JP5188093B2 - 光電気セルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な光電気セルの製造方法に関する。
さらに詳しくは、従来法では容易に吸着しないか吸着速度の遅い光増感材を迅速に吸着させることが可能な、光電変換効率の高い光電気セルの製造方法に関する。
高バンドギャップを有する金属酸化物半導体材料が光電変換材料、光触媒材料等の他光センサーや蓄電材料(バッテリー)等に用いられている。
このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体を備え、これらの電極間に電解質を封入して構成されている。
光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に例えば太陽光を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に流れ、光電変換材料は太陽電池として機能する。
この光電変換材料としては、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。たとえば、特開平1−220380号公報(特許文献1)には、金属酸化物半導体の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。また、特表平5−504023号公報(特許文献2)には、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。
また、酸化チタン半導体膜表面への分光増感色素の吸着量を増大させたり、酸化チタン半導体膜内の電子の移動性を向上させたりすることが検討されている。
たとえば、酸化チタン半導体膜を形成する際、チタニアゾルを電極基板上に塗布し、乾燥し、ついで焼成する工程を繰り返して行い多孔質の厚膜を形成し、半導体膜を多孔質化することによって表面に担持するRu錯体の量を増加させることが提案されている。また、400℃以上の温度でチタニア微粒子間の焼成を行い、導電性を向上させることも提案されている。さらに特表平6−511113号号公報(特許文献3)では、有効表面を増加させるために、塩化チタンの水溶液に浸すか、塩化チタンの加水分解液を用いて電気化学的にチタニア膜に堆積させることが提案されている。
特開平1−220380号公報 特表平5−504023号公報 特表平6−511113号号公報
特許文献1および2のような太陽電池では、光を吸収して励起したルテニウム錯体などの分光増感色素層から酸化チタン半導体層へ電子の移動が迅速に行われることが光変換効率向上に重要であり、迅速に電子移動が行われないと再度ルテニウム錯体と電子の再結合あるいは電子の逆流(暗電流あるいはバックカレントという)が起こり、光変換効率が低下するという問題があった。
また、特許文献3の方法では、微細な細孔を持つ半導体膜内部への分光増感色素を迅速に拡散させることが困難であり、分光増感色素の吸着量が低下するなどの問題があり、必ずしも光電変換効率が充分でなく、さらなる改良が望まれていた。
本発明者等は、このような課題を解決すべく鋭意検討した結果、電極層上に半導体膜が形成された基板を光増感材溶液に浸漬し、電極層と光増感材溶液に直流電圧を印加すると迅速に、広範な波長領域の多種類の光増感材を多量に吸着させることができることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1] 基材の表面に電極層を形成する工程と、
前記電極層の表面に多孔質金属酸化物半導体膜を形成する工程と、
前記多孔質金属酸化物半導体膜が形成された基板を光増感材溶液に浸漬し、前記電極層と光増感材溶液に直流電圧を印加して前記多孔質金属酸化物半導体膜に光増感材を吸着させる工程と、
対向基板の表面に対向電極層を形成する工程と、
前記電極層と前記対向電極層が対向するように前記基板と前記対向基板を配置し、前記多孔質金属酸化物半導体膜と前記対向電極層との間に電解質層を形成する工程と、を含む光電気セルの製造方法。
[2]前記多孔質金属酸化物半導体膜が、前記電極層と金属酸化物粒子分散液に直流電圧を印加して形成される[1]の光電気セルの製造方法。
[3]前記金属酸化物粒子分散液がペルオキシチタン酸を含む[2]の光電気セルの製造方法。
[4]前記金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜3000nmの範囲に有る[2]または[3]の光電気セルの製造方法。
[5]形成された多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積が0.05〜0.8ml/gであり、平均細孔径が2〜250nmの範囲にある[1]〜[4]の光電気セルの製造方法。
本発明によれば、光増感材の吸着を直流電圧の印加によって行うので、光増感材の吸着が簡便かつ迅速で、吸着量も多く、また、広範な波長領域の光増感材を一度に吸着させることができ、このため光増感材の吸着を繰り返す必要もなく、光電変換効率の高い光電気セルを経済的に製造することができる。
また、本発明によれば、金属酸化物粒子分散液と電極層間に直流電圧を印加することに半導体膜を形成するので緻密で均一な膜厚の半導体膜を形成することができ、金属酸化物粒子に繊維状粒子を併用すると電極層との密着性に優れるとともに強度にも優れた均一な膜厚の半導体膜を形成することができ、このため光電変換効率の高い光電気セルを製造することができる。
本発明によれば、ペルオキシチタン酸を含む金属酸化物粒子分散液と電極層間に直流電圧を印加することによって半導体膜を形成すると緻密で光増感材の吸着量の高い均一な膜厚の半導体膜を形成することができ、このため光電変換効率の高い光電気セルを製造することができる。
本発明によれば、光増感材を吸着した金属酸化物粒子分散液と電極層間に直流電圧を印加することによって半導体膜を形成すると、緻密で均一な膜厚の光増感材を吸着した半導体膜を形成することができ、このため半導体膜形成後の光増感材の吸着、乾燥等の工程が不要となり、光電変換効率の高い光電気セルを経済的に製造することができる。
以下、本発明に係る光電気セルの製造方法について具体的に説明する。
[光電気セルの製造方法]
本発明に係る光電気セルの製造方法は、表面に電極層(1)が形成された基材の電極層(1)表面に、光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜が形成したのち、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置し、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を形成することを特徴とする光電気セルの製造方法において、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成された基板(1)を光増感材溶液に浸漬し、電極層(1)と光増感材溶液に直流電圧を印加して光増感材を吸着させることを特徴とする。
