JP2009279546A - コアシェル構造体の製造方法及びそれにより製造されたコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒 - Google Patents

コアシェル構造体の製造方法及びそれにより製造されたコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒 Download PDF

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【課題】シェル部の厚みがナノレベルに制御され、コア部の材料によって得られる特性、特には耐熱性が改善されたコアシェル構造体を製造するための方法を提供する。
【解決手段】第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体の製造方法であって、(a)前記第1の金属酸化物の粉末を、前記第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に添加する工程、(b)工程(a)で得られた懸濁液にヘキサメチレンテトラミンを添加し、該ヘキサメチレンテトラミンを分解するのに十分な温度において加熱する工程、及び(c)得られた生成物を焼成する工程を含むことを特徴とする、コアシェル構造体の製造方法が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、コアシェル構造体の製造方法及びそれにより製造されたコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒に関する。
自動車の排ガス浄化用触媒においては、高温(例えば、約1000℃)の使用条件下においても、当該触媒の活性種である貴金属のシンタリングを抑制して、貴金属を担体上に微粒子のまま高分散に保持することが重要な課題の1つとなっている。希土類酸化物は、その上に担持される貴金属との親和性が強いために、この貴金属のシンタリングを抑制できることが一般に知られている。しかしながら、セリア等の希土類酸化物は耐熱性が低く、1000℃以上の高温下ではそれ自体がシンタリングし、それに伴ってこのような希土類酸化物上に担持されている貴金属のシンタリングも生じてしまうという問題がある。したがって、排ガス浄化用触媒のような用途においては、セリア等の希土類酸化物自体の耐熱性を向上させることが必要とされている。
特許文献1では、粒子状担体に貴金属が担持された触媒において、該粒子状担体がジルコニア(ZrO2)を主成分とする中心部とセリア(CeO2)を主成分とする外皮部から構成され、かつ該粒子状担体におけるCeO2含有量が40mol%以上65mol%以下であることを特徴とする排ガス浄化用触媒が記載され、このような触媒によれば、ZrO2による耐熱性向上とCeO2による貴金属のシンタリング抑制の効果を同時に得ることができると記載されている。
特許文献2では、マトリクス材中に金属そして/あるいは金属酸化物の微粒子を分散させた複合体をアルコール系溶媒に溶かし、微粒子と結合していないマトリクス材を除去して高濃度の微粒子分散複合物を作製し、得られた複合物を溶媒に溶かして微粒子分散液にし、この分散液の中に担体を投入し、微粒子を高分子あるいはオリゴマーからなるマトリクス材を介して担体に吸着させたことを特徴とする高濃度の微粒子担持物の製造方法が記載されている。
特開2005−313024号公報 特開2000−313765号公報
特許文献1では、中心部(コア部)と外皮部(シェル部)をそれぞれ構成する金属酸化物の各ゾルを、それらの等電点の違いを利用して逐次的に凝集させることによりコア部とシェル部から構成されるコアシェル構造体を製造している。しかしながら、このような方法によって製造されたコアシェル構造体では、シェル部の厚みをナノレベルに制御することは難しく、したがって、コア部を構成する金属酸化物によって得られる耐熱性向上等の効果の実現に依然として改善の余地があった。
特許文献2の方法では、金属及び/又は金属酸化物の微粒子は、高分子あるいはオリゴマーからなるマトリクス材を介して無機系酸化物等の担体に吸着されている。したがって、特許文献2の方法では、微粒子を担体に直接担持させるために、マトリクス材の分解温度以上の温度で担体をさらに焼成してマトリクス材を除去する必要があり、工程が非常に複雑である。
そこで、本発明は、シェル部の厚みがナノレベルに容易に制御され、それゆえ、コア部の材料によって得られる特性、特には耐熱性が改善されたコアシェル構造体を製造するための方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、このようなコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は下記にある。
