JP2014041967A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体型の色素増感型太陽電池において、太陽電池特性をより高める。
【解決手段】色素増感型太陽電池40は、色素を有する多孔質半導体層24を透明導電性基板14上に備えた光電極20と、少なくとも一部が多孔質半導体層24の細孔に充填された固体p型半導体層26と、固体p型半導体層26を挟んで光電極20と対向するように配置された対極30とを備えている。多孔質半導体層24の細孔径分布は、160nm〜1μmの範囲で最大値を示す。多孔質半導体層24を構成する材料と固体p型半導体層26を構成する材料との屈折率の差は、光の波長400nm〜1000nmの範囲において1以下であるか、又は、両材料の屈折率から求められるレイリー散乱断面積が光の波長400nm〜1000nmの範囲において0.1以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関する。
従来、固体型の色素増感型太陽電池としては、光電極と、正孔輸送層と、対極とを備えたものが知られている。光電極は、透明導電性基板と、この透明導電性基板上に設けられた多孔質の電子輸送層と、この電子輸送層に吸着した色素とを含んでいる。正孔輸送層は、光電極の電子輸送層側に設けられ、その一部が電子輸送層の細孔内に充填されている。対極は、正孔輸送層を挟んで光電極と対向するように配置されている。こうした色素増感型太陽電池において、特許文献1の実施例に記載されているように、電子輸送層を酸化チタン層とし、正孔輸送層をヨウ化銅層としたとき、酸化チタンの細孔径分布が40nm〜150nmの範囲で最大値を示す場合には、酸化チタンの細孔径分布が25nm以下の範囲で最大値を示す場合に比べて、高い発電効率を達成している。
特開2010−205753号公報
しかしながら、特許文献1のように、酸化チタンの細孔径分布が40nm〜150nmの範囲で最大値を示す場合、電子輸送層の細孔内に正孔輸送材料が十分充填されず、空隙が残るおそれがある。この空隙の屈折率はほぼ1であり、電子輸送材料の屈折率が2〜3であることを考えると、電子輸送材料と空隙との屈折率の差は1を超えるようになり、光の散乱が大きくなる。光の散乱が大きくなると、受光面から入射した光が色素増感型太陽電池の奥まで届かなくなり、その結果太陽電池特性が低下するという問題があった。なお、特許文献1の特許請求の範囲には、酸化チタンの細孔径分布が40nm〜2μmで最大値を示す点が記載されているが、実施例には、酸化チタンの細孔径分布が150nm以下で最大値を示すものしかサポートされていない。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、固体型の色素増感型太陽電池において、太陽電池特性を高めることを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、細孔径分布において細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示す電子輸送材料を用いて電子輸送層を形成し、電子輸送材料の屈折率と正孔輸送層を構成する正孔輸送材料の屈折率とが所定の関係を満たすときに太陽電池特性が高まることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の色素増感型太陽電池は、
色素を有する多孔質の電子輸送層を透明導電性基板上に備えた光電極と、
少なくとも一部が前記電子輸送層の細孔に充填された正孔輸送層と、
前記正孔輸送層を挟んで前記光電極と対向するように配置された対極と、
を備え、
前記電子輸送層は、細孔径分布において細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示し、
前記電子輸送層を構成する電子輸送材料と前記正孔輸送層を構成する正孔輸送材料との屈折率の差が光の波長400nm〜1000nmの範囲において1以下であるか、又は、前記電子輸送材料と前記正孔輸送材料との屈折率から求められるレイリー散乱断面積が光の波長400nm〜1000nmの範囲において0.1以下のものである。
本発明の色素増感型太陽電池によれば、太陽電池特性が向上する。こうした効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。すなわち、従来のように、細孔径分布において細孔径が150nm以下の範囲で最大値を示す電子輸送層では、電子輸送層の細孔に正孔輸送材料が充填される割合が低くなる。そのため、光励起して生成した正孔が電子輸送層の細孔に存在している正孔輸送材料を介して取り出されにくくなり、太陽電池の変換効率が低くなる。また、電子輸送層の細孔に正孔輸送材料が充填された状態での細孔の空隙率が高くなる。そのため、電子輸送層の屈折率と電子輸送層の細孔内の空隙部分の屈折率との差あるいはレイリー散乱断面積が大きくなる。その結果、入射した光が散乱されやすくなり、電子輸送層の奥まで光が届きにくくなり、太陽電池の変換効率が低くなる。これに対して、本発明では、電子輸送層は、細孔径分布において細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示すため、細孔に正孔輸送材料が充填される割合が高くなる。そのため、光励起して生成した正孔が電子輸送層の細孔に存在している正孔輸送材料を介して取り出されやすくなり、太陽電池の変換効率が高くなる。また、電子輸送層の細孔内の空隙部分が少ないため、そうした空隙部分による光の散乱が抑制される。更に、電子輸送層の屈折率と正孔輸送層の屈折率との関係が適正であるため、それによっても光の散乱が抑制される。その結果、入射した光が電子輸送層の奥まで届きやすくなり、太陽電池の変換効率が高くなる。
