JP3436634B2 - 表面処理剤および樹脂添加剤 - Google Patents
表面処理剤および樹脂添加剤Info
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Description
ルミニウム等の金属またはガラス繊維、シリカ、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機物質と樹脂と
の接着性の改善を行うための表面処理剤、またはエポキ
シ樹脂等の樹脂の硬化反応を促進し、かつ樹脂の機械的
強度を改善するための樹脂添加剤に関する。
ール樹脂含浸基材やガラス−エポキシ樹脂含浸基材等を
加熱、加圧して銅張積層板を作成した後、エッチングし
て回路網を形成し、これに半導体装置等の素子を搭載す
ることにより作られる。
加熱、酸やアルカリ液への浸漬、レジストインクの塗
布、ハンダ付け等が行われるため、さまざまな性能が要
求される。これらの要求を満たすために、銅箔は黄銅層
形成処理(特公昭51−35711号公報、同54−6
701号公報)やクロメート処理、亜鉛または酸化亜鉛
とクロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混合物被覆処
理(特公昭58−7077号公報)、シランカップリン
グ剤処理等が検討されている。また樹脂は、樹脂や硬化
剤の種類およびその配合量を変えたり、添加剤等によっ
て上記要求特性を満足させている。また、ガラス繊維は
シランカップリング剤等の表面処理等が検討されてい
る。しかしながら、最近、プリント回路が緻密化してい
るので、使用される電子機器用のボードに要求される特
性はますます厳しくなっている。
るため銅箔のプリプレグと接着される粗化面(M面)に
はさらに低い表面粗さ(ロープロファイル)も求められ
ている。しかし、M面の表面粗さは一方ではプリプレグ
との接着にあたって、アンカー効果をもたらしているの
で、M面に対するこのロープロファイルの要求と接着力
の向上とは二律背反の関係にあり、ロープロファイル化
によるアンカー効果の低減分は別の手段による接着力の
向上で補償することが必要である。
や半導体の封止等に使われている電気絶縁用注型材料は
エポキシ樹脂のマトリックス中にシリカやアルミナ等の
無機物質を充てんした複合材料である。これらの材料に
はさまざまな電気的・機械的特性が要求されており、そ
れらの特性を満足させるためには、無機物質と樹脂の接
着性を向上させる必要がある。この対策としてシランカ
ップリング剤を樹脂中に添加したり、無機物質をシラン
カップリング剤で表面処理することが提案されている
が、さらなる樹脂/無機物質界面の改善が要求されてい
る。
に対応できる、すなわち銅、鉄鋼およびアルミニウム等
の金属またはガラス繊維、シリカ、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム等の無機物質と樹脂との接着性を向
上させることができるジメチルアミノ基を有するシラン
化合物を用いた表面処理剤または樹脂への添加剤を提供
することを目的とするものである。
た結果、前記一般式(1)に示す有機シラン化合物を金
属または無機物質に表面処理した場合、樹脂との接着性
を向上させることができ、また、エポキシ樹脂に添加し
ても硬化反応が促進され、かつ樹脂の機械的強度が改善
されることを見出した。
であり、その要旨は、 (1)有効成分が下記一般式(1)で表される有機ケイ
素化合物からなることを特徴とする表面処理剤
R2,R3,R4はそれぞれ炭素数1〜5の置換基を含
まないアルキル基、mは1〜10、nは1〜3を示す] (2)有効成分が前記(1)の化合物からなることを特
徴とするエポキシ樹脂添加剤にある。
素数が1〜5のアルキル基であるが、樹脂の硬化剤又は
硬化促進剤として、アミンが効果的に作用するために
は、炭素数が少ない方が好ましく、メチル基が好適であ
る。一方、R3,R4は炭素数が1〜5のアルキル基であ
るが、特には合成の容易性やシランの加水分解、縮合の
し易さの点からメチル基またはエチル基が好適である。
また、nは1〜3であるが、金属、無機物質や樹脂との
反応性や架橋性の高い方が接着特性が向上するため、n
は2または3が好適である。また、mは1〜10である
が、1〜5が好ましい。
記反応式(2)で表される反応により合成される。すな
わち、ジアルキルアミンとエポキシシランを80〜20
0℃に加熱した後、未反応のジアルキルアミンを除去す
ることにより製造することができる。
R2,R3,R4はそれぞれ炭素数1〜5の置換基を含
まないアルキル基、mは1〜10、nは1〜3を示す]
上記反応式(2)に使用されるエポキシシランは、グリ
シドキシアルキルトリアルコキシシラン、グリシドキシ
アルキルジアルコキシアルキルシラン、グリシドキシア