本発明によって製造される光電気セルの一態様は、たとえば、図1に示される。
図1は、本発明によって得られる光電気セルの一態様例を示す概略断面図であり、表面に電極層1を有し、かつ該電極層1表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜2
が形成されてなる基板5と、表面に電極層3を有する基板6とが、前記電極層1および電極
層3とが対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜1と電極層2との間に電
解質4が封入されている。
なお、本発明によって得られる光電気セルは図示した光電気セルに限定されるものではなく、半導体膜を2層以上有し、この間に別の電極層および電解質層を設けた光電気セルであってもよい。
基板
一方の基板(図1中の符号5)としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
他の一方の基板(図1中の符号6)としては使用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
なお、基板は少なくとも一方が透明であればよい。また、基板は可撓性を有するものであると、自在な曲面を構築することが可能となる。
電極層
一方の電極層(透明基板表面の電極層、図1中の符号1)としては、通常透明電極が使用され、具体的には、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極を使用することができる。このような透明電極層は、熱分解法、CVD法等の従来公知の方法により形成することができる。
もう一方の基材表面に形成される電極層(図1中の符号3)としては、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。電極層は、基板上に前記電極を直接コー
ティング、メッキあるいは蒸着させて、導電性材料を熱分解法、CVD法等の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成することができる。
これらの電極層は通常還元触媒能を有している。還元触媒能により、例えば、I3 -が3I-と還元される。また電極層は双方とも透明電極層であってもよい。
このような透明基板と透明電極層とからなる電極付基板の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。
また、電極層の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好ましい。電極層の
抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなることがある。
[多孔質金属酸化物半導体膜]
多孔質金属酸化物半導体膜は、電極層上に形成されている。なお、図1に示すように、一方の電極層(図1中の符号1)表面に形成されていてもよく、他方の電極層(図1中の符号3)上に形成されていてもよく、さらには両方に形成されていてもよい。この金属酸化物半導体膜の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
多孔質金属酸化物半導体膜は、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムの1種または2種以上の金属酸化物からなることが好ましい。なかでも結晶性の酸化チタン、例えば、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンは好適に用いることができる。
このような金属酸化物は、バンドギャップが高く(概ね1.7〜3.8eVの範囲)、可視光を吸収して光増感材が励起して電子を発生させることができる。
金属酸化物半導体膜が金属酸化物粒子を含んでいると多孔性の金属酸化物半導体膜が形成できる。金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜3000nm、さらには10〜600nm、特に10〜200nmの範囲にあることが好ましい。金属酸化物粒子が小さすぎると、形成された金属酸化物半導体膜にクラックが発生しやすく、少ない回数で後述する膜厚を有するクラックのない厚膜を形成することが困難になることがあり、さらに金属酸化物半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し光増感材の吸着量が低下することもある。また、金属酸化物粒子が大きすぎると、粒子間隙が大きくなるために光の透過量が増大して光の利用率が低下したり、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがある。
このような金属酸化物粒子は、比表面積が10〜400m2/g、さらには20〜30
0m2/gの範囲にあることが好ましい。比表面積が低いものは光増感材の吸着量が少な
いために光電変換効率が高くならず、比表面積が前記範囲を越えて大きくしても、さらに光電変換効率が高くなることもない。
多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積は0.05〜0.8ml/g、さらには0.1〜
0.6l/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が小さいと、光増感材吸着量が低く
なり、また多すぎても半導体膜内の電子移動性が低下して光電変換効率を低下させることがある。
多孔質金属酸化物半導体膜は平均細孔径が2〜250nm、さらには5〜200nmの範囲にあることが好ましい。平均細孔径が小さいと、光増感材の吸着量が低下し、大きすぎても半導体膜内の電子移動性が低下し光電変換効率が低下することもある。
多孔質金属酸化物半導体膜の製造方法
上記多孔質金属酸化物半導体膜の製造方法は、前記した多孔質金属酸化物半導体膜が得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。特に本願出願人の出願による特開平11−339867号公報に開示した金属酸化物半導体膜の製造方法を好適に準用することができる。
たとえば、ペルオキソチタン酸と金属酸化物粒子と分散媒からなる多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液を基板上に形成した電極層上に塗布し、乾燥した後紫外線照射により硬化、あるいは加熱硬化させて得形成することができる。
特に、金属酸化物粒子としてアナターゼ型酸化チタン粒子のコロイド粒子を用いることが好ましい。
本発明では、多孔質金属酸化物半導体膜の製造方法として基板上に形成された電極層と金属酸化物粒子分散液に直流電圧を印加して形成する方法が好適に採用される。
