JP2019172911A - 樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐リフロー性及び耐熱性が良好で、かつ成形性にも優れる封止用樹脂組成物、及びこのような組成物により封止された高信頼性の半導体装置を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)所定の構造を有するベンゾオキサジン樹脂と、(C)フェノール硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填剤と、(F)珪素含有トリアジン化合物と、を含む樹脂組成物であって、(F)珪素含有トリアジン化合物を、樹脂組成物100質量%としたとき0.05〜2質量%含有する樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止されてなる半導体装置。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体等の電子部品の封止材として好適に使用される樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関する。
トランジスタ、集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)等の半導体装置における封止材として、エポキシ樹脂をベースとし、これに硬化剤や硬化促進剤、さらにはシリカ粉末等の無機充填剤、着色剤等を配合した樹脂組成物が広く用いられている。これは、エポキシ樹脂組成物が電気特性や耐熱性、耐湿性、機械特性に優れており、かつ生産性やコストのバランスを備えているためである。しかし、近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化という市場の要求に応えるべく、半導体素子の高集積化や半導体装置の表面実装化が進み、それに伴い半導体素子の封止に使用されるエポキシ樹脂組成物への要求もますます厳しいものとなってきている。
特に、表面実装される半導体装置では、半導体装置が半田リフロー時に高温にさらされ、半導体素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生し、ひいては半導体装置にクラックが生じる等、信頼性を大きく損なう不良が生じることがある。このため、これらの不良の防止、すなわち耐リフロー性の向上が大きな課題となっている。
かかる課題に対し、これまで、低弾性、低吸湿の樹脂を使用することが検討されてきた。これは、低弾性化によってリフロー時に半導体素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に発生する応力を緩和することができ、また低吸湿化によって封止材中への水の吸収が抑制され、水が気化し膨張することによって生じる剥離を低減することができるからである。
一方、車載用の電子機器等に搭載される半導体装置では、パソコンや家電製品よりも厳しい環境下、例えば150℃以上の高温下での動作信頼性が求められる。また最近の炭化珪素(SiC)デバイスを使用した半導体装置では、動作温度は200℃以上にも達するとされている。そのため、これらの用途で使用される半導体の封止材には、高い耐熱性とともに高温時の信頼性が要求されている。
エポキシ樹脂組成物、特にエポキシ樹脂とフェノール硬化剤とを組み合わせた組成物において、耐熱性を高めるためには、架橋密度を高くし、高いガラス転移温度(Tg)を得ることが有効である。しかし、架橋密度を高くすると、一般に硬化物は剛直な構造体となり高弾性になる傾向がある。また、架橋点が構造的に分極しているため、吸湿性も高くなる。
このように耐リフロー性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂組成物の要求があるが、これらを両立させることは非常に難しい。このような中、高耐熱性樹脂として知られるベンゾオキサジン樹脂をエポキシ樹脂と組み合わせた組成物が報告されている(例えば、特許文献1、2参照。)。この組成物はベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂が反応することで密度の高い架橋構造が得られ、200℃を超えるTgを有し得るとともに、ベンゾオキサジン樹脂がその構造により架橋点の分極を緩和するため、吸湿性も低い。しかし、硬化物が高弾性となることには変わりなく、封止材として用いるには耐リフロー性の点で未だ改善すべき余地があった。さらに、ベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂との架橋反応の反応速度が遅いため、一般的な封止材の成形条件では硬化不良を起こすという問題もあった。
特開2010−254895号公報 特開2011−231196号公報
