JP2001185245A - 光電気セルおよび該光電気セルの半導体膜形成用塗布液 - Google Patents

光電気セルおよび該光電気セルの半導体膜形成用塗布液

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JP2001185245A JP37367399A JP37367399A JP2001185245A JP 2001185245 A JP2001185245 A JP 2001185245A JP 37367399 A JP37367399 A JP 37367399A JP 37367399 A JP37367399 A JP 37367399A JP 2001185245 A JP2001185245 A JP 2001185245A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルに圧力がかかっても半導体膜と対向する
電極層が接触することもなく、さらに電解質層を均一に
かつ極めて薄くすることが可能な光電気セルに関する。 【解決手段】表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層
(1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成
されてなる基板と、表面に電極層(3)を有する基板と
が、前記電極層(1)および電極層(3)が対向するよ
うに配置されてなり、半導体膜(2)と電極層(3)と
の間に電解質が封入されてなる光電気セルにおいて、
半導体膜(2)にスペーサ粒子が埋設され、かつ該スペ
ーサ粒子の少なくとも一部が電極層(3)と接触しうる
ように半導体膜(2)より露出されてなることを特徴と
する光電気セル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、セルに圧力がかかっても
半導体膜と対向する電極層が接触することもなく、さら
に電解質層を均一にかつ極めて薄くすることが可能な光
電気セルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】光電変換材料は光エネルギーを電
気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電
極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する材料である。光電変換材料に光を照射
すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動
し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして
移動して一方の電極に戻る。このようにエネルギー変換
が連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用され
ている。
【0003】一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を
コートしたガラス板などの支持体上に光電変換材料用半
導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の
透明性導電膜をコートしたガラス板などの支持体を備
え、これらの電極間に電解質を封入して構成されてい
る。光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に太陽光
を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起
する。この励起によって発生する電子は半導体に移動
し、次いで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電
極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移
動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、
半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態に
なっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によ
って還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が
連続的に流れることから太陽電池として機能する。
【0004】上記電極間に封入して用いられる電解質は
必要に応じて溶媒を用いて電解液とし、電気セルの側面
を樹脂などでシールしこれに封入して用いられる。この
ような光電気セルにおいて、電極間距離が小さくかつ一
定であると、電解質層を移動する電荷(電子)のエネル
ギー損失を小さくでき、セル全体が均一な光学特性およ
び電気特性を示すために見かけ上曲線因子(FF)およ
び形状因子が向上し、光電変換効率が向上することが期
待できる。
【0005】従来の光電気セル用電解液では、溶媒とし
て、水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオン
カーボネートなどのカーボネート類、リン酸エステル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-
メチルピロリドン、スルホラン66などの硫黄化合物、炭
酸エチレン、アセトニトリルなどが使用されていたが、
これらの溶媒は、電解液に使用したときに、長期間の使
用中に溶媒分子が変質または分解したり、飛散したり、
さらには電解液がシール部から漏出することによって、
光電気セルの光電変換効率性能が低下する、すなわち長
期安定性に劣るという欠点があった。
【0006】また、電解液に使用される電解質には、吸
湿作用があるものもあり、この電解質が吸湿した水分に
よって、電解質や光増感材が分解され、光電気セルの性
能が劣化することがあった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記電解質層を移動する電荷
のエネルギー損失を小さくでき、しかも光電変換効率の
向上した光電気セル、および光電気セルの半導体膜形成
用塗布液を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る光電気セルは、表面に電極
層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を
吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面
に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)お
よび電極層(3)が対向するように配置されてなり、半
導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質が封入され
てなる光電気セルにおいて、半導体膜(2)にスペーサ
粒子が埋設され、かつ該スペーサ粒子の少なくとも一部
が電極層(3)と接触しうるように半導体膜(2)より
露出されてなることを特徴としている。
【0009】
【発明の具体的な説明】以下、本発明に係る光電気セル
について具体的に説明する。 [光電気セル]本発明に係る光電気セルは、表面に電極
層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を
吸着した半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面
に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)お
よび電極層(3)が対向するように配置してなり、半導
体膜(2)と電極層(3)との間に電解質が封入してな
る光電気セルにおいて、半導体膜(2)にスペーサ粒子
が埋設され、かつ該スペーサ粒子の少なくとも一部が電
極層(3)と接触しうるように半導体膜(2)より露出
されてなることを特徴としている。
【0010】このような光電気セルとしては、たとえ
ば、図1に示すものが挙げられる。図1は、本発明に係
る光電気セルの一実施例を示す概略断面図であり、図1
中、参照数字1は透明電極層、2は半導体膜、3は還元
触媒能を有する電極層、4は電解質、5および6は基
板、7はスペーサ粒子を示す。図1に示される光電気セ
ルは、表面に透明電極層1を有し、かつ該透明電極層1
表面に、光増感材を吸着しかつスペーサ粒子が一部埋設
されてなる半導体膜2が形成されてなる基板5と、表面
に還元触媒能を有する電極層3を有する基板6とが、前
