JP2002506279A - 低熱容量で、熱伝導性の加熱プレートを含む加熱/冷却装置 - Google Patents

低熱容量で、熱伝導性の加熱プレートを含む加熱/冷却装置

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JP2002506279A
JP2002506279A JP2000535180A JP2000535180A JP2002506279A JP 2002506279 A JP2002506279 A JP 2002506279A JP 2000535180 A JP2000535180 A JP 2000535180A JP 2000535180 A JP2000535180 A JP 2000535180A JP 2002506279 A JP2002506279 A JP 2002506279A
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エイチ. アームストロング,キース
ジー. ケンプ,ケビン
(フランク) リアング,ファクイ
ラマナン,ナタラジャン
Original Assignee
エフエスアイ インターナショナル インコーポレイテッド
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    • HELECTRICITY
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    • H01L21/67103Apparatus for thermal treatment mainly by conduction

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Abstract

(57)【要約】 個別の加熱機構及び冷却機構の間で加工品を持ち上げおよび移送することなしで、例えば、0℃〜350℃の広い温度範囲にわたり温度/時間プロフィルを介して加工品(12)を急速に循環可能にするシステムおよび方法。本発明は、加熱および冷却の両方の作業工程中に、低熱量で、熱導電性の加熱部材(20)を用いてマイクロエレクトロニクスデバイス等の部品を支持するという概念に一部分基づいている。加工品を一面側で支持している間、加熱部材の他の面は、比較的熱容量が大きい冷却プレート(26)と熱的に接触または非接触となり、加熱と冷却の作業を切換えることができる。急速に加熱を完了するために加熱部材と冷却プレート(26)を物理的に分離させ、また急速に冷却を完了するために加熱部材(20)と冷却プレートを接合させる単純な機構が必要とされる。この処理法は、加熱部材から別の冷却プレートへマイクロエレクトロニクスデバイスを持ち上げおよび移送するための、加工品の処理機構に頼る必要が完全になくなる。これは、また、マイクロエレクトロニクスデバイスを下側から加熱と冷却の両方を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、好ましくは、少なくとも1つの加熱工程および少なくとも1つの冷
却工程の両方またはいずれか一方を含んでいる温度プロフィルを介して加工品を
処理するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】 特に、本発明は、温度プロフィルを介して加工品を処理する加熱/冷却装置に
監視、この温度プロフィルは、第1平衡温度から所望の他の平衡温度にシフトす
るとき、迅速な応答により、一般的に、1つ以上の正確に平衡な温度に加工品を 保持することを含んでいる。
【0003】 (背景技術) 多くの製品の製造では、温度および温度変化に対して正確な制御が必要とされ
る。例えば、集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜ヘッド、および類似
物等のマイクロエレクトロニクスデバイスの製造では、(集積回路の場合では、
半導体ウエハ等の)基板の表面上にフォトレジスト等の材料の層を付加する工程
を含んでいる。特に、フォトレジストは、加熱され、その後の処理中において、
フォトレジストの選択された部分を固定または硬化するために冷却されなければ
ならない。この加熱と冷却工程は、フォトレジストの選択された部分が適正に良
好な解像度で固定されるように、苛酷な温度の制約条件の範囲内で正確に制御さ
れなければならない。
【0004】 苛酷な温度の制約条件を含む他の製品および処理法は、薬品の調合、機器の殺
菌、およびバイオエンジニアリングを含む医薬品と処理法、加速したライフテス
ト処方、射出成形作業、圧電素子、写真フィルム処理、スパッタリングおよび表
面処理等の材料蒸着法、マイクロマシン製造、インクジェットプリント、燃料射
出、および類似物を含んでいる。
【0005】 マイクロエレクトロニクスデバイス用の加熱および冷却作業は、加工品が高い
平衡温度に維持され、比較的低い平衡温度に冷却され、および平衡温度間の変化
率(時間に対する温度に基づいて)による温度変化を受ける、所望の温度プロフ
ィルを介して加工品を循環させることを一般的に含んでいる。加熱および冷却工
程を完了するために、公知の加熱/冷却作業は、加工品の搬送機構を使用するこ
とが必要とされた個別の加熱プレートおよび冷却プレートを含み、加工品それ自
体を1つのプレートから他のプレートに物理的に持ち上げかつ移動することを含
んでいた。
【0006】 この方法は、多数の欠点を有する。第1に、加熱プレートおよび冷却プレート
間の移送中に、加工品温度は制御されない。第2に、各々のプレートへ加工品を
移動させるために必要な時間が可変するので加熱/冷却処理を完了するのに必要
な全体の時間を正確に制御することができない。第3に、必要とされる移動に時
間がかかり、その結果、製造工程の処理能力が低下する。第4に、プレートから
プレートへの移送中、加工品を処理するための特別の構成部品が必要となるので
、必要以上に設備の費用が高くなる。第5に、プレート間の機械的移動は、加工
品の汚染が起こる可能性を導く。このように、加熱プレートから個別の冷却プレ
ートにわたってかつその逆に、加工品自体を物理的に持ち上げかつ移送すること
なしで、加熱と冷却の両方を達成できることが望ましい。
【0007】 一般的に、加熱操作は、加工品を特定の上昇した平衡温度にまで加熱し、さら
に、定められた時間周期に対する特定の平衡温度に加工品を維持することを含ん
でいる。この製造処理の処理能力は、加工品を平衡温度にまで加熱することがで
きる温度変化率によって影響を受ける。なだらかな温度勾配の変化率は、平衡温
度に到達する時間が長くかかり、それゆえ、製造処理能力が低下する。同様に、
一般的な冷却操作は、加工品を比較的高い温度から比較的低い冷却平衡温度にま
で冷却する動作を含んでいる。さらに、冷却を完全にするために、ゆっくりとし
た冷却速度で長い時間をかける必要がある。それゆえ、また、製造処理能力が低
下する。
【0008】 したがって、製造処理能力を改善するために、加熱/冷却中、加工品温度を変
化させて、加工品をより早く加熱平衡温度または冷却平衡温度を生じさせること
ができるように温度変化率を増加させることが望ましい。加熱および冷却中に加
工品の温度を変化させる速度を正確に制御できるようにすることが望ましい。
【0009】 加熱および冷却の変化率が増加したとしても、加工品製造のための正確な温度
仕様が満足なものとなるようにするために、加熱/冷却処理の全体にわたり加工
品の温度を正確に制御することが依然として必要となる。例えば、冷却と加熱の
両方またはいずれか一方の温度変化率を1℃/s〜50℃/s程度の速さ、好ま
しくは、5℃/s〜15℃/s程度の速さが用いられる場合、この制御方法は、
このような急速な温度変化を伴う同一基準で加工品の温度を十分に制御すること
ができるように鋭敏である必要がある。加熱制御のために使用されるこれまでの
現在の制御手法は、このような能力を有する加熱/冷却ステーションに対して遅
れないようにできる一般的に必要な機敏性に欠けている。
【0010】 マイクロエレクトロニクスデバイスの製造に関して,最近の例では、比較的大
きくて重い加熱プレートを用いている。この加熱プレートは、一般的に、比較的
長い時間間隔、例えば、1つの温度から変化させ、さらに、新しい温度に平衡す
るために30分までの時間を必要とする。従って、加熱温度を変える各時間をそ
う長く待たないように、最近の例では、異なる平衡温度に設定された多数の加熱
プレートと、1つの加熱プレートから次の加熱プレートへ、かつ固定の、緩やか
な温度勾配の変化率で、加工品を移送するための加工品ハンドラーを用いている
【0011】 (発明の開示) 本発明は、広い温度範囲、例えば、0℃〜350℃にわたる温度/時間プロフ
ィルを介して、個別の加熱および冷却機構の間に加工品を持ち上げ上げかつ移送
することなく、加工品の急速なサイクルを可能にするシステムおよび方法を提供
する。
【0012】 本発明のシステム及び方法は、フラットパネルディスプレイ、コンピュータ用
ディスク駆動装置の薄膜ヘッド、及び半導体素子等の加工処理用マイクロエレク
トロニクスデバイス;薬品の調合、機器の殺菌、およびバイオエンジニアリング
を含む医薬品と処理法;加速したライフテスト処方;射出成形作業;圧電素子;
写真フィルム処理;スパッタリングおよび表面処理等の材料蒸着法;マイクロマ
シン製造;インクジェットプリント;燃料射出、および類似物を含んでいる。
【0013】 好ましくは、本発明のシステムと方法は、マイクロエレクトロニクスデバイス
の処理のために使用される。これに関して、加熱/冷却装置の形をした本発明の
実施形態は、ミネソタ州、チャスカのFIS インターナショナル社によって製
造されたマイクロリソグラフィークラスター(microlithography cluster)ポラリ
ス アールティエム(POLARIS.RTM.)内に包含される構成部品とし
て特に有益である。
【0014】 このPOLARIS.RTM.マイクロリソグラフィークラスターは、半導体
ウエハ基板上に形成される集積回路を製造するために複数のワークステーション
を含むツールクラスターである。POLARIS.RTM.マイクロリソグラフ
ィークラスターの特徴は、「POLARIS.RTM.2100/2200マイクロリソ
グラフィークラスター製品仕様書、506026−001 改訂A 1996年11月1日」に記
載されており、この開示内容は、参考として、ここに含まれる。
【0015】 本発明は、温度プロフィル、加熱平衡温度、および冷却平衡温度の正確で、柔
軟な規格を可能にする。例えば、システムが、半導体ウエハ基板(ここでは、半
導体素子としても呼称する。)上に形成される集積回路を処理するのに用いられ
るとき、加工品間の温度は、平衡状態で0.2℃以内に均一に制御することができ 、また、加工品の平均温度を所定時間にわたって0.01℃以内に制御することがで
きる。このシステムは、驚くほど単純構成であり、かつ加熱/冷却の能力と性能
において実質的な改善をもたらす。
【0016】 本発明は、低い熱容量で、熱伝導性を有する加熱プレートを用いて、加工およ
び冷却作業中、半導体素子等の加工品を支持するという概念に一部分基づいてい
る。加工品を1つの表面で支持している間、加熱プレートの他方の表面は、加工
および冷却作業の間、容易に切換えて、比較的熱容量の大きい冷却プレートと熱
的に接触したり引き離したりすることができる。単純な機構とは、加熱プレート
と冷却プレートを物理的に引き離して急速加熱を達成するか、または加熱プレー
トと冷却プレートを接触させて急速冷却を達成するかのいずれかが必要となるだ
けである。この手法は、加熱プレートから、離れた冷却プレートへ半導体素子を
持ち上げたり移動したりするために、加工品のハンドリング機構に頼る必要を完
全になくす。この手法は、また、半導体素子の下側の方向から冷却および加熱の
両方を行なうことを可能にする。
【0017】 好ましい実施形態では、加熱プレートは、冷却中、冷却プレートの上部にあり
、場合によっては、加熱中に、これらの構成部品の1つまたは両方を上昇したり
下降したりして、これらを分離する。加熱および冷却状態の切換は、非常に迅速
に、例えば、1秒以下の時間で、せいぜい2秒以内で行なうことができる。
【0018】 加熱プレートは、好ましくは、非常に薄板の形式で、対向する主表面を有し、
かつその熱出力を制御できる加熱部材で作られている。この種の加熱プレートの
低熱容量は、加熱および冷却中に利点を与える。冷却時に、加熱プレートが冷却
プレートと熱的に接触した状態に置かれるとき、冷却プレートの冷却効果は、加
熱プレートからの熱伝導を介して半導体素子に迅速に分け与えられる。その結果
、加工品は、加熱プレートから加工品を物理的に移動したり、加工品を冷却プレ
ートの上方に移送することなしに、加熱プレートを介して直に冷却される。
【0019】 加熱中、低熱容量の加熱プレートは、1℃/s〜50℃/s程度の速さ、好ま
しくは、5℃/s〜15℃/s程度の速さの温度変化率を達成することが可能で
ある。このように、温度応答が速くなるばかりでなく、加熱中の温度プロフィル
が所望数の温度ステップで形成することができ、温度勾配に対して顕著な柔軟性
と正確さを備えることができる。
【0020】 好ましい実施形態において、本発明は、ダイナミック「冷却ブースト」手法を
用いており、それにより急速冷却、あるいは加工品を所望の冷却平衡温度または
加熱平衡温度に熱する。冷却に関連して本発明を実施する特別の好ましいモード
によれば、この「冷却ブースト」は、さらに、加熱プレートが冷却プレートと熱
的接触している間、加熱プレートの出力を減少させることにより、非常に簡単で
かつ正確に、冷却を停止して加工品を所望の平衡温度に維持することを含んでい
る。
【0021】 冷却または加熱中、事情に応じて、加工品温度は動的に監視され、所望の平衡
温度に達した時、付加的な冷却や加熱を停止することができる。この「冷却ブー
スト」手法は、通常の手法と比較して、約33%程度、処理時間を短縮するだけ
でなく、また加工品を正確に既知の温度に留めることができる。
【0022】 また、好ましい実施形態において、加熱プレートは、フレーム部材、例えば、
半導体素子を処理する場合に、加熱および冷却中、加工品の回りを囲む環状のフ
レームを含むようにしてもよい。フレーム部材は、多くの利点を有する。第1に
、加工品は、フレーム部材の内部空間内にはめ込まれ、これにより加熱プレート
に設けられた下側加熱ゾーンに正しく位置決めるのに役立つ。しかし、さらに重
要なことは、フレーム部材が熱の均一性を非常に向上させ、これにより、加工品
が加熱されまたは冷却される。例えば、加熱プレートの加熱ゾーンが、フレーム
部材と加工品の両方を横たえるのに十分なほど大きいとき、フレーム部材は、加
熱プレートからの熱を分配し、かつ加工品のエッジ部分の回りに起こる熱の変動
を均等にするのを助ける。特に、熱における不均一性は、フレーム部材が備えら
れていない場合には、加工品のエッジよりもフレーム部材の外側周辺の回りに起
こる傾向にある。また、フレーム部材は、加工品のエッジから失われる熱の対流
を減少させるのに役立つ。フレーム部材の熱容量は、不均一な熱効果を減少させ
、さもないと加工品の直径における変動により熱の不均一が生じることになる。
【0023】 更なる利点として、フレーム部材は、加熱/冷却動作の全範囲にわたり予測で
きる方法で、フレーム部材と加工品の上部表面の温度が互いに一致するように形
作ることができる。その結果、フレーム部材の温度は、加工品の温度を監視する
ために、間接的に、便宜的な、正確度の高い方法として監視することができる。
【0024】 本発明は、また、加熱処理および冷却処理にわたり、正確で鋭敏な制御を与え
る多数の革新的な特徴を含む制御装置に関する。特に、この制御装置は、パルス
幅変調(PWM)された制御信号を用いて、加熱プレートに供給されるべき直流
の電気エネルギーの量を変調するための制御信号を用いる。好ましい実施形態で
は、これは、公共施設から入力した60Hzの交流電力を20KHzのPWM制御
信号を用いて変調される直流電圧に変換することを含み、この各制御信号パルス
のデューティサイクルを制御して変化させ、ヒータに達する直流電力の量を調整
する。
【0025】 特に好ましい実施形態では、加熱プレートに供給される電圧(加熱プレート電
圧)は、PWM制御信号のデューティサイクルに比例し、加熱プレートの熱出力
は、加熱電圧の二乗に比例する。
【0026】 こうして、直流電力が300ボルトで供給され、かつPWM制御信号のデュー
ティサイクルが50%の場合、加熱プレート間の電圧は、150ボルト(即ち、
300ボルトの50%)となるであろう。これに対応する熱出力が発生する。そ
れゆえ、有利なことに、PWM制御信号のデューティサイクルを調整することに
より、容易に加熱プレートの熱出力を増加したり、減少させたりすることができ
る。比例積分微分(PID)制御の技術が、加熱/冷却中、加熱プレートの温度
を制御するために適用される。
【0027】 この革新的な制御装置は非常に迅速かつ正確であるので、制御装置は、ヒータ
を制御するのに用いられたこれまでのスローで鈍い制御手法に関連した、のこ歯
状の温度プロフィルを実際に取り除く。このようなスローな制御手法は、長い時
定数を有する容量の大きな加熱プレートに対して適しているかも知れないが、加
熱プレートの時定数が非常に小さい本発明において使用するには適していない。
【0028】 1つの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの加熱ステップと、少なくと
も1つの冷却ステップを含む温度プロフィルを介して、加工品を循環させるのに
適する加熱・冷却を組み合わせた装置に関する。この装置は、低熱容量で、熱伝
導性を有する加熱プレートを含み、このプレートは、加工品を加熱プレートと熱
的接触状態で支持するような支持表面を有し、加熱プレートからの熱エネルギー
を加熱中、加工品に伝達することができる。この装置は、また、高い熱容量を有
する冷却部材を含んでいる。この装置は、加熱プレートと冷却部材を少なくとも
、冷却部材が加熱プレートに熱的接触している第1形態において支持するように
作動する。
【0029】 他の形態では、本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスを加熱するため
の加熱装置に関する。この装置は、加熱部材の表面上に設けられた加熱部材とフ
レーム部材を含む。フレーム部材は、加工品を受入れることができる内部空間を
有する。
【0030】 また、他の形態では、本発明は、対象物の温度を制御するためのシステムに関
する。このシステムは、対象物の温度を示す出力温度信号を発生するのに有効な
