JP2003168496A - 光電気セル - Google Patents

光電気セル

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JP2003168496A
JP2003168496A JP2001369018A JP2001369018A JP2003168496A JP 2003168496 A JP2003168496 A JP 2003168496A JP 2001369018 A JP2001369018 A JP 2001369018A JP 2001369018 A JP2001369018 A JP 2001369018A JP 2003168496 A JP2003168496 A JP 2003168496A
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田 祥 三 柳
Masatsugu Okamura
村 政 嗣 岡
Tsuguo Koyanagi
柳 嗣 雄 小
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光以外に紫外、赤外領域を含めた広い波
長領域にわたり光ネルギーの利用率が高く、かつ光電変
換効率が高く、経済性に優れ、しかも固体電解質を使用
した場合であっても、高光電変換効率を有する光電気セ
ルを提供する。 【解決手段】 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層
(1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成されて
なる基板と、表面に電極層(3)を有する基板とが、前記電
極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してな
り、半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けて
なる光電気セルにおいて、 半導体膜(2)が、基板上に形成
された平均細孔径が2〜30nmの範囲にある多孔質半導体
膜(2-A)とさらにその上に形成された平均細孔径が30〜4
00nmの範囲にある多孔質半導体膜(2-B)とからなり、少な
くとも一方の基板および外基板上の電極層が透明性を有
する光電気セル。前記半導体膜(2-A)が光増感材として紫
外/短波長可視光吸収錯体(A)を含有し、前記半導体膜(2-
B)が光増感材として長波長可視光/赤外線吸収錯体(B)を
含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光電気セル
に関する。さらに詳しくは光電変換効率の高い光電気セ
ル、通常タンデム型色素増感といわれる光電気セルに関
する。
【0002】
【従来技術】光電変換材料は光エネルギーを電気エネル
ギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電
気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに
変換する材料である。光電変換材料に光を照射すると、
一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極
に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一
方の電極に戻る。このようにエネルギー変換が連続であ
るため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
【0003】一般的な太陽電池は、透明性導電膜をコー
トしたガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体
の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明
性導電膜をコートしたガラス板などの支持体を備え、こ
れらの電極間に電解質を封入して構成されている。光電
変換材料用半導体に吸着した分光増感色素に太陽光を照
射すると、分光増感色素は可視領域の光を吸収して励起
する。この励起によって発生する電子は半導体に移動
し、ついで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電
極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移
動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、
半導体に電子を移動させた分光増感色素は、酸化体の状
態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系
によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電
子が連続的に流れることから光電変換材料用半導体を用
いた太陽電池として機能する。
【0004】上記電極間に封入して用いられる電解質と
しては、電解質を溶媒に溶解した液状電解質(電解液)
が使用されたり、固体電解質(概ね粘度が10cp以上
の場合、あるいはゲル状物も固体電解質といわれること
がある)が使用され、封入後、光電気セルは、側面を樹
脂などでシールして、封止される。ところで、電解液を
電解質として使用する場合、半導体膜によっては電解質
の拡散が困難であり充分な光電変換効率を得ることがで
きないことがあった。
【0005】この傾向は、特に電解質として固体電解質
を使用する場合に顕著であり、固体電解質として高分子
電解質を使用する場合、高分子電解質の半導体膜への拡
散が困難であり、光電変換効率が低下してしまうことが
あった。また、従来の半導体膜には可視光のみを光電変
換できる光増感材が1種類のみ用いられていた。このた
め一部の光エネルギー、すなわち特定波長の光のみを利
用できるにとどまり、光電変換効率の点で充分とはいえ
ずさらなる向上が求められていた。
【0006】さらに、従来、半導体膜、特に金属酸化物
系の半導体膜を形成する場合、多くは金属酸化物粒子を
含む半導体膜形成用塗布液をスピンコート法、ドクター
ブレード法、スクリーン印刷法等で塗布して形成されて
いた。しかしながらこのような方法では、複数層の半導
体膜を形成する場合は複数回半導体膜形成用塗布液を順
次塗布と乾燥を繰り返して形成する必要があった。ま
た、複雑なパターニングの半導体膜を形成することは困
難であり、できたとしても経済性に問題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前記問題点に鑑みなされたも
ので、可視光以外に紫外、赤外領域を含めた広い波長領
域(紫外、可視、赤外領域:波長300〜2000n
m)にわたり光ネルギーの利用率が高く、かつ光電変換
効率が高く、経済性に優れ、しかも固体電解質を使用し
た場合であっても、高光電変換効率を有する光電気セル
を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る光電気セルは、表面に電極
層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を
吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面
に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)お
よび電極層(3)が対向するように配置してなり、半導
体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてな
る光電気セルにおいて、半導体膜(2)が、基板上に形
成された平均細孔径が2〜30nmの範囲にある多孔質
半導体膜(2-A)とさらにその上に形成された平均細孔
径が30〜400nmの範囲にある多孔質半導体膜(2-
B)とからなり、少なくとも一方の基板および外基板上
の電極層が透明性を有していることを特徴としている。
【0009】前記半導体膜(2-A)は光増感材として紫
外/短波長可視光吸収錯体(A)を含有し、前記半導体
膜(2-B)は光増感材として長波長可視光/赤外線吸収
錯体(B)を含有していることが好ましい。前記紫外/
短波長可視光吸収錯体(A)は、ジピリジル系ルテニウ
ム化合物であり、長波長可視光/赤外線吸収錯体(B)
は、ターシャルピリジル系化合物であることが好まし
い。
【0010】前記半導体膜(2-A)の膜厚は、10nm
〜15μmの範囲にあり、前記半導体膜(2-B)の膜厚
は、0.5〜15μmの範囲にあることが好ましい。こ
のような半導体膜(2-A)および(2-B)は金属酸化物半導体
膜であることが好ましい、前記半導体膜(2-A)および
半導体膜(2-B)は、インクジェットプリンターで塗布
液を印刷して形成された膜であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的な説明】以下、本発明について具体的に
説明する。 [光電気セル]本発明に係る光電気セルは、表面に電極
層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を
吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面
に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)お
よび電極層(3)が対向するように配置してなり、半導
体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてな
る光電気セルである。
【0012】そして、本発明では、半導体膜(2)が、
基板上に形成された平均細孔径が2〜30nmの範囲に
ある下層多孔質半導体膜(2-A)とさらにその上に形成
された平均細孔径が30〜400nmの範囲にある上層
多孔質半導体膜(2-B)とからなる。このような、本発明
では、電解質と接触する多孔質半導体膜の平均細孔径が
大きく、このため固体電解質、すなわち高分子固体電解
質を使用しても、高分子電解質の半導体膜への拡散を容
易に進行し、この結果、光電変換効率を著しく高めるこ
とが可能となる。
【0013】このような光電気セルとして、たとえば、
図1に示すものが挙げられる。図1は、本発明に係る光
電気セルの一実施例を示す概略断面図であり、図1中、
添え字1は透明電極層、2は半導体膜であり、2-Aは下
層多孔質半導体膜、2-Bは上層多孔質半導体膜であり、
3は電極層、4は電解質層、5は透明基板、6は基板を
示す。具体的に、図1に示される光電気セルは、表面に
透明電極層1を有し、かつ該透明電極層1表面に光増感
材を吸着した平均細孔径が2〜30nmの範囲にある小
細孔径の下層多孔質半導体膜(2-A)とさらにその上に
形成された平均細孔径が30〜400nmの範囲にある
大細孔径の上層多孔質半導体膜(2-B)とが形成されてな
る基板5と、表面に還元触媒能を有する電極層3を有す
る基板6とが、前記電極層1および3が対向するように
配置され、さらに金属酸化物半導体膜2と透明電極層3
との間に電解質が封入されてなる電解質層4が設けられ
ている。
【0014】透明基板5としてはガラス基板、PETな
どの有機ポリマー基板などの透明でかつ絶縁性を有する
基板を用いることができる。また、基板6としては、使
用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス
基板、PETなどの有機ポリマー基板などの絶縁性基板
の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属
ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
【0015】透明基板5表面に形成された透明電極層1
としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされ
た酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸
化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等な
どの従来公知の電極を使用することができる。このよう
な透明電極層1は、熱分解法、CVD法などの従来公知
の方法により形成することができる。
【0016】また、基板6表面に形成された電極層3と
しては、還元触媒能を有するものであれば特に制限され
るものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテ
ニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはP
がドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがド
ーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの
導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着
した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いるこ
とができる。
【0017】このような電極層3は、基板6上に前記電
極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導
電性材料を熱分解法、CDV法等の従来公知の方法によ
り導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメ
ッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成す
ることができる。なお、基板6は、透明基板5と同様に
透明なものであってもよく、また電極層3は、透明電極
層1と同様に透明電極であってもよい。
【0018】透明基板5と透明電極層1の紫外光、可視
光、赤外光の透過率は高い方が好ましく、具体的には5
0%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ま
しい。紫外光、可視光、赤外光透過率が50%未満の場
合は光電変換効率が低くなることがある。これら透明電
極層1および電極層3の抵抗値は、各々100Ω/cm
2以下であることが好ましい。電極層の抵抗値が100
Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなる
ことがある。
【0019】金属酸化物半導体膜2は、基板6上に形成
された電極層3上に形成されていてもよい。この金属酸
化物半導体膜2のうち、下層多孔質半導体膜(2-A)の膜
厚は10nm〜15μm、さらには500nm〜8μm
の範囲にあることが好ましく、上層多孔質半導体膜(2-
B)の膜厚は0.5〜15μm、さらには2〜8μmの範
囲にあることが好ましい。
【0020】半導体膜としては、無機半導体材料から形
成された無機半導体膜、有機半導体材料から形成された
有機半導体膜、有機無機ハイブリッド半導体膜などを用
いることができる。有機半導体材料としては、フタロシ
アニン、フタロシアニン−ビスナフトハロシアニン、ポ
リフェノール、ポリアントラセン、ポリシラン、ポリピ
ロールなど従来公知の化合物を挙げることができる。
【0021】本発明の半導体膜2は、無機半導体材料か
ら形成された無機半導体膜が好ましい。中でも無機半導
体材料として金属酸化物を用いた場合は、多孔質で光増
感材吸着量の高い金属酸化物半導体を得ることができる
ので好ましい。このような金属酸化物半導体膜として
は、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸
化ニオビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウ
ム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムから選ばれる
少なくとも1種または2種以上の金属酸化物からなる金
属酸化物半導体膜を挙げることができる。
【0022】このような金属酸化物半導体膜は通常、金
属酸化物粒子とバインダー成分とから構成される。金属
酸化物粒子は従来公知の方法によって製造することがで
きる。上記金属の無機化合物塩あるいは有機金属化合物
を用い、たとえばゾル・ゲル法によって得られる含水金
属酸化物のゲルまたはゾルに、必要に応じて酸またはア
ルカリを添加したのち、加熱・熟成するなどの従来公知
の方法で製造することができる。
【0023】上記半導体膜2のうち、下層多孔質半導体
膜(2-A)に含まれる金属酸化物は、球状粒子であって、
その平均粒子径が1〜1000nm、さらには8〜10
0nmの範囲にあることが好ましい。金属酸化物粒子の
平均粒径が前記範囲内にあれば、後述する平均細孔径を
有する半導体膜(2-A)を形成することができる。上層多
孔質半導体膜(2-B)に含まれる金属酸化物は、必ずしも
球状粒子である必要はないが、平均粒子径が50〜10
00nm、さらには100〜600nmの範囲にあり、
かつ、下層多孔質半導体膜(2-A)に用いる金属酸化物粒
子の平均粒子径より大きいことが好ましい。
【0024】具体的に、平均粒子径が下層多孔質半導体
膜(2-A)に含まれる金属酸化物粒子の平均粒子径(DA
と上層多孔質半導体膜(2-B)に含まれる金属酸化物粒子
の平均粒子径(DB)との比(DB)/(DA)が2〜1
00、好ましくは5〜50にある関係を示すことが望ま
しい。このような大きな粒子によって、入射した可視
光、可視光より長波長の光を散乱することが可能とな
り、長波長の光を有効に光電変換することができる。そ
して、後述する平均細孔径を有する上層多孔質半導体膜
(2-B)を形成することができる。金属酸化物粒子の平均
粒径が前記範囲内にあれば、前記した平均細孔径を有す
る半導体膜(2-B)を形成することができ、上層多孔質半
導体膜(2-B)の平均細孔径が前記範囲にあれば、電解
質、特に固体電解質の原料である未硬化高分子電解質ポ
リマーなどの上層多孔質半導体膜(2-B)への拡散が可能
となる。このため、従来の光電気セルでは困難であっ
た、高分子電解質ポリマーなどの固体電解質を電解質層
として用いた光電気セルを得ることができる。
【0025】さらに、前記下層多孔質半導体膜(2-A)お
よび上層多孔質半導体膜(2-B)中に含まれる金属酸化物
粒子は、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化