ルキルアルコキシジアルキルシランであり、グリシドキ
シアルキルトリアルコキシシランとしては、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリプロポキシシラン等が好ましい。グリシドキシア
ルキルジアルコキシアルキルシランとしては、3−グリ
シドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシ
ドキシプロピルジメトキシエチルシラン、3−グリシド
キシプロピルジエトキシメチルシラン、3−グリシドキ
シプロピルジエトキシエチルシラン等が好ましい。グリ
シドキシアルキルアルコキシジアルキルシランとして
は、3−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシラ
ン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメトキシジエチルシラ
ン、3−グリシドキシプロピルエトキシジエチルシラン
等が好ましい。
の反応モル比は、ジアルキルアミン1モルに対して、
0.1〜1倍モルのエポキシシランを反応させることに
より製造することができる。反応時間は5分〜2時間程
度で十分である。この反応は特には溶媒を必要としない
が、クロロホルム、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル等の有機溶剤を反応溶媒として用いてもよい。なおこ
の反応は、水分を嫌うので水分が混入しないように、乾
燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない気体の雰囲気
下で行うことが好ましい。
上記ジアルキルアミノ基を有する有機ケイ素化合物は、
下記反応式で示したように、OH基とSiOR基とが分
子内および分子間で反応し、環状化合物やオリゴマーが
若干生成する。
ー等の既知の手段によって単離されうるが、表面処理剤
や樹脂の添加剤として用いる場合には、これらの化合物
は必ずしも単離する必要がなく、混合物のまま用いるこ
とが簡便で好ましい。
イ素化合物を金属または無機物質の表面処理剤として用
いる場合、その金属または無機物質にはとくに制限がな
い。例えば、金属では、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛等
またはそれらの合金、無機物質ではガラス繊維、シリ
カ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸バリウム、タルク等である。表面処理
は、そのまま塗布してもよいが、水、メタノール、エタ
ノール、アセトン、酢酸エチル、トルエン等の溶剤で
0.001〜20重量%になるように希釈し噴霧する
か、この液に金属または無機物質を浸漬させる方法で塗
布することが簡便で好ましい。
イ素化合物は単独で用いてもよいが、他のシランまたは
チタネートカップリング剤、防錆剤と混合して用いても
よい。
化合物を樹脂添加剤として用いる場合、その樹脂には特
に制限がなく、熱可塑性でも熱硬化性でもよいが、特に
はエポキシ樹脂に添加すると硬化剤または硬化促進剤と
して効果的に作用し、本発明の効果を十分に発揮するこ
とができる。本化合物は樹脂にそのまま添加してもアル
コール系、芳香族系、脂肪族系有機溶剤等に溶解して添
加してもよい。添加量は樹脂100に対して0.001
〜50添加すれば本発明の効果を十分発揮できる。
イ素化合物は、硬化剤、シランカップリング剤、可塑剤
等の添加剤等と併用してもよい。
キシシランとの反応)
l)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1
7.3g(0.07mol)を窒素雰囲気にしたオート
クレーブ中に入れ、150℃で1時間加熱した。反応
後、反応混合物中の過剰のジメチルアミンをエバポレー
ターにより除去し、ジメチルアミノ基を有するシラン化
合物19.9gを得た。得られた化合物は1H−NM
R、13C−NMR、FT−IRにより同定した。これら
の結果を図1〜3に示す。
4P、日本テストパネル製、厚さ1.6mm、25×1
00mm)を上記ジメチルアミノ基を有する有機ケイ素
化合物の0.4%メタノール溶液に浸漬した後、ドライ
ヤーで乾燥することにより表面処理を行った。このアル
ミ合金板2枚をエポキシ樹脂組成物(エピコート828
(油化シェルエポキシ製):100部、硬化剤としてH
N−2200(メチルテトラヒドロ無水フタル酸、日立
化成製):80部、硬化促進剤として2−エチル−4−
メチルイミダゾール(四国化成製):1部、硬化条件は
100℃で1時間後、150℃で1時間)により接着
し、JIS K6850に準じて引っ張りせん断接着試