高温時の信頼性を確保する為には、高いガラス転移温度および低い熱時弾性率とともに、半導体インサート部品に対する高い密着力が必要であるが、一般に、これらの両立は困難であることが多く、半導体インサート部品との剥離が発生する等の問題を抱えることも少なくない。また、半導体インサート部品に対する十分な密着性を確保した上で、半導体部品の生産性に関わる成形材料の成形性との両立を図ることも困難な課題であり、従来の技術ではこれらの課題が十分に解決されているとは言いがたい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、耐リフロー性及び耐熱性が良好で、かつ成形性にも優れるとともに、半導体インサート部品との密着性が良好な硬化物を得ることができる封止用に適した樹脂組成物、及びこのような樹脂組成物により封止された高信頼性の半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂と、(B)ベンゾオキサジン樹脂と、(C)フェノール硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填剤と、(F)下記一般式(1)で示される珪素含有トリアジン化合物
Figure 2019172911
(式中、aは3〜10の整数であり、bは0〜2の整数であり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、アルキルイミノ基、アリールイミノ基又はイミノアルキルシリル基、Rはアルキル基又はアルコキシ基、Rはアルコキシ基、を表す。)と、を含む樹脂組成物であって、前記(F)珪素含有トリアジン化合物を、前記樹脂組成物の全量(100質量%)に対して0.05〜2質量%含有することを特徴とする。
本発明の半導体装置は、基板と、該基板上に搭載された半導体素子と、該半導体素子を封止した本発明の樹脂組成物の硬化物と、を有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物によれば、耐リフロー性及び耐熱性が良好な硬化物が得られ、かつ成形性にも優れるため半導体素子の封止に好適である。
また、本発明の半導体装置によれば、上記特性の硬化物で半導体素子が封止されているため信頼性の高いものとできる。
本発明の樹脂組成物は、上記のように(A)エポキシ樹脂と、(B)ベンゾオキサジン樹脂と、(C)フェノール硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填剤と、(F)珪素含有トリアジン化合物と、を含む樹脂組成物である。以下、本発明の一実施形態である樹脂組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
本実施形態で用いられる(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、その分子量や分子構造等は特に限定されない。この(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの二量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等の、ナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)エポキシ樹脂としては、なかでも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、特にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。
本実施形態で用いられる(B)ベンゾオキサジン樹脂は1分子中にベンゾオキサジン環を2つ以上有し、重合可能な化合物であればよく、特に限定されないが、下記一般式(2)で表される、1分子中に2個以上のベンゾオキサジン環を含む化合物が好ましく用いられる。
Figure 2019172911
(一般式(2)中、Xは炭素数1〜10のアルキレン基、下記一般式(3)で表される基
Figure 2019172911
(一般式(3)中、Xaは芳香環を有する炭素数6〜30の炭化水素基であり、mは0又は1以上の整数、好ましくは0又は1である。)、−SO−、−CO−、酸素原子又は単結合であり、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。
一般式(2)において、Xは、−SO−、−CO−、又は−CH−が好ましく、−CH−がより好ましい。R及びRは、水素原子が好ましい。
(A)エポキシ樹脂と(B)ベンゾオキサジン樹脂の配合比[(A)エポキシ樹脂の配合量:(B)ベンゾオキサジン樹脂の配合量]は質量比で1:0.2〜1:2であることが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:1.5である。(B)ベンゾオキサジン樹脂の割合が(A)エポキシ樹脂1に対して0.2以上であると高いガラス転移点(Tg)が得られず、(A)エポキシ樹脂1に対して2以下であると良好な硬化性を示し成形性が向上する。
