JP4896386B2 - 光電気セル - Google Patents

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Description

本発明は、新規な光電気セルに関する。さらに詳しくは光電変換効率の高い光電気セルに関する。
近年、酸化チタンは高いバンドギャップを有することから光触媒、さらには光エネルギーを電気エネルギーに変換する、いわゆる光電変換材料として好適に用いられるようになっている。また、リチウムバッテリーのような2次電池、水素吸蔵材料、プロトン導電材料等にも利用されるようになってきている。
光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。この光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このようなエネルギー変換は連続的に行われるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜をコートしたガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導電膜をコートしたガラス板などの支持体を備え、これらの電極間に電解質を封入して構成されている。
光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に太陽光を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収し、光増感材中の電子が励起され、励起された電子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極を通って対電極に移動し、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に流れることから光電変換材料用半導体を用いた太陽電池として機能する。
このような光電変換材料としては、半導体膜表面に可視光領域に吸収を持つ光増感色素を吸着させたものが用いられている。たとえば、特開平1−220380号公報(特許文献1)には、金属酸化物半導体の表面に、遷移金属錯体などの発色剤層を有する太陽電池を記載している。また、特表平5−504023号公報(特許文献2)には、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、遷移金属錯体などの光増感色素層を有する太陽電池が開示されている。
また、本願出願人は、さらに、光電変換効率が向上した光電気セルとして、特開平11−339867号公報(特許文献3)に特定範囲の細孔容積の金属産物半導体膜を用いたもの、特開2000−77691号公報(特許文献4)、特開2001−155791号公報(特許文献5)にコアセル構造を有する金属酸化物粒子を用いたものを提案している。また、特開2002−319439号公報(特許文献6)にて金属酸化物半導体膜に多孔質金属酸化物半導体膜と非孔質金属酸化物半導体膜を併用することを提案している。さらに、特開2003−168495号公報(特許文献7)に、アルカリ含有量が少なく、アナタース結晶性の高い管状酸化チタン(酸化チタンナノチューブ)を使用した半導体膜を用いると、光電変換効率の高い光電気セルが得られることを提案している。
特開平1−220380号公報 特表平5−504023号公報 特開平11−339867号公報 特開2000−77691号公報 特開2001−155791号公報 特開2002−319439号公報 特開2003−168495号公報
特許文献1および2に記載された太陽電池では、光を吸収して励起した光増感色素層からチタニア膜へ電子の移動が迅速に行われることが光変換効率向上に重要であり、迅速に電子移動が行われないと再度ルテニウム錯体と電子の再結合が起こり、光変換効率が低下する問題がある。
また、昨今、省スペース化、小型化などの趨勢により、さらに光電変換効率の高いものが要求され、特許文献3〜7の光電気セルが提案されていたが、さらに高い効率を有するものの出現が望まれていた。
また、太陽電池に可撓性を持たせることが望まれており、基板にプラスチックを用いた太陽電池の開発、およびこの場合の液体電解質の長期使用時における漏出およびこれに伴う性能の低下の問題などがあり、この解決も求められている。
このような状況のもと、本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、電解質層に酸化チタンナノチューブ等の粒子からなるイオン伝導促進材を配合すると、(これらの表面または管内を通ってプロトンが伝導されるため、プロトン伝導性が高まり、プロトン移動におけるロスが少なくなるので、電解質の配向性が向上し、このため電解質層のイオン伝導性が向上し、かつ、暗電流の発生が抑制され、その結果、光電変換効率が高まることを見出した。また、イオン伝導促進材を配合することで、電解質の粘度が高くなってゲル化し、このような電解質を用いると電解質の漏出がなくなり、耐久性に優れた光電気セルを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)すなわち、本発明に係る光電気セルは、
表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、
表面に電極層(3)を有する基板とが、
前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
電解質層が酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種のイオン伝導促進材を含んでなり、
少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有している。
(2)電解質層中の前記イオン伝導促進材の含有量が、5〜40重量%の範囲にある。
(3)前記イオン伝導促進材の表面にフラーレンおよび/または水酸化フラーレンが担持されている。
(4)前記電解質層の粘度が1000cp以上である。
