JP5140987B2 - 触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒 - Google Patents

触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒 Download PDF

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本発明は、触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒に関する。また本発明は特に、ロジウムのためのジルコニア系触媒担体及びその製造方法、並びにロジウム担持排ガス浄化触媒に関する。
自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれる。従って一般に、CO及びHCを酸化すると同時に、NOを還元する排ガス浄化触媒によって浄化した後で、これらの排ガスを大気中に放出している。排ガス浄化触媒の代表的なものとしては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属をγ−アルミナ等の多孔質金属酸化物担体に担持させた三元触媒が知られている。
この金属酸化物担体は様々な材料で作ることができるが、従来は高表面積を得るためにアルミナ(Al)を使用することが一般的であった。しかしながら近年では、担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するために、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などの様々な他の材料を、アルミナと組み合わせて又は組み合わせないで、使用することも提案されている。
触媒担体の化学的性質に関して、一般に触媒担体として使用されているアルミナ粒子にロジウムを担持させると、使用の間にロジウムがアルミナに固溶することによって、触媒活性が低下することが知られている。これに対してロジウムのための担体としてジルコニアを使用する場合には、このようなロジウムの固溶による問題を解消して、ロジウム固有の高い触媒活性を利用することができる。
このような触媒担体としてのジルコニアに関し、例えば特許文献1で示されているように、ジルコニアにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類からなる群より選択される元素を加えることによって、ジルコニアを安定化して、耐熱性を改良できることが知られている。尚、この特許文献1では、希土類元素等によって安定化したジルコニア粉末を、アルミナ、セリア、シリカ、チタニア、ゼオライト等の粉末と物理的に混合して用いている。
また特許文献2では、希土類添加ジルコニア触媒担体粒子にロジウムを担持させることによって、良好な排ガス浄化性能が得られることを開示している。また更に、特許文献3では、ジルコニア中に存在するランタノイド元素が、アンカー効果、すなわちジルコニア表面でのロジウムの移動を抑制する効果によって、ロジウムのシンタリングを抑制することを開示している。
特許文献4は、チタン・ジルコニウム複合酸化物とランタン、ネオジム等とを含んでなるNO吸蔵還元型触媒用支持材、並びにこのNO吸蔵還元型触媒用支持材に、貴金属とアルカリ金属等とが担持されてなるNO吸蔵還元型触媒を開示している。特許文献4では、このNO吸蔵還元型触媒用支持材を製造するために、チタン・ジルコニウム複合酸化物を硝酸ランタン溶液に浸漬し、その後焼成している。従って特許文献4のNO吸蔵還元型触媒用支持材では、酸化ランタンがチタン・ジルコニウム複合酸化物粒子の表面を被覆した状態になっていると考えられる。
特許文献4では、このNO吸蔵還元型触媒用支持材は、耐硫黄被毒性、耐熱性及び耐劣化性に優れ、従ってこのNO吸蔵還元型触媒用支持材を有するNO吸蔵還元型触媒は、耐熱性及び耐劣化性に優れ、且つ酸素過剰下において排ガスを効率よく浄化できるとしている。
特許文献5は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも1種;ロジウム;白金;ジルコニウム;チタン及びシリカの少なくとも一方;並びに希土類を含有する複合酸化物を、排ガス浄化の用途において、優れた耐硫黄酸化物(SO)被毒性を有するNO吸蔵材として使用することを開示している。
