JPH06145307A - 電子機器用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

電子機器用エポキシ樹脂組成物

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JPH06145307A
JPH06145307A JP30423592A JP30423592A JPH06145307A JP H06145307 A JPH06145307 A JP H06145307A JP 30423592 A JP30423592 A JP 30423592A JP 30423592 A JP30423592 A JP 30423592A JP H06145307 A JPH06145307 A JP H06145307A
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JP
Japan
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epoxy resin
same
resin composition
different
formula
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JP30423592A
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English (en)
Inventor
Shigeru Wakagi
茂 若木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体素子の封止に用いた場合、耐冷熱衝撃
性、耐熱性および耐湿性等に優れた硬化物を与える電子
機器用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェノー
ル類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポキシ
樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(I): 【化1】 で示される化合物である電子機器用エポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器用エポキシ樹脂
組成物に関し、さらに詳しくは半導体素子の封止に用い
た場合、耐冷熱衝撃性、耐熱性および耐湿性等に優れた
硬化物を与える電子機器用エポキシ樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、ICやLSIなどの半導体電
子部品は、主に熱硬化性樹脂成形材料を用いて封止する
方法がとられてきた。この樹脂封止は、金属やセラミッ
クを用いたハーメチックシール方式に比較して低コスト
で大量生産が可能なため、広く実用化されている。樹脂
封止方法において用いられる素材の中では、電機特性、
耐熱性、機械強度および密着性等の諸特性のバランスに
おいて優れているため、エポキシ樹脂成形材料が最も一
般的かつ最も多く用いられている。エポキシ樹脂の硬化
剤としては、有機二塩基酸無水物、ダイマ−酸、脂肪族
アミン、芳香族アミン、イミダゾ−ル類、三フッ化ホウ
素アミン錯体およびノヴォラック型フェノ−ル樹脂等が
あげられるが、電子部品封止用途には、成型性や耐湿性
等のバランスに優れたノヴォラック型フェノ−ル樹脂が
多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体集積回路
は、その集積度を飛躍的に高める一方で、チップサイズ
はますます大型化しつつある。このため上記のような、
従来のノヴォラック型フェノ−ル樹脂を硬化剤に用いる
エポキシ樹脂成形材料では、解決できない問題点が表面
化してきた。その第1は、半導体素子が搭載されたシリ
コンチップと封止材料の線膨脹率に差があるため、内部
発熱や環境の温度変化により半導体素子に応力がかか
り、半導体の信頼性低下を招くという問題点である。こ
の熱応力の問題は、チップサイズが大きくなればなるほ
ど問題として深刻になる。具体的には、封止済みの集積
回路に冷熱サイクルを加えると、リ−ドフレ−ムと素子
をつなぐボンディングワイヤ−の断線、半導体素子表面
の損傷、チップクラックやパッケ−ジクラックの発生と
いった問題が発生し、電子部品としての機能が消滅する
か、またはその信頼性を低下させる。
【0004】また第2の問題として、表面実装時に加わ
る熱衝撃による問題がある。樹脂封止された半導体装置
は、表面実装時にパッケ−ジごと高温の半田浴にディッ
プされる。この際、樹脂中に含有された水分は、樹脂材
料内部で急激に蒸発・膨脹し、樹脂材料内部に大きな引
張応力を発生させることが報告されている[SEMIC
ON NEWS P50 ('86)]。この応力は、パ
ッケ−ジクラックの発生や、素子表面の損傷、素子上の
アルミニウム配線の変形または断線という問題を引き起
こす。この対策として、シリコンゴムの添加による応力
の低減が特開昭61−168619号公報に開示されて
いるが、この方法では、ゴム成分の添加量が多くなる
と、熱時機械強度が低下してしまう。加えて、室温での
機械強度が低下するため、長期間には信頼性の低下や、
ICのアセンブリ工程におけるパッケージクラックの発
生、捺印性の低下、および成形時の金型汚れが多発し、
大量生産できないといった問題点が生じる。
【0005】本発明は上記問題を解決するもので、耐熱
応力性、耐熱衝撃性に優れ、かつ諸物性を損なうことの
ない半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく、ベ−ス樹脂系に着目し検討を行った結
果、エポキシ樹脂の硬化剤として特定のポリフェノール
類を用いることにより優れた耐熱応力性、耐熱衝撃性が
得られることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明の電子機器用エポキシ樹
脂組成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(I):
【0008】
【化10】
【0009】(式中、R1 はそれぞれ水素、炭素数1〜
8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれる同一ま
たは異なる基を意味し、R2 はそれぞれ水素、ハロゲン
原子、炭素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基か
ら選ばれる同一または異なる基を意味し、kは0〜25
の数であり、lは0〜25の数であり、oは0または1
であり、pは0または1であり、mは0または1であ
り、nは0または1である。ただし、kとlとの和は0
より大きく50以下であり、oとpとの和は1または2
であり、mとnとの和は1または2であり、k回または
l回繰り返される繰り返し単位の配列は、ランダム配
列、ブロック配列、交互配列等のいずれであってもよ
い。)で示されるポリフェノール類と無機充填剤とを配
合したものである。
【0010】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(II):
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R、R3 、R4 およびR5 はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜
8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれる同一ま
たは異なる基を意味し、Lは同一または異なって0〜4
の整数を意味し、Mは0〜3の整数を意味し、Nは0.