本発明によれば、電解質層にイオン伝導促進材を含んでいるために電解質の配向性が向上し、このため電解質層のイオン伝導性が向上し、かつ、暗電流が防止できるために光電変換効率が高く、さらに液体電解質を用いた場合は電解質が固体化(ゲル状化)し、電解質の漏出がなく耐久性に優れた光電気セルが得られる。
以下、本発明に係る光電気セルについて具体的に説明する。
[光電気セル]
本発明に係る光電気セルは、表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、
表面に電極層(3)を有する基板とが、
前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
電解質層が酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種のイオン伝導促進材を含んでなり、
少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有している。
このような光電気セルとして、たとえば、図1に示すものが挙げられる。
図1は、本発明に係る光電気セルの一実施例を示す概略断面図であり、透明基板5表面に透明電極層1を有し、かつ該透明電極層1表面に光増感材を吸着した半導体膜2が形成されてなる基板と、基板6表面に還元触媒能を有する電極層3を有する基板とが、前記電極層1および3が対向するように配置され、さらに半導体膜2と電極層3との間に電解質4が封入されている。
本発明で使用される基板5および6としては、硬質のものであっても、また可撓性を有するものであってもよい。
透明基板5
透明基板5としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
基板6
また、基板6としては使用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板の他に金属チタン、金属アルミ、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
透明電極層1
透明基板5表面に形成された透明電極層1としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等の従来公知の電極を使用することができる。このような透明電極層1は、熱分解法、CVD法等の従来公知の方法により形成することができる。
電極層3
また、基板6表面に形成された電極層3としては、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
このような電極層3は、基板6上に前記電極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導電性材料を熱分解法、CVD法等の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成することができる。
これらの電極層は通常還元触媒能を有している。還元触媒能により、例えば、I3 -が3I-と還元される
なお、基板6は、透明基板5と同様に透明なものであってもよく、また電極層3は、透
明電極層1と同様に透明電極であってもよい。
このような透明基板5と透明電極層1の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。
これら透明電極層1および電極層3の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であること
が好ましい。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低く
なることがある。
半導体膜2
半導体膜2は、前記透明基板5上に形成された透明電極層1上に形成されている。なお半導体膜2は、基板6上に形成された電極層3上に形成されていてもよい。
この半導体膜2の膜厚は、0.1〜50μm、さらには2〜20μmの範囲にあることが好ましい。
また、半導体膜2の細孔容積は、0.05〜0.8ml/g、平均細孔径が2〜250nmの範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、後述する分光増感色素の吸着量を多くすることが可能であるとともに、膜内の電子移動性がスムーズとなり光電変換効率を高めることが可能となる。
細孔容積が前記下限より小さい場合は分光増感色素吸着量が低く、前記上限を超えて高い場合は膜内の電子移動性が低下し光電変換効率が低下することがあるので好ましくない。
また平均細孔径が前記下限より小さい場合は分光増感色素の吸着量が低下し、前記上限を超えて高い場合は電子移動性が低下し光電変換効率が低下することがあるので好ましくない。
半導体膜2は、酸化チタンから構成される。好適には、バインダーとして作用するペルオキソチタン酸に由来する酸化チタンバインダーと、酸化チタン粒子から構成され、膜内では酸化チタン粒子が緻密に並んでいるとともに、バインダーが各粒子の隙間を埋めている。
(i)酸化チタン粒子
酸化チタン粒子は他の金属酸化物粒子に比較して分光増感色素の吸着量が高く且つ半導体膜内の電子移動性が高く、さらに安定性、安全性、膜形成が容易である等の優れた特性がある。酸化チタン粒子としては、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン等の結晶性酸化チタンが好ましく、なかでもアナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンはバンドギャップが高く光電変換効率の高い光電気セルを得ることができる。
前記アナタース型酸化チタン粒子、ブルッカイト型酸化チタン粒子としては従来公知の方法により得られるものを使用することができるが、酸化チタンがペルオキソチタン酸に由来する酸化チタン粒子が好ましい。
具体的には以下の製造方法で得られた酸化チタン粒子が好適である。先ず、チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加えて加熱してペルオキソチタン酸を調製する。本発明でペルオキソチタン酸とは過酸化水和チタンをいい、可視光領域に吸収を持っている。