尚、特許文献6で開示されているように、触媒担体の製造のためにマイクロエマルション法を用いることが考慮される。特許文献6では、加水分解して第1の元素の水酸化物を生成する有機化合物を溶解した有機相と、第2の元素をイオンとして含む水相とを接触させることにより、それらの界面における有機化合物の加水分解反応により第1の元素の水酸化物を生成させるとともにこの生成物中に第2の元素を取り込み、得られる生成物を焼成して第1の元素及び第2の元素の複合酸化物を製造することを特徴とする複合酸化物の製造方法を開示している。
特開2005−262201号公報 特表2002−518171号公報 特開2002−282692号公報 特開2001−314763号公報 特開2000−202243号公報 特開2004−262702号公報
特許文献3に記載のように、ジルコニア粒子中に存在するランタノイド元素は、ジルコニア粒子の耐熱性を改良するだけでなく、ジルコニア粒子に担持されるロジウムの表面移動を抑制することによって、ロジウムのシンタリングを抑制することができる。
これに関し、本件発明者等は、希土類によるジルコニア粒子表面でのロジウム移動の抑制が、希土類酸化物とロジウムのとの間の親和性によって提供されていること、及びこの親和性が、ロジウムの電子の一部が希土類元素の空電子軌道に配位することによって提供されていることを見出した。
希土類によって貴金属のシンタリングが抑制されることは一般に、触媒の耐熱性を改良するために好ましい。しかしながら、上述のように、希土類酸化物上にロジウムを担持する場合、ロジウムの電子の一部が希土類元素の空電子軌道に配位し、それによって希土類酸化物と接する部分におけるロジウム粒子の電子の不足がロジウム粒子の表面にも達して、ロジウム粒子の表面の電子が不足した状態、すなわちロジウム粒子の表面が比較的酸化された状態になることがある。ロジウムは金属状態においてその活性を提供するので、ロジウム表面が酸化状態であることは、触媒活性に関して好ましくない。
そこで本発明では、希土類酸化物の使用によって、触媒担体表面におけるロジウムの移動及びシンタリングを抑制しつつ、触媒担体表面においてロジウムが酸化物的な性質を有することを抑制することを可能にするジルコニア系触媒担体を提供する。また本発明では、このようなジルコニア系触媒担体にロジウムが担持されてなる排ガス浄化触媒、及びこのようなジルコニア系触媒担体の製造方法を提供する。
本発明のジルコニア系触媒担体は、希土類酸化物とシリカとがジルコニアに添加されているジルコニア系触媒担体である。
本発明のジルコニア系触媒担体の1つの態様では、希土類酸化物が、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウムからなる群、特にランタン、ネオジム及びサマリウムからなる群より選択される希土類元素の酸化物である。
本発明のジルコニア系触媒担体の1つの態様では、希土類酸化物が、0.1〜15mol%の量で添加されており、且つシリカが、0.1〜15mol%の量で添加されている。
本発明の排ガス浄化触媒は、本発明のジルコニア系触媒担体にロジウムが担持されてなる排ガス浄化触媒である。
ジルコニア系触媒担体を製造する本発明の方法は、希土類酸化物とシリカとを含有しているジルコニア系触媒担体を製造する方法である。この本発明の方法は、加水分解してケイ素の水酸化物を生成する有機化合物を溶解した有機相と、ジルコニウム及び希土類元素をイオンとして含む水相とを接触させることにより、それらの界面における有機化合物の加水分解反応によりケイ素の水酸化物を生成させるとともに、この生成物中にジルコニウム及び希土類元素を取り込み、得られる生成物を焼成することを含む。
〔本発明のジルコニア系触媒担体〕
本発明のジルコニア系触媒担体では、希土類酸化物とシリカとがジルコニアに分散して添加されている。
本発明のジルコニア系触媒担体では、希土類酸化物とシリカとがジルコニアに分散して添加されていることによって、ジルコニア系触媒担体の表面に、希土類酸化物に富む部位とシリカに富む部位とが存在している。希土類酸化物はロジウムに対する親和性が大きく、シリカはロジウムに対する親和性が小さい。従って本発明のジルコニア系触媒担体の表面には、ロジウムに対する親和性が大きい部位と、ロジウムに対する親和性が小さい部位とが存在している。
