JP5426876B2 - 多孔質半導体膜形成用塗料の製造方法および光電気セル - Google Patents

多孔質半導体膜形成用塗料の製造方法および光電気セル Download PDF

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Description

本発明は、強度に優れるとともに電解質の拡散性に優れた平均細孔径、細孔容積を有する多孔質半導体膜を形成可能な塗料および該塗料を用いて形成された多孔質半導体膜を有する光電気セルに関する。
高バンドギャップを有する金属酸化物半導体材料が光電変換材料、光触媒材料等の他光センサーや蓄電材料(バッテリー)等に用いられている。
このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体を備え、これらの電極間に電解質を封入して構成されている。
光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に例えば太陽光を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に流れ、光電変換材料は太陽電池として機能する。
この光電変換材料としては、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。たとえば、特開平1−220380号公報(特許文献1)には、金属酸化物半導体の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。また、特表平5−504023号公報(特許文献2)には、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。
上記のような太陽電池では、光を吸収して励起したルテニウム錯体などの分光増感色素層から酸化チタン半導体層へ電子の移動が迅速に行われることが光変換効率向上に重要であり、迅速に電子移動が行われないと再度ルテニウム錯体と電子の再結合あるいは電子の逆流(暗電流あるいはバックカレントという)が起こり、光変換効率が低下する問題がある。
従来、半導体膜には酸化チタン粒子が用いられ、酸化チタン粒子としては無定型の酸化チタン粒子を焼成して得られる結晶性酸化チタン粒子を微粉砕した結晶性酸化チタン微粒子、あるいは酸化チタンゲルあるいはゾルを水熱処理して得られる結晶性酸化チタン微粒子が用いられている。しかしながら、前者は粒子径分布が不均一であったり、凝集して分散性に問題があったり、粉砕程度によっては結晶性が低下する問題があった。また、後者は、粒子径分布、分散性については比較的問題ないものの結晶性が不充分であった。
ところで、光電変換効率の高い光電気セルを得るためには結晶性に優れた酸化チタン微粒子が好ましい。このような結晶性の高い酸化チタン微粒子を得るには、通常、酸化チタンゲルあるいはゾルを、アルカリ、4級アンモニウムハイドロオキサイド等の結晶化剤の存在下で水熱処理して得ることができる。
特開平1−220380号公報 特表平5−504023号公報
しかしながら、このような結晶性の酸化チタン微粒子は結晶化剤を含むために光電気セル用半導体膜にそのまま用いることができず、本願出願人は、酸で処理する方法、イオン交換樹脂で処理する方法あるいは4級アンモニウムハイドロオキサイドの場合は高温で焼成してアルカリ等を低減して用いていた。
また、半導体膜の細孔径、細孔容積も光電変換効率を左右することが知られており、酸化チタン微粒子の粒子径を大きくすることによって細孔径、細孔容積が増大し、電解質の拡散性を向上させることが考えられたが、一方で光増感材の吸着量が低下する問題があった。
さらに近年、酸化チタンを半導体膜に用いた太陽電池ではさらに光電変換効率を向上させることが求められていた。
このような情況のもと、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の製造方法を採用することによって、酸化チタン微粒子の粒子径が小さくても得られる半導体膜の細孔容積が増大し、光電変換効率が向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]結晶性酸化チタン微粒子と増粘剤と分散媒とからなり、
該結晶性酸化チタン微粒子が、無定形酸化チタン源に結晶化剤を添加したのち水熱処理し、結晶化剤を除去し、微粒子をアルカリ処理して得られたものであり、
結晶性酸化チタン微粒子の平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、結晶性酸化チタン微粒子中の結晶化剤の含有量が1000ppm以下であり、
結晶性酸化チタン微粒子固形分濃度が1〜30重量%の範囲にあることを特徴とする多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[2]前記増粘剤がポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピル
セルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂から選ばれる1種または2種以上である[1]の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[3]前記分散媒が水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、エーテル類、テレピン類
から選ばれる1種または2種以上である[1]または[2]の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[4]表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化
物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、[1]〜[3]の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を
用いて形成されたことを特徴とする光電気セル。
[5]前記多孔質金属酸化物半導体膜(1)の平均細孔径が10〜40nmの範囲にあり、細孔
容積が0.25〜0.8ml/gの範囲にある[4]の光電気セル。
[6]前記電極層(1)と多孔質金属酸化物半導体膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来す
る酸化チタン薄膜(1)を設けてなる[4]または[5]の光電気セル。
[7]前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10〜70nmの範囲にあり、細孔容積が0.01〜0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にある[4]〜[6]の光電気セル。
本発明によれば、粒子径の大きな結晶性酸化チタン微粒子を使用することなく半導体膜の細孔容積が大きく、電解質の拡散性が向上するために光電変換効率に優れた多孔質半導体膜形成用塗料および光電気セルを提供することができる。
以下、先ず、本発明に係る多孔質半導体膜形成用塗料について具体的に説明する。
[多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料]
本発明に係る多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料は、結晶性酸化チタン微粒子と増粘剤と分散媒とからなる。
結晶性酸化チタン微粒子
本発明に用いる結晶性酸化チタン微粒子としては、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン等従来公知の結晶性酸化チタン微粒子を用いることができる。特に、アナタース型酸化チタン微粒子は光電変換効率が高く好適に用いることができる。
このような結晶性酸化チタン微粒子は、無定形酸化チタン源に結晶化剤を添加したのち水熱処理し、結晶化剤を除去し、微粒子をアルカリ処理して得られたものである。
以下、具体的な製造方法を示す。
無定形酸化チタン源としては、特に制限されず、たとえば、チタン化合物をアルカリ雰囲気下で加水分解して調製されたオルソチタン酸(以下、水和酸化チタンということがある。)のゾルまたはゲルが好適である。また、無定形酸化チタン源としては、かかる水和酸化チタンを過酸化水素で溶解して得られるペルオキソチタン酸はより好適である。
オルソチタン酸ゲルは、チタン化合物としては塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル等のチタン塩が使用し、かかるチタン塩水溶液にアルカリを加えて中和し、加水分解したのち洗浄することによって得ることができる。また、オルソチタン酸のゾルは、前記チタン塩の水溶液をイオン交換樹脂に通して陰イオンを除去するか、あるいはチタン化合物としてチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシドを用いて、水および/または有機溶媒に酸またはアルカリを加えて該アルコキシドを加水分解することによって得ることができる。
加水分解する際、チタン化合物溶液のpHを、7〜13、好ましくは8〜12の範囲にす
ることが望ましい。チタン化合物溶液のpHが上記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素との反応が容易となる。
pHの調整は、アンモニア、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アルコールアミ