水和酸化チタンのゾルまたはゲルは、ハロゲン化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、テトラアルコキシチタン等のチタンアルコキシド、水素化チタン等のチタン化合物の水溶液に酸またはアルカリを加えて加水分解し、必要に応じて洗浄しあるいは洗浄して加熱熟成することによって得られる。
次いで、ペルオキソチタン酸にアルカリ、好ましくはアンモニアおよび/またはアミンを添加してアルカリ性にした後、80〜350℃の温度範囲で加熱熟成することによって酸化チタンコロイド粒子を得る。必要に応じて得られた酸化チタンコロイド粒子を種粒子としてペルオキソチタン酸に添加した後、前記工程を繰り返すことも可能である。このようにして得られる酸化チタンコロイド粒子はX線解折により結晶性の高いアナターゼ型チタンである。また、ブルッカイト型酸化チタンは、特開2000−335919号公報に記載されているように、チタン酸のゾルまたはゲルを調製したのち、過酸化水素を加えて解膠したのち、チタン以外の陽イオンおよび/または陰イオンを脱イオン処理してイオン濃度が1000ppm以下のペルオキソチタン酸溶液を調製し、ペルオキソチタン酸溶液に
有機塩基および/またはアンモニアを添加して、pHを8〜14の範囲に維持しながら120℃〜350℃の温度範囲で水熱処理することによって調製することができる。
このような、結晶性酸化チタンの結晶子径は5〜50nm、さらには7〜30nmの範囲にあることが好ましい。
例えば、アナタース型酸化チタン粒子の結晶子径は、X線解折により(1.0.1)面のピークの半値幅を測定しDebye-Scherrerの式により計算によって求めることができる。アナタース型酸化チタン粒子の結晶子径が5nm未満の場合は粒子内の電子移動性が低下し、50nmを超えて大きい場合は分光増感色素の吸着量が低下し、光電変換効率が低下する。
また、酸化チタン粒子の粒子径はレーザードップラー式粒子径測定機(日機装(株)製:マイクロトラック)によって測定することができ、平均粒子径は5〜600nm、さらには10〜500nmの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば、少ない回数で所望の膜厚を有する半導体膜を形成可能であり、しかも、得られた半導体膜にはクラックの発生がなく、しかも細孔径、細孔容積が高いものが得られる。
平均粒子径が前記下限未満では、形成された半導体膜にクラックが発生しやすく、少ない回数で後述する膜厚を有するクラックのない厚膜を形成することが困難であり、さらに半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し分光増感色素の吸着量が低下することがある。また平均粒子径が、前記上限を超えて大きい場合は半導体膜の強度が不充分となることがある。
(ii)バインダー(ペルオキソチタン酸)
酸化チタンバインダーとしては、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタンのいずれであってもよい。
このような酸化チタンバインダー成分としては、酸化チタンゾルおよび/またはゾル・ゲル法などで得られたオルソチタン酸のゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水チタン酸を溶解したペルオキソチタン酸から誘導された酸化チタンが挙げられる。(半導体膜形成時にペルオキソチタン酸は分解して、酸化チタンとなっている)
このようなバインダー成分を含んでいると電極との密着性が向上し、得られる半導体膜の強度が向上し、かつ、酸化チタン粒子の表面に光増感材の吸着層を形成することができ、さらに酸化チタン粒子同士の接触面積が増加し、電子移動性を向上させることが可能となり、光電変換効率の高い光電気セルを得ることができる。
半導体膜2中の酸化チタンバインダー成分と酸化チタン粒子との比率は、酸化物換算重量比(酸化チタンバインダー成分/酸化チタン粒子)で0.03〜0.50、好ましくは0.1〜0.3の範囲にあることが望ましい。この範囲にあると、充分に光増感剤を吸着しうる多孔質な半導体膜を形成できる。なお、重量比が少ない(すなわちバインダーが少ない)と、光増感材の吸着量が不充分となり、基材との密着性、半導体膜の強度等が不充分となることがある。また、重量比が0.50を超えて高い場合、バインダーが多すぎて、多
孔質な半導体膜が得られないことがあり、さらに光増感材吸着量が増加しないことがある。
半導体膜2は、細孔容積が0.1〜0.8ml/g、好適には0.2〜0.8ml/g、平均細
孔径が2〜250nm、好適には5〜100nmの範囲にあることが望ましい。このような細孔容積および平均細孔径であれば、光増感材吸着量が高く、また膜内の電子移動性も高い状態を保つことができ、光電変換効率が高い光電気セルが得られる。
細孔容積が小さい場合は光増感材の吸着量が低くなり、また高い場合には膜内の電子移動性が低下して光電変換効率を低下させることがある。また平均細孔径が小さい場合にも光増感材の吸着量が低下し、高い場合には膜内での電子移動性が低下し光電変換効率が低下することがある。
このような半導体膜2は、たとえば、酸化チタンバインダー成分の前駆体としてのペルオキソチタン酸と酸化チタン粒子分散ゾルと分散媒とからなる光電気セル用半導体膜形成用塗布液を、電極上に塗布・乾燥して形成することができる。なお、ペルオキソチタン酸は、チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加え、加熱することによって調製される。
分散媒としては、ペルオキソチタン酸および酸化チタン粒子が分散でき、かつ乾燥した際に除去できるものであれば特に制限はなく使用することができるが、特にアルコール類が好ましい。塗布液には、必要に応じて、均一な膜を形成するため、酸化チタン粒子を緻密に充填させ、さらに電極との密着性を高めるためにさらに、膜形成助剤が含まれていてもよい。膜形成助剤としてはポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
