップリ
ング剤変性フェノール樹脂を使用する。
【0018】
【化4】
【0019】また、R2は水素原子、炭素数1〜6の1
価炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル
基、フェニル基等のアリール基などの非置換1価炭化水
素基や、これらの炭素結合水素原子の一部又は全部をハ
ロゲン原子で置換したトリフルオロプロピル基等の置換
1価炭化水素基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基、ア
ルケニロキシ基、アリーロキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、ブトキシ、メトキシエトキシ、メ
トキシメトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキ
シ、ビニルオキシ、アリルオキシ、プロペノキシ、イソ
プロペノキシ、フェノキシ基等)、又はフッ素、塩素、
臭素等のハロゲン原子である。R3は2価の有機基であ
り、炭素数1〜6のアルキレン基(例えばメチレン、エ
チレン、プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレ
ン、メチルエチレン等)が好ましい。R4及びR5はR2
で示したものと同様の炭素数1〜6の非置換又は置換1
価炭化水素基である。また、aは0,1又は2であり、
bは0〜4の整数である。
【0020】本発明に用いられる分子内にベンゼン環
(フェニレン骨格)を有するシランカップリング剤は、
例えばフェノール誘導体をアリル化し、アリル転移を行
ってアリル化フェノール誘導体を得、次いでエポキシ化
し、ハイドロシリル化することにより合成できる。この
場合、原料のフェノール誘導体は、目的のシランカップ
リング剤に応じたものが使用でき、例えばメトキシフェ
ノール等が好適である。次に、メトキシフェノールのア
リル化は、メトキシフェノールを公知の方法によりアリ
ルエーテル化した後にクライゼン転移することで行え
る。また、エポキシ化は、エピクロルヒドリン等のエピ
ハロヒドリンと、NaOH等のアルカリ金属水酸化物を
用いる公知の方法により行える。ハイドロシリル化は、
公知の方法によりアリル基変性(メトキシ)フェノール
のアリル基(アルケニル基)と、オルガノヒドロシラン
等を白金触媒存在下でハイドロシリル化することにより
行うことができ、これにより目的とする有機ケイ素化合
物を合成することができる。
【0021】このような分子内にベンゼン環を有するシ
ランカップリング剤として具体的には、下記構造式
(i)〜(vi)で示されるものが例示され、特に式
(i)〜(iv)のものが好適に用いられる。
【0022】
【化5】
【0023】一方、本発明で用いるフェノール樹脂とし
ては、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個
有するフェノール樹脂であればいかなるものも使用する
ことができる。
【0024】具体的にはノボラック型フェノール樹脂、
レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹
脂、トリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等の
フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジ
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、下記式で示さ
れるフェノール樹脂などが例示される。
【0025】
【化6】
【0026】特に、ナフタレン環含有フェノール樹脂を
併用することにより、低吸湿で、かつ、より接着性に優
れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
【0027】これらのフェノール樹脂は軟化点が60〜
150℃を有するものが好ましい。より好ましくは70
〜130℃のものである。水酸基当量としては90〜2
50のものが望ましい。このフェノール樹脂を半導体封
止用に用いる場合、ナトリウム、カリウムは10ppm
以下であることが好ましい。ナトリウム、カリウムが1
0ppmを超える樹脂で半導体装置を封止し、長時間高
温高湿下に半導体装置を放置した場合、耐湿性の劣化が
促進されるおそれが生じる。
【0028】本発明の上記一般式(1)で表されるシラ
ンカップリング剤と上述したフェノール樹脂とからなる
シランカップリング剤変性フェノール樹脂は、例えば次
のようにして得ることができる。即ち、上記一般式
(1)で表されるシランカップリング剤と上述したフェ
ノール樹脂を撹拌装置付きの反応容器に適宜配合し、1
20〜160℃、好ましくは130〜150℃に昇温さ
せ、反応時間1〜6時間、好ましくは3〜5時間両者を
反応させてシランカップリング剤変性フェノール樹脂を
得る。次に、この反応で副生成したアルコールを反応装
置にDean−Stark装置を付けて120〜160
℃の条件下で系外に除去する方法が有効である。
【0029】ここで上記式(ii)のシランカップリン
グ剤を用いた場合のフェノール樹脂との反応例を示す
と、下記の通りである。
【0030】
【化7】
【0031】このようなシランカップリング剤とフェノ
ール樹脂との反応率は、80%以上であることが好まし
く、特に90%以上であることが好適である。
【0032】なお、シランカップリング剤のフェノール
樹脂に対する配合割合は0.1〜50重量%、好ましく
は1〜30重量%である。この理由として、本発明のシ
ランカップリング剤変性フェノール樹脂をエポキシ樹脂
組成物の一成分として使用する際に、シランカップリン
グ剤が0.1重量%未満の場合にはエポキシ樹脂組成物
硬化剤の接着性及び耐湿信頼性の向上効果が見られなく
なり、50重量%を超えるとエポキシ樹脂組成物で半導
体装置を封止する際の金型汚れ等が発生するおそれがあ
るためである。
【0033】本発明のシランカップリング剤変性フェノ
ール樹脂の配合量は、エポキシ樹脂組成物に配合する全
フェノール樹脂の100〜5重量%、特に100〜20
重量%であることが好ましく、この範囲外では、得られ
る硬化物が耐湿性に劣る場合がある。
【0034】本発明においては、上記シランカップリン
グ剤変性フェノール樹脂に加え、エポキシ樹脂組成物に
