JP2002110261A - 新規な金属酸化物粒子およびその用途 - Google Patents

新規な金属酸化物粒子およびその用途

Info

Publication number
JP2002110261A
JP2002110261A JP2000302389A JP2000302389A JP2002110261A JP 2002110261 A JP2002110261 A JP 2002110261A JP 2000302389 A JP2000302389 A JP 2000302389A JP 2000302389 A JP2000302389 A JP 2000302389A JP 2002110261 A JP2002110261 A JP 2002110261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
particles
core
shell
semiconductor film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000302389A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4169140B2 (ja
Inventor
Tsuguo Koyanagi
柳 嗣 雄 小
Michio Komatsu
松 通 郎 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP2000302389A priority Critical patent/JP4169140B2/ja
Publication of JP2002110261A publication Critical patent/JP2002110261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4169140B2 publication Critical patent/JP4169140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射した光が容易に粒子外に出ることがな
く、効率よく利用できるとともに、光触媒活性や光電変
換効率等を向上させることができる新規な金属酸化物粒
子を提供する。 【解決手段】コア粒子と、コア粒子表面に形成されたシ
ェル層からなる金属酸化物粒子であって、金属酸化物粒
子の平均粒子径が100〜3100nmの範囲にあり、コア粒子
の屈折率がシェル層の屈折率よりも高く、コア粒子の平
均粒子径(Pc)が50〜3000nmの範囲にあり、シェル層が、
平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲のシェル層形成用微粒
子からなる微粒子層であり、PcとPsとが、0.001≦Ps/Pc
≦0.5 である関係を満足することを特徴とする金属酸
化物粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光電気セル用金属酸化物
半導体膜に好適に使用されるコア-シェル構造を有する
金属酸化物粒子に関する。さらに詳しくは、光電気セル
用金属酸化物半導体膜の形成用に使用したときに光触媒
活性および光電変換効率などを向上することができる新
規な金属酸化物微粒子、および該金属酸化物微粒子を用
いた光電気セルおよび光触媒に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】高バンドギャップを有する金属酸
化物半導体材料は、光電変換材料、光触媒材料等の他光
センサーや蓄電材料(バッテリー)等に用いられてい
る。このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネ
ルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の
電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギー
に変換する材料である。このような光電変換材料に光を
照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移
動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとし
て移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連
続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されてい
る。
【0003】一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を
形成したガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導
体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透
明性導電膜を形成したガラス板などの支持体を備え、こ
れらの電極間に電解質を封入して構成されている。光電
変換材料用半導体に吸着した光増感材に太陽光を照射す
ると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起する。こ
の励起によって発生する電子は半導体に移動し、次い
で、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電極を接続
する導線を通って対電極に移動し、対電極に移動した電
子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に
電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になってい
るが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元
され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に
流れ、光電変換材料は太陽電池として機能する。
【0004】この光電変換材料としては、半導体表面に
可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたもの
が用いられている。たとえば、特開平1−220380
号公報には、金属酸化物半導体の表面に、ルテニウム錯
体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する
太陽電池が記載されている。また、特表平5−5040
23号公報には、金属イオンでドープした酸化チタン半
導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体か
らなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されてい
る。
【0005】上記のような太陽電池では、光を吸収して
励起したルテニウム錯体などの分光増感色素層から酸化
チタン半導体層へ電子の移動が迅速に行われることが光
変換効率向上に重要であり、迅速に電子移動が行われな
いと再度ルテニウム錯体と電子の再結合が起こり光変換
効率が低下する問題がある。このため、酸化チタン半導
体膜表面への分光増感色素の吸着量を増大させたり、酸
化チタン半導体膜内の電子の移動性を向上させたりする
ことが検討されている。
【0006】たとえば、酸化チタン半導体膜を形成する
際、チタニアゾルを電極基板上に塗布し、乾燥し、つい
で焼成する工程を繰り返して行い多孔質の厚膜を形成
し、半導体膜を多孔質化することによって表面に担持す
るRu錯体の量を増加させることが提案されている。ま
た、400℃以上の温度でチタニア微粒子間の焼成を行
い、導電性を向上させることも提案されている。さらに
特表平6−511113号では、有効表面を増加させる
ために、塩化チタンの水溶液に浸すか、塩化チタンの加
水分解液を用いて電気化学的にチタニア膜に堆積させる
ことが提案されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では、電子移
動性を向上させるために酸化チタン半導体膜の焼成を行
っており、このため粒子の焼結によって多孔性が低下
し、分光増感色素の吸着量が低下するなどの問題があ
り、必ずしも光電変換効率が充分でなく、さらなる改良
が望まれていた。そこで、本発明者等は、これらの点を
改良した光電気セル用酸化チタン半導体膜の製造方法お
よび光電気セルを提案している(特開平11−3398
67号公報)。
【0008】とくに最近の光電気セルでは、さらに光増
感材の吸着量を向上させ、光電変換効率を向上させるこ
とが求められている。また、従来の光触媒は紫外線によ
って、励起あるいは活性化されるものが主であるが、必
ずしも活性が充分とはいえない場合があり、さらに光触
媒活性を向上させるために紫外線の利用率を高めたり、
可視光領域の光によっても、励起あるいは活性化されう
る光触媒の出現が求められている。
【0009】このような情況のもと、本発明者らは上記
課題を解決すべく鋭意検討した結果、コア粒子と、コア
粒子表面に形成されたシェル層からなる金属酸化物粒子
であって、コア粒子の屈折率がシェル層の屈折率よりも
高いものであり、かつ、シェル層が、平均粒子径(P
s)が2〜50nmの範囲のシェル層形成用微粒子から
なる微粒子層から形成されたものある金属酸化物粒子を
用いて半導体膜を形成することによって、コア粒子を構
成する成分の屈折率がシェル層を構成する成分の屈折率
よりも高いために、入射した光が容易に粒子外に出るこ
とがなく、効率よく利用され、しかもシェルが、平均粒
子径(Ps)が2〜50nmの範囲にあるシェル形成用
微粒子からなる微粒子層であるために粒子間隙によるメ
ソポアを有し、このため光触媒として用いた場合、反応
物や生成物の拡散性が向上したり、あるいは電解質やイ
オン等の拡散性が向上して電子の再結合が減少し、また
光触媒活性や光電気セルとして用いた場合、光電変換効
率等を向上させることができることを見出した。
【0010】また、コア粒子と、コア粒子表面に形成さ
れたシェル層からなる金属酸化物粒子であって、シェル
層を構成する成分のバンドギャップがコア粒子を構成す
る成分のバンドギャップよりも高く、かつ、シェル層
が、平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲のシェル
層形成用微粒子からなる微粒子層から形成されたものあ
る金属酸化物粒子を用いて半導体膜を形成することによ
って、シェル層を構成する成分のバンドギャップがコア
粒子を構成する成分のバンドギャップよりも高いため、
シェル層で生成した電子がコア粒子内へバンドギャップ
のバリアーなく容易に移動することが可能となり、電子
がシェル層に戻って光増感材と再結合することが少なく
なるので光電変換効率が向上するとともに、前記同様拡
散性が向上し、このため光電変換効率や光触媒活性等を
向上させることができることを見出した。
【0011】
【発明の目的】本発明は、入射した光が容易に粒子外に
出ることがなく、効率よく利用できるとともに、光触媒
活性や光電変換効率等を向上させることができる新規な
金属酸化物粒子を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、光電変換効率が極めて向上した光電気セ
ルを提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る第1の金属酸化物粒子は、
コア粒子と、コア粒子表面に形成されたシェル層からな
る金属酸化物粒子であって、金属酸化物粒子の平均粒子
径が100〜3100nmの範囲にあり、コア粒子の屈
折率がシェル層の屈折率よりも高く、コア粒子の平均粒
子径(Pc)が50〜3000nmの範囲にあり、シェ
ル層が、平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲のシ
ェル層形成用微粒子からなる微粒子層であり、PcとPs
とが、0.001≦Ps/Pc≦0.5 である関係を満
足することを特徴としている。
【0013】前記シェル形成用微粒子を構成する成分の
バンドギャップは、コア粒子を構成する成分のバンドギ
ャップよりも高いことが好ましい。本発明に係る第2の
金属酸化物粒子は、コア粒子と、コア粒子表面に形成さ
れたシェルからなる金属酸化物粒子であって平均粒子径
が100〜3100nmの範囲にあり、シェル層を構成
する成分のバンドギャップがコア粒子を構成する成分の
バンドギャップよりも高く、コア粒子の平均粒子径(P
c)が50〜3000nmの範囲にあり、シェル層が、
平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲のシェル層形
成用微粒子からなる微粒子層であり、PcとPsとが、
0.001≦Ps/Pc≦0.5 である関係を満足する
ことを特徴としている。
【0014】本発明に係る光電気セルは、表面に電極層
(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した
金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面
に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)および電
極層(3)が対向するように配置してなり、金属酸化物半
導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光
電気セルにおいて、金属酸化物半導体膜(2)が、前記本
発明に係る第1または第2記載の金属酸化物粒子を含
み、かつ少なくとも一方の基板および電極層が透明性を
有していることを特徴としている。
【0015】前記光電気セルでは、金属酸化物粒子の平
均粒子径が100〜600nmの範囲にあり、かつ、下
記式(A)によって算出されるシェル層の比表面積が10
〜200m2/gの範囲にあることが好ましい。 Ss =(Sp−Sc・a)/(1−a) ・・・(A) (式中、Ssはシェル層の比表面積であり、Spは金属酸
化物粒子の比表面積であり、Scはコア粒子の比表面積
であり、aは金属酸化物粒子中のコア粒子の重量割合
(%)を示す)本発明に係る光触媒は、前記本発明に係
る第1または第2の金属酸化物粒子を用いることを特徴
としている。
【0016】
【発明の具体的な説明】以下、本発明に係る金属酸化物
粒子およびその用途について具体的に説明する。本発明
に係る金属酸化物粒子は、コア粒子と、コア粒子表面に
形成されたシェル層とからなる金属酸化物粒子である。
【0017】本発明に係る金属酸化物粒子は、平均粒子
径が100〜3100nm、好ましくは100〜200
0nm、さらに好ましくは100〜600nmの範囲にある
ことが望ましい。金属酸化物粒子の形状については、必
ずしも球状である必要はなく、目的に応じて立方体、直
方体、針状などの形状の粒子、これらの混合物を選択す
ることができる。またこのように球状以外の粒子の場
合、粒子径とは、粒子の最大寸法をいうものとする。
【0018】[第1の金属酸化物粒子]本発明に係る第1
の金属酸化物粒子は、コア粒子と、コア粒子表面に形成
されたシェル層からなる金属酸化物粒子であって、シェ
ル層が特定の平均粒子径(Ps)のシェル層形成用微粒
子からなる微粒子層であり、コア粒子の屈折率がシェル
層の屈折率よりも高いことを特徴とするものである。
【0019】このようなコア粒子を構成する成分として
は、屈折率が1.90以上、好ましくは1.93〜2.