色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 他の色素増感型太陽電池モジュールの構成の概略の一例を示す断面図。 波長と屈折率との関係を示すグラフ。 波長と屈折率の差ΔNとの関係を示すグラフ。 波長とレイリー散乱断面積Cscaとの関係を示すグラフ。 実施例1及び比較例1の多孔質TiO2層の断面SEM像。 実施例1〜3のIPCEスペクトルを示すグラフ。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。なお、図1には、点線の枠で囲んだ部分の拡大図も併せて示した。図1に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池モジュール10は、透明導電性基板14上に複数の色素増感型太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセル40は直列に接続されている。この色素増感型太陽電池モジュール10では、各セル40の間を埋めるように、シール材32が形成されており、透明導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。本実施形態に係るセル40は、光が透過する透明基板11の表面に透明導電膜12が形成されている透明導電性基板14と、透明導電性基板14の透明導電膜12に直接形成されている電子輸送層としての多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24に隣接して設けられた固体の正孔輸送層としての固体p型半導体層26と、固体p型半導体層26及びセパレータ29を介して設けられた対極30と、を備えている。光電極20は、透明導電性基板14と、透明基板11の受光面13の反対側の面に分離形成された透明導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24の上に形成された色素層52と、を備えている。このセル40では、光電極20と対極30とが固体p型半導体層26を介して接続されているいわゆる固体型の色素増感型太陽電池として構成されている。このように、セル40では、有機溶媒等の電解液を介さずに発電可能な構成となっている。
透明導電性基板14は、透明基板11と透明導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものであり、シリコン太陽電池や液晶表示パネルに用いられているものを使用することができる。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)、等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この透明導電性基板14の透明導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介してセル40で発電した電力を利用することができる。
透明基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この透明基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。透明導電膜12は、例えば、透明基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な透明導電膜12を形成することができる。透明導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の透明導電膜12の領域が分離形成されている。
多孔質半導体層24は、n型半導体層により形成されている。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質半導体層24を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20が有するn型半導体層として好適である。多孔質半導体層24の細孔径分布は、細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示す。また、多孔質半導体層24の材料の平均粒径は、100nm〜600nmであることが好ましく、200nm〜400nmであることがより好ましい。このような材料を用いれば、細孔径分布において細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示すものを容易に得ることができる。