通常用いるフェノール樹脂(例えば前述したものと同様
の、ノボラック型フェノール樹脂(フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾールノボラック樹脂等)、レゾール型フ
ェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリフェノ
ールアルカン型樹脂及びその重合体、ナフタレン環含有
フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール
樹脂等の1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2
個有するフェノール樹脂)などの硬化剤を本発明の目的
を損わない範囲で配合することは差し支えない。上述し
たシランカップリング剤変性フェノール樹脂、あるいは
該シランカップリング剤変性フェノール樹脂と任意に配
合し得るその他のフェノール樹脂との合計量は、エポキ
シ樹脂中のエポキシ基とフェノール樹脂全体におけるO
H基との比がモル比で1:0.5〜1:1.5となるよ
うに配合することが、硬化性、耐湿性等の点で好まし
い。
【0035】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
半導体装置の封止において、封止材の膨張係数を小さく
し、半導体素子に加わる応力を低下させるため、無機質
充填剤を配合することができる。無機質充填剤として
は、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを用いる
ことができ、例えば、破砕状、球状の形状を持った溶融
シリカ、結晶性シリカが主に用いられる。この外にアル
ミナ、チッ化ケイ素、チッ化アルミ、炭化ケイ素、ボロ
ンナイトライド、ガラス繊維なども使用可能であり、中
でも溶融シリカが好適である。この場合、硬化物の低膨
張化と成形性を両立させるためには球状品と破砕品のブ
レンド、あるいは球状品のみを用いた方がよい。また、
この種の無機質充填剤は予めシランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤等のカップリング剤で表面処理
して使用した方が低吸水性、耐熱衝撃性、及び耐クラッ
ク性を向上させる点で好ましい。
【0036】なお、無機質充填剤の平均粒径としては5
〜20ミクロンのものが好ましい。また、無機質充填剤
の充填量はエポキシ樹脂と硬化剤との全量100重量部
に対して100〜1200重量部が好ましい。100重
量部未満では膨張係数が大きくなり、半導体素子に加わ
る応力が増大し、素子特性の劣化を招くおそれがある。
また、1200重量部より多いと成形時の粘度が高くな
り成形性が悪くなる場合が生じる。
【0037】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
必要に応じ、常用成分、例えばトリフェニルホスフィン
及びその誘導体、1,8−ジアザビシクロウンデセン−
7及びその誘導体などのリン系又はアミン系の硬化促進
剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴ
ム、シリコーン系の金属塩等の低応力剤、カルナバワッ
クス等のワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸やそのエ
ステル、金属塩等の離型剤(中でも接着性、離型性の面
からカルナバワックスが好適に用いられる。)、有機ゴ
ム系等の可とう性付与剤(例えばエポキシ基、アミノ
基、カルボキシル基、水酸基、ヒドロシリル基、ビニル
基などを有するシリコーンオイル、シリコーンレジン、
シリコーンゴム等やこれらシリコーンポリマーと有機重
合体、例えば置換又は非置換のフェノールノボラック樹
脂等との共重合体など)、カーボンブラック、コバルト
ブルー、ベンガラ等の顔料、酸化アンチモン、ハロゲン
化合物等の難燃化剤、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等の表面処理剤、エポキシシラン、ホウ素
化合物、アルキルチタネート等のシランカップリング
剤、老化防止剤、その他の添加剤の1種又は2種以上を
配合することができる。
【0038】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造
に際し、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、
予め70〜95℃に加熱してあるニーダー、ロール、エ
クストルーダー等で混練、冷却し、粉砕する等の方法で
得ることができるが、特にミキシングロール、押し出し
機を用いた溶融混合法が好適に採用される。ここで、成
分の配合順序に特に制限はない。
【0039】上述したように本発明のエポキシ樹脂組成
物は、成形性に優れているため、IC、LSI、トラン
ジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体装置の封止
用として好適に使用することができ、そのほかプリント
回路板の製造などにも有効に使用できる。
【0040】ここで、半導体装置の封止を行う場合は、
従来より採用されている成形法、例えばトランスファー
成形、注型法などを採用して行うことができる。この場
合、エポキシ樹脂組成物の成形温度は150〜180℃
で30〜180秒間、ポストキュアーは150〜180
℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0041】
【発明の効果】本発明のシランカップリング剤変性フェ
ノール樹脂を含有してなるエポキシ樹脂組成物は、半導
体装置封止用樹脂として使用すると、接着性と耐湿信頼
性が大きく向上し、更には硬化物の吸水率も従来のもの
より低くでき、各種特性に優れたエポキシ樹脂組成物の
成型物を与えるもので、半導体装置封止用エポキシ樹脂
として非常に有用である。即ち、本発明で用いるシラン
カップリング剤は分子内に疎水性を示すベンゼン環を有
していることにより、特開昭62−101055,特開
平3−174745,同4−51548号公報等に提案
されているγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等の親水性の高いシ
ランカップリング剤に比べ、半導体装置内への水分の浸