本発明のこのジルコニア系触媒担体にロジウムを担持して排ガス浄化触媒を得ると、排ガス浄化触媒の製造及び使用の間に、希土類酸化物に比較的富む部位によってロジウムの移動によるシンタリングを防ぎつつ、シリカに富む部分によってロジウムが酸化物的な性質を有することを抑制できる。また、本発明のジルコニア系触媒担体では、ジルコニアが基材となっていることによって、触媒担体自体が大きい耐熱性を利用することもできる。
〔希土類酸化物〕
本発明のジルコニア系触媒担体には、任意の量で希土類酸化物が添加されていてよい。特に本発明のジルコニア触媒担体に添加されている希土類酸化物の量は、基材としてのジルコアの特性を失わせず、且つ希土類酸化物によるロジウムに対する親和性を提供する量で使用できる。従って例えば、希土類酸化物は、0.1〜15mol%、特に0.5〜8mol%、より特に0.5〜5mol%の量で添加することができる。
尚、本発明に関して、希土類酸化物、並びにシリカの添加量は、ジルコニア系触媒担体全体に含有される金属元素に対するこれらの金属酸化物を構成する金属元素の割合を意味している。
本発明のジルコニア系触媒担体に添加されている希土類酸化物を構成する希土類元素は、ジルコニア系触媒担体に優れた耐熱性を提供することを可能にする。また、希土類元素は、ロジウムから電子を受容する電子受容性を有する。好ましくは、本発明で用いる希土類酸化物を構成する希土類元素は、希土類元素のうちの原子番号が若く、且つ4f電子軌道に空きがある又は空きが多いイオンを形成する元素、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウムからなる群より選択される希土類元素である。
このような希土類酸化物を含む触媒担体に、触媒金属としてのロジウムを担持する場合、ロジウムの電子が、希土類酸化物の空電子軌道に配位することによって、触媒の使用の間のロジウムのシンタリングを抑制することができる。
より好ましくは、本発明で用いる希土類酸化物を構成する希土類元素は、ロジウムから電子を受容する電子受容性であり且つ触媒の使用の間における酸化還元反応によって原子価の変化がない希土類元素、例えばランタン、ネオジム及びサマリウムからなる群より選択される希土類元素である。
このような希土類元素の酸化物を有するジルコニア系触媒担体の触媒担体に、触媒金属としてのロジウムを担持する場合、触媒の使用の間のロジウムのシンタリングを特に良好に抑制することができる。これに対して、触媒の使用の間における酸化還元反応によって原子価が変化する希土類元素、例えばOSC能に関して好ましく使用されているセリアでは、還元雰囲気において原子価が変化し、それによってロジウムとの相互作用が低下することがある。
〔シリカ〕
本発明のジルコニア系触媒担体には、任意の量でシリカが添加されていてよい。本発明のジルコニア触媒担体に添加されているシリカの量は、基材としてのジルコアの特性を失わせず、且つ担体に担持されているロジウムが酸化物的な性質を有することを抑制する量で使用できる。従って例えば、シリカは、0.1〜15mol%、特に1〜12mol%、より特に2〜10mol%の量で添加することができる。
排ガス浄化触媒担体の用途において、シリカは酸性酸化物であり、それによって貴金属に対する親和性が小さい触媒担体を形成することが認識されている。この「酸性金属酸化物」は一般に、金属酸化物としての電気陰性度がアルミナよりも大きい金属酸化物を意味している。また、この「金属酸化物としての電気陰性度」は、金属酸化物を構成する金属元素及び酸素のポーリングによる電気陰性度を、金属酸化物に含有されるこれらの元素の比に応じて加重平均した値として表すことができる。
すなわち例えば、シリカ(SiO)の金属酸化物としての電気陰性度は、下記のようにして計算される:
{1.90(シリカの電気陰性度)×1+3.44(酸素の電気陰性度)×2}/3
≒2.93
参考までに、触媒担体の用途で一般的に使用されている金属酸化物の電気陰性度を下記に示す。
Figure 0005140987
上述のように、金属酸化物としての電気陰性度が大きいことは、その金属酸化物が比較的酸性の性質を有することを意味している。また、この金属酸化物としての電気陰性度が小さいことは、その金属酸化物が比較的塩基性の性質を有することを意味する。