位置においてこのシステムに連結された、少なくとも1つの温度センサを含む。
このシステムには、制御可能な可変デューティサイクルを有する、パルス幅変調
(PWM)された制御信号の出力源が含まれ、このPWM制御信号が、温度信号を
含む情報から導かれる。システムの加熱部材は、加熱中、対象物を支持するため
の表面を有する。この加熱部材は、制御可能な熱出力を有し、PWM制御信号の
デューティサイクルに対応する出力レベルを確定できる。
【0031】 また他の形態では、本発明は、冷却した温度(Tc)に加工品を冷却する方法
に関する。この方法によれば、加工品は、低熱容量で、熱伝導性の支持体と熱的
に接触して支持されている。この加工品は、Tc以上の温度にある。低熱容量の
支持体は、Tc以下の温度に維持された冷却部材と熱的に接触して置かれる。支
持体の温度は、冷却中、監視される。冷却工程は、支持体がTcにほぼ一致する
温度になると、停止する。
【0032】 また、他の形態では、本発明は、シート形状の、積層された、低熱容量で熱伝
導性を有する、加工品を加熱するための加熱部材に関する。この加熱部材は、加
工品支持表面と加工品冷却表面にそれぞれ相当する、第1,第2の対向する主表
面を含む。これにより、加工品は、冷却表面がヒートシンクと熱的接触状態に置
かれる時、支持表面上に位置決めされる。
【0033】 また、他の形態では、本発明は、加工品の温度を制御するための装置に関する
。 この装置は、加工品支持表面と加工品冷却表面にそれぞれ相当する、第1,第2
の対向する主表面を有するシート状の加熱部材を含んでいる。この装置は、また
冷却部材を含む。この装置は、加熱部材と冷却部材を第1形態に支持するように
作動し、この第1形態では、加熱部材と冷却部材が,加工品冷却表面を冷却部材
と熱的に接触するように引き付けるための付勢力を受けている。この装置はまた
、加熱部材と冷却部材を第2形態に支持するように作動し、この第2形態では、
上記付勢力に打ち勝って、加工品冷却表面と冷却部材が、熱的に引き離されるよ
うになっている。
【0034】 また、他の形態では、本発明は、加工品の加熱および冷却の方法に関する。加
工品が第1,第2の対向する主表面を有するシート形状の加熱部材に支持されて
いる間、加工品は加熱される。第1主表面は、加工品を支持し、第2主表面は、
冷却部材に熱的に接触するように配置される。加熱部材の第2主表面が冷却部材
と熱的に接触している間、加熱部材の熱出力を制御して、第1主表面に支持され
た加工品を冷却する。
【0035】 また、別の形態では、本発明は、加工品を加熱する方法に関する。加工品が、
シート状で積層されかつほぼ平らな基板層とこの基板層に積層された加熱層を含
む加熱部材に支持されている間、加工品は加熱される。加熱層は、少なくとも1
つの制御可能な加熱ゾーンを含んでいる。
【0036】 また、別の形態では、本発明は、加工品を冷却する方法に関する。加工品は、
第1,第2の対向する主表面を含む、シート状の加熱部材に支持される。第1主
表面は,加熱部材を支持する。第2主表面は、冷却部材と熱的に接触して配置さ
れる。第2主表面が冷却部材と熱的に接触している間、加熱部材の熱出力は、第
1主表面に支持された加工品が冷却されるように制御される。
【0037】 また、他の形態では、本発明は、加工品を平衡温度に維持する方法に関する。
加工品は、第1,第2の対向する主表面を含む、シート状の加熱部材に支持され
る。第1主表面は,加熱部材を支持する。第2主表面は、冷却部材と熱的に接触
して配置される。第2主表面が冷却部材と熱的に接触している間、加熱部材の熱
出力は、加工品が前記平衡温度に維持されるように制御される。
【0038】 また、他の形態では、本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスを製造す
るためのツールクラスターに関する。このツールクラスターは、低熱容量で熱伝
導性を有する加熱部材を含み、この加熱部材は、加熱部材と熱的に接触して加工
品を支持できる表面を有して、加熱部材からの熱エネルギーを加工品に伝達する
ことができる。また、高熱容量の冷却部材が含まれる。本装置は、加熱部材と冷
却部材を少なくとも、冷却部材が加熱部材と熱的に接触している第1形態におい
て支持するように作動する。
【0039】 本発明の上述したおよび他の利点と、この利点を達成する方法が、より明らか
となり、また、本発明自体も付随する図面と関連して本発明の以下に記述する実
施形態を参照してより良く理解されるであろう。 (好適な実施形態の説明) 以下に述べる本発明の実施形態は、完全なもの、または本発明をその後に続く
詳細な説明において開示される形態に制限するように意図するものではない。む
しろ、当業者が本発明の原理および実践を評価および理解しやすいように、本実
施形態を選んで説明を行ったものである。
【0040】 図1a、図1b、図1cは、それぞれ、三つの構成を示す概略図である。これ
は、少なくとも一回の焼成工程と少なくとも一回の冷却工程とを含む温度プロフ
ィルを通じて、半導体素子12などの加工品を循環させるのに適した加熱・冷却
複合装置10(以下、「加熱/冷却装置10」と称する)の好適な実施形態の図 である。加熱/冷却装置10は、底部ハウジング部材16と上部カバー18とを
有するハウジング14を含む。底部ハウジング部材16と上部カバー18は、ハ
ウジング14を繰り返し開閉するために、図1aで図示されているように互いに
分離されているか、または図1b(焼成工程)および図1c(冷却工程)で図示
されているように接触している。ハウジング14が開いている場合、半導体素子
12をハウジング14に挿入して、加熱および冷却に備えて固定支持ピン19に
設置することができる。
【0041】 ウエハ12をハウジング14に挿入すると、ハウジング14は、閉じた、環境
的に密閉された処理室を与えるために図1bおよび図1cに図示されるように閉
じることができ、また、この処理室は、そうでなければ加熱および冷却時に起こ
り得る熱対流を実質的に回避するために十分小さい容量を有する。さらに、周囲
環境の密閉によって処理室とその内容物を汚染から保護することになり、処理室
をガスを用いてより効率的にパージしたり(特別な環境において処理することが
望ましい場合)、所望に応じてガスを排出させたり(真空または部分的な真空に
おいて処理することが望ましい場合)することが可能になる。
【0042】 ハウジング14は、加熱プレート20の形式である、比較的低熱容量で、熱伝
導性の加熱部材と、冷却部材26の形式である、比較的高熱容量のヒートシンク
とを含む。本明細書で使用されているように、「低熱容量」とは、加熱プレート
20の熱容量が最大で、処理される加工品の熱容量とほぼ同じ大きさのオーダー
であることを意味する。好ましくは、加工品に対する加熱プレート20の熱容量
の比率は、約1:100から約5:1の範囲であり、好ましくは1:10から約
2:1である。本明細書で使用しているように、「高い熱量」とは、冷却部材2
6の熱容量が加熱プレート20か加工品のいずれかのオーダーと少なくともほぼ
同じオーダーの大きさであることを意味する。好ましくは、加熱プレート20お
よび/または加工品のいずれかの熱容量に対する冷却部材26の熱容量の比率は
、少なくとも10:1であり、より好ましくは10:1から100:1であり、
より好ましくは30:1から50:1である。「熱容量」とは、物体の温度を摂
氏1度だけ上昇させるのに必要なエネルギー量を示す。たとえば、ウエハ12、
加熱プレート20、冷却部材26などの固体の熱容量Qは、次の式によってあら
わすことができる。
【0043】 Q=Mcp ここで、Mはkg単位による本体の質量であり、Cpは所望の温度範囲における本
体の平均熱容量(J/kg−℃)である。
【0044】 加熱プレート20は、半導体素子12を支持するための第1の主表面22を有
し、この加熱プレート20からの熱エネルギーが加熱中に半導体素子12に伝わ
ることができるようにしている。また、加熱プレート20は、冷却部材26と熱
接触するように配置可能な第2の主表面24も含む。「熱接触」とは、加熱プレ
ート20と冷却部材とが十分に近接し、冷却部材26の冷却効果が加熱プレート
20を通じて半導体素子12に伝わるようになっていることを意味する。最も急
速な冷却は、図1cに示すように、第2の主表面24が冷却部材26に物理的に
直接接触しているときに生じる。しかし、効率的な冷却は、たとえば好適な実施
形態では加熱プレート20と冷却部材26との間において、最大で約3mmの、
物理的な隔たりがある場合にも生じることが可能である。
【0045】 加熱プレート20は、好ましくは、抵抗性加熱エレメント(特に図示せず)の
形式である加熱ゾーン25を含み、この加熱エレメントは、電気接続36によっ
て加熱ゾーン25に供給される電気エネルギー量を、それに相当する量の熱エネ
ルギーに変換する。加熱プレート20は、比較的熱容量が低く、熱伝導性がある
ため、加熱プレート20に放散される熱エネルギーは、急速に半導体素子12へ
と伝達される。
【0046】 表面領域については、加熱ゾーン25は、半導体素子12よりも大きいことが
が好ましく、加熱ゾーン25がウエハ12の下にあるだけでなく同様にウエハ1
2の端縁13にまで伸びるようになっている。加熱ゾーン25が半導体素子12
よりも小さいと、ウエハ12の非均一な加熱が生じる恐れがある。より好ましく
は、環状部材40などのフレーム部材を含む装置10の実施形態において、加熱
ゾーン25を、ウエハ12の下に配置されるだけでなく少なくとも環状部材40
のほぼ全体を含むほど十分な大きさがあることが望ましい。このようにして、半
導体素子12の非常に均一な加熱が得られる。たとえば、図1a、図1b、図1
cに見られるように、加熱ゾーン25の表面領域は、ウエハ12と環状部材40
との両方を合わせた表面領域とほぼ同じサイズである。
【0047】 冷却部材26は、半導体素子12や加熱プレート20と比較して、比較的高い
熱容量を有する。このため、冷却部材26は熱容量ヒートシンクとして機能し、
たとえば、一般的に15℃から23℃で冷却を行うのに効率的であるように、所
望の冷却温度を保持することが可能である。熱伝導を介して、加熱プレート20
が冷却部材26と熱接触するように配置されると、加熱プレート20、それに伴
ってウエハ12は急速に冷却される。冷却部材26は、冷却部材26の内部を貫
通する冷却経路28を含む。これにより、たとえば水などの冷却された冷却媒体
が冷却経路28を循環することによって、冷却部材26が所望の冷却温度に保持
されることが可能になる。冷却媒体は、冷却部材の腐食を防ぐために腐食防止剤
を含むことができる。
【0048】 好適な実施形態では、冷却部材26は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、こ
れらの組み合わせなどの、腐食防止用の熱伝導性金属で形成される。冷却部材2
6が銅で作られている場合、この銅には、銅の腐食を防止し銅イオンがウエハ1
2を汚損しないようにするニッケルなどのコーティングを含まれることが好まし
い。冷却部材26がアルミニウムで作られている場合、このアルミニウムは、ア
ルミニウムの腐食を防止する、たとえばポリテトラフルオロエチレンを含浸した
酸化アルミニウムを含むコーティングなど、コーティングによって保護すること
ができる。
【0049】 当然のことながら、この冷却部材26の実施形態のみが好ましいが、その他の
種類の冷却構造および装置を代わりに使用することができる。たとえば、水など
の液状の冷却媒体を使用する代わりに、冷却した気体を冷却媒体として使用する
こともできる。ただし、冷却媒体は必ずしも必要ではない。たとえば、冷却部材
26はぺルティエ装置とすることができる。こうした種類の装置は冷却を行うた
めの冷却媒体に依存しないが、電気的なエネルギーが与えられると冷却される。
【0050】 加熱プレート20および冷却部材26は、互いに往復移動可能であるため、加
熱プレート20の第2主表面24および冷却部材26の上部表面30を、互いに
分離または接触させることができ、それにより加熱および冷却を制御することが
できる。また、半導体素子12を最も急速に加熱するために、加熱プレート20
と冷却部材26とを十分に離して、第2の主表面24と上部表面30とを熱接触
させることができる(図1b参照)。加熱プレート20と冷却部材26とをこの
ように分離させると、冷却部材26の冷却効果は、加熱プレート20または半導
体素子12に対してわずかまたはほとんどない。半導体素子12の最も急速な冷
却を行うには、全く電気的エネルギーが加熱ゾーン25に供給されない間に、加
熱プレート20の第2主表面24と冷却部材26の上部表面30とを互いに物理
的に接触させるように配置することができる(図1c参照)。冷却および/また は加熱の中間比率は、冷却部材26と加熱プレート20との間の間隔を調整する
こと、および/または加熱プレート20の熱出力を変えることにより得ることが
できる。例によっては、加熱プレート20に対する望ましい温度プロフィルは、
同時にある程度まで半導体素子12を加熱および冷却している間に、加熱プレー
ト20と冷却部材26との間の熱接触を維持することによって得ることができる
。実際に、同時の加熱および冷却は、望ましい平衡温度(所望により、加熱ある
いは冷却の平衡温度のいずれかでありうる)で、加熱プレート20、ひいてはウ
エハ12を維持するのに特に有益であり、その温度において、加熱プレートの平
衡温度は±0.01℃以内に抑えられる。
【0051】 加熱プレート20と冷却部材26との互いに往復移動は、当技術において公知
のいずれかの便宜な移送機構を使うことによって達成することができる。図1a
、図1b、図1cに図示された1つの代表的な技術によると、加熱プレート20
は、加熱プレートポスト32上に支持され、それに対応する加熱プレート20の
独立した運動を行うために上昇したり下降したりすることができる。好適な実施
形態では、加熱プレートポスト32は、加熱ゾーン25に電気的エネルギーを双
方向に移送するハウジングの電気配線36のために中空になっている。望ましく
は、中空の加熱プレートポスト32内に収容された電気配線36は、外観上のた
めに見えないように隠されているだけでなく、加熱プレートポスト32の壁面に
よって十分保護されている。同様に、冷却部材26は、上昇または下降が可能な
冷却部材ポスト34上に支持されて、冷却部材26のそれに対応する独立した運
動を行うようになっている。ポスト32、34も同時に作動可能であり、所望で
あれば、加熱プレート20と冷却部材26との協働運動を行うことができる。
【0052】 半導体素子12が加熱プレート20の第1主表面22上に支持されているとき
、半導体素子12は、好適には、半導体処理のために好適な形態で環状部材40
として示されるフレーム部材によって取り囲まれており、このフレーム部材は、
加熱プレート20の第1主表面22に適宜の方法で固定されている。環状部材4
0は、半導体素子12を収容するようにした内部空間を形成する内側周辺部42
を有し、ウエハエッジ13と環状部材40との間に生じた隙間63が許容可能な
寸法に形成かつ配置できるほど小さくなるようになっている。一例として、1m
mは、公称的には、適正であると考えられている隙間の大きさであり、これは、
ウエハの現在の仕様によってウエハの直径を±1mmまで変更可能だからである
。また、こうした隙間は、加熱時に生じるウエハの熱膨張(一般的には約0.3
mm)に見合う十分な大きさがある。環状部材40の外側周辺部44は断熱材(
図示せず)によって覆うことで熱損失を低減させ、それによって第1の主表面2
2の全領域にわたって均一な加熱を促進することができることが好ましい。こう
した断熱材は、ポリイミド、ポリアミド、または加熱作業中に品質が低下するこ
とのないセラミックなどの耐熱性材料で作ることが好ましい。
【0053】 環状部材40は、処理される半導体素子12の熱拡散特性にできる限り一致し
た熱拡散特性の組成物から作成することが好ましい。本発明の実施形態において
、本体の熱拡散率αは、次式によって与えられる。
【0054】 α = k/Cpρ この場合、kは本体の熱伝導率であり、Cpは本体の熱容量であり、ρは本体の 密度である。特に好適な実施形態では、ウエハ12の熱拡散の環状部材40の熱
拡散に対する比率は、好ましくは0.8:1から1:0.8の範囲であり、より好ましくは
約1:1である。
【0055】 環状部材40とウエハ12との間の熱拡散率がきわめて近いのは、ウエハ12 と同種の材料で環状部材40とウエハ12が形成される場合である。たとえば、
ウエハ12が、シリコン、ゲルマニウム、砒化ガリウム、ガラスなどの半導体組
成物の重量のうち少なくとも80重量パーセント、好ましくは少なくとも90重
量パーセント、より好ましくは少なくとも98重量パーセントで形成される場合
、環状部材40はシリコン、ゲルマニウム、砒化ガリウム、ガラスの、それぞれ
の重量のうち少なくとも80重量パーセント、好ましくは少なくとも90重量パ
ーセント、より好ましくは少なくとも98重量パーセントにすることもできる。
【0056】 しかし、これらの半導体材料は砕けやすい傾向にある。したがって、もっと頑
健さや耐久性を所望する場合には、この環状部材40はアルミニウム、マグネシ
ウム、および/またはステンレス鋼を含む合金か金属間組成物(アルミニウム合
金、マグネシウム合金のどちらかまたは両方が好ましい)で形成することができ
る。環状部材40を形成するのに適していると考えられているアルミニウム合金
の一つには、工業規格7075−T6のタイプがある。このアルミニウム合金は
多くの市販品から入手可能である。
【0057】 適切な材料、または材料の組み合わせを選択すると、環状部材40の厚さは、
環状部材40とウエハ12との熱容量が互いに所望の関係になるように選択され
る。好適な実施形態では、環状部材40とウエハ12との熱容量はほぼ互いに一
致し、加熱プレート20の均一な加熱特性が最適化される。半導体素子12がシ
リコンウエハ上に配置されかつ環状部材40がアルミニウム合金で作成される本
発明の実施形態では、ウエハが約0.76mmの厚さ、環状部材40が約0.6
6mmの厚さである場合にこの目的が達成される。
【0058】 加熱プレート20を環状部材40と組み合わせて使用する場合でも、半導体素
子12の温度は、加熱や冷却時にウエハ12の表面にわたって所望の均一温度に
することが依然としてできない。特に、温度勾配期間では、エッジ13に近接す
るウエハ12の部分は、ウエハ12の内側部分よりも先に変化する傾向にある。
すなわち、加熱勾配時には、エッジ13はウエハ12の内側部分よりもいくらか