記電極層1および3が対向するように配置され、さらに
半導体膜2と透明電極層3との間に電解質が封入されて
なる電解質層4が設けられている。
【0011】透明基板5としてはガラス基板、PETな
どの有機ポリマー基板などの透明でかつ絶縁性を有する
基板を用いることができる。また、基板6としては、使
用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス
基板、PETなど有機ポリマー基板などの絶縁性基板の
他に、チタン、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属
からなる導電性基板を使用することができる。
【0012】さらに、本発明では半導体膜2と透明電極
層3との間にスペーサを介在させているため、透明基板
5、基板6にはPETフィルムなどの変形可能な基板を
用いることができ、また平板状以外の形状例えば半円筒
状などの形状の光電気セルとすることができる。透明基
板5表面に形成された透明電極層1としては、酸化錫、
Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよ
び/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化
アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極
用材料を使用することができる。
【0013】このような透明電極層1は、熱分解法、C
VD法などの従来公知の方法により形成することができ
る。また、基板6表面に形成された電極層3としては、
還元触媒能を有するものであれば特に制限されるもので
なく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸
化物等の電極材料、または酸化錫、Sb、FまたはPが
ドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドー
ピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導
電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着し
た電極、あるいはカーボン電極など従来公知の電極を用
いることができる。
【0014】このような電極層3は、基板6上に前記電
極材料を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて
形成するか、または導電性材料を熱分解法、CDV法等
の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層
上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公
知の方法により形成することができる。なお、基板6
は、透明基板5と同様に透明なものであってもよく、ま
た電極層3は、透明電極層1と同様に透明電極であって
もよい。
【0015】透明基板5および透明電極層1の可視光透
過率は高い方が好ましく、具体的には、透明基板と該透
明基板表面に形成された透明電極とからなる透明電極付
透明基板の可視光透過率が50%以上、特に好ましくは
90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50
%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。こ
れら透明電極層1および電極層3の表面抵抗は、各々1
00Ω/□以下であることが好ましい。電極層の表面抵
抗が100Ω/□を超えて高くなると光電変換効率が低
くなることがある。
【0016】半導体膜2は、基板6上に形成された電極
層3上に形成されていてもよい。この半導体膜2の膜厚
は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。な
お半導体膜2の膜厚とは、図3に示されるように、スペ
ーサ粒子の高さを含まない半導体膜の厚さである。半導
体膜2としては、無機半導体材料を用いて形成された無
機半導体膜、有機半導体材料を用いて形成された有機半
導体膜、有機無機ハイブリッド半導体膜などを用いるこ
とができる。
【0017】有機半導体材料としては、フタロシアニ
ン、フタロシアニン−ビスナフトハロシアニン、ポリフ
ェノール、ポリアントラセン、ポリシラン、ポリピロー
ル、ポリアニリンなど従来公知の化合物を挙げることが
できる。本発明の半導体膜2は、無機半導体材料を用い
て形成された無機半導体膜であることが好ましい。中で
も無機半導体材料として金属酸化物を用いた場合は、多
孔質で光増感材吸着量の高い金属酸化物半導体膜を得る
ことができるので好ましい。
【0018】このような金属酸化物半導体膜としては、
酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニ
オビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸
化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムから選ばれる少なく
とも1種または2種以上の金属酸化物の粒子からなる金
属酸化物半導体膜を挙げることができる。金属酸化物粒
子の平均粒子径は、5〜600nm、好ましくは10〜3
00nmの範囲にあることが望ましい。金属酸化物粒子の
平均粒子径が5nm未満であると、形成された金属酸化
物半導体膜にクラックが発生しやすく、このため、膜形
成を複数回行わないと、後述する膜厚を有するクラック
のない厚膜を形成することが困難になることがあり、さ
らに金属酸化物半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し光
増感材の吸着量が低下することもある。また、金属酸化
物粒子の平均粒子径が600nmを超えて大きい場合に
は、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがあ
る。
【0019】このような金属酸化物半導体膜を構成する
金属酸化物粒子は、従来公知の方法によって製造するこ
とができる。たとえば、上記金属の無機化合物塩あるい
は有機金属化合物を用い、ゾル・ゲル法によって水和金
属酸化物のゲルまたはゾルを作製し、必要に応じて酸ま
たはアルカリを添加したのち、ゾルまたはゲルを加熱・
熟成するなどの従来公知の方法で製造することができ
る。
【0020】前記金属酸化物粒子は、球状粒子であるこ
とが好ましい。粒子を構成する金属酸化物としては、ア
ナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ル
チル型酸化チタンの1種または2種以上からなる結晶性
酸化チタンが好ましい。結晶性酸化チタンはバンドギャ
ップが高く、かつ誘電率が高く、他の金属酸化物粒子に
比較して光増感材の吸着量が高く、さらに安定性、安全
性に優れ、膜形成が容易であるなど、優れた特性があ
る。
【0021】このような結晶性酸化チタン粒子の結晶子
径は、1〜50nm、好ましくは5〜30nmの範囲に
あることが望ましい。なお結晶性酸化チタン粒子の結晶
子径は、X線回折により各結晶形における結晶面のピー
クの半値幅を測定し、Debye-Scherrerの式により計算に
よって求めることができる。また、電界放射型透過型電
子顕微鏡写真(FE−TEM)の観察によっても求める
ことができる。
【0022】この結晶性酸化チタン粒子の結晶子径が1
nm未満の場合には粒子内の電子移動性が低下し、50
nmを超えて大きい場合は光増感材の吸着量が低下し、
光電変換効率が低下することがある。このような結晶性
酸化チタン粒子は、ゾル・ゲル法などで得られた含水チ
タン酸ゲルまたはゾルに、必要に応じて酸またはアルカ
リを添加したのち、加熱・熟成するなどの方法で得るこ
とができる。
【0023】また、結晶性酸化チタン粒子は、水和酸化
チタンゲルまたはゾルに、過酸化水素を添加して水和酸
化チタンを溶解してペルオキソチタン酸とした後、該ペ
ルオキソチタン酸にアルカリ、好ましくはアンモニアお
よび/または有機塩基を添加してアルカリ性にし、80
〜350℃の温度範囲で加熱・熟成することによって得
ることもできる。また、得られた結晶性酸化チタン粒子
を種粒子としてペルオキソチタン酸に添加した後、前記
工程を繰り返してもよい。さらに、必要に応じて350
℃以上の高温で焼成することもできる。
【0024】なお、「ペルオキソチタン酸」とは過酸化
水和チタンのことをいい、過酸化水和チタンは可視光領
域に吸収を有しており、チタン化合物の水溶液、または