本実施形態で用いられる(C)フェノール硬化剤は、主として成形性を高める作用を有する。(C)フェノール硬化剤は、上記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を一分子中に2個以上有する公知の硬化剤であれば、特に制限なく使用することができる。
(C)フェノール硬化剤としては、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール類及び/又はナフトール類と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等の変性樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。さらに、上記フェノール樹脂の2種以上を共重合して得られるフェノール樹脂であってもよい。(C)フェノール硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)フェノール硬化剤としては、なかでもアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、特に、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂が好ましい。
(C)フェノール硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ベンゾオキサジン樹脂の合計量100質量部に対して、通常1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。(C)フェノール硬化剤の配合量が1質量部未満であるか、又は30質量部を超えると成形性が低下するおそれがある。
また、本実施形態の樹脂組成物において、水酸基当量とエポキシ基当量の比(当量比)が0.7〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.5であることがより好ましい。当量比が0.7未満であるか、又は1.5を超えると、未反応成分、すなわち、(A)エポキシ樹脂と反応しない(B)ベンゾオキサジン樹脂や(C)フェノール硬化剤、あるいは(B)ベンゾオキサジン樹脂や(C)フェノール硬化剤と反応しない(A)エポキシ樹脂の残存量が多くなり、成形性や硬化物の強度が低下するおそれがある。なお、エポキシ当量は(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ当量(a)であり、水酸基当量には(C)フェノール硬化剤中の水酸基だけでなく、(B)ベンゾオキサジン樹脂中のベンゾオキサジン環が開環した際に生じる水酸基も含み、上記水酸基当量は、(B)ベンゾオキサジン樹脂が有するベンゾオキサジンが開環した際に生じる水酸基に基づく水酸基当量(b)及び(C)フェノール硬化材が有する水酸基当量(c)を合計したものである。すなわち、上記当量比は[((b)+(c))/(a)]と表すことができる。また、(B)ベンゾオキサジン樹脂の水酸基当量については、ベンゾオキサジン環が全て開環したと仮定して計算を行う。ベンゾオキサジン環の開環で生じる水酸基は、通常1つである。
本実施形態の樹脂組成物において、(D)硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に使用されているものであれば特に制限なく使用される。(D)硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール環を有するジアミノ−s−珪素含有トリアジン化合物等のイミダゾール化合物及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラウブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体等が挙げられる。(D)硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)硬化促進剤としては、なかでもイミダゾール系硬化促進剤が好ましく、特に上述したイミダゾール化合物が好ましい。(D)硬化促進剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ベンゾオキサジン樹脂の合計量100質量部に対して、通常0.2〜8.0質量部、好ましくは1.0〜5.0質量部の範囲である。(D)硬化促進剤の配合量が0.2質量部未満では、硬化性の向上にあまり効果がなく、また8.0質量部を超える場合には、組成物の流動性が低下し、未充填等の成形不具合が発生するおそれがある。