〔他の金属元素〕
本発明のジルコニア系触媒担体は、ジルコニウム、希土類元素、ケイ素以外の金属、例えばアルカリ土類金属を含むこともできる。ジルコニア系触媒担体に添加されるカルシウムのようなアルカリ土類金属は、ジルコニア粒子に優れた耐熱性を提供することを可能にすることが知られている。
〔本発明のジルコニア系触媒担体の製造方法〕
本発明のジルコニア系触媒担体は任意の方法で製造できるが、特に本発明の方法によって製造できる。
〔排ガス浄化触媒〕
本発明の排ガス浄化触媒は、本発明の触媒担体粒子にロジウムを担持することによって得ることができる。
金属酸化物粒子へのロジウムの担持は、任意の方法で行うことができる。これは、ロジウムの塩及び/又は錯塩を含有する溶液、例えば硝酸ロジウム水溶液を吸水担持し、乾燥及び焼成して行うことができる。例えば金属酸化物粒子へのロジウムの担持量は、金属酸化物粒子に対して0.01〜2質量%、特に0.1〜1質量%、より特に0.1〜0.5質量%であってよい。
また本発明の排ガス浄化触媒は、ロジウム以外の貴金属、例えば白金、パラジウム、及び/又はいわゆるNO吸蔵還元元素、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される元素、特にリチウム及びバリウムを更に担持することができる。
本発明の排ガス浄化触媒は、それ自体を成形して用いるだけでなく、モノリス担体、例えばセラミックハニカムにコートして用いることもできる。
〔ジルコニア系触媒担体の製造方法〕
ジルコニア系触媒担体を製造する本発明の方法は、希土類酸化物とシリカとを含有しているジルコニア系触媒担体の製造方法である。ここで、これら希土類酸化物及びシリカについては、本発明のジルコニア系触媒担体に関する説明を参照することができる。
ジルコニア系触媒担体を製造する本発明の方法は、加水分解してケイ素の水酸化物を生成する有機化合物を溶解した有機相と、ジルコニウム及び希土類元素をイオンとして含む水相とを接触させることにより、それらの界面における有機化合物の加水分解反応によりケイ素の水酸化物を生成させるとともに、この生成物中にジルコニウム及び希土類元素を取り込み、得られる生成物を焼成することを含む。
この本発明の方法の詳細については特許文献6を参照することができるが、その概略を下記に示す。
加水分解してケイ素の水酸化物を生成する有機化合物としては例えば、これらの金属の金属アルコキシド、アセチルアセトン金属錯塩を挙げることができる。
この有機化合物を溶解して有機相を形成する有機溶媒の例としては、シクロヘキサン、ベンゼンなどの炭化水素、ヘキサノールなどの直鎖アルコール、アセトンなどのケトン類を挙げることができる。
水相中のジルコニウム及び希土類元素のイオンの供給源としては、水溶性金属塩、特に、硝酸塩、塩化物などの無機酸塩、さらに酢酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を用いることができる。
この本発明の方法では、反応系が油中水型のエマルション系又はマイクロエマルション系であることが好ましい。これは、この場合、油相−水相界面が極めて広く、それによって加水分解速度の高速化されること、水相が分殻化され、一個当たりでは極く少量の金属イオン(おおよそ100個程度)しか含まないことによって得られる金属酸化物が均質化されることによる。従ってマイクロエマルションの水相の径は、例えば2〜40nm、好ましくは2〜15nm、より好ましくは2〜10nmである。尚、油中水型のエマルション系又はマイクロエマルション系が好ましいが、本発明の製法は水中油型エマルション系でも行うことも可能である。
油中水型のエマルション系又はマイクロエマルション系を形成するためには、有機溶媒に非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の界面活性剤を加えることができる。
上記のように、有機相と水相を接触させて加水分解反応を行うと、一般的に水酸化物(前駆体)が生成する。本発明の方法では、このようにして得た前駆体を、乾燥及び焼成してジルコニア系触媒担体を製造する。本発明の方法によれば、得られる前駆体において金属元素が均一に分散しているので、比較的低温であっても添加された金属元素が固体中に分散しているジルコニア系触媒担体を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1では、以下に示すマイクロエマルション法を用いて、酸化ネオジム−シリカ−ジルコニア複合酸化物触媒担体を得た。またこのようにして得た触媒担体にロジウムを担持して、本発明の排ガス浄化触媒を得た。
