JPH10244154A - ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒及びその製造方法 - Google Patents
ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒及びその製造方法Info
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- JPH10244154A JPH10244154A JP9051215A JP5121597A JPH10244154A JP H10244154 A JPH10244154 A JP H10244154A JP 9051215 A JP9051215 A JP 9051215A JP 5121597 A JP5121597 A JP 5121597A JP H10244154 A JPH10244154 A JP H10244154A
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- catalyst
- carrier
- zro
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- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ディーゼルエンジン排気処理用触媒の有効な
活性温度範囲を高温側に拡張することにより、あらゆる
運転条件に対応しうる触媒を提供する。 【解決手段】 耐火性セラミックス担体の表面にPt−
Al2O3系触媒層及びZrO2系触媒層そして場合によ
りAl3O3層を順次に被着してなる多層構造触媒。
活性温度範囲を高温側に拡張することにより、あらゆる
運転条件に対応しうる触媒を提供する。 【解決手段】 耐火性セラミックス担体の表面にPt−
Al2O3系触媒層及びZrO2系触媒層そして場合によ
りAl3O3層を順次に被着してなる多層構造触媒。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
排ガス処理用の触媒に関し、さらに詳しくはディーゼル
エンジン排ガス処理用の触媒活性温度範囲が広い多層構
造触媒及びその製造方法に関する。
排ガス処理用の触媒に関し、さらに詳しくはディーゼル
エンジン排ガス処理用の触媒活性温度範囲が広い多層構
造触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン、殊に自動車用ディ
ーゼルエンジンの排ガスの処理は、現在までのところ、
大きな比表面積を有する触媒担体、典型的にはハニカム
構造に成形されたコージェライトの如き耐火性セラミッ
クス担体、の表面に単層状態に触媒を担体したものを、
エンジンの排気マニホルドの下流側とマフラーの上流側
との間に設けた触媒収納部に装入して実施するのが一般
的である。
ーゼルエンジンの排ガスの処理は、現在までのところ、
大きな比表面積を有する触媒担体、典型的にはハニカム
構造に成形されたコージェライトの如き耐火性セラミッ
クス担体、の表面に単層状態に触媒を担体したものを、
エンジンの排気マニホルドの下流側とマフラーの上流側
との間に設けた触媒収納部に装入して実施するのが一般
的である。
【0003】そのような単層コーティング中の触媒組成
は、普通2種ないし5種の成分からなる混合物であり、
代表的な例はPt−Al2O3系、Pd−Al2O3系、P
t−SiO2系等である。
は、普通2種ないし5種の成分からなる混合物であり、
代表的な例はPt−Al2O3系、Pd−Al2O3系、P
t−SiO2系等である。
【0004】しかしながら、単層の触媒を担持した担体
を用いる場合には、当該特定の触媒に特有な有効活性温
度範囲が存在し、その活性温度範囲では、種々の多様な
条件下で運転されるエンジンから種々の温度及びガス組
成で排出される排ガスの満足な処理に対応できないこと
がある。例えば、低温状態で始動時のエンジン、高負荷
条件下に長時間連続運転された時のエンジン、市街走行
時のエンジン、登板走行時のエンジン及びその他の種々
な運転条件下の種々な時点のエンジンから排出されるガ
スの温度及び組成は、可成り広い範囲にわたり変動する
ものであり、一層の触媒でこれらのすべてに対応するこ
とは困難である。前述の代表的なPt−Al2O3系の触
媒を含む一つの層を被着したハニカム担体(コージェラ
イト)についてのNOx除去は、温度に関して約225
℃付近を最高とし、約200°〜約250℃の範囲で示
されるが、この範囲の両端付近でのNOx除去率は満足
すべきものとは認め難い。従ってこのようなPt−Al
2O3系触媒の一層被着ハニカム担体を採用する場合、排
ガス温度が高いときや、排ガス温度が200℃以下の冷
エンジン始動時の排ガスについてのNOx除去率は満足
なものとは認められない。
を用いる場合には、当該特定の触媒に特有な有効活性温
度範囲が存在し、その活性温度範囲では、種々の多様な
条件下で運転されるエンジンから種々の温度及びガス組
成で排出される排ガスの満足な処理に対応できないこと
がある。例えば、低温状態で始動時のエンジン、高負荷
条件下に長時間連続運転された時のエンジン、市街走行
時のエンジン、登板走行時のエンジン及びその他の種々
な運転条件下の種々な時点のエンジンから排出されるガ