塗布液の塗布方法としては、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷、スクリーン印刷など従来公知の方法で塗布することができる。乾燥温度は分散媒を除去できる温度であればよい。必要に応じて、塗膜に紫外線を照射して、硬化させてもよい。紫外線の照射によって、ペルオキソチタン酸が分解して酸化チタンとなり、硬化する。紫外線照射して塗膜を硬化させた後に、さらに必要に応じて、O2、N2、H2、ネオン、アルゴン、クリプトンなど周期律表第0族の不活性ガスから選択される
少なくとも1種のガスのイオンを照射し、アニーリングしてもよい。ガスのイオンの照射によって、酸化チタン膜内にこれらのイオンが残留することがなく、チタニア粒子表面に欠陥が多く生成し、アニーリング後の酸化チタンの結晶性が向上するとともに粒子同士の接合が促進され、このため光増感材との結合力が高まるとともに吸着量が増加し、さらに粒子の接合の促進により電子移動性が向上することによって光電変換効率が向上することができる。
こうして得られた半導体膜の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
以上のような半導体膜2は光増感材を吸着している。
光増感材
光増感材としては、可視光領域および/または赤外光領域の光を吸収して励起するもの
であれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
有機色素としては、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知の有機色素が使用できる。具体的には、キサンテン、クマリン、アクリジン、テトラフェニルメタン、キノン、エオシンY、ジブロモフルオレセイン、フルオレセイン、フルオレシン、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの有機色素は半導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
また、金属錯体としては、特開平1-220380号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シ
ス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-
ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙
げることができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
上記の有機色素および金属錯体は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と金属錯体とを併用してもよい。
このような光増感材の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の方法により半導体膜に吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じて前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を半導体膜に吸着させることもできる。
光増感材を溶解させる溶媒としては、光増感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセルソルブ、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
半導体膜に吸着させる光増感材の量は、半導体膜の比表面積1cm2あたり50μg以上
であることが好ましい。光増感材の量が50μg未満の場合、光電変換効率が不充分となることがある。
本発明に係る光電気セルは、透明電極層1表面に半導体膜2が形成されている場合は、半導体膜2と電極層3とを対向して配置し、電極層3表面に半導体膜2が形成されている場合は、半導体膜2と透明電極層1とを対向して配置し、側面を樹脂などでシールし、イオン伝導促進材を含む電解質を注入し、注入口を封止して形成される。
イオン伝導促進材
イオン伝導促進材として、酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1種が例示される。これらを含んでいると、イオンの伝導が促進され、高い光電変換効率を発現できる。その理由は明確ではないものの、これらの粒子は直線状の長い粒子であり、これらの粒子表面に電解質が配向し、電子あるいはイオンは最短経路を流れるのでイオン伝導が促進されるものと思料される。
(i)酸化チタンナノチューブ
本発明に用いる酸化チタンナノチューブは、酸化チタンからなるチューブ状の粒子であ
り、酸化チタンは、アナタース、ルチル、ブルッカイト、無定形、あるいはこれらの混合物であってもよいが、通常、結晶性の高いものが好適である。
酸化チタンナノチューブは、外径(Dout)が5〜40nm、好ましくは10〜30n
mの範囲にあり、内径(Din)が4〜30nm、好ましくは5〜20nmの範囲にあり、チューブの厚みが1〜20nm、好ましくは2〜15nmの範囲にあり、長さ(L)が25〜1000nm、好ましくは50〜600nmの範囲にあり、この長さ(L)と前記外径(Dout)との比(L)/(Dout)が5〜200、好ましくは10〜100の範囲にあることが望ましい。
この範囲にあれば、電解質中で酸化チタンナノチューブが沈降することもなく、イオンの伝導を促進することが可能となり、またフラーレンの担持量も多くすることが可能となる。
酸化チタンナノチューブの外径(Dout)が前記下限未満の場合は、これに対応して内
径が狭くなり、後述する電解質の拡散が不充分となり、イオンの伝導を促進することが困難となり、またフラーレンの担持量も少なくなるので充分な光電変換効率が得られないことがある。酸化チタンナノチューブの外径(Dout)が前記上限を越えるものは得ること
が困難であるとともに、チューブである効果がなくなる。また、酸化チタンナノチューブの内径(Din)が前記下限未満の場合は、前述したように充分な光電変換効率が得られないことがあり、内径(Din)が前記上限を越えるものは得ることが困難であるとともに、チューブである効果がない。また、このときチューブの厚みが薄い場合は、結晶層の厚みが小さく、結晶構造がルーズになり、充分な光電変換効率が得られないことがある。チューブの厚みが厚すぎても内部の空洞の割合が低下し、ナノチューブを用いる効果が低減する。