入を効果的に遮断することができるため、このシランカ
ップリング剤を用いて得られるエポキシ樹脂組成物の硬
化物は高接着性、低吸水性を示し、耐湿信頼性の高い半
導体装置を与えることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、下記例で部は重量部を示す。
【0043】〔実施例,比較例〕まず、表1に示す割合
でフェノール樹脂(1)〜(2)、シランカップリング
剤(1)〜(4)を撹拌容器付きの反応容器に投入し、
150℃で4時間反応させた後、反応装置にDean−
Stark装置を取り付け、150℃で2時間かけて副
生するアルコールの除去を行い、シランカップリング剤
変性フェノール樹脂A〜Fを得た。
【0044】
【化8】
【0045】
【表1】
【0046】次に、表2に示す量でエポキシ樹脂(1)
又は(2)、上記シランカップリング剤変性フェノール
樹脂A〜F、上記フェノール樹脂(1)、ブロム化エポ
キシ樹脂(BREN−S、日本化薬(株)製)、上記シ
ランカップリング剤(1)を用い、更に球状シリカ55
0部、三酸化アンチモン10部、ワックスE1.5部、
カーボンブラック1.0部、トリフェニルホスフィン
0.8部を加えて得られた配合物を熱二本ロールで均一
に溶融混練して、熱硬化性樹脂組成物を製造した(実施
例1〜6,比較例1〜2)。
【0047】これらのエポキシ樹脂組成物について以下
の(イ)〜(ホ)の諸特性を測定した。結果を表2に示
す。 (イ)スパイラルフロー EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、70
kg/cm2の条件で測定した。 (ロ)機械的強度(曲げ強度、曲げ弾性率) JISK6911に準じて175℃、70kg/c
2、成形時間2分の条件で10×100×4mmの抗
折棒を成形し、180℃で4時間ポストキュアーし、2
15℃の温度で強度を測定した。 (ハ)ガラス転移温度、膨脹係数 175℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件で4
×4×15mmの試験片を成形し、180℃で4時間ポ
ストキュアーしたものを用い、ディラトメーターにより
毎分5℃で昇温させることにより測定した。 (ニ)吸湿後の吸湿量と半田クラック性及び耐湿性 175℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件でア
ルミ配線腐食測定用の耐湿性試験用半導体装置を厚さ2
mmのフラットパッケージに封止し、180℃で4時間
ポストキュアーした。このパッケージを85℃/85%
RHの雰囲気中に72時間放置して吸湿処理を行った
後、吸湿量を測定し、更にこれを赤外線リフロー炉に通
過させた。この時に発生するパッケージのクラック発生
数を確認した後、良品のみを120℃の飽和水蒸気雰囲
気中に所定時間放置し、不良発生数を調べた。 (ホ)接着性 42アロイ板に直径15mm/高さ5mmの円筒成形品
を175℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件で
成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。これを
121℃、2.1気圧の条件で16時間放置した後、2
15℃のベーパーフェーズリフロー中に1分間浸漬し
た。その後、42アロイとの接着力を引っ張り強度で調
べた。
【0048】
【表2】 エポキシ樹脂(1) ナフタレン型エポキシ樹脂 NC
7000 日本化薬(株)製 エポキシ樹脂(2) ビフェニル型エポキシ樹脂 YX
−4000HK 油化シェル(株)製
【0049】表2の結果から、半導体封止用樹脂とし
て、本発明のシランカップリング剤変性フェノール樹脂
を含有してなるエポキシ樹脂組成物を使用することによ
り、その硬化物の接着性や耐湿信頼性が向上し、更には
低吸水性を向上することが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−345847(JP,A) 特開 昭62−101055(JP,A) 特開 平3−174745(JP,A) 特開 平4−51548(JP,A) 特開 平7−78913(JP,A) 特開 昭59−48942(JP,A) 特開 平7−312401(JP,A) 特開 平3−220229(JP,A) 特開 平8−157695(JP,A) 特開 平8−85715(JP,A) 特開 平2−22321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/24 C08G 59/62 C08L 63/00 - 63/04 C08K 5/5415 - 5/5419 H01L 23/29

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1はグリシジル基、R2は水素原子、炭素数1
    〜6の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
    アルケニロキシ基、アリーロキシ基又はハロゲン原子で
    あり、R3は2価の有機基、R4は炭素数1〜6の1価炭
    化水素基、R5は炭素数1〜6の1価炭化水素基であ
    り、aは0,1又は2であり、bは0〜4の整数であ
    る。)で表されるシランカップリング剤とフェノール樹
    脂とを反応させてなるシランカップリング剤変性フェノ
    ール樹脂を含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂がナフタレン環含有フェ
    ノール樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂として、ナフタレン環含有
    エポキシ樹脂及び/又はビフェニル型エポキシ樹脂を配
    合した請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 無機質充填剤を配合した請求項1,2又
    は3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の組
    成物の硬化物で封止された半導体装置。
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