チタン、ルチル型酸化チタンの1種または2種以上から
なる結晶性酸化チタンであることが好ましい。結晶性酸
化チタンはバンドギャップが高く、かつ誘電率が高く、
他の金属酸化物粒子に比較して光増感材の吸着量が高
く、さらに安定性、安全性、膜形成が容易である等の優
れた特性がある。
【0026】このような結晶性酸化チタンからなる粒子
(以後、結晶性酸化チタン粒子)は、ゾル・ゲル法など
で得られた含水チタン酸ゲルまたはゾルに、必要に応じ
て酸またはアルカリを添加したのち、加熱・熟成するな
どの従来公知の方法で得ることができる。また、本発明
で使用される結晶性酸化チタン粒子は、含水チタン酸ゲ
ルまたはゾルに、過酸化水素を添加して含水チタン酸を
溶解してペルオキソチタン酸とした後、該ペルオキソチ
タン酸にアルカリ、好ましくはアンモニアおよび/また
は有機塩基を添加してアルカリ性にし、80〜350℃
の温度範囲で加熱・熟成することによって得ることもで
きる。また、得られた結晶性酸化チタン粒子を種粒子と
してペルオキソチタン酸に添加した後、前記工程を繰り
返してもよい。
【0027】さらに、必要に応じて350℃以上の高温
で焼成することもできる。なお、「ペルオキソチタン
酸」とは過酸化水和チタンのことをいい、このような過
酸化チタンは可視光領域に吸収を有しており、チタン化
合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲル
に過酸化水素を加え、加熱することによって調製され
る。水和酸化チタンのゾルまたはゲルは、チタン化合物
の水溶液に酸またはアルカリを加えて加水分解し、必要
に応じて洗浄、加熱、熟成することによって得られる。
使用されるチタン化合物としては特に制限はないが、ハ
ロゲン化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、テトラア
ルコキシチタン等のチタンアルコキシド、水素化チタン
等のチタン化合物を用いることができる。
【0028】本発明では、特に、結晶性酸化チタン粒子
として、ペルオキソチタン酸にアルカリを添加し、加熱
・熟成したものが好ましく使用される。金属酸化物半導
体膜には、前記金属酸化物粒子とともに、光増感材が含
まれている。光増感材としては、紫外光領域、可視光領
域および赤外光領域の光を吸収して励起するものであれ
ば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを
用いることができる。
【0029】有機色素としては、分子中にカルボキシル
基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン
基、リン酸基、カルボキシアルキル基等の官能基を有す
る従来公知の有機色素が使用できる。具体的には、メタ
ルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシア
ニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニ
ン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロ
ムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられ
る。さらに、メルロクローム(Merurochrome)、メロシア
ニン、リボフラビンフォスフェート、テトラブロモフェ
ノールブルー、テトラスルフォフタロシアニンも使用す
ることができる。これらの有機色素は(金属酸化物)半
導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
【0030】また、金属錯体としては、特開平1-220380
号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロ
シアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス
(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-
(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレ
ート)ルテニウム、ルテニウム-シス-ジアクア-ビス(2,
2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニ
ウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-
カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、
鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、
鉄、亜鉛、白金などの錯体を挙げることができる。これ
らの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
【0031】上記の光増感材としての有機色素または金
属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体
の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と
金属錯体とを併用してもよい。本発明の光電気セルに用
いる光増感材としては、下層多孔質半導体膜(2-A)に用
いる金属酸化物粒子には紫外光〜可視光を光電変換でき
る有機色素または金属錯体を用い、上層多孔質半導体膜
(2-B)に用いる金属酸化物粒子には可視光〜赤外光を光
電変換できる有機色素または金属錯体を用いることが好
ましい。
【0032】紫外光から可視光を光電変換できる有機色
素または金属錯体としてはジピリジル系ルテニウム錯
体、Pt(dcbpy=dcbipiridil)(gdt)などの白金錯体、メ
ルロクローム(Merurochrome)、メロシアニン、エオシン
Y、リボフラビンフォスフェート、テトラブロモフェノ
ールブルー、テトラスルフォフェタロシアニン等を挙げ
ることができる。中でもジピリジル系ルテニウム錯体が
好ましく、具体的には、Ru(2,2bipiridil-4,4-dicarbox
ylate(TBA))2(NCS)2、Ru(dcbiphenyl)2(NCS)2、Ru(dcbp
y)2(β-diketonate)、Ru(4,4'-dicarboxy-2,2'-bipirid
ine)[Ru(bipiridil)2(CN)2]2、Ru(4,4'-dicarboxy-2,2'
-bipiridine)2、Ru(4,4'-dicarboxy-2,2'-bipiridine)2
(NCS)2が挙げられる。
【0033】また、可視光〜赤外光を光電変換できる有
機色素または金属錯体としてはターシャルピリジル系ル
テニウム錯体、ルテニウムビキノリン、Ru(bpy)2(CN)2
等を挙げることができる。中でもターシャルピリジル系
ルテニウム錯体は好ましく、具体的には、Ru(tc-terpyH
3)(NCS)3、Ru(PO3-terpy)(Me2bpy)(NCS)、Ru(2,2',2”-
(COOH)3-terpy)(NCS)3などが挙げられる。
【0034】各半導体膜への光増感材の吸着方法は、特
に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液に金属酸
化物粒子を分散させることによって吸着させることがで
きる。このとき、必要に応じて光増感材溶液を加熱環流
しながら半導体膜と接触させて光増感材を吸着させるこ
ともできる。また、光増感材を、あらかじめ前記金属酸
化物粒子に吸着させておいてもよい。
【0035】各半導体膜に吸着させる光増感材の量は、
金属酸化物半導体膜の単位表面積(1cm2)あたり5
0μg以上であることが好ましい。光増感材の量が50
μg未満の場合、光電変換効率が不充分となることがあ
る。本発明では、光増感材を、あらかじめ前記金属酸化
物粒子に吸着させておくことが望ましい。
【0036】金属酸化物粒子への光増感材の吸着方法
は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液に
金属酸化物粒子を分散させることによって吸着させるこ
とができる。このとき、必要に応じて光増感材溶液を加
熱環流しながら粒子と接触させて光増感材を吸着させる
こともできる。さらに必要に応じて加圧下で吸着させる
こともできる。
【0037】光増感材を溶解させる溶媒としては、光増
感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、ア
ルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、エチルセルソルブ、Nーメチルピロリドン、テ
トラヒドロフラン等を用いることができる。金属酸化物
粒子に吸着させる光増感材の量は、得られる金属酸化物
半導体膜の単位表面積(1cm2)あたり50μg以上
となるような量であることが好ましい。光増感材の量が
50μg未満の場合、光電変換効率が不充分となること
がある。
【0038】前記各多孔質半導体膜には、前記光増感材
を吸着した金属酸化物粒子とともに酸化チタンバインダ