色素層52を形成する色素は、受光に伴い電子を放出する。色素は、多孔質半導体層24を構成するn型半導体の表面に吸着されている。この吸着は、化学吸着や物理吸着等によって行うことができる。具体的には、多孔質半導体層24を透明導電性基板14上に形成したのち、この多孔質半導体層24へ色素を含む溶液を滴下して乾燥する方法や、色素溶液に浸漬し乾燥する方法などにより作製することができる。この色素は、可視光領域および赤外光領域のうち少なくとも一方に吸収を持つ増感特性を有していれば特に限定されるものではない。色素は、より好ましくは、少なくとも200nm〜10μmの波長の光により励起されて電子を放出するものであればよい。色素としては、ロダニン系色素(例えば下記の色素1,2など)や、カルバゾール系色素、スクワリリウム系色素、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。また、色素としては、金属錯体を用いることもできる。金属錯体としては、例えば、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体等が挙げられる。
固体p型半導体層26は、正孔輸送層としてp型半導体によって構成されている。p型半導体としては、固体の正孔輸送層を形成するものとすればよく、例えば、有機正孔輸送材料や無機正孔輸送材料としてもよい。有機正孔輸送材料としては、例えば、Spiro−OMeTAD(2,2',7,7'-tetrakis(N,N-di-p-methoxyphenilamine)-9,9'-spirobifluorene)や、P3HT(Poly(3-hexylthiophene))などが挙げられる。また、無機正孔輸送材料としては、例えば、Cu化合物やNi化合物を含む半導体により形成された層としてもよい。このCu化合物としては、例えば、CuI、CuSCN、CuO、Cu2Oのうちいずれか1以上が挙げられる。また、Ni化合物としては、NiOなどが挙げられる。このうち、Cu化合物がより好ましく、CuIが更に好ましい。この固体p型半導体層26は、添加剤としてのイオン性液体を含んで作製されていることが好ましい。こうすれば、変換効率や耐久性など、太陽電池特性をより高めることができる。この添加剤は、例えば、p型半導体材料(例えばCu化合物)の濃度に対する添加剤の濃度の割合を0.6%以上12.5%以下とした溶液を用いて固体p型半導体層26に添加されていることが好ましい。この添加剤は、イミダゾリウム系カチオン、ピリジウム系カチオン、脂環式アミン系カチオン及び脂肪族アミン系カチオンのうちいずれか1以上のカチオンと、チオシアネート(SCN-)及びアイオダイド(I-)のうちいずれか1以上のアニオンとを含むイオン性液体を含むことが好ましい。例えば、トリエチルアミンヒドロチオシアネート(THT)や、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネート(EMISCN)、1−ブチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド(PMII)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート(BMISCN)などの液体が挙げられる。このうち、イミダゾリウム系カチオンとチオシアネートのアニオンを含むイオン性液体が好ましい。
多孔質半導体層24を構成する材料の屈折率N1と固体p型半導体層26を構成する材料の屈折率N2との差ΔN(=N1−N2)は、光の波長400nm〜1000nmの範囲において1以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。こうすれば、多孔質半導体層24に入射した光の散乱を抑制することができる。あるいは、屈折率の差ΔNの数値範囲を限定するのに代えて又は加えて、多孔質半導体層24を構成する材料と固体p型半導体層26を構成する材料との屈折率から求められるレイリー散乱断面積Csca(下記式、参考文献1:Solar Energy Materials & Solar Cells 93 (2009) 808-811,参考文献2:C. F. Bohren, D. R. Huffman, Absorption and Scattering of Light by Small Particles, Wiley, New Yor, 1998)が光の波長400nm〜1000nmの範囲において0.1以下、好ましくは0.05以下となるようにしてもよい。こうしても、多孔質半導体層24に入射した光の散乱を抑制することができる。以上のようにして光の散乱を抑制することにより、光の透過性を向上させ、光が多孔質半導体層24の奥まで進入することで太陽電池特性を向上させることができる。
Csca=(N1 2−N2 22/(N1 2+2N2 22
ここで、電子輸送材料と正孔輸送材料との組合せに対する、屈折率の差ΔNやレイリー散乱断面積Cscaの値を表1に示す。
また、多孔質半導体層24の細孔に固体p型半導体層26の一部が充填された状態での細孔の空隙率(充填後空隙率)は27%以下であることが好ましい。充填後空隙率は、多孔質半導体層24の細孔に固体p型半導体層26を充填する前の空隙率(充填前空隙率)から、多孔質半導体層24の断面に占める固体p型半導体層26の占有率を差し引いた値である。充填前空隙率は、窒素ガス吸着量測定によって求めることができる。占有率は、多孔質半導体層24の細孔に固体p型半導体層26を充填した後の断面SEM像から、多孔質半導体層全体に対する固体p型半導体層26の割合として求めることができる。充填後空隙率が27%以下の場合には、空隙部分(屈折率は約1)による光の散乱が抑制される。その結果、入射した光が多孔質半導体層24の奥まで届きやすくなり、太陽電池の変換効率が高くなる。充填後空隙率は、7〜27%であることがより好ましい。