高温になる傾向にあり、冷却勾配時または平衡時には、エッジ13はいくらか低
温になる傾向にある。こうした温度エッジの影響を補うには、加熱プレート20
は、少なくともウエハ12の内側部分の下に位置する第1の内側加熱ゾーン部分
と、少なくとも環状部材40の部分の下に位置する第2の環状の外側加熱ゾーン
部分とを二つの独立した加熱ゾーンを組み込むことができるという利点がある。
二つの加熱ゾーンの間の境界は、所望であれば、環状部材40の下、ウエハ12
の下、隙間63の下もしくはそれらのいずれかに配置することができる。
【0059】 こうした第1および第2の加熱ゾーン部分は、好ましくは独立して制御可能に
なっていて、それぞれのゾーン部分の熱出力を各自調整可能にすることによって
半導体素子12の直径にわたる温度プロフィルをより均一にすることができるよ
うになっている。このため、温度エッジの影響を観察しなければならない場合に
、第2の加熱ゾーン部分は、こうした影響を低減、好ましくは除去するために、
第1の加熱ゾーン部分に対して適切なようにより低いまたはより高い加熱エネル
ギー量を出力するように調整することもできる。所望の場合、別の加熱ゾーンを
、別々のヒータコントローラによって制御することができる。あるいは、こうし
たゾーンは、ゾーンを制御する共通コントローラを共有して、それぞれの熱出力
を所望の方法で制御することもできる。
【0060】 ウエハを支持する、加熱プレート20の第1主表面22は、複数の突起56を
含み、この突起は、直接物理的に接触する領域を低減する。加熱プレート20と
半導体素子12との間の均一な大きさの隙間62を確保することが好ましい。従
来の実施例によると、突起56は均一な高さであり、一般的には10マイクロメ
ートルから300マイクロメートルの範囲の、好ましくは50マイクロメートル
から200マイクロメートルの高さを有している。突起56は、それぞれ、一般
的に0.01mm2から約6mm2の範囲の加工品支持断面領域を有することができる
。突起56は、様々な形状に形成することができ、たとえば、平坦な上部表面を
有する直線形状、平坦な上部表面を有する円筒形形状、球状または楕円形状、チ
ューブの軸が表面22の平面に対して直交することによって管状形状の突起56
の壁面エッジのみが半導体素子12に接触する中空チューブ形状、これらの組み
合わせなどがある。
【0061】 突起56は、好ましくはウエハ12をひっかくことのない寸法的に一定の耐久
性のある材料で形成することができる。たとえば、突起56はポリマー、金属、
セラミック、またはこれらの混合物で形成することができる。ポリアミドまたは
ポリイミドなどの耐熱性の化合物が、現時点では好適である。突起56は、物理
的な配置、エッチング、スパッタ蒸着、化学蒸着法、適切なマスクによる噴霧、
スクリーン印刷などを使って形成することができる。
【0062】 突起56は、半導体素子12の下に位置する第1の主表面22の領域の1パー
セントの、好ましくは0.1パーセント未満の半導体素子12と加熱プレート2
0との間の全接触領域を生じさせるのに効果的な密度分布特性が備えられている
ことが好ましい。図1dに図示されている突起特性の一つの特定の例によると、
高さ150マイクロメートル、外径約1.6mm、内径約0.8mmの6個の管
状の突起56は、加熱プレート20の中心から二つの別々の半径58および60
において配置されている二つの三角形のパターンに配置される。この方法で、半
導体素子12と加熱プレート20との間の接触領域は、考慮しなくてよいほど小
さいものであるが、半導体素子12(およびもしある場合には環状部材40)は
適切に支持される。別の例では、多数の突起56は全体表面22にわたってアレ
イ(array)として形成可能であり、これはたとえば、隣接する突起56が約4 mmから6mm離れている三角形のパターンである。かかるアレイでは、それぞ
れの突起56は一般的には、その直径は0.1mmから0.5mmであり、好ま
しくは0.2mmから0.3mmである。
【0063】 加熱プレート20は、加熱プレート20と半導体素子12との間に流体が連通
する(隙間62を生じさせるために、一つまたは複数の流路38を選択的に設け
ることができる。隙間62は、加熱プレート20と半導体素子12との間の熱伝
導を高めることを所望する場合に、通常の空気またはより伝導性の高い気体等の
ガスで満たすことができる。たとえば、ヘリウムガスは空気よりも約7倍も伝導
性が高い。隙間62に気体を導入することで、半導体素子エッジ13の傾向を低
減させることにもなり、半導体素子12のほかの部分に対して過熱をすることに
なる。あるいは、半導体素子12と加熱プレート20との間の封止が適切に行わ
れている場合、隙間62を使って、ウエハ12を位置固定するのに役立てるため
にウエハ12に対し、3000Paから14000Paの範囲の真空度などの、
わずかな真空を実行することができる。たとえば、環状の突起(図示せず)をエ
ッジ13に近接する加熱プレート20に設けて、こうした密閉の形成に役立てる
こともできる。
【0064】 図1a、図1b、図1cを参照すると、半導体素子12の温度は望ましくは、
加熱および冷却操作中に直接または間接に監視して、加熱プレート20の熱出力
を、PID制御などの適切なフィードバック制御手法を使って制御できるように
する。ウエハの温度を監視する直接の方法によると、適切な温度センサ(図示せ
ず)を半導体素子12に直接取り付けることができる。ただし、高容量の製造の
場合は、この方法は実は実際的または望ましいとはいえない。これは、この直接
の方法には、新しい半導体素子を処理のために装置10に挿入するたびに、半導
体素子に温度センサを取り付けたり取り外したりするさらなる処理ステップが必
要となるからである。さらに、ウエハは一般的には、温度センサと接触すること
で悪影響が及びかねない繊細な部品を支持する。
【0065】 したがって、特に、環状部材40の熱容量が上記で述べたようにウエハ12の
熱容量と一致する場合、適切な温度センサを環状部材40に取りつけることによ
り、間接的に半導体素子12の温度を監視することがずっと望ましい。こうした
状況において、半導体素子12の上部表面の実際の温度は、加熱時および冷却時
、また温度勾配時においてさえ、ほぼ全ての時点において、環状部材40の上部
表面の温度とほぼ一致する。実際に、環状部材40の上部表面と半導体素子12
の上部表面との温度差は、実際に、ほぼ一定であり、より好ましくは無視するこ
とができる。このため、環状部材40の上部表面に結合されている温度センサを
使って半導体素子12の上部表面の温度を間接的に監視する場合、必要であれば
、計測された温度に対して簡単な修正を行って、半導体素子12と環状部材40
との上部表面の間に生じた温度差を埋めることができる。
【0066】 本発明で使用する温度センサは、長時間でも安定および一貫して急な間隔で温
度を感知することができるいずれかの適切な温度センサにすることができる。様
々に適切な温度感知装置が公知であるが、この中でも抵抗性薄膜(RTD)セン
サが最も好適である。いくつかの適切な種類のものが様々な市販品として入手可
能である。一例として、適切な薄膜RTDセンサが、ミネソタ州ミネアポリスの
ミンコ プロダクツ社の製品型番517422 PDX4 0Aとして市販されている。このセ
ンサは、約100マイクロメートル(すなわち包囲ワイヤは約250マイクロメ
ートルの全体直径を有する)の厚さの“KAPTON”ブランドのポリアミド樹
脂層で包囲された約50マイクロメートルの直径のプラチナワイヤを含む。この
RTDセンサは、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シ
リコン樹脂、エポキシ樹脂、微構造ポリテトラフルオロエチレン、これらの組み
合わせなどの適切な耐熱性接着剤を使って所望の位置に接着することができる。
【0067】 RTD温度センサを購入する代わりに、RTD温度センサはもとの場所に配置
したり、内側に配置して、スパッタエッチング処理などの当技術において公知の
適切な形成技術を使うRTD特性を有する電気的耐性のある材料で定位置に接着
することができる。たとえば、もとの場所にRTDセンサを形成するためには、
プラチナなどの適切な電気的耐性のある金属層を所望の位置に堆積し、RTD温
度センサを形成するためにエッチングすることができる。断熱層はセンサとその
センサを取りつけた部品との間に堆積することが望ましい。断熱層は、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、二酸化シリ
コン、窒化シリコン、これらの組み合わせなどを含む、マイクロエレクトロニク
ス業界で従来使用される種類の断熱材料のいずれかを含むことができる。
【0068】 いくつかの応用では、それのみで使用するRTDセンサは、ウエハ温度の意味
のある制御を提供するのに必要とされる必須の鋭敏さを有していなくともよい。
これらの状況では、特に好適な温度センサは、比較的低速で安定した第1の温度
感知装置(好適にはRTDセンサ)と比較的高速で不安定な第2のセンサ装置(
好ましくは熱電対)の組み合わせを含むハイブリッドセンサシステムである。高
速/不安定な第2のセンサ装置は、より大きな速度でウエハ12の温度を感知す
るのに使用されるが、低速/安定な第1のセンサ装置で感知した温度は、第2の
センサを自動的にオンラインに校正するのに使われて第2のセンサ測定が時間経
過しても正確さと信頼性を保つようにする。
【0069】 ハイブリッド温度センサを用いる考えは、熱電対(サーモカップル)が100
0Hzから2000Hzの高速で温度を感知できるが時間に対して比較的劣った
温度感知安定性を有する傾向にあるという認識に基づくものである。一方で、一
般的なRTD温度センサは、たとえば、わずか10Hz以下の温度感知性能など
のより低速の感知速度であることがあっても、RTDセンサは長時間にわたって
優れた温度感知安定性を有するのが普通である。このため、熱電対を自動的にオ
ンラインに校正するためにRTDセンサを使うことにより、このRTDセンサシ
ステムは、それぞれの欠点を排除しつつ両方の種類の感知装置の長所を有する。
熱電対を含むハイブリッド装置を使用するこの発明の実施形態では、熱電対をR
TDセンサに対して上記に述べたように接着剤を使用する位置に接着できる。
【0070】 ハイブリッド温度センサを使用すると、RTDセンサからの信号を使った熱電
対の校正は、好ましくは自動的に繰り返し進行ベースで行われる。このように、
熱電対によって感知される温度データは、必ず、RTDセンサで感知されるより
安定した温度データとほぼ一致する。使用された校正方法の種類は重要ではなく
、従来の校正方法を使用することができる。温度センサを校正する校正メソドロ
ジーが公知であり、たとえば米国特許第5,495,093号、第5,475,
610号、5,460,709号、第4,941,308号、および第4,48
0,312号に記載されている。
【0071】 図1a、図1b、図1cは、どのようにして加熱および冷却を実行できるかを
詳細に示す装置10の三つの形態を概略的に示す。図1aは、ハウジング14が
開いており、半導体素子12を装置10に挿入して固定支持ピン19を配置する
ことが可能になっている「準備段階」形態における装置10を示す。加熱プレー
ト20は、当初は、冷却部材26の上に載置する好適な「アイドル」位置にある
【0072】 図1bは、装置10の第2形態を示し、加熱サイクルが冷却部材26とは関係
なく加熱プレート20を持ち上げることにより開始され、冷却部材26から加熱
プレート20の第2主表面24を熱的に分離させる。この形態では、加熱プレー
ト20の第1主表面は、支持ピン19と少なくとも同一の面上または所望であれ
ばそれよりも高く持ち上げられることによって、半導体素子12が加熱プレート
20の第1主表面22に熱接触される。半導体素子12は、所望であれば低圧の
真空を用いて加熱プレート20の上に固定することができる。加熱ゾーン25が
電気的な抵抗ヒータによって与えられている本発明の実施形態では、所望の加熱
プロフィルを提供するために効率的に加熱ゾーン25を通じて電流を流すことに
より加熱される。
【0073】 図1cは、急速な冷却を与えるために効率的な装置10の構成を示す。この構
成では、冷却部材26は加熱プレート20の第2主表面24と熱接触するまで上
昇している。冷却部材26の冷却効果が、熱伝導によって加熱プレート20を通
じて半導体素子12に伝達される。最も急速な冷却速度は、冷却中に加熱ゾーン
25を完全にオフにすることで得られるが、もっとゆるやかな温度降下は単に加
熱ゾーン25の熱出力を調整することで得られる。図1cの形態は、冷却部材2
6の冷却効果が十分な大きさになることで所望の加熱速度が得られるまで加熱ゾ
ーン25の熱出力を増加させることによって比較的低速な加熱速度を得るために
使用することもできる。加熱プレート20と半導体素子12とは、冷却が完了す
ると冷却部材26から熱的に分離可能である。熱的な分離は加熱プレート20と
冷却部材26とを分離させて、図1bの構成にすることで最もよく行われる。代
わりに、比較的少量だが十分な量のエネルギーを加熱ゾーン25に与えることで
所望の冷却平衡温度にウエハ12を維持しておくことができる一方で、加熱プレ
ート20と冷却部材26とを結合したままにしておくことが可能である。
【0074】 図2aおよび図2bには、本発明の積層された加熱プレート70の特に好適な
実施形態が示されている。加熱プレート70は、ヒータプライ(ply)72のそ れぞれの側に対称的に配置された誘電体層74と構造基板76に挟持された中心
に配置されたヒータプライ72を含む。突起77は、ウエハ80と環状部材82
とを支持するために加熱プレート70のある表面78に設けられている。突起7
7は、図1a、図1b、図1cの突起56に相当する。このため、突起77は、
突起56と同じ構成、構造、大きさ、配置の特性を有することができる。図2a
では、加熱プレート70の断面、加熱プレート70を構成する各層状レイヤー7
2、74、76、77の厚さを、説明上、正確な縮尺率で図示せず拡大した。こ
うしたレイヤーの実際の代表的な適正な厚さの範囲を、以下に説明する。
【0075】 加熱プレート70の対称的な挟持構造により、多くの長所が与えられている。
まずは、様々なレイヤー72、74、76は、一般的な加熱および冷却処理の範
囲によって特徴づけられる材料からできている傾向にあるため、温度変化時にレ
イヤー72,74,76,77の間に応力が生じることがある。こうした応力に
より、非対称の層状構造がゆがんでしまうことがある。ただし、中心に配置され
たヒータプライ72を中心として加熱プレート70が対称となっているため、こ
うした応力は加熱プレート70において均衡している。結果的に、温度変化時に
平坦さを維持しようとする加熱プレート70の能力は、こうした対称性がかけて
いる層状の加熱プレート構造に対して向上する。別な長所として、構造的な基板
76が加熱プレート70の外側にありヒータプライ72がこの構造の内側にあっ
て保護されている場合、加熱プレート70は、様々な層を互いに層状に積み重ね
た後で、経済的で効率的なラッピング手法を用いて平面化することができる。各
基板76のラッピングによって25マイクロメートルから200マイクロメート
ルほど厚さが減ってしまうことがあるため、当初の加熱プレート70は、こうし
た材料の除去を行うために十分余分な厚さを有する基板76から形成することが
できる。
【0076】 図2aと図2bを共に参照すると、ヒータプライ72は、環状加熱ゾーン85
を形成する導電性通路86を含むことが好ましい。電気は電気接続88を通じて
加熱ゾーン85へ、およびここから伝達される。導電性通路86を伝わる電気は
ウエハ80を加熱するために熱エネルギーに変換される。加熱ゾーン85で発生
される熱量は、加熱ゾーン85に送られる電気エネルギーのボルテージと相関関
係がある。一般的に、より大きな電気エネルギー量を使うと、より加熱される傾
向がある。好適な実施形態では、たとえば、加熱ゾーン85の熱出力は、こうし
た電圧の二乗に比例する。
【0077】 導電性通路86は、ヒータプライ72がウエハ80の加熱を均一に行うことが
できるほど十分な通路密度を有する加熱ゾーン85を横断している。実際の例で
は、導電性通路86の各ターンは、一般的には幅0.2mmから2mmであり、
導電性通路86の隣接するターンの間の隙間87は一般的には幅0.2mmから
2mmである。図2bで図示される好適な形態では、導電性通路86は二重螺旋
の形態形態になっている。その他の構成も使用することができる。たとえば、通
路86は、所望であれば直線状に加熱ゾーン85を横断することが可能である。
【0078】 加熱ゾーン85は様々な方法で形成可能である。ある方法によると、加熱ゾー
ン85は、連続層として最初は存在する導電性材料で形成される。加熱ゾーン8
5は、いずれかの従来のエッチング手法を用いて連続層を簡単にエッチングする
ことで形成することができる。ヒータゾーン85を形成するための適切な導電性
材料は、銅などを含む金属、カナダのインコアロズインターナショナル社の製品
名称"INCONEL"として市販されているNi-Cr-Co合金などの合金を含むNi-Crまたは
、ニュージャージー州フランクリン レイクスのエド ファーガソンから市販さ
れている"KOVAR" Ni-Cr-Co合金、プラチナ、これらの組み合わせなどを含む。加
熱ゾーン85は、本発明により考えられる種類の電気的耐性の加熱を行うために
適切な厚さを有することができる。たとえば、通常、「1/2オンスの銅フォイ
ル」と呼ばれる17.8ミクロン(0.0007インチ)の厚さの銅フォイルか
ら加熱ゾーン85を形成することが適切であることがわかっている。
【0079】 本発明の一実施形態では、ヒータプライ72と誘電体レイヤー74の一つとは
、"PYRALUX"という製品名でE.I. DuPont de Nemours and Companyから市販され
ている銅クラッディングポリイミドでまとめて形成可能である。「片面」の形成
では、この特定の合成構造は、いくらか厚みを増したポリイミドレイヤーに層状
にした非常に軽量な銅フォイルを含む。この軽量な銅フォイルレイヤーは、ポリ
アミド層がある誘電体層74として働いている一方でヒータプライ72を形成す
るためにエッチングすることができる。この発生物は、ポリアミド層が二つの外
側フォイル層に挟持される「両面」の形で購入することもできる。
【0080】 図2aを参照すると、誘電体層74は、ヒータプライ72を基板76、ウエハ
80、環状部材82、およびその他の周囲環境エレメントから電気的に断熱する
ために、ヒータプライ72を挟持している。誘電体層74は、また、ヒータプラ