この方法では金属酸化物粒子分散液には前記した金属酸化物粒子と、分散媒として水、アルコール類、ケトン類、グリコール類から選ばれる1種または2種以上が用いられる。アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等、ケトン類としてはアセトンなどグリコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
溶媒としては、水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の比較的低沸点のアルコール類を含む水性分散媒は、前記金属酸化物粒子、後述する必要に応じて用いるペルオキシチタン酸を均一に分散できるとともに、基材に金属酸化物粒子層を積層させた後、乾燥する際に分散媒が蒸発しやすいので好適である。
金属酸化物粒子と必要に応じて用いるペルオキシチタン酸の分散液の合計固形分濃度は1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
前記濃度が少ないと、1回の操作で所望の厚さの金属酸化物半導体膜を形成できない場合があり、繰り返し操作を要すことはある。また、前記濃度が高すぎると、分散液の粘度が高くなり、得られる金属酸化物半導体膜の緻密度が低下し、半導体膜の強度、耐摩耗性が不充分となることに加え、電子の移動性が低下し、光電変換効率が不充分となることがある。
ペルオキシチタン酸
前記金属酸化物粒子分散液にはペルオキシチタン酸が含まれていてもよい。
ペルオキシチタン酸が含まれていると直流電圧を印加した際に金属酸化物粒子の電極層上への積層が早くなるとともに、緻密で強度に優れるとともに電子移動性に優れた多孔質金属酸化物半導体膜が得られ、さらに光増感材の吸着量が増加し、この結果、光電変換効率が向上する。
ペルオキシチタン酸とは過酸化水和チタンをいい、たとえば、チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加えて加熱することによって調製することができる。
具体的には、まず、チタン化合物を加水分解してオルソチタン酸のゾルまたはゲルを調製する。
オルソチタン酸のゲルは、チタン化合物として塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニルなどのチタン塩を使用し、この水溶液にアルカリを加えて中和し、洗浄することによって得ることができる。
また、オルソチタン酸のゾルは、チタン塩の水溶液をイオン交換樹脂に通して陰イオンを除去するか、あるいはチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシドの水および/または有機溶媒に酸またはアルカリを加えて加水分解することによって得ることができる。
中和あるいは加水分解する際のチタン化合物の溶液のpHは7〜13の範囲にあることが好ましい。チタン化合物溶液のpHが上記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素との反応が容易となる。
さらに、中和あるいは加水分解する際の温度は0〜60℃の範囲にあることが好ましく、特に好ましい範囲は0〜50℃の範囲である。中和あるいは加水分解する際の温度が上記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素との反応が容易となる。得られたゲルまたはゾル中のオルソチタン酸粒子は、通常、非晶質である。
次に、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物に、過酸化水素を添加してオルソチタン酸を溶解してペルオキシチタン酸水溶液を調製する。
ペルオキシチタン酸水溶液を調製するに際しては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物を、必要に応じて約50℃以上に加熱したり、攪拌したりすることが好ましい。また、この際、オルソチタン酸の濃度が高くなるすぎると、その溶解に長時間を必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿したり、あるいは得られるペルオキシチタン酸水溶液が粘調になることがある。このため、TiO2濃度としては、約10重量%以下であることが好ましく、さらに約5重量%以下であることが望ましい。
添加する過酸化水素の量は、H22/TiO2(オルソチタン酸はTiO2に換算)重量比で1以上であれば、オルソチタン酸を完全に溶解することができる。H22/TiO2重量比が1未満であると、オルソチタン酸が完全には溶解せず、未反応のゲルまたはゾルが残存することがある。また、H22/TiO2重量比は大きいほど、オルソチタン酸の溶解速度は大きく反応時間は短時間で終了するが、あまり過剰に過酸化水素を用いても、未反応の過酸化水素が系内に残存するだけであり、経済的でない。このような量で過酸化水素を用いると、オルソチタン酸は0.5〜20時間程度で溶解する。
金属酸化物粒子分散液中のペルオキシチタン酸の使用量は酸化物(TiO2)として金属酸化物粒子の1〜50重量%、さらには2〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
ペルオキシチタン酸の使用量が少ないと、金属酸化物粒子の積層を早める効果、半導体膜の緻密性、強度を向上させる効果、光増感材の吸着量の増加効果、光電変換効率を向上させる効果等が不充分となることがある。
ペルオキシチタン酸の使用量を多くしても、前記効果が更に向上することもなく、光電変換効率が低下することがある。
ペルオキシチタン酸を含む金属酸化物粒子分散液に電極層を形成した基板を浸漬し、電極層と金属酸化物粒子分散液に直流電圧を印加する。
この時の金属酸化物粒子分散液の濃度および使用量は最終的に形成される多孔質金属酸化物半導体膜の膜厚が0.1〜50μmの範囲になるように設定する。
印加条件
印加電圧は金属酸化物粒子の種類、電極層の種類等によって異なるが0.5〜100V(DC)、さらには1〜50V(DC)の範囲にあることが好ましい。
印加電圧が0.5V(DC)未満の場合は、金属酸化物粒子の積層が不充分となり、粒子
が斑に積層したり、積層に長時間を要することがある。
印加電圧が100V(DC)を超えると、積層速度は速いものの、得られる多孔質金属酸化物半導体膜の緻密度が低下したり、膜厚が不均一になったり、強度が不充分となることがある。
印加する時間は金属酸化物粒子の種類および量、ペルオキシチタン酸の量等によって異なるが、概ね1〜60分程度である。
金属酸化物粒子を積層させた後、積層させた基版を取り出し、乾燥し、必要に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理によってアニーリングして多孔質金属酸化物半導体膜を形成する。
乾燥は分散媒を除去出来る温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。紫外線の照射はペルオキソチタン酸の含有量などによって異なるが、ペルオキソチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。