ンなどの有機塩基化合物の添加によって可能であるが、本発明ではアンモニアが望ましい。
さらに、中和あるいは加水分解する際の温度は0〜60℃の範囲にあることが好ましく、特に好ましい範囲は0〜50℃の範囲である。中和あるいは加水分解する際の温度が上
記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素を使用してペルオキソチタン酸を調製する場合、その反応が容易となる。得られたゲルまたはゾル中のオルソチタン酸粒子は、非晶質であることが好ましい。
結晶性酸化チタン微粒子は、ここで得られたオルソチタン酸のゲルまたはゾルに結晶化剤を加えて、150〜300℃で水熱処理することによって得られる。
結晶化剤のモル数(MC)とオルソチタン酸の酸化チタン換算のモル数(MT)との比(MC)/(MT)は0.5〜20、さらには1〜15の範囲にあることが好ましい。
結晶化剤としては、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アルコールアミン等の有機塩基化合物およびこれらの混合物が挙げられる。なお、アルカリ金属水酸化物を用いた場合、管状酸化チタン微粒子が生成する場合があるので、本願では有機塩基化合物を用いることが好ましい。
(MC)/(MT)が低すぎると結晶性が不充分となることがあり、高すぎてもさらに結晶性が向上することもない。
結晶化剤としては、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アルコールアミン等の有機塩基化合物およびこれらの混合物が挙げられる。なお、アルカリ金属水酸化物を用いた場合、管状酸化チタン微粒子が生成する場合があるので、本願では有機塩基化合物を用いることが好ましい。
また、結晶性が高く、粒子径が比較的均一な酸化チタン微粒子を得るために得られたオルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物に、過酸化水素を添加してオルソチタン酸を溶解してペルオキシチタン酸水溶液を調製したのち、水熱処理を行なっても良い。
ペルオキシチタン酸水溶液を調製するに際しては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物を、必要に応じて約50℃以上に加熱したり、攪拌したりすることが好ましい。また、この際、オルソチタン酸の濃度が高くなるすぎると、その溶解に長時間を必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿したり、あるいは得られるペルオキシチタン酸水溶液が粘調になることがある。このため、TiO2濃度としては、約10重量%以下であることが好ましく、さらに約5重量%以下であることが望ましい。
添加する過酸化水素の量は、H22/TiO2(オルソチタン酸はTiO2に換算)重量比で1以上であれば、オルソチタン酸を完全に溶解することができる。H22/TiO2重量比が少ないと、オルソチタン酸が完全には溶解せず、未反応のゲルまたはゾルが残存することがある。また、H22/TiO2重量比は大きいほど、オルソチタン酸の溶解速度は大きく反応時間は短時間で終了するが、あまり過剰に過酸化水素を用いても、未反応の過酸化水素が系内に残存するだけであり、経済的でない。このような量で過酸化水素を用いると、オルソチタン酸は0.5〜20時間程度で溶解する。
ついで、得られたペルオキシチタン酸を水熱処理する。また、このとき、前記した結晶化剤を添加して、水熱処理を行う。また、結晶化剤を添加する前に、ペルオキシチタン酸水溶液を50〜90℃で熟成してもよい。これよって、実質的に非晶質であるがアナターゼ類似のX線回折パターンを示し、平均粒子径が10〜50nmの範囲にある粒子が生成する。ついで、前記した結晶化剤を添加し、水熱処理する。
このようにして得られた結晶性酸化チタン微粒子は、結晶化剤の使用量によっても異なるが、概ね1〜10重量%の結晶化剤を含んでおり、光増感材の吸着を疎外し、光変換効率が不十分となる場合があることので、本発明でこれを除去する。
除去する方法としては、結晶性酸化チタン微粒子分散液に酸を加え、ついで(1)限外濾過膜法で洗浄する方法、(2)イオン交換樹脂にて除去する方法、または、(3)結晶化剤が有機塩基の場合、焼成して除去する方法等が挙げられる。本発明に用いる結晶性酸化チタン微粒子の調製法としては、(1)および/または(2)の方法が推奨される。(3)の方法は結晶性酸化チタン微粒子が凝集する場合があり、このため粉砕器等で分散処理を必要とする場合がある。
酸としては、硝酸、塩酸、硫酸などの公知の酸が例示される。酸の添加量は、溶液のpH基準で1.0〜2.5、好ましくは1.1〜2.0の範囲にあることが望ましい。pHが低すぎると、結晶性酸化チタン微粒子の一部が溶解したり、結晶性が低下することがあり、高すぎても結晶化剤の残存量が1000ppm以下にならない場合がある。
このようにして得られた結晶性酸化チタン微粒子の結晶化剤の含有量は1,000ppm以下であり、特に600ppm以下であることが好ましい。以上の方法で得られる結晶性酸化チタン微粒子の水分散液はpHが概ね2以下である。
本発明では、結晶性酸化チタン微粒子をアルカリ処理する。具体的には、前記結晶性酸化知多微粒子の水分散液のpHを7〜13、好ましくは8〜12に調整する。pH調整剤としては、アンモニア、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アルコールアミン等の有機塩基化合物が挙げられる。なかでも、アンモニアは半導体膜を形成する際に脱離しやすく、光増感剤の吸着を阻害することがないので好ましい。
結晶性酸化チタン微粒子の水分散液のpHは、酸側であると、酸化チタン微粒子が凝集する。しかしながら、pHをアルカリ性に調整すると結晶性酸化チタン微粒子の分散性が
向上し、得られる塗料中でも均一に高分散し、強度に優れるとともに、結晶性酸化チタン微粒子の粒子径が小さくても細孔容積の大きな多孔質金属酸化物半導体膜を得ることができる。
結晶性酸化チタン微粒子水分散液のpHが7未満の酸性域になると、結晶性酸化チタン微粒子が均一に単分散しにくく、このため塗料中でも高分散せず凝集しているためか、多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積を大きくする効果が得られない場合がある。結晶性酸化チタン微粒子水分散液のpHを、前記範囲を越えて高くしても細孔容積がさらに大きくなることもなく、アルカリ成分が多孔質金属酸化物半導体膜中に残存し、光増感剤の吸着を疎外し、光電変換効率が不充分となる場合がある。
本発明では、pH調整した後、純水あるいは有機溶媒に溶媒置換して用いることが好ましい。
こうして調製される結晶性酸化チタン微粒子の結晶化剤の含有量は1,000ppm以下、さらには100ppm以下であることが好ましい。この範囲にあると、光増感剤の吸着を阻害することもなく、光増感剤が脱離しにくくなる。なお、結晶性酸化チタン微粒子の結晶化剤の含有量が前記範囲を越えると、光増感剤の吸着を阻害したり、吸着した光増感剤の脱離を促進したりする場合があり、光変換効率が不十分となる場合がある。
本発明で使用される結晶性酸化チタン微粒子の平均粒子径は5〜300nm、さらには10〜200nmの範囲にあることが好ましい。
結晶性酸化チタン微粒子の平均粒子径が前記下限未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても塗料中で凝集したり、結晶性が低いために電子移動が困難であったりするために、光電変換効率や半導体膜の強度が不充分となる場合がある。結晶性酸化チタン微粒子の平均粒子径が前記上限を越えると、酸化チタン粒子同士の加熱処理等による結合
度合いが弱くなり得られる半導体膜の強度が不十分になる場合があり、また、光増感剤の吸着量が低下し、光電変換効率が不十分となる場合がある。
分散媒
塗料の分散媒としては水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、エーテル類、テレピン類、から選ばれる1種または2種以上が用いられる。
具体的には、アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等、ケトン類としてはアセトンなどグリコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール等、エーテル類としてはブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等、テレピン類としては、テルピネオール、ジヒドロターピネオール、ターピノーレン等が挙げられる。
多孔質半導体膜の形成にスクリーン印刷法を採用する場合、テルピネオール、ブチルカルビトール等の分散媒が好適に用いられる。また、速乾性が要求される印刷方法では、水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の比較的低沸点のアルコール類を含む水性分散媒は前記酸化チタン粒子、後述する必要に応じて用いる増粘剤とを均一に分散あるいは溶解できるとともに、基材に酸化チタン粒子層を形成した後、乾燥する際に分散媒が蒸発しやすいので好適に用いることができる。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中の分散媒の濃度は、結晶性酸化チタン微粒子および増粘剤の濃度が所定範囲となるように用いるが、50〜98重量%、さらには65〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