イ72を基板76に層形成する接着層としても機能する。各誘導体層74は、厚
さの範囲が10マイクロメートルから30マイクロメートル、およびマイクロエ
レクトロニクス業界で従来使用されている誘電体の材料のいずれかから形成でき
ることが好ましい。適切な誘電体材料の代表例は、二酸化シリコン、窒化シリコ
ン、ほぼアルカリフリーの磁器フリットなどの非有機誘電体と、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの耐温度性のあ
る組成物と、加熱および冷却に関する温度範囲において電気的に断熱の特性を保
持するその他のいずれかの電気的な断熱材料と、これらの組み合わせなどを含む
【0081】 約300℃以上の温度による処理のために、二酸化シリコン、窒化シリコン、
ほぼアルカリフリーのガラス化磁器フリットなどの電気的に断熱の材料が好適で
ある。ポリアミド樹脂は、約300℃未満の温度で生じる処理で使用する誘電体
層を形成するためにより好適な材料である。望ましくは、ポリイミド樹脂は優れ
た接着と誘電体を有するだけでなく、安価に入手できて層状構造に組み込みやす
くなっている。ポリアミド樹脂は、また、一般的には、所望であれば、ポリアミ
ド材料を組み込んだ加熱プレート70が適合した特性を有することができるよう
に可撓性を持つ傾向にある。本発明で有益なことがわかっているポリアミドの特
定の例は、E.I.デュポン デ ネモオス社のEKJポリアミド熱硬化性接着剤 としてシート形式で入手できる。
【0082】 各基板76は、加熱プレート70の別のレイヤーを支持および保護するための
構造プライとしてはたらく。基板76はまた、半導体素子80と加熱プレート7
0上に支持される環状部材82との均一な加熱を促進するために加熱プレート7
0を通じて熱が横方向および縦方向の両方に伝導するようにしている。このため
、各基板76は概して、それぞれ、ゆがみ、たるみ、しわ、張力の欠如、または
その他の望ましくない品質低下が生じることなく加熱および冷却処理の温度変化
に耐えるだけでなく、加熱プレート70の他のレイヤーを構造的に支持すること
が可能な、適切な構造材料または材料の組み合わせでできている。
【0083】 各基板76を形成するのに使うことが可能な材料の代表例には、銅、ステンレ
ス鋼、高剛性合金鋼、上記で述べた"INCONEL"および"KOVAR "Ni-Cr-Co合金("KO
VAR"合金は多くの加熱および冷却処理にかかわる一般的な温度範囲のシリコンと
より近い熱膨張係数を有するため"KOVAR"合金がより好適である)などのNi-Cr含
有合金、アルミニウム、およびこれらの組み合わせなどの、金属組成物を含む。
銅を使用する場合、この銅は、両面をニッケル加工してウエハ80が銅イオンで
汚損されないようになっていることが好ましい。たとえば、100オングストロ
ームから1000オングストロームの範囲の厚さのニッケルのフラッシュ(flas
h)コーティングがこの目的には適している。
【0084】 各基板76を形成するためのその他の適切な材料は、単結晶または多結晶シリ
コン、炭化シリコン、グラファイト、ガラス、ダイアモンドなどの、非金属の無
機材料が含まれる。基板76も、ダイアモンド合成物、金属クラッディングポリ
マー、金属充填したセラミック、セラミック充填した金属、これらの組み合わせ
などの合成材料から形成することができるのが望ましい。基板76として使用す
る金属/セラミックの合成物の例には、金属の構造的なシェルおよび/または金
属セラミックの合成物内にある熱分解グラファイト合成物が含まれる。こうした
シート状の製品は、オハイオ州レイクウッドのアドバンスド セラミックス社 の製品型番TC1050およびTC500で市販されている。
【0085】 厚さについては、各基板76は十分薄くすることで、各基板76が比較的低い
熱容量にして冷却および加熱の影響が急速にウエハ80に伝わるようにしなけれ
ばならない。ただし、基板76が薄すぎると、加熱プレート70の機械的な強度
と耐久性が劣化してしまい、寿命が比較的短くなってしまうことがある。横方向
の伝導、および加熱の均一性は、基板の厚さが薄くなると低下する。一方で、よ
り厚い基板76は横方向の熱伝導性がよくなる傾向があるため、加熱プレート7
0上に支持されるウエハのより均一な加熱が行われる傾向にある。より厚い基板
76は、また、ウエハエッジ84の均一な加熱を促進する半導体素子80と環状
部材82との間の隙間81に比較的大きい熱容量を有するという利点がある。た
だし、基板76が厚すぎると、基板76は熱容量が大きくなって、ウエハ80で
加熱および冷却される速度が低下する。
【0086】 こうした点のバランスを取るには、各基板76は、好ましくは、20マイクロ
メートルから3mmの範囲の厚さにする。加熱プレート70の特に好適な実施形
態では、各基板76はラップ前の厚さが1mmのアルミニウムから形成され、各
誘導性のレイヤー74は約50マイクロメートルの厚さのポリアミドで形成され
、ヒータプライ72は約25マイクロメートルの厚さのエッチングされた銅フォ
イルである。
【0087】 加熱プレート70を形成するある方法によると、共に層状形成されるそれぞれ
のレイヤーは共に記録可能に積層される。ピン(図示せず)の配置は、レイヤー
が共に積層されると適切な整列を得られるようにするために積層レイヤーによっ
て記録可能に配置される。レイヤーの積層は平坦なスチールコール(steel caul
)板の間の真空バッグに配置される。真空吸引され、圧力350psi(24気圧 )においてコール板は共にプレスされ、クランプされたアセンブリは350℃で
レイヤーを共に効率的に連結するのに十分な時間(一般的には2時間から24時
間)で加熱される。
【0088】 図3は、本発明の層状構造にした加熱プレート70の別の実施形態を示す。一
般的に、図3の加熱プレート70は、図3のレイヤー72、74、76、77が
異なる順で互いに層状構造にされていることをのぞくと、図2の加熱プレート7
0と同じである。さらに、図3の加熱プレート70は、たった一つの構造基板7
6を含む。特に、図3の加熱プレート70は、構造基板76、誘電体レイヤー7
4、ヒータプライ72、第2の誘電体レイヤー74、最後に突起77、の順にこ
れから形成される積層構造である。それ以外では、図3のレイヤー72、74、
76、77は図2aの対応するレイヤーと同じである。
【0089】 望ましくは、図3に図示される形態では、加熱プレート70の最も熱容量の大
きい部品となる基板76は、積層構造の底部にある。このため、基板76は冷却
処理時に冷却部材26(図1a、図1b、図1c参照)に最も近接する。こうし
て近接することにより、冷却部材26は、基板76が積層の別の場所にあるとき
よりも高速に基板76から熱を引き出すことができる。つまり、加熱プレート7
2の冷却は、基板76が図3に示す位置にあるときにきわめて急速である。
【0090】 図4は、本発明の加熱プレート70の別の実施形態を示す。概して、図4の加
熱プレート70は、図4のレイヤー72、74、76、77が互いに異なる順で
積層されていることを除き、図3の加熱プレート70と同様である。特に図4の
加熱プレート70は、第1の誘電体レイヤー74、ヒータプライ72、第2の誘
電体レイヤー74、構造基板76、最後に突起77を含む積層の順番から順に形
成される積層構造である。それ以外では、図3のレイヤー72、74、76、7
7は図3の対応するレイヤーと同じである。
【0091】 いくつかの実施形態では、上記で述べた加熱プレート70のいずれかに組み込
まれる図2a、図3、図4のいずれかの基板は、本来的に自立したものではない
。一般的に、これは、こうした基板が比較的薄い場合(たとえば、25μmから
約0.2mmの範囲の厚さで特徴付けられるような)のことである。こうした比
較的薄い基板は、半径方向に柔軟的に伸張され、伸張されたシートを組み込んだ
積層加熱プレートのレイヤーを組み立てる際の半径方向の張力を維持することが
望ましい。張力は、環状部材82、別のフープ型フレームなどにすることができ
る適切なフレーム部材に伸張したシートを取りつけることで維持することができ
る。こうしたより薄いシートは、一般的な加熱および冷却温度範囲、たとえば0
℃から350℃の範囲内で十分低い熱膨張係数を有する材料で形成することが望
ましい。それにより、許容可能な張力レベルが、加熱および冷却処理中ずっと基
板76において維持される。たとえば、製品名称INCONELおよびKOVARとして市販
されているNi-Cr-Co合金は、本発明の半径方向の伸張された基板を形成するのに
適切である。本発明の半径方向に伸張された基板は、弾性係数や厚さ特性につい
て望ましくはできるだけ等方性のあるシート金属から形成できることが好ましい
【0092】 図5a、図5b、図5cは、図2a、図3、図4、またはそのいずれかで使用
される基板76に対応するタイプの基板173に半径方向の張力を与えるのに適
した半径方向の張力付加装置160の一実施形態を示す。半径方向の張力付加装
置160は、上部フープ162と、スクリュー166によって上部フープ162
に結合された底部フープ164とを含む。上部フープ162と底部フープ164
との間の距離は、スクリュー166の調整によって調整可能である。周辺リッジ
168が底部フープ164の外側に配置されてフープクランプ170と協働し、
基板173を半径方向の張力付加装置160の低位置に固定する。フープクラン
プ170は、スクリュー172の締め具合を調整するだけで底部フープ164の
外側周囲できつくしたり緩めたりすることができるよう調整可能となっている。
ねじ締めスクリュー172を一方向に回転させると、フランジ174が共にルー
プクランプ170を締め、これによって底部フープ164に対するククランプ力
が与えられる。あるいは、別方向にねじ締めスクリュー172を回転させると、
フランジ174を引き離すことにより、フープクランプ170が緩められて底部
フープ164に対するクランプ圧力が解放される。
【0093】 好適な実施形態では、上部フープ162と底部フープ164とは、二つのフー
プ間の分離が最小になるまで調整される。大きすぎる基板173は、上部フープ
162および底部フープ164においてひだが付けられる。基板173は、基板
173の周辺部分が周辺リッジ168の底部フープ164の外側表面にくるよう
十分な大きさがなければならない。いくつかの実施例では、このように基板17
3にひだを付けるのは難しいことがある。その場合は、図5cに示されているよ
うに、複数の半径方向のカット171を基板173の外側周辺に作り、所望であ
ればフープ162および164に基板173をフィットさせられるようにするこ
とができる。こうしてフープクランプ170は底部フープ164の周囲で締めら
れて、基板173を定位置に固定することができる。ねじ166は上部フープ1
62と底部フープ164との間の分離を増加させるよう調整することで、半径方
向の張力下で基板161を配置することができる。基板173は、好ましくは屈
曲点を越えるまで伸張される。
【0094】 基板173が半径方向の張力を受けている一方で、適切なフープ型フレーム(
図示せず)を結合させることができ、あるいは基板173が装置160から取り
外された後に基板173の半径方向の張力を維持するために基板173に取りつ
けることができる。フレームを基板173に結合させた後で、環状部材周辺の外
側に位置した基板173の余分な部分を切り取ることができる。伸張された基板
173を組み込む加熱プレートの別のプライを、所望であれば半径方向の張力付
加の前後のいずれかにおいて基板173に形成することができる。
【0095】 図1a、図1b、図1cに図示する装置の冷却特性について、図6および図7
の温度プロフィルに関してさらに説明する。ある方法では、冷却部材26は、半
導体素子12が冷却される温度Tcに維持することができる。図6は、この方法 を使う場合の冷却時の一般的な半導体素子12の温度プロフィル96を示す。最
初、半導体素子12は最初の温度Toであり、その後、tfの時点の後で最終的な 温度Tcに漸近してほぼこれに達する。図6に示すように、この従来の方法は、 半導体素子温度とTsとの差が比較的大きい場合に領域98で半導体素子12の 急速な最初の冷却を行う。ただし、領域100で示されているように、装置の温
度がTcに近づくにつれて冷却速度は指数関数的に遅くなる。実際に、図6に示 す方法では、冷却時間の50パーセント以上を、半導体素子12の熱の最後の2
パーセントから3パーセントを得るために使うことができる。
【0096】 当然のことながら、図6の冷却方法は、所望であれば本発明の実施に使用する
ことができる。ただし、図6の方法の非効率性を避けるために、本発明は、半導
体素子12を冷却するのにより好適な「冷却促進」方法を使用することが好まし
い。図7で示されるこの冷却促進法によると、冷却部材26はTcよりも低いTs
の温度に維持されており、装置の温度は冷却中に動的に監視されて、装置12が
Tcまで冷却されると冷却を停止できるようになっている。図7は半導体素子1 2の温度プロフィル104を示し、これは、最初の比較的高い温度Toから所望 の最終温度Tcまで冷却される。しかし、冷却部材26の温度Tsは、Tcより低 い温度を維持することが望ましい。これにより、半導体素子12は、ほぼ全ての
冷却が領域106に関する急速な冷却速度に従って行われるようにTcまで冷却で
きるようになる。このため、領域108に関する漸近の非常に低速の冷却速度が
完全に回避される。一般的に、TsをTcよりも低い約2℃から3℃の温度に設定
することは、冷却促進の望ましい量を得るために適しているということがわかっ
ている。この冷却促進の方法は、冷却を行うためのきわめて急速で正確な方法で
ある。この冷却促進法により、主に、指数関数的に領域108に関する冷却の非
常に遅い速度が完全に回避されるため、冷却促進がない従来の方法を使うよりも
3倍以上も高速に冷却を完了させることができるようになった。
【0097】 装置12をTcまで冷却すると、プロフィル領域109で表されるように、あ る時間間隔Tcにおいて、装置12の温度を平衡に維持することが望ましい。こ れは、図1a、図1b、図1cの装置10を使うと容易に達成される。より簡単 には、冷却を開始するために、加熱プレート20をオフにして図1cで図示する
ように冷却部材26と熱接触させる。装置12がこれにより冷却されて、装置温
度はTcまで低下し始める。装置12がTcに達すると、加熱プレート20が十分 なパワーによりオンに戻り、Tcにおけるウエハ12を維持できる一方で図1c の構成が維持される。適切なプロセス制御の方法論を使用して、装置12を所望
の平衡温度Tcに維持するように加熱プレート20の熱出力を制御できる。
【0098】 加熱プレート20の熱出力と冷却部材26の冷却効果を組み合わせて利用する
ことにより平衡温度を維持したり温度プロフィルを制御したりすることができる
ことで、多くの意義深い長所が得られる。第1に、平衡温度は長時間に渡ってか
なり高い精度で維持することができる。たとえば、この方法は正確であり、特に
図10で以下に述べる制御システムを加熱プレート20の熱出力を制御するのに
使用する場合に、約摂氏±0.03度の精度でTcにおいてウエハ12を維持す ることができる。第2に、この制御方法は、加熱プレート20からの熱をさらな
る冷却をきわめて高速にストップさせるために使うことができることから、大変
反応がよい。第3に、冷却部材26の温度は大変厳密に制御する必要がない。冷
却部材26がTcより低い温度である限り、装置温度のきわめて正確な制御は、 加熱プレート20の熱出力を制御することで達成可能である。第4に、冷却部材
26の温度を非常に厳密に制御する必要がないので、正確な温度において冷却部
材26に冷却媒体を供給するために通常信頼された機構を完全に排除することが
できる。
【0099】 一旦Tcに達すると、どの時間の長さでもウエハがTcであることを維持するこ
とを望まない場合に冷却を停止させる別の方法として、適切な時点において冷却
部材26から加熱プレート20を分離するだけで冷却を停止させることができる
。この方法を使うと、冷却プロセスを停止させる制御信号を発生する冷却プロセ
スにおいて点(「冷却終了点」)を予測することができることが望ましいことが
ある。これによって、装置12は、最終的な冷却温度Tcにできる限り近づくよ うに冷却される。実施例において、好ましくは、このような予測は、必要とされ
る有限のタイムラグを考慮に入れて行なわれるべきであり、こうした信号が発生
される場合の信号に応答する装置10が必要となる。
【0100】 たとえば、図1a、図1b、図1cに図示された装置10について、冷却停止
のための制御信号が最初に発生する時間の後で、冷却部材26から加熱プレート
20を物理的に分離する時間は短いが無視できない長さの時間がかかる。したが
って、こうしたラグ時間を想定して、半導体素子12が最終的な冷却温度に実際
に達する時間の直前に冷却プロセスを停止させる制御信号を装置10に送信すべ
きである。特定の例として、約500ミリ秒のラグタイムを用いて、半導体素子
12がTcとなることが予測される前に、分離信号を500ミリ秒間に送ること が可能である。
【0101】 ラグタイムを考慮して適切な冷却終了点を決定することは、適切なオープンル
ープまたはクローズドループプロセス制御手法を用いることにより達成すること
ができる。たとえば、PID手法を用いた制御システムなどの適切な制御システ
ムを動的に用いて、適切な時間において冷却を停止させる制御信号を装置10に
送る冷却終了点を決定することが可能である。あるいは、冷却終了点に関連する
パラメータ(たとえば、ウエハ温度、経過した冷却時間、ラグ時間など)を特徴
づけることができ、こうしたパラメータを冷却の時間を停止させるために監視す
ることができる。
【0102】 次に、図1a、図1b、図1cに図示された装置10の加熱特性を、図8およ
び図9においてさらに説明する。図8は、装置12を期間tfにわたってTo(た とえば室温)からTB(たとえば130℃)まで加熱する加熱処理のために、そ れぞれ加熱プレート20と半導体素子12との一般的な温度プロフィル130と
132とを示す。こうした加熱時には、加熱プレートプロフィル130は一般的
に素子プロフィル132に対して先行する。すなわち、加熱プレート20は、加
熱プレート20と装置12とがTBにほぼ対応する平衡温度、好ましくはTBの±
0.03度に達するまで加熱時において、常時、装置12よりもいくらか高くな
る傾向にある。したがって、加熱プレート20の温度はTBを通り越して高くし 、装置12がTBに確実に達するようにしなければならない。このため、加熱プ ロセスのある時点において、加熱プレート20の熱出力が減少し、装置12およ