70の金属酸化物が好ましく、具体的にはルチル型酸化
チタン(屈折率=2.7)、アナタース型酸化チタン
(屈折率=2.5)、ブルッカイト型酸化チタン(屈折
率=2.6)等の結晶性酸化チタンおよび無定型酸化チ
タン(屈折率=2.2〜2.3)、酸化タンタル(屈折
率=2.25)、酸化セリウム(屈折率=2.2)、酸
化亜鉛(屈折率=2.1)、酸化ジルコニウム(屈折率
=2.1)、酸化スズ(屈折率=2.0)、三酸化アン
チモン(屈折率=2.0)、酸化インジウム(屈折率=
2.0)、酸化ランタン(屈折率=1.95)、酸化ニ
オブ(屈折率=2.0)等が挙げられる。
【0020】また、シェル層を構成する成分としては、
屈折率が概ね1.8〜2.6の範囲にある金属酸化物を
用いることができ、具体的にはブルッカイト型酸化チタ
ン(屈折率=2.6)、アナタース型酸化チタン(屈折
率=2.5)等の結晶性酸化チタンおよび無定型酸化チ
タン(屈折率=2.2〜2.3)、酸化タンタル(屈折
率=2.25)、酸化セリウム(屈折率=2.2)、酸
化ジルコニウム(屈折率=2.1)、酸化スズ(屈折率
=2.0)、酸化インジウム(屈折率=2.0)、酸化
ニオブ(屈折率=2.0)、三酸化アンチモン(屈折率
=2.0)、酸化ランタン(屈折率=1.95)等が挙
げられる。
【0021】このようなコア粒子を構成する成分の屈折
率がシェル層の屈折率との屈折率差は、0.1以上、さ
らに好ましくは0.2以上あることが好ましい。このと
きシェル層の屈折率とは、シェル層を形成する成分固有
の屈折率でなく、シェル層内の間隙を含めてシェル層と
しての屈折率を意味している。なお、コア粒子の屈折率
は、屈折率が既知である標準溶液をガラス基板上に2〜
3滴滴下し、これに120℃で乾燥した粒子を混合し、
混合液(多くの場合はペースト状)が透明になったとき
の標準溶液の屈折率をコア粒子の屈折率し、またシェル
層の屈折率は、以下のように測定される。
【0022】シェル形成用微粒子の分散液を、表面を5
0℃に保ったシリコンウエハー上にスピナー法で塗布
し、ついで160℃で30分加熱処理した後、エリプソ
メーターにより測定した。このような屈折率差を有して
いると、粒子内に入った光が、コア粒子をシェル層で多
重散乱し(光の封じ込め)、コア粒子内を透過しにくく
なるので、光電気セルの半導体膜に使用すると、光増感
材に吸収されて電子を発生させる確率が高くなったり、
触媒の活性化に利用される確率が高くなり、光の利用率
が向上する効果が得られる。なお、粒子内の光の多重散
乱および粒子間での光の多重散乱による光の封じ込めを
模式的に図1に示す。図1(a)は、粒子内おける光の散
乱を示すものであり、図1(b)は粒子間における光の散
乱を示すものである。
【0023】図1(a)のように本発明の金属酸化物粒子
では、コア粒子の屈折率がシェル層の屈折率よりも高い
ので、光がシェル層内を散乱する。また、複数のシェル
層内を光が散乱することもある。コア粒子の平均粒子径
(Pc)は、50〜3000nm、好ましくは50〜6
00nmの範囲であることが望ましい。
【0024】なお、このコア粒子の形状について球状で
あることが好ましいが、必ずしも球状である必要はな
く、目的に応じて立方体、直方体、針状などの形状の粒
子、これらの混合物を選択することができる。またこの
ように球状以外の粒子の場合、粒子径とは、粒子の最大
寸法をいうものとする。コア粒子の平均粒子径(Pc)
が上記範囲にあれば、コア粒子と後述するシェル層間で
の多重散乱が起こりやすく、光を封じ込めることができ
る。このため、光の利用率を高めることができる。
【0025】なお、コア粒子の平均粒子径(Pc)が5
0nm未満の場合は、光散乱効果が少なく、コア粒子間で
の多重散乱が起こりにくく、光の封じ込め効果が得られ
ないので光の利用率が向上しない。また、コア粒子の平
均粒子径(Pc)が3000nmを越えると、得られる
金属酸化物粒子の粒子径も大きくなり、このため粒子間
隙が大きくなるために光の透過量が増大して光の封じ込
め効果が不充分となり、光電変換効率や光触媒活性を向
上させる効果が充分得られないことがある。
【0026】本発明に係る金属酸化物粒子を、光電気セ
ル用の金属酸化物半導体膜に用いる場合、コア粒子の平
均粒子径(Pc)は100〜600nmの範囲にあるも
のが好ましい。本発明に係る金属酸化物粒子ではシェル
層が、シェル形成用微粒子から構成される。このため、
シェル層は、シェル形成用微粒子間隙によるメソポアを
有している。このようなメソポアを有していると、光触
媒として使用した場合には、反応物や生成物を速やかに
拡散することができるので、光触媒活性を高めることが
でき、また光電気セルの半導体膜として用いた場合に
は、光増感材の吸着量を大きくすることができるととも
に、発生した電子やイオンなども速やかに拡散できるの
で、電子の再結合が抑制でき、このため光電変換効率を
高めることができる。
【0027】このため、シェル層を構成するシェル形成
用微粒子は、平均粒子径(Ps)が2〜50nm、好ま
しくは2〜25nmの範囲にあることが望ましい。シェル
形成用微粒子の平均粒子径(Ps)が2nm未満の場合
は、形成されるシェル層のシェル形成用微粒子間隙によ
るメソポアの細孔径が小さいものとなり、このため光触
媒として使用した場合、反応物や生成物の拡散性の向上
が不充分であり、また電解質やイオン等の拡散性が向上
しないので電子の再結合が起こりやすく、このため光触
媒活性や光電変換効率が充分向上しないことがある。
【0028】また、シェル形成用微粒子の平均粒子径
(Ps)が50nmを越えると、メソポアの細孔径は大
きくなるものの、さらに光触媒として使用したときの反
応物など拡散性が向上することもなく、また光増感材の
吸着量が低下したり利用率が低下し、またコア粒子との
接点の減少(接触面積の減少)によりシェル層で生成す
る電子の移動性が低下し、光電変換効率等が充分向上し
ないことがある。
【0029】また、コア粒子の平均粒子径(Pc)とシ
ェル形成用微粒子の平均粒子径(Ps)とが、0.00
1≦Ps/Pc≦0.5、好ましくは0.005≦Ps/
Pc≦0.2である関係を満足していることが望まし
い。このような粒径の関係を満足していると、前記した
ようなメソポアを形成することが可能となり、その結
果、光触媒として使用した場合、反応物や生成物を速や
かに拡散させることができるとともに、光電気セルとし
て用いた場合、電解質やイオン等の拡散性が高く、電子
の再結合が起こりにくいので、光触媒活性や光電変換効
率を高くすることができる。
【0030】本発明に係る前記第1の金属酸化物粒子で
は、コア粒子を構成する成分の屈折率がシェル層の屈折
率よりも高く、かつシェル形成用微粒子を構成する成分
のバンドギャップがコア粒子を構成する成分のバンドギ
ャップよりも高いことが好ましい。なお、バンドギャッ
プとは、バレンスバンドとコンダクションバンドとの間
のエネルギー差をいい、紫外線吸収スペクトル、可視光
吸収スペクトルなどの測定によって求められる。
【0031】このとき、シェル形成用微粒子を構成する
成分のバンドギャップは1.7〜3.8eVの範囲、コア
粒子を構成する成分のバンドギャップは1.4〜3.2e
Vの範囲にあることが好ましく、バンドギャップ差とし
ては0.1eV以上あることが好ましい。なお、このよ
うなバンドギャップを有する成分については後述する。
【0032】[第2の金属酸化物粒子]本発明に係る第2
の金属酸化物微粒子は、コア粒子と、コア粒子表面に形
成されたシェル層からなる金属酸化物粒子であって、シ
ェル層が特定の平均粒子径(Ps)のシェル層形成用微
粒子からなる微粒子層であり、シェル層を構成する成分
のバンドギャップがコア粒子を構成する成分のバンドギ
ャップよりも高いことを特徴とするものである。バンド
ギャップの大きいものの方が、より可視光側の光をも吸
収するため、このような金属酸化物粒子を光電気セルに
使用すると、より太陽光を有効に利用することができ
る。
【0033】また、シェル層を構成する成分のバンドギ
ャップがコア粒子を構成する成分のバンドギャップより
も高いため、シェル層で生成した電子がコア粒子内へバ
ンドギャップのバリアーなく容易に移動することが可能
となり、このような金属酸化物粒子を光電気セルに使用
すると、電子がシェル層に戻って光増感材と再結合する
ことが少なくなるので光電変換効率が向上させることも
できる。
【0034】このとき、シェル形成用微粒子を構成する
成分のバンドギャップは1.7〜3.8eV、好ましくは
2.4〜3.4eVの範囲、コア粒子を構成する成分のバ
ンドギャップは1.4〜3.2eV、好ましくは2.2〜
3.2eVの範囲の範囲にあることが好ましく、バンド
ギャップ差としては0.1eV以上あることが好まし
い。
【0035】伝導帯(コンダクションバンド:CB)の
高さは、即ちSHE(標準水素電極Standard Hydrogen
Electrode)からの高さ(の差)になる。このため、こ
のようなバンドギャップ差を有していると、光電気セル
用半導体膜を作製したときに、光増感材および金属酸化
物粒子とのあいだで、段階的に電子移動が起こることに
なる。例えば、光増感材がRu錯体の場合のCBは−
1.5eVであり、コア粒子がルチルで、シェル層がア
ナタースの場合、アナタース(シェル層)のCBは−
0.2eV、ルチル(コア粒子)のCBは+0.1eVと
なり、段階的に電子移動が起こることになる。
【0036】また、このようなバンドギャップ差を有し
ていると、例えばコア粒子(ルチル)のバンドギャップ
が3eVで、シェル粒子(アナタース)のバンドギャッ
プが3.2eVである場合、アナタースが0.2eVだけ
可視光側の光を吸収するため、より太陽光を有効に吸収
することができる。本発明に係る金属酸化物粒子は、平
均粒子径が100〜3100nm、好ましくは100〜
2000nm、さらに好ましくは100〜600nmの範囲
にあることが望ましい。金属酸化物粒子の形状は、球状
であることが好ましいが、必ずしも球状である必要はな
く、目的に応じて立方体、直方体、針状などの形状の粒
子、これらの混合物を選択することができる。またこの
ように球状以外の粒子の場合、粒子径とは、粒子の最大
寸法をいうものとする。
【0037】このようなコア粒子およびシェル層を構成
する成分としては、ルチル型酸化チタン(バンドギャッ
プ=3.0eV)、アナタース型酸化チタン(バンドギャ
ップ=3.2eV)、ブルッカイト型酸化チタン(バンド
ギャップ=3.1eV)等の結晶性酸化チタン、無定型酸
化チタン(バンドギャップ=約3.2eV以上)、酸化亜
鉛(バンドギャップ=3.2eV)、酸化スズ(バンドギ
ャップ=3.8eV)、炭化ケイ素:SiC(バンドギャ
ップ=3.0eV)、三酸化タングステン:WO3(バンド
ギャップ=3.2eV)、セレン化カドミニウム:CdS
e(バンドギャップ=1.7eV)、リン化ガリウム:G
aP(バンドギャップ=2.25eV)、酸化第2鉄:F
23(バンドギャップ=2.2eV)、酸化カドミニウ
ム(バンドギャップ=2.1eV)、酸化タンタル、酸化
セリウム、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化
インジウム、酸化ランタン、酸化ニオブ等が挙げられ
る。これらのなかから、上記したバンドギャップとなる
ようなものが組み合わされる。
【0038】より好ましい組み合わせとしては、 シェル:酸化スズ …… コア:酸化亜鉛または各種酸化チタン シェル:各種酸化チタン …… コア:炭化ケイ素 シェル:アナタース型酸化チタン…… コア:ルチル型酸化チタン などが挙げられる。
【0039】また、コア粒子の平均粒子径(Pc)は、
50〜3000nm、好ましくは50〜600nmの範
囲であることが望ましい。なお、このコア粒子の形状に
ついて球状であることが好ましいが、必ずしも球状であ
る必要はなく、目的に応じて立方体、直方体、針状など
の形状の粒子、これらの混合物を選択することができ
る。またこのように球状以外の粒子の場合、粒子径と
は、粒子の最大寸法をいうものとする。
【0040】コア粒子の平均粒子径(Pc)が50nm未
満の場合は、粒子径が小さすぎてシェル層を構成する成
分のバンドギャップをコア粒子のバンドギャップよりも
低くした効果、すなわちシェル層からコア粒子への電子
の移動が容易となる効果が充分に発現されず、またコア
粒子の平均粒子径(Pc)が3000nmを越えると、得
られる金属酸化物粒子の粒子径も大きくなり、このため
粒子間隔が大きくなり光の透過量が増大し、すなわち光
の利用率が低下し、光電変換効率や触媒活性を向上させ
る効果が充分に得られないこともある。