セパレータ29は、多孔質半導体層24及び固体p型半導体層26が積層された光電極20の1つの側面に隣接するように断面I字状に形成されている。セパレータ29の一端は透明導電性基板14上の溝18と接触している。これにより、光電極20と対極30との直接接触が回避される。セパレータ29は、絶縁性の材料からなり、例えば、ガラスビーズ、二酸化ケイ素(シリカ)及びルチル型の酸化チタンなどで形成されていてもよい。このセパレータ29としては、シリカ粒子を焼結した絶縁体が好ましい。シリカ粒子は、屈折率が低く光散乱が小さく、良好な透明性を有するため、セパレータに好ましい。
対極30は、セパレータ29の外面と固体p型半導体層26の裏面27とに接触するよう、断面L字状に形成されている。この対極30は、固体p型半導体層26の裏面27に接続されていると共に、接続部21を介して隣側の透明導電膜12に電気的に接続されている。この対極30の裏面27と接触する面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び固体p型半導体層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。なお、対極30やセパレータ29などは、セル40の構成に合わせたものとすれば、どのような形状としてもよい。
シール材32は、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができる。このシール材32としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
保護部材34は、セル40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。この保護部材34は、省略してもよい。
このセル40に対して、透明基板11の受光面13側から光を照射すると、透明導電膜12の受光面15を介して光が多孔質半導体層24へ到達し、色素層52内の色素が光を吸収して電子と正孔が発生する。正孔は色素から固体p型半導体層26へ移動する。一方、電子は光電極20から透明導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。セル40では、この電子と正孔の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。
この色素増感型太陽電池モジュール10の製法について、以下に説明する。まず、複数の透明導電膜12の間に溝18を形成しつつ、透明導電膜12を透明基板11上に形成する。次に、透明導電膜12上に直接、多孔質半導体層24を形成する。多孔質半導体層24の形成方法は、例えば、バーコーター法、印刷法などを用いることができる。なお、多孔質半導体層24の前駆体層を形成したあと、更に、空気中等の酸素雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、この前駆体層を焼成して多孔質半導体層24を形成してもよい。次に、色素を多孔質半導体層24へ吸着させ、色素層52を多孔質半導体層24の表面に形成し、光電極20とする。例えば、色素層52は、有機色素を溶媒に溶解させた色素溶液を上記多孔質半導体層24へ供給し、乾燥固化して形成することができる。次に、固体p型半導体層26を色素層52の上に形成する。ここでは、説明の便宜のため、Cu化合物を用いる場合について説明する。この工程では、例えば、多孔質半導体層24上にCu化合物とイオン性液体とを含む溶液を供給し、乾燥させる工程を1回又は複数回行い、多孔質半導体層24にCu化合物及びイオン性液体を充填すると共に、多孔質半導体層24上に固体p型半導体層26を形成してもよい。この溶液は、有機溶媒にCu化合物とイオン性液体とを混合して作製してもよい。このとき、Cu化合物の濃度に対するイオン性液体の濃度の割合を0.6%以上12.5%以下とした溶液、より好ましくは3.0%以上10.0%以下とした溶液を用いる。なお、固体p型半導体層26には、イオン性液体が揮発せずに残留するが、セル40は、ほぼ全固体型の色素増感型太陽電池として作動する。続いて、溝18に合わせて光電極20の側面にセパレータ29を形成し、セパレータ29と固体p型半導体層26とに接するように対極30を形成する。対極30は、例えばカーボンとしてもよい。その後、各セルを覆うようにシール材32を形成すると共にシール材32に保護部材34を形成する。このようにして、セル40及び色素増感型太陽電池モジュール10を作製することができる。