び加熱プレート20がTBに漸近しほぼこれに達することが可能になる。これは 、一般的には、加熱プレートがTB以上の最大温度Tmにある時間tiの後で、装置 12がTBより低い温度Tiにある時に生じる。加熱プレート20の熱出力が減少
するこの正確な時間tiは、制御システムの時定数に依存しており、従来のPID
コントローラの一般的な出力となっている。
【0103】 図8の加熱方法によって、加熱プレート20の熱出力が減少する前にプロフィ
ル領域134、136において比較的急速に加熱が加速される。ただし、この加
熱速度は、加熱プレート20がtiの時点においてパワーダウンすると、プロフィ
ル領域138、140において指数関数的に遅くなる。実際に、素子12をTo からTBに加熱するのに必要な時間の少なくとも約70%が、素子12をTiから
TBに加熱する時間に対応しており、これは、TBとTiとの間の温度差がToから
TBまでの全温度範囲のほんの一部であっても同様である。言いかえると、加熱 時間の大部分の時間は、半導体素子12にわずかな温度だけ最後に上昇させるた
めに加えるために費やされる。半導体素子12をTBにまで高めるのに必要な温 度に変更するために多くの加熱時間が使われる。
【0104】 当然のことながら、所望であれば、図8の加熱方法を本発明の有益な結果と共
に使用することができる。実際に、図8の方法は半導体素子12を40から50
秒の高速でToからTBまで加熱することができる。ただし、より高速の性能は、
本発明の原理を使用して得ることができる。特に、プロフィル領域138および
140に関する時間の非効率性は、冷却部材26から「冷却促進」を使用するこ
とで実質的に低減させることができる。一般的に、加熱のための「冷却促進」方
法によると、加熱プレート20はTmよりも大きい温度に達することが可能にな り、加熱プレート20をパワーダウンさせる前にTBにずっと近づく温度まで加 熱が可能になる。冷却部材26は加熱プレート20から余分な熱を急速に引きだ
すよう使用されて、装置12の温度がTBにほぼ達するがこれを越えることはな いようにする。
【0105】 「冷却促進」の加熱方法の利点を図9に図示する。図9は、加熱プレート20
の熱出力がti2において低減する場合に加熱プレート20が(Tmと比較して)よ
り高い最大温度Tm2に達し、かつ装置12が(Tiと比較して)より高い温度Ti 2 に達するということを除き、図8とほぼ同じである。調整を行わない場合、お よび図8の加熱スキームを冷却促進なしにこの点で使用する場合、加熱プレート
20および素子12の両方の余分な熱によって通常、素子12の温度はTBを越 えてしまう。すなわち、加熱プレート20と素子12とはTBを越える平衡温度 に指数関数的に近づく。ただし、この例では、冷却部材26は効率的な条件下に
おいて加熱プレート20と熱接触して、余分な熱が冷却部材26に取り込まれる
。このため、加熱プレート20と半導体素子12とはtfの時点よりも実質的に少
ないtf2の時点でTBに達する。この素子12の温度は加熱プレート20がパワー
ダウンした後にTBに漸近する傾向にあるが、この漸近する加熱に関連する期間 は図8に関するものに対して実質的に減少する。たとえば、図8の加熱方法によ
って完了までに40から50秒かかるとしても、この時間は、図9の方法の「冷
却促進」を使用すると約25から35秒まで減少する。
【0106】 従来の加熱/冷却装置で以前使用されているタイプの従来の制御システムは、
遅すぎるため本発明の加熱/冷却装置の意義のある制御を行うことができない。
ただし、本発明は、ヒータ温度に対して急速にまた精密に制御を行う革新的なヒ
ータ制御方法に依存する。本発明に従って、高周波数(例えば、1000Hz以
上の周波数が好ましい)の、周波数変調された制御信号は、ヒータが抵抗であり
インダクタおよびコンデンサによってヒータの直流電圧レベルをスムーズにする
ようなRLC(抵抗/インダクタ/コンデンサ)回路に組み込まれるヒータに供
給される直流電流エネルギーを変調するのに使用される。この方法によって、ヒ
ータで制御可能に確立される電圧量を、急速にかつ連続的に0パーセントから1
00パーセントの範囲のパワー内で変更することができる。実際の効果では、ヒ
ータにおいて生じる直流電圧が実際に無限に小さい粒状となっている。これによ
って、ヒータ温度は幅広い動的な範囲にわたって鋭敏さおよび正確さをもって制
御が可能になる。
【0107】 したがって、図10は、本発明の革新的な制御システム300の一実施形態の
概略図であり、本発明は、直流電流を高周波のPWM制御信号を使用して変調し
て、低熱容量の加熱プレートの熱出力を制御する。システム300では、レジス
タ302は加熱プレートの抵抗を表す。おおむね、コントローラ304は高周波
のパルス幅変調した制御信号を温度センサ306によって生じた温度信号に応答
して生じさせる。温度センサは、二重方向矢印305で示されるように加熱プレ
ート302と熱的に結合される。PWM制御信号は、制御信号の各パルスのデュ
ーティサイクルの「オン部分」についてスイッチ342を作動させるのに使われ
る。これにより、PWM制御信号のデューティサイクルに比例したレジスタ30
2に対応した電圧が加えられる。ヒータの電力出力はかかる電圧の二乗に比例す
る。
【0108】 たとえば、直流電流が300ボルトで供給されると、10パーセントのデュー
ティサイクルを有する20000HzのPWM制御信号がレジスタ302につい
て30ボルト(300ボルトの10パーセント)およびそれに対応する1パーセ
ントの熱出力を与える。直流電流は300ボルトで供給される場合、60%のデ
ューティサイクルを有する20000HzのPWM制御信号はレジスタ302に
ついて180ボルト(300ボルトの60パーセント)および36%の熱出力を
与える。同様に、直流電流が300ボルトで供給される場合、5パーセントのデ
ューティサイクルを有する20000HzのPWM制御信号はレジスタ302に
ついて15ボルト(300ボルトの5パーセント)、したがって0.25%の熱
出力を形成する。
【0109】 システム300の特徴をより詳細に参照すると、温度センサ306はコントロ
ーラ304への温度信号を含む情報を送信する。システム300は、望ましくは
、従来のドライバ回路301とノイズフィルタ303とを含み、データがコント
ローラ304に達する前に温度センサ306から取得された温度データを処理す
る。温度センサ306が複数のセンサを含むハイブリッドセンサである場合、対
応するドライバおよび/またはノイズフィルタはそれぞれこうしたセンサ部品の
ために使用することができる。ドライバ回路301は探知した温度信号の大きさ
を調整したり、所望であれば更なる処理により適した別の形態を探知したデータ
を変換するのに使われる。ノイズフィルタ303は、コントローラ304の処理
能力を高めるために温度センサ信号のノイズ量を低減、すなわちノイズ率への信
号を増加させる。
【0110】 コントローラ304は、ハードウェア、ソフトウェアなどの組み合わせにより
構成することができ、このコントローラを作動させて、温度センサ入力からPW
M制御信号を発生させる。こうした情報からPWM出力を発生するには、比例/
積分/微分(PID)制御の手法が好適であるが、いずれかの適当なプロセス制
御手法および構成要素を用いることができる。PID制御、およびプロセス制御
の原理は、コウアノールおよびコッペル(Coughanowr and Koppel) のプロセス
システム分析および制御,マクグローヒル社 (1 965)およびエフ.ジー.シンスキ
ー(F.G.Shinskey)のプロセス制御システム(1988)に記載されている。
【0111】 コントローラ304は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせ
から形成することができる。コントローラ304は、デジタルまたはアナログ、
またはその両方の形式とすることができる。コントローラ304の使用に適した
様々な市販のシステムが市販されており、これらを購入してプラグアンドプレイ
式でシステム300に組み込むことができる。たとえば、一実施形態では、テキ
サス州オースチンのナショナル インストルメンツの製品名称「LABVIEW」とし て市販されているPCベースの制御および分析システムをコントローラ304と
して使用することができる。あるいは、より好ましくは、コントローラ304は
一つまたは複数のマイクロプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ(
DSP‘s)を組み込んだ組み込みコントローラの形にすることができる。DS
Pは高速な信頼性のある安価なものである。DSPは、Curran, L., Machine De
sign, 「DSPs Find a Place in Motor Control」(1997年11月6日)の 95頁〜102頁に記載されている。適切なDSP装置のセットの代表例は、ア
ナログ デバイス社で市販されており、(i)AD7715(16ビットのシグマ デルタADC)装置またはAD7711(RTD励磁電流でADCを調整する信
号)およびADSP−2100(デジタルプロセッサ)装置を含む。
【0112】 オペレータは、所望であれば直接あるいは間接的にコントローラ304と相互
送信させることができる。たとえば、直接の相互送信を含む好適な実施形態では
、オペレータはコントローラ304と順次にインタフェースされているホストコ
ンピュータと直接接続することができる。POLARIS.RTM.マイクロリ
ソグラフィ・クラスタは、ホストコンピュータを介してこのような間接的な相互
送信に使用する。
【0113】 コントローラ304は、広い範囲において一つまたは複数の周波数を有するP
WM制御信号を生じさせるよう構成可能である。適切な周波数、または所望する
場合PWM制御信号を発生させるための周波数の範囲を選択するには、選択した
周波数は、温度制御における所望の精度を獲得するのに十分に高いがスイッチ時
間またはノイズ問題が生じるほど高くしなくともよい。一般的に、1000Hz
から50,000Hzの範囲、好ましくは20,000Hzの周波数を有するP
WM制御信号が適している。
【0114】 温度センサ306が熱電対とRTD温度センサとを組み込むハイブリッドセン
サである実施形態において、コントローラ304は、ハードウェア回路構成、ソ
フトウェア、またはその組み合わせの形の構成を含み、熱電対温度センサを校正
するためにRTDセンサで生じるデータを使用することができる。こうした実施
形態では、コントローラ304は、両方の装置によって探知される感知された温
度データがコントローラ304への入力信号として受信可能になるようにRTD
と熱電対センサとに作動可能に結合される。こうしてコントローラ304の対応
する校正構成により、コントローラ304は自動的にオンラインで熱電対を校正
できるようにする。校正は、加熱/冷却プロセス時のいずれかの期間でRTDと
熱電対センサによって取得される感知された温度データを使用して行うことがで
きる。ただし、校正は、加熱プレート124が平衡温度で維持されている間に感
知された温度データを使用することで最も容易に行われる。
【0115】 コントローラ304からのPWM出力は、制御可能なスイッチ回路構成341
に送信され、この回路は、制御可能なスイッチ342(絶縁ゲート形バイポーラ
トランジスタ、つまり「IGBT」スイッチとして好適な形態で図示される)と
ドライバ回路344(IGBTドライバ回路として好適な形態で図示される)と
を含む。ドライバ回路344は、コントローラ304からPWM制御信号を受信
し、この制御信号を対応する方法で制御可能なスイッチ342を開閉するために
使用する。
【0116】 これについては、システム300の処理の好適な実施形態と関連して以下にそ
の詳細を説明する。制御可能なスイッチ回路構成341の代表的な実施形態は、
制御可能なスイッチ342としてIMBC 15-060 ディスクリート形IGBTとドライバ
回路344としてEXB840 ハイブリッド形IC IGBTドライバを組み込んでいる。 共に、富士電気株式会社から市販されている。この装置の組み合わせの電気的仕
様は業者によって入手可能な製品文書に示されている。
【0117】 システム300は交流電源308から電流を受信するように構成されている。
米国では、交流電源308は、もっとも一般的には208Vの実効値電圧の三相
交流60Hzの電流を供給する電源である。システム300は交流電流を直流電 流に変換するために整流器310を組み込んでいる。たとえば、208Vの実効
値電圧は294ボルトの直流に整流される。図10に示す実施形態では、いずれ
かの適切な整流手段が所望のものとして使用できるが、整流器310は6ダイオ
ード形の整流器が好適な形態として示されている。6ダイオードの整流装置は、
ひとつのユニットとしてパッケージングおよび販売される一般的な装置であり、
多くの市販品の中から入手することができる。たとえば、日本のSansha 電気工 業株式会社から製品名称DF30BA80として市販されている6ダイオード整流器が、
本発明の実施において適切であることがわかっている。
【0118】 整流器310によって形成される直流電力は、望ましくないレベルの「交流リ
ップル」を含む脈動の形態で発生する傾向にある。したがって、システム300
は、望ましくは平滑回路部312を含み、直流パルスを平滑化させ、それにより
、「交流リップル」を減少させた平滑化された直流電流を生じる。平滑化した直
流電流は以下に述べるように変調された形で抵抗302に供給される。図示され
ている好適な平滑回路部312は、上部端子322と下部端子324との間に一
般的には並列接続されている抵抗314と、コンデンサ316と、コンデンサ3
18と、抵抗320とを含む。平滑回路部312は、リレーコイル326と常開
(NO)接点328を有するリレースイッチを含む。
【0119】 次に、平滑回路部312の構成部品をより詳細に参照すると、コンデンサ31
6は、高周波ノイズが主電源308に再びフィードバックされることを防ぐため
に役立つ比較的低い値の高周波コンデンサである。好適な実施形態では、コンデ
ンサ316は0.01μF、600Vのポリプロピレンタイプのコンデンサであ る。コンデンサ318は、直流フィルタ用として使われる比較的高い値のコンデ
ンサである。好適な実施形態では、コンデンサ318は2200μFで600V の定格の電解コンデンサである。抵抗314はシステム200の電源がオフにな
るとコンデンサ318から電荷を放出させるために役立つ高抵抗である。たとえ
ば、約10秒の期間にわたってコンデンサ318から電荷を放出させるために、
抵抗314は5000Ω,20wのレジスタであることが好ましい。
【0120】 抵抗302は、熱出力が制御される加熱プレートの抵抗を表す。抵抗302は
、システム300の負荷回路部330に組み込まれる。抵抗302に加えて、負
荷回路部330は、さらに、上部端子322と負荷回路底部端子338との間に
ともに接続されるダイオード332と、コンデンサ334と、インダクタ336
とを含む。負荷回路部330内では、コンデンサ334と抵抗302とは、上部
端子322と負荷回路の中間端子340との間のRC回路部分335に互いに並
列に接続される。インダクタ336とRC回路部分335は、上部端子322と
負荷回路底部端子338との間に互いに直列に接続される。負荷回路部330内
では、抵抗302と、インダクタ336と、コンデンサ334とは、抵抗302
において生じる直流電流を平滑化するために2極形ローパスフィルタのように機
能する。実際の効果としては、この「フィルタ」は、直流電流を通過するがコン
トローラ304のPWM出力の周波数において交流電流を抑える。周波数20,
000HzのPWM出力という一般的な実施形態において、インダクタ336は
4mH、10Aの、20kHzで作動可能なコイルであり、コンデンサ334は
、5μFの高周波600Vのコンデンサである。抵抗302は一般的には35Ωで ある。こうしてできたRLC回路は20,000Hzの交流電流を抑える。
【0121】 負荷回路底部端子338は、ダイオード332によって上部端子322に再び
結合される。ダイオード332は多くの有効な機能を有する。ダイオード332
は、スイッチ342をオフにすると負荷回路底部端子338の底部の電圧をクラ
ンプするために、バックまたは「フライホイール」ダイオードとして働く。ダイ
オード332は、抵抗302を介して所望の直流電流を保持しやすくするように
している。ダイオード332は、富士電気株式会社から発売されているERW05
−060タイプであることが好ましい。負荷回路底部端子338はまた、制御可能 なIGBTスイッチ342のコレクタに接続されている。
【0122】 システム300の好適な実施形態では、交流電源308から引き出された29
4Vの直流電流を使う場合、抵抗302の熱出力を制御するために、20,00
0HzのPWM制御信号をスイッチ342に供給する。温度センサ306は、抵
抗302上に支持される加工品の温度読み込みを表す電気信号を発生する。加工
品の温度を表す電気信号は、望ましくはドライバ301とノイズフィルタ303
とで処理された後に、コントローラ304に送信される。コントローラ304は
ノイズフィルタ303の出力を受信し、所望の温度からの抵抗302のずれ具合
に応じて、デューティサイクルを有するPWM出力を発するようにPID制御を
行なう。状況によっては、コントローラ304はPID制御を使って、抵抗30
2の熱出力の調整または維持を行うために適切なデューティサイクルを有するP
WM制御信号を決定しそしてこの信号を発生する。
【0123】 コントローラ304のPWM出力はIGBTドライバ344に送られる。IG
BTドライバ回路344は、該当する方法でスイッチ342を開閉するためにコ
ントローラ304から制御信号を使用する。たとえば、コントローラ304が、
デューティサイクル25パーセントの20,000HzのPWM制御信号を発生
すると、スイッチ342は25パーセントのデューティサイクルにおいて閉じて
いるスイッチ342で20,000Hzの比率で開閉される。同様に、コントロ
ーラ304が信号のデューティサイクルを70%まで上げる場合、スイッチ34
2は、このスイッチが各PWM間隔の70%で閉じてしまうことを除くと、20
,000Hzの比率で開閉される。
【0124】 このようにスイッチ342を作動させることで、レジスタ302の熱出力を容
易に制御することができる。一般的に、PWM制御信号のデューティサイクルを