【0041】本発明に係る金属酸化物粒子を、光電気セ
ル用の金属酸化物半導体膜に用いる場合、コア粒子の平
均粒子径(Pc)は100〜600nmの範囲にあるも
のが好ましい。本発明に係る金属酸化物粒子ではシェル
層が、シェル形成用微粒子から構成される。このため、
シェル層は、シェル形成用微粒子間隙によるメソポアを
有している。このようなメソポアを有していると、光電
気セル用の半導体膜として用いた際に、光増感材の吸着
量が大きくなり、また反応物や生成物を十分に拡散でき
るとともに、発生した電子やイオンなども充分に拡散で
きるので、電子の再結合が起こることがなく、このため
光触媒活性や光電変換効率を高めることができる。
【0042】このため、シェル層を構成するシェル形成
用微粒子は、平均粒子径(Ps)が2〜50nm、好ま
しくは2〜25nmの範囲にあることが望ましい。シェル
形成用微粒子の平均粒子径(Ps)が2nm未満の場合
は、形成されるシェル層のシェル形成用微粒子間隙によ
るメソポアの細孔径が小さいものとなり、このため反応
物や生成物の拡散性の向上が不充分であり、また電解質
やイオン等の拡散性が向上しないので電子の再結合が起
こりやすく、このため光触媒活性や光電変換効率が充分
向上しないことがある。
【0043】また、シェル形成用微粒子の平均粒子径
(Ps)が50nmを越えると、メソポアの細孔径は大
きくなるもののさらに拡散性が向上することもなく、光
増感材の吸着量が低下したり利用率が低下し、またコア
粒子との接点の減少(接触面積の減少)によりシェル層
で生成する電子の移動性が低下し、光電変換効率が充
分向上しないことがある。
【0044】また、前記第1の金属酸化物粒子と同様
に、コア粒子の平均粒子径(Pc)とシェル形成用微粒
子の平均粒子径(Ps)とが、0.001≦Ps/Pc≦
0.5、好ましくは0.005≦Ps/Pc≦0.2であ
る関係を満足していることが望ましい。 以上のような
第1および第2の金属酸化物粒子は平均粒子径が100
〜3100nm、好ましくは100〜2000nmの範囲
にある。金属酸化物粒子の平均粒子径が100nm未満
の場合は、(ミー散乱の式より)、粒子径が対象とする
波長の1/2より小さくなり光の散乱が起こりにくくな
り、透過率が高くなる。
【0045】例えば、紫外線の波長を360nmとする
と、粒子径が180nm以下の場合、光の散乱が起こら
ず、また光の透過率が高いので、本発明の金属酸化物粒
子のように光の利用率を高める効果が得られない。平均
粒子径が3100nmを越えると、粒子間隙が大きくな
るために光の透過量が増大して光の封じ込め効果が不充
分となり、光電変換効率や光触媒活性を向上させる効果
が充分得られないことがある。
【0046】[金属酸化物粒子の調製]本発明に係る第1
および第2の金属酸化物粒子の製造方法は、前記したコ
ア粒子の表面にシェル層形成用微粒子からなる微粒子層
を形成できれば特に制限はなく、また本発明に用いるコ
ア粒子としては、前記範囲の粒子径と、屈折率および/
またはバンドギャップを有していれば従来公知の粒子を
用いることができる。具体的には前記したと同様のもの
を用いることができる。(i)コア粒子およびシェル形成用微粒子の調製 前記金属酸化物粒子を構成するコア粒子およびシェル形
成用微粒子は従来公知の方法によって製造することがで
きる。上記金属の塩あるいは有機金属化合物を用い、例
えばゾル・ゲル法によって得られる含水金属酸化物のゲ
ルまたはゾルに、必要に応じて酸またはアルカリを添加
したのち、加熱・熟成するなどの従来公知の方法で製造
することができる。(ii)金属酸化物粒子の調製 得られたコア粒子およびシェル形成用微粒子を用い、コ
ア粒子(等電点A)の分散液とシェル形成微粒子(等電
点B)の分散液をそれぞれ調製したのち、混合し、混合
した分散液のpHを等電点AおよびBの間になるように
調整し、ついで必要に応じて50〜250℃で水熱処理
することによって得ることができる。
【0047】このように混合した分散液のpHを、等電
点AおよびBの間となるように調整すると、コア粒子と
シェル形成用微粒子は互いに反対の電荷に帯電し、この
結果、粒子間で電気的な中和がおこり、コア粒子の表面
にシェル形成用微粒子が積層して本発明の金属酸化物粒
子が得られる。また、コア粒子の分散液とシェル形成微
粒子の分散液とを混合した分散液にシェル形成用微粒子
と同成分の金属塩の加水分解物、あるいは加水分解物を
ゾル化したものをバインダーとして添加し、必要に応じ
て50〜250℃で水熱処理することによっても得るこ
とができる。
【0048】また、さらに別の方法としては、コア粒子
の分散液にシェル形成用微粒子と同成分の金属塩あるい
は有機金属化合物の水溶液あるいはアルコール溶液を添
加しまたは添加しながら、金属塩あるいは有機金属化合
物の加水分解用触媒として酸または塩基を添加して加水
分解し、加水分解物をコア粒子表面に析出させる。つい
で加水分解物を析出させたコア粒子の分散液に塩基、例
えばNaOH、KOHやアンモニア、4級アミン類を添
加して塩基性とした後、50〜250℃の範囲で水熱処
理し、加水分解物層(シェル前駆層)を結晶化させるこ
とにより微粒子化させても本願発明の金属酸化物粒子を
得ることができる。
【0049】このようにして得られる金属酸化物粒子の
平均粒子径は100〜3100nmの範囲にあることが
好ましい。 [光電気セル]本発明に係る光電気セルは、表面に電極
層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着し
た金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表
面に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)および
電極層(3)が対向するように配置してなり、金属酸化物
半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる
光電気セルにおいて、金属酸化物半導体膜(2)が、前記
第1または第2の金属酸化物粒子を含み、かつ少なくと
も一方の基板および電極層が透明性を有していることを
特徴としている。
【0050】このような光電気セルとしては、たとえ
ば、図2に示すものが例示される。図2は、本発明に係
る光電気セルの一実施例を示す概略断面図であり、表面
に透明電極層1を有し、かつ該透明電極層1表面に光増
感材を吸着した半導体膜2が形成されてなる基板5と、
表面に還元触媒能を有する電極層3を有する基板6と
が、前記電極層1および3が対向するように配置され、
さらに金属酸化物半導体膜2と透明電極層3との間に電
解質4が封入されている。
【0051】透明基板5としてはガラス基板、PET等
の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板
を用いることができる。また、基板6としては使用に耐
える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、
PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板の他に、金
属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルな
どの導電性基板を使用することができる。
【0052】透明基板5表面に形成された透明電極層1
としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされ
た酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸
化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等な
どの従来公知の電極を使用することができる。このよう
な透明電極層1は、熱分解法、CVD法などの従来公知
の方法により形成することができる。
【0053】また、基板6表面に形成された電極層3と
しては、還元触媒能を有するものであれば特に制限され
るものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテ
ニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはP
がドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがド
ーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの
導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着
した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いるこ
とができる。
【0054】このような電極層3は、基板6上に前記電
極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導
電性材料を熱分解法、CDV法等の従来公知の方法によ
り導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメ
ッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成す
ることができる。なお、基板6は、透明基板5と同様に
透明なものであってもよく、また電極層3は、透明電極
層1と同様に透明電極であってもよい。
【0055】透明基板5と透明電極層1の可視光透過率
は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ま
しくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率
が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがあ
る。これら透明電極層1および電極層3の抵抗値は、各
々100Ω/cm2以下であることが好ましい。電極層
の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変
換効率が低くなることがある。
【0056】金属酸化物半導体膜2は、基板6上に形成
された電極層3上に形成されていてもよい。この金属酸
化物半導体膜2の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあ
ることが好ましい。前記金属酸化物半導体膜2は、前記
第1または第2の金属酸化物粒子のなかでも、平均粒子
径が100〜600nmの範囲にあり、かつ、シェル層
の比表面積が10〜200m2/gの範囲にある金属酸
化物粒子を含んでいることが好ましい。
【0057】金属酸化物粒子の平均粒子径が100nm
未満の場合は、粒子径がUV波長の1/2より小さくな
り光の散乱が低下し光の利用率が向上する効果が得られ
ない。また、平均粒子径が600nmを越えると、金属
酸化物半導体膜の強度が不充分となることがある。
【0058】また、比表面積が10m2/g未満の場合
は、光増感材(例えばRu錯体)の吸着量少なくなり、
充分な光電変換効率が得られないことがある。比表面積
が200m2/gを越えると、シェル層の細孔径が小さ
いものとなり、電解質などの拡散が不充分となるため、
充分な光電変換効率が得られないことがある。
【0059】なお、シェル層の比表面積は、下記式(A)
によって算出される。 Ss =(Sp−Sc・a)/(1−a) ・・・(A) (式中、Ssはシェル層の比表面積であり、Spは金属酸
化物粒子の比表面積であり、Scはコア粒子の比表面積
であり、aは金属酸化物粒子中のコア粒子の重量割合
(%)を示す)金属酸化物粒子の平均粒子径が100n
m未満であると、粒子径が対象とする光の波長の1/2
より小さくなり光の散乱が低下し光の利用率が向上する
効果が得られない。
【0060】また、平均粒子径が600nmを越える
と、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがあ
る。また、シェル層の比表面積が10m2/g未満の場
合は、光増感材の吸着量が低くなるために充分な光電変
換効率が得られないことがある。シェル層の比表面積が
200m2/gを越える場合は、即ちこの場合はシェル
層はミクロポアが多くなり、メソポアが少ないために電
解質等の拡散が不充分となり充分な光電変換効率が得ら
れないことがある。
【0061】前記金属酸化物半導体膜2は、前記金属酸
化物粒子とともにバインダー成分を含んでいることが好