水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加え、
加熱することによって調製される。水和酸化チタンのゾ
ルまたはゲルは、チタン化合物の水溶液に酸またはアル
カリを加えて加水分解し、必要に応じて洗浄、加熱、熟
成することによって得られる。使用されるチタン化合物
としては特に制限はないが、ハロゲン化チタン、硫酸チ
タニル等のチタン塩、テトラアルコキシチタン等のチタ
ンアルコキシド、水素化チタン等のチタン化合物を用い
ることができる。
【0025】本発明では、特に、結晶性酸化チタン粒子
として、ペルオキソチタン酸にアルカリを添加し、加熱
・熟成したものが好ましく使用される。このような結晶
性酸化チタン粒子は、平均粒子径が1〜600nmの範
囲にあるコロイド粒子が好ましい。なお、結晶性酸化チ
タン粒子の粒子径は、レーザードップラー式粒子径測定
機(日機装(株)製:マイクロトラック)によって測定
することができる。結晶性酸化チタン粒子の平均粒子径
が1nm未満であると、形成された金属酸化物半導体膜
にクラックが発生しやすく、少ない回数で後述する膜厚
を有するクラックのない厚膜を形成することが困難にな
ることがあり、さらに金属酸化物半導体膜の細孔径、細
孔容積が低下し光増感材の吸着量が低下することもあ
る。また、結晶性酸化チタン粒子の平均粒子径が600
nmを超えて大きい場合には、金属酸化物半導体膜の強
度が不充分となることがある。
【0026】また、金属酸化物粒子としては、コア粒子
と、該コア粒子の表面にシェル部が形成されたコア−シ
ェル構造を有する粒子を用いることもできる。本発明で
使用されるコア-シェル構造を有する金属酸化物粒子で
は、コア粒子を構成する金属酸化物の体積固有抵抗値
(Ec)と、シェル部を構成する金属酸化物の体積固有抵
抗値(Es)とが、 Ec<Es で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0027】コア粒子を構成する金属酸化物の体積固有
抵抗値(Ec)と、シェル部を構成する金属酸化物の体積
固有抵抗値(Es)とが、上記のような関係にあると、こ
のような金属酸化物粒子からなる半導体膜が形成された
光電気セルの光電変換効率が向上する。本発明で使用さ
れるコア粒子およびシェル部を構成する金属酸化物の特
に好ましい組合せとしては、コア粒子が、Fドープ酸化
スズ、Snドープ酸化インジウム、酸化インジウム、低
次酸化チタン(Ti23)、Alドープ酸化亜鉛などから
から構成され、前記シェル部に用いる金属酸化物として
は、アナタース(アナターゼ)型酸化チタン、ブルッカ
イト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンなどの結晶性酸
化チタンから構成されたものが好ましい。
【0028】シェル部がこのような結晶性酸化チタンか
ら構成されていると、バンドギャップが高く、かつ誘電
率が高く、他の金属酸化物に比較して光増感材の吸着量
が高く、さらに安定性、安全性に優れ、膜形成が容易で
あるなど、優れた特性がある。コア粒子の平均粒子径
は、2〜500nm好ましくは4〜250nmの範囲にあ
ることが好ましい。また、金属酸化物粒子を構成するシ
ェル部の厚みは、金属酸化物粒子の大きさにもよるが、
1〜150nm、好ましくは2〜100nmの範囲にある
ことが望ましい。
【0029】前記金属酸化物半導体膜2は、前記金属酸
化物粒子とともにバインダーを含んでいることが好まし
い。このようなバインダーとしては、ゾル・ゲル法など
で得られた水和酸化チタンゲルまたはゾルから得られる
酸化チタンバインダー、水和酸化チタンゲルまたはゾル
に過酸化水素を加えて水和酸化チタンを溶解したペルオ
キソチタン酸の分解物からなる酸化チタンバインダーな
どが挙げられる。これらのうち、ペルオキソチタン酸の
分解物からなる酸化チタンバインダーが好適である。
【0030】このようなバインダーが含まれていると、
金属酸化物(結晶性酸化チタン)粒子を含む緻密かつ均
一な半導体膜が得られる。この金属酸化物半導体膜は電
極との密着性を高い。さらに、このようなチタン酸化物
からなるバインダーを使用すると、金属酸化物粒子同士
の接触が点接触から面接触となり、電子移動性を向上さ
せることが可能となり、また、光増感材の吸着量を増大
させることができる。
【0031】金属酸化物半導体膜2中のバインダーと金
属酸化物粒子の比率は、酸化物換算の重量比(バインダ
ー/金属酸化物粒子)で0.05〜0.50、好ましくは
0.1〜0.3の範囲にあることが望ましい。重量比が
0.05未満では、可視光領域の光の吸収が不充分であ
り、さらに光増感材の吸着量の増加しない場合がある。
重量比が0.50を超えて高い場合は多孔質な金属酸化
物半導体膜が得られない場合があり、さらに光増感材の
吸着量を多くできないことがある。
【0032】金属酸化物半導体膜2は、細孔容積が0.
05〜0.8ml/g、好ましくは0.1〜0.7ml
/gにあることが望ましい。また、金属酸化物半導体膜
2は、平均細孔径が2〜250nm、好ましくは5〜5
0nmの範囲にあることが望ましい。細孔容積が0.0
5ml/gより小さい場合は光増感材の吸着量が低くな
り、また0.8ml/gを超えて高い場合には膜内の電
子移動性が低下して光電変換効率を低下させることがあ
る。また平均細孔径が2nm未満の場合は光増感材の吸
着量が低下し、250nmを超えて高い場合は電子移動
性が低下し光電変換効率が低下することもある。
【0033】本発明では、この半導体膜2にスペーサ粒
子7が埋設され、かつ該スペーサ粒子7の少なくとも一
部が電極層3と接触するように半導体膜2より露出して
いる。なお、スペーサ粒子7は、図1に示されるよう
に、電極層1と接触して半導体膜2に埋設されていても
よいが、図2に示されるように、電極層1と接触せず
に、半導体膜2中に浮遊した状態で半導体膜2に埋設さ
れていてもよい。図2は、本発明に係る光電気セルの別
の実施例を示す概略断面図であり、図2中の参照数字1
〜7は図1と同じである。
【0034】スペーサ粒子7としては、2つの電極間距
離あるいは半導体膜2と電極層3の距離を一定にするこ
とができ、半導体膜2と電極層3が使用時に接触しなけ
れば特に制限はなく、樹脂(プラスチック)、有機無機
複合体、金属酸化物あるいはセラミックス等からなる絶
縁性の従来公知の粒子を用いることができる。樹脂製の
スペーサ粒子としては、特公平7−95165号公報等
に開示された樹脂粒子などが挙げられる。
【0035】有機無機複合体のスペーサ粒子としては、
特開平7−140472号公報、特公平8−25739
号公報などに開示された金属アルコキシドを加水分解し
て得られる粒子が好適に用いられる。金属酸化物あるい
はセラミックス製のスペーサ粒子としては、特開平3−
218915号公報、特公平7−64548号公報等に
開示された真球状のシリカ、チタニアなどの粒子が好適
に用いられる。
【0036】またスペーサ粒子として、このような金属
酸化物粒子の表面に弾性被覆層が設けられたコア-シェ
ル構造を有するものも使用することができる。弾性被覆
層としては、アルキルアルコキシシランの加水分解物な
どから形成されて被覆増が挙げられる。さらに、以上の
ような粒子の表面に合成樹脂を融着した粒子もスペーサ
粒子として好適に用いることができる。このような粒子
としては、本願出願人によって特開昭63−94224
号公報に提案されたシリカ、チタニアなどの絶縁物質粒
子の表面を合成樹脂で被覆した粒子が好適である。特に
接着性の樹脂を被覆した粒子は電極層と接着することに
より固定され、移動することがなく有効にギャップ調整
あるいは応力吸収効果を発揮することができる。
【0037】本発明で使用されるスペーサ粒子は、疎水
性粒子または疎水性の表面を有していることが好まし
い。粒子表面が疎水性であると、後述する半導体膜形成
用塗布液を塗布、乾燥して半導体膜を形成した際に、半
導体膜から露出したスペーサ粒子の表面に半導体膜成分
が残存することがなく、仮に残存しても容易に除去する
ことができるため、半導体膜と対向する電極層が導通す
ることがない。
【0038】合成樹脂粒子または表面に合成樹脂が融着
した粒子では、合成樹脂がポリメチルメタクリレートな
どの疎水性樹脂であればそのままスペーサ粒子として使
用することができる。また、金属酸化物あるいはセラミ
ックス製粒子、および親水性樹脂からなる粒子のように
親水性の表面を有するものをスペーサ粒子として使用す
る場合は、CF3(CF2)3CH2CH2Si(CH3)Cl2
CH3(CF2)3CH2CH2Si(CH3)Cl2などのフッ素
化合物、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデンなど)を凍結微粉砕したものをメカ