上げると電圧が上昇するとともに抵抗302の熱出力が上がる傾向にある。同様
に、PWM制御信号のデューティサイクルが減少すると、電圧、ひいては抵抗3
02の熱出力が減少する傾向にある。実際の実施形態では、スイッチ342は0
パーセントから100%の範囲のデューティサイクルを有するPWM制御パルス
に応じて開閉するように作動させることができる。ただし、スイッチ342が、
たとえば20,000Hzの高周波で作動している場合でも、負荷回路部330
の時定数は一般的にはこれよりもずっと低い。これは、コンデンサ334とイン
ダクタ336とが抵抗302で生じる電圧を驚くほど平滑化するからである。し
たがって、生じる電圧、ひいては抵抗302の熱出力は、実際に大いに平滑化さ
れて安定し、上記で述べるようにPWM制御信号の平均デューティサイクルに比
例するようになっている。
【0125】 図11から図22は、図1aから図10に関連して上記に説明される本発明の
原理を組み込んだ本発明の加熱/冷却装置400の特に好適な実施形態である。
装置400は、この説明の目的上、ウエハ540の形態で加工品を処理するのに
適している本発明の実施形態である。概して、装置400は、加熱および冷却処
理を実行するための5つの主要なサブアセンブリを含む。こうした5つのサブア
センブリは、蓋アセンブリ401、ウエハ支持アセンブリ402、加熱プレート
アセンブリ403、冷却部材アセンブリ404、およびドライブトレインアセン
ブリ405を含む。こうした5つのアセンブリは主要なベース413に支持およ
び/または搭載されている。ドライブトレインアセンブリ405は加熱プレート
と冷却部材との上昇・下降の動きを生じさせる構成部品を含んでおり、荷積み/
荷降ろし形態、冷却形態、および加熱形態を含む三つの処理形態の一つに装置4
00を配置する。初めに、装置400は、荷積み/荷降ろし形態の装置400を
示す図11から図19までについて説明が行われる。3つの形態全体および装置
400の作動は、さらに以下で図20〜図22に関連して説明を行う。
【0126】 図11および図13〜図16をまず参照すると、蓋アセンブリ401はそれぞ
れ、本質的にはリング型の側壁部材406、407、408および、底部、中部
、および上部パネル409、410、411の階層構造アセンブリを含む。こう
した階層構造の構成部品は、加熱および冷却処理中にヒータアセンブリ406の
部分を受入れるように接続されている上部プレナム412、下部プレナム414
、および蓋リセス415(まず図15から図16を参照)を形成する。スペーサ
リング416は、下部プレナム414の中心に配置されかつねじ451で固定さ
れており、底部パネル409と中部パネル410との間の間隔を維持するのに役
立つ。また、スペーサリング416は下部プレナム414を外側プレナム部分4
17と内側プレナム部分418とに分割している。蓋アセンブリ401の階層構
造の構成部品は、ねじ、リベット、ボルト等の適切な固定具421を使って互い
に固定される。
【0127】 側壁部材406、407、408は、ほぼ矩形状の肩部419、420を備え
るように構成され、このうちの1つは、1種以上の気体を外側プレナム部分41 7に流すことができる取入れ通路(図示せず)を含んでいる。その他の肩部は、
上部プレナム412から気体が排出可能になっている排出通路(図示せず)を含
む。開口(図示せず)は、外側プレナム部分417に近接する底部パネル409
の周囲に配置されており、その結果、外側プレナム部分417の気体が蓋リセス
415へ下方に流れることができ、これによって、ウエハの形態で処理される加
工品540を気体で覆うことができる。また、開口(図示せず)は、内部プレナ
ム部分418に近接する底部パネル409と中部パネル410とに配置されるた
め、内部プレナム部分418を介して上方に流れ、さらに気体を上部プレナム4
12に流すことができる。気体は、上部プレナム412から、対応する肩部41
9または420の排出通路を通じて排出する場合もあり得る。
【0128】 蓋アセンブリ401は、固定して一対の蓋支持ポスト422に支持され、その
ため、蓋アセンブリ401は加熱および冷却処理中に移動することはない。各蓋
ポスト422は対応する肩部419または420に取付けられる。本明細書中に
記載されていない限り、蓋アセンブリ401およびポスト422の構成部品は、
アルミニウムなどのその他の材料や、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ドなどの高温プラスティックを使用することもできるが、ステンレス鋼で形成さ
れていることが好ましい。
【0129】 一般的な実施形態では、たとえば、パネル409、410、411は、厚さが
0.9mmから1.2mmのステンレス鋼の形態にすることができる。ただし、こう
した底部パネル409は、加熱/冷却処理中に温度を正確に制御することを妨げ
る比較的大きい熱容量を有することができる。この影響を解消し、より均一な加
熱および冷却を促進するために、底部パネル409は低い熱容量膜、つまり、好
ましくは内向きの表面424上に赤外線(IR)反射特性を有する、厚さが0.
05mmから0.1mmの膜の形式にすることができる。望ましくは、こうした低い
熱量の膜によって少なくとも二つの理由によって加熱および冷却処理に外側の周
囲の影響を減少するのに役立つ。第1の例では、IR反射の内向きの表面424
は、装置400の内側に輻射熱エネルギーを反射して返す傾向にあるため、より
少ない輻射熱エネルギーが底部パネル409に達して吸収される。第2の例では
、上部プレナム412および下部プレナム414が、外側周囲から底部パネル4
09を断熱するのに役立つ。こうした特徴により、それらの特徴がなければ上方
または下方から底部パネル409によって吸収される熱量を大幅に低減すること
ができ、これによって実際に底部パネル409の熱量を無効にするのに役立つ。
【0130】 低熱容量の、底部パネル409のIR反射の実施形態では、内向きの表面42
4に対応する基板表面にIR反射コーティングしたポリメトリック基板を含む。
加熱処理中に不適当なゆがみまたは品質低下を避けるには、このポリメトリック
基板は、加熱処理中に実行されうる最高温度より高いガラス移行温度(Tg)を 有するポリマーから形成することが好ましい。したがって、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリアミドイミドなどの高いTgポリマーが好ましい。IR反射コーティ ングは、いずれかの耐熱性のIR反射材料、即ち、金属、合金、および金、アル
ミニウム、ニッケル、これらの組み合わせなどの金属間組成物組成から形成する
ことが好ましい。特に好適な実施形態では、底部パネル409は、約50μmの
厚さの、アルミニウム合金で金属皮膜された少なくとも一つの表面を有するKA
PTONブランドのポリアミド基板である。
【0131】 ウエハ支持アセンブリ402の構成部品は、図12ないし図16において最も
よくわかる。ここでは、リフトピンベース426は、リフトピンベース426の
周囲に120°間隔に三角形状に配置された三組のリフトピンシャフト427を
支持する。リフトピン428は、ウエハ540を受けるのに適した高さでリフト
ピンシャフト427から伸びている。各リフトピンシャフト427とリフトピン
428は協働して、スプリング430をリフトピン428に固定することができ
る。リフトピンシャフト427とリフトピン428は、選択的に中空にすること
で、所望であればウエハ540をリフトピン428上に支持するために真空吸引
することができる。この真空は、チャンバ431を介して発生し、このチャンバ
は、対応する導管432を介して各リフトピンシャフト427の内部に接続され
ている。ホース継手452は、所望であれば真空を吸引することができるホース
をリフトピンベース426に取り付ける場所を提供する。
【0132】 冷却部材アセンブリ404の特徴は、図15および図16において最もよく図
示されている。冷却部材アセンブリ404は、環状支持リング433、支持リン
グ433上に支持される冷却部材434、および冷却部材434と環状支持リン
グ433がヒータ支持シャフト464と摺動可能に係合するためのフランジ中空
ベアリング448とを含んでいる。フランジ中空ベアリング448は、溶接、接
着、圧着、またはねじ締めで適所に固定することができる。図示されてはいない
が、こうした構成部品の間の摩擦界面には潤滑材を使用して、環状支持リング4
33と冷却部材434がヒータ支持シャフト464上で自由に上下動できるよう
になっている。
【0133】 図15と図16に示されているように、冷却部材アセンブリ404は装置40
0の最低位置にある。こうして装置400が開き、ウエハ540は処理のために
容易に挿入することができる。加熱および冷却処理中に、冷却部材アセンブリ4
04の構成部品は、冷却部材アセンブリ404が蓋アセンブリ401と係合する
まで上方に移動することができる。冷却部材装置404のさらなる上方の動きは
この係合によって制限される。この動きにより装置400を閉じて、ウエハを周
囲を密閉したチャンバ内で加熱および冷却することができる。加熱および冷却が
完了すると、冷却部材アセンブリ404は、装置400を開くために下降でき、
こうして処理したウエハを取り外され、別のウエハを挿入することができる。
【0134】 より詳細には、冷却部材434は、上方冷却板436と、下方冷却板437と
、側壁部材438を含む。上方および下方冷却板436、437が組み立てられ
ると、上方冷却板436の底部表面439には、冷却媒体路440を形成するた
めの溝が設けられる。上方および下方冷却板436、437は、共に、ステンレ
ス鋼、アルミニウム合金、皮膜保護した(ニッケル塗装した)銅が好適な、金属
、合金または金属間組成物などの熱伝導材料から形成されていることが好ましい
【0135】 側壁部材438の上部は、オプションとして、Oリング(図示せず)を受ける
ように溝を設ける(図示せず)ことができ、こうして側壁部材438は蓋アセン
ブリ401に密着して係合することができる。側壁部材438は、上方冷却板4
36または下方冷却板437のいずれかと結合して形成することができ、あるい
はまた図示するように別個のものとして形成することができる。別々に形成する
場合、側壁部材438はステンレス鋼またはアルミニウムなどの熱伝導材料から
形成することができ、またはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、超高
分子量ポリエチレンなどの断熱材料から形成することができる。
【0136】 アセンブリについては、冷却板436、437と側壁部材438は、ねじ、ボ
ルト、接着、溶接等の所望の手段を使って組立てて冷却部材434を形成する。
組み立てられた冷却部材434は、ねじ、ボルト、接着、溶接等の適当な手段を
用いて環状支持リング433に取り付けて固定することができる。冷却部材43
4は、その構成部品により組み立てられ、それからねじ441を使って環状支持
リング433に取り付けられており、装置400は、保守および点検のために分
解および再組み立てできることが好ましい。上方および下方の冷却板436およ
び437は、リフトピンシャフト427とリフトピン428にはまり込むように
構成されるが、冷却部材434は、この部材の上下移動中に、リフトピンシャフ
ト427またはリフトピン428に摺動可能に係合しないようにすることが好ま
しい。
【0137】 加熱プレートアセンブリ403の特徴は、図15ないし図19において最もよ
くわかる。加熱プレートアセンブリ403は、一般的に環状ヒータ支持リング4
60を含み、このヒータ支持リングは、べースとして役立ち、これに取り付けら
れて固定された3組のヒータ支持シャフト464上に加熱プレートサブ組立体4 62を支持する。図16から図17に最もよく図示されているように、各ヒータ
支持シャフト464は、比較的狭い底部ピン470を含み、このピンが対応する
3組の開口に係合するように寸法決めされている。支持シャフトナット476は 、各ヒータ支持シャフト464を適所に固定する。もちろん、いずれかの他の固
定方法(接着、溶接、圧着など)を用いてヒータ支持シャフト464をヒータ支
持リング460に取り付けることもできる。ヒータ支持シャフト464の少なく
とも1つは、通路を形成するために中空にすることができ、この通路を介して加 熱プレートサブ組立体462に連結するための電気配線等をガイドすることがで
きる。ヒータ支持リングは、さらに、以下により詳細に述べるような方法で、ド
ライブトレインアセンブリ405にヒータ支持リング460を連結できる開口4
63をさらに含む。
【0138】 各ヒータ支持シャフト464の上部端において、いずれかの適切な固定方法を
使用して、加熱プレートサブ組立体462が、各ヒータ支持シャフト464の上
部に固定される。図示されているように、たとえば、ある方法では、ヒータ取付
ねじ465を用いて、各ヒータ支持シャフト464の頂部にある対応するねじ付
き開口にねじ止めする。このため、ヒータ支持リング460を上昇させると、加
熱プレートサブ組立体462も持ち上がる。同様に、ヒータ支持リング460が
下がると、加熱プレートアセンブリ462も下がる。この動きにより、以下に述
べるように、この動きによって、荷積み/荷降ろし、加熱/冷却の各形態間にお
ける装置400の形態の変更を容易にする。
【0139】 図15および図16で最もよく見られるように、冷却部材サブ組立体404は
、ヒータ支持シャフト464に摺動可能にはめ込められ、実際に加熱プレートサ
ブ組立体462とヒータ支持リング460との間のヒータ支持シャフト464上
に支持される。これにより、加熱及び冷却処理中に、冷却部材434上方で加熱
プレートサブ組立体462を降下させたり上昇させたりすることができる。重要
なのは、ばね478が、ヒータ支持シャフト464上に取り付けられかつヒータ
支持リング460と冷却部材支持リング433との間に配置されることである。
装置400は、図11ないし図20に図示されている荷積み/荷降ろし形態にあ
る場合に、ばね478は冷却部材アセンブリ404と加熱プレートサブ組立体4
62とを強固に付勢する。ばね478の使用は特に望ましいが、これは、簡単な
一つのリフト機構を用いて、装置400を三つの異なる処理形態に容易に配置す
ることができるからである。
【0140】 加熱プレートサブ組立体462の特徴は、図15ないし図19に最もよく示さ
れている。ここでは、低熱容量の平坦な加熱プレート482(わかりやすくする
ために二層の積層構成を有するように略図で示されている)が、エッチングされ
る加熱フォイル(図17の484で示される特徴によって概略的に示される)か
ら構成され、上方リングクランプ486と下方リングクランプ488との間に挟
持されている。上方リングクランプ486と下方リングクランプ488とは、互
いに係合するように構成されており、さらにねじ496によって互いに固定され
る。上方リングクランプ486と下方リングクランプ488は、加熱プレート4
82がその間に支持される複数の支柱506を含み、それにより、加熱プレート
482に直接接触する部分を最小にする。支柱506を使用することでより均一
な、より制御可能な加熱および冷却処理が促進される。
【0141】 上方および下方のリングクランプ486と488は、いずれかの適切な剛性か
つ耐熱性のある材料で形成することができる。特に好適な材料は、さらに優れた
断熱装置でもある。クランプ486および488を形成するのに適切なこうした
材料の代表例は、ポリイミド、ポリアミド、アルミナ、合成水晶またはその他の
非アルカリセラミック材料やこれらの組み合わせなどを含む。テキサス州オース
チンのボーデッカー プラスチック社から、製品名称「ULTEM 2000」
としてある好適なポリマークランプ材料が市販されている。
【0142】 環状部材492は外側周辺部492と内側周辺部496を含む。外側周辺部4
94は上方リングクランプ486内にちょうどはまり込むように寸法決めされて
おり、内側周辺部は、処理のためにウエハ540を配置可能な環状リセスを形成
する。加熱プレート482の上部表面500は、上部表面500に等距離で環状
部材492とウエハ540とを支持する複数の突起502が設けられている。さ
らに、加熱プレート482は、加熱プレートサブ組立体462をリフトピン42
8に摺動可能に取り付けることを可能にする3組の開口504を含む。
【0143】 加熱および冷却時において、加熱プレート482は、温度変化につれて膨張お
よび収縮する傾向がある。傾斜したコイルリング498が、加熱プレート482
とクランプ486、488のいずれかまたは両方との間に配置されており、こう
した寸法的な変化を変更する。このように、そうしなければ生じ得る自由な動き
または結合応力が回避される。
【0144】 ドライブトレインアセンブリ405は、図12ないし図16において最もよく
示されている。ドライブトレインアセンブリ405は、一般的には、ステップモ
ータサブ組立体510、3組のリフトサブ組立体512、ドライブチェーン51 4、およびチェーンテンショナー516を含む。ステップモータセンブリ510
はステップモータ518とパワースプロケット520を含む。ステップモータ5
18は正逆回転可能であり、パワースプロケット520を、正方向または逆方向
に回転駆動することができる。本発明の目的では、「正の」方向は、加熱プレー
トおよび/または冷却部材サブ組立体403、404を垂直上方に移動させる回
転方向になっていると考えられる。「逆の」方向は、加熱プレートおよび/また
は冷却部材サブ組立体403、404を垂直下方に移動させる回転方向になって
いると考えられる。ステップモータ518は、ゴム製の絶縁支持体519上のメ
インベース413に取り付けられて、装置400の他の構成部品からモータの振
動を分離するようになっている。
【0145】 各リフトサブ組立体512は、上部ベアリング522と下部ベアリング524
との間に回転可能に支持されるリードねじ521を含む。上部ベアリング522
は、ブレース528によってリードスクリュー521の上部端に支持される上部
支持アーム526に配置されている。下部ベアリング524は、メインベース4
13へ取りつけられる、フット525に配置されている。チェーンスプロケット
530は各リードねじ521の底部に連結して固定され、その結果、チェーンス
プロケット530の回転運動によって、対応するリードねじ521が対応する方
法で回転する。
【0146】 パワースプロケット520からの回転運動は、各チェーンスプロケット530
に伝えられ、ついで各リードねじ521に、チェーンスプロケット530によっ