さらに、酸化チタンナノチューブの長さ(L)が上記下限未満の場合は、必ずしも理由は明らかではないが、粒子自体が短いため、イオン伝導性の向上効果が得られないことがある。酸化チタンナノチューブの長さ(L)が上記上限を越えると電解質中での分散性が低下し、酸化チタンナノチューブが電解質中に局在化するためにイオン伝導性の向上効果が不充分となることがある。
また(L)/(Dout)が上記下限未満の場合は長さが短く、チューブを加えた意味が
なく、イオン伝導性の向上効果が得られないことがある。(L)/(Dout)が前記上限
を越えると、光の散乱が増大したり、粒子の長さが長く電解質中で沈降することがあり、また電解質の拡散が不充分となり充分な光電変換効率が得られないことがある。
本発明では、酸化チタンナノチューブ中のアルカリ金属含有量が500ppm以下、さらには200ppm以下、特に100ppmであることが好ましい。
アルカリ金属含有量が500ppmを越えると、半導体機能が低下するとともに、経時的に光電変換効率が低下する傾向にある。半導体機能とは、電子、イオンの流れを一方向にする整流作用であり、この場合半導体膜の中にプラス欠陥を生じ、電子をトラップすることで電子の流れを阻害する。この機能が低下すると、電子の流れが悪くなり、光電変換効率が低下する。
本発明に用いる酸化チタンナノチューブの製造方法は、前記した酸化チタンナノチューブが得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。なかでも、本願出願人の出願による特開2003−168495号公報に開示した方法は結晶性の高い酸化チタンナノチューブが得られるので好適に採用することができる。
繊維状酸化チタン
本発明に用いる繊維状酸化チタンは、酸化チタンからなる繊維状の粒子であり、酸化チタンは、アナタース、ルチル、ブルッカイト、無定形、あるいはこれらの混合物であってもよいが、通常、結晶性の高いものが好適である。
繊維状酸化チタンは、短軸の幅(W)が5〜40nm、好ましくは8〜30nmの範囲にあることが望ましい。また、繊維状酸化チタンは、長軸の長さ(L)が25〜1000nm、好ましくは50〜600nmの範囲にあることが望ましい。さらに、繊維状酸化チタンは、アスペクト比(L/W)が5〜200、好ましくは10〜100の範囲にあることが望ましい。このような範囲にあると、粒子は、繊維状を示すとともに、電解液中で繊維状酸化チタンが沈降することもなく、電解質をゲル化効果が高く、さらにイオン伝導を促進できるので光電変換効率を高めることが可能となる。
繊維状酸化チタン粒子の短軸の幅(W)が前記範囲を外れるものは、得ることが困難である。また、得られたとしても短軸の幅(W)が大きすぎると越えると繊維状酸化チタンが電解質中で沈降したり電解質をゲル化する効果が得られないことがありイオン伝導促進効果による光電、変換効率の向上効果が得られないことがある。
繊維状酸化チタンの長軸の長さ(L)が短いと、アスペクト比(L/W)も小さくなり、繊維状粒子を配合した意味がなく、電子・イオンの流れが途切れることになるので、イオン伝導促進効果が不充分となる。
繊維状酸化チタンの長軸の長さ(L)が上記上限を越えて長いものは、電解質中での粒子の分散性が低下し、局在化するためにイオン伝導性の向上効果が不充分となることがある。
アスペクト比(L/W)が上記下限を超えて小さい場合は、繊維状粒子を使用した意味がなく、粒子長が短すぎるのでイオン伝導促進効果が不充分となる。
アスペクト比(L/W)が、上記上限を越えて大きいものは得ることが困難な場合があり、得られたとしても、電解質の拡散が不充分となり充分な光電変換効率が得られないことがある。
このような繊維状酸化チタン中のアルカリ金属含有量も前記酸化チタンナノチューブと同様に500ppm以下、さらには200ppm以下、特に100ppmであることが好ましい。
本発明に用いる繊維状酸化チタンは、前記した酸化チタンナノチューブを350〜900℃、好ましくは500〜750℃で焼成することによって得ることができる。高温で焼成することによって酸化チタンナノチューブの内部空間が閉塞し、繊維状酸化チタンが得られる。このとき、焼成を減圧下、好ましくは真空排気しながら行うとより低温で結晶性が高い繊維状酸化チタンが得られる。
本発明の光電気セルに用いる酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタンはアナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンおよびこれらの混晶体、共晶体など結晶性の酸化チタンが好ましく、特にアナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンはバンドギャップが高いので好ましい。
また、酸化チタンは、TiO2で表される酸化チタンに限られず、たとえば、TiOn(nは2未
満)で表される低次(すなわち還元型)酸化チタンであってもよい。また、酸素の一部が
窒素で置換されていてもよい。
カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブとしては従来公知のカーボンナノチューブを用いることができる。カーボンナノチューブは六角網目状のグラフェンシートを円筒状に巻いた単層もしくは多層のチューブ状物質である。
本願で用いるカーボンナノチューブは概ね外径(D)が1〜40nm、さらには2〜30
nmの範囲にあり、長さ(L)が10〜1000nm、さらには20〜600nmの範囲
にあることが好ましい。このようなカーボンナノチューブとしては、例えば、日機装(株)製のカーボンナノチューブは好適に用いることができる。
以上のようなイオン伝導促進材を含むことで、電解質がゲル化することがあるが、ゲル化により、電解質漏れを抑制することが可能となる。このようにイオン伝導促進材を含むことで、電解質のゲル化が起こる理由については定かではないものの、電解質中には+イオンと−イオンとが存在し、イオン伝導促進材を添加するとデバイ長が長くなり、粒子間のパーコレーションを生じるためであると考えている。換言すれば、イオン性の電解質の中に正または負の帯電粒子を分散させると、電気的な中和が起こり、ゲル化するものと思料される。