以上詳述したセル40では、変換効率など、太陽電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。多孔質半導体層24の細孔径分布は細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示すため、固体p型半導体が細孔に充填しやすく、充填率が高い。そのため、光励起して生成した正孔が多孔質半導体層24の細孔に存在している固体p型半導体層26を介して取り出されやすくなり、太陽電池の変換効率が高くなる。また、多孔質半導体層24の細孔内の空隙部分が少なくなるため、そうした空隙部分による光の散乱が抑制される。更に、多孔質半導体層24の屈折率と固体p型半導体層26の屈折率との関係が適正であるため、それによっても光の散乱が抑制される。その結果、入射した光が電子輸送層の奥まで届きやすくなり、太陽電池の変換効率が高くなる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、色素増感型太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、単体のセル40としてもよい。セル40を単体とする場合は、対極30の断面をL字状ではなく、平板状に形成するものとしてもよい。
上述した実施形態では、透明導電膜12の上に直接多孔質半導体層24が形成されているものとしたが、特にこれに限定されず、透明導電膜12の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成し、この形成した酸化チタン膜を介して多孔質半導体層24が形成されているものとしてもよい。また、透明導電膜12の上に下地層を介して多孔質半導体層24が形成されているものとしてもよい。下地層は、例えば、透光性及び導電性のある材料が好ましく、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズなどのn型半導体などが挙げられ、このうち酸化チタンがより好ましい。こうしても、発電特性を向上することができる。
上述した実施形態において、図2に示すように、多孔質半導体層24を受光面側の層24aと対極側(受光面とは反対側)の層24bとに分け、細孔径分布において最大値を示すときの細孔径の値が、層24aに比べて層24bの方が大きくなるようにしてもよい。なお、細孔径分布において最大値を示すときの細孔径の値は、いずれも160nm〜1μmの範囲内とする。こうした構造は、例えば、層24aを平均粒径の小さな材料を用いて形成し、層24bを平均粒径の大きな材料を用いて形成することにより得ることができる。こうした構造を採用すれば、色素の吸着量が比較的多くなると共に光の透過性も比較的高くなるため、太陽電池の変換効率が高くなる。
以下には、本発明の色素増感型太陽電池を具体的に作製した例について説明する。
[実施例1]
固体p型半導体層(正孔輸送層)としてCuIを用い、多孔質半導体層(電子輸送層)としてTiO2を用い、色素として色素1(既述の化1参照)を用いた。まず、TCOガラス基板上に、平均粒径200nmのTiO2粒子を含むペーストを用いてスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、TiO2層基板を作製した。このときのTiO2層の細孔径分布において、最大値を示す細孔径は160nmであった。次に、上述した色素1を含む色素溶液を調製した。ここでは、色素1を0.3mM溶解したアセトニトリルとtert−ブチルアルコールとを混合した溶液を色素溶液とした。この色素溶液にTiO2層基板を浸漬し、25℃の温度条件の下で15時間放置した。このようにして、TiO2層基板に色素1を吸着させた基板、すなわち光電極を作製した。続いて、アセトニトリルにCuIを飽和させ、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネート(EMISCN)を添加してCuI溶液を調製した。続いて、40℃〜120℃のホットプレート上に、光電極をTiO2層が上になるように静置した。調製したCuI溶液を、色素が吸着したTiO2層の上に滴下し、CuI溶液に含まれる溶媒を蒸発させることにより、CuIを酸化チタン層の細孔へ充填させた。そして、このCuI層の上に、対極としてのPt箔を配置し、色素増感型太陽電池(図1参照)を作製した。
なお、酸化チタン層の細孔径分布において最大値を示す細孔径は、次のようにして求めた。酸化チタン膜の0.1g程度を用いて、液体窒素温度における窒素ガスの吸着等温線を測定した。細孔の形状を円筒形と仮定したBJH法によって、測定された吸着側の吸着等温線から細孔径分布を算出した。測定は、QUANTA CHROME社製のAUTOSORB−1を用いて行った。但し、細孔径分布の測定範囲は300nm程度までしかないため、300nmを超える細孔径分布についてはTiO2基板の断面SEM像で決定した。細孔径分布は、横軸を細孔径(nm)とし、縦軸を単位質量当たりの細孔容積としたグラフとした。この細孔径分布において、単位質量当たりの細孔容積の最大値に対応する細孔径を求め、これを細孔径分布において最大値を示す細孔径とした。
また、TiO2粒子の平均粒径は、XRDから得られた回折ピークの半値幅を用いて、Sherrerの式:d=0.9λ/(B・cosθ)(d:結晶径(平均粒径)、λ:X線波長、B:回折ピークの半値幅、θ:回折角)を用いて算出した。
[実施例2]
平均粒径400nmのTiO2粒子を含むペーストを用いてTiO2層基板を作製した以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。このときのTiO2層の細孔径分布において最大値を示す細孔径は1μmであった。
[実施例3]
