JP2002241585A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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Abstract
ポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 リードフレームを用いた半導体装置の封
止用エポキシ樹脂組成物において、該リードフレームに
用いたメッキ液に含まれる元素のうちC、O、H以外の
元素を1種以上含むシランカップリング剤を必須成分と
することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。
Description
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半
導体装置に関するものである。
としてエポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コ
スト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年
の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向にお
いて、半導体素子の高集積化が年々進み、又半導体装置
の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきてい
る。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では解決
出来ない問題点も出てきている。その最大の問題点は、
表面実装の採用により半導体装置が半田浸漬、あるいは
リフロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、
吸湿した水分が爆発的に気化する際の応力により、半導
体装置にクラックが発生し、半導体素子、リードフレー
ム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分と
エポキシ樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が生じ信頼
性が著しく低下する現象である。
に、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の充填量を増加
させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し
耐半田性を向上させるとともに、低溶融粘度の樹脂を使
用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法が
一般的となりつつある。一方、半田処理後の信頼性にお
いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部に
存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界面
の接着性は非常に重要になってきている。界面での接着
力が弱いと半田処理後の基材との界面で剥離が生じ、更
にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発生す
る。従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロ
キシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリ
ング剤がエポキシ樹脂組成物中に添加されてきた。しか
し近年、実装時のリフロー温度の上昇や、鉛フリーハン
ダに対応しNi、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプ
リプレーティングフレームの出現等、益々厳しくなって
いる耐半田性に対する要求に対して、これらのシランカ
ップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
田処理においてクラックや基材との剥離が発生しない耐
半田性に優れるエポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を
提供するものである。
フレームを用いた半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成
物において、該リードフレームに用いたメッキ液に含ま
れる元素のうちC、O、H以外の元素を1種以上含むシ
ランカップリング剤を必須成分とすることを特徴とする
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、[2]シランカップ
リング剤が、N及び/又はSを含んでいる第[1]項記
載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、[3]Nを含む
シランカップリング剤が、アミノ基を含むシランカップ
リング剤であり、Sを含むシランカップリング剤が、メ
ルカプト基、テトラスルファン基、ジスルファン基のう
ちの1種以上の構造を含むシランカップリング剤である
第[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[4]リードフレームが、Ni、Pd、Auから選ばれ
る1種以上をメッキしたものである第[1]、[2]、
又は[3]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[5]第[1]〜[4]項記載のいずれかのエポキシ樹
脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴
とする半導体装置、である。
リング剤は、半導体装置に使用するリードフレームに用
いたメッキ液に含まれる元素のうちC、O、H以外の1
種以上の元素を含むものであれば、特に限定されるもの
ではなく、又、C、O、Hが存在していてもよい。これ
らのシランカップリング剤は単独でも2種類以上を併用
して用いてもよい。なお、本発明では、リードフレーム
の素材やタイプ、メッキ液、メッキ工程の順序等は、特
に限定されるものではない。リードフレームの表面に
は、付着水や結合水等に由来する水酸基、酸化被膜の
O、有機成分を主とした汚れに由来するCが存在するこ
とが普通である。又一般的なシランカップリング剤は、
シラノール基と金属表面の水酸基やO及び金属そのもの
と化学結合をすることで接着性を付与するという目的で
エポキシ樹脂組成物に添加されるが、主として金属表面
の水酸基との反応性を狙ったものが用いられる。銅製リ