ー成分を含んでいることが好ましい。このような酸化チ
タンバインダー成分としては、ゾル・ゲル法などで得ら
れた含水チタン酸ゲルまたはゾルからなる酸化チタン、
含水チタン酸ゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水
チタン酸を溶解したペルオキソチタン酸の分解物などが
挙げられる。
【0039】このうち、特にペルオキソチタン酸の分解
物が好ましく使用される。このような酸化チタンバイン
ダー成分は、得られる金属酸化物半導体膜と電極との密
着性を高める機能を有している。さらに、このような酸
化チタンバインダー成分を使用すると、金属酸化物粒子
同士の接触が点接触から面接触となり、電子移動性を向
上させることが可能となり、光電変換効率を増大させる
ことができる。
【0040】各多孔質半導体膜形成用塗布液中の酸化チ
タンバインダー成分と金属酸化物粒子の比率は、酸化チ
タンバインダー成分をTiO2で表し、金属酸化物粒子を
MO Xで表したときの重量比TiO2/MOXが0.03〜
0.50、好ましくは0.1〜0.3の範囲にあることが
望ましい。この重量比が0.03未満では、金属酸化物
粒子同士の接触が不充分となり光電変換効率の向上効果
が不充分となり、また得られる半導体膜と基材との密着
性が不充分となる。重量比が0.50を超えて高い場合
は後述する多孔質な半導体膜が得られない場合がある。
【0041】下層多孔質半導体膜(2-A)の平均細孔径は
2〜30nm、さらには5〜20nmの範囲にあること
が好ましい。金属酸化物粒子の平均粒径が前記範囲内に
あれば、前記した平均細孔径を有する半導体膜(2-A)を
形成することができ、下層多孔質半導体膜(2-A)の平均
細孔径が前記範囲にあれば、光増感材を吸着できるとと
もに電解質の拡散が可能であり、電子移動性が低下する
ことがない。また下層多孔質半導体膜(2-A)は、細孔容
積が0.1〜0.8ml/g、さらには0.3〜0.8ml
/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が0.1m
l/gより小さい場合は、半導体膜の細孔内の電解質が
不足して光増感材の有効作用割合が低くなるために充分
な光電変換効率が得られないことがあり、また0.8m
l/gを超えて高い場合には、半導体膜の強度が不充分
となることがあり、耐久性が得られないことがある。
【0042】また上層多孔質半導体膜(2-B)の平均細孔
径は、30〜400nm、さらには40〜200nmの
範囲にあることが好ましい。上層多孔質半導体膜(2-B)
の平均細孔径が前記範囲にあれば、電解質、特に固体電
解質の原料である未硬化高分子電解質ポリマーなどの上
層多孔質半導体膜(2-B)への拡散が可能となる。このた
め、従来の光電気セルでは困難であった、高分子電解質
ポリマーなどの固体電解質を電解質層として用いた光電
気セルを得ることができる。平均細孔径が30nm未満
の場合は、可視光および可視光より長波長光の多重散乱
が不充分となりこの波長領域の光の光電変換が低下する
傾向がある。また、固体電解質を用いるセルの場合、硬
化(固形化)前の高分子電解質ポリマーの細孔内への拡
散が不充分となり、このため充分な光電変換効率が得ら
れないことがある。平均細孔径が400nmを超えて高
い場合は、半導体膜の電子移動性が低下して光電変換効
率が低下することもある。また上層多孔質半導体膜(2-
B)は、細孔容積が0.1〜0.8ml/g、さらには0.
3〜0.8ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔
容積が0.1ml/gより小さい場合は、細孔内の電解
質が不足して光増感材の有効作用割合が低くなり、また
0.8ml/gを超えて高い場合には、半導体膜の電子
移動性が低下して光電変換効率が低下することがある。
【0043】このような下層多孔質半導体膜(2-A)およ
び上層多孔質半導体膜(2-B)は、それぞれ特定の多孔質
半導体膜形成用塗布液を用いて作製することができる。
本発明に用いる多孔質半導体膜形成用塗布液は、前記金
属酸化物粒子と分散媒とからなる。さらに、必要に応じ
てバインダー成分の前駆体を含むことができる。
【0044】なお、前記金属酸化物粒子が結晶性酸化チ
タン粒子の場合は、バインダー成分の前駆体として、ペ
ルオキソチタン酸が好ましい。ペルオキソチタン酸は、
チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルま
たはゲルに過酸化水素を加え、加熱することによって調
製される。水和酸化チタンのゾルまたはゲルは、チタン
化合物の水溶液に酸またはアルカリを加えて加水分解
し、必要に応じて洗浄、加熱、熟成することによって得
られる。使用されるチタン化合物としては特に制限はな
いが、ハロゲン化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、
テトラアルコキシチタン等のチタンアルコキシド、水素
化チタン等のチタン化合物を用いることができる。
【0045】多孔質半導体膜形成用塗布液中の酸化チタ
ンバインダー成分の前駆体と金属酸化物粒子の比率は、
金属酸化物バインダー成分の前駆体を酸化物MO
X(1)で表し、金属酸化物粒子をMOX(2)で表した
ときの重量比(MOX(1)/MO X(2))で0.03
〜0.50、好ましくは0.1〜0.3の範囲にあること
が望ましい。重量比が0.03未満では、半導体膜の強
度や導電性が不充分となることがあり、さらに光増感材
の吸着量の増加しない場合がある。重量比が0.50を
超えて高い場合は多孔質な半導体膜が得られない場合が
あり、さらに電子移動性が向上しないことがある。
【0046】このような金属酸化物バインダー成分の前
駆体および金属酸化物粒子は、多孔質半導体膜形成用塗
布液中に、(MOX(1)+MOX(2))として1〜3
0重量%、好ましくは2〜20重量%の濃度で含まれて
いることが望ましい。分散媒としては、金属酸化物バイ
ンダー成分の前駆体および金属酸化物粒子が分散でき、
かつ乾燥した際に除去できるものであれば特に制限はな
く使用することができるが、なかでもアルコール類が好
ましい。特に、後述するインクジェット印刷法で被膜を
形成する場合、膜形成性を高めるために塗布液の粘度を
高める必要がない。また、逆にノズル詰まり等の点から
は低粘度であることが好ましい場合があり、多孔質半導
体膜形成用塗布液に用いる分散媒としては、沸点が概ね
40℃以以上で、低粘度の塗布液が得られる溶媒を用い
ることが好ましい。
【0047】このような溶媒として具体的には、ターピ
ネオールなどが例示される。さらに、多孔質半導体膜形
成用塗布液には、必要に応じて膜形成助剤が含まれてい
てもよい。必要に応じて用いる膜形成助剤としてはポリ
エチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルア
ルコール等が挙げられる。このような膜形成助剤が塗布
液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これ
により均一に乾燥した膜が得られ、さらに金属酸化物粒
子が緻密に充填して、嵩密度が高くなり、電極との密着
性の高い金属酸化物半導体膜を得ることができる。
【0048】金属酸化物半導体膜は、前記した下層多孔
質半導体膜(2-A)の形成用塗布液を基材上に塗布し、つ
いでその上に上層多孔質半導体膜(2-B)の形成用塗布液
を塗布し、乾燥した後、硬化させることによって形成す
ることができる。塗布液は最終的に形成される下層多孔
質半導体膜(2-A)および上層多孔質半導体膜(2-B)の各膜
厚が前記した範囲となるように塗布されることが好まし
い。塗布液の塗布方法としては、インクジェット法、デ
ィッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコータ
ー法、フレキソ印刷、スクリーン印刷など従来公知の方
法で塗布することができる。
【0049】特にインクジェット法は、前記した2層ま
たは必要に応じて2層以上の多孔質半導体膜を形成する
に際して2種類以上の異なる多孔質半導体膜形成用塗布
液を異なるノズルから同時に、かつ上下に重なるように
も塗布(印刷)することができる。このため連続的に多
層膜を形成できるので、短時間で被膜を形成できる。さ
らに任意のパターニングの半導体膜を容易に形成するこ
とができるので、低コストで済む。
【0050】上記インクジェット法による多孔質半導体
膜の形成では、吐出速度等を帰ることによって膜厚を調
節することができる。また、インクジェット法により多
孔質半導体膜を形成する場合、使用される塗布液の粘度
は、ピエゾ素子にもよるが、概ね50cp以下、さらに
は20cp以下であることが好ましい。多孔質半導体膜
形成用塗布液の粘度が50cpを越えるとピエゾ素子か
らの吐出抵抗が増し、吐出速度が不均一になったり、目
詰まりすることがある。
【0051】ついで乾燥する際の乾燥温度は分散媒を除
去でき、金属酸化物粒子に吸着した光増感材が脱着した
り分解しない温度範囲が好ましく、分散媒や光増感材に
よって異なるが、概ね150℃以下であることが好まし
い。また、このとき、必要に応じて加圧することができ
る。たとえば、加圧ローラー法等で加圧することによっ
て基材との密着性や後述するアニーリングが促進される