増粘剤
本発明の塗料には増粘剤が含まれていてもよい。増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。このような増粘剤が多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中に含まれていると、塗料の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、後述する細孔容積および細孔径を有する多孔質金属酸化物半導体膜を得ることができる。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中の増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異なるが1〜40重量%、さらには4〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
増粘剤の濃度が1重量%未満の場合は前記増粘剤を用いた効果が不充分であり、40重量%を越えると塗布性が低下するとともに、得られる半導体膜の強度が不充分となり、さらに増粘剤の完全な除去が困難となり、充分な光電変換効率の向上効果が得られないことがある。
ペルオキシチタン酸
本発明の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料にはペルオキシチタン酸が含まれていてもよい。ペルオキシチタン酸が含まれていると緻密で強度に優れるとともに電子移動性に優れた多孔質金属酸化物半導体膜が得られ、さらに光増感材の吸着量が増加し、この結果、光電変換効率が向上する。
塗料中のペルオキシチタン酸の使用量は酸化チタンとして酸化チタン粒子の1〜30重量%、さらには2〜15重量%の範囲にあることが好ましい。ペルオキシチタン酸が少ないと、必要に応じて設ける酸化チタン薄膜(1)との密着性、半導体膜の強度を向上させる
効果、光増感材の吸着量の増加効果、光電変換効率を向上させる効果等が不充分となることがある。
ペルオキシチタン酸が多すぎても前記効果が更に向上することもなく、光電変換効率が
低下することがある。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中の結晶性酸化チタン微粒子の濃度(必要に応じてペルオキシチタン酸を用いる場合はその合計濃度)は酸化チタンとして1〜30重量%、さらには2〜25重量%の範囲にあることが好ましい。
前記濃度が低すぎると、濃度が薄すぎて1回の操作で所望の厚さの金属酸化物半導体膜を形成できない場合があり、繰り返し塗布操作が必要となるので効率的でない。前記濃度が高すぎても、分散液の粘度が高くなり、得られる金属酸化物半導体膜の緻密度が低下し、半導体膜の強度、耐摩耗性が不充分となることに加え、電子の移動性が低下し、光電変換効率が不充分となることがある。
このような多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を電極層上または後述する必要に応じて設ける酸化チタン薄膜上に塗布し、乾燥した後紫外線照射により硬化、あるいは加熱硬化するとともにアニーリングして形成することができる。
塗布方法はディップ法、スピナー法、ロールコーター方、フレキソ印刷、スクリーンプリント法等が好適である。
乾燥は分散媒を除去できる温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。紫外線の照射はペルオキソチタン酸の含有量などによって異なるが、ペルオキソチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。加熱処理は、通常、200〜600℃、さらには300〜500℃で概ね1〜48時間処理する。このようにして得られた多孔質金属酸化物半導体膜の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
ついで、本発明に係る光電気セルについて具体的に説明する。
[光電気セル]
本発明に係る光電気セルは、
表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、
表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、
前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、前記多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を用いて
形成されたことを特徴としている。
本発明によって得られる光電気セルとしては、たとえば、図1に示すものが挙げられる。
図1は、本発明によって得られる光電気セルの1実施例を示す概略断面図であり、表面に電極層(1)を有し、必要に応じて該電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を有し(図示せず)
、電極層(1)上、あるいは酸化チタン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と
電極層(2)との間に電解質が封入されている。
図1中、1は電極層(1)、2は半導体膜(1)、3は電極層(2)、4は電解質層(2)、5は基板(1)、6は基板(2)、7は酸化チタン薄膜(1)を示す。
なお、本発明によって得られる光電気セルは図示した光電気セルに限定されるものではなく、半導体膜を2層以上有し、この間に別の電極層および電解質層を設けた光電気セルであってもよい。
基板
一方の基板としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
他の一方の基板としては使用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
また、基板は少なくとも一方が透明であればよい。
電極層
基板(1)表面に形成された電極層(1)としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極を使用することができる。
このような電極層(1)は、熱分解法、CVD法などの従来公知の方法により形成するこ
とができる。
また、他の一方の基板(2)表面に形成された電極層(2)としては、還元触媒能を有するものであれば特に制限されるものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
このような電極層(2)は、基板(2)上に前記電極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導電性材料を熱分解法、CDV法等の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成することができる。
なお、基板(2)は、基板(1)と同様に透明基板であってもよく、また電極層(2)は、電極
層(1)と同様に透明電極であってもよい。さらに、基板(2)は基板(1)と同じものであって
もよく、電極層(2)は電極層(1)と同じものであってもよい。
透明基板(1)と透明電極層(1)の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。
電極層(1)および電極層(2)の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好まし
い。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなること
がある。
酸化チタン薄膜
本発明において、必要に応じて電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を形成することができ、この酸化チタン薄膜(1)は増粘剤を含むペルオキシチタン酸水溶液を用いて形成された
ものであり、緻密な膜である。
酸化チタン薄膜(1)は膜厚が10〜70nm、さらには20〜40nmの範囲にあるこ
とが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が薄いと、酸化チタン膜(1)による暗電流の抑制、電子の再結合の抑制が不充分となる。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が厚すぎると、エネル
ギー障壁が大きくなりすぎて電子の移動が抑制され、逆に光電変換効率が低下することが
ある。
また、酸化チタン薄膜(1)は細孔容積が0.01〜0.20ml/g、さらには0.0
2〜0.15ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が前記上限よりも多いと、緻密性が低下してしまい、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。なお、スパッタリングなどの方法でも、緻密な酸化チタン薄膜を得ることは可能であるが、緻密すぎて電子の移動を阻害したり、後に形成する多孔質金属酸化物半導体膜との密着性が不充分となることがある。
酸化チタン薄膜(1)は平均細孔径が0.5〜5.0nm、さらには1.0〜3.5nm
の範囲にあることが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の平均細孔径が前記上限よりも大きい