て少なくとも部分的に形成される通路を横切る閉ループドライブチェーン514
により伝達される。チェーンテンショナーは、アイドラスプロケット532、調
整可能な板534、およびアーム535を含み、ドライブチェーン514の張力
を容易に調整することができる。
【0147】 各リードねじ521は、対応するリードねじにねじ止めされかつヒータ支持リ
ング460に固定される、バネ付勢されたリードねじフォロア536を含み、こ
のねじフロア536は、ヒータ支持リング460に対して回転不能になっている
。リテイナー538によって、各リードねじフォロアが適切な位置に固定される
。このため、各リードねじ521はリードねじフォロア536内で回転可能であ
るが、各リードねじフォロア536は回転しない。これによって、正方向のリー
ドねじ521の回転によってリードねじフォロア536が駆動され、それによっ
てヒータ支持リング460は垂直方向上方に移動する。同様に、逆方向にリード
ねじ521が回転することによってリードねじフォロア526が駆動され、ヒー
タ支持リング460は垂直方向下方に移動する。
【0148】 装置400の好適な実施形態を、図20ないし図22について説明する。図2
0では、装置400は、装置400を開くことでウエハ540を装置400の内
側へ挿入したりこれから取り除いたりすることができる荷積み/荷降ろしの形態
になっている。この形態では、加熱プレートサブ組立体462は、ばね478の
作用によって上方冷却板436の上部に引っ張られ、リフトピン428は上記の
加熱プレートサブ組立体462のずっと上方に突出する。これによってウエハ5
40は処理のためにリフトピン428上に配置することができる。
【0149】 図21は、冷却形態にある装置400を示す。図20の荷積み/荷降ろしの形
態から冷却形態に変更するために、ステップモータ518は、リードねじ521
を正方向に駆動させるように作動する。こうすることでリードねじフォロア53
6がリードねじ521を上方に駆動させる。リードねじフォロア536に固定結
合されたヒータ支持リング460と加熱プレートサブ組立体462は同様に、上
方に駆動される。この間、ヒータ支持リング460の上方の動きにより、ばね4
78が、フランジ中空ベアリング448のフランジ450を上方へ押しつけるよ
うにする。こうして冷却部材アセンブリ404は同様に上方へ駆動される。ステ
ップモータ518によって、冷却部材アセンブリ404の側壁部材438が、蓋
アセンブリ401、閉じ動作の装置400と係合するまで、正方向にリードねじ
521を駆動させる。側壁部材438の上部にオプションの溝(図示せず)にお
いてOリングガスケット(図示せず)があるために、上方の動きの実際的な範囲
内においてよい密封が得られる。これによって、装置400が閉じたあと、かつ
冷却部材アセンブリ404と加熱プレートサブ組立体462が、ばね478の作
用によってともに引かれている間、冷却形態が達成される。冷却部材アセンブリ
404と加熱プレートサブ組立体462が冷却形態の上方に駆動されるため、ウ
エハ540はリフトピン428を下降させて突起502に支持される。
【0150】 このため、装置400を荷積み/荷降ろし形態から冷却形態へと変更すると、
加熱プレートアセンブリ403と冷却部材アセンブリ404は、強調した方法で
上方へ移動する。こうして生じた冷却形態では、ウエハ540は加熱プレートサ
ブ組立体462の加熱プレート482上に支持され、代わりに加熱プレートサブ
組立体462は上方冷却板436に対して引っ張られる。実際の効果として、上
方冷却板436はウエハ540と熱接触することによって、冷却処理を実行する
ことができる。ステップモータ518を作動して逆方向にリードねじ521を駆
動させることにより、装置400を荷積み/荷降ろし構成に復帰させることがで
きる。
【0151】 図22は、加熱形態における装置400を示す。図21の冷却形態から加熱形
態に変更させるためには、ステップモータ518を作動させてリードねじ521
を正方向に駆動させる。これにより、リードねじフォロア536は、冷却形態に
関連したリードねじフォロア536の位置よりもさらに上方になる。ただし、こ
の状況では、冷却アセンブリ404のさらなる上方の動きは蓋アセンブリ401
によって阻止されている。したがって、加熱プレートアセンブリ403のみが上
方へ駆動される。これは、図22に示されるように、ばね478のさらなる圧縮
によってヒータ支持リング460がその時点では固定されている冷却板支持リン
グ433に向けて上方に駆動される。この形態では、加熱プレートサブ組立体4
62は上方冷却板436との熱接触から脱して持ち上げられることにより、加熱
処理がその時点で実行可能になる。装置400は、ステップモータ518を作動
させて逆方向にリードねじ521を駆動させることによって冷却形態または荷積
み/荷降ろし形態に復帰させることができる。
【0152】 本発明のその他の実施形態は、本明細書を考慮して、または本明細書で開示さ
れている本発明の実施により、当業者には明らかであろう。本明細書に記載され
ている原理および実施形態には、様々な省略、修正、変更を、添付のクレームで
示す本発明の真の範囲および精神から逸脱しないかぎり当業者により実行するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは、準備状態における側面図を示す本発明の加熱/冷却装置の概略構成
である。図1bは、加熱状態における側面図を示す側面図を示す本発明の加熱/
冷却装置の概略構成である。図1cは、冷却状態における側面図を示す本発明の
加熱/冷却装置の概略構成である。図1dは、ウエハ支持突出部の好ましい配置
を示す本発明の加熱プレートの上面図である。
【図2】 図2aは、好ましい積層構造を示す本発明の加熱プレートの実施形態を示す断
面図である。図2bは、図2aの加熱プレート内に含まれる加熱層の上面図であ
る。
【図3】 図3は、他の積層構造を示す本発明の加熱プレートにおける別の実施形態を示
す断面図である。
【図4】 図4は、他の積層構造を示す本発明の加熱プレートにおける別の実施形態を示
す断面図である。
【図5】 図5aは、本発明の半径方向に引張り力を受けた加熱プレート基板に適合する
半径方向引張装置の1つの実施形態を示す斜視図である。図5bは、図5aの半
径方向引張装置の側断面図である。図5cは、図5aの半径方向引張装置の配置
を容易にする周縁カット部を有する本発明の基板における上面図である。
【図6】 図6は、所望の最終冷却ドウエル温度と同一温度に維持される冷却プレートを
用いて冷却している半導体素子の温度プロフィルである。
【図7】 図7は、最終の所望冷却平衡温度以下の温度に維持される冷却プレートを用い
て冷却している半導体素子の温度プロフィルである。
【図8】 図8は、冷却ブーストを用いて、平衡温度に加熱される半導体素子の温度プロ
フィルである。
【図9】 図9は、冷却ブーストを用いて、平衡温度に加熱される半導体素子の温度プロ
フィルである。
【図10】 図10は、ヒータの熱出力を制御するための本発明の好適な制御装置の概略図
である。
【図11】 図11は、本発明の加熱/冷却ステーションの好ましい実施形態を示す上面図
である。
【図12】 図12は、図11の加熱/冷却ステーションの底面図である。
【図13】 図13は、図11の加熱/冷却ステーションの斜視図である。
【図14】 図14は、図11の加熱/冷却ステーションの側面図である。
【図15】 図11の15−15線に沿って切り取った断面を示す図11の加熱/冷却ステーシ
ョンの側面図である。
【図16】 図1の16−16線に沿って切り取った図11の加熱/冷却ステーションの側断面
図である。
【図17】 加熱プレートのサブ組立体の特徴をより詳細に示している図11の装置の一部
分を断面で示した拡大側面図である。
【図18】 図11の装置内に含まれる加熱プレートのサブ組立体の斜視図である。
【図19】 図18の加熱プレートにおけるサブ組立体の分解斜視図である。
【図20】 本装置の構造をより明瞭にするためにいくつかの部材を取り除いたローディン
グ/アンローディング構成を示す図11の装置の側面図である。
【図21】 本装置の構造をより明瞭にするためにいくつかの部材を取り除いた、冷却手段
の構成を示す図11の装置の側面図である。
【図22】 本装置の構造をより明瞭にするためにいくつかの部材を取り除いた、加熱手段
の構成を示す図11の装置の側面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月7日(2000.9.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リアング,ファクイ (フランク) アメリカ合衆国 テキサス 75025 プラ ノ クリスチャン コート 8812 (72)発明者 ラマナン,ナタラジャン アメリカ合衆国 テキサス 75093 プラ ノ ウエスト パーカー 5945 アパート メント 1311 Fターム(参考) 3K058 AA02 AA41 AA86 BA00 CA16 CA69 CB07 CE19 3K092 PP20 QA05 RF03 UA05 VV15 VV22 4K063 BA12 CA03 CA06 DA31 EA10 FA01 5F031 CA02 CA05 CA20 HA12 HA37 HA38 HA58 JA01 JA08 JA21 JA46 LA01 MA27 MA28 MA29 MA30 MA32 PA04 5F046 KA04

Claims (92)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工品の温度を制御するのに適した装置であって、該装置は
    、 (a) 加工品と熱的に接触して前記加工品を支持できる加熱部材の表面を有し、 かつ加熱中、前記加熱部材からの加熱エネルギーが前記加工品に伝達される、低
    熱容量で熱伝導性の加熱部材と、 (b) 高熱容量の冷却部材とを含み、 前記装置は、少なくとも、冷却部材が加熱部材と熱的に接触する第1形態にお
    いて、前記加熱部材と冷却部材を支持するように作動することを特徴とする装置
  2. 【請求項2】 さらに、加熱部材と冷却部材が熱的に切り離されている第2
    形態を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 加工品がマイクロエレクトロニクスデバイスからなることを
    特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 さらに、加熱部材と冷却部材が熱的に引き離されている第2
    形態を含み、前記加熱部材は、対向する第1,第2の主表面を有し、第1主表面
    は加工品の支持面に対応し、装置が前記第1形態にあるとき、前記加熱部材の第
    2主表面と冷却部材が熱的に接触し、装置が前記第2形態にあるとき、前記加熱
    部材と冷却部材は、前記加熱部材の第2主表面と冷却部材の間の物理的分離によ
    って熱的に切り離されることを特徴とする請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 加熱部材は、少なくとも、 (a) 基板層と、 (b) この基板層に積層され、少なくとも1つの制御可能な加熱ゾーンを含む加 熱層と、 を備えている積層板であることを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記加工品の支持表面にさらにフレーム部材が設けられ、こ
    のフレーム部材は、加工品を受入れることができる内部空間を有していることを
    特徴とする請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 フレーム部材に対する加工品の熱的拡散度の比は、0.8:1〜
    1:0.8の範囲であることを特徴とする請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】 加工品は、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、フレ
    ーム部材は、シリコン、アルミニウム、ゲルマニウム、ガリウム−砒化物、ガラ
    ス、ステンレス鋼、アルミ合金、アルミニウムを含む金属間組成物、マグネシウ
    ム合金、マグネシウムを含む金属間組成物およびそれらの組合せから選択される
    材料を含んでいることを特徴とする請求項6記載の装置。
  9. 【請求項9】 加工品は、前記材料の重量%が少なくとも98パーセントで あり、前記フレーム部材が同一の前記材料の重量%が少なくとも98パーセント であることを特徴とする請求項6記載の装置。
  10. 【請求項10】 フレーム部材と加工品が各々ほぼ同一の厚さを有すること
    を特徴とする請求項6記載の装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの温度センサがフレーム部材に連結されて
    いることを特徴とする請求項6記載の装置。
  12. 【請求項12】 温度センサは、RTD素子であることを特徴とする請求項
    11記載の装置。
  13. 【請求項13】 さらに、 (i) 前記加熱部材に連結され、加工品の温度に対応する第1温度信号を感知する
    のに有効な位置に設けられており、かつ第1温度を感知する時定数と安定度を有
    する第1温度センサと、 (ii) 前記加熱部材に連結され、加工品の温度に対応する第2温度信号を感知す るのに有効な位置に設けられており、かつ第2温度を感知する時定数と安定度を
    有する第2温度センサとを含み、 第2温度を感知する時定数は、第1温度を感知する時定数よりも大きく、第1
    温度を感知する安定度は、第2温度を感知する安定度よりも大きいことを特徴と
    する請求項1記載の装置。
  14. 【請求項14】 第1,第2温度センサと連結して作動する制御装置をさら
    に含み、この制御装置は、第1,第2温度信号を含む情報を用いて前記制御装置
    が自動的に第1温度センサをオンラインで校正できる命令プログラムを含んでい
    ることを特徴とする請求項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 加工品の支持表面に設けられたフレーム部材をさらに含み
    、このフレーム部材は、加工品を受入れる内部空間を有し、かつ第1,第2温度
    センサが、前記フレーム部材に連結されていることを特徴とする請求項13記載
    の装置。
  16. 【請求項16】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子(RTD
    )センサであることを特徴とする請求項13記載の装置。
  17. 【請求項17】 第2温度センサは、サーモカップル(TC)センサである
    ことを特徴とする請求項13記載の装置。
  18. 【請求項18】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子センサで
    あり、かつ第2温度センサは、サーモカップルセンサであることを特徴とする請
    求項13記載の装置。
  19. 【請求項19】 加熱部材は、第1,第2の独立に制御可能な加熱ゾーンを
    含むことを特徴とする請求項6記載の装置。
  20. 【請求項20】 加熱部材は、フレーム部材の内部空間の少なくとも一部分
    に横たわる制御可能な第1加熱ゾーンと、前記フレーム部材の少なくとも一部分
    に横たわりかつ前記第1加熱ゾーンを取り囲む、制御可能な第2加熱ゾーンを含
    むことを特徴とする請求項6記載の装置。
  21. 【請求項21】 加熱層は、フレーム部材の内部空間またはフレーム部材の
    少なくとも一部分に横たわる制御可能な加熱ゾーンを含むことを特徴とする請求
    項6記載の装置。
  22. 【請求項22】 加熱部材の加工品支持表面が、さらに加工品を支持するた
    めの複数の突出部を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
  23. 【請求項23】 マイクロエレクトロニクスデバイスを加熱するための加熱
    装置であって、 (a) 加熱部材と、 (b) この加熱部材の表面に設けられ、かつ前記マイクロエレクトロニクスデバ イスを受入れることができる内部空間を有するフレーム部材を含むことを特徴と
    する加熱装置。
  24. 【請求項24】 加熱部材の表面から上方に突出し、前記フレーム部材とマ
    イクロエレクトロニクスデバイスの少なくとも1つを支持するための複数の突出
    部をさらに含むことを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  25. 【請求項25】 マイクロエレクトロニクスデバイスは半導体素子からなり
    、かつフレーム部材は環状であることを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  26. 【請求項26】 フレーム部材に対する加工品の熱的拡散度の比は、0.8:1
    〜1:0.8の範囲であることを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  27. 【請求項27】 マイクロエレクトロニクスデバイスに対する加熱部材の熱
    容量の比は、約1:100〜約5:1の範囲である特徴とする請求項23記載の加熱装
    置。
  28. 【請求項28】 マイクロエレクトロニクスデバイスに対する加熱部材の熱
    容量の比は、約1:10〜約2:1の範囲であることを特徴とする請求項23記載の 加熱装置。
  29. 【請求項29】 フレーム部材に対するマイクロエレクトロニクスデバイス
    の熱的拡散度の比は、約1:1の範囲であることを特徴とする請求項23記載の加
    熱装置。
  30. 【請求項30】 フレーム部材は、シリコン、アルミニウム、ゲルマニウム
    、ガリウム−砒化物、ガラス、ステンレス鋼、アルミ合金、アルミニウムを含む
    金属間組成物、マグネシウム合金、マグネシウムを含む金属間組成物およびそれ
    らの組合せから選択される材料を含んでいることを特徴とする請求項23記載の
    加熱装置。
  31. 【請求項31】 加工品は、前記材料の重量%が少なくとも98パーセント であり、前記フレーム部材が同一の前記材料の重量%が少なくとも98パーセン トであることを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  32. 【請求項32】 フレーム部材とマイクロエレクトロニクスデバイスは、ほ