ードフレームには、耐熱性や加工性の付与のために表層
にCuのストライクメッキ、ワイヤボンディング性向上
のためにAgメッキ、鉛フリー半田に対応するためにN
iやPd、更に半田との濡れ性を改善するためにAuと
いった金属をメッキすることが一般的である。42アロ
イフレームにおいても同様にワイヤボンディング性向上
のためにAgメッキをすることが一般的である。これら
のメッキ付けにはメッキ液による化学反応を用いている
ため、リードフレーム表面にはメッキ液に含まれる元素
が残る。これらの元素のうち、C、O、Hについては、
メッキを行わないフレーム上にも元々存在する元素であ
るため問題ないが、これ以外の元素が残ると本来の金属
表面とは性質が変わり、樹脂との親和性が低下し濡れ性
を悪化させ、フレーム表面の水酸基とシランカップリン
グ剤の十分な反応が行えず期待通りの効果が得られな
い。
メッキ液に含まれる元素のうち、C、O、H以外の元素
を1種以上含むシランカップリング剤を用いると、シラ
ンカップリング剤自身にリードフレーム表面に存在する
元素と同一の元素が含まれるため、フレーム表面との親
和性が増し濡れ性が向上することで金属表面の水酸基と
の反応が起こり易くなり、エポキシ樹脂組成物との接着
性が発現する。本発明のリードフレームに用いたメッキ
液に含まれる元素のうち、C、O、H以外の元素につい
ては、例えば、Auメッキ、Agメッキの場合、一般的
にはメッキ液にシアン化合物が用いられることによりN
が、Niメッキの場合、一般的にはスルファミン塩が用
いられることによりSが、Pdメッキの場合、一般的に
はアンモニウム塩が用いられることによりNが、リード
フレーム表面に残る。Cuメッキの場合、一般的にはシ
アン化合物若しくは硫酸塩が用いられることにより、N
又はSがリードフレーム表面に残るが、ここに挙げた金
属のメッキ、及び元素だけに限定されるものではない。
Pd及びAuをメッキしたプリプレーティングフレーム
の場合、特に最表層にあるAuは、化学的に安定であ
り、水酸基やOといったシランカップリング剤と反応し
得る元素が少ないという特徴がある。そのため、本発明
のリードフレームに用いたメッキ液に含まれる元素のう
ちC、O、H以外の元素を1種以上含むシランカップリ
ング剤の中でも、特にリードフレーム表面の水酸基とだ
けではなく、金属表面自体、すなわちAuやPd等とも
反応するものを用いる必要がある。この様なシランカッ
プリング剤としては、アミノ基、ウレイド基、イソシア
ネート基といったNを含むものと、メルカプト基、テト
ラスルファン基、ジスルファン基をといったSを含むも
のが挙げられ、これらN及び/又はSを含むシランカッ
プリング剤を併用することで効果が発揮される。すなわ
ち、本発明のシランカップリング剤としては、N及び/
又はSを含んでいるものが好ましく、例えば、Nを含む
ものとして、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
といったアミノ系シランカップリング剤、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシランといったウレイド系シラン
カップリング剤、3−イソシアナートプロピルトリメト
キシシランといったイソシアネート系シランカップリン
グ剤や、Sを含むものとして、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシリルプロ
ピル)ジスルファン、ビス(3−トリエトキシプロピ
ル)テトラスルファンといったS含有系シランカップリ
ング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。更に、Nを含むシランカップリング剤が、アミノ
基を含むシランカップリング剤であり、Sを含むシラン
カップリング剤が、メルカプト基、テトラスルファン
基、ジスルファン基のうちの1種以上の構造を含むシラ
ンカップリング剤であることがより好ましい。
ランカップリング剤と併用してもよい。併用できるシラ
ンカップリング剤としては、1分子中にアルコキシシリ
ル基と、エポキシ基等の有機官能基を有するシラン化合
物全般を指し、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有する
シラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有す
るシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキ
シシラン等のメタクリル基を有するシラン等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。これ
らのシランカップリング剤は単独でも2種類以上併用し
て用いてもよい。
ルコキシ基の一部又は全部を加水分解して得られた加水
分解物をエポキシ樹脂組成物に添加してもよい。この場
合、予めアルコキシ基が加水分解されているため、無機
充填材や各種基材表面の水酸基と容易に水素結合あるい
は共有結合を形成し、耐半田性を向上させることが可能
となる。加水分解の方法としては、特に限定するもので
はないが、例えば、本発明のシランカップリング剤と純
水を混合し、混合物が2層に分離しなくなるまで十分攪
拌混合する方法等が挙げられる。
成物中にインテグラルブレンドによって混合されるが、
本発明のシランカップリング剤の全部又は一部を加水分
解して得られた加水分解物は、予めエポキシ樹脂やフェ
ノール樹脂の全部又は一部に加熱混合してもよい。本発
明のシランカップリング剤を予め樹脂成分に加熱混合し
たものを用いることにより、エポキシ樹脂組成物の成形
時に各種基材との界面に効率的に移行し易くなる。
機充填材表面に存在することにより、無機充填材とエポ
キシ樹脂組成物中の有機成分を化学的に結合させ、無機
充填材と有機成分との界面の接着性の向上に有効である
と考えられる。このように無機充填材と有機成分との界
面の接着性を向上させるためには、本発明のシランカッ
プリング剤が無機充填材表面に存在すること、より好ま
しくは吸着又は固定化していることが必要で、このた
め、本発明のシランカップリング剤の全部又は一部を加
水分解して得られた加水分解物で無機充填材表面を処理
すると、界面の接着性が向上するので、熱時強度や耐半
田性の向上に効果がある。本発明のシランカップリング
剤を無機充填材表面に処理する方法としては、例えば、
攪拌している無機充填材にシランカップリング剤、或い
はそのアルコール溶液等を噴霧し、更に攪拌を行った
後、室温に放置したり、或いは加熱することにより表面
処理した無機充填材を得る方法等を挙げることができ
る。又、無機充填材の表面処理に用いる他に、本発明の
シランカップリング剤をインテグラルブレンド又は樹脂
成分と予め加熱混合する手法とを併用しても良い。