2〜10の数を意味する。ここで、Rが同一核に複数あ
るときはその複数のRは同一であっても異なっていても
よい。)で示されるポリフェノール類と無機充填剤とを
配合したものである。
【0013】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(III ):
【0014】
【化12】
【0015】(式中、R6 はそれぞれハロゲン原子、炭
素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれ
る同一または異なる基を意味し、qはそれぞれ同一また
は異なって0〜4の整数を意味する。ここで、R6 が同
一核に複数あるときはその複数のR6 は同一であっても
異なっていてもよい。)で示されるポリフェノール類と
無機充填剤とを配合したものである。
【0016】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(IV):
【0017】
【化13】
【0018】(式中、R7 はそれぞれハロゲン原子、炭
素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれ
る同一または異なる基を意味し、rはそれぞれ同一また
は異なって0〜4の整数を意味し、sは0〜30の数で
ある。ここで、R7 が同一核に複数あるときはその複数
のR7 は同一であっても異なっていてもよく、s回繰り
返される繰り返し単位の配列は分岐を伴っていてもよ
い。)で示されるポリフェノール類と無機充填剤とを配
合したものである。
【0019】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(V):
【0020】
【化14】
【0021】(式中、R8 はそれぞれハロゲン原子、炭
素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれ
る同一または異なる基を意味し、tはそれぞれ同一また
は異なって0より大きい4以下の整数を意味し、uはそ
れぞれ同一または異なって0〜3の整数を意味し、R8
が同一核に複数あるときはその複数のR8 は同一であっ
ても異なっていてもよい)で示されるポリフェノール類
と無機充填剤とを配合したものである。
【0022】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(VI):
【0023】
【化15】
【0024】(式中、Xは
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】または共有結合−であり、R9 はそれぞれ
ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、またはフェ
ニル基から選ばれる同一または異なる基を意味し、vは
0〜2の整数であり、wは0〜2の整数であり、xはそ
れぞれ同一または異なって0〜4の整数を意味し、yは
それぞれ同一または異なって0より大きい3以下の整数
を意味する。ここで、R9 が同一核に複数あるときはそ
の複数のR9 は同一であっても異なっていてもよい。)
で示されるポリフェニール類と無機充填剤とを配合した
ものである。
【0028】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に硬化剤としての式(VII):
【0029】
【化18】
【0030】(式中、R10、R11、R12およびR13はそ
れぞれハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、また
はフェニル基から選ばれる同一または異なる基を意味
し、aはそれぞれ同一または異なって0〜5の整数を意
味し、bはそれぞれ同一または異なって0〜4の整数を
意味し、cはそれぞれ同一または異なって0より大きい
3以下の整数を意味する。ここで、R12またはR13が同
一核に複数あるときはその複数のR12またはR13は同一
であっても異なっていてもよい。)で示されるポリフェ
ニール類と無機充填剤とを配合したものである。
【0031】本明細書において使用するハロゲン原子と
いう語句の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等
を挙げることができるが、特に塩素または臭素が好まし
いハロゲン原子である。
【0032】炭素数1〜8のアルキル基とは、直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数
1〜4のアルキル基である。好ましいアルキル基の具体
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチ
ル基等を挙げることができる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
エポキシ樹脂は、通常は1分子中に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂を意味するが、電子機器で一般
に用いられるものであれば特に制限はない。例えば、フ
ェノ−ルノヴォラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノヴ
ォラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノ−ル類と
アルデヒド類から得られるノヴォラック樹脂をエポキシ
化したノヴォラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルA
型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノ−ルAD型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルS型
エポキシ樹脂、ビフェニ−ル型エポキシ樹脂をはじめと
する芳香族2価フェノ−ル類から得られるエポキシ樹脂
や、フタル酸、ダイマ−酸等の多塩基酸とエピハロヒド
リンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキ
シ樹脂、またジアミノジフェニルメタン、イソシアヌ−
ル酸等のポリアミンとエピハロヒドリンの反応により得
られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂等があげられる
が、応力低減の観点から、エポキシ当量230以下のビ
フェニール型エポキシ樹脂が好ましい。これらエポキシ
樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合しても良
い。なお、用いるエポキシ樹脂は、上記のものに限定さ
れるものではない。
【0034】本発明に用いられる式(I)で示されるア
セナフテン骨格を有するポリフェノ−ル類は、フェノー
ル類、アルデヒド類およびアセナフテン類を、必要に応
じ触媒の存在下、常法により付加縮合重合させることに
よって製造することができる。アセナフテン1モルに対
し、0.2モルから7モルの範囲でフェノール類を使用
するのが望ましい。
【0035】式(II)で示されるトリフェニルメタン骨
格を有するポリフェノール類は、ベンズアルデヒド類と
フェノール類とを必要に応じ触媒を用いて付加縮合重合
させることによって製造することができる。数平均重合
度Nは限定的ではないが、0.2〜10が好ましく、よ
り好ましい値は0.5〜5である。ベンズアルデヒド類
1モルに対し、1モルから7モルの範囲でフェノール類
を使用してポリフェノール類を製造するのが望ましい。
【0036】式(III )で示されるパラ[α,α,
α’,α’−テトラキス(ヒドロキシフェニル)]キシ
レン骨格を有するポリフェニール類は、テレフタルアル
デヒド類とフェノール類とを酸触媒の存在下に付加縮合
重合させることによって製造することができる。重合が
進みフェノ−ル核を多数含む化合物が主成分となると、
生成物の軟化点が高くなり、成型材料に用いたときの流
動性が低下する。前記式(III )で示されるような好ま
しい低分子化合物を主成分とするには、テレフタルアル
デヒド類に対し大過剰量のフェノ−ル類を用いて重合を
行う必要があるが、過剰すぎると生産性が低下する。テ
レフタルアルデヒド類1モルに対して必要なフェノ−ル
類は7〜20モルであり、好ましくは10〜15モルで
ある。
【0037】式(IV)で示されるポリフェノール類は、
アクロレイン類とフェノール類とを酸触媒の存在下に付
加縮合重合させることによって製造することができる。
式(IV)において分岐を伴うとは、フェノール核または
アクロレイン類の元アルデヒド基の位置を中心として分
岐が生じていることを意味する。重合が進みフェノ−ル
核を多数含む化合物が主成分となると、生成物の軟化点