本実施形態の樹脂組成物において、(E)無機充填剤は、樹脂組成物に一般に使用されている無機充填材であれば特に制限なく使用できる。(E)無機充填材としては、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維等を用いることができる。(E)無機充填剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)無機充填剤としては、熱膨張係数を低減する観点からは溶融シリカが好ましく、また高熱伝導性を高める観点からは、アルミナが好ましい。また、(E)無機充填剤の形状は、成形時の流動性を向上させ、金型の摩耗を抑える観点からは、球形であることが好ましい。特に、コストと性能のバランスを考慮すると、(E)無機充填剤としては溶融シリカを用いることが好ましく、球状溶融シリカを用いることがより好ましい。
(E)無機充填剤の配合割合は、樹脂組成物の全量(100質量%)に対して70〜95質量%が好ましく、82〜91質量%であることがより好ましい。(E)無機充填剤の配合割合が70質量%未満では、線膨張係数が増大して成形品の寸法精度、耐湿性、機械的強度等が低下するおそれがある。一方、95質量%を超えると、溶融粘度が増大して流動性が低下し、成形性が不良となるおそれがある。
本実施形態の樹脂組成物において、(F)珪素含有トリアジン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2019172911
(式中、aは3〜10の整数であり、好ましくは3〜4の整数であり、bは0〜2の整数であり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、アルキルイミノ基、アリールイミノ基又はイミノアルキルシリル基、Rはアルキル基又はアルコキシ基、Rはアルコキシ基、を表す。)
なお、ここで、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、Rは、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がより好ましい。
(F)珪素含有トリアジン化合物は、例えば、下記一般式(4)で表されるアミノアルキルシリル基を含有する有機ケイ素化合物を下記一般式(5)で表されるハロゲン化シアヌルに結合したハロゲン原子の少なくとも1つと反応させることにより製造することができる。ハロゲン化シアヌル上の他の2個のハロゲン原子は、アミノアルキルケイ素化合物と反応させることもできるし、トリアジン環に付着させたままにすることもできる。さらに、これらの2つの残存ハロゲン原子の一方または両方を、水、アンモニアまたは有機第一級アミンと反応させることができる。
Figure 2019172911
(aは3以上の整数であり、好ましくは3〜4の整数、bは0〜2の整数であり、Rはアルキル基又はアルコキシ基、Rはアルコキシ基、を表す。)
Figure 2019172911
(式中、R〜Rは、塩素または臭素などのハロゲン原子を表す。)
一般式(4)で表される有機ケイ素化合物としては、アミノアルキルアルコキシシラン、アミノアルキルアルキルシランおよびアミノアルキルポリシロキサンが好ましく用いられる。
さらに具体的には、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメチルシラン、γ-アミノプロピルフェニルジメチルシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、 デルタアミノブチルチエニルジエトキシシラン、デルタアミノブチルチルジエトキシシラン、デルタアミノブチルフェニルジエトキシシラン、オメガアミノヘキシルトリエチルシランなどが挙げられる。
ハロゲン化シアヌルとアミノアルキルケイ素化合物の反応は、不活性ガスの存在下および不活性液体有機溶媒中で反応させることが好ましく、液体有機化合物としては、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、アセトン、エタノール、四塩化炭素などが好ましい。
(F)珪素含有トリアジン化合物の配合割合は、封止用樹脂組成物の全量(100質量%)に対して0.05〜2質量%である。(F)珪素含有トリアジン化合物の配合割合が0.05重量%未満の場合、半導体インサート部品に対する十分な密着性が得られないおそれがあり、2重量%を超える場合には、密着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、珪素含有トリアジン化合物の使用量が増えるばかりで経済的でない。
本実施形態の樹脂組成物において、さらに(G)クマロン樹脂を含んでもよい。
(G)クマロン樹脂は、応力緩和剤として作用し、封止用樹脂組成物の硬化物の低弾性化に寄与する。(G)クマロン樹脂は、クマロン、インデン、スチレンの共重合体樹脂であり、例えば、下記一般式(6)で表される骨格を有する樹脂を使用することができる。
Figure 2019172911
上記一般式(6)において、u、v及びwは0又は1以上の整数であって、かつu+v≧1を満たす数である。
(G)クマロン樹脂の軟化点は90〜140℃であることが好ましく、100〜140℃であることがより好ましい。(G)クマロン樹脂の軟化点が90℃未満では、成形後の硬化物表面にクマロン樹脂が滲み出し、外観不良を生じるおそれがあり、軟化点が140℃を超えると、混練時の分散性が不十分となり、溶解しないクマロン樹脂が組成物中に偏在し、硬化物内部にボイドが発生したり、表面にフクレが発生したりするおそれがある。