ノヒュージョン(機械的エネルギーを加えて融着)して
得られたフッ素化合物、トリメチルシラン、ジメチルフ
ェニルシラン、ジメチルビニルシラン、ジメチルシラ
ン、メチルジエトキシシラン(CH3Si(OC25)
2H)、ジフェニルシラン、メチルシラン、フェニルシラ
ン、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン
等のテトラアルコキシシランなどのシランカップリング
剤等で表面処理するなど従来公知の方法で表面を疎水化
すればよい。
【0039】このようなスペーサ粒子の形状としては、
特に制限されるものではなく、球状、棒状などの形状で
あってよいが、特に球状粒子であることが望ましい。こ
のようなスペーサ粒子の平均粒子径は目的とする半導体
膜の厚さ、および電極間距離によって異なるが、1〜8
0μmの範囲、好ましくは10〜50μmの範囲にある
ことが望ましい。
【0040】このようなスペーサ粒子としては、弾性粒
子が好ましく、弾性の指標として10%K値は、50〜
5000Kgf/mm2、好ましくは100〜1000Kgf
/mm2の範囲にあることが望ましい。10%K値が5
0Kgf/mm2未満の場合は、粒子が柔らかすぎてセルに
圧力がかかったときに、容易に変形して均一なギャップ
を維持することができず、半導体膜2と電極層3とが接
触して、セル内が短絡してしまうことがあるので好まし
くない。10%K値が5000Kgf/mm2を越えるとス
ペーサ粒子が硬すぎるため、セルに圧力がかかった場合
に電極層3を損傷することがある。
【0041】なお、本明細書では、10個の粒子につい
て個々に10%K値を測定し、この平均値を10%K値
とする。 K(10%K値)=(3/21/2)・F・S-3/2・(D/2)-1/2 ・・・(1) (式中、Fは粒子の10%圧縮変形時の荷重値(Kg
f)、Sは粒子の10%圧縮変形時の圧縮変位(mm)、
Dは粒子直径(mm)を示す。) 具体的な側定条件としては、圧縮速度定数を1として、
粒子径に応じて(i)負荷速度を0.029〜0.27gf/s
ecの範囲で変更し、(ii)試験荷重を最大10gfとし
た。
【0042】また、スペーサ粒子の粒子径変動係数(C
V値)は20%以下であることが好ましい。CV値が2
0%を越えると、スペーサ粒子の粒子径のバラツキが大
きくなり、粒子径の大きいスペーサ粒子は、粒子径の小
さいスペーサ粒子に比べて、圧力が多くかかることにな
るので、スペーサ粒子が破壊されたり、さらにはスペー
サ粒子と接する電極層を損傷することがあるので好まし
くない。
【0043】本発明ではスペーサ粒子の粒子径分布は走
査型電子顕微鏡鏡(日本電子(株)製:JSM−530
0型)により、粒子の写真を撮影し、この画像中の25
0個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:I
P−1000)を用いて粒子径を測定する。なお、各粒
子径の変動係数(CV値)は250個の粒子の粒子径を
用いて下記式から計算によって得られる。 粒子径変動係数=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒径
(Dn))×100
【0044】
【数1】
【0045】また、10%K値は以下のようにして求め
られる。測定機として微小圧縮試験機(島津製作所製
MCTM−201)を用い、試料として粒子直径がDである1
個の粒子を用いて、試料に一定の負荷速度で荷重を負荷
し、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を変形さ
せ、10%変位時の荷重と圧縮変位(mm)を求める。次
いで、粒径および求めた圧縮荷重、圧縮変位を次に式
(1)に代入して計算によって求める。
【0046】このようにスペーサ粒子が埋設された半導
体膜は、後述するスペーサと被膜成分とを含む半導体膜
形成用塗布液を用いて、作製することができる。また、
スペーサ粒子を含まない以外は同様の組成の半導体膜形
成用塗布液を予め電極層表面に塗布し、ついで、スペー
サ粒子を含む前記した半導体膜形成用塗布液を塗布し、
最終的に形成される半導体膜の膜厚が0.1〜50μm
の範囲となるように塗布することもできる。このようす
れば、図2に示される半導体膜を形成することができ
る。また図2のような半導体膜では、スペーサ粒子が直
接、半導体膜を形成した基材と接触することがなく、必
要に応じて半導体膜の膜厚より小さな粒子径のスペーサ
粒子を用いることができる。このため半導体膜中に含ま
れているスペーサ粒子の比率を少なくすることができ
る。また、スペーサ粒子の比率が少なくなるので半導体
膜における光電変換効率が低下することない。図2に示
される半導体では、予めスペーサを含まない半導体膜を
形成したのち、スペーサ粒子を含む半導体膜を形成して
いるので、ギャップを調整する効果にも優れている。
【0047】塗布液の塗布方法としては、ディッピング
法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレ
キソ印刷、スクリーン印刷など従来公知の方法で塗布す
ることができる。乾燥温度は、分散媒を除去できる温度
であればよい。塗膜乾燥後、さらに必要に応じて塗膜に
紫外線を照射して、硬化させることができる。紫外線を
照射することによってバインダー成分の前駆体を分解し
て硬化することができる。なお、塗布液中に膜成形助剤
が含まれている場合には、塗膜硬化後、加熱処理して膜
成形助剤を分解してもよい。
【0048】本発明では、紫外線照射して塗膜を硬化さ
せた後に、O2、N2、H2、ネオン、アルゴン、クリプ
トンなど周期律表第0族の不活性ガスから選択される少
なくとも1種のガスのイオンを照射した後、アニーリン
グすることができる。イオン照射の方法はIC、LSI
を製造する際にシリコンウエハーへホウ素やリンを一定
量、一定深さに注入する方法等として公知の方法を採用
することができる。アニーリングは、200〜500
℃、好ましくは250〜400℃の温度で、10分〜2
0時間加熱することによって行われる。
【0049】これらのガスのイオン照射によって、金属
酸化物半導体膜内にこれらのイオンが残留することがな
く、金属酸化物粒子表面に欠陥が多く生成し、アニーリ
ング後の金属酸化物粒子の結晶性が向上するとともに粒
子同士の接合が促進され、このため光増感材との結合力
が高まるとともに吸着量が増加し、さらに粒子の接合の
促進により電子移動性が向上することによって光電変換
効率が向上する場合がある。
【0050】さらに、スペーサ粒子表面に半導体成分が
付着している場合、スペーサ粒子表面の半導体成分を除
去する操作を行ってもよい。本発明に係る光電気セルで
は、半導体膜2は光増感材を吸着している。光増感材と
しては、可視光領域および/または赤外光領域の光を吸
収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば
有機色素、金属錯体などを用いることができる。
【0051】有機色素としては、分子中にカルボキシル
基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン
基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知
の有機色素が使用できる。具体的には、メタルフリーフ
タロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色
素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシ
ン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレ
セイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの
有機色素は半導体膜への吸着速度が早いという特性を有
している。
【0052】また、金属錯体としては、特開平1-220380
号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロ
シアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス
(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-
(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレ
ート)ルテニウム、ルテニウム-シス-ジアクア-ビス(2,
2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニ
ウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-
カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、
鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、
鉄、亜鉛などの錯体を挙げることができる。これらの金
属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
【0053】上記の光増感材としての有機色素または金
属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体
の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と
金属錯体とを併用してもよい。このような光増感材の吸
着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した
溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の
方法により金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥
する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じ
て前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶
液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を
金属酸化物半導体膜に 吸着させることもできる。
【0054】光増感材を溶解させる溶媒としては、光増
感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、ア
ルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、エチルセルソルブ、N-メチルピロリドン、テト
ラヒドロフラン等を用いることができる。金属酸化物半
導体膜に吸着させる光増感材の量は、金属酸化物半導体
膜の比表面積1cm2あたり50μg以上であることが
好ましい。光増感材の量が50μg未満の場合、光電変
換効率が不充分となることがある。
【0055】本発明に係る光電池セルは、スペーサの一
部が埋設された半導体膜2と電極層3とを対向して配置
し、側面を樹脂などでシールし、電極間に電解質を封入
してなる電解質層4を設けている。電解質としては、電
気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少な
くとも1種の化合物との混合物が使用される。
【0056】電気化学的に活性な塩としては、テトラプ
ロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウ
ム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物として
は、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化
カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙
げられる。場合によってはこれらを混合して使用するこ
ともできる。
【0057】電解質層4中ではこのような電解質は、そ
れ自体が液体の場合、そのまま使用してもよいが、通
常、溶媒に溶解させて溶液状態で使用される。このとき
の電解質濃度は、電解質の種類、使用する溶媒の種類に
よっても異なるものの、通常0.1〜5モル/リットル
の範囲にあることが好ましい。また、使用される溶媒と
しては、従来公知の溶媒を用いることができ、具体的に
は水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカ
ーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピ
ロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄
化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラ
クトン等が挙げられる。
【0058】また本発明では、前記電解質層4に溶媒に
加えて液晶を用いることができる。液晶を用いた場合、
液晶の光散乱効果により、光の入射角が大きくなっても
受光量が大きく低下することがなく、安定的に光エネル
ギーを電気エネルギーに変換して取り出すことができ
る。また、入射光のうち光増感材の励起に与らずそのま
ま半導体膜によって反射された光が液晶の光散乱効果に
より再度半導体膜中の分光増感色素に照射され電気エネ
ルギーに変換されるので、光エネルギーの利用率が向上
するという効果が得られる。さらに、液晶として疎水性
を有する液晶を用いた場合、吸湿性を有する電解質のみ
を用いた場合に比較して吸湿作用が低下するため、吸湿
による電解質や光増感材、あるいは溶媒の分解による劣
化抑制され、この結果光電気セルの長期安定性が向上す
る。
【0059】液晶としては、半導体膜に吸着した光増感
材が脱着して溶解することのない程度に光増感材の溶解
度の低いものであれば特に制限はなく、従来公知の液晶
を用いることができる。このような液晶としては、温度
転移型液晶として従来公知のスメクティック液晶、ネマ
ティック液晶、コレステリック液晶などを用いることが
でき、さらに、濃度転移型液晶、高分子液晶、高分子分
散液晶、円盤状液晶などを用いることができる。なかで
も、フッ素原子を含む液晶を用いると、疎水性が高く長
期安定性に優れている。
【0060】本発明に係る光電気セルは、表面に電極層
1を有し、かつ該電極層1表面に光増感材を吸着した半
導体膜2が形成された基板5と、表面に還元触媒能を有
する電極層3を有する基板6とを、前記金属酸化物半導
体膜2および電極層3が対向するように配置して、側面
を樹脂にてシールし、金属酸化物半導体膜2と透明電極
層3との間に電解質4を封入し、さらに電極間をリード
線で接続することによって作製される。
【0061】上記のようにして得られる本発明に係る光
電気セルの電極間は、スペーサを介在させることによっ
て、1μmまで、好ましくは2μmまで小さくすること
ができる。電極間距離が1μmよりも小さくなると、電
極層表面の粗さにもよるが、電極層が接触することがあ
る。また電極間距離の上限は、80μm、好ましくは5
0μmである。電極間距離が80μmを越えると電極間
の電荷エネルギーの損失が高くなり、光電変換効率を向
上させる効果がみられない。
【0062】このような本発明に係る光電気セルは、半
導体膜と対向する電極の間にスペーサ粒子が介在されて
いるので、電極間距離を小さく一定にできるとともに、
電解質層を移動する電荷(電子)のエネルギー損失が小
さく、高い光電変換効率を有する。また、スペーサ粒子
が介在されているためにセルに圧力がかかっても半導体
膜と対向する電極層が接触することもなく、しかも電解
質層を均一かつ極めて薄くできるため、電解質の光吸収
による受光量の損失が少なく、また半導体膜の対向電極
側からの入射光によってもより有効に起電力を生じるの
で、薄型、あるいは薄型でフレキシブルなフィルム太陽
電池としても好適な光電気セルが得られる。
【0063】半導体膜形成用塗布液 本発明に係る光電気セル用半導体膜形成用塗布液は、前
記の半導体膜2を形成するための半導体膜形成成分とス
ペーサ粒子とが分散媒に分散されていることを特徴とし
ている。本発明の塗布液に用いる半導体膜形成成分とし
ては、前記した無機半導体材料、有機半導体材料、有機
無機ハイブリッド半導体材料などを用いることができ
る。
【0064】本発明の半導体膜形成用塗布液では、無機
半導体材料を用いることが望ましく、特に、無機半導体
材料として金属酸化物を用いると、多孔質で光増感材吸
着量の高い金属酸化物半導体を得ることができるので望
ましい。このような金属酸化物半導体材料としては、酸
化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオ
ビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化
亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムから選ばれる少なくと
も1種または2種以上の金属酸化物が例示される。
【0065】このような金属酸化物半導体材料は、前記
した金属酸化物粒子が好適に使用される。また、このよ