    ぼ同一の厚さであることを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  33. 【請求項33】 加熱部材は、第1,第2の独立した制御可能な加熱ゾーン
    を含むことを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  34. 【請求項34】 加熱部材は、フレーム部材の内部空間の少なくとも一部分
    に横たわる制御可能な第1加熱ゾーンと、前記フレーム部材の少なくとも一部分
    に横たわりかつ前記第1加熱ゾーンを取り囲む、制御可能な第2加熱ゾーンを含
    むことを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  35. 【請求項35】 フレーム部材に連結された少なくとも1つの温度センサを
    さらに含むことを特徴とする請求項23記載の加熱装置。
  36. 【請求項36】 温度センサは、RTD素子であることを特徴とする請求項
    35記載の加熱装置。
  37. 【請求項37】 さらに、 (i) 前記加熱部材に連結され、マイクロエレクトロニクスデバイスの温度に対応
    する第1温度信号を感知するのに有効な位置に設けられており、かつ第1温度を
    感知する時定数と安定度を有する第1温度センサと、 (ii) 前記加熱部材に連結され、加工品の温度に対応する第2温度信号を感知す るのに有効な位置に設けられており、かつ第2温度を感知する時定数と安定度を
    有する第2温度センサとを含み、 第2温度を感知する時定数は、第1温度を感知する時定数よりも大きく、第1
    温度を感知する安定度は、第2温度を感知する安定度よりも大きいことを特徴と
    する請求項23記載の加熱装置。
  38. 【請求項38】 第1,第2温度センサと連結して作動する制御装置をさら
    に含み、この制御装置は、第1,第2温度信号を含む情報を用いて前記制御装置
    が自動的に第1温度センサをオンラインで校正できる命令プログラムを含んでい
    ることを特徴とする請求項37記載の加熱装置。
  39. 【請求項39】 第1,第2温度センサは、フレーム部材に連結されている
    ことを特徴とする請求項37記載の加熱装置。
  40. 【請求項40】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子(RTD
    )センサであることを特徴とする請求項37記載の加熱装置。
  41. 【請求項41】 第2温度センサは、サーモカップル(TC)センサである
    ことを特徴とする請求項37記載の装置。
  42. 【請求項42】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子センサで
    あり、かつ第2温度センサは、サーモカップルセンサであることを特徴とする請
    求項37記載の加熱装置。
  43. 【請求項43】 対象物の温度を制御するためのシステムであって、 (a) 前記対象物の温度を示す出力温度信号を有効に発生する位置内で前記シス テムに連結される少なくとも1つの温度センサと、 (b) 制御可能に可変するデューティサイクルを有し、パルス幅変調(PWM)制御 信号が前記温度信号を含む情報から導かれる、パルス幅変調された制御信号源と
    、 (c) 加熱中、前記対象物を支持するための表面を有し、前記PWM制御信号の デューティサイクルに対応する制御可能な熱出力レベルを有する、低熱容量で熱
    伝導性の加熱部材と、 を含むことを特徴とするシステム。
  44. 【請求項44】 前記PWM制御信号のデューティサイクルに対応した電圧
    レベルが前記加熱部材に生じるように前記PWM制御信号源と前記加熱部材に電
    気的に接続されるスイッチをさらに含むことを特徴とする請求項43記載のシス
    テム。
  45. 【請求項45】 前記スイッチは、IGBTトランジスタであることを特徴
    とする請求項44記載のシステム。
  46. 【請求項46】 さらに負荷回路を含み、この負荷回路は、RC回路が直列
    接続されたインダクターを含み、前記RC回路は、キャパシタと抵抗が並列接続
    され、前記抵抗が加熱部材に対応することを特徴とする請求項43記載のシステ
    ム。
  47. 【請求項47】 前記負荷回路に電気的に接続されるスイッチを含み、この
    スイッチは、前記負荷回路の電圧が負荷回路間に発生するとき、前記加熱部材の
    熱出力を変調するPWM制御信号に応答することを特徴とする請求項46記載の
    システム。
  48. 【請求項48】 前記負荷回路は、下部端子と、上部端子と、前記下部端子
    と上部端子に電気的に接続されたダイオードとを含み、このダイオードは、前記
    下部端子から上部端子に流れる電流に関して順方向にバイアスされていることを
    特徴とする請求項46記載のシステム。
  49. 【請求項49】 PWM制御信号源は、DSPを含むコントローラを含むこ
    とを特徴とする請求項43記載のシステム。
  50. 【請求項50】 対象物は、マイクロエレクトロニクスデバイスを含むこと
    を特徴とする請求項43記載のシステム。
  51. 【請求項51】 温度センサは、抵抗温度素子(RTD)センサであること
    を特徴とする請求項43記載のシステム。
  52. 【請求項52】 PWM制御信号は、少なくとも1000Hzから約50、000H zまでの範囲内の周波数を有することを特徴とする請求項43記載のシステム。
  53. 【請求項53】 PWM制御信号は、約20、000Hzの周波数を有すること を特徴とする請求項43記載のシステム。
  54. 【請求項54】 PWM制御信号源は、温度信号にPID制御手法を適用す
    ることによってPWM制御信号を発生することを特徴とする請求項43記載のシ
    ステム。
  55. 【請求項55】 冷却した温度(Tc)に加工品を冷却する方法であって、
    (a) 加工品がTc以上の温度となるように、低熱容量でかつ熱伝導性の支持体 に熱的に接触する加工品を支持し、 (b) 前記加工品が前記支持体からの熱伝導により冷却されるように、前記低熱 容量の支持体をTc以下の温度に維持された冷却部材に接触させて配置し、 (c) 冷却中、前記支持体の温度を監視し、 (d) 支持体がTcに相当する温度になったとき、冷却部材から加熱部材を物理 的に分離することにより冷却を完了させる、各工程を有することを特徴とする方
    法。
  56. 【請求項56】 工程(d)は、加工品をTc温度に維持できる状態下で冷却 部材と熱的に接触している間、前記加工品を加熱することを含んでいる請求項5
    5記載の方法。
  57. 【請求項57】 工程(d)は、冷却部材から加工品と支持体とを物理的に分 離することを含んでいる請求項55記載の方法。
  58. 【請求項58】 加工品は、マイクロエレクトロニクスデバイスからなるこ
    とを特徴とする請求項55記載の方法。
  59. 【請求項59】 支持体は、比較的低熱容量で熱伝導性を有する、加熱制御
    可能な加熱部材であり、この加熱部材は、第1,第2の対向する主表面を有して
    おり、前記工程(a)は、前記加熱部材の第1主表面に加工品を支持することを含 んでいる請求項55記載の方法。
  60. 【請求項60】 工程(b)は、加熱部材の第2主表面を、加熱部材の第1主 表面に支持された加工品を冷却する冷却部材と熱的に接触させることを含んでい
    る請求項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 加工品を加熱するために、シート形状の積層された、低熱
    容量で熱伝導性を有する加熱部材であって、 前記加工品支持表面と加工品冷却表面にそれぞれ相当する第1,第2の対向す
    る主表面を有し、 前記支持表面上に配置された加工品は、前記冷却表面がヒートシンクとして熱
    的に接触するとき、冷却されることを特徴とする加熱部材。
  62. 【請求項62】 加工品の温度を制御する装置が、加工品支持面上に配置さ
    れたフレーム部材をさらに含み、このフレーム部材は、前記加工品を受け入れる
    内部空間を有することを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  63. 【請求項63】 フレーム部材に対する加工品の熱的拡散度の比は、0.8:1
    〜1:0.8の範囲であることを特徴とする請求項62記載の加熱部材。
  64. 【請求項64】 加工品は、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、フ
    レーム部材は、シリコン、アルミニウム、ゲルマニウム、ガリウム−砒化物、ガ
    ラス、ステンレス鋼、アルミ合金、アルミニウムを含む金属間組成物、マグネシ
    ウム合金、マグネシウムを含む金属間組成物およびそれらの組合せから選択され
    る材料の重量%が少なくとも80パーセントを含んでいることを特徴とする請求
    項62記載の加熱部材。
  65. 【請求項65】 加工品は、前記材料の重量%が少なくとも98パーセント
    であり、フレーム部材も前記同一材料の重量%が少なくとも98パーセントであ
    ることを特徴とする請求項62記載の加熱部材。
  66. 【請求項66】 フレーム部材と加工品は、おのおの同一の厚さであること
    を特徴とする請求項62記載の加熱部材。
  67. 【請求項67】 フレーム部材に連結される少なくとも1つの温度センサを
    さらに含むことを特徴とする請求項62記載の加熱部材。
  68. 【請求項68】 温度センサは、抵抗温度素子(RTD)センサであること
    を特徴とする請求項67記載の加熱部材。
  69. 【請求項69】 さらに、 (i) 前記加熱部材に連結され、加工品の温度に対応する第1温度信号を感知する
    のに有効な位置に設けられており、かつ第1温度を感知する時定数と安定度を有
    する第1温度センサと、 (ii) 前記加熱部材に連結され、加工品の温度に対応する第2温度信号を感知す
    るのに有効な位置に設けられており、かつ第2温度を感知する時定数と安定度を
    有する第2温度センサとを含み、 第2温度を感知する時定数は、第1温度を感知する時定数よりも大きく、第1
    温度を感知する安定度は、第2温度を感知する安定度よりも大きいことを特徴と
    する請求項61記載の加熱部材。
  70. 【請求項70】 第1,第2温度センサと連結して作動する制御装置をさら
    に含み、この制御装置は、第1,第2温度信号を含む情報を用いて前記制御装置
    が自動的に第1温度センサをオンラインで校正できる命令プログラムを含んでい
    ることを特徴とする請求項69記載の加熱部材。
  71. 【請求項71】 加熱部材は、加工品支持表面上に設けられたフレーム部材
    を含み、前記フレーム部材は、前記加工品を受入れることができる内部空間を有
    し、第1,第2温度センサが前記フレーム部材に連結されていることを特徴とす
    る請求項69記載の加熱部材。
  72. 【請求項72】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子(RTD
    )センサであることを特徴とする請求項69記載の加熱部材。
  73. 【請求項73】 第2温度センサは、サーモカップル(TC)センサである
    ことを特徴とする請求項69記載の加熱部材。
  74. 【請求項74】 第1温度センサは、薄いフィルムの抵抗温度素子センサ
    であり、かつ第2温度センサは、サーモカップルセンサであることを特徴とする
    請求項69記載の加熱部材。
  75. 【請求項75】 加熱部材は、第1,第2の独立に制御可能な加熱ゾーンを
    含むことを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  76. 【請求項76】 加熱部材は、フレーム部材の内部空間の少なくとも一部分
    に横たわる制御可能な第1加熱ゾーンと、前記フレーム部材の少なくとも一部分
    に横たわりかつ前記第1加熱ゾーンを取り囲む、制御可能な第2加熱ゾーンを含
    むことを特徴とする請求項62記載の加熱部材。
  77. 【請求項77】 加熱層は、フレーム部材の内部空間およびフレーム部材の
    少なくとも一部分に横たわる制御可能な加熱ゾーンを含むことを特徴とする請求
    項62記載の加熱部材。
  78. 【請求項78】 加熱部材の加工品支持表面が、さらに加工品を支持するた
    めの複数の突出部を有することを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  79. 【請求項79】 加熱部材は、対称的なサンドイッチ構造であることを特徴
    とする請求項61記載の加熱部材。
  80. 【請求項80】 加熱部材は、第1,第2の構造層間に挟まれた加熱層を有
    する対称的なサンドイッチ構造であることを特徴とする請求項61記載の加熱部
    材。
  81. 【請求項81】 対称的なサンドイッチ構造は、さらに、加熱層と各構造層
    との間に誘電体層が介在することを特徴とする請求項80記載の加熱部材。
  82. 【請求項82】 加熱部材は、 (a) 第1電気絶縁層と、 (b) この第1電気的絶縁層に積層された加熱層と、 (c) この加熱層上に設けられた第2電気絶縁層と、 (d) この第2電気絶縁層上に設けられた基板と、 (e) この基板上に設けられ加工品を支持するための複数の突出部と、 を含んでいることを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  83. 【請求項83】 加熱部材は、 (a) 基板と、 (b) この基板に積層された第1電気絶縁層と、 (c) この第1電気絶縁層に積層された加熱層と、 (d) この加熱層上に積層された第2電気絶縁層と、 (e) この第2電気絶縁層上に設けられ加工品を支持するための複数の突出部と 、を含んでいることを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  84. 【請求項84】 加熱部材は、ポリアミド樹脂からなる少なくとも1つの層
    を含むことを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  85. 【請求項85】 加熱部材は、耐アルカリ性のガラス状磁器フリットからな
    る少なくとも1つの層を含むことを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  86. 【請求項86】 加熱部材は、加熱層に積層された基板層を含み、かつ加熱
    層は、抵抗加熱要素であることを特徴とする請求項61記載の加熱部材。
  87. 【請求項87】 加工品の温度を制御するための装置であって、 (a) 加工品支持表面と加工品冷却表面にそれぞれ相当する第1,第2の対向す る主表面を有する、シート形状の、低熱容量で熱伝導性を有する加熱部材と、 (b) 冷却部材とを含み、前記装置は、 加熱部材と冷却部材を第1形態に支持するように作動し、この形態において、
    前記加熱部材と冷却部材が、加工品冷却表面を前記冷却部材に熱的に接触させる
    ように引き付けるための付勢力を受け、かつ 前記加熱部材と冷却部材を第2形態に支持するように作動し、この形態におい
    て、前記付勢力に打ち勝って、前記加工品冷却表面と前記冷却部材が、熱的に引
    き離されるようになっていることを特徴とする装置。
  88. 【請求項88】 加工品を加熱および冷却する方法であって、 (a) シート形状の、低熱容量で熱伝導性を有し、かつ第1,第2の対向する主 表面を有してその第1主表面が加工品を支持するように構成された加熱部材上に
    、前記加工品を支持している間、前記加工品を加熱し、 (b) 前記加熱部材の第2主表面を冷却部材に熱的に接触させるように配置し、 (c) 前記加熱部材の第2主表面が前記冷却部材と熱的に接触している間、前記 加熱部材の熱出力を制御して、前記第1主表面に支持された加工品を冷却する、
    各工程を含むことを特徴とする方法。
  89. 【請求項89】 ほぼ平らな基板層と、この基板層に積層された加熱層とを
    有し、かつこの加熱層に少なくとも1つの制御可能な加熱ゾーンを含んでいる、
    シート状に積層された加熱部材の上に、加工品が支持されている間、前記加工品
    を加熱する工程を含んでいることを特徴とする加工品の加熱方法。
  90. 【請求項90】 加工品を冷却する方法であって、 (a) 第1,第2の対向する主表面を含み、かつ前記第1主表面で加工品を支持 する、シート状の加熱部材上に加工品を支持し、 (b) 前記第2主表面を冷却部材と熱的に接触するように配置し、 (c) 前記第2主表面が冷却部材と熱的に接触している間、第1主表面に支持さ れた加工品が冷却されるように前記加熱部材の熱出力を制御する、各工程を有す
    ることを特徴とする冷却方法。
  91. 【請求項91】 加工品を平衡温度に維持する方法であって、 (a) 第1,第2の対向する主表面を含み、かつ前記第1主表面で加工品を支持 する、シート状の加熱部材上に加工品を支持し、 (b) 前記第2主表面を冷却部材と熱的に接触するように配置し、 (c) 前記第2主表面が冷却部材と熱的に接触している間、第1主表面に支持さ れた加工品が前記平衡温度に維持されるように前記加熱部材の熱出力を制御する
    、各工程を有することを特徴とする方法。
  92. 【請求項92】 マイクロエレクトロニクスデバイスを製造するためのツー
    ルクラスターであって、該ツールクラスターが (a) 加熱部材からの熱エネルギーを加熱中加工品に伝達できるように前記加熱 部材と熱的に接触する加工品を支持できる表面を有する、低熱容量で熱伝導性の
    加熱部材と、 (b) 高熱容量の冷却部材とを含み、 製造装置は、少なくとも、冷却部材が加熱部材と熱的に接触する第1形態にお
    いて、前記加熱部材と冷却部材を支持するように作動することを特徴とするツー
    ルクラスター。
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