マイクロエマルション液の調製
有機溶媒としてのシクロヘキサン6.5リットル及び界面活性剤としてのポリオキシエチレン(n=5)ノニルフェニルエーテル0.23kgを混合して、よく撹拌した。得られた溶液に、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO)及び硝酸ネオジム(Nd(NO)を溶解した水溶液180ミリリットルを加えて、室温下でよく撹拌して、逆ミセル(油中水型マイクロエマルション、水滴径30nm)であるマイクロエマルション液を調製した。ここで、マイクロエマルション液において、オイル(有機溶媒)と界面活性剤との比率(O/S)は6であった。
ケイ素アルコキシド溶液の調製
テトラエトキシシラン(TEOS)0.03モルをシクロヘキサン0.1リットルに溶解させて、ケイ素アルコキシド溶液を調製した。
加水分解反応による複合酸化物触媒担体の前駆体の合成
マイクロエマルション液中にケイ素アルコキシド溶液とアンモニア水を撹拌しながら加え、pHを7.3に調整し、加水分解を開始させた。これによれば、有機溶媒中に分散しているミセル内の水相あるいはその境界で加水分解が生じて、酸化ネオジム−シリカ−ジルコニア複合酸化物触媒担体の前駆体が生じ、その一次粒子が凝集して、二次粒子が生成した。
その後、このようにして得られる触媒担体前駆体の二次粒子を含有する溶液に水を加えて、水相と油相とを有する二相溶液とし、またこの二相溶液にアンモニア水を加えて、pHを8.8に調整して、触媒担体前駆体の二次粒子を凝集させ、60分間にわたって撹拌しながら熟成させた。
その後、母液をろ別し、界面活性剤を除去するために、得られた沈殿をエタノールで3回洗浄及び遠心分離し、80℃で一晩にわたって乾燥した後で、空気中において800℃で2時間にわたって焼成して、ネオジム:ケイ素:ジルコニウム(モル比)=3:6:91の酸化ネオジム−シリカ−ジルコニア複合酸化物触媒担体を得た。
ハニカム基材への触媒担体のコート
上記のようにして得た触媒担体120部、シリカゾル23部、及び水80部を混合し、得られた混合物を1時間にわたってミリングして、スラリーを得た。得られたスラリーにハニカム基材を浸漬して、コートした。コート量は、120g/基材−Lとした。
ロジウムの担持
硝酸ロジウム溶液を用いて、触媒担体をコートしたハニカム基材にロジウムを吸水担持した。得られたハニカム基材を、乾燥及び焼成して、実施例1の排ガス浄化触媒を得た。ロジウムの担持量は、0.3g/ハニカム基材−Lであった。
〔実施例2〕
この実施例では、マイクロエマルション法においてネオジム:ケイ素:ジルコニウム(モル比)が1:5:94の酸化ネオジム−シリカ−ジルコニア複合酸化物触媒担体を得たことを除いて実施例1と同様にして、実施例2の排ガス浄化触媒を得た。
〔実施例3〕
この実施例では、マイクロエマルション法において硝酸ネオジムの代わりに硝酸ランタンを用いて、ランタン:ケイ素:ジルコニウム(モル比)が1:5:94である酸化ランタン−シリカ−ジルコニア複合酸化物触媒担体を得たことを除いて実施例1と同様にして、実施例3の排ガス浄化触媒を得た。
〔比較例1〕
この比較例では、排ガス浄化触媒の用途で一般的なカルシウム添加ジルコニア系触媒担体を用いたことを除いて実施例1と同様にして、比較例1の排ガス浄化触媒を得た。
〔比較例2〕
この比較例では、ジルコニア系触媒担体の代わりに多孔質シリカ触媒担体を用いたことを除いて実施例1と同様にして、比較例2の排ガス浄化触媒を得た。
〔比較例3〕
この比較例では、マイクロエマルション法においてネオジム:ジルコニウム(モル比)が50:50である酸化ネオジム−ジルコニア複合酸化物触媒担体を得たことを除いて実施例1と同様にして、比較例3の排ガス浄化触媒を得た。
〔HC50%浄化温度評価〕
実施例及び比較例の排ガス浄化触媒に対して、下記の表2の組成のストイキ評価ガスを流通させながら1,000℃で2時間にわたって耐久を行った。
Figure 0005140987