が高くなり、成型材料に用いたときの流動性が低下す
る。好ましい低分子化合物を主成分とするには、アクロ
レイン類に対しフェノ−ル類を大過剰量で用いて重合を
行う必要があるが、過剰すぎると生産性が低下する。ア
クロレイン類に対して必要なフェノ−ル類のモル比は、
3以上であり、好ましくは10以上30以下である。
【0038】式(V)で示されるパラ[α,α,α’,
α’−テトラキス(ヒドロキシナフチル)]キシレン骨
格を有するポリフェニール類は、テレフタルアルデヒド
類とナフトール類とを酸触媒の存在下に付加縮合重合さ
せることによって製造することができる。テレフタルア
ルデヒド類1モルに対して必要なナフト−ル類は7〜2
0モルであり、好ましくは10〜15モルである。
【0039】式(VI)で示されるトリフェニルメタン骨
格を有するポリフェノール類は、第1工程において塩基
性条件下にベンズアルデヒド類をジフェノール類に付加
させ、第2工程において、酸性条件下に過剰量のフェノ
ール類と縮合させる方法によって製造することができ
る。例えば、第1工程において4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニ−ルとベンズアルデヒドとを選び、第2工程の
フェノ−ル類としてフェノールを選んだ場合の反応は以
下の式:
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】で示される。式(VI)で示されるような好
ましい低分子化合物を主成分とするには、フェノール類
に対してベンズアルデヒド類を大過剰量で使用する必要
があるが、過剰すぎると生産性が低下する。フェノール
類に対して必要なベンズアルデヒド類のモル比は4以上
であり、好ましくは7以上20以下である。
【0043】式(VII )で示されるトリフェニールメタ
ン骨格を有するポリフェノール類は、第1工程において
塩基性条件下にベンズアルデヒド類をフェノール類に付
加させて、式:
【0044】
【化21】
【0045】で示されるフェノールのフェニルヒドロキ
シメチル化物を得、このフェニルヒドロキシメチル化物
を、第2工程において、酸性条件下に過剰量のフェノー
ル類と縮合させる方法によって得ることができる。しか
し実際の反応物は、重合の進んだ高分子からなる成分を
一部含む。フェノ−ル核を多数含む化合物が主成分とな
ると、生成物の軟化点が高くなり、成型材料に用いた場
合の流動性が低下する。式(VII )で示される好ましい
化合物を主成分とするには、フェノール類に対してベン
ズアルデヒド類を大過剰量で使用する必要があるが、過
剰すぎると生産性が低下する。フェノール類に対して必
要なベンズアルデヒド類のモル比は4以上であり、好ま
しくは7以上20以下である。
【0046】本発明で使用されるポリフェノール類の合
成における出発物質の例を以下に挙げるが、これらに限
定されるものではない。フェノ−ル類の具体例として
は、フェノ−ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p
−クレゾ−ル、p−t−ブチルフェノ−ル、2,6−キ
シレノ−ル等の一価フェノール類、レゾルシン、カテコ
ール等の二価フェノール類、ピロガロール、フロログリ
シノール等の三価フェノール類をあげることができる。
これらフェノ−ル類を単独で用いても良いし、2種以上
を混合して用いてもよい。
【0047】アルデヒド類としては、例えばホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドを使
用することができる。アセナフテン類としては、例えば
非置換アセナフテンを使用することができる。
【0048】ベンズアルデヒド類としては、例えばベン
ズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチ
ルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、2
−エチルベンズアルデヒド、3−エチルベンズアルデヒ
ド、4−エチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベン
ズアルデヒドを使用することができる。
【0049】テレフタルアルデヒド類としては、例えば
テレフタルアルデヒド、テトラブロムテレフタルアルデ
ヒド、テトラクロロテレフタルアルデヒドを使用するこ
とができる。
【0050】アクロレイン類としては、例えばメタアク
ロレイン、2−メチルアクロレイン、3−メチルアクロ
レイン、2−エチルアクロレイン、3−エチルアクロレ
インを使用することができる。
【0051】ナフトール類としては、例えばα−ナフト
ール、β−ナフトールを使用することができる。ジフェ
ノール類としては、例えばビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールAD、4,4’−ジヒドロキ
シビフェニール、ビスフェノールSを使用することがで
きる。
【0052】触媒としては通常、酸を用いるが、酸以外
の触媒を用いてもよい。酸触媒として、シュウ酸、塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等を使用することが
できるが、加熱分解が可能であり樹脂中に残存イオンを
残さないという点でシュウ酸が望ましい。通常、出発物
質のアルデヒド類に対し0.1モル〜10モル%の量で
使用される。
【0053】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミ
ナ、けい酸カルシム、炭酸カルシウム、炭化けい素、窒
化けい素、窒化ホウ素、ベンガラ、マイカ、タルク、チ
タンホワイト、等が用いられるが、これらに限定される
ものではない。また、これら充填剤の量は、組成物全体
に対して50重量%未満では硬化物の線膨張係数および
硬化収縮を低下させる効果が少なく、95重量%を越え
ると成形時の流動性が悪化してトランスファー成形が困
難になるので、50重量%から95重量%が好まし
い。。
【0054】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じ硬化促進剤、顔料、離型剤、難燃剤、シランカップ
リング剤、ゴム成分等の電子機器用封止材料において一
般的に用いられる材料を添加することができる。硬化促
進剤には、トリフェニールホスフィン、トリブチルホス
フィン、メチルジフェニルホスフィン、ジフェニルホス
フィンに代表される有機ホスフィン類、トリス(ジメチ
ルアミノ)フェノール、ジメチルベンジルアミン、1,
8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、
トリエタノールアミン等の三級アミン、2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾ−ル等のイミダゾール類等、テトラフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾールテトラフェニルボレート、トリフェニー
ルホスフィンテトラフェニルボレート、N−メチルモル
ホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロ
ン塩があげられるが、これらに限らずエポキシ基とフェ
ノール性水酸基の重付加反応を促進するものを用いるこ
とができる。硬化促進剤の使用量は通常、エポキシ樹脂
100重量部に対し0.01〜10重量部であり、好ま
しくは0.1〜3.0重量部である。ゴム成分として
は、CTBN、ATBN、フッ素ゴムまたは、ジメチル
シロキサン、メチルフェニルシロキサンに代表されるオ
ルガノシロキサンおよびこれらの分子末端にヒドロキシ
基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプ
ト基などの官能基をもつ化合物などを用いることができ
る。これらゴム成分は、該組成物に10重量%を越えな
い範囲で添加することができる。上記以外に、ブロム化
エポキシ樹脂や三酸化アンチモンに代表される難燃剤、
高級脂肪酸、エステル系ワックスに代表される公知の離
型剤、エポキシシラン、ビニルシラン、アミノシラン、
ボラン化合物、アルコキシチタネート化合物、アルミキ
レート化合物に代表される公知のカップリング剤、カー
ボンブラックに代表される公知の顔料を使用することが
できる。
【0055】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必須成分
であるエポキシ樹脂、ポリフェノール硬化剤および無機
充填剤と、必用に応じて用いられる他の成分とを、ロー
ル、エクストルーダー、連続ニーダー、ヘンシェルミキ
サーなどの混合装置を用いて均一に混練することによ
り、容易に製造することができる。なお、ゴム成分は一