TCOガラス基板上に、200nmのTiO2粒子を含むペーストを用いてスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、TiO2膜基板を作製した。続いて、このTiO2膜基板上に、新たに400nmのTiO2粒子を含むペーストを用いてスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、TiO2層基板を作製した。それ以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。このときのTiO2層は、受光面側の層と対極側(受光面とは反対側)の層の2層構造であり(図2参照)、細孔径分布において最大値を示すときの細孔径の値は、受光面側で160nm、対極側で1μmであった。
[実施例4]
平均粒径400nmのTiO2粒子を含むペーストを用いてTiO2層基板を作製したこと、色素1の代わりに色素2(既述の化1参照)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。このときのTiO2層の細孔径分布において最大値を示す細孔径は1μmであった。
[比較例1]
TiO2層の細孔径分布において最大値を示す細孔径を60nmとした以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
[比較例2]
固形のCuI層の代わりに、電解液を用いた以外は、実施例4と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。電解液は、ヨウ素及びヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムを溶解したγ−ブチロラクトンを用いた。なお、上記の実施例1〜4,比較例1〜2の細孔径は、ペースト内のバインダの種類や量、造孔材(有機系高分子)の粒径や添加量によって調整した。
[評価]
・屈折率
分光エリプソメータM−2000U(J・A・ウーラム・ジャパン社製)によって評価した。
・色素吸着量
色素吸着したTiO2基板を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドTMAH(0.1M)のエタノール溶液に浸漬した。これにより、TiO2層に吸着していた色素が溶液中で脱離することで、脱離した色素の溶液が得られた。得られた溶液を用いて、分光光度計(日立製作所社製U−3400)を用いて、吸収スペクトルの測定を行った。TiO2層から得られた色素の吸収スペクトルの吸光度と、色素の吸光係数を用いて、色素吸着量を算出した。
・変換効率
スーパーソーラシミュレータWXS−155S−L2,AM1.5GMM(ワコム電創社製)を擬似太陽光として用いて、1sun照射下での電流密度−電圧測定を行い、その測定結果に基づいて変換効率を求めた。
・外部量子収率(IPCE)
分光感度測定装置(分光計器社製)を用いて、IPCE特性を評価した。
・走査型電子顕微鏡(SEM)測定
日立ハイテクノロジーズ社製のS−3600Nを用いて反射電子像を観察した。
[評価結果]
実施例1〜3及び比較例1では、電子輸送材料としてTiO2、正孔輸送材料としてCuIを用い、比較例2では、電子輸送材料としてTiO2、正孔輸送材料として電解液を用いた。TiO2とCuIと電解液(比較例2)の、波長400nm〜1000nmにおける屈折率を図3のグラフに示す。また、TiO2とCuIとの屈折率の差ΔN及びTiO2と電解液(比較例2)との屈折率の差ΔNを図4のグラフに、TiO2とCuIとの屈折率に基づくレイリー散乱断面積Csca及びTiO2と電解液(比較例2)との屈折率に基づくレイリー散乱断面積Cscaを図5のグラフに示す。一般に、屈折率の差ΔNが小さいほど、また、レイリー散乱断面積Cscaが小さいほど、光が透過しやすくなることが知られている。正孔輸送材料としてCuIを用いた方が、電解液を用いた場合に比べて、屈折率の差ΔNが小さく(0.6以下)、レイリー散乱断面積Cscaも小さい(0.03以下)ことから、光が透過しやすい。つまり、CuIを用いた方が、受光面から入射した光が多孔質半導体層の奥まで到達しやすい。
実施例1,2及び比較例1の色素吸着量及び変換効率を表2に示す。比較例1に比べて実施例1,2の方が変換効率が高かった。その理由は、比較例1では細孔径(細孔径分布において最大値を示す細孔径)が60nmであり、細孔内へCuIが十分充填されなかったのに対して、実施例1,2では細孔径がそれぞれ160nm,1μmと大きく、細孔内へCuIが十分充填されたためと考えられる。細孔内へCuIが十分充填されていれば、屈折率の差ΔNやレイリー散乱断面積Cscaは上述したとおり小さくなるため、受光面から入射した光が多孔質半導体層の奥まで到達しやすくなり、変換効率が高くなったと考えられる。これに対して、細孔内へCuIが十分充填されていなければ、細孔内に空隙(屈折率は約1)が存在するため、実際の屈折率の差ΔNやレイリー散乱断面積Cscaは大きくなる。そのため、受光面から入射した光が多孔質半導体層の奥まで到達しにくくなり、変換効率が低くなったと考えられる。また、実施例2に比べて実施例1の方が変換効率が高くなった理由は、両者とも光の透過性は確保されているものの、実施例1よりも実施例2の色素吸着量が高かったためと考えられる。