(1)第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体の製造方法であって、(a)前記第1の金属酸化物の粉末を、前記第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に添加する工程、(b)工程(a)で得られた懸濁液にヘキサメチレンテトラミンを添加し、該ヘキサメチレンテトラミンを分解するのに十分な温度において加熱する工程、及び(c)得られた生成物を焼成する工程を含むことを特徴とする、コアシェル構造体の製造方法。
(2)前記第1の金属酸化物が、ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア及びそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、上記(1)に記載の方法。
(3)前記金属塩が、希土類元素から選択される少なくとも1種の金属の化合物であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法によって製造されたコアシェル構造体に貴金属が担持されたことを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
本発明の方法によれば、シェル部の厚みがナノレベルに容易に制御されるので、コア部の材料によって得られる特性、特には耐熱性が顕著に改善されたコアシェル構造体を得ることができる。さらには、コア部の材料としてジルコニアを、また、シェル部の材料としてセリアを使用し、その上に触媒活性種として貴金属を担持した排ガス浄化用触媒によれば、セリアは貴金属との親和性が強いために、コアシェル構造体における耐熱性の向上だけでなく、高温の使用条件下での貴金属のシンタリングも抑制することができ、したがって、触媒の活性を顕著に改善することが可能である。
以下、本発明の方法は、排ガス浄化用触媒において用いられる2種以上の異なる金属酸化物によって構成されるコアシェル構造体の製造について詳しく説明されるが、本発明の方法は、このような特定用途のコアシェル構造体の製造に何ら限定されるものではなく、2種以上の異なる金属酸化物によって構成される任意のコアシェル構造体の製造において幅広く適用できることは言うまでもない。
本発明の第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体の製造方法は、(a)前記第1の金属酸化物の粉末を、前記第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に添加する工程、(b)工程(a)で得られた懸濁液にヘキサメチレンテトラミンを添加し、該ヘキサメチレンテトラミンを分解するのに十分な温度において加熱する工程、及び(c)得られた生成物を焼成する工程を含むことを特徴としている。
従来の方法、例えば、含浸法や、あるいはまた、それぞれ異なる等電点を有する第1の金属酸化物のゾルと第2の金属酸化物のゾルからなる混合ゾルにおいて、当該混合ゾルのpHを変動させてこれらの金属酸化物を逐次的に凝集させることによりコアシェル構造体を製造する方法では、シェル部の厚みをナノレベルに制御することが困難であった。それゆえ、これらの方法では、コア部を構成する金属酸化物によって得られる効果、例えば、耐熱性向上の効果をコアシェル構造体において十分に発揮することができない場合があった。特に、後者の方法は、第1の金属酸化物と第2の金属酸化物がそれぞれ異なる等電点を有することを必要とするので、これらの金属酸化物の等電点が同じか又は非常に近い場合には適用することが困難であった。
本発明者らは、コア部を構成する金属酸化物の粉末を、シェル部を構成する金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に添加し、これにさらにヘキサメチレンテトラミンを添加して加熱し、そして得られた生成物を焼成することにより、コア部を構成する金属酸化物の周りにナノレベルに制御された厚みを有する金属酸化物のシェル部を形成できることを見出した。
本発明の方法によれば、シェル部の厚みをナノレベルまで薄くすることができ、それゆえ、得られるコアシェル構造体の特性、特には耐熱性を顕著に改善することができる。また、本発明の方法においては、従来法とは異なり、コア部とシェル部をそれぞれ構成する金属酸化物の等電点の値に関係なく、第1の金属酸化物と第2の金属酸化物から構成されるコアシェル構造体を調製することができるので、種々の組み合わせのコアシェル構造体を調製することが可能である。
図1は、本発明のコアシェル構造体の断面を示す模式図である。本発明のコアシェル構造体1は、第1の金属酸化物を主成分とするコア部2と、当該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部3とから構成されている。なお、本発明において用いられる「主成分とする」という表現は、本発明のコアシェル構造体において、コア部又はシェル部を構成する材料が、当該コア部又はシェル部全体の質量のうち50%超を占めることを意味するものである。