ものは、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。
このような酸化チタン薄膜(1)は、電極層(1)上に増粘剤を含むペルオキシチタン酸水溶液を、(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法、(E)電気泳動法から選ばれる1種以上の方法で塗布し、乾燥し、硬化させることに
より形成することができる。
酸化チタン薄膜(1)の形成に用いるペルオキシチタン酸水溶液の濃度はTiO2として0
.1〜2.0重量%、さらには0.3〜1.0重量%の範囲にあることが好ましい。ペルオキシチタン酸水溶液の濃度が薄いと、所望の膜厚の酸化チタン薄膜(1)が得られないこ
とがあり、繰返し塗布、乾燥を行う必要が生じる。ペルオキシチタン酸水溶液の濃度が薄いと、乾燥時にクラックが生じたり、緻密な膜を形成できないことがあり、暗電流の抑制、電子の再結合の抑制効果が得られないことがある。なおペルオキシチタン酸については前記と同様である。
また、ペルオキシチタン酸水溶液は増粘剤を含んでいるが、増粘剤は前記したものが使用される。このような増粘剤がペルオキシチタン酸水溶液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、クラックのない均一な膜厚の酸化チタン薄膜が得られ、下層の電極層との密着性の高い酸化チタン薄膜を得ることができる。
ペルオキシチタン酸水溶液中の増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異なるが1.0〜60.0重量%、さらには3.0〜35.0重量%の範囲にあることが好ましい。増粘剤が少ないと効果が不充分であり、多すぎても塗布性が低下し、膜厚が厚くなりすぎたり、クラックが生じたりすることがあり、前記酸化チタン薄膜を設ける効果が得られないことがある。
ペルオキシチタン酸水溶液の塗布方法が(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法(E)電気泳動法のいずれかであれば、電極層との
密着性に優れ、膜厚が均一で、クラックがなく、かつ強度に優れた酸化チタン薄膜(1)を
形成することができ、特に工業的にはフレキソ印刷法が好適に採用することができる。
乾燥は分散媒である水を除去できる温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。本発明では、乾燥後、後述する多孔質金属酸化物半導体膜を形成することができるが、乾燥後硬化した後多孔質金属酸化物半導体膜を形成してもよい。
乾燥処理のみでも硬化するが、さらに必要に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理に
よってアニーリングする。
紫外線の照射はペルオキソチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。
加熱処理は、通常、200〜500℃、さらには300〜450℃で概ね1〜48時間処理する。
多孔質金属酸化物半導体膜
前記電極層(1)上、または必要に応じて設ける酸化チタン薄膜(1)上に、前記多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を用いて形成された多孔質金属酸化物半導体膜が形成されている。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)は、平均細孔径が10〜40nmの範囲にあり、細孔容
積が0.25〜0.8ml/gの範囲にあることが好ましい。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の平均細孔径が小さいと、光増感材の吸着に時間を要し
たり、吸着量が不十分となることがあり、また、電解質の浸透、拡散が不十分となったり、電荷の移動が阻害され光電変換効率が不充分となる場合がある。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の平均細孔径が大きすぎても、半導体膜の強度が不十分と
なることがある。
また、多孔質金属酸化物半導体膜(1)の細孔容積が少なすぎると、光増感材の吸着に時間
を要したり、吸着量が不十分となることがあり、また、電解質の浸透、拡散が不十分となったり、電荷の移動が阻害され光電変換効率が不充分となる場合があり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)の細孔容積が多すぎても、半導体膜の強度が不十分になる場合がある。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の細孔容積のさらに好ましい範囲は0.30〜0.7ml
/gの範囲である。
また、多孔質金属酸化物半導体膜(1)の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好
ましい。
本発明では、かかる多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、上記したような結晶性酸化チタ
ン微粒子を含んでいるので、細孔容積が大きく、電解質の拡散性に優れ、細孔容積が大きいにもかかわらず、膜強度に優れた半導体膜が得られる。また細孔容積が大きくなるために、少ない塗布回数で厚膜を形成することが可能である。
本発明に係る光電気セルでは、多孔質金属酸化物半導体膜(1)が光増感材を吸着してい
る。
光増感材
光増感材としては、可視光領域、紫外光領域、赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
有機色素としては、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知の有機色素が使用できる。 具体的には、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの有機色素は金属酸化物半導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
また、金属錯体としては、特開平1-220380号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シ
ス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-
ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフ
ィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙
げることができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
上記の光増感材としての有機色素または金属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と金属錯体とを併用してもよい。
多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μg以上、さらには150μg以上であることが好ましい。
多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量が100μg未満の場合は光電変換効率が不充分となる。
このような光増感材の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の方法により多孔質金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じて前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を多孔質金属酸化物半導体膜に吸着させることもできる
光増感材を溶解させる溶媒としては、光増感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセルソルブ、Nーメチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
光増感材溶液の光増感材の濃度は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり
100μg以上、さらには200μg以上となる濃度が好ましい。
本発明では、前記した表面に電極層(1)を有し、該電極層(1)上に必要に応じて酸化チタン薄膜(1)を有し、かつ電極層(1)上または酸化チタン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多
孔質金属酸化物半導体膜を有する基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、電
極層(1)および電極層(2)が対向するように配置し、側面を樹脂にてシールし、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質を封入し、さらに電極間をリード線で接続することによって光電気セルを製造することができる。
電解質層
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
電気化学的に活性な塩としては、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物としては、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙げられる。場合によってはこれらを混合して使用することもできる。