このようなクマロン樹脂として、ニットレジンクマロンG−90(軟化点90℃)、ニットレジンクマロンG−100(軟化点100℃)、ニットレジンクマロンV−120(軟化点120℃)(以上いずれも、日塗化学(株)製、商品名)等が挙げられる。
(G)クマロン樹脂の配合量は、(A)エポキシ樹脂と(B)ベンゾオキサジン樹脂の合計量100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、3〜8質量部であることがより好ましい。(G)クマロン樹脂の配合量が1質量部未満では、十分な低弾性化効果が得られず、半田リフロー時に半導体素子やリードフレームと、封止用樹脂組成物の硬化物との界面に発生する応力を緩和できず、剥離が発生するおそれがある。一方、(G)クマロン樹脂の配合量が10質量部を超えると、硬化性が阻害され、硬化物内部にボイドが発生したり表面にフクレが発生したりする結果、強度が低下するおそれがある。
本実施形態の樹脂組成物は、必須成分である上記(A)〜(F)成分の他に、上記(G)成分、さらには本発明の効果を阻害しない範囲で、電子部品封止用樹脂組成物に一般に配合されるその他の添加剤が必要に応じて添加されてもよい。その他の添加剤としては、難燃剤;カップリング剤;合成ワックス、天然ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩等の離型剤;カーボンブラック、コバルトブルー等の着色剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の改質剤;ハイドロタルサイト類等の安定剤;イオン捕捉剤等が挙げられる。これらの各添加剤はいずれも、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤の具体例としては、ハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属元素を含む難燃剤や、リン酸エステル等のリン系難燃剤等が挙げられる。
カップリング剤の具体例としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、ビニルシラン系、アルキルシラン系、有機チタネート系、アルミニウムアルコレート系等のカップリング剤が挙げられる。硬化性を向上させる観点からは、なかでも、アミノシラン系カップリング剤が好ましく、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物において、上記の任意成分の配合量は、樹脂組成物の全量(100質量%)に対して、0.05〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1.5質量%であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物を調製するにあたっては、(A)エポキシ樹脂、(B)ベンゾオキサジン樹脂、(C)フェノール硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、(F)珪素含有トリアジン化合物、及び(G)クマロン樹脂等の前述した成分の他、必要に応じて配合される各種成分をミキサー等によって十分に混合(ドライブレンド)した後、熱ロールやニーダ等の混練装置により溶融混練し、冷却後、適当な大きさに粉砕すればよい。
本実施形態の樹脂組成物は、各種電気部品、又は半導体素子等の各種電子部品の、被覆、絶縁、封止等に用いることができる。半導体素子としては、トランジスタ、集積回路、ダイオード、サイリスタ等が例示される。本実施形態の樹脂組成物によって、基板上に搭載された半導体素子等の電子部品を封止する方法としては、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法が用いられる。この成形は、例えば、温度120〜200℃、圧力2〜20MPaで行うことができる。このような条件で半導体素子等の電子部品を成形封止することにより、耐リフロー性に優れ、かつ高温動作時の信頼性に優れた樹脂封止型の電子部品装置、半導体装置を得ることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
250mL三口フラスコに、撹拌機、滴下漏斗、コンデンサー及び温度計を装備した。
この三口フラスコに、無水ジエチルエーテル 100mL及び塩化シアヌル 28.4gを加え、混合物を攪拌し、0℃に冷却した。22.1gのγ‐アミノプロピルトリエトキシシランおよび10.1gのトリエチルアミンを含有する50mLの無水ジエチルエーテル溶液を、フラスコ中の溶液に0℃で30分間かけて滴下し、30分攪拌した。沈殿したトリエチルアミン塩酸塩を窒素雰囲気下で濾過し、室温減圧下でエーテルを濾液から蒸留した。残渣を分別蒸留し、2,4‐ジクロロ‐6‐(3‐トリエトキシシリルプロピルイミノ)− トリアジンを10gを得た。