ましい。バインダー成分としてはシェル形成用微粒子と
同一の金属酸化物からなるバインダー成分が好ましい。
このような金属酸化物バインダー成分としては、酸化チ
タニウムバインダー、酸化インジウムバインダー、酸化
スズバインダー、酸化ランタンバインダー、酸化ジルコ
ニウムバインダーなどが挙げられる。
【0062】このようなバインダー成分は、シェル形成
用微粒子と同成分の金属塩あるいは有機金属化合物の加
水分解物、あるいは加水分解物に必要に応じて酸、アル
カリ、過酸化水素などを加え、さらに必要に応じて加熱
処理してゾル化することによって得ることができる。こ
のうち、特にペルオキソチタン酸の分解物が好ましく使
用される。具体的にはゾル・ゲル法などで得られた含水
チタン酸ゲルまたはゾルからなる酸化チタン、含水チタ
ン酸ゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水チタン酸
を溶解したペルオキソチタン酸の分解物などが挙げられ
る。
【0063】このような酸化チタンバインダー成分は、
金属酸化物(酸化チタン)粒子表面に緻密かつ均一な吸
着層を形成する。このため得られる金属酸化物半導体膜
は電極との密着性を高めることができる。さらに、この
ような酸化チタンバインダー成分を使用すると、金属酸
化物(酸化チタン)粒子同士の接触が点接触から面接触
となり、電子移動性を向上させることが可能となり、ま
た、光増感材の吸着量を増大させることができる。
【0064】金属酸化物半導体膜2中のバインダー成分
と金属酸化物粒子の比率は、酸化物換算の重量比(バイ
ンダー成分/金属酸化物粒子)で0.05〜0.50、好
ましくは0.1〜0.3の範囲にあることが望ましい。重
量比が0.05未満では、可視光領域の光の吸収が不充
分であり、さらに光増感材の吸着量が増加しない場合が
ある。前記重量比が0.50を超えて高い場合は多孔質
な金属酸化物半導体膜が得られない場合があり、さらに
光増感材の吸着量を多くできないことがある。
【0065】金属酸化物半導体膜2は、細孔容積が0.
05〜0.8ml/g、平均細孔径が2〜250nmの
範囲にあることが好ましい。細孔容積が0.05ml/
gより小さい場合は光増感材吸着量が低くなり、また
0.8ml/gを超えて高い場合には半導体膜内の電子
移動性が低下して光電変換効率を低下させることがあ
る。また平均細孔径が2nm未満の場合は光増感材の吸
着量が低下し、250nmを超えて高い場合は半導体膜
内の電子移動性が低下し光電変換効率が低下することも
ある。
【0066】このような金属酸化物半導体膜2は、例え
ば、以下のように光電気セル用金属酸化物半導体膜形成
用塗布液を用いて作製することができる。本発明に用い
る光電気セル用金属酸化物半導体膜形成用塗布液は、前
記金属酸化物粒子と分散媒とからなる。さらに、必要に
応じてバインダー成分の前駆体を含むことができる。
【0067】前記金属酸化物粒子のシェルが結晶性酸化
チタンの場合は、バインダー成分の前駆体としてのペル
オキソチタン酸とシェルが結晶性酸化チタンである金属
酸化物粒子と分散媒からなる。ペルオキソチタン酸は、
チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルま
たはゲルに過酸化水素を加え、加熱することによって調
製される。
【0068】水和酸化チタンのゾルまたはゲルは、チタ
ン化合物の水溶液に酸またはアルカリを加えて加水分解
し、必要に応じて洗浄、加熱、熟成することによって得
られる。使用されるチタン化合物としては特に制限はな
いが、ハロゲン化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、
テトラアルコキシチタン等のチタンアルコキシド、水素
化チタン等のチタン化合物を用いることができる。
【0069】本発明に用いる光電気セル用金属酸化物半
導体膜形成用塗布液中の金属酸化物バインダー成分の前
駆体と金属酸化物粒子の比率は、金属酸化物バインダー
成分の前駆体を酸化物MOX(1)で表し、金属酸化物粒子
をMOX(2)で表したときの重量比(MOX(1)/MOX
(2))で0.03〜0.50、好ましくは0.1〜0.3の
範囲にあることが望ましい。重量比が0.03未満で
は、金属酸化物半導体膜の強度や導電性が不充分となる
ことがあり、さらに光増感材の吸着量の増加しない場合
がある。重量比が0.50を超えて高い場合は多孔質な
半導体膜が得られない場合があり、さらに電子移動性が
向上しないことがある。
【0070】このような金属酸化物バインダー成分の前
駆体および金属酸化物粒子は、光電気セル用金属酸化物
半導体膜形成用塗布液中に、(MOX(1)+MOX(2))
として1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の濃
度で含まれていることが望ましい。分散媒としては、金
属酸化物バインダー成分の前駆体および金属酸化物粒子
が分散でき、かつ乾燥した際に除去できるものであれば
特に制限はなく使用することができるが、特にアルコー
ル類が好ましい。
【0071】さらに、本発明に用いる光電気セル用金属
酸化物半導体膜形成用塗布液には、必要に応じて膜形成
助剤が含まれていてもよい。膜形成助剤としてはポリエ
チレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアル
コール等が挙げられる。このような膜形成助剤が塗布液
中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これに
より均一に乾燥した膜が得られ、さらに金属酸化物粒子
が緻密に充填して、嵩密度が高くなり、電極との密着性
の高い金属酸化物半導体膜を得ることができる。
【0072】本発明に用いる光電気セル用金属酸化物半
導体膜の製造方法は、このような光電気セル用金属酸化
物半導体膜形成用塗布液を基材上に塗布し、乾燥した
後、硬化させることを特徴としている。塗布液は最終的
に形成される金属酸化物半導体膜の膜厚が0.1〜50
μmの範囲となるように塗布されることが好ましい。塗
布液の塗布方法としては、ディッピング法、スピナー
法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷、ス
クリーン印刷など従来公知の方法で塗布することができ
る。
【0073】乾燥温度は分散媒を除去できる温度であれ
ばよい。本発明では、さらに必要に応じて塗膜に紫外線
を照射して、硬化させてもよい。紫外線を照射すること
によってバインダー成分の前駆体を分解して硬化するこ
とができる。なお、塗布液中に膜成形助剤が含まれてい
る場合には、塗膜硬化後、加熱処理して膜成形助剤を分
解してもよい。
【0074】こうして得られた金属酸化物半導体膜の膜
厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
本発明では、金属酸化物半導体膜2は光増感材を吸着し
ている。光増感材としては、可視光領域および/または
赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制
限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いるこ
とができる。
【0075】有機色素としては、分子中にカルボキシル
基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン
基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知
の有機色素が使用できる。具体的には、メタルフリーフ
タロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色
素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシ
ン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレ
セイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの
有機色素は金属酸化物半導体膜への吸着速度が早いとい
う特性を有している。
【0076】また、金属錯体としては、特開平1-220380
号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロ
シアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス
(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-
(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレ
ート)ルテニウム、ルテニウム-シス-ジアクア-ビス(2,
2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニ
ウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-
カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、
鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、
鉄、亜鉛などの錯体を挙げることができる。これらの金
属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
【0077】上記の光増感材としての有機色素または金
属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体
の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と
金属錯体とを併用してもよい。このような光増感材の吸
着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した
溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の
方法により金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥
する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じ
て前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶
液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を
金属酸化物半導体膜に 吸着させることもできる光増感
材を溶解させる溶媒としては、光増感材を溶解するもの
であればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエ
ン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセル
ソルブ、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を
用いることができる。
【0078】金属酸化物半導体膜に吸着させる光増感材
の量は、金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり
50μg以上であることが好ましい。光増感材の量が5
0μg未満の場合、光電変換効率が不充分となることが
ある。電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに
酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合
物が使用される。
【0079】電気化学的に活性な塩としては、テトラプ
ロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウ
ム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物として
は、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化
カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙
げられる。場合によってはこれらを混合して使用するこ
ともできる。
【0080】このような電解質の使用量は、電解質の種
類、後述する溶媒の種類によっても異なるが、概ね0.