うな金属酸化物粒子として、前記したコア-シェル構造
を有する金属酸化物粒子であって、シェル部が結晶性酸
化チタンから構成されたものも使用することができる。
【0066】また、スペーサ粒子としては、前記したよ
うな球状スペーサ、棒状スペーサ等が使用でき、樹脂
(プラスチック)、有機無機複合体、金属酸化物あるい
はセラミックス等からなる絶縁性の従来公知の粒子を用
いることができる。またスペーサ粒子として、このよう
な金属酸化物粒子の表面に弾性被覆層が設けられたコア
-シェル構造を有するものも使用することができる。
【0067】さらに、以上のような粒子の表面に合成樹
脂を融着した粒子もスペーサ粒子として好適に用いるこ
とができる。本発明で使用されるスペーサ粒子は、前記
したように疎水性の表面を有していることが好ましい。
粒子表面が疎水性であると、前述したスペーサを含む半
導体膜形成用塗布液を塗布、乾燥して半導体膜を形成し
た際に、半導体膜から露出したスペーサ粒子の表面に半
導体膜成分が残存することがなく、仮に残存しても容易
に除去することができるので、半導体膜と対向する電極
層が導通することがない。
【0068】このようなスペーサ粒子としては、特に、
球状粒子であることが好ましく、該粒子の平均粒子径が
1〜80μmの範囲、好ましくは10〜50μmの範囲
にあることが望ましい。さらに本発明に係る半導体膜形
成用塗布液は、前記半導体膜形成成分およびスペーサ粒
子とともに前記のバインダー成分を含んでいることが好
ましい。
【0069】このような酸化チタンバインダー成分とし
ては、ゾル・ゲル法などで得られた水和酸化チタンゲル
またはゾル、水和酸化チタンゲルまたはゾルに過酸化水
素を加えて含水チタン酸を溶解したペルオキソチタン酸
などが挙げられる。このうち、特にペルオキソチタン酸
が、バインダー成分として、好ましく使用される。
【0070】金属酸化物半導体膜形成用塗布液中の酸化
チタンバインダー成分と結晶性酸化チタン粒子の比率
は、TiO2換算の重量比(酸化チタンバインダー成分
/結晶性酸化チタン粒子)で0.03〜0.50、好まし
くは0.1〜0.3の範囲にあることが望ましい。重量比
が0.03未満では、得られる半導体膜の強度や電極層
との密着性が不充分となることがあり、さらに光増感材
の吸着量の増加しない場合がある。重量比が0.50を
超えて高い場合は多孔質な半導体膜が得られない場合が
あり、このため光増感材吸着量が向上しないことがあ
り、さらに電子移動性が向上しないことがある。
【0071】このようなバインダー成分および半導体膜
形成成分としての金属酸化物粒子は、光電気セル用半導
体膜形成用塗布液中に、バインダー成分をMOX(1)で
表し、金属酸化物粒子をMOX(2)で表したときの濃度
が(MOX(1)+MOX(2))として1〜30重量%、好
ましくは2〜20重量%の濃度で含まれていることが望
ましい。
【0072】本発明に係る光セル用半導体膜形成用塗布
液の分散媒としては、バインダー成分、金属酸化物粒子
およびスペーサ粒子が分散でき、かつ乾燥した際に除去
できるものであれば特に制限はなく使用することができ
るが、水と相溶性のものが好ましく、特にアルコール類
が好ましい。前記したスペーサ粒子は光電気セル用半導
体膜形成用塗布液中の被膜形成成分を酸化物に換算した
ときに、被膜形成成分に対し、0.01〜0.5重量%の
範囲にあることが好ましい。
【0073】塗布液中のスペーサ粒子の量が、0.01
重量%未満の場合はスペーサ粒子の(半導体膜表面で
の)密度が低すぎて、セルが湾曲・変形等した場合に対
向する電極と接触し、電極の破損あるいは導通が起こる
ことがある。なお、スペーサ粒子の量が0.5重量%を
越えるとスペーサ密度が高すぎて半導体膜の受光量が低
下し光電変換効率が低下する傾向にある。
【0074】さらにまた、本発明に係る光電気セル用半
導体膜形成用塗布液には、必要に応じて膜形成助剤が含
まれていてもよい。膜形成助剤としてはポリエチレング
リコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピル
セルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、
エチルセルロース等が挙げられる。このような膜形成助
剤が塗布液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くな
り、これにより均一に乾燥した膜が得られ、さらに半導
体膜形成用の金属酸化物粒子が被膜中に緻密に充填され
て、嵩密度が高くなり、電極との密着性の高い金属酸化
物半導体膜を得ることができる。
【0075】塗布液は、最終的に形成される半導体膜の
膜厚が0.1〜50μmの範囲で塗布されることが望ま
しい。塗布液の塗布方法としては、前記したようにディ
ッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター
法、フレキソ印刷、スクリーン印刷など従来公知の方法
で塗布することができる。
【0076】また、塗布後の塗膜には、必要に応じて紫
外線を照射して、硬化させてもよく、さらに、塗布液中
に膜成形助剤が含まれている場合には、塗膜硬化後、加
熱処理して膜成形助剤を分解してもよい。さらにまた、
紫外線照射して塗膜を硬化させた後に、O2、N2
2、ネオン、アルゴン、クリプトンなど周期律表第0
族の不活性ガスから選択される少なくとも1種のガスの
イオンを照射した後、アニーリングしてもよい。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、スペーサ粒子の一部が
埋設された半導体膜がスペーサ粒子を介在させて電極層
と対向しているために電極間距離を小さく一定にでき、
電解質層を移動する電荷(電子)のエネルギー損失が小
さく、セル全体が均一な光学特性および電気特性を示す
ために見かけ上曲線因子(FF)および形状因子が向上
し、このため高い光電変換効率を有し、また、スペーサ
が介在しているためにセルに圧力がかかっても半導体膜
と対向する電極層が接触することもなく、さらに電解質
層を均一にかつ極めて薄くできるため、電界質による光
吸収が少なく、また半導体膜の対向電極側からの入射光
によってもより有効に起電力を生じ、このため薄型のあ
るいは薄型でフレキシブルなフィルム太陽電池としても
好適に使用できる光電気セルが得られる。
【0078】
【実施例】以下、実施例により説明するが、本発明はこ
れらの実施例により限定されるものではない。
【0079】
【製造実施例】a)スペーサ粒子の調製 シリカ粒子(1) エタノール3685.5g、純水1365gおよび濃度
28重量%のアンモニア水921.5gからなる混合溶
液に、シリカ粒子(触媒化成工業(株)製:SW−5.
0、平均粒子径5.0μm、10%K値4800Kgf/m
m2)249gを分散させた後、1重量%のNaOH水溶
液161gを加え、超音波処理してシード粒子分散液を
調製した。
【0080】このシード分散液をオートクレーブに入
れ、120℃に加熱し、この温度を保ちながら、まず珪
酸ソーダ水溶液を陽イオン交換樹脂により脱アルカリし
て得られた珪酸液(SiO2濃度5.0重量%)4gを添
加してシード表面に珪酸の重合物層を形成した。次に、
珪酸の重合物層が形成されたシード分散液に、エタノー
ルと水とアンモニアとの混合液(エタノール:水:アン
モニア重量比=1.0:0.3:0.1)131.5gおよ
びエチルシリケート(SiO2として濃度28重量%)2
1gを同時に添加し、珪酸重合物層の表面にエチルシリ
ケート加水分解物の層を形成した。
【0081】この珪酸重合物層とエチルシリケート加水
分解物層とを形成する操作を繰り返し、かつ得られるシ
リカ粒子の最外層が珪酸液による重合物の層となるよう
にして、5時間かけて、珪酸液を120.5g、前記と
同様の配合比のエタノールと水とアンモニアとの混合液
3937.5gおよびエチルシリケート625gを添加
した。全量添加後、1重量%のNaOH水溶液117g
を加えた後、150℃で1時間保持して、シリカ粒子分
散液を調製した。ついで、この分散液から粒子を分離
し、洗浄した後、200℃で乾燥してシリカ粒子(1)を
調製した。
【0082】ポリオルガノシロキサン粒子(2)の調製シード粒子分散液の調製 内容積20リットルの容器に純水13,162gを入
れ、攪拌しながら0±1℃に液温を調節した。さらに、
あらかじめ温度5℃に調整したメチルトリメトキシシラ
ン1,500gを静かに加え、メチルトリメトキシシラ
ンと純水が上下2層に分離した状態とした。その後、上
層のメチルトリメトキシシランの温度が1±1℃になる
まで攪拌しながら冷却した。
【0083】別途、純水279.2gにイソブチルアル
コール6.98gと濃度28重量%のアンモニア水2.