ことがある。
【0052】多孔質膜は上記のように2層形成されてい
れば、その上にさらに別の多孔質膜が形成されていても
よい。本発明では、さらに必要に応じて塗膜に紫外線を
照射して、硬化させることができる。紫外線を照射する
ことによってバインダー成分の前駆体を分解して硬化す
ることができる。なお、塗布液中に膜成形助剤が含まれ
ている場合には、塗膜硬化後、加熱処理して膜成形助剤
を分解してもよい。
【0053】本発明では、紫外線照射して塗膜を硬化さ
せた後に、O2、N2、H2、ネオン、アルゴン、クリプ
トンなど周期律表第0族の不活性ガスから選択される少
なくとも1種のガスのイオンを照射した後、アニーリン
グしてもよい。イオン照射の方法はIC、LSIを製造
する際にシリコンウエハーへホウ素やリンを一定量、一
定深さに注入する方法等として公知の方法を採用するこ
とができる。
【0054】本発明では、アニーリングは、光増感材の
分解を防ぐ観点から150℃以下で、10分〜20時間
加熱することによって行われる。アニーリングは、20
0〜500℃、好ましくは250〜450℃の温度範囲
で、10分〜20時間加熱することによって行われる。
これらのガスのイオンの照射によって、金属酸化物半導
体膜内にこれらのイオンが残留することがなく、金属酸
化物粒子表面に欠陥が多く生成し、アニーリング後の金
属酸化物粒子の結晶性が向上するとともに粒子同士の接
合が促進され、このため光増感材との結合力が高まると
ともに吸着量が増加し、さらに粒子の接合の促進により
電子移動性が向上することによって光電変換効率が向上
する場合がある。
【0055】本発明に用いる半導体膜で、前記した金属
酸化物粒子にあらかじめ光増感材を吸着させてない場合
は、光増感材を吸着してない金属酸化物粒子を含む多孔
質半導体膜形成用塗布液(2-A)を塗布乾燥し、硬化し
た後前記した紫外光〜可視光を光電変換できる有機色素
または金属錯体を吸着させ、ついで含む多孔質半導体膜
形成用塗布液(2-A)を塗布乾燥し、硬化した後、前記
した紫外光〜可視光を光電変換できる有機色素または金
属錯体を吸着させ、次に、光増感材を吸着してない金属
酸化物粒子を含む多孔質半導体膜形成用塗布液(2-B)
を塗布乾燥し、硬化した後、前記した可視光から赤外光
を光電変換できる有機色素または金属錯体を吸着させて
もよい。また、インクジェット方式で塗布する場合も、
塗布液とは異なるノズルから同時に、塗布(印刷)し
て、多孔質膜に吸着させてもよい。吸着方法としては、
各光増感材が溶解された溶液を塗布・乾燥すればよく、
塗布方法としては特に制限なく従来公知の方法で塗布す
ることができる。乾燥温度は分散媒を除去できる温度で
あればよい。
【0056】本発明に係る光電気セルは、半導体膜2と
透明電極層3とを対向して配置し、側面を樹脂などでシ
ールし、電極間に電解質からなる電解質層4を設けてい
る。電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸
化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物
が使用される。電気化学的に活性な塩としては、テトラ
プロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニ
ウム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物とし
ては、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I3 -)、沃
化カリウム、臭素(Br-/Br3 -)、臭化カリウム等が
挙げられる。場合によってはこれらを混合して使用する
こともできる。
【0057】このような電解質の使用量は、電解質の種
類、後述する溶媒などの種類によっても異なるが、必要
に応じて使用する溶媒との混合物中の濃度が概ね0.1
〜5モル/リットルの範囲にあることが好ましい。ま
た、溶媒としては、従来公知の溶媒を使用することがで
き、具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、
プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エス
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホ
ラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリ
ル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0058】さらに、本発明では電解質として固体電解
質を用いることができる。固体電解質としては、Cu
I、CuBr、CuSCN、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、アリールアミン系ポリマー、アク
リル基および/またはメタクリル基を有するポリマー、
ポリビニルカルバゾール、トリフェニルジアミンポリマ
ー、L-valine誘導体低分子ゲル、ポリオリゴエチレング
リコールメタクリレート、poly(o-methoxy aniline)、p
oly(epichlorohydrin-Co-ethylene oxide)、2,2',7,7'-
tetorakis(N,N-di-P-methoxyphenyl-amine)-9,9'-spiro
bifluorene、パーフルオロスルフォネートなどのような
プロトン伝導性を有するフッ素系のイオン交換樹脂、パ
ーフルオロカーボン共重合体、パーフルオロカーボンス
ルホン酸等の他、ポリエチレンオキサイドや、イオンゲ
ル法としてたとえばイミダゾールカチオンとBr-、BF
4 -、N-(SO2CF3)2で対イオンを形成し、これにビニ
ルモノマー、PMMAモノマーを加えて重合させたもの
も好適に用いることができる。
【0059】このような固体電解質を用いると、液体電
解質と異なり電解質の逸散がなく、このため長期使用に
よっても光電変換効率が低下することがなく、また腐食
等の原因になることもない。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、可視光以外に紫外、赤
外領域を含めた広い波長領域(紫外、可視、赤外領域:
波長300〜2000nm)にわたり光ネルギーの利用
率が高く、かつ光電変換効率が高く、経済性に優れた光
電気セルを得ることができる。また電解質として特に固
体電解質を用いると長期にわたって光電変換効率が低下
することなく耐久性に優れた光電気セルを得ることがで
きる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により説明するが、本発明はこ
れらの実施例により限定されるものではない。
【0062】
【実施例1】[多孔質半導体膜(2-A-1)の形成]酸化チタン粒子(A)の調製 5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度
5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加
し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を
分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オ
ートクレーブに入れ、220℃で5時間、飽和蒸気圧下
で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(A)を調製
した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折によ
り結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。この
アナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に示
す。
【0063】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-A-1)の
調製 次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(A)を高
沸点溶媒のターピネオールに溶媒置換するとともに濃縮
して濃度10%とし、前記ペルオキソチタン酸溶液を酸
化物換算で、チタニア粒子に対して、重量比TiO2(粒
子)/TiO2(ペルオキソチタン酸)が9/1となるよう
に混合し、この混合液中のチタン成分をTiO2換算
し、TiO2重量の30重量%となるように膜形成助剤
としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体
膜形成用塗布液(2-A-1)を調製した。
【0064】ついで、フッ素ドープした酸化スズが電極
層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液をス
クリーン印刷法で塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水
銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射
してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜
を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセル
ロースの分解およびアニーリングを行って多孔質半導体
膜(2-A-1)を形成した。
【0065】得られた多孔質半導体膜(2-A-1)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。分光増感色素の吸着 (紫外、可視光用) 次に、分光増感色素としてシス-(SCN-)-ビス(2,2'-
ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)
で表されるルテニウム錯体(A-1)の濃度3×10 -4モル
/リットルのエタノール溶液を調製した。この分光増感
色素溶液を、スピナーを用いて、多孔質半導体膜(2-A-
1)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を
5回行った。得られた金属酸化物半導体膜の分光増感色
素の吸着量を表1に示す。 [多孔質半導体膜(2-B-1)の形成]酸化チタン粒子(B)の調製 イソプロポキシドチタンとヒドロキシプロピルセルロー
スをエタノールに溶解し、これに水を徐々に添加してイ
ソプロポキシドチタンを加水分解した。この溶液の全量
から90容積%を分取し、濃アンモニア水を添加してp
H9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時
間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニア粒子
(B)を調製した。得られたチタニア粒子は、X線回折
により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。
このアナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に
示す。
【0066】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-B-1)の
調製 次に、上記で得られたチタニア粒子(B)をターピネオ
ールに溶媒置換するとともに濃縮して濃度10%まで濃
縮し、前記ペルオキソチタン酸溶液を酸化物換算で、チ
タニア粒子に対して、重量比TiO2(粒子)/TiO2(ペ
ルオキソチタン酸)が9/1となるように混合し、この
混合液中のチタンをTiO2換算し、TiO2重量の30
重量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピ
ルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液(2-B-
1)を調製した。
【0067】ついで、多孔質半導体膜(2-A-1)上に前
記塗布液をスクリーン法で塗布し、自然乾燥し、引き続
き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外
線を照射してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させ
た。塗膜を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロ
ピルセルロースの分解およびアニーリングを行って上層
多孔質半導体膜(2-B)を形成した。
【0068】得られた多孔質半導体膜(2-B-1)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。分光増感色素の吸着 (可視・赤外光用) 次に、分光増感色素として Ru(tc-terpyH3)(NCS)3 で表
されるルテニウム錯体(B-1)の濃度3×10-4モル/リ
ットルのエタノール溶液を調製した。この分光増感色素
溶液を、rpm100スピナーを用いて、下層多孔質半導体膜
(2-A)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程
を5回行った。得られた金属酸化物半導体膜の分光増感
色素の吸着量を表1に示す。
【0069】光電気セルの(A)作成 アセトニトリルとエチレンカーボネートの容積比(アセ
トニトリル:エチレンカーボネート)が1:4となるよ
うに混合し、これにテトラプロピルアンモニウムアイオ
ダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.06モル
/リットルとなるように混合して電解質層用混合物
(A)を得た。
【0070】前記で調製した電極を一方の電極とし、他
方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として
形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向
して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の
電解質層用混合物(A)を封入し、さらに電極間をリー
ド線で接続して光電気セル(A)を作成した。光電気セ
ル(A)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2
の強度の光を入射角90°で照射して、Voc(開回路状
態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の
密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定
した。
【0071】結果を表1に示した。
【0072】
【実施例2】[多孔質半導体膜(2-A-2)の形成]多孔質半導体膜形成用塗布液(2-A-2)の調製 実施例1と同様にして得られたチタニアコロイド粒子
(A)をエチルセロソルブに溶媒置換するとともに濃縮
して濃度10%分散液100gを調製し、これに、分光
増感色素としてルテニウム錯体(A-1)の濃度3×10-4
モル/リットルのエタノール溶液10gを添加してチタ
ニアコロイド粒子(A)に分光増感色素を吸着させ、つ
いで、前記ペルオキソチタン酸溶液を酸化物換算で、チ
タニア粒子に対して、重量比TiO2(粒子)/TiO2(ペ
ルオキソチタン酸)が9/1となるように混合し、ペル
オキソチタン酸溶液を混合し、ついでこの混合液中のチ
タンをTiO2換算し、TiO2重量の30重量%となる
ように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロース
を添加して半導体膜形成用塗布液(2-A-2)を調製し
た。
【0073】ついで、前記塗布液をインクカートリッジ
に充填し、これをフッ素ドープした酸化スズが電極層と
して形成された透明ガラス基板上にインクジェット法
(エプソン(株)製:インクジェットプリンター、MJ
500C)で印刷・塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧
水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照
射してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗
膜を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセ
ルロースの分解およびアニーリングを行って多孔質半導
体膜(2-A-2)を形成した。
【0074】得られた多孔質半導体膜(2-A-2)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。 [多孔質半導体膜(2-B-2)の形成]多孔質半導体膜形成用塗布液(2-B-2)の調製 実施例1と同様にして得られたチタニア粒子(B)をエ
チルセロソルブに溶媒置換するとともに濃縮して濃度1
0%分散液100gを調製し、これに、分光増感色素と
してルテニウム錯体(B-1)の濃度3×10-4モル/リッ
トルのエタノール溶液10gを添加してチタニア粒子
(B)に分光増感色素を吸着させ、ついで、前記ペルオ
キソチタン酸溶液を酸化物換算で、チタニア粒子に対し
て、重量比TiO2(粒子)/TiO2(ペルオキソチタン酸)
が9/1となるように混合し、この混合液中のチタンを
TiO2換算し、TiO2重量の30重量%となるように
膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加
して半導体膜形成用塗布液(2-B-2)を調製した。
【0075】ついで、前記塗布液をインクカートリッジ
に充填し、これをフッ素ドープした酸化スズが電極層と
して形成された透明ガラス基板上にインクジェット法
(エプソン(株)製:インクジェットプリンター、MJ
500C)で印刷・塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧
水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照
射してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。つ