このような電解質の使用量は、電解質の種類、後述する溶媒の種類によっても異なるが、概ね0.1〜5モル/リットルの範囲にあることが好ましい。
電解質層には、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
[製造例1]
結晶性酸化チタン微粒子(1)の調製
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として5.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。この水和酸化チタンゲルにテトラメチルアンモニウムハイドオキサイド(TMAH)を、TMAHのモル数(MC)と酸化チタンのモル数(
T)とのモル比(MC)/(MT)が2となるように加えた後、固形分濃度が2.5重量
%となるように純水を加え、80℃にて3時間攪拌したスラリーを、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行って結晶性酸化チタン微粒子(1)を
調製した。結晶性酸化チタン微粒子(1)を、純水を用い、限外濾過膜法で洗浄して、固形
分(TiO2)濃度20重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液を得た。
結晶性酸化チタン微粒子(1)中のTMAHの含有量を測定し、結果を表1に示す。また、
結晶性および平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
結晶性はX線回折により、(1・0・1)面のピーク強度を基に、比較製造例2の結晶性酸化チタン微粒子(R2)のピーク高を基準に、以下の評価基準で評価した。
ピーク高が結晶性酸化チタン微粒子(R1)の1.2倍以上 : ◎
ピーク高が結晶性酸化チタン微粒子(R1)の0.95〜1.2倍未満 : ○
ピーク高が結晶性酸化チタン微粒子(R1)の0.95倍未満 : ×
また、平均粒子径は動的光散乱法を利用した粒度分布計にて測定した。
[製造例2]
結晶性酸化チタン微粒子(2)の調製
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として5.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。この水和酸化チタンゲルにテトラメチルアンモニウムハイドオキサイド(TMAH)を、TMAHのモル数(MC)と酸化チタンのモル数(
T)とのモル比(MC)/(MT)が2となるように加えた後、固形分濃度が0.25重
量%となるように純水を加え、80℃にて3時間攪拌したスラリーを、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行って結晶性酸化チタン微粒子(2)
を調製した。結晶性酸化チタン微粒子(2)を純水を用い、限外濾過膜法で洗浄して、固形
分(TiO2)濃度10重量%の結晶性酸化チタン微粒子(2)分散液を得た。
結晶性酸化チタン微粒子(2)中のTMAHの含有量を測定し、結果を表1に示す。また
、結晶性および平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
[製造例3]
結晶性酸化チタン微粒子(3)の調製
製造例1と同様にして、固形分(TiO2)濃度20重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液を調製した。
別途、以下のようにして水和酸化チタンゲルを調製した。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として5.0重量%含有する水溶液
を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の水
和酸化チタンゲルのケーキを得た。この水和酸化チタンゲルにテトラメチルアンモニウムハイドオキサイド(TMAH)を、TMAHのモル数(MC)と酸化チタンのモル数(MT)とのモル比(MC)/(MT)が2となるように加えた後、固形分濃度が2.5重量%となるように純水を加えて水和酸化チタンゲルを調製した。
この水和酸化チタンゲルに、固形分(TiO2)濃度20重量%の結晶性酸化チタン微
粒子(1)分散液の1/15を混合し、80℃にて3時間攪拌したスラリーを、オートクレ
ーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行って結晶性酸化チタン微粒子(3)を調製した。結晶性酸化チタン微粒子(3)を純水を用い、限外濾過膜法で洗浄して、固形分(TiO2)濃度20重量%の結晶性酸化チタン微粒子(3)分散液を得た。
結晶性酸化チタン微粒子(3)中のTMAHの含有量を測定し、結果を表1に示す。また、
結晶性および平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
[比較製造例1]
結晶性酸化チタン微粒子(R1)
結晶性酸化チタン微粒子(R1)として、酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)を準備した。
[比較製造例2]
結晶性酸化チタン微粒子(R2)の調製
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として1.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して溶解し、TiO2として濃度1.0重量%のペルオキ
ソチタン酸水溶液を得た。
ついで、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行って結晶性酸化チタン微粒子(R2)を調製した。結晶性酸化チタン微粒子(R2)を、純水を用い、限外濾過膜法で洗浄して、固形分(TiO2)濃度20重量%の結晶性酸化チタン微粒子(R2)分散液を得た。
結晶性酸化チタン微粒子(R2)の結晶性および平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
Figure 0005426876
[実施例1]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが1.5になるまで硝酸を添
加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオン
交換樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌した後、
フィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは1.2であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.5に調整した。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノールに溶媒置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
ついで、固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のターピ
ネオールを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度が
20重量%になるまでエタノールを蒸発させながら濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃度が17重量%になるまで、ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜形
成用塗料(1)を調製した。
ペルオキシチタン酸コーティング液の調製
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として1.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して溶解し、TiO2として濃度1.0重量%のペルオキ
ソチタン酸水溶液(1)を得た。さらに、TiO2濃度0.5%、エチレングリコール濃度
20%となるように水およびペルオキソチタン酸水溶液にエチレングリコールを加えペルオキソチタン酸コーティング液を得た。
酸化チタン薄膜(1)の形成
ペルオキソチタン酸コーティング溶液(1)をフッ素ドープした酸化スズを電極として形成
した透明ガラス基板にフレキソ印刷法で塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させ
た。さらに、450℃で30分間加熱して硬化およびアニーリングを行って酸化チタン薄膜(1)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(1)の膜厚は40nm、窒素吸着法によって求めた細孔容積は
0.12ml/g、平均細孔径は2nmであった。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の形成
酸化チタン薄膜(1)を形成した透明ガラス基板上に多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗
料(1)をスクリーン印刷および乾燥を膜厚が15μmになるまで繰り返し形成し、その後