70gを加え、これにアニオン系界面活性剤(オクチル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム)15.0gを加え、
温度を5±1℃に調整した界面活性剤混合溶液を調製し
た。得られた界面活性剤混合溶液を、上記上下2層に分
離した下層(水層)に、上層と下層とが完全に混合しな
い程度に攪拌しながら、60分かけて添加した。
【0084】添加後、引き続き2時間攪拌を継続して、
メチルトリメトキシシランの加水分解で得られたシード
粒子の分散液を調製した。このシード粒子分散液から一
部を採取し、シード粒子を分離したのち、洗浄し、つい
で110℃で2時間乾燥してシード粒子の粉末を得た。
得られたシード粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、
粒径分布および粒径変動係数CV値を測定した。その結
果、平均粒径は5.2μmであり、CV値は2.4%で
あった。
【0085】シード粒子の成長 上記のようにして調製したシード粒子の分散液14,9
66gを、液温を0±1℃に維持しながら、メチルトリ
メトキシシラン6,008gと、5±3℃に温度調整し
た純水233,528g、イソブチルアルコール589
g、濃度28重量%のアンモニア水4.8gの混合液を
それぞれ24時間かけて添加して、メチルトリメトキシ
シランの加水分解物からなるポリオルガノシロキサン微
粒子分散液を調製した。
【0086】ポリオルガノシロキサン微粒子の加熱処理 分散液からポリオルガノシロキサン微粒子を分離し、洗
浄し、ついで110℃で2時間乾燥した。ついで、10
%のアンモニアガスを含む窒素ガス雰囲気下、440℃
で3時間加熱処理してポリオルガノシロキサン微粒子を
得た。得られたポリオルガノシロキサン微粒子につい
て、粒径分布、粒径変動係数CV値および10%K値を
求めた。
【0087】結果を表1に示す。 コア−シェル構造を有するスペーサ粒子(3)の調製 シリカ粒子(触媒化成工業(株)製:SW−5.0、平
均粒子径5.0μm、粒子径変動係数1.0%、10%
K値4800kgf/mm2)100gを、2000gの純水
に分散させ、濃度1重量%のNaOH水溶液を加えて分
散液のpHを10に調整した。その後、この分散液を8
0℃に昇温し60分間加熱撹拌を行った。次いで30℃
まで冷却してイオン交換樹脂100gを加え、分散液を
撹拌しながらアルカリを充分に除去し、シリカ粒子を分
離して洗浄し、次いで110℃で乾燥して活性化した球
状コア粒子を得た。
【0088】疎水性コア粒子の調製 得られた球状コア粒子50gをメチルアルコール333
gに分散させ超音波を照射して球状コア粒子を単分散さ
せ、分散液を撹拌しながら、これにへキサメチルジシラ
ザン25gとメチルアルコール25gの混合溶液を添加
し、12時間撹拌した後、分離しアルコールにて洗浄
し、次いで80℃で2時間乾燥して疎水性核粒子を得
た。
【0089】弾性被覆層(シェル)の形成 上記疎水性コア粒子10gを濃度5重量%のn−ブタノ
ール水溶液526gに分散させ、この分散液に界面活性
剤としてオクチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
1.2gを加え、超音波を照射しながらメチルトリメト
キシシラン60gを添加して、下層が疎水性核粒子の分
散液層であり、上層がメチルトリメトキシシランの層で
ある、2層に分離した分散液を調製した。次いで、濃度
0.28重量%のアンモニア水溶液12.0gを疎水性核
粒子の分散液層に、上層と下層が完全に混合しない程度
に撹拌しながら2時間かけて添加した。アンモニア水溶
液の添加後メチルトリメトキシシランの上層がなくなる
までさらに約2時間撹拌を行いながらメチルトリメトキ
シシランの加水分解を行い、核粒子上にポリオルガノシ
ロキサンによる弾性被覆層を形成した。反応終了後、残
存したゲルを除去した後、80℃で12時間静置した。
得られた粒子を取り出しエタノールにて洗浄し、次いで
80℃で2時間乾燥した後、300℃で3時間空気中で
加熱処理して、シェル部が弾性被覆層からなるコア−シ
ェル構造粒子(3)を得た。
【0090】樹脂被覆シリカ粒子(4) 樹脂被覆粒子(触媒化成工業(株)製 AW−2−8:
平均粒子径8.0μmのシリカ粒子に厚さ0.15μmの
ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂を被覆した
粒子)を使用した。(120℃軟化樹脂) 樹脂粒子(5) 500mlコルベンに、5%ポリビニルアルコール水溶
液125mlを仕込み、ジビニルベンゼン31.3g、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート31.3
g、およびベンゾイルパーオキサイド1.25gの溶解
混合モノマーを加え、80℃に昇温して10時間重合反
応を行い、さらに95℃で1時間重合反応を継続した。
反応終了後、熱水で洗浄した。これを分級して用いた。
【0091】コア−シェル構造を有する粒子(6) で調製した疎水性核粒子(平均粒子径7.2μm)1
0gを、濃度5重量%のn-ブタノール水溶液5000g
に分散させ、この分散液に界面活性剤としてオクチルナ
フタレンスルフォン酸ナトリウム1.2gを加え、超音
波を照射しながらメチルトリメトキシシラン5000g
を添加して、下層が疎水性核粒子の分散液層であり上層
がメチルトリメトキシシランの層である、2層に分離し
た分散液を調製した。次いで濃度0.28重量%のアン
モニア水溶液120gを疎水性核粒子の分散液層に、上
層と下層が完全に混合しない程度に撹拌しながら5時間
かけて添加した。アンモニア水溶液の添加後メチルトリ
メトキシシランの上層がなくなるまでさらに約2時間撹
拌を行いながらメチルトリメトキシシランの加水分解を
行い、粒子成長を行った。
【0092】反応終了後、残存したゲルを除去した後、
80℃で12時間静置した。得られた粒子を取り出しエ
タノールにて洗浄し、次いで80℃で2時間乾燥した
後、300℃で3時間空気中で加熱処理をしてシェル部
が弾性被覆層からなる粒子(6)を得た。b)半導体膜用チタン粒子の調製 チタン粒子(A)の調製 18.3gの4塩化チタンを純水で希釈して、TiO2
算で1.0重量%含有する水溶液を得た。この水溶液を
撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加
し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを
濾過洗浄し、TiO2換算で、10.2重量%の水和酸
化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過
酸化水素水400gを混合し、ついで80℃に加熱して
ペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液全量か
ら90体積%を分取し、これに濃アンモニア水を添加し
てpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で
5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってコロイド状酸
化チタン粒子(A)を調製した。得られた粒子はX線回
折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであり、
結晶子径は5.5nm、平均粒子径は15nmであっ
た。
【0093】
【実施例1】金属酸化物半導体膜の形成 製造実施例で得られたコロイド状酸化チタン粒子(A)
を濃度10%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン
酸溶液を、ペルオキソチタン酸とコロイド状酸化チタン
粒子(A)をTiO2換算したときの重量比(ペルオキ
ソチタン酸/酸化チタン粒子)が、0.1となるように
混合し、ついでスペーサ粒子として製造実施例で得たシ
リカ粒子(1)を、この混合液中のチタンをTiO2換算
し、TiO 2重量の0.05重量%となるように混合し、
ついでTiO2重量の30重量%となるように膜形成助
剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導
体膜形成用塗布液を調製した。
【0094】次いで、フッ素ドープした酸化スズからな
る電極層が表面に形成された透明ガラス基板上に前記塗
布液を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを
用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射して、ペル
オキソチタン酸を分解させ、塗膜を硬化させた。次いで
塗膜を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピル
セルロースの分解およびアニーリングを行って金属酸化
物半導体膜(A)を形成した。
【0095】得られた金属酸化物半導体膜(A)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。光増感材の吸着 次に、光増感材としてシス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピ
リジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で表
されるルテニウム錯体の濃度3×10-4モル/リットル
のエタノール溶液を調製した。この光増感材溶液を、rp