は、分子内にエポキシ基を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノール
メタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキ
シ樹脂(フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格等
を含む)、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキル変性ト
リフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有
エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型
エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらのエポキシ樹脂は単独でも2種類以
上併用して用いてもよい。これらの内では、常温では結
晶性の固体であるが、融点を越えると極めて低粘度の液
状となり、無機充填材を高充填化できるものが好まし
く、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げ
られる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリ
シジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル等
が挙げられる。その他のエポキシ樹脂も極力粘度の低い
ものを使用することが望ましい。又、耐湿信頼性向上の
ために、エポキシ樹脂中に含まれる塩素イオン、ナトリ
ウムイオン、その他フリーのイオンは、極力少ないこと
が望ましい。
は、分子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テルペン変
性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂(フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨
格等を含む)、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン
骨格及び/又はビフェニレン骨格等を含む)等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらのフ
ェノール樹脂は単独でも2種類以上併用して用いてもよ
い。又、耐湿信頼性向上のために、フェノール樹脂中に
含まれる塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フリー
のイオンは、極力少ないことが望ましい。全エポキシ樹
脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸
基との当量比としては、好ましくは0.8〜1.5、特
に好ましくは0.9〜1.3である。0.8〜2.0の
範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下する可能
性がある。
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム等が挙げ
られ、これらは単独でも2種類以上併用して用いてもよ
い。特に溶融球状シリカが好ましい。形状は限りなく真
球状であることが好ましく、又、粒子の大きさの異なる
ものを混合することにより充填量を多くすることができ
る。無機充填材の含有量としては、全エポキシ樹脂組成
物中に65〜94重量%が好ましい。65重量%未満だ
と無機充填材による補強効果が十分に発現せず、かつ吸
湿要因である樹脂成分の含有量が多くなるので、エポキ
シ樹脂組成物の硬化物の吸湿量が増大してしまい、半田
処理時に半導体装置にクラックが発生しやすくなる可能
性がある。94重量%を越えると、エポキシ樹脂組成物
の流動性が極端に低下し、成形時に充填不良やチップシ
フト、パッドシフト、ワイヤースイープが発生し易くな
る可能性がある。
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進
するものであればよく、例えば、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2
−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
硬化促進剤は単独でも2種類以上併用して用いてもよ
い。
ップリング剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充
填材、硬化促進剤の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹
脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビス
マス水和物等の無機イオン交換体、カーボンブラック、
ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴ
ム等の低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級
脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型
剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、シランカップリング
剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填材、硬化
促進剤、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて混合
後、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導
体装置を製造するには、トランスファーモールド、コン
プレッションモールド、インジェクションモールド等の
成形方法で硬化成形すればよい。特に本発明のエポキシ
樹脂組成物は、Ni、Pd、Auから選ばれる1種以上
をメッキしたリードフレームを用いた半導体装置や、L
QFP、TQFP等の薄型のリードフレームを用いた半
導体装置に好適である。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。配合単