般にエポキシ樹脂や硬化剤であるポリフェノールとの相
溶性が低いので、これを均一に分散させるために、あら
かじめエポキシ樹脂、硬化剤、あるいは充填剤と予備混
合する方法や、加熱処理により、一部反応させる方法な
どを採用することが好ましい。また、充填剤と樹脂との
密着性を良好にするために、該充填剤を前記カップリン
グ剤によってあらかじめ処理することも可能である。
【0056】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル量に対するフェノ−
ル性水酸基のモル量が0.8から1.2になるように、
エポキシ樹脂とポリフェノール硬化剤とを配合すること
が好ましい。
【0057】
【作用】エポキシ樹脂の硬化剤として本発明にかかるポ
リフェノ−ル類を用いることにより、硬化物の吸水率を
低下させることができる。この効果はアセナフテン骨
格、トリフェニルメタン骨格またはパラ[α,α,
α’,α’−テトラキス(ヒドロキシアリール)]キシ
レン骨格が疎水性を有すること、およびエポキシ環の開
環により生成する2級水酸基含有量を低減できることの
双方の効果によってもたらされる。また、トリフェニー
ルメタン骨格およびパラ[α,α,α’,α’−テトラ
キス(ヒドロキシアリール)]キシレン骨格の導入によ
り、分子量を低くおさえても耐熱性が保たれるので、分
子量を低くおさえて溶融粘度を低下させることが可能と
なり、エポキシ樹脂組成物の充填剤含有量を増加させる
ことができる。これにより、半導体パッケージの線膨脹
率をシリコンチップのそれに近づけることが可能とな
り、半導体の信頼性を向上させることができる。具体的
には、シリコンチップの割れ、素子表面の損傷、パッケ
−ジクラックの防止、耐湿信頼性の向上が可能となる。
【0058】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって制限される
ものではない。
【0059】
【実施例】
(製造例1)アセナフテン骨格を有するポリフェノール
(式(I)の化合物)を、以下のようにして合成した。
温度計、コンデンサー、滴下ロート、撹拌器、およびマ
ントルヒーターを取りつけたセパラブルフラスコに、ア
セナフテン730重量部、オルソクレゾール540重量
部、メチルイソブチルケトン300重量部、およびシュ
ウ酸18重量部を仕込み、温度を80℃に保ちつつアセ
ナフテンとオルソクレゾールを溶解した。その後、温度
を80℃に保持しながら37重量%のホルマリン水溶液
324重量部を1時間かけて滴下し、次いで、還流温度
で12時間反応させた。反応終了後、反応生成水を共沸
蒸留により除去し、さらに減圧下にて180℃の温度で
メチルイソブチルケトン、未反応のホルマリン、オルソ
クレゾール、アセナフテンを留去し、淡黄色透明のポリ
フェノールを得た。 (実施例1〜3) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 クレゾールノヴォラック型エポキシ樹脂(住友化学株式
会社製「ESCN−195XL」)、硬化剤としての製
造例1で合成したアセナフテン骨格を有するポリフェノ
ール、シリカ粉末、および硬化促進剤であるトリフェニ
ールホスフィンを、下記の表1に記載した組成にてミル
で微粉砕しつつドライブレンドし、粉末状の配合物を得
た。この配合物を温度100℃にて、連続ニーダーで加
熱混練した。混練後、すみやかに5℃に冷却し、次いで
ミルで微粉砕することによって、粉末状の熱硬化性樹脂
組成物を得た。
【0060】2)成形物の調製 上の1)で得た粉末状の熱硬化性樹脂組成物を錠剤成形
器で打錠し、タブレットを製造した。このタブレットを
金型温度180℃、キュアタイム90秒で低圧トランス
ファー成形し、さらに175℃で7時間ポストキュアを
行って、成形物を得た。
【0061】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 高化式フローテスターを用い、以下の方法で溶融粘度を
測定した。1)で得た粉末状の熱硬化性樹脂組成物2g
を天秤で精秤し、錠剤成形器で直径10.3mmのペレ
ットに打錠した。このペレットを用い、シリンダー温度
175℃、ノズル寸法径1mmx10mm、荷重10k
gの条件にて測定を行った。フローカーブの最大勾配か
ら溶融粘度を算出した。
【0062】4)成形物の線膨張係数測定 ガラス転移点以前の成形物の線膨張係数(以下α1と略
す)を、TMA法により測定した。
【0063】5)成形物の吸湿量測定 成形物から、長さ15mm幅7mm厚さ3mmの試験片
を切り出し、吸湿量を測定するサンプルに供した。サン
プルを125℃のオーブン内で15時間排湿処理し、そ
の後、温度85℃、相対湿度85%の環境試験装置内で
168時間吸湿させた。吸湿前後の重量増加率より、吸
湿量を算出した。
【0064】6)曲げ弾性率測定 成形物から、長さ20mm幅10mm厚さ3mmの試験
片を切り出し、表面を研磨した後、曲げ弾性率を測定す
るサンプルに供した。曲げ強さを測定することによって
荷重−たわみ曲線を求め、JIS K 7203に準じ
て曲げ弾性率を求めた。すなわち曲げ弾性率は、次式に
より計算した。
【0065】Ef=(Lv3 )/(4Wh3 )×F/Y
(Kgf/mm2 ) ここで Lv :支点間距離(mm) W :試験片の幅(mm) h :試験片の高さ(mm) F/Y:荷重−たわみ曲線の直線部分の勾配(Kg/m
m) (比較例1および2)硬化剤としてフェノールノヴォラ
ック樹脂バーカムTD−2131(大日本インキ化学工
業(株)製フェノールノヴォラック樹脂、軟化点80
℃)を用いた以外、実施例1〜3と同様にして熱硬化性
樹脂組成物を製造し、その成形物を得た。得られた組成
物および成形物について、実施例1〜3と同様にして試
験を行った。
【0066】実施例1〜3、比較例1および2の熱硬化
性樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表1に
示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1によれば、比較例の成形物は3000
ppm前後の吸湿量を示すが、実施例の成形物は200
0ppm以下の値を示す。この結果から、本発明にかか
る組成物は、表面実装時においてパッケージの耐クラッ
ク性に優れた封止樹脂材料となることがわかる。
【0069】また、応力評価の尺度である線膨脹率と弾
性率の積についても、実施例の成形物は比較例の成形物
より40%以上低減されており、本発明にかかる組成物
は、半導体素子の封止に用いた場合、デバイス表面の損
傷防止、チップ樹脂間剥離の防止、耐湿性等に優れた性
能を示す封止樹脂材料となることがわかる。 (製造例2)トリフェニールメタン骨格を有するポリフ
ェノール(式(II)の化合物)を、以下のようにして合
成した。温度計、コンデンサー、滴下ロート、撹拌器、
およびマントルヒーターを取りつけた3リットルのセパ
ラブルフラスコに、p−ヒドロキシベンズアルデヒド4
40g、ベンズアルデヒド400g、フェノール170
0g、メチルイソブチルケトン400g、およびシュウ
酸13gを仕込み、温度を80℃に保ちつつベンズアル
デヒド類とフェノールを溶解した。溶解終了後、還流温
度で12時間反応させた。反応終了後、反応生成水を共
沸蒸留により除去し、さらに減圧下にて180℃の温度
でメチルイソブチルケトン、未反応のベンズアルデヒド
類とフェノールを留去し、淡黄色透明のポリフェノール
Aを得た。 (製造例3)製造例2とは異なる物性を示すポリフェノ
ール(式(II)の化合物)を、以下のようにして合成し
た。温度計、コンデンサー、滴下ロート、撹拌器、およ
びマントルヒーターを取りつけた3リットルのセパラブ
ルフラスコに、p−ヒドロキシベンズアルデヒド540
g、フェノール2200g、メチルイソブチルケトン4
00g、およびシュウ酸15gを仕込み、温度を80℃
に保ちつつp−ヒドロキシベンズアルデヒドとフェノー
ルを溶解した。溶解終了後、還流温度で12時間重合反
応を行った。反応終了後、反応生成水を共沸蒸留により
除去し、さらに減圧下にて180℃の温度でメチルイソ
ブチルケトン、未反応のp−ヒドロキシベンズアルデヒ
ドとフェノールを留去し、淡黄色透明のポリフェノール
Bを得た。 (実施例4〜7)エポキシ樹脂としてクレゾールノヴォ
ラック型エポキシ樹脂(住友化学株式会社製「ESCN
−195XL」)、硬化剤として上で合成したポリフェ
ノールA、ポリフェノールBを使用し、実施例1〜3と
同様にして熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を
得た。得られた組成物および成形物について、実施例1
〜3と同様にして試験を行った。 (比較例3および4)硬化剤としてフェノールノヴォラ
ック樹脂バーカムTD−2131(大日本インキ化学工