また、加熱処理は、通常、200〜600℃、さらには300〜500℃で概ね1〜48時間処理する。
このようにして得られた多孔質金属酸化物半導体膜の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
[光増感材の吸着方法]
本発明では、前記した多孔質金属酸化物半導体膜が形成された基板を光増感材溶液に浸漬し、電極層と光増感材溶液に直流電圧を印加して光増感材を吸着させる。
光増感材溶液
光増感材としては、可視光領域、紫外光領域、赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
有機色素としては、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知の有機色素が使用できる。具体的には、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの有機色素は金属酸化物半導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
また、金属錯体としては、特開平1-220380号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シス-
ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙げる
ことができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
上記の光増感材としての有機色素または金属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と金属錯体とを併用してもよい。
光増感材の溶媒としては、光増感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセルソルブ、N-メ
チルピロリドン、テトラヒドロフラン等およびこれらの混合物を用いることができる。
光増感材溶液の濃度には特に制限はないが、光増感材の吸着量は多孔質金属酸化物半導体膜に吸着した光増感材が多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μ
g以上であることが好ましい。光増感材の使用量が多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μg未満の場合、光電変換効率が不充分となることがある。
印加条件
印加電圧は光増感材の種類によっても異なるが0.5〜100V(DC)、さらには1〜50V(DC)の範囲にあることが好ましい。
印加電圧が低いと、光増感材の吸着量に長時間を要したり、吸着量が不充分となることがある。印加電圧が高すぎても、半導体膜上での光増感材の分解が起こる場合がある。
印加時間は概ね1〜60分程度であればよい。
光増感材を吸着させた後、基版を取り出し、乾燥することによって光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜を得ることができる。
[光電気セルの作製]
光増感材を吸着させた後、多孔質金属酸化物半導体膜と他方の電極層とを対向するように配置し、側面を樹脂にてシールし、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続することによって光電気セルを製造することができる。
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
電気化学的に活性な塩としては、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物としては、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙げられる。場合によってはこれらを混合して使用することもできる。
電解質溶液の溶媒としては従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
このような電解質は、通常、溶媒に溶解されて電解液として使用される。このような電解質溶液の濃度は、電解質の種類、溶媒の種類によっても異なるが、概ね0.1〜5モル
/リットルの範囲にあることが好ましい。
また、イオン性液体に電解質を溶解させてもよい。イオン性液体とは、常温で溶融した塩であり、高いイオン密度を有し、かつイオン移動度も大きいため、極めて高いイオン伝導度を示す。このため電解質のマトリックするとして使用することもできる。
イオン性液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩などの他に、2-メチル-1-ピロリン、1-メチルピラゾール、1-エチルカルバゾールなどが例示され
る。これらは高分子量化させることも可能であり、さらに必要に応じてゲル化させることもできる。
電解液はさらに必要に応じて、イオン伝導促進材を含んでいてもよい。イオン伝導促進
材としては、酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1種が例示される。これらを含んでいると、イオンの伝導が促進され、高い光電変換効率を発現できる。その理由は明確ではないものの、これらの粒子は直線状の長い粒子であり、これらの粒子表面に電解質が配向し、電子あるいはイオンは最短経路を流れるのでイオン伝導が促進されるものと思料される。
また、電解液はゲル化していても、何ら差し支えることがない。とくに、ゲル化していれば、電解液の漏液もなくなるの好都合である。
さらに、本発明では電解質として固体電解質を用いることができる。固体電解質としては、CuI、CuBr、CuSCN、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、アリールアミン系ポリマー、アクリル基および/またはメタクリル基を有するポリマー、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルジアミンポリマー、L-valine誘導体低分子ゲル、ポリオリゴエチレングリコールメタクリレート、poly(o-methoxy aniline)、poly(epichlorohydrin-Co-ethylene oxide)、2,2',7,7'-tetorakis(N,N-di-P-methoxyphenyl-amine)-9,9'-spirobifluorene 、パーフルオロスルフォネートなどのようなプロトン伝導性を有するフッ素系