表2には、実施例1及び比較例1の充填後空隙率も併せて示した。充填後空隙率は、多孔質TiO2層にCuIを充填する前の充填前空隙率から、CuI充填後の多孔質TiO2層におけるCuIの占有率を引いた値である。充填前空隙率は、窒素ガス吸着量測定の結果に基づいて算出した。CuIの占有率は、多孔質TiO2層の断面SEM像から、多孔質TiO2層全体に対するCuI部分の割合として求めた。図6は、実施例1及び比較例1の多孔質TiO2層の断面SEM像である。このSEM像の白い部分がCuIである。空隙率は、比較例1では、複数回測定して37〜57%であり、37%未満にはならなかったのに対して、実施例1では、複数回測定して7〜27%であり、27%を超えることはなかった。このことは、実施例1の方が、比較例1に比べて、CuIの充填性が向上して充填前の空隙が少ないことを意味している。
実施例3の色素吸着量及び変換効率も表2に示す。比較例1に比べて実施例3の方が変換効率が高かった。その理由は、実施例1,2と同じである。また、実施例1に比べて実施例3の方が変換効率が高かったのは、細孔径が1μmのTiO2層を備えているため細孔へのCuI充填率がより高くなり、それに伴って光の透過性がより高くなったためと考えられる。実施例2に比べて実施例3の方が変換効率が高かったのは、実施例2よりも実施例3の色素吸着量が高かったためと考えられる。つまり、実施例3は、高い色素吸着量、高い光の透過性によって変換効率が高くなったと考えられる。
実施例1〜3のIPCEスペクトルを図7に示す。一般に、電解液を用いた色素増感型太陽電池におけるIPCEスペクトルでは、光の散乱によって長波長側のIPCEスペクトルが拡大すると考えられている。実施例3は、実施例1,2と比較して、長波長側のIPCEスペクトルが拡大しておらず、IPCE値が全体に向上している。このことから、実施例1,2に比べて実施例3の変換効率が高いのは、光の散乱が抑制されて、光の透過性が高くなったためと推察できる。
実施例4及び比較例2の変換効率を表3に示す。比較例2に比べて実施例4の方が変換効率が高かった。比較例2では、TiO2と電解液との屈折率に基づく光の散乱によって、受光面から入射した光の透過性が低くなる。これにより、光が色素吸着TiO2層の奥まで進入できず、多くの色素を光励起できないため、太陽電池性能が低くなったと考えられる。一方、実施例4では、TiO2層の細孔内に、電解液の代わりにCuIが満たされているので、光の散乱が抑制されて光の透過性が高くなる。これにより、光が色素吸着TiO2層の奥まで進入できるようになり、より多くの色素が光励起されることで、太陽電池性能が高くなったと考えられる。
本発明の色素増感型太陽電池は、例えば家庭用、オフィス用、工場用の各種電化製品の電源や電気自動車、ハイブリッド自動車、電動自転車などのバッテリのほか、ソーラパネルなどに利用可能である。
10 色素増感型太陽電池モジュール、11 透明基板、12 透明導電膜、13 受光面、14 透明導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、24 多孔質半導体層、24a,24b 層、26 固体p型半導体層、27 裏面、29 セパレータ、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 色素増感型太陽電池(セル)、52 色素層。

Claims (6)

  1. 色素を有する多孔質の電子輸送層を透明導電性基板上に備えた光電極と、
    少なくとも一部が前記電子輸送層の細孔に充填された正孔輸送層と、
    前記正孔輸送層を挟んで前記光電極と対向するように配置された対極と、
    を備え、
    前記電子輸送層は、細孔径分布において細孔径が160nm〜1μmの範囲で最大値を示し、
    前記電子輸送層を構成する電子輸送材料と前記正孔輸送層を構成する正孔輸送材料との屈折率の差が光の波長400nm〜1000nmの範囲において1以下であるか、又は、前記電子輸送材料と前記正孔輸送材料との屈折率から求められるレイリー散乱断面積が光の波長400nm〜1000nmの範囲において0.1以下である、
    色素増感型太陽電池。
  2. 前記電子輸送層の細孔に前記電子輸送層の少なくとも一部が充填された状態での前記細孔の空隙率が27%以下である、
    請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記電子輸送層を構成する電子輸送材料と前記正孔輸送層を構成する正孔輸送材料との屈折率の差が光の波長400nm〜1000nmの範囲において0.7以下であるか、又は、前記レイリー散乱断面積が0.05以下である、請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記電子輸送材料はTiO2であり、前記正孔輸送材料はCuIである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 前記電子輸送層は、平均粒径100nm〜600nmの電子輸送材料で構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記電子輸送層のうち受光面側の細孔径分布が最大値を示すときの細孔径に比べて、受光面とは反対側の細孔径分布が最大値を示すときの細孔径の方が大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
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