位は重量部とする。 実施例1 ビス(3−トリエトキシリルプロピル)ジスルファン 0.1重量部 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.2重量部 ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、融点105℃) 6.0重量部 フェノールアラルキル樹脂1(フェニレン骨格を含む。水酸基当量174、軟 化点75℃) 5.9重量部 溶融球状シリカ 87.1重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUという) 0.2重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.3重量部 をミキサーを用いて混合した後、ロールを用いて加熱混
練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得ら
れたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果
を表1に示す。
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.9MPa、硬化時間120sで測定した。
単位はcm。 熱時強度:240℃での曲げ強さをJIS K 691
1に準じて測定した。単位はN/mm2。 耐半田性:100ピンTQFP(パッケージサイズは1
4×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップサイズ
は8.0×8.0mm、リードフレームはCu製リード
フレームにNi−Pd−Auの順にメッキをしたもの、
又はCu製リードフレームにCuのストライクメッキを
したものとの2種類)を金型温度175℃、注入圧力
9.8MPa、硬化時間120sでトランスファー成形
し、175℃、8時間で後硬化させた。得られたパッケ
ージ各10個を85℃/相対湿度85%/168時間、
又は85℃/相対湿度60%/168時間の2水準で処
理後、それぞれを260℃の半田槽に10秒間浸漬し
た。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発生率
[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)
×100]を%で表示した。又、超音波探傷装置を用い
てチップとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の
割合を測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)
×100]として、10個のパッケージの平均値を求
め、%で表示した。又、用いたリードフレームにおける
C、O、H以外のメッキ液由来の元素を表2に示した。
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。なお、実施例1以外で用いたシランカップリ
ング剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、溶融混合物、
表面処理した無機充填材の詳細を以下に示す。オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量19
6、軟化点55℃)、フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂(ビフェニレン骨格を含む。エポキシ当量272、
軟化点58℃)、フェノールアラルキル樹脂2(ビフェ
ニレン骨格を含む。水酸基当量200、軟化点65
℃)、フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、
軟化点105℃)。
シ樹脂22重量部とフェノールノボラック樹脂11重量
部を120℃で完全に溶融混合させた後、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランを0.2重量部加えて溶
融混合物Aを得た。
で攪拌しながら、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン0.2重量部を滴下し加えた。そのまま攪拌を1
5分間継続した後、150℃で3時間加熱し、処理シリ
カAを得た。 (処理シリカB)溶融球状シリカ99.6重量部をミキ
サーで攪拌しながら、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン0.4重量部を滴下し加えた。そ
のまま攪拌を15分間継続した後、室温で8時間放置
し、処理シリカBを得た。 (処理シリカC)溶融球状シリカ99.6重量部をミキ
サーで攪拌しながら、γ−グリシジルプロピルトリメト
キシシラン0.4重量部を滴下し加えた。そのまま攪拌
を15分間継続した後、室温で8時間放置し、処理シリ
カCを得た。
られた半導体装置は、熱時強度に優れ、特に半田処理後
に剥離がなく耐半田性にも優れる。
Claims (5)
- 【請求項1】 リードフレームを用いた半導体装置の封
止用エポキシ樹脂組成物において、該リードフレームに
用いたメッキ液に含まれる元素のうちC、O、H以外の
元素を1種以上含むシランカップリング剤を必須成分と
することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項2】 シランカップリング剤が、N及び/又は
Sを含んでいる請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項3】 Nを含むシランカップリング剤が、アミ
ノ基を含むシランカップリング剤であり、Sを含むシラ
ンカップリング剤が、メルカプト基、テトラスルファン
基、ジスルファン基のうちの1種以上の構造を含むシラ
ンカップリング剤である請求項2記載の半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 リードフレームが、Ni、Pd、Auか
ら選ばれる1種以上をメッキしたものである請求項1、
2、又は3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載のいずれかのエポキシ
樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特
徴とする半導体装置。
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JP2001041071A JP4830202B2 (ja) | 2001-02-19 | 2001-02-19 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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