450℃での焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(1)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。
光増感材の吸着
光増感材としてDYESOL社製B2色素を濃度0.1%となるようにエタノール溶液を調製した。この溶液に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したガラスを5時間漬込み
、取り出した後エタノール水溶液で洗浄し、色素を吸着させた。光増感材の吸着量を表に示した。
光電気セル(1)の作成
先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エチレンの体積比が1:4の比で混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素とを、それぞれの濃度が0.46モ
ル/L、0.06モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調製した。
前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(1)を作成した。
光電気セル(1)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を入射角90°(セル面と90°)で照射して、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定し結果を表2
に示した。
[実施例2]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)の調製
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを8.0に調整した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(2)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結
果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(2)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(2)を用いた以外は同
様にして光電気セル(2)を作成した。
光電気セル(2)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した

[実施例3]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(3)の調製
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを12.0に調整した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(3)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(3)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(3)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(3)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結
果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(3)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(3)を用いた以外は同
様にして光電気セル(3)を作成した。
光電気セル(3)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した

[実施例4]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが1.2になるまで硝酸を
添加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオ
ン交換樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌した後
、フィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは1.1であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9
.5に調整した。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノールに溶媒置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
ついで、固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のター
ピネオールを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度
が20重量%になるまでエタノールを蒸発させながら濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃度が17重量%になるまで、ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜
形成用塗料(4)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(4)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(4)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結
果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(4)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(4)を用いた以外は同
様にして光電気セル(4)を作成した。
光電気セル(4)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した

[実施例5]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが1.8になるまで硝酸を添
加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオン
交換樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌した後、
フィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは1.5であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.5に調整した。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノールに溶媒置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
ついで、固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のター
ピネオールを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度
が20重量%になるまでエタノールを蒸発させながら濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃度が17重量%になるまで、ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜
形成用塗料(5)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(5)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(5)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結
果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(5)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(5)を用いた以外は同
様にして光電気セル(5)を作成した。
光電気セル(5)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した

[実施例6]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)の調製
実施例1において、製造例2で調製した結晶性酸化チタン微粒子(2)分散液を用いた以
外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(6)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(6)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(6)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(6)を用いた以外は同