のイオン交換樹脂、パーフルオロカーボン共重合体、パーフルオロカーボンスルホン酸等の他、ポリエチレンオキサイドや、イオンゲル法としてたとえばイミダゾールカチオンとBr-、BF4 -、N-(SO2CF32で対イオンを形成し、これにビニルモノマー、PMMAモノマーを加えて重合させたものも好適に用いることができる。これらの固体電解質を使用する場合、固体電解質を構成する成分を溶媒に分散または溶解させ、さらに前記イオン伝導促進材を分散させたのち、得られた分散液を注入し、電極間に注入したのち、必要に応じて溶媒を除去したのち、入り口を封して光電気セルが形成される。なお、ここで固体電解質はゲル状である電解質を含んで意味している。
電解質がゲル状の場合、粘度が1000cp以上、さらには2000〜10,000c
pの範囲にあることが好ましい。電解質の粘度が1000cp未満の場合は電解質の逸散がなく、このため長期使用によっても光電変換効率が低下することがなく、また腐食等の原因になることもない。
電解質層中の前記イオン伝導促進材の含有量は、固形分として5〜40重量%、さらには10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、ゲル化が充分に起こるとともに、イオン伝導促進効果を高めることができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の形成
50gの水素化チタンを10Lの純水に懸濁し、濃度5%過酸化水素液4000gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液の80%を分取し、これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(A)の分散液を調製した。X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。平均粒子径は表1に示した。次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(A)の分散液を濃度10%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン酸溶液を混合し、この混合物中のチタンをTiO2に換算した重量の30重量%となるように膜形成助剤として
ヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。次いで、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板に塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を
分解させ、膜を硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(1)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(1)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(1)の密着性を以下の方法により評
価し、結果を表1に示した。
密着性
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷
を付け100個の升目を作り、これにセロハンテ−プを接着し、ついで、セロハンテ−プを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することにより密着性を評価した。結果を表1に示す。
残存升目の数90個以上 :○
残存升目の数85〜89個 :△
残存升目の数84個以下 :×
光増感材の吸着
次に、光増感材としてシス−(SCN―)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットルのエタノール溶液300gを調製した。
ついで、光増感材溶液300gの入った500mlのビーカーに、前記の電極上に半導体膜を形成した基板を負極として浸漬し、正極としてSUS製の平板(5cm×5cm)を挿入した。直流電源として直流電圧装置(菊水電気(株)型式PAD35-10L)を用い、1mmφのSUS線で正極および負極(フッ素ドープした酸化スズ電極)を接続し、50V(DC)の電圧を5分間印加して光増感材の吸着をおこなった。ついで、基板を取り出し、120℃で1時間乾燥した。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(1)の比
表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(1)の作成
先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エチレンの体積比が1:4の比でを混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素とを、それぞれの濃度が0.46
モル/L、0.06モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調製した。
前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光り電気セル(1)を作成した。
光電気セル(1)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を入射角90°(セル面と90°)で照射して、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定し結果を表1に示した。
[実施例2] ペルオキシチタン酸10%
多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形成
実施例1において、ペルオキソチタン酸溶液の90%を分取した以外は同様にしてチタニアコロイド粒子(A)の分散液を調製し、ついで、酸化チタン半導体膜(2)を形成した
得られた酸化チタン半導体膜(2)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(2)の密着性を評価し、結果を表1
に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、酸化チタン半導体膜(2)を用いた以外は同様にして光増感材の吸着
を行った。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(2)の比表
面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(2)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(2)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[実施例3] ペルオキシチタン酸無し
多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形成