1〜5モル/リットルの範囲にあることが好ましい。電
解質層には、従来公知の溶媒を用いることができる。具
体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピ
オンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-
メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン6
6の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−
ブチロラクトン等が挙げられる。
【0081】[光触媒]本発明に係る光触媒は、前記した
第1および第2の金属酸化物粒子を使用してなる。な
お、光触媒は、前記した金属酸化物粒子そのまま用いる
こともできるし、他の活性成分を金属酸化物粒子に担持
あるいはドーピングしたり、これら金属酸化物粒子を混
合して用いることもできる。さらに必要に応じてバイン
ダー成分を含んでいても良い。
【0082】このような光触媒の使用形態としては特に
制限はなく、例えば、上記金属酸化物粒子をそのまま水
等の溶媒に分散させて用いることができ、バインダー成
分と混合して光触媒層形成用塗布液とし、ガラス、PE
T、金属、セラミックスなどの基材に塗布・乾燥して所
望の膜厚の触媒層を形成して用いることもできる。上記
他の活性成分としては、Ag、Cu、Zn等の抗菌、防
黴目的に用いられる金属成分の他、Pt、Pd、Rh、
Ru、Os、Ir、Au、Fe等の酸化還元性能を有す
る金属成分が挙げられる。これら金属成分の担持、ドー
ピング方法は従来公知の方法を採用することができ、例
えば金属微粒子の分散液に金属成分の可溶性塩の水溶液
を添加したり、必要に応じて加水分解させて析出させる
ことのよって調製することができる。
【0083】光触媒として使用される金属酸化物粒子と
して、 シェル:酸化スズ …… コア:酸化亜鉛または各種酸化チタン シェル:各種酸化チタン …… コア:炭化ケイ素 シェル:アナタース型酸化チタン…… コア:ルチル型酸化チタン などの粒子が好適である。シェル層には前記したように
他の活性成分が担持またはドーピングされていてもよ
い。
【0084】光触媒層形成用塗布液としては、前記金属
酸化物半導体膜形成用塗布液と同じものを用いることが
できる。また、前記バインダーとして無機金属塩、有機
金属化合物、具体的には四塩化ケイ素、四塩化チタン、
塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、塩化スズ、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシチタン、テトライソプ
ロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシ亜鉛、テ
トライソプロポキシインジウム、テトライソプロポキシ
スズ等の他これらの部分加水分解物、加水分解縮重合物
を用いることができる。
【0085】本発明の光触媒に用いられる金属酸化物粒
子は、前記した本発明に係る第1または第2の金属酸化
物粒子である。すなわちコア粒子と、コア粒子表面に形
成されたシェルからなる金属酸化物粒子であって、平均
粒子径が100〜3100nmの範囲にあり、コア粒子
の平均粒子径(Pc)が50〜3000nmの範囲にあ
り、シェルが、平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範
囲にあるシェル形成用微粒子からなる微粒子層である粒
子であって、(1)シェル形成用微粒子を構成する成分
の屈折率がコアを構成する成分の屈折率よりも高いか、
または(2)シェル形成用微粒子を構成する成分のバン
ドギャップがコア粒子を構成する成分のバンドギャップ
よりも高い金属酸化物粒子である。
【0086】第1の金属酸化物粒子のように、コア粒子
の屈折率がシェル層の屈折率よりも高い場合、金属酸化
物粒子内に入射した光が粒子内で多重散乱する(図1参
照)ので触媒の活性化に有効に利用される。また、第2
の金属酸化物粒子のようにシェル形成用微粒子を構成す
る成分のバンドギャップがコア粒子を構成する成分のバ
ンドギャップよりも高い場合は、吸収波長領域が長波長
域まで吸収することができるようになるので、例えば太
陽光(可視光)の利用率を高めることができ、光触媒活
性を高めることができる。
【0087】なお、単にバンドギャップが高い成分の単
独粒子では、前記したように粒子内、粒子間の多重散乱
が起こらないため光の利用率を高めたり、電子移動性を
高めることができないので、光電変換効率や触媒活性を
高めることができない。本発明の光触媒が用いられる触
媒反応としては、窒素酸化物の還元、二酸化炭素の還元
固定化、汚濁排水中の有機質、環境ホルモン等の分解、
オレフィンの異性化、水の光分解、防汚、防黴、抗菌、
脱臭反応等が挙げられる。
【0088】また、本発明の金属酸化物粒子は前述した
ような構成をしており、シェル層の比表面積が10〜2
00m2/gと高く、シェル層にセンサー分子を多量に
吸着させることができるとともにシェル層での多重散
乱、金属酸化物粒子間(コア粒子間)での多重散乱を伴
うので微弱な光であっても光センサーの感知部として好
適に用いることができる。
【0089】また、シェル形成用微粒子を構成する成分
のバンドギャップがコア粒子を構成する成分のバンドギ
ャップよりも高いのでシェル層のセンサー分子からコア
部への電子移動が起こりやすく、このため感知精度を高
めることができる。さらにまた、本発明の金属酸化物粒
子は、リチウムイオン二次電池などの電池用負極材料と
しても有用である。本発明の金属酸化物粒子は、コア粒
子の誘電率が高い、すなわち誘電率が高いため帯電しや
すく、たとえば、本発明に係る金属酸化物粒子を負極材
料として用い、金属リチウムを陽極として用いて二次電
池を構成すると、コア粒子をより負に帯電させることが
できる。この電気的なバランスをとるために、シェル層
にLi+が吸着しやすくなり、その結果、リチウムイオン
二次電池の蓄電効率を高めることができると考えられ
る。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、金属酸化物粒子がコア
粒子とコア粒子表面に形成されたシェル形成用粒子から
なるシェルからなっており、シェル層は比表面積が高く
メソポアを有しており、触媒成分や光増感材、センサー
分子、バッテリー用カチオン(Li+イオン)を多く担持
あるいは吸着することができるとともに反応物・生成物
の拡散が容易であったり、電子移動が容易になるために
触媒活性や光電変換効率に優れた光触媒、光電気セルを
得ることができる。
【0091】また、コア粒子を構成する成分の屈折率が
シェルを構成する成分の屈折率よりも高いために、シェ
ル層で入射光が多重散乱するために光の利用率が向上
し、さらに、シェルを構成する成分のバンドギャップが
コアを構成する成分のバンドギャップよりも高いために
シェル層からコア部への電子移動が起こりやすく、より
可視光側の光をも吸収するため、光電気セル、光触媒の
ほか二次電池用負極材料、光センサーの感知部等として
も有用である。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
【0093】
【実施例1】コア粒子の調製 TiO2としての濃度が28重量%の四塩化チタン水溶
液160gを純水2000gで希釈した。これに濃度1
5重量%のアンモニア水230gを添加して加水分解
し、チタニアヒドロゲルを調製した。このゲルを洗浄し
た後、純水に分散させ、TiO2としての濃度が2重量%
のチタニアヒドロゲルスラリー1500gを得た。
【0094】このチタニアヒドロゲルスラリー1500
gに濃度25重量%のテトラメチルアンモニウムハイド
ライド水溶液54gを添加し、ついでオートクレーブ
中、200℃で20時間処理を行ってチタニアコロイド
粒子(A-1)の分散液を調製した。得られた粒子の平均
粒子径は300nmであった。また、乾燥した粒子はX
線回折によりルチル型酸化チタンであった。コア粒子の
平均粒子径および屈折率を表1に示す。
【0095】なお、コア粒子の屈折率の測定は以下のよ
うに行った。屈折率が既知である標準溶液をガラス基板
上に2〜3滴を滴下し、これに120℃で乾燥した粒子
を混合し、混合液(多くの場合はペースト状)が透明に
なったときの標準溶液の屈折率をコア粒子の屈折率とし
た。シェル形成用微粒子の調製 5gの水素化チタン粉末を純水1Lに懸濁し、これに濃
度5重量%の過酸化水素水400gを30分間で添加
し、ついで80℃に加熱して溶解し、ペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。これに濃アンモニア水を添加して
pHを9に調整し、ついでオートクレーブ中、250℃
で5時間処理を行ってチタニアコロイド粒子(A-2)の
分散液を調製した。
【0096】金属酸化物粒子の調製 チタニアコロイド粒子(A-1)の分散液670gとチタ
ニアコロイド粒子(A-2)の分散液1400gを混合
し、希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH5に調
整した。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、
洗浄後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒
子(A)を調製した。
【0097】得られた金属酸化物粒子等の性状を表1に
示す。なお、シェル層の屈折率は、以下のようにして測
定した。シェル形成用微粒子の分散液を、表面を50℃
に保ったシリコンウエハー上にスピナー法で塗布し、つ
いで160℃で30分加熱処理した後、エリプソメータ
ーにより屈折率を測定し、これをシェル層の屈折率とし
て表に示した。
【0098】金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(A)を濃度10%まで濃縮し、前記ペ
ルオキソチタン酸溶液を、ペルオキソチタン酸溶液と金
属酸化物粒子の酸化物換算の重量比(ペルオキソチタン
酸/金属酸化物粒子)が0.1となるように混合し、こ
の混合液中の全酸化物の重量の30重量%となるように
膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加
して半導体膜形成用塗布液を調製した。
【0099】次いで、フッ素ドープした酸化スズが電極
層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液を塗
布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6
000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を
分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜を300℃で30分
間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解および
アニーリングを行って金属酸化物半導体膜(AS)を形
成した。
【0100】得られた金属酸化物半導体膜(AS)の膜
厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔
径を表1に示す。光増感材の吸着 次に、光増感材としてシス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピ
リジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で表
されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットル
のエタノール溶液を調製した。この光増感材溶液をrpm1
00スピナーを用いて、金属酸化物半導体膜(AS)上へ
塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行っ
た。得られた金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量を
表1に示す。
【0101】光電気セルの作成 アセトニトリルとエチレンカーボネートの容積比(アセ
トニトリル:エチレンカーボネート)が1:4となるよ
うに混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオ
ダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.06モル
/リットルとなるように混合して電解質溶液を調製し
た。
【0102】前記で調製した電極を一方の電極とし、他
方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として
形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向
して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の
電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続し
て光電気セル(A)を作成した。光電気セル(A)は、
ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光の
入射角90°(セル面と90°)で照射して、Voc(開
回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる
電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)
を測定した。結果を表に示す。
【0103】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(AS)と同様にして光触媒(A
C)を調製した。活性評価 石英セル製の容器(光学測定用:10×10×45m
m)に濃度10ppmのメチレンブルー溶液を充填し、
これに光触媒(AC)を浸漬し、Xeランプ(2KW、分
光波長範囲209〜706nm)を照射し、5時間後の
波長460nmにおける吸光度を測定した。
【0104】Xeランプ照射前の溶液の吸光度を1とし
た。なお、吸光度が低いほど、反応が進んで、メチレン
ブルーが減少していることを示す。結果を表1に示す。
【0105】
【実施例2】コア粒子 コア粒子としてはチタニアコロイド粒子(A-1)の分散
液を用いた。シェル形成用粒子の調製 5gの水素化チタン粉末を純水1Lに懸濁し、これに濃
度5重量%の過酸化水素水400gを30分間で添加
し、ついで80℃に加熱して溶解し、ペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。これにテトラメチルンモニウムハ
イドライド水溶液を添加してpHを9に調整し、ついで
オートクレーブ中、250℃で5時間処理を行ってチタ
ニアコロイド粒子(B-2)の分散液を調製した。
【0106】金属酸化物粒子の調製 チタニアコロイド粒子(A-1)の分散液670gとチタ
ニアコロイド粒子(B-2)の分散液1400gを混合