いで塗膜を60℃で30分間熱ローラーをかけてアニー
リングを行って多孔質半導体膜(2-B-2)を形成した。
【0076】得られた多孔質半導体膜(2-B-2)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。光電気セルの(B)作成 実施例1において多孔質半導体膜(2-A-1)、多孔質半
導体膜(2-B-1)の代わりに多孔質半導体膜(2-A-2)、
多孔質半導体膜(2-B-2)を用いた以外は実施例1と同
様にして光電気セル(B)を作成した。
【0077】光電気セル(B)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表に示した。
【0078】
【実施例3】[多孔質半導体膜(2-A-3)の形成]酸化チタン粒子(C)の調製 5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度
5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加
し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を
分取し、濃アンモニア水を添加してpH10に調整し、
オートクレーブに入れ、250℃で15時間、飽和蒸気
圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(C)を
調製した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折
により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。
このアナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に
示す。
【0079】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-A-3)の
調製 次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(C)を用
いた以外は実施例1と同様にして半導体膜形成用塗布液
(2-A-3)を調製した。ついで、半導体膜形成用塗布液
(2-A-3)を用い実施例2と同様にして(インクジェッ
ト法で)多孔質半導体膜(2-A-3)を形成した。
【0080】得られた多孔質半導体膜(2-A-3)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。 [多孔質半導体膜(2-B-3)の形成]酸化チタン粒子(D)の調製 5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度
5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加
し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を
分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オ
ートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下
で水熱処理を行ってチタニア粒子(D)を調製した。得
られたチタニアコロイド粒子は、X線回折により結晶性
の高いアナターゼ型酸化チタンであった。このアナター
ゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に示す。
【0081】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-B-3)の
調製 次に、上記で得られたチタニア粒子(D)を用いた以外
は実施例1と同様にして半導体膜形成用塗布液(2-B-
3)を調製した。ついで、半導体膜形成用塗布液(2-B-
3)を用い実施例2と同様にしてインクジェット法で多
孔質半導体膜(2-B-3)を形成した。
【0082】得られた多孔質半導体膜(2-B-3)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。光電気セルの(C)作成 実施例1において多孔質半導体膜(2-A-1)、多孔質半
導体膜(2-B-1)の代わりに多孔質半導体膜(2-A-3)、
多孔質半導体膜(2-B-3)を用いた以外は実施例1と同
様にして光電気セル(C)を作成した。
【0083】光電気セル(C)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示した。
【0084】
【実施例4】光電気セル(D)の作成 実施例2において、チタニアコロイド粒子(A)に分光
増感材としてビピリジルルテニウム錯体(A-2)・[Ru(dc-
bpyH2)2(NCS)2]を吸着させ、チタニア粒子(B-1)に分光
増感材としてターシャルピリジルルテニウム錯体(B-
2)・(Ru(tc-terpyH3)(NCS)3)を吸着させた以外は実施例
2と同様にして光電気セル(D)を作成した。
【0085】光電気セル(D)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表に示した。
【0086】
【実施例5】光電気セルの(E)作成 実施例3において、半導体膜を形成した一方の電極基板
をホットプレート上に置き、この上に0.6gのCuIを
脱水アセトニトリル20mlに溶かしたCuI溶液を均
一に滴下して、厚さ約25μmの固体電解質層を形成
し、これを一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ド
ープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を
担持した透明ガラス基板を対向して 配置し、側面を樹
脂にてシールし、さらに電極間をリード線で接続して光
電気セル(E)を作成した。
【0087】光電気セル(E)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表に示した。
【0088】
【比較例1】 多孔質半導体膜(2-A)のみ 実施例1と同様にして半導体膜形成用塗布液(2-A-1)
を調製した。ついで、フッ素ドープした酸化スズが電極
層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液をス
クリーン印刷法で塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水
銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射
してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜
を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセル
ロースの分解およびアニーリングを行って多孔質半導体
膜(2-A-4)を形成した。
【0089】得られた多孔質半導体膜(2-A-4)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。分光増感色素の吸着 次に、実施例1で用いた分光増感色素(A-1)の溶液
を、rpm100スピナーを用いて、多孔質半導体膜(2-A-
4)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を
5回行った。得られた金属酸化物半導体膜の分光増感色
素の吸着量を表1に示す。
【0090】光電気セル(F)の作成 前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極とし
てフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その
上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、
側面を樹脂にてシールし、電極間に実施例1で用いた電
解質層用混合物(A)を封入し、さらに電極間をリード
線で接続して光電気セル(F)を作成した。
【0091】光電気セル(F)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示した。
【0092】
【比較例2】 多孔質半導体膜(2-B)のみ 実施例1と同様にして半導体膜形成用塗布液(2-B-1)
を調製した。ついで、フッ素ドープした酸化スズが電極
層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液をス
クリーン印刷法で塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水
銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射
してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜
を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセル
ロースの分解およびアニーリングを行って多孔質半導体
膜(2-B-4)を形成した。