実施例1において、ペルオキソチタン酸溶液の全量を用いてチタニアコロイド粒子(A)の分散液を調製し、ついで、ペルオキソチタン酸溶液を混合することなく半導体膜形成用塗布液を調製して用いた以外は同様にして酸化チタン半導体膜(3)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(3)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(3)の密着性を評価し、結果を表1
に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、酸化チタン半導体膜(3)を用いた以外は同様にして光増感材の吸着
を行った。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(3)の比
表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(3)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(3)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[実施例4] 半導体膜・色素電着法、膜形成助剤無し
多孔質金属酸化物半導体膜(4)の形成
実施例1と同様にして調製したチタニアコロイド粒子(A)の分散液を濃度10%まで濃縮し、残りのペルオキソチタン酸溶液を混合して金属酸化物微粒子分散液を調製した。
ついで、金属酸化物微粒子分散液300gの入った500mlのビーカーに、前記の電極を形成した基板を負極として浸漬し、正極としてSUS製の平板(5cmX5cm)を挿入
した。直流電源として直流電圧装置(菊水電気(株)型式PAD35-10L)を用い、1mmφのSUS線で正極および負極(フッ素ドープした酸化スズ電極)を接続し、50V(DC)の電圧を5分間印加して金属酸化物微粒子の積層をおこなった。ついで、基板を取り出し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を
照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(4)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(4)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(4)の密着性を評価し、結果を表1
に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、半導体膜(4)を形成した基板(このとき酸化チタン半導体膜を酸化
チタンとして55mg含む)を用いた以外は同様にして光増感材の吸着をおこなった。ついで、基板を取り出し、120℃で1時間乾燥した。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(4)の比
表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(4)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(4)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[実施例5] 実施例1で酸化チタン粒径15nm
多孔質金属酸化物半導体膜(5)の形成
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として1.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液の90%を分取し、これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(B)の分散液を調製した。X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。平均粒子径は表1に示した。次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(B)の分散液を濃度10%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン酸溶液を混合し、この混合物中のチタンをTiO2に換算した重量の30重量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロ
ピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。次いで、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板に塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を
硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(5)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(5)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(5)の密着性を評価し、結果を表1
に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、酸化チタン半導体膜(5)を用いた以外は同様にして光増感材の吸着
を行った。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(5)の比表
面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(5)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(5)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[実施例6] 実施例4で酸化チタン粒径15nm
多孔質金属酸化物半導体膜(6)の形成
実施例5と同様にして調製したチタニアコロイド粒子(B)の分散液を濃度10%まで濃縮し、残りのペルオキソチタン酸溶液を混合して金属酸化物微粒子分散液を調製した。
ついで、金属酸化物微粒子分散液300gの入った500mlのビーカーに、前記の電極を形成した基板を負極として浸漬し、正極としてSUS製の平板(5cm×5cm)を挿入した。直流電源として直流電圧装置(菊水電気(株)型式PAD35―10L)を用い、
1mmφのSUS線で正極および負極(フッ素ドープした酸化スズ電極)を接続し、50V(DC)の電圧を5分間印加して金属酸化物微粒子の積層をおこなった。ついで、基板を
取り出し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線
を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してアニーリングを行って酸化チタン半導体膜(6)を形成した。