本発明の方法によれば、コアシェル構造体のコア部を構成する第1の金属酸化物としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられている任意の金属酸化物を使用することができる。第1の金属酸化物の好ましい例としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの金属酸化物は耐熱性が高く、したがって、本発明においてコア部を構成する材料として使用した場合に、コアシェル構造体の耐熱性を顕著に向上させることができる。
本発明の方法によれば、第1の金属酸化物としては、ジルコニアを使用することが特に好ましい。
本発明のコアシェル構造体においては、コア部は、上記第1の金属酸化物のほかに、当該第1の金属酸化物とは異なる追加の金属酸化物をさらに含むことができる。例えば、コア部は、アルカリ土類金属及び希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物をさらに含むことができる。このような追加の金属酸化物を添加することで、本発明のコアシェル構造体の耐熱性をさらに向上させることができる。このような追加の金属酸化物の具体的な例としては、酸化ランタン(La23)、セリア(CeO2)、酸化プラセオジム(Pr611)、イットリア(Y23)、酸化ネオジム(Nd23)及びそれらの組み合わせが挙げられ、本発明においては酸化ランタンを使用することが特に好ましい。
このような第1の金属酸化物と追加の金属酸化物からなる複合酸化物は、当業者に公知の任意の方法によって調製することができる。例えば、第1の金属酸化物の供給源である金属塩(例えば、硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等)と追加の金属酸化物の供給源である金属塩(例えば、硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等)とを所定の濃度で溶解した混合溶液に、アンモニア水等のアルカリ性物質を加えて共沈させ、それを熱処理することによって各金属の酸化物が固溶した複合酸化物を調製することができる。このような追加の金属酸化物は、一般的には、第1の金属酸化物を構成する金属元素のモル数に対し、追加の金属酸化物を構成する金属元素が約1〜50mol%となるような範囲において添加することができる。
本発明の方法によれば、第2の金属酸化物の供給源である金属塩としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられている金属酸化物を構成する任意の金属の化合物を使用することができる。このような金属化合物の好ましい例としては、希土類元素から選択される少なくとも1種の金属の硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの金属化合物を第2の金属酸化物の供給源として本発明の方法において使用することで、第1の金属酸化物を主成分とするコア部の周りに希土類酸化物を主成分とするシェル部を形成することができる。このような構成を有するコアシェル構造体によれば、希土類酸化物は貴金属との親和性が強いため、その上に貴金属を担持した場合に、高温下での貴金属のシンタリングを抑制することが可能である。
本発明の方法によれば、上記の金属塩としては、セリウム化合物を使用することが特に好ましい。
本発明の方法によれば、上記の金属塩を含む水溶液に第1の金属酸化物が添加される。ここで、金属塩は、最終的に第2の金属酸化物として第1の金属酸化物の表面をナノレベルで均一に被覆するのに十分な量において水溶液中に存在していればよい。特に限定されないが、一般的には、金属塩は、第1の金属酸化物を構成する金属元素と第2の金属酸化物を構成する金属元素のモル比が、1:0.1〜1:5の範囲となるような量において水溶液に所定の濃度で存在していることが好ましい。
本発明の方法によれば、第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に第1の金属酸化物を添加した後、さらにヘキサメチレンテトラミンが添加され、そして加熱される。
ヘキサメチレンテトラミン((CH264)は、水中で約60℃以上の温度において加熱すると、以下に示すような分解反応によって水酸化物イオン(OH-)を生成することが一般に知られている。
(CH264+6H2O=4NH3+6HCHO
NH3+H2O=NH4 ++OH-
何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、このような分解反応で生じた水酸化物イオンによって第2の金属酸化物の供給源である金属塩が水酸化され、当該金属塩が水酸化物として、場合により一部は酸化物として第1の金属酸化物の周りに析出すると考えられる。