イオン伝導促進材は、表面にフラーレンまたは水酸化フラーレン(フラーレンを構成する炭素原子にOH基が導入されたフラーレン、以後まとめてフラーレン類という)が担持されていることが好ましい。
本発明に用いるフラーレン類としては、酸化チタンナノチューブおよび/またはカーボンナノチューブに担持することができ、イオン伝導性を向上できれば特に制限はなく、例えばC36、C60、C70、C76、C78、C80、C82、C84等が挙げられる。このようなフラーレンは、公知のものを特に制限無く使用することが可能である。(例えば、特開2002−151094号号公報参照)さらに、水酸基以外に−COOH、−OSO3H、−SO3H、−OPO(OH)2等の基が導入されたものも使用可能である。
フラーレン類が担持されていると電解質イオンのイオン伝導促進材表面の移動(ホッピングということがある)速度が向上し、暗電流を抑制したり、光電変換効率を向上する効果をさらに向上させることができる。
フラーレン類の担持量は、イオン伝導促進材100重量部当たり、フラーレンに換算して5〜80重量部、さらには10〜60重量部の範囲にあることが好ましい。この範囲であれば、充分にフラーレンの効果が発現される。
フラーレン類の担持量が少ないと電解質イオンのイオン伝導促進材表面の移動速度の向上効果が充分得られないことがある。フラーレン類の担持量が多すぎると電解質イオンのイオン伝導促進材表面の移動速度を低下させることがある。
このようなフラーレン類の担持方法は、酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブ等のイオン伝導促進材に所定量を担持できれば特に制限はない。例えば、ジメチルホルムアミド等の溶媒にフラーレンを分散させ、これにシランカップリング剤を混合したのち、この分散液に、前記イオン伝導促進材を分散させ、必要に応じて超音波を照射すればよい。
電解質
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種
の化合物との混合物が使用される。
電気化学的に活性な塩としては、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物としては、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙げられる。
このような電解質は、通常、溶媒に溶解されて電解液として使用される。
また、イオン性液体に電解質を溶解させてもよい。イオン性液体とは、常温で溶融した塩であり、高いイオン密度を有し、かつイオン移動度も大きいため、極めて高いイオン伝導度を示す。このため電解質のマトリックするとして使用することもできる。
イオン性液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩などの他に、2-メチル-1-ピロリン、1-メチルピラゾール、1-エチルカルバゾールなどが例示され
る。これらは高分子量化させることも可能であり、さらに必要に応じてゲル化させることもできる。
また本発明では、前記電解質層には必要に応じて電解質に溶媒を混合して用いることもできる。このとき使用される溶媒は半導体膜に吸着した光増感材が脱着して溶解することのない程度に光増感材の溶解度の低いものが望ましい。溶媒として、具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、バレロニトリル等が挙げられる。
また、電解質濃度としても特に制限されるものでもないが、通常合計で、0.01〜3mol/l、好ましくは0.1〜2mol/lの範囲にあることが望ましい。
なお、本発明では、上記したイオン伝導促進材を含んでいるので、前記したように電解液がゲル化していることがあるが、本発明ではゲル化していても何ら差し支えることがない。とくに、ゲル化していれば、電解液の漏液もなくなるの好都合である。
さらに、本発明では電解質として固体電解質を用いることができる。
固体電解質としては、CuI、CuBr、CuSCN、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、アリールアミン系ポリマー、アクリル基および/またはメタクリル基を有するポリマー、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルジアミンポリマー、L-valine誘導体低分子ゲル、ポリオリゴエチレングリコールメタクリレート、poly(o-methoxy aniline)
、poly(epichlorohydrin-Co-ethylene oxide)、2,2',7,7'-tetorakis(N,N-di-P-methoxyphenyl-amine)-9,9'-spirobifluorene 、パーフルオロスルフォネートなどのようなプロトン伝導性を有するフッ素系のイオン交換樹脂、パーフルオロカーボン共重合体、パーフルオロカーボンスルホン酸等の他、ポリエチレンオキサイドや、イオンゲル法としてたとえばイミダゾールカチオンとBr-、BF4 -、N-(SO2CF32で対イオンを形成し、これにビニルモノマー、PMMAモノマーを加えて重合させたものも好適に用いることができる。これらの固体電解質を使用する場合、固体電解質を構成する成分を溶媒に分散または溶解させ、さらに前記イオン伝導促進材を分散させたのち、得られた分散液を注入し、電極間に注入したのち、必要に応じて溶媒を除去したのち、入り口を封して光電気セルが形成される。なお、ここで固体電解質はゲル状である電解質を含んで意味している。
電解質はゲル状の場合、粘度が1000cp以上、さらには2000〜10,000c
pの範囲にあることが好ましい。電解質の粘度が1000cp未満の場合は電解質の逸散がなく、このため長期使用によっても光電変換効率が低下することがなく、また腐食等の
原因になることもない。
電解質層中の前記イオン伝導促進材の含有量は、固形分として5〜40重量%、さらには10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、ゲル化が充分に起こるとともに、イオン伝導促進効果を高めることができる。