験を行った。その結果を表1に示す。また比較として未
処理のアルミ合金板、0.4% 3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランまたは0.4% 3−アミノプ
ロピルトリメトキシシランのメタノール溶液で処理した
アルミ合金板についても同様に評価した。その結果を表
1に併せて示した。
gをメタノール30gに溶解し、0.1NHCl 3滴
を添加混合し、1時間攪拌して、有機ケイ素化合物を加
水分解した後、水酸化アルミニウム粉末(ハイジライト
H−43M、昭和電工製)30gとメタノール70gを
添加し、さらに1時間攪拌した。エバポレーターによっ
てメタノールを除去した後、100℃、1時間減圧乾燥
器中で乾燥されることにより、1%ジメチルアミノ基を
有する有機ケイ素化合物で処理した水酸化アルミニウム
粉末を作成した。
粉末0.5gとエポキシ樹脂組成物(エピコート82
8:100部、HN−2200:80部)1.0gを混
合し、DSC(示差走査熱量測定)により硬化反応性を
分析した結果(図4参照)、170℃付近に発熱ピーク
が現れた。また比較として未処理の水酸化アルミニウム
粉末0.5gとエポキシ樹脂組成物(エピコート82
8:100部、HN−2200:80部)1.0gを混
合し同様にDSC分析した(図5参照)。その結果、2
10℃付近に発熱ピークが現れ、上記ジメチルアミノ基
を有する有機ケイ素化合物で表面処理した水酸化アルミ
ニウム粉末は硬化促進作用を有することが確認された。
において、上記ジメチルアミノ基を有する有機ケイ素化
合物を0.03gとした以外は上記と同条件で行い、
0.1%ジメチルアミノ基を有する有機ケイ素化合物で
処理した水酸化アルミニウム粉末を作成した。
ウム粉末1.0gとエポキシ樹脂組成物(エピコート8
28:100部、HN−2200:80部、2−エチル
−4−メチルイミダゾール:1部)1.8gを混合し、
未処理のアルミ合金板2枚を接着し(硬化条件:100
℃で1時間後、150℃で1時間)、JIS K685
0に準じて引っ張りせん断接着試験を行った。その結果
を表2に示す。また比較として未処理の水酸化アルミニ
ウム粉末および0.1%3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランで処理した水酸化アルミニウム粉末につ
いても同様に評価した。その結果を表2に併せて示し
た。
N−2200:80部)1.8gに対して、上記ジメチ
ルアミノ基を有する有機ケイ素化合物0.01gを添加
して、DSC分析した(図6参照)。その結果、150
℃付近に発熱ピークが確認された。また比較として、上
記ジメチルアミノ基を有する有機ケイ素化合物を添加し
ないエポキシ樹脂組成物についても同様にDSC分析し
たところ(図7参照)、明瞭な発熱ピークが得られなか
った。以上の結果より、上記ジメチルアミノ基を有する
有機ケイ素化合物は樹脂に添加した場合、硬化促進作用
を有することが確認された。
組成物(樹脂組成はエピコート828部::100部、
HN−2200:80部、上記ジメチルアミノ基を有す
る有機ケイ素化合物:1部、硬化条件は100℃で1時
間後、150℃で1時間)により接着し、JIS K6
850に準じて引っ張りせん断接着試験を行った。その
結果を表3に示す。また比較としてエポキシ樹脂組成物
中の上記ジメチルアミノ基を有する有機ケイ素化合物:
1部を2−エチル−4−メチルイミダゾール:1部に変
えて同様に評価した。その結果を表3に併せて示した。
素化合物は金属および無機物質の表面処理剤としてこれ
らと樹脂との接着性を向上させ、また、樹脂添加剤とし
て硬化反応を促進させる作用を有し、金属と樹脂との接
着性を改善することができる。
MR、
ルミニウムとエポキシ樹脂組成物との混合物のDSC分
析の結果を示す図、
DSCの分析結果を示す図。
組成物のDSC分析の結果(実施例3)を示す図、
C分析の結果(実施例3)を示す図、
Claims (3)
- 【請求項1】有効成分が下記一般式(1)で表される有
機シランからなることを特徴とする表面処理剤。 【化1】 [ただし、一般式(1)において、R1,R2,R3,
R4はそれぞれ炭素数1〜5の置換基を含まないアルキ
ル基、mは1〜10、nは1〜3を示す] - 【請求項2】一般式(1)においてR 1 ,R 2 がメチル
基,R 3 ,R 4 がメチル基またはエチル基である請求項
1記載の表面処理剤。 - 【請求項3】有効成分が請求項1記載の有機シランから
なることを特徴とするエポキシ樹脂添加剤。
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---|---|---|---|
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