業(株)製フェノールノヴォラック樹脂、軟化点80
℃)を使用した以外、上の実施例4〜7と同様にして熱
硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を得た。得られ
た組成物および成形物について、実施例4〜7と同様に
して試験を行った。
【0070】実施例4〜7、比較例3および4の熱硬化
性樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表2に
示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2によれば、実施例の成形物は、線膨張
率において従来は不可能であった10×10-6/℃を下
回っている。しかもその溶融粘度は、500ポイズ以下
であり、低圧トランスファー成形に要求される上限をク
リアしていて、本発明にかかる組成物は十分に実用に供
することができるのがわかる。一方、比較例の硬化剤で
ある従来のモールディングコンパウンドでは、10×1
-6/℃を下回ることができない。シリカ含有量を増加
させることで線膨張率を10×10-6/℃以下にするこ
とが可能かもしれないが、比較例4から明かなように、
その溶融粘度は1500ポイズを越えてしまい、半導体
デバイスの封止用途に用いることはできない。
【0073】また、吸湿量においても、比較例の硬化剤
を用いた成形物が3000ppm前後の水分を含有する
のに対し、実施例の成形物は2000ppmを下回って
おり、本発明にかかる組成物は耐クラック性等に優れた
性能を示すことが期待できる。 (製造例4)テレフタルアルデヒドと、フェノール類と
してのo−クレゾールを、以下のように付加縮合させ
た。温度計、リフラックスコンデンサー、かくはん器、
およびマントルヒーターを取り付けたセパラブルフラス
コに、テレフタルアルデヒド134重量部、o−クレゾ
ール1080重量部、メチルイソブチルケトン300重
量部、およびシュウ酸18重量部を仕込み、温度を60
℃に保ちつつ各成分を溶解した。溶解終了後、還流温度
で12時間反応させた。反応終了後、反応生成水を共沸
蒸留により系内から除去し、さらに減圧下温度190℃
にてメチルイソブチルケトン、未反応のo−クレゾール
とテレフタルアルデヒドを留去し、淡黄色透明のパラ
[α,α,α’,α’−テトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)]キシレン骨格を有する樹脂(以下、樹脂Cと略
す)(式(III )の化合物)を得た。GPC測定でパラ
[α,α,α’,α’−テトラキス(メチルヒドロキシ
フェニル)]キシレンの純度を求めたところ、94重量
%であった。 (製造例5)テレフタルアルデヒドと、フェノール類と
してのp−t−ブチルフェノールを、以下のように付加
縮合させた。温度計、リフラックスコンデンサー、かく
はん器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラブ
ルフラスコに、テレフタルアルデヒド134重量部、p
−t−ブチルフェノール1500重量部、メチルイソブ
チルケトン500重量部、およびシュウ酸28重量部を
仕込み、温度を80℃に保ちつつ各成分を溶解した。溶
解終了後、還流温度で12時間反応させた。反応終了
後、反応生成水を共沸蒸留により系内から除去し、さら
に減圧下温度190℃にてメチルイソブチルケトン、未
反応のp−t−ブチルフェノールとテレフタルアルデヒ
ドを留去し、淡黄色透明のパラ[α,α,α’,α’−
テトラキス(ヒドロキシフェニル)]キシレン骨格を有
する樹脂(以下、樹脂Dと略す)(式(III )の化合
物)を得た。GPC測定でパラ[α,α,α’,α’−
テトラキス(t−ブチルヒドロキシフェニル)]キシレ
ンの純度を求めたところ、92重量%であった。 (製造例6)テレフタルアルデヒドと、フェノール類と
してのフェノールを、以下のように付加縮合させた。温
度計、リフラックスコンデンサー、かくはん器、および
マントルヒーターを取り付けたセパラブルフラスコに、
テレフタルアルデヒド134重量部、フェノール940
重量部、メチルイソブチルケトン300重量部、および
シュウ酸16重量部を仕込み、温度を60℃に保ちつつ
各成分を溶解した。溶解終了後、還流温度で12時間反
応させた。反応終了後、反応生成水を共沸蒸留により系
内から除去し、さらに減圧下温度190℃にてメチルイ
ソブチルケトン、未反応のフェノールとテレフタルアル
デヒドを留去し、淡黄色透明のパラ[α,α,α’,
α’−テトラキス(ヒドロキシフェニル)]キシレン骨
格を有する樹脂(以下、樹脂Eと略す)(式(III )の
化合物)を得た。GPC測定でパラ[α,α,α’,
α’−テトラキス(ヒドロキシフェニル)]キシレンの
純度を求めたところ、94重量%であった。 (実施例8〜19) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂としてビフェニール型エポキシ樹脂YX−
4000(油化シェルエポキシ(株)製)、硬化剤とし
て上で合成した樹脂C、樹脂D、樹脂Eを使用し、実施
例1〜3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を製造した。
【0074】2)成形物の調製 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上記の方法で調製したエポキシ樹脂組成
物を用いて、金型温度180℃、硬化時間90秒で低圧
トランスファー成形した後、175℃7時間ポストキュ
アを行い、成形物を得た。なお、シリコンチップの外形
寸法は幅5.1mm,長さ14.1mm,厚み0.4m
m、パッケージの外形寸法は幅8mm,長さ16mm,
厚み2.5mmである。
【0075】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 実施例1〜3と同様にして溶融粘度を測定した。 4)成形物の線膨張係数測定 実施例1〜3と同様にして線膨張係数を測定した。
【0076】5)成形物の吸湿量測定 上の2)で得た成形物50個について、実施例1〜3と
同様にして吸湿量を測定した。
【0077】6)曲げ弾性率測定 実施例1〜3と同様にして曲げ弾性率を測定した。 7)耐湿信頼性 上の2)で得た成形物100個について、シリコンチッ
プ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバイアス電圧
を印加した状態で、温度133℃相対湿度100%の環
境試験装置内に放置し、アルミニウム配線の断線率が5
0%になる時間を求め、耐湿信頼性を評価した。
【0078】8)半田耐熱性 上の2)で得た成形物20個について、温度120℃の
オ−ブンで排湿処理を行った。このサンプルチップを、
温度85℃相対湿度85%の環境試験装置内で168時
間吸湿処理をおこなった後、260℃の半田浴に10秒
間浸漬し、クラックの発生数で耐熱性を評価した。 (比較例5〜8)硬化剤としてノヴォラック型フェノー
ル樹脂MP−120(群栄化学製フェノールノヴォラッ
ク樹脂)を使用した以外、上の実施例8〜19と同様に
して熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を得た。
得られた組成物および成形物について、実施例8〜19
と同様にして試験を行った。
【0079】実施例8〜19、比較例5〜8の熱硬化性
樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表3〜6
に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】表3〜6の実施例と比較例の対比から明ら
かなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、フェノー
ルノヴォラックを硬化剤として用いる従来のエポキシ樹
脂組成物に比較し、高い耐湿信頼性と、半田耐熱性すな
わち表面実装時に加わる熱衝撃に対する高い抵抗力を示
している。この結果は、本発明にかかる硬化剤の分子構
造が高い疎水性と剛直性を兼ね備えているためと思われ
る。また、フェノールノヴォラックの分子量分布が広く
ならざるをえないのに対し、本発明にかかる硬化剤の分
子量分布は実質的に単分散であり、成形時の流動性を損
なうことなく無機充填剤の含有量を高くできる特徴を持
っている。このため、硬化物の線膨張係数を低くおさえ
ることが可能になり、樹脂封止半導体装置において線膨
張率の違いにより生ずる応力の問題を解決できる。 (製造例7)本発明にかかるポリフェノール(式(IV)
の化合物)を、以下のようにして合成した。温度計、コ
ンデンサー、滴下ロート、撹拌器、およびマントルヒー
ターを取りつけたセパラブルフラスコに、p−t−ブチ