約0℃で、無水アンモニアで飽和させた2,4‐ジクロロ‐6‐(3‐トリエトキシシリルプロピルイミノ)‐トリアジン 50gおよび無水エタノール 500mLの混合物を、3リットルのステンレス鋼オートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉し、約130℃で10時間揺動させた。室温に冷却した後、約100mLの無水エタノールを用いて反応混合物をオートクレーブから取り出した。減圧下で室温蒸留してエタノールを除去し、次いで残留物を総容量100mLの乾燥クロロホルムで抽出した。減圧下でクロロホルムを留去し、37.5gの2,4‐ジアミノ‐6‐(3‐トリエトキシシリルプロピルイミノ)‐トリアジン(珪素含有トリアジン化合物)を得た。
(合成例2)
温度計を備えた100mLフラスコに、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン 1.37g(10.0mmol)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール 1.08g(10.0mmol)およびメタノール20mLを投入して、反応液を調製した。この反応液を攪拌しながら、65℃にて1時間反応を行い、続いて、反応液を減圧下にて濃縮して、2,4−ジアミノ−6−{2−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジン(珪素非含有トリアジン化合物)を得た。
(実施例1)
(A)エポキシ樹脂として、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX−4000H、三菱化学(株)製、エポキシ当量192、融点105℃) 1.5質量部及びビスフェノール型エポキシ樹脂(商品名:NC−3000、日本化薬(株)製、エポキシ当量276、軟化点57℃) 3.5質量部、(B)ベンゾオキサジン樹脂として、上記一般式(2)において、Xがメチレン基であるP−d型ベンゾオキサジン(四国化成工業(株)製、水酸基当量(開環時)217、軟化点80℃) 5.0質量部、(C)フェノール硬化剤として、ビフェニルアラルキル樹脂(商品名:HE200C−10、エア・ウォーター(株)製、水酸基当量205、軟化点70℃) 1.0質量部、(D)硬化促進剤として、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名:2MZA、四国化工業(株)製) 0.3質量部、(E)無機充填剤として球状溶融シリカ(商品名:FB−105、電気化学工業(株)製、平均粒径11μm) 87.0質量部、(F)珪素含有トリアジン化合物として、合成例1で得られた珪素含有トリアジン化合物1(2,4‐ジアミノ‐6‐(3‐トリエトキシシリルプロピルイミノ)‐トリアジン) 0.4質量部、(G)クロマン系樹脂として、クマロン樹脂(商品名:ニットレジンクマロンV−120(日塗化学(株)製、軟化点120℃) 0.6質量部、シランカップリング剤として3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:Z−6883、東レ・ダウコ―ニング(株)製) 0.4質量部、離型剤として、カルナバワックス(商品名:カルナバワックス1号、東洋アドレ(株)製) 0.2質量部、安定剤として、合成ハイドロタルサイト(商品名;DHT−4C、協和化学工業(株)製) 0.3質量部、及び着色剤として、カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学(株)製) 0.3質量部を常温でミキサーを用いて混合した後、熱ロールを用いて70℃〜110℃に加熱混練し、冷却後粉砕して、樹脂組成物1を得た。
(実施例2)
(F)成分として、合成例1で得られた珪素含有トリアジン化合物 1.0質量部を用いた他は実施例1と同様にして、樹脂組成物2を得た。
(実施例3)
合成例1で得られた珪素含有トリアジン化合物 2.0質量部を用い、(G)成分のクロマン系樹脂を含有しない他は実施例1と同様にして、樹脂組成物3を得た。
(実施例4)
(A)成分のビスフェノール型エポキシ樹脂(NC−3000)の配合量を5.5質量部、(B)成分のP−d型ベンゾオキサジンを3.0質量部とした他は、実施例1と同様にして、樹脂組成物4を得た。
(比較例1)
(F)成分の珪素含有トリアジン化合物を配合しない他は、実施例1と同様にして、樹脂組成物C1を得た。
(比較例2)
(B)成分のP−d型ベンゾオキサジンを配合せず、(C)成分のビフェニルアラルキル樹脂(HE200C−10)の配合量を6.0質量部とした他は、比較例1と同様にして、樹脂組成物C2を得た。
(比較例3)
(C)成分のビフェニルアラルキル樹脂(HE200C−10)を配合せず、(B)成分のP−d型ベンゾオキサジンの配合量を6.0質量部とした他は、比較例1と同様にして、樹脂組成物C3を得た。