電解質層中のイオン伝導促進材の含有量が固形分として5重量%未満の場合は、液体電解質を用いた場合にゲル化が不充分となり電解質の漏出を防ぐことができない場合があり、またイオン伝導促進効果が充分得られないことがある。
電解質層中のイオン伝導促進材の含有量が固形分として40重量%を超えると相対的に電解質の濃度が低くなるので、イオン伝導性が不充分となる。
[実施例]
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
半導体膜(A)の形成
10gの水素化チタンを2Lの純水に懸濁し、濃度5重量%過酸化水素液800gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。
この溶液の90重量%を分取し、これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行って酸化チタンコロイド粒子(A)を調製した。X線回折により結晶性の高いアナタース型酸化チタンであった。結晶子径は30nm、平均粒子径は40nmであった。
次に、上記で得られた酸化チタンコロイド粒子(A)を濃度10重量%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン酸溶液を混合し、この混合物中のチタンをTiO2に換算した重量の30重量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。次いで、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板に塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた。さらに、30
0℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って半導体膜(A)を形成した。
得られた半導体膜(A)の膜厚は12μm、窒素吸着法によって求めた細孔容積は0.6ml/g、平均細孔径は18nmであった。
光増感材の吸着
次に、光増感材としてシス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレー
ト)ルテニウム(II)で表されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットルのエタノ
ール溶液を調製した。この光増感材溶液を、rpm100スピナーを用いて、半導体膜(A)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。得られた半導体膜の光増感材の吸着量は200μg/cm2であった。
光電気セル(A)の作成
以下にして酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)を調製した。
塩化チタン水溶液を純水で希釈してTiO2として濃度5重量%の塩化チタン水溶液を調製した。この水溶液を、温度を5℃に調節した濃度15重量%のアンモニア水に添加して中和・加水分解した。塩化チタン水溶液添加後のpHは10.5であった。ついで、生成
したゲルを濾過洗浄し、TiO2として濃度9重量%のオルソチタン酸のゲルを得た。
このオルソチタン酸のゲル100gを純水2900gに分散させた後、濃度35重量%の過酸化水素水800gを加え、攪拌しながら、85℃で3時間加熱し、ペルオキソチタン酸水溶液を調製した。得られたペルオキソチタン酸水溶液のTiO2として濃度は0.5
重量%であった。
ついで95℃で10時間加熱して酸化チタン粒子分散液とし、この酸化チタン粒子分散液に分散液中のTiO2に対するモル比が0.016となるようにテトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド(TMAH MW=149.2)を添加した。このときの分散液のpHは11であ
った。ついで、230℃で5時間水熱処理して酸化チタン粒子分散液を調製した。酸化チタン粒子の平均粒子径は30nmであった。
ついで、酸化チタン粒子分散液に、濃度40重量%のKOH水溶液70gを、TiO2のモル数(TM)とアルカリ金属水酸化物のモル数(AM)とのモル比(AM)/(TM)が10となるように添加し、150℃で2時間水熱処理した。
得られた粒子は純水にて充分洗浄した。このときのK2O残存量は0.9重量%であった。純水で洗浄した後、粒子の水分散液(TiO2としての濃度5重量%)とし、これに粒子と同量の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを添加し、60℃で24時間処理してアルカリの除去等高純度化を行った。ついで、凍結乾燥して酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)(平均粒子外径10nm、平均粒子内径7.5nm、平均粒子長さ180nm)を調製した。
ついで、イオン性液体であるジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPI)0.6モルに沃素0.5モルを混合し、これに酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)
をTiO2としての濃度が6重量%となるように混合し、超音波を照射して充分分散させた電解質(A)を得た。この電解質(A)は、しばらく放置するとゲル状化した。
前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して 配置し、側面を
樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質(A)をゲル状化する前に封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(A)を作成した。
光電気セル(A)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を照射して
、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。
結果を表1に示した。
[実施例2]
光電気セル(B)の作成