し、希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH5に調
整した。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、
洗浄後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒
子(B)を調製した。
【0107】得られた金属酸化物粒子等の性状を表1に
示す。金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(B)用いた以外は金属酸化物半導体膜
(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(BS)を形
成した。得られた金属酸化物半導体膜(BS)の膜厚お
よび窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を
表1に示す。
【0108】光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(BS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(B)を作成した。光電気セル(B)について、
Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表に示
す。
【0109】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(BS)と同様にして光触媒(B
C)を調製した。活性評価 光触媒(BC)について、実施例1と同様にして吸光度
を測定した。
【0110】結果を表1に示す。
【0111】
【実施例3】コア粒子の調製 TiO2としての濃度が28重量%の四塩化チタン水溶液
160gを純水2000gで希釈した。これに濃度15
重量%のアンモニア水230gを添加して加水分解し、
チタニアヒドロゲルを調製した。このゲルを洗浄した
後、純水に分散させ、TiO2としての濃度が2重量%
のチタニアヒドロゲルスラリー1500gを得た。
【0112】このチタニアヒドロゲルスラリー1500
gに濃度25重量%のテトラメチルアンモニウムハイド
ライド水溶液54gを添加し、ついでオートクレーブ
中、230℃で20時間処理を行ってチタニアコロイド
粒子(C-1)の分散液を調製した。得られた粒子の平均
粒子径は80nmであった。また、乾燥した粒子はX線
回折によりルチル型酸化チタンであった。
【0113】シェル形成用粒子の調製 シェル形成用粒子としては実施例1のチタニアコロイド
粒子(A-2)の分散液を用いた。金属酸化物粒子の調製 チタニアコロイド粒子(C-1)の分散液670gとチタ
ニアコロイド粒子(A-2)の分散液1400gを混合
し、希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH5に調
整した。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、
洗浄後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒
子(C)を調製した。得られた金属酸化物粒子等の性状
を表に示す。
【0114】金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(C)用いた以外は金属酸化物半導体膜
(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(CS)を形
成した。得られた金属酸化物半導体膜(CS)の膜厚お
よび窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を
表1に示す。
【0115】光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(CS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(C)を作成した。光電気セル(C)について、
Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表に示
す。
【0116】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(CS)と同様にして光触媒(C
C)を調製した。活性評価 光触媒(CC)について、実施例1と同様に反応させた
後吸光度を測定した。結果を表に示す。
【0117】
【実施例4】コア粒子 コア粒子としては実施例1で調製したチタニアコロイド
粒子(A-1)の分散液を用いた。シェル形成用粒子の調製 200gの塩化亜鉛を純水10Lに溶解し、炭酸ソーダ
水溶液を添加して亜鉛水酸化物の沈殿を生成させ、これ
を濾過洗浄した。ついで洗浄した亜鉛水酸化物を希アン
モニア水15000gに分散させ、オートクレーブ中、
250℃で5時間処理を行って酸化亜鉛コロイド粒子
(D-2)の分散液を調製した。
【0118】金属酸化物粒子の調製 チタニアコロイド粒子(A-1)の分散液670gと酸化
亜鉛コロイド粒子(D-2)の分散液1400gを混合
し、希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH4に調
整した。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、
洗浄後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒
子(D)を調製した。得られた金属酸化物粒子等の性状
を表に示す。
【0119】金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(D)用いた以外は金属酸化物半導体膜
(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(DS)を形
成した。得られた金属酸化物半導体膜(DS)の膜厚お
よび窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を
表1に示す。
【0120】光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(DS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(D)を作成した。光電気セル(D)について、
Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表に示
す。
【0121】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(DS)と同様にして光触媒(D
C)を調製した。活性評価 光触媒(DC)について、実施例1と同様にして吸光度
を測定した。
【0122】結果を表1に示す。
【0123】
【実施例5】コア粒子 コア粒子としてはチタニアコロイド粒子(A-1)の分散
液を用いた。シェル形成用粒子の調製 5gの水素化チタン粉末を純水1Lに懸濁し、これに濃
度5重量%の過酸化水素水400gを30分間で添加
し、ついで80℃に加熱して溶解し、ペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。これに濃アンモニア水を添加して
pHを9に調整し、ついでオートクレーブ中、250℃
で5時間処理を行って酸化スズコロイド粒子(E-2)の
分散液を調製した。
【0124】スズ酸カリウム3水塩100gを純水10
Lに溶解し、これに硝酸を添加してスズ水酸化物の沈殿
を生成させ、これを濾過洗浄した。ついで洗浄したスズ
水酸化物を純水5000gに分散させ、これに濃度10
重量%のアンモニウムテトラハイドライド水溶液を加え
てpHを11に調整し、オートクレーブ中、200℃で
10時間処理を行って酸化スズコロイド粒子(E-2)の
分散液を調製した。
【0125】金属酸化物粒子の調製 チタニアコロイド粒子(A-1)の分散液670gと酸化
スズコロイド粒子(E-2)の分散液1400gを混合
し、希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH4に調
整した。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、
洗浄後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒
子(E)を調製した。得られた金属酸化物粒子等の性状
を表1に示す。
【0126】金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(E)用いた以外は金属酸化物半導体膜
(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(ES)を形
成した。得られた金属酸化物半導体膜(ES)の膜厚お
よび窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を
表1に示す。
【0127】光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(ES)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(E)を作成した。光電気セル(E)について、
Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表1に示
す。
【0128】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(ES)と同様にして光触媒(E
C)を調製した。活性評価 光触媒(EC)について、実施例1と同様にして吸光度
を測定した。
【0129】結果を表1に示す。
【0130】
【実施例6】コア粒子の調製 酸化亜鉛200gを純水1Lに懸濁し、これに酢酸20
gを添加し、サンドミルで2時間粉砕し、粗大粒子を除
去して濃度10重量%の酸化亜鉛コロイド粒子(F-1)
の分散液を調製した。
【0131】得られた粒子の平均粒子径は300nmで
あった。シェル形成用粒子の調製 シェル形成用粒子としては実施例1のチタニアコロイド
粒子(A-2)の分散液を用いた。金属酸化物粒子の調製 酸化亜鉛コロイド粒子(F-1)の分散液67gとチタニ
アコロイド粒子(A-2)の分散液1400gを混合し、
希硝酸水溶液を用いて混合した分散液をpH5に調整し
た。ついで80℃で5時間加熱処理した後、分離、洗浄
後乾燥してコア・シェル構造を有する金属酸化物粒子
(F)を調製した。得られた金属酸化物粒子等の性状を
表に示す。
【0132】金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(F)用いた以外は金属酸化物半導体膜
(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(FS)を形
成した。得られた金属酸化物半導体膜(FS)の膜厚お
よび窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を
表1に示す。
【0133】光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(FS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(F)を作成した。光電気セル(F)について、
Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表1に示
す。
【0134】光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(FS)と同様にして光触媒(F
C)を調製した。活性評価 光触媒(FC)について、実施例1と同様に反応させた
後吸光度を測定した。
【0135】結果を表1に示す。
【0136】
【比較例1】酸化チタン粒子の調製 18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2換算
で1.0重量%含有する水溶液を得た。これを撹拌しな
がら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH
9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄
し、TiO2換算で10.2重量%の水和酸化チタンゲ
ルのケーキを得た。このケーキと濃度5重量%の過酸化
水素400gを混合し、ついで80℃に加熱して溶解
し、ペルオキソチタン酸の溶液を調製した。これに濃ア
ンモニア水を添加してpH10に調製し、オートクレー
ブに入れ、250℃で8時間、飽和蒸気圧下で水熱処理
を行ってチタニアコロイド粒子(G)を調製した。
【0137】得られた粒子の平均粒子径は40nmであ
った。また、乾燥した粒子はX線回折によりアナタース
型酸化チタンであった。金属酸化物半導体膜の形成 チタニアコロイド粒子(G)用いた以外は金属酸化物半
導体膜(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(G
S)を形成した。
【0138】得られた金属酸化物半導体膜(GS)の膜
厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔
径を表1に示す。光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(GS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(G)を作成した。
【0139】光電気セル(G)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示す。光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(GS)と同様にして光触媒(G
C)を調製した。
【0140】活性評価 光触媒(GC)について、実施例1と同様に反応させた
後吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0141】
【比較例2】コア粒子 コア粒子分散液として、シリカゾル(触媒化成工業
(株)製:カタロイドSI-30P、平均粒子径30n
m、濃度30重量%の水ゾル)を用い、このゾルにエチ
ルセルソルブを入れ、ロータリーエバポレーターにて溶
媒置換し、シリカコア粒子のエチルセルソルブ分散液を
得た。
【0142】つぎに、このシリカコア粒子分散液にエチ
ルセルソルブを加えて濃度5重量%のコア粒子分散液を
調製した。金属酸化物粒子の調製 コア粒子分散液100gに、別途アセチルアセトン1.
2gとイソプロポキシチタネート3.5gを反応させて
得たアセチルアセトネートアルコキシドチタンを添加
し、温度80℃で処理してコア粒子をチタンの加水分解
物(水酸化チタン)で被覆し、これに濃度36重量%の
過酸化水素水10gを添加してさらに加熱処理した。
【0143】これに、別途調製したペルオキソチタン酸
の溶液を添加し、さらに第4級アンモニウムハイドロオ
キサイドを添加してpH12に調製し、ついでオートク
レーブで200℃−12時間処理して金属酸化物粒子