(比較例4)
(G)成分のクマロン樹脂(ニットレジンクマロンV−120)を配合しない他は、比較例1と同様にして、樹脂組成物C4を得た。
(比較例5)
(F)成分として、合成例2で得られた珪素非含有トリアジン化合物(2,4−ジアミノ−6−{2−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジン) 0.4質量部を用いた他は実施例1と同様にして、樹脂組成物C5を得た。
上記各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。結果を組成とともに表1に示す。
[評価方法]
(1)ガラス転移温度(Tg)
樹脂組成物を、金型温度180℃、成形圧力8.0MPa、成形時間2分間の条件でトランスファー成形して、長さ15mm×幅4mm×厚さ3mmの成形品を作製し、さらに、175℃、8時間の後硬化を行って、試験片を得た。得られた試験片について、熱機械分析装置(TMA/SS150、(株)島津製作所製)を用いて、昇温速度5℃/min、空気中で圧縮測定により分析を行い、熱機械分析(TMA)曲線を得た。得られたTMA曲線の60℃及び240℃の接線の交点における温度を読み取り、この温度をガラス転移温度(単位:℃)とした。
(2)熱時弾性率
樹脂組成物を、金型温度180℃、成形圧力8.0MPa、成形時間2分間の条件でトランスファー成形して、長さ45mm×幅4mm×厚さ3mmの成形品を作製し、さらに、175℃、8時間の後硬化を行って、試験片を得た。得られた試験片について、動的粘弾性試験装置(DMA Q800、ティーエーインスツルメント社製)を用いて、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、空気中で分析を行い、260℃における弾性率を求めた。この値を、熱時弾性率(単位:GPa)とした。
(3)プレッシャークッカー(PC)吸水率
樹脂組成物を、金型温度180℃、成形圧力8.0MPa、成形時間2分間の条件でトランスファー成形して、直径50mm、厚さ3mmの円板状の成形品を作製し、さらに、175℃、8時間の後硬化を行って、試験片を得た。得られた試験片のPC試験前(吸湿処理前)の質量と、PC試験(温度:127℃、圧力:2気圧(約0.2MPa)、相対湿度:100%RH、24時間)を行った後(吸湿処理後)の質量を測定し、試験片のPC吸水率(単位:質量%)を下記式によって算出した。
PC吸水率
={(吸湿処理後の質量−吸湿処理前の質量)/吸湿処理前の質量}×100(質量%)
(4)成形性
ICパッケージVQFP80(パッケージサイズ:14mm×14mm×1.4mm、銅(Cu)フレーム、銀(Ag)リングメッキ有り)を、樹脂組成物によって、金型温度180℃、成形圧力12.0MPa、成形時間2分間の条件でトランスファー成形した。得られた成形品3ショット分(6フレーム)の外観を目視で観察するとともに、超音波探傷装置(日立建機ファインテック(株)社製、商品名:FS300II)により内部及び外部におけるボイドの発生状況を観察した。また、カル・ランナー折れの発生の有無を調べた。これらを、以下の基準により判定した。
<外観異常・ボイド発生>
○:外観異常及びボイドの発生なし
△:直径0.5mm以下のボイドが発生
×:直径0.5mm超のボイドが発生
<カル・ランナー折れ>
○:あり
×:なし
(5)耐リフロー性
上記(4)で作製したパッケージ(VQFP80)の成形品32個に、175℃で、8時間の後硬化を行った後、30℃、相対湿度60%RH、192時間の吸湿処理を行った。その後、260℃の赤外線リフロー炉内で加熱し、冷却後、上記超音波探傷装置により、樹脂硬化物とフレームとの界面、及び樹脂硬化物と半導体チップとの界面における剥離の有無を調べ、剥離が発生した数(NG数)を計数した。
(6)温度サイクル試験(TCT)
QFP208(パッケージサイズ:28mm×28mm×2.7mm、銅(Cu)フレーム、銀(Ag)スポットメッキ有り)用のフレームに、8mm角の評価用チップ(TEGチップ)をマウントし、直径25μmの、パラジウム(Pd)でコーティングされたCuワイヤをボンディングした。次いで樹脂組成物によって、金型温度180℃、成形圧力12.0MPa、成形時間2分間の条件でトランスファー成形し、さらに、175℃、8時間の後硬化を行って試験用半導体装置を作製した。得られた試験用半導体装置を−65〜150℃の温度範囲で1000サイクルのテストを行い、OPEN不良(配線の断線による不良)の発生数を調べた(試料総数=16個)。
(7)アイランド部初期剥離試験
無電解NiメッキリードフレームのTO−247パッケージのアイランド(8.5×11.5mm)中央部に、SiCチップ(6×6×0.15mmt、表面保護膜なし)を固定し、樹脂組成物を上記条件で成形し、更に、上記条件で後硬化させ、成形品をそれぞれ10個作製した。該成形品を、超音波映像装置((株)日立製作所製、FS300II)を用いて観察し、SiCチップ周囲のアイランドと樹脂組成物との剥離の有無について確認した。アイランド部分の剥離が観察されたパッケージ数が10個中5個以上を×、4個〜3個を△、2個〜1個を○、0個を◎として判定した。3個以下を合格とした。