様にして光電気セル(6)を作成した。
光電気セル(6)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[実施例7]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)の調製
実施例1において、製造例3で調製した結晶性酸化チタン微粒子(3)分散液を用いた以
外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(7)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(7)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(7)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(7)を用いた以外は同
様にして光電気セル(7)を作成した。
光電気セル(7)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[実施例8]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが1.5になるまで硝酸を添
加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオン交換樹
脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌し、ついで、フ
ィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表2に示した。
分散液を限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは1.2であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.0に調整した。ついで、限外濾過膜にて純水で洗浄するとともに固形分(TiO2)濃
度を20重量%に調整した。ついで、固形分(TiO2)の0.3重量倍のポリエチレン
グリコール、6.5重量倍の純水、2重量倍のエタノールを加えて固形分(TiO2)濃
度が12重量%の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(8)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(8)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した透明ガラス基板を用いた
以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(8)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(8)を用いた以外は同
様にして光電気セル(8)を作成した。
光電気セル(8)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例1]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが1.5になるまで硝酸を添
加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオン交換樹
脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌し、ついで、フ
ィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表に示した。ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるま
で濃縮した。この時のpHは1.2であった。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノール溶媒に置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%
の結晶性酸化チタン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のターピネオー
ルを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度が20重
量%になるまで濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃度が17重量%になるまで、
ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R1)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を用いた以外は同様にして光電気セル(R1)を作成した。光電気セル(R1)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例2]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが3になるまで硝酸を添加し
、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオン交換
樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌した後、フィ
ルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは2.7であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.5に調整した。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノールに溶媒置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%の結晶性酸化チタン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のターピネオー
ルを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度が20重
量%になるまでエタノールを蒸発させながら濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃
度が17重量%になるまで、ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R2)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を用いた以外は同様にして光電気セル(R2)を作成した。光電気セル(R2)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例3]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R3)の調製
製造例1で得た結晶性酸化チタン微粒子(1)分散液にpHが3になるまで硝酸を添加し
、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオン交換
樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌した後、フィ
ルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結
果を表2に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは2.7であった。ついで、エタノールを用い、遠心分離、エタノール分散を繰り返してエタノールに溶媒置換し、固形分(TiO2)濃度13重量%の結晶性酸化チ
タン微粒子(1)エタノール分散液を調製した。
固形分(TiO2)の0.5重量倍のエチルセルロースと3.5重量倍のターピネオー
ルを加え、ついで、(ロータリー)エバポレーターにて固形分(TiO2)濃度が20重
量%になるまでエタノールを蒸発させながら濃縮した。濃縮品に、固形分(TiO2)濃
度が17重量%になるまで、ターピネオールを加えて多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R3)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R3)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R3)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を用いた以外は同様にして光電気セル(R3)を作成した。光電気セル(R3)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例4]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R4)の調製
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを5に調整した以外は同様にして固形分(TiO2)濃度が17重量%の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗
料(R4)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R4)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R4)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を用いた以外は同様にして光電気セル(R4)を作成した。光電気セル(R4)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例5]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R5)の調製
比較製造例1で準備した酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)を用いた結晶性酸化チタン微粒子(R1)分散液にpHが1.5になるまで硝酸を添加し、室温で1時間撹拌し、ついで、固形分(TiO2)の2倍の重量の陽イオンイオン交換樹脂(三菱化学(株)製:DAIAION PK-216H)を添加し、室温で1時間撹拌し、ついで、フィルターを用いて陽イオン交換樹脂を除去した。
この時の結晶性酸化チタン微粒子(R1)中の結晶化剤(TMAH)の含有量を測定し、結果を表に示した。
ついで、限外濾過膜にて固形分(TiO2)濃度が20重量%になるまで濃縮した。こ
の時のpHは1.3であった。これに濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.5に調整した。ついで、限外濾過膜にて純水で洗浄するとともに固形分(TiO2)濃
度を20重量%に調整した。
固形分(TiO2)の0.3重量倍のポリエチレングリコール、6.5重量倍の純水、
2重量倍のエタノールを加えて固形分(TiO2)濃度が12重量%多孔質金属酸化物半
導体膜形成用塗料(R5)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R5)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R5)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の
膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R5)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R5)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R5)を用いた以外は同様にして光電気セル(R5)を作成した。光電気セル(R5)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
[比較例6]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R6)の調製
比較製造例2で得た結晶性酸化チタン微粒子(R2)分散液に、固形分(TiO2)の0.
3重量倍のポリエチレングリコール、6.5重量倍の純水、2重量倍のエタノールを加えて固形分(TiO2)濃度が12重量%多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R6)を調製
した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R6)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R6)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R6)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R6)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R6)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R6)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R6)を用いた以外は同様にして光電気セル(R6)を作成した。
光電気セル(R6)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。[比較例7]
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R7)の調製
比較製造例2で得た結晶性酸化チタン微粒子(R2)分散液に、濃度15重量%のアンモニア水を添加してpHを9.5に調整した。ついで、限外濾過膜にて純水で洗浄するとともに固形分(TiO2)濃度を20重量%に調整した。
固形分(TiO2)の0.3重量倍のポリエチレングリコール、6.5重量倍の純水、
2重量倍のエタノールを加えて固形分(TiO2)濃度が12重量%多孔質金属酸化物半
導体膜形成用塗料(R7)を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R7)の形成
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R7)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R7)を形成した。得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R7)の膜厚、細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表2に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R7)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
光電気セル(R7)の作成
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R7)を用いた以外は同様にして光電気セル(R7)を作成した。光電気セル(R7)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表2に示した。
Figure 0005426876
本発明の光電気セルの1例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・・・電極層(1)
2・・・・・半導体膜(1)
3・・・・・電極層(2)
4・・・・・電解質層(2)
5・・・・・基板(1)
6・・・・・基板(2)
7・・・・・酸化チタン薄膜

Claims (8)

  1. 無定形酸化チタン源に結晶化剤を添加したのち水熱処理し、結晶化剤を除去し、微粒子をアルカリ処理して、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、結晶化剤の含有量が1000ppm以下である結晶性酸化チタン微粒子を調製したのち、
    結晶性酸化チタン微粒子固形分濃度が1〜30重量%となるよう、結晶性酸化チタン微粒子と増粘剤と分散媒を混合することを特徴とする多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料の製造方法。
  2. 前記増粘剤がポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料の製造方法。
  3. 前記分散媒が水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、エーテル類、テレピン類から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料の製造方法。
  4. 結晶化剤が、有機塩基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料の製造方法。
  5. 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
    請求項1〜4のいずれかに記載の方法で得られた多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を用いて多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成されてなることを特徴とする光電気セル。
  6. 前記多孔質金属酸化物半導体膜(1)の平均細孔径が10〜40nmの範囲にあり、細孔容積が0.25〜0.8ml/gの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の光電気セル。
  7. 前記電極層(1)と多孔質金属酸化物半導体膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来する酸化チタン薄膜(1)を設けてなることを特徴とする請求項5または6に記載の光電気セル。
  8. 前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10〜70nmの範囲にあり、細孔容積が0.01〜0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にあることを特徴とする請求項に記載の光電気セル。
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