ルフェノール1500重量部、アクロレイン50重量
部、メチルイソブチルケトン500重量部を仕込み、昇
温しつつ内容物を溶解混合し、次に、純水150重量部
に溶解したシュウ酸35重量部を1時間かけて滴下ロー
トより添加した。添加終了後、還流温度にて15時間反
応させ、次いで、共沸蒸留により水を系内から除去し
た。その後、減圧下190℃にてメチルイソブチルケト
ンと未反応のp−t−ブチルフェノールを留去し、淡黄
色透明のポリフェノールを得た。 (実施例20〜24) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂としてクレゾールノヴォラック型エポキシ
樹脂(住友化学株式会社製「ESCN−195X
L」)、硬化剤として上で合成したポリフェノールを使
用し、実質上、実施例1〜3と同様にして熱硬化性樹脂
組成物を製造した。
【0085】2)成形物の調製 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上の1)のエポキシ樹脂組成物を用い
て、温度180℃、硬化時間90秒でトランスファー成
形により封止した。封止後のテスト部品は、180℃の
オーブン内で7時間、後硬化した。なお、シリコンチッ
プの外形寸法は幅4.5mm長さ7mm厚み0.4m
m、パッケージの外形寸法は幅7.5mm長さ12mm
厚み3.5mmである。
【0086】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 実施例1〜3と同様にして溶融粘度を測定した。 4)成形物の線膨張係数測定 実施例1〜3と同様にして線膨張係数を測定した。
【0087】5)成形物の吸湿量測定 上の2)で得た成形物について、実施例1〜3と同様に
して吸湿量を測定した。
【0088】6)曲げ弾性率測定 実施例1〜3と同様にして曲げ弾性率を測定した。 7)耐湿信頼性 上の2)で得た成形物100個について、シリコンチッ
プ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバイアス電圧
を印加した状態で、温度133℃相対湿度100%の環
境試験装置内に放置し、アルミニウム配線の断線率が5
0%になる時間を求め、耐湿信頼性を評価した。
【0089】8)耐熱衝撃性 上の2)で得た成形物20個について、液体窒素と23
0℃の半田浴の中に各30秒ずつ侵漬するサイクルを1
0回繰り返し、テスト部品の外観クラックとアルミ配線
の断線の有無を確認した。 (比較例9〜11)硬化剤としてフェノールノヴォラッ
クであるバーカムTD−2131(大日本インキ化学工
業(株)製フェノールノヴォラック樹脂、軟化点80
℃)を使用した以外、上の実施例20〜24と同様にし
て熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を得た。得
られた組成物および成形物について、実施例20〜24
と同様にして試験を行った。
【0090】
【表7】
【0091】
【表8】
【0092】表7および8より、本発明にかかる組成物
から得られる硬化物が耐熱衝撃性、耐湿性、流動性に優
れていることが明らかである。これは、硬化剤に用いた
本発明にかかるポリフェノール類が硬化物に低い線膨脹
率と高い疎水性を与えることによるものである。 (製造例8)テレフタルアルデヒドと、ナフトール類と
してのβ−ナフトールとを、以下のようにして付加縮合
させた。温度計、リフラックスコンデンサー、かくはん
器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラブルフ
ラスコに、テレフタルアルデヒド134重量部、β−ナ
フトール1800重量部、メチルイソブチルケトン40
0重量部、およびシュウ酸24重量部を仕込み、温度を
80℃に保ちつつ各成分を溶解した。溶解終了後、還流
温度で18時間反応させた。反応終了後、反応生成水を
共沸蒸留により系内から除去し、さらに減圧下温度19
0℃にてメチルイソブチルケトン、未反応のβ−ナフト
ールとテレフタルアルデヒドを留去し、淡黄色透明のパ
ラ{α,α,α’,α’−テトラキス(ヒドロキシナフ
チル)}キシレン骨格を有する樹脂(以下、樹脂Fと略
す)(式(V)の化合物)を得た。GPC測定でパラ
{α,α,α’,α’−テトラキス(ヒドロキシナフチ
ル)}キシレンの純度を求めたところ、92重量%であ
った。 (実施例25〜29) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂としてビフェニール型エポキシ樹脂YX−
4000(油化シェルエポキシ(株)製)、硬化剤とし
て上で合成した樹脂Fを使用し、実施例1〜3と同様に
して熱硬化性樹脂組成物を製造した。
【0093】2)成形物の調製 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上記の方法で調製したエポキシ樹脂組成
物を用いて、金型温度180℃、硬化時間90秒で低圧
トランスファー成形した後、175℃7時間ポストキュ
アを行い、成形物を得た。なお、シリコンチップの外形
寸法は幅5.1mm,長さ14.1mm,厚み0.4m
m、パッケージの外形寸法は幅8mm,長さ16mm,
厚み2.5mmである。
【0094】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 実施例1〜3と同様にして溶融粘度を測定した。 4)成形物の線膨張係数測定 実施例1〜3と同様にして線膨張係数を測定した。
【0095】5)成形物の吸湿量測定 上の2)で得た成形物50個について、実施例1〜3と
同様にして吸湿量を測定した。
【0096】6)曲げ弾性率測定 実施例1〜3と同様にして曲げ弾性率を測定した。 7)耐湿信頼性 上の2)で得た成形物100個について、シリコンチッ
プ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバイアス電圧
を印加した状態で、温度133℃相対湿度100%の環
境試験装置内に放置し、アルミニウム配線の断線率が5
0%になる時間を求め、耐湿信頼性を評価した。
【0097】8)半田耐熱性 上の2)で得た成形物20個について、液体窒素と温度
230℃の半田浴の中に各30秒ずつ侵漬するサイクル
を10回繰り返し、テスト部品の外観クラックの有無を
確認した。 (比較例12〜14)硬化剤としてノヴォラック型フェ
ノール樹脂MP−120(群栄化学製フェノールノヴォ
ラック樹脂)を使用した以外、上の実施例25〜29と
同様にして熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を
得た。得られた組成物および成形物について、実施例2
5〜29と同様にして試験を行った。
【0098】実施例25〜29、比較例12〜14の熱
硬化性樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表
9および10に示す。
【0099】
【表9】
【0100】
【表10】
【0101】表9および10の実施例と比較例の対比か
ら明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、フ
ェノールノヴォラックを硬化剤に用いる従来のエポキシ
樹脂組成物に比較し、高い耐湿信頼性と、半田耐熱性す
なわち表面実装時に加わる熱衝撃に対する高い抵抗力を
示している。この結果は、本発明にかかる硬化剤の分子
構造が高い疎水性と剛直性を兼ね備えているためと思わ
れる。また、フェノールノヴォラックの分子量分布が広
くならざるをえないのに対し、本発明にかかる硬化剤の
分子量分布は実質的に単分散であり、成形時の流動性を
損なうことなく無機充填剤の含有量を高くできる特徴を
持っている。このため、硬化物の線膨張係数を低くおさ
えることが可能になり、樹脂封止半導体装置において線
膨張率の違いにより生ずる応力の問題を解決できる。 (製造例9)温度計、リフラックスコンデンサー、かく
はん器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラブ
ルフラスコに、ベンズアルデヒド1060重量部、4,
4’−ジヒドロキシビフェニール90重量部、メチルイ
ソブチルケトン500重量部、および10重量%水酸化
ナトリウム水溶液78重量部を仕込み、温度を60℃に
保ちつつ各成分を溶解した。溶解終了後、還流温度で1
2時間反応させた。反応終了後、500重量部の純水に
より反応液を4回洗浄した。共沸蒸留により系内の水を
除去した後、さらに減圧下温度190℃にてメチルイソ
ブチルケトン、未反応のベンズアルデヒドを留去し、淡
黄色透明の樹脂(以下、樹脂Gと略す)を得た。
【0102】温度計、リフラックスコンデンサー、かく
はん器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラブ
ルフラスコに、樹脂G100重量部、フェノール130
0重量部、メチルイソブチルケトン500重量部、シュ
ウ酸30重量部を仕込み、温度を60℃に保ちつつ各成
分を溶解した。溶解終了後、還流温度で12時間反応さ
せた。反応終了後、共沸蒸留により系内の水を除去した
後、さらに減圧下温度190℃にてメチルイソブチルケ
トン、未反応のフェノ−ルを留去し、淡黄色透明の樹脂
(以下、樹脂Hと略す)(式Vの化合物)を得た。この
ポリフェノ−ル樹脂の純度をGPC測定で求めたとこ
ろ、93重量%であった。 (実施例30〜34) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂としてビフェニール型エポキシ樹脂YX−
4000(油化シェルエポキシ(株)製)、硬化剤とし
て上で合成した樹脂Hを使用し、実施例1〜3と同様に
して熱硬化性樹脂組成物を製造した。
【0103】2)成形物の調製 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上記の方法で調製したエポキシ樹脂組成
物を用いて、金型温度180℃、硬化時間90秒で低圧
トランスファー成形した後、175℃7時間ポストキュ
アを行い、成形物を得た。なお、シリコンチップの外形
寸法は幅5.1mm,長さ14.1mm,厚み0.4m
m、パッケージの外形寸法は幅8mm,長さ16mm,
厚み2.5mmである。
【0104】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 実施例1〜3と同様にして溶融粘度を測定した。 4)成形物の線膨張係数測定 実施例1〜3と同様にして線膨張係数を測定した。
【0105】5)成形物の吸湿量測定 上の2)で得た成形物50個について、実施例1〜3と
同様にして吸湿量を測定した。
【0106】6)耐湿信頼性 上の2)で得た成形物100個について、シリコンチッ
プ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバイアス電圧
を印加した状態で、温度133℃相対湿度100%の環
境試験装置内に放置し、アルミニウム配線の断線率が5
0%になる時間を求め、耐湿信頼性を評価した。
【0107】7)半田耐熱性 上の2)で得た成形物20個について、温度120℃の
オーブンで排湿処理を行った。このサンプルチップを、
温度85℃相対湿度85%の環境試験装置内で168時
間吸湿処理をおこなった後、260℃の半田浴に10秒
間浸漬し、クラックの発生数で耐熱性を評価した。 (比較例15〜17)硬化剤としてノヴォラック型フェ
ノール樹脂MP−120(群栄化学製フェノールノヴォ
ラック樹脂)を使用した以外、上の実施例30〜34と
同様にして熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を
得た。得られた組成物および成形物について、実施例3
0〜34と同様にして試験を行った。
【0108】実施例30〜34、比較例15〜17の熱
硬化性樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表
11および12に示す。
【0109】
【表11】
【0110】
【表12】
【0111】表11および12の実施例と比較例の対比
から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、
フェノールノヴォラックを硬化剤に用いる従来のエポキ
シ樹脂組成物に比較し、高い耐湿信頼性と、半田耐熱性
すなわち表面実装時に加わる熱衝撃に対する高い抵抗力
を示している。 (製造例10)温度計、リフラックスコンデンサー、か
くはん器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラ
ブルフラスコに、ベンズアルデヒド1060重量部、フ
ェノール94重量部、メチルイソブチルケトン500重
量部、および10重量%水酸化ナトリウム水溶液78重
量部を仕込み、温度を60℃に保ちつつ各成分を溶解し
た。溶解終了後、還流温度で12時間反応させた。反応
終了後、500重量部の純水により反応液を4回洗浄し
た。共沸蒸留により系内の水を除去した後、さらに減圧
下温度190℃にてメチルイソブチルケトン、未反応の
ベンズアルデヒドを留去し、淡黄色透明の樹脂(以下、
樹脂Iと略す)を得た。
【0112】温度計、リフラックスコンデンサー、かく
はん器、およびマントルヒーターを取り付けたセパラブ
ルフラスコに、樹脂I100重量部、フェノール130
0重量部、メチルイソブチルケトン500重量部、シュ
ウ酸30重量部を仕込み、温度を60℃に保ちつつ各成
分を溶解した。溶解終了後、還流温度で12時間反応さ
せた。反応終了後、共沸蒸留により系内の水を除去し
た、さらに減圧下温度190℃にてメチルイソブチルケ
トン、未反応のフェノールを留去し、淡黄色透明のポリ
フェノール(以下、樹脂Jと略す)(式(VII )の化合
物)を得た。このポリフェノール樹脂の純度をGPC測
定で求めたところ、94重量%であった。 (実施例35〜39) 1)熱硬化性樹脂組成物の調製 エポキシ樹脂としてビフェニール型エポキシ樹脂YX−
4000(油化シェルエポキシ(株)製)、硬化剤とし
て上で合成した樹脂Jを使用し、実施例1〜3と同様に
して熱硬化性樹脂組成物を製造した。
【0113】2)成形物の調製 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上記の方法で調製したエポキシ樹脂組成
物を用いて、金型温度180℃、硬化時間90秒で低圧
トランスファー成形した後、175℃7時間ポストキュ
アを行い、成形物を得た。なお、シリコンチップの外形
寸法は幅5.1mm,長さ14.1mm,厚み0.4m
m、パッケージの外形寸法は幅8mm,長さ16mm,
厚み2.5mmである。
【0114】3)熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度測定 実施例1〜3と同様にして溶融粘度を測定した。 4)成形物の線膨張係数測定 実施例1〜3と同様にして線膨張係数を測定した。
【0115】5)成形物の吸湿量測定 上の2)で得た成形物50個について、実施例1〜3と
同様にして吸湿量を測定した。
【0116】6)耐湿信頼性 上の2)で得た成形物100個について、シリコンチッ
プ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバイアス電圧
を印加した状態で、温度133℃相対湿度100%の環
境試験装置内に放置し、アルミニウム配線の断線率が5
0%になる時間を求め、耐湿信頼性を評価した。
【0117】7)半田耐熱性 上の2)で得た成形物20個について、温度120℃の
オーブンで排湿処理を行った。このサンプルチップを、
温度85℃相対湿度85%の環境試験装置内で168時
間吸湿処理をおこなった後、260℃の半田浴に10秒
間浸漬し、クラックの発生数で耐熱性を評価した。 (比較例18〜20)硬化剤としてノヴォラック型フェ
ノール樹脂MP−120(群栄化学製フェノールノヴォ
ラック樹脂)を使用した以外、上の実施例35〜39と
同様にして熱硬化性樹脂組成物を製造し、その成形物を
得た。得られた組成物および成形物について、実施例3
5〜39と同様にして試験を行った。
【0118】実施例35〜39、比較例18〜20の熱
硬化性樹脂組成物の組成およびその試験結果を以下の表
13および14に示す。
【0119】
【表13】
【0120】
【表14】
【0121】表13および14の実施例と比較例の対比
から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、
フェノールノヴォラックを硬化剤に用いる従来のエポキ
シ樹脂組成物に比較し、高い耐湿信頼性と、半田耐熱性
すなわち表面実装時に加わる熱衝撃に対する高い抵抗力
を示している。この結果は、本発明にかかる硬化剤の分
子構造によるものと思われる。また、フェノールノヴォ
ラックの分子量分布が広くならざるをえないのに対し、
本発明にかかる硬化剤の分子量分布は実質的に単分散で
あり、成形時の流動性を損なうことなく無機充填剤の含
有量を高くできる特徴を持っている。このため、硬化物
の線膨張係数を低くおさえることが可能になり、樹脂封
止半導体装置において線膨張率の違いにより生ずる応力
の問題を解決できる。
【0122】
【発明の効果】エポキシ樹脂の硬化剤として本発明にか
かるポリフェノ−ル類を用いることにより、半導体封止
材料に要求される諸物性を損なうことなく、硬化物の線
膨脹率および吸水率を大幅に低減することができる。こ
れにより、半導体パッケージの線膨脹率をシリコンチッ
プのそれに近づけ、半導体デバイスとパッケ−ジの線膨
脹率の違いとパッケ−ジの吸湿性によって生ずる種々の