m100スピナーを用いて、金属酸化物半導体膜(A)上へ
塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行っ
た。金属酸化物半導体膜への光増感材の吸着量を表1に
示す。
【0096】光電気セルの作成 アセトニトリルとエチレンカーボネートの容積比(アセ
トニトリル:エチレンカーボネート)が1:4となるよ
うに混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオ
ダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.06モル
/リットルとなるように混合して電解質溶液(A)を調
製した。
【0097】前記の金属酸化物半導体膜(A)が形成さ
れた電極を有する透明ガラス基板と、フッ素ドープした
酸化スズからなる層を形成し、その上に白金を蒸着させ
た透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシ
ールし、電極間に上記の電解質溶液(A)を封入し、さ
らに電極間をリード線で接続して光電気セル(A)を作
成した。
【0098】光電気セル(A)は、ソーラーシュミレー
ターで100W/m2の強度の光を入射角90°(セル
面と90°)で照射して、Voc(開回路状態の電圧)、
Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF
(曲線因子)およびη(変換効率)を測定した。また、
光電気セル(A)を乾燥機中、75℃で500時間処理
し、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の
光を入射角90°の条件でη(変換効率)を測定し長期
安定性を評価した。
【0099】結果を表1に示す。
【0100】
【実施例2〜6】スペーサ粒子として、シリカ粒子
(1)の代わりに、製造実施例で得たポリオルガノシロ
キサン粒子(2)、コア−セル構造粒子(3)、樹脂被
覆シリカ粒子(4)、樹脂粒子(5)および弾性被覆層
を形成した粒子(6)を各々用いた以外は実施例1と同
様にして光電気セル(B)〜(F)を作成し、実施例1
と同様の評価を実施した。
【0101】結果を表1に示す。
【0102】
【実施例7】金属酸化物半導体膜の形成 製造実施例で得られたコロイド状酸化チタン粒子(A)
を濃度10%まで濃縮し、これに前記ペルオキソチタン
酸溶液を、ペルオキソチタン酸とコロイド状酸化チタン
粒子(A)をTiO2換算したときの重量比(ペルオキ
ソチタン酸/酸化チタン粒子)が0.1となるように混
合して混合液を調製し、その混合液中のチタンをTiO
2換算し、TiO2重量の0.2重量%となるように、ス
ペーサ粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製:
SW−2.0、平均粒子径2.0μm、10%K値480
0Kgf/mm2)を混合し、ついでTiO2重量の30重量%
となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセル
ロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。
【0103】次いで、フッ素ドープした酸化スズが電極
層として形成された透明ポリイミドフィルム基板上に前
記塗布液を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ラン
プを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペ
ルオキソチタン酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜
を350℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセル
ロースの分解およびアニーリングを行って金属酸化物半
導体膜(B)を形成した。
【0104】得られた金属酸化物半導体膜(B)の膜厚
および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径
を表1に示す。光増感材の吸着 次に、実施例1と同様にして、光増感材溶液を、rpm100
スピナーを用いて、金属酸化物半導体膜(B)上へ塗布
して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。
金属酸化物半導体膜への光増感材の吸着量を表1に示
す。
【0105】光電気セルの作成 アセトニトリルとエチレンカーボネートと液晶としてp
-シアノフェニルペンチルピリミダイン(p-cyanophenyl
-penntylpyrimidine)とを、容積比(アセトニトリル:
エチレンカーボネート:p-シアノフェニルペンチルピ
リミダイン)が1:4:5となるように混合した溶媒
に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドを0.4
6モル/リットル、ヨウ素を0.06モル/リットルと
なるように混合して電解質溶液(B)を調製した。
【0106】金属酸化物半導体膜(B)を形成した電極
を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした
酸化スズからなる層の上に白金を蒸着させたPETフィ
ルム基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、
電極間に上記の電解質溶液(B)を封入し、さらに電極
間をリード線で接続して光電気セル(G)を作成し、実
施例1と同様の評価を実施して結果を表に示した。さら
に評価中に、光電気セルの中央部を加圧し、幅5cmに
対して深さ5mmとなるまで湾曲させたが性能に変化は
認められなかった。
【0107】
【比較例1】実施例1において、シリカ粒子(1)を使
用することなく電極間距離が約10μmの光電気セル
(H)を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。結
果を表1に示す。
【0108】
【比較例2】比較例1と同様にして電極間距離が約10
0μmの光電気セル(I)を作成し、実施例1と同様の
評価を実施した。結果を表1に示す。
【0109】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る光電気セルの一実施例を
示す概略断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る光電気セルの別の実施例
を示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る光電気セルにおける半導
体膜の厚さを示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・透明電極層 2・・・・・・・半導体膜 3・・・・・・・還元触媒能を有する電極層 4・・・・・・・・電解質 5および6・・・・基板 7・・・・・・・・スペーサ粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層
    (1)表面に光増感材を吸着した半導体膜(2)が形成
    されてなる基板と、 表面に電極層(3)を有する基板とが、 前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように
    配置されてなり、 半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質が封入さ
    れてなる光電気セルにおいて、 半導体膜(2)にスペーサ粒子が埋設され、かつ該スペ
    ーサ粒子の少なくとも一部が電極層(3)と接触しうる
    ように半導体膜(2)より露出されてなることを特徴と
    する光電気セル。
  2. 【請求項2】半導体膜形成成分とスペーサ粒子とが分散
    媒に分散されてなることを特徴とする光電気セルの半導
    体膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】バインダー成分としてペルオキソチタン酸
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の光電気セルの
    半導体膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】前記スペーサ粒子の平均粒子径が1〜10
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項2または3
    に記載の光電気セルの半導体膜形成用塗布液。
  5. 【請求項5】スペーサ粒子が疎水性(撥水性)の表面を
    有する粒子であり、かつ分散媒が水と相溶性の溶媒であ
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光
    電気セルの半導体膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】前記半導体膜形成成分が結晶性酸化チタン
    粒子であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに
    記載の光電気セルの半導体膜形成用塗布液。
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