【0093】得られた多孔質半導体膜(2-B-4)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。分光増感色素の吸着 次に、実施例1で用いた分光増感色素(B-1)溶液を、r
pm100スピナーを用いて、多孔質半導体膜(2-B-4)上へ
塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行っ
た。得られた金属酸化物半導体膜の分光増感色素の吸着
量を表1に示す。
【0094】光電気セル(G)の作成 前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極とし
てフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その
上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、
側面を樹脂にてシールし、電極間に実施例1で用いた電
解質層用混合物(A)を封入し、さらに電極間をリード
線で接続して光電気セル(G)を作成した。
【0095】光電気セル(G)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示した。
【0096】
【比較例3】[多孔質半導体膜(2-A-5)の形成]酸化チタン粒子(E)の調製 5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度
5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加
し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を
分取し、濃アンモニア水を添加してpH8に調整し、オ
ートクレーブに入れ、180℃で5時間、飽和蒸気圧下
で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(E)を調製
した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折によ
り結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。この
アナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に示
す。
【0097】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-A-5)の
調製 次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(E)を用
いた以外は実施例2と同様にして半導体膜形成用塗布液
(2-A-5)を調製した。ついで、半導体膜形成用塗布液
(2-A-5)を用い、実施例2と同様にして多孔質半導体
膜(2-A-5)を形成した。
【0098】得られた多孔質半導体膜(2-A-5)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。[多孔質半導体膜(2-B-5)の形成]酸化チタン粒子(F)の調製 5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度
5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加
し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン
酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を
分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オ
ートクレーブに入れ、250℃で2時間、飽和蒸気圧下
で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(F)を調製
した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折によ
り結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。この
アナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒子径を表1に示
す。
【0099】多孔質半導体膜形成用塗布液(2-B-5)の
調製 次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(F)を用
いた以外は実施例2と同様にして半導体膜形成用塗布液
(2-B-5)を調製した。ついで、半導体膜形成用塗布液
(2-B-5)を用い、実施例2と同様にして多孔質半導体
膜(2-B-5)を形成した。
【0100】得られた多孔質半導体膜(2-B-5)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。光電気セル(H)の作成 前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極とし
てフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その
上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、
側面を樹脂にてシールし、電極間に実施例1で用いた電
解質層用混合物(A)を封入し、さらに電極間をリード
線で接続して光電気セル(H)を作成した。
【0101】光電気セル(H)について、Voc、Joc、
FFおよびηを測定した。結果を表1に示した。
【0102】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る光電気セルの一実施例を
示す概略断面図を示す。
【符号の説明】
1…透明電極層 2…半導体膜 2-A…下層多孔質半導体膜 2-B…上層多孔質半導体膜 3…電極層 4…電解質層 5…透明基板 6…基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 村 政 嗣 奈良県御所市大字城山台166番地17 ビッ グテクノス株式会社本社工場内 (72)発明者 小 柳 嗣 雄 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 5F051 AA14 BA11 CB13 FA03 GA03 5H032 AA06 AS06 AS16 BB05 BB10 CC16 EE07 EE17 HH04 HH07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層
    (1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成
    されてなる基板と、 表面に電極層(3)を有する基板とが、 前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように
    配置してなり、半導体膜(2)と電極層(3)との間に
    電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、 半導体膜(2)が、基板上に形成された平均細孔径が2
    〜30nmの範囲にある多孔質半導体膜(2-A)とさら
    にその上に形成された平均細孔径が30〜400nmの
    範囲にある多孔質半導体膜(2-B)とからなり、 少なくとも一方の基板および外基板上の電極層が透明性
    を有していることを特徴とする光電気セル。
  2. 【請求項2】前記半導体膜(2-A)が光増感材として紫
    外/短波長可視光吸収錯体(A)を含有し、前記半導体
    膜(2-B)が光増感材として長波長可視光/赤外線吸収
    錯体(B)を含有していることを特徴とする請求項1に
    記載の光電気セル。
  3. 【請求項3】前記紫外/短波長可視光吸収錯体(A)が
    ジピリジル系ルテニウム化合物であり、長波長可視光/
    赤外線吸収錯体(B)が、ターシャルピリジル系化合物
    であることを特徴とする請求項2に記載の光電気セル。
  4. 【請求項4】前記半導体膜(2-A)の膜厚が10nm〜
    15μmの範囲にあり、前記半導体膜(2-B)の膜厚が
    0.5〜15μmの範囲にあることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の光電気セル。
  5. 【請求項5】前記半導体膜(2-A)および(2-B)が金属酸化
    物半導体膜であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の光電気セル。
  6. 【請求項6】前記半導体膜(2-A)および半導体膜(2-
    B)が、インクジェットプリンターで塗布液を印刷して
    形成された膜であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の光電気セル。
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