このような水酸化反応は、溶液全体から比較的ゆっくりと進行することが好ましい。というのも、例えば、ヘキサメチレンテトラミンの代わりにアンモニア水等の塩基性水溶液を添加した場合には、第2の金属酸化物の供給源である金属塩は、当該塩基性水溶液が添加されたところから局所的にかつ急激に水酸化されるため、当該金属塩が第1の金属酸化物上ではなく単独で析出し凝集してしまう虞があるからである。このため、ヘキサメチレンテトラミンの代わりにアンモニア水等を添加した場合には、コア部を構成する第1の金属酸化物を上記金属塩の水酸化物で均一かつ満遍なく被覆することが極めて困難である。それゆえ、本発明の方法においては、第1の金属酸化物をこのような水酸化物によって均一かつ満遍なく被覆するために、アンモニア水等ではなく、ヘキサメチレンテトラミンを添加し、必要に応じて撹拌等しながら加熱することで、水溶液全体に水酸化物イオンを生成させ、第2の金属酸化物の供給源である金属塩が水酸化される。
ヘキサメチレンテトラミンは、第2の金属酸化物の供給源である金属塩を、水酸化物あるいは場合により酸化物として、第1の金属酸化物の周りに析出させるのに十分な量及び濃度において溶液中に添加され、そして当該溶液中に水酸化物イオンを生成させるのに十分な温度において加熱される。特に限定されないが、一般的には、ヘキサメチレンテトラミンは、上記金属塩を構成する金属元素のモル数に対し、約1〜5倍(モル比)となるような範囲において添加され、その後、約50〜100℃の範囲で加熱されることが好ましい。
このようにして得られた生成物、すなわち、第1の金属酸化物上に第2の金属酸化物の供給源である金属塩の水酸化物等が析出した生成物を乾燥及び焼成することにより、第1の金属酸化物を主成分とするコア部が当該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部で満遍なく覆われたコアシェル構造体を得ることができる。
上記生成物の乾燥及び焼成は、第1の金属酸化物上に析出した水酸化物等を酸化して第2の金属酸化物とし、そして第1の金属酸化物を主成分とし、任意選択で追加の金属酸化物を含むコア部と第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体を得るのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、乾燥は減圧下又は常圧下80〜250℃の温度で3〜24時間実施することができ、焼成は500〜800℃で1〜5時間実施することができる。
本発明の他の態様によれば、上記のコアシェル構造体を触媒担体として使用し、当該触媒担体に活性成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びそれらの組み合わせからなる群より選択された貴金属をさらに担持してもよい。コアシェル構造体のシェル部にセリア等の希土類酸化物を用いた場合には、これらの希土類酸化物は貴金属との親和性が強いために、その上に担持される貴金属の高温下でのシンタリングを抑制することができ、したがって、触媒活性が顕著に改善された排ガス浄化用触媒を得ることができる。
これらの貴金属のコアシェル構造体への担持は、当業者に公知の任意の方法により行うことができる。
例えば、これら貴金属の担持は、貴金属源として上記貴金属を陽イオンとして含む化合物を用い、この化合物の所定濃度の溶液に上記コアシェル構造体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等するか、又は貴金属源として上記貴金属の錯体を用い、この錯体の所定濃度の溶液に上記コアシェル構造体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等することによって行うことができる。これらの貴金属は、一般的に0.1〜10wt%の担持量において上記コアシェル構造体に担持することができる。
これら貴金属の化合物又は錯体を含む溶液に浸漬されたコアシェル構造体の焼成及び乾燥は、上記貴金属をコアシェル構造体に担持するのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、乾燥は80〜250℃の温度で6〜24時間実施することができ、焼成は500〜800℃の温度で1〜5時間実施することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、本発明の方法によってジルコニアを主成分とするコア部と、セリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物を調製し、その構造及び耐熱性について調べた。
[実施例1]
まず、0.3Mの塩化ジルコニル(ZrOCl2)水溶液1000mlに硝酸ランタン九水和物(La(NO33・9H2O)をZrに対してLaが1mol%となるような量において溶解した。次いで、この混合溶液に3倍に希釈した28%アンモニア水60.3mlを激しく撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間焼成した。その後、さらに大気中900℃で3時間熱処理し、ジルコニア−ランタン固溶体粉末を得た。