この耐久の前後に、下記の表2に示す組成のストイキ評価ガスを供給し、このストイキ評価ガスの温度を徐々に上げていき、実施例及び比較例の排ガス浄化触媒について、HC浄化率が50%に達する温度(HC50%浄化温度)を調べた。このHC50%浄化温度が比較的低いことは、触媒が比較的優れた低温活性を有することを意味している。
また耐久後のHC50%浄化温度と耐久前のHC50%浄化温度との差から、耐久によるHC50%浄化温度の変化を求めた。この値が比較的低いことは、触媒が比較的優れた耐熱性を有することを意味している。これらのHC50%浄化温度の評価結果を、下記の表3に示す。
Figure 0005140987
HC50%浄化温度について表3で示すように、本発明の実施例の排ガス浄化触媒では、耐久によるHC50%浄化温度の変化が比較例の排ガス浄化触媒と比較して小さい。これは、本発明の実施例の排ガス浄化触媒では、触媒担体の表面にロジウムとの親和性が大きい部分とロジウムとの親和性が小さい部分とが存在することによって、耐久によるロジウム粒子のシンタリングを抑制しつつ、ロジウム粒子が酸化物的な性質を有することを抑制できたことによると考えられる。
〔ロジウム粒子径評価〕
実施例及び比較例の排ガス浄化触媒に、上記のHC50%浄化温度評価の場合でのようにして耐久を行った。耐久を行った排ガス浄化触媒に、400℃で1時間にわたって水素を用いて還元処理を行い、その後でCO吸着法によってロジウム粒子径を求めた。また、400℃での水素還元処理する代りに、更に600℃で1時間にわたって水素を用いて還元処理を行い、その後でCO吸着法によってロジウム粒子径を求めた。ロジウム粒子径についての評価結果を下記の表4に示す。
Figure 0005140987
表4で示すように、400℃での水素還元処理後のロジウム粒子径については、比較例2を除く実施例及び比較例で同様な結果が得られている。しかしながら、400℃での水素還元処理後で更に600での水素還元を行うと、本発明の実施例1の排ガス浄化触媒におけるロジウム粒子径が変化しないのに対して、比較例3の排ガス浄化触媒におけるロジウム粒子径は有意に減少している。これは、比較例3の排ガス浄化触媒では、担体とロジウムとの親和性が過度に大きく、それによって400℃での水素還元触媒によってはロジウムが部分的にしか還元しないこと、ロジウムが坦体表面において比較的酸化物的又はイオン的な状態で存在していることを示唆している。
〔NO浄化性能評価〕
実施例で用いた触媒担体をディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートマター(PM)をNOを用いて酸化除去する触媒、すなわちディーゼルパティキュレートNO還元触媒で使用した。これによれば、比較的低温からHCとNOとの反応を起こさせることができる高低温活性排ガス浄化触媒が得られた。

Claims (5)

  1. 希土類酸化物とシリカとがジルコニアに分散して添加されている、ジルコニア系触媒担体。
  2. 前記希土類酸化物が、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウムからなる群より選択される希土類元素の酸化物である、請求項1に記載のジルコニア系触媒担体。
  3. 前記希土類酸化物が、0.1〜15mol%の量で添加されており、且つシリカが、0.1〜15mol%の量で添加されている、請求項1又は2に記載のジルコニア系触媒担体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のジルコニア系触媒担体にロジウムが担持されてなる、排ガス浄化触媒。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のジルコニア系触媒担体の製造方法であって、
    加水分解してケイ素の水酸化物を生成する有機化合物を溶解した有機相と、ジルコニウム及び希土類元素をイオンとして含む水相とを接触させることにより、それらの界面における有機化合物の加水分解反応によりケイ素の水酸化物を生成させるとともに、この生成物中にジルコニウム及び希土類元素を取り込み、得られる生成物を焼成することを含む、ジルコニア系触媒担体の製造方法。
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