得られた酸化チタン半導体膜(6)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平
均細孔径を表1に示した。また、酸化チタン半導体膜(6)の密着性を評価し、結果を表1
に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、半導体膜(6)を形成した基板(このとき酸化チタン半導体膜を酸化
チタンとして51mg含む)を用いた以外は同様にして光増感材の吸着をおこなった。ついで、基板を取り出し、120℃で1時間乾燥した。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(6)の比
表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(6)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(6)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[実施例7] 実施例1で光増感材を2種以上使用
多孔質金属酸化物半導体膜(7)の形成
実施例1と同様にして酸化チタン半導体膜(7)を形成した。
光増感材の吸着
光増感材としてシス−(SCN-)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボ
キシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットル、(2,2’:6,2’'テルピリジン−4,4',4''−トリカルボキシレート)ルテニ
ウム(II)トリス(テトラブチルアンモニウム)トリス(イソチオシアネート)の濃度1×10-4モル/リットル、のエタノール溶液300gを調製した。
この光増感材エタノール溶液を用いた以外は実施例1と同様にして光増感材の吸着および乾燥を行った。
得られた酸化チタン半導体膜の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(7)の比
表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(7)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(7)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結
果を表1に示した。
[比較例1] (従来の吸着法)
多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の形成
実施例1と同様にして酸化チタン半導体膜(R1)を形成した。
光増感材の吸着
光増感材としてシス−(SCN-)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボ
キシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この光増感材溶液を、rpm100スピナーを用い、酸化チタン半導体膜(R1)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。得られた酸化チタン半導体膜(R1)の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(R1)の比表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(R1)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(R1)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[比較例2] (従来の吸着法)
多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の形成
実施例5と同様にして酸化チタン半導体膜(R2)を形成した。
光増感材の吸着
光増感材としてシス−(SCN-)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボ
キシレート)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この光増感材溶液を、rpm100スピナーを用い、酸化チタン半導体膜(R2)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。得られた酸化チタン半導体膜(R2)の分光増感色素の吸着量は、酸化チタン半導体膜(R2)の比表面積1cm2あたりの吸着量として表1に示した。
光電気セル(R2)の作成
実施例1と同様にして光電気セル(R2)を作成し、Voc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
Figure 0005188093
本発明に係る光電気セルの一実施例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・・・電極層
2・・・・・金属酸化物半導体膜
3・・・・・透明電極層
4・・・・・電解質
5・・・・・絶縁基板
6・・・・・透明絶縁基板

Claims (5)

  1. 基材の表面に電極層を形成する工程と、
    前記電極層の表面に多孔質金属酸化物半導体膜を形成する工程と、
    前記多孔質金属酸化物半導体膜が形成された基板を光増感材溶液に浸漬し、前記電極層と光増感材溶液に直流電圧を印加して前記多孔質金属酸化物半導体膜に光増感材を吸着させる工程と、
    対向基板の表面に対向電極層を形成する工程と、
    前記電極層と前記対向電極層が対向するように前記基板と前記対向基板を配置し、前記多孔質金属酸化物半導体膜と前記対向電極層との間に電解質層を形成する工程と、を含むことを特徴とする光電気セルの製造方法。
  2. 前記多孔質金属酸化物半導体膜が、前記電極層と金属酸化物粒子分散液に直流電圧を印加して形成されることを特徴とする請求項1に記載の光電気セルの製造方法。
  3. 前記金属酸化物粒子分散液がペルオキシチタン酸を含むことを特徴とする請求項に記載の光電気セルの製造方法。
  4. 前記金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜3000nmの範囲に有ることを特徴とする請求項2または3に記載の光電気セルの製造方法。
  5. 形成された多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積が0.05〜0.8ml/gであり、平均細孔径が2〜250nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
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