(H)を調製した。得られた金属酸化物粒子等の性状を
表1に示す。金属酸化物半導体膜の形成 金属酸化物粒子(H)を用いた以外は金属酸化物半導体
膜(AS)と同様にして金属酸化物半導体膜(HS)を
形成した。
【0144】得られた金属酸化物半導体膜(HS)の膜
厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔
径を表1に示す。光電気セルの作成 金属酸化物半導体膜(HS)を用いた以外は実施例1と
同様に光増感材の吸着、電解質溶液の封入等をして光電
気セル(H)を作成した。
【0145】光電気セル(H)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示す。光触媒の調製 電極層が形成されてない透明ガラス基板を用い、塗膜を
硬化させた後、塗膜を450℃で30分間加熱した以外
は金属酸化物半導体膜(HS)と同様にして光触媒(H
C)を調製した。
【0146】活性評価 光触媒(HC)について、実施例1と同様に反応させた
後吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属酸化物粒子における光の多重散乱を表す
模式図である。
【図2】 本発明に係る光電気セルの概略断面図を示
す。
【符号の説明】 1……透明電極層 2……半導体膜 3……電極層 4……電解質 5……基板(透明基板) 6……基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC03 CD04 4G069 AA08 AA11 AA14 BA04A BA48A BB04A BB04B BC22B BC35B BD12B DA05 EA01X EA01Y EB18X EB18Y EC22Y 5F051 AA14 FA01 5H032 AA06 AS16 BB05 CC11 CC16 EE02 EE07 EE17 HH04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア粒子と、コア粒子表面に形成されたシ
    ェル層からなる金属酸化物粒子であって、金属酸化物粒
    子の平均粒子径が100〜3100nmの範囲にあり、 コア粒子の屈折率がシェル層の屈折率よりも高く、 コア粒子の平均粒子径(Pc)が50〜3000nmの
    範囲にあり、 シェル層が、平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲
    のシェル層形成用微粒子からなる微粒子層であり、 PcとPsとが、0.001≦Ps/Pc≦0.5 である
    関係を満足することを特徴とする金属酸化物粒子。
  2. 【請求項2】コア粒子と、コア粒子表面に形成されたシ
    ェルからなる金属酸化物粒子であって平均粒子径が10
    0〜3100nmの範囲にあり、シェル層を構成する成
    分のバンドギャップがコア粒子を構成する成分のバンド
    ギャップよりも高く、 コア粒子の平均粒子径(Pc)が50〜3000nmの
    範囲にあり、 シェル層が、平均粒子径(Ps)が2〜50nmの範囲
    のシェル層形成用微粒子からなる微粒子層であり、 PcとPsとが、0.001≦Ps/Pc≦0.5 である
    関係を満足することを特徴とする金属酸化物粒子。
  3. 【請求項3】前記シェル形成用微粒子を構成する成分の
    バンドギャップがコア粒子を構成する成分のバンドギャ
    ップよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の金属
    酸化物粒子。
  4. 【請求項4】表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)
    表面に光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜(2)が形
    成されてなる基板と、表面に電極層(3)を有する基板と
    が、前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配
    置してなり、金属酸化物半導体膜(2)と電極層(3)との間
    に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、 金属酸化物半導体膜(2)が、請求項1〜3のいずれかに
    記載の金属酸化物粒子を含み、 かつ少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有し
    ていることを特徴とする光電気セル。
  5. 【請求項5】金属酸化物粒子の平均粒子径が100〜6
    00nmの範囲にあり、 かつ、下記式(A)によって算出されるシェル層の比表面
    積が10〜200m2/gの範囲にあることを特徴とす
    る請求項4に記載の光電気セル。 Ss =(Sp−Sc・a)/(1−a) (式中、Ssはシェル層の比表面積であり、Spは金属酸
    化物粒子の比表面積であり、Scはコア粒子の比表面積
    であり、aは金属酸化物粒子中のコア粒子の重量割合
    (%)を示す)
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化
    物粒子を用いた光触媒。
JP2000302389A 2000-10-02 2000-10-02 新規な金属酸化物粒子およびその用途 Expired - Lifetime JP4169140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000302389A JP4169140B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 新規な金属酸化物粒子およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000302389A JP4169140B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 新規な金属酸化物粒子およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002110261A true JP2002110261A (ja) 2002-04-12
JP4169140B2 JP4169140B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=18783747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000302389A Expired - Lifetime JP4169140B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 新規な金属酸化物粒子およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4169140B2 (ja)

Cited By (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003031683A1 (fr) * 2001-10-04 2003-04-17 Nittetsu Mining Co., Ltd. Poudre enrobee de film de titane et son procede de production
JP2004033819A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Chiyoda Corp 多孔質酸化チタン担持体およびこれを用いた触媒、並びに、多孔質酸化チタン担持体の製造方法
JP2005116302A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Sony Corp 光電変換素子および電子装置
JP2005339882A (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Fujikura Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005353296A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Fujikura Ltd 光電変換素子
JP2006055746A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Tayca Corp 広い波長領域において光触媒活性を有する酸化チタン光触媒およびその製造方法
JP2007035594A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 光電気セル
JP2008503339A (ja) * 2004-06-23 2008-02-07 アンスティテュ ナショナル ポリテクニーク ドゥ トゥールーズ 連続金属層を有する粒子から成る微細な固体組成物、その製造方法およびその触媒としての使用
JP2008024565A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 改質酸化チタン粒子およびその製造方法、並びにこの改質酸化チタン粒子を使用した排ガス処理用触媒
JP2008081378A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Catalysts & Chem Ind Co Ltd ニオブ系酸化物微粒子の製造方法
CN100417589C (zh) * 2003-12-25 2008-09-10 千代田化工建设株式会社 层合多孔氧化钛及其制造方法和采用它的催化剂
JP2008277019A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光電気セルおよび該光電気セル用多孔質半導体膜形成用塗料
JP2008289971A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Toyota Motor Corp コアシェル構造体及びその製造方法並びに当該コアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒
JP2009227541A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Toyota Central R&D Labs Inc 複合酸化物、それを用いた排ガス浄化用触媒及び複合酸化物の製造方法
JP2009279546A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Toyota Motor Corp コアシェル構造体の製造方法及びそれにより製造されたコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒
JP2009289669A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料および光電気セル
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
US7745371B2 (en) 2004-03-09 2010-06-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purifying catalyst, metal oxide particle and production process thereof
WO2011002073A1 (ja) * 2009-07-01 2011-01-06 ソニー株式会社 光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
US7989387B2 (en) 2004-04-27 2011-08-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Process for producing metal oxide particle and exhaust gas purifying catalyst
JP2011187164A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Osaka Gas Co Ltd 塗膜形成用組成物
US8026193B2 (en) 2004-04-27 2011-09-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Metal oxide particle, production process thereof and exhaust gas purifying catalyst
JP2011219346A (ja) * 2010-03-25 2011-11-04 Daicel Chemical Industries Ltd 結晶面(001)を有するルチル型酸化チタンの製造方法
WO2012070531A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 シャープ株式会社 光電変換素子
JP2012156070A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法および色素増感太陽電池
JP2014034484A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Japan Fine Ceramics Center セリア−ジルコニア系材料及びその製造方法
JP2014041967A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Toyota Central R&D Labs Inc 色素増感型太陽電池
KR101373503B1 (ko) * 2009-12-18 2014-03-14 엘지디스플레이 주식회사 염료 감응 태양전지 모듈 및 이의 제조방법
JP2014163984A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2014220164A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 熊本県 色素増感型太陽電池
JP2015079939A (ja) * 2013-08-28 2015-04-23 シャープ株式会社 色素増感太陽電池、タンデム色素増感太陽電池、および複合ナノ構造
KR101680523B1 (ko) * 2016-06-24 2016-11-28 영남대학교 산학협력단 산화아연/이산화티탄 코어-쉘 나노입자 복합체 제조방법
JP2017531555A (ja) * 2014-10-14 2017-10-26 イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles 金属粒子と、2種の半導体とを含み、2種の半導体は、酸化インジウムからなる一方のものを含む光触媒組成物