なお、リードフレームへのチップの固定は、無鉛はんだを用い、ギ酸 5%、窒素 95%雰囲気の中、340℃/13分環境下で行った。また、リードフレームは、樹脂組成物を成形直前に、Nordson社製プラズマクリーナAC−300を用い、60秒のアルゴンプラズマ処理を施して用いた。
(8)アイランド部高温放置後剥離試験
上記(3)にて剥離観察を行ったTO−247パッケージを、250℃で250時間放置した後、超音波映像装置((株)日立製作所製、FS300II)を用いて剥離の有無について確認した。アイランド部分の剥離面積が20%以上であったパッケージ数が10個中5個以上を×、4個〜3個を△、2個〜1個を○、0個を◎として判定した。
Figure 2019172911
Figure 2019172911
表1及び2より、実施例1〜4の樹脂組成物は、成形性に優れ、かつ高いTg、低い熱時弾性率低吸湿性及び良好なアイランド密着性を有していることが分かる。また、実施例1〜4の封止用樹脂組成物は耐リフロー性に優れ、温度サイクル試験の結果も良好であり、これを用いることにより信頼性の高い半導体装置が得られることが分かる。これに対し、比較例は、成形性、Tg、弾性率、吸湿性、耐リフロー性、温度サイクル試験およびアイランド密着性のいずれかの特性評価結果が不良であり、信頼性の高い半導体装置が得られないことが分かる。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)ベンゾオキサジン樹脂と、(C)フェノール硬化剤と、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填剤と、(F)下記一般式(1)で示される珪素含有トリアジン化合物
    Figure 2019172911
    (式中、aは3〜10の整数であり、bは0〜2の整数であり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、アルキルイミノ基、アリールイミノ基又はイミノアルキルシリル基、Rはアルキル基又はアルコキシ基、Rはアルコキシ基、を表す。)と、を含む樹脂組成物であって、
    前記(F)珪素含有トリアジン化合物は、前記樹脂組成物の全量(100質量%)に対して0.05〜2質量%含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記(B)ベンゾオキサジン樹脂が、下記一般式(2)で示されるベンゾオキサジン樹脂
    Figure 2019172911
    (式中、Xは炭素数1〜10のアルキレン基、下記一般式(3)で表される基
    Figure 2019172911
    (式中、Xaは芳香環を有する炭素数6〜30の炭化水素基であり、mは0〜6の整数である。)、−SO−、−CO−、酸素原子又は単結合であり、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。)であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(A)エポキシ樹脂及び前記(B)ベンゾオキサジン樹脂の合計量を100質量部としたとき、前記(C)フェノール硬化剤を1〜30質量部、前記(D)硬化促進剤を0.2〜8.0質量部含有し、
    前記(A)エポキシ樹脂と前記(B)ベンゾオキサジン樹脂の配合比[(A)エポキシ樹脂の配合量:(B)ベンゾオキサジン樹脂の配合量]が、質量比で1:0.2〜1:2であり、かつ
    前記(E)無機充填剤の含有量が前記樹脂組成物全体の70〜95質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)ベンゾオキサジン樹脂が有するベンゾオキサジンが開環した際に生じる水酸基に基づく水酸基当量(b)及び前記(C)フェノール硬化剤が有する水酸基当量(c)の、前記(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ基当量(a)に対する当量比[((b)+(c))/(a)]が0.7〜1.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. さらに、(G)クマロン樹脂を、前記(A)エポキシ樹脂と前記(B)ベンゾオキサジン樹脂の合計量100質量部に対して、1〜10質量部含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 基板と、該基板上に搭載された半導体素子と、該半導体素子を封止した請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物と、を有することを特徴とする半導体装置。
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