問題を改善して、半導体の信頼性を向上させることが可
能となる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式
    (I): 【化1】 (式中、R1 はそれぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル
    基、またはフェニル基から選ばれる同一または異なる基
    を意味し、R2 はそれぞれ水素、ハロゲン原子、炭素数
    1〜8のアルキル基、またはフェニル基から選ばれる同
    一または異なる基を意味し、kは0〜25の数であり、
    lは0〜25の数であり、oは0または1であり、pは
    0または1であり、mは0または1であり、nは0また
    は1である。ただし、kとlとの和は0より大きく50
    以下であり、oとpとの和は1または2であり、mとn
    との和は1または2であり、k回またはl回繰り返され
    る繰り返し単位の配列は、ランダム配列、ブロック配
    列、交互配列等のいずれであってもよい。)で示される
    化合物であることを特徴とする電子機器用エポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(I
    I): 【化2】 (式中、R、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ水素原
    子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素数1〜8のアルキ
    ル基、またはフェニル基から選ばれる同一または異なる
    基を意味し、Lは同一または異なって0〜4の整数を意
    味し、Mは0〜3の整数を意味し、Nは0.2〜10の
    数を意味する。ここで、Rが同一核に複数あるときはそ
    の複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)で
    示される化合物であることを特徴とする電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(III
    ): 【化3】 (式中、R6 はそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8の
    アルキル基、またはフェニル基から選ばれる同一または
    異なる基を意味し、qはそれぞれ同一または異なって0
    〜4の整数を意味する。ここで、R6 が同一核に複数あ
    るときはその複数のR6 は同一であっても異なっていて
    もよい。)で示される化合物であることを特徴とする電
    子機器用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(I
    V): 【化4】 (式中、R7 はそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8の
    アルキル基、またはフェニル基から選ばれる同一または
    異なる基を意味し、rはそれぞれ同一または異なって0
    〜4の整数を意味し、sは0〜30の数である。ここ
    で、R7 が同一核に複数あるときはその複数のR7 は同
    一であっても異なっていてもよく、s回繰り返されるく
    り返し単位の配列は分岐を伴っていてもよい。)で示さ
    れる化合物であることを特徴とする電子機器用エポキシ
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式
    (V): 【化5】 (式中、R8 はそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8の
    アルキル基、またはフェニル基から選ばれる同一または
    異なる基を意味し、tはそれぞれ同一または異なって0
    より大きい4以下の整数を意味し、uはそれぞれ同一ま
    たは異なって0〜3の整数を意味し、R8 が同一核に複
    数あるときはその複数のR8 は同一であっても異なって
    いてもよい)で示される化合物であることを特徴とする
    電子機器用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(V
    I): 【化6】 (式中、Xは 【化7】 【化8】 または共有結合−であり、R9 はそれぞれハロゲン原
    子、炭素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基から
    選ばれる同一または異なる基を意味し、vは0〜2の整
    数であり、wは0〜2の整数であり、xはそれぞれ同一
    または異なって0〜4の整数を意味し、yはそれぞれ同
    一または異なって0より大きい3以下の整数を意味す
    る。ここで、R9 が同一核に複数あるときはその複数の
    9 は同一であっても異なっていてもよい。)で示され
    る化合物であることを特徴とする電子機器用エポキシ樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂に硬化剤としてのポリフェ
    ノール類と無機充填剤とを配合してなる電子機器用エポ
    キシ樹脂組成物であって、ポリフェノール類が式(VI
    I): 【化9】 (式中、R10、R11、R12およびR13はそれぞれハロゲ
    ン原子、炭素数1〜8のアルキル基、またはフェニル基
    から選ばれる同一または異なる基を意味し、aはそれぞ
    れ同一または異なって0〜5の整数を意味し、bはそれ
    ぞれ同一または異なって0〜4の整数を意味し、cはそ
    れぞれ同一または異なって0より大きい3以下の整数を
    意味する。ここで、R12またはR13が同一核に複数ある
    ときはその複数のR12またはR13は同一であっても異な
    っていてもよい。)で示される化合物であることを特徴
    とする電子機器用エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ベンズアルデヒド類がヒドロキシベンズ
    アルデヒドである請求項2記載の電子機器用エポキシ樹
    脂組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂またはエ
    ポキシ樹脂混合物であり、その少なくとも1つがノヴォ
    ラック型エポキシ樹脂である請求項3または4記載の電
    子機器用エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂または
    エポキシ樹脂混合物であり、その少なくとも1つがビフ
    ェニール型エポキシ樹脂である請求項3、4、6、7の
    いずれかに記載の電子機器用エポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂または
    エポキシ樹脂混合物であり、その少なくとも1つがナフ
    タレン骨格を有するエポキシ樹脂である請求項4、6、
    7のいずれかに記載の電子機器用エポキシ樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8220147B2 (en) 2003-12-26 2012-07-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Metal-containing resin particle, resin particle, electronic circuit substrate, and method of producing electronic circuit
US20140342273A1 (en) * 2011-12-30 2014-11-20 Cheil Industries Inc. Monomer for a hardmask composition, hardmask composition comprising the monomer, and method for forming a pattern using the hardmask composition
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WO2015060307A1 (ja) * 2013-10-23 2015-04-30 日本化薬株式会社 フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、およびその硬化物

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