JP2017533816A (ja) * 2014-10-14 2017-11-16 イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles 金属粒子および酸化セリウムからなるものを含む2種の半導体を含む光触媒組成物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11053598B2 (en) 2017-02-16 2021-07-06 Honda Motor Co., Ltd. Method for producing core shell nanoparticles

Cited By (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7169443B2 (en) 2001-10-04 2007-01-30 Nittetsu Mining Co., Ltd. Powder coated with titania film and method for production thereof
EA005342B1 (ru) * 2001-10-04 2005-02-24 Ниттецу Майнинг Ко., Лтд. Порошок с пленочным покрытием из диоксида титана и способ его получения
WO2003031683A1 (fr) * 2001-10-04 2003-04-17 Nittetsu Mining Co., Ltd. Poudre enrobee de film de titane et son procede de production
JP2004033819A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Chiyoda Corp 多孔質酸化チタン担持体およびこれを用いた触媒、並びに、多孔質酸化チタン担持体の製造方法
JP4561073B2 (ja) * 2003-10-07 2010-10-13 ソニー株式会社 光電変換素子および電子装置
JP2005116302A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Sony Corp 光電変換素子および電子装置
CN100417589C (zh) * 2003-12-25 2008-09-10 千代田化工建设株式会社 层合多孔氧化钛及其制造方法和采用它的催化剂
US7745371B2 (en) 2004-03-09 2010-06-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purifying catalyst, metal oxide particle and production process thereof
US7989387B2 (en) 2004-04-27 2011-08-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Process for producing metal oxide particle and exhaust gas purifying catalyst
US8026193B2 (en) 2004-04-27 2011-09-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Metal oxide particle, production process thereof and exhaust gas purifying catalyst
JP2005339882A (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Fujikura Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005353296A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Fujikura Ltd 光電変換素子
JP2008503339A (ja) * 2004-06-23 2008-02-07 アンスティテュ ナショナル ポリテクニーク ドゥ トゥールーズ 連続金属層を有する粒子から成る微細な固体組成物、その製造方法およびその触媒としての使用
JP4580197B2 (ja) * 2004-08-20 2010-11-10 テイカ株式会社 広い波長領域において光触媒活性を有する酸化チタン光触媒およびその製造方法
JP2006055746A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Tayca Corp 広い波長領域において光触媒活性を有する酸化チタン光触媒およびその製造方法
JP2007035594A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 光電気セル
JP2008024565A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 改質酸化チタン粒子およびその製造方法、並びにこの改質酸化チタン粒子を使用した排ガス処理用触媒
JP2008081378A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Catalysts & Chem Ind Co Ltd ニオブ系酸化物微粒子の製造方法
JP2008277019A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光電気セルおよび該光電気セル用多孔質半導体膜形成用塗料
WO2008136261A1 (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Jgc Catalysts And Chemicals Ltd. 光電気セルおよび該光電気セル用多孔質半導体膜形成用塗料
AU2008246780B2 (en) * 2007-04-26 2012-01-12 Jgc Catalysts And Chemicals Ltd. Photoelectrical cell, and coating agent for forming porous semiconductor film for the photoelectrical cell
JP2008289971A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Toyota Motor Corp コアシェル構造体及びその製造方法並びに当該コアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒
US8293677B2 (en) 2007-05-23 2012-10-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Core-shell structure, process for its production, and exhaust gas purification catalyst comprising core-shell structure
JP2009227541A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Toyota Central R&D Labs Inc 複合酸化物、それを用いた排ガス浄化用触媒及び複合酸化物の製造方法
JP2009279546A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Toyota Motor Corp コアシェル構造体の製造方法及びそれにより製造されたコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒
KR101608715B1 (ko) 2008-05-30 2016-04-04 니끼 쇼꾸바이 카세이 가부시키가이샤 광전기 셀용 다공질 금속산화물 반도체막 형성용 도료 및 광전기 셀
JP2009289669A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料および光電気セル
EP2845882A2 (en) 2008-10-29 2015-03-11 Fujifilm Corporation Dye, Photoelectric Conversion Element and Photoelectrochemical Cell
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
WO2011002073A1 (ja) * 2009-07-01 2011-01-06 ソニー株式会社 光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器
CN102150322A (zh) * 2009-07-01 2011-08-10 索尼公司 光电转换器件及其制造方法、电子设备
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
KR101373503B1 (ko) * 2009-12-18 2014-03-14 엘지디스플레이 주식회사 염료 감응 태양전지 모듈 및 이의 제조방법
US8952248B2 (en) 2009-12-18 2015-02-10 Lg Display Co., Ltd. Dye-sensitized solar cell module and method of fabricating the same
JP2011187164A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Osaka Gas Co Ltd 塗膜形成用組成物
JP2011219346A (ja) * 2010-03-25 2011-11-04 Daicel Chemical Industries Ltd 結晶面(001)を有するルチル型酸化チタンの製造方法
JP6029982B2 (ja) * 2010-11-24 2016-11-24 シャープ株式会社 光電変換素子
WO2012070531A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 シャープ株式会社 光電変換素子
JP2012156070A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Hitachi Zosen Corp 色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法および色素増感太陽電池
JP2014034484A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Japan Fine Ceramics Center セリア−ジルコニア系材料及びその製造方法
JP2014041967A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Toyota Central R&D Labs Inc 色素増感型太陽電池
JP2014163984A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2014220164A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 熊本県 色素増感型太陽電池
JP2015079939A (ja) * 2013-08-28 2015-04-23 シャープ株式会社 色素増感太陽電池、タンデム色素増感太陽電池、および複合ナノ構造
JP2017531555A (ja) * 2014-10-14 2017-10-26 イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles 金属粒子と、2種の半導体とを含み、2種の半導体は、酸化インジウムからなる一方のものを含む光触媒組成物
JP2017533816A (ja) * 2014-10-14 2017-11-16 イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles 金属粒子および酸化セリウムからなるものを含む2種の半導体を含む光触媒組成物
KR101680523B1 (ko) * 2016-06-24 2016-11-28 영남대학교 산학협력단 산화아연/이산화티탄 코어-쉘 나노입자 복합체 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4169140B2 (ja) 2008-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4169140B2 (ja) 新規な金属酸化物粒子およびその用途
JP4392741B2 (ja) 光電気セル
JP4916683B2 (ja) 光電気セル
JP4507306B2 (ja) 酸化物半導体電極及びそれを用いた色素増感型太陽電池
AU2008246780B2 (en) Photoelectrical cell, and coating agent for forming porous semiconductor film for the photoelectrical cell
JP4077594B2 (ja) 光電気セルおよび金属酸化物半導体膜形成用塗布液、光電気セル用金属酸化物半導体膜の製造方法
JP4294245B2 (ja) 光電気セルおよび光触媒
JPH11339867A (ja) 光電気セルおよび光電気セル用金属酸化物半導体膜の製造方法
JP4215964B2 (ja) 光電気セル
JP2003168496A (ja) 光電気セル
JP4169138B2 (ja) 光電気セル
JP5330783B2 (ja) 光電気セル
JP5199587B2 (ja) 光電気セルおよびその製造方法
JP5348962B2 (ja) 光電気セルの製造方法
JP2001185245A (ja) 光電気セルおよび該光電気セルの半導体膜形成用塗布液
JP5354960B2 (ja) 光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料および光電気セル
JP5426876B2 (ja) 多孔質半導体膜形成用塗料の製造方法および光電気セル
JP4382873B1 (ja) 酸化チタン粒子
JP5503143B2 (ja) 多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料および光電気セル
JP5140031B2 (ja) 光電気セル
JP5188093B2 (ja) 光電気セルの製造方法
JP2003308892A (ja) 有機色素増感型金属酸化物半導体電極及び有機色素増感型太陽電池
JP2001015182A (ja) 光電気セル
JP4382608B2 (ja) 色素増感型太陽電池
JP4679844B2 (ja) 光電気セル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4169140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250