実施例1において、酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)をTiO2としての濃度が1
7重量%となるように混合して電解質(B)を得、これを電極間に封入した以外は同様にして光電気セル(B)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。
結果を表1に示した。
[実施例3]
光電気セル(C)の作成
実施例1において、酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)をTiOとしての濃度が30重量%となるように混合して電解質(C)を得、これを電極間に封入した以外は同様にして光電気セル(C)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
[実施例4]
光電気セル(D)の作成
水酸化フラーレン(サイエンスラボラトリーズ社製:C−60)5gをジメチルホルムアミド95gに分散させ、これにイソシアネートシランカップリング剤(信越シリコン(株)製)2gを加えた。ついで、実施例1と同様にして調製した酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)10gを、フラーレン分散液に添加して、均一に分散させた後、遠心分離
により分離し、ついで乾燥して、水酸化フラーレンを担持した酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)を得た。
フラーレンの担持量は固形分として酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)100重量
部当たり30重量部であった。
ついで、実施例1において、酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)の代わりにフラー
レン担持酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)を用いた以外は同様にして電解質(D)
を調製し、ついで、光電気セル(D)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
[実施例5]
光電気セル(E)の作成
実施例2において、酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)の代わりに実施例4と同様
にして調製したフラーレン担持酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)を用いた以外は同
様にして電解質(E)を調製し、ついで、光電気セル(E)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
[実施例6]
光電気セル(F)の作成
実施例3において、酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)の代わりに実施例4と同様
にして調製したフラーレン担持酸化チタンナノチューブ粒子(TNT-1)を用いた以外は同
様にして電解質(F)を調製し、ついで、光電気セル(F)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
[実施例7]
光電気セル(G)の作成
実施例1において、電解質として、イオン性液体であるジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPI)0.6モルに沃素0.5モルを混合し、これにカーボンナノチューブ粒子(CNT-1)をC(炭素)としての濃度が9重量%となるように混合し、超音
波を照射して充分分散させた電解質(G)を用いた以外は同様にして光電気セル(G)を作成した。
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
[比較例1]
光電気セル(H)の作成
実施例1において、電解質(A)の代わりにイオン性液体であるジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPI)0.6モルに沃素0.5モルを混合して電解質(H)を用いた以外は同様にして光電気セル(H)を作成した。(酸化チタンナノチューブは含まれていない)
ついで、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0004896386
図1は、本発明に係る光電気セルの一実施例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・透明電極層
2・・・半導体膜
3・・・電極層
4・・・電解質
5・・・透明基板
6・・・基板

Claims (3)

  1. 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、
    表面に電極層(3)を有する基板とが、
    前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、
    半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
    電解質層が酸化チタンナノチューブ、繊維状酸化チタン、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種のイオン伝導促進材を含み、前記イオン伝導促進材の表面にフラーレンおよび/または水酸化フラーレンが担持されてなり、
    少なくとも一方の基板および電極層が透明性を有していることを特徴とする光電気セル。
  2. 電解質層中の前記イオン伝導促進材の含有量が5〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光電気セル。
  3. 前記電解質層の粘度が1000cp以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電気セル。
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