次に、精製水500mlに硝酸セリウム九水和物(Ce(NO34・9H2O)1.75gを加えた溶液に、上で調製したジルコニア−ランタン固溶体粉末2.5gを懸濁させた。次いで、この溶液に0.025Mのヘキサメチレンテトラミン(HMT)500mlを加え、ミキサーで撹拌(100rpm)しながら、80℃×1時間のエージング処理を行った。得られた生成物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間焼成してジルコニアを主成分とするコア部とセリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物を得た。
[実施例2]
エージング処理の時間を5時間としたこと以外は実施例1と同様にして、ジルコニアを主成分とするコア部とセリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物を得た。
[比較例1]
本例では、従来の含浸法によってジルコニアをセリアで被覆した複合酸化物を調製した。
実施例1で調製したジルコニア−ランタン固溶体粉末に、組成が実施例1及び2と同じになるように硝酸セリウム水溶液を加え、30分間撹拌した後、120℃で一晩乾燥し、空気中600℃で3時間焼成してジルコニアをセリアで被覆した複合酸化物を得た。
[各複合酸化物の構造評価]
実施例及び比較例で得られた各複合酸化物について、エネルギー分散型X線分析装置付透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)(日立製HF−2000)を用いて、シェル部を構成するセリア層の厚みを測定した。
図2(a)〜(c)は、それぞれ実施例1、2及び比較例1において調製した複合酸化物が多数凝集した凝集体を示すTEM写真である。これら凝集体の縁部に注目すると、図2(a)及び(b)(それぞれ実施例1及び2)では、約5nmのCeO2微粒子がZrO2粒子の表面を均一に覆っており、ジルコニアを主成分とするコア部とセリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物の形成を確認することができた。これとは対照的に、図2(c)(比較例1)では、CeO2粒子が凝集して層を形成しており、実施例1及び2のように、ZrO2粒子の表面がナノレベルのCeO2微粒子によって均一に覆われたコアシェル構造を有する複合酸化物の形成を確認することはできなかった。
[各複合酸化物の性能評価]
次に、実施例1及び比較例1において調製した各複合酸化物について、電気炉において大気中900℃で3時間保持する耐久試験を行った。
実施例1及び比較例1において調製した各複合酸化物のBET法による耐久試験後の比表面積は、比較例1の複合酸化物が16.5m2/gであったのに対し、実施例1の複合酸化物は20.4m2/gであった。それゆえ、本発明の方法により製造した複合酸化物では、従来法により製造した複合酸化物に比べ、高温下での耐久試験後においても高い比表面積を維持することができた。
本発明のコアシェル構造体の断面を示す模式図である。 (a)〜(c)は、それぞれ実施例1、2及び比較例1において調製した複合酸化物のTEM写真である。
符号の説明
1 コアシェル構造体
2 コア部
3 シェル部

Claims (4)

  1. 第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体の製造方法であって、
    (a)前記第1の金属酸化物の粉末を、前記第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む水溶液に添加する工程、
    (b)工程(a)で得られた懸濁液にヘキサメチレンテトラミンを添加し、該ヘキサメチレンテトラミンを分解するのに十分な温度において加熱する工程、及び
    (c)得られた生成物を焼成する工程
    を含むことを特徴とする、コアシェル構造体の製造方法。
  2. 前記第1の金属酸化物が、ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア及びそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属塩が、希土類元素から選択される少なくとも1種の金属の化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって製造されたコアシェル構造体に貴金属が担持されたことを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
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