スの温度及び組成は、可成り広い範囲にわたり変動する
ものであり、一層の触媒でこれらのすべてに対応するこ
とは困難である。前述の代表的なPt−Al2O3系の触
媒を含む一つの層を被着したハニカム担体(コージェラ
イト)についてのNOx除去は、温度に関して約225
℃付近を最高とし、約200°〜約250℃の範囲で示
されるが、この範囲の両端付近でのNOx除去率は満足
すべきものとは認め難い。従ってこのようなPt−Al
2O3系触媒の一層被着ハニカム担体を採用する場合、排
ガス温度が高いときや、排ガス温度が200℃以下の冷
エンジン始動時の排ガスについてのNOx除去率は満足
なものとは認められない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の単層
型触媒を担持したハニカム担体によるディーゼルエンジ
ン排ガス中のNOxを低減するため触媒活性の有効温度
(225℃付近ピーク)の範囲を高温度の方へ拡張する
ことにより、エンジンの多様な運転条件での排ガスの処
理に対応しうる触媒を提供することを目的としている。
さらに本願発明は、そのように広い触媒活性有効温度範
囲を有し、殊に従来の触媒よりも高い温度域でも有効な
触媒活性を示すディーゼルエンジン排ガス処理用触媒の
製造方法を提供することである。
型触媒を担持したハニカム担体によるディーゼルエンジ
ン排ガス中のNOxを低減するため触媒活性の有効温度
(225℃付近ピーク)の範囲を高温度の方へ拡張する
ことにより、エンジンの多様な運転条件での排ガスの処
理に対応しうる触媒を提供することを目的としている。
さらに本願発明は、そのように広い触媒活性有効温度範
囲を有し、殊に従来の触媒よりも高い温度域でも有効な
触媒活性を示すディーゼルエンジン排ガス処理用触媒の
製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かくして、耐
火性セラミックス担体の表面にPt−Al2O3系触媒層
及びZrO2系触媒層を順次被着してなる、ディーゼル
エンジン排ガス処理用多層構造触媒を提供する。本発明
によれば、上記のPt−Al2O3系触媒層及びZrO2
系触媒層の上にさらにアルミナ層を有する多層構造であ
って、そのアルミナ層の存在によって高温域(例えば約
350℃以上)における触媒活性の向上、触媒の機械的
強度の向上、有効寿命の延長等の追加効果のあるディー
ゼルエンジン排ガス処理用触媒も提供される。
火性セラミックス担体の表面にPt−Al2O3系触媒層
及びZrO2系触媒層を順次被着してなる、ディーゼル
エンジン排ガス処理用多層構造触媒を提供する。本発明
によれば、上記のPt−Al2O3系触媒層及びZrO2
系触媒層の上にさらにアルミナ層を有する多層構造であ
って、そのアルミナ層の存在によって高温域(例えば約
350℃以上)における触媒活性の向上、触媒の機械的
強度の向上、有効寿命の延長等の追加効果のあるディー
ゼルエンジン排ガス処理用触媒も提供される。
【0007】本発明の目的のための耐火性セラミックス
担体としては急熱急冷に対する抵抗性が大きい材料、例
えば熱膨張係数が1.0〜1.5×10-6/℃のように
非常に小さいコージェライト(主結晶相がMgO・2A
l2O3・5SiO2)から成形されたものが好ましい。
またこの触媒担体は触媒を被着するための大きな比表面
積を有することが好ましい。担体としてはコルゲート積
重体のようなものもあるが、気体の流動抵抗が小さい押
出成形された平行多管式のハニカム構造であるのが最も
好ましく、このような担体における多数の透孔の内壁面
は広い合計面積を呈する。前記の第2番目の層であるZ
rO2系触媒には主剤であるZrO2に加えて、さらにゼ
オライト、チタニア、セリア及びこれらの混合物からな
る群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよ
い。
担体としては急熱急冷に対する抵抗性が大きい材料、例
えば熱膨張係数が1.0〜1.5×10-6/℃のように
非常に小さいコージェライト(主結晶相がMgO・2A
l2O3・5SiO2)から成形されたものが好ましい。
またこの触媒担体は触媒を被着するための大きな比表面
積を有することが好ましい。担体としてはコルゲート積
重体のようなものもあるが、気体の流動抵抗が小さい押
出成形された平行多管式のハニカム構造であるのが最も
好ましく、このような担体における多数の透孔の内壁面
は広い合計面積を呈する。前記の第2番目の層であるZ
rO2系触媒には主剤であるZrO2に加えて、さらにゼ
オライト、チタニア、セリア及びこれらの混合物からな
る群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよ
い。
【0008】本発明によれば、(イ) 粉末状Pt−A
l2O3系触媒にバインダー及び水を加えてスラリーとな
し、(ロ) 耐火性セラミックス担体を上記スラリー中
に浸漬した後、引き上げ、(ハ) そのスラリーコート
された耐火性セラミックス担体を乾燥し、焼成して、P
t−Al2O3系触媒層を担体表面上に形成させ、(ニ)
ZrO2を主剤として含むZrO2系触媒原料にバイン
ダー及び水を加えてスラリーとなし、(ホ) (ハ)で
得られたPt−Al2O3系触媒層を有する担体を上記Z
rO2含有スラリーに浸漬した後、引き上げ、(ヘ)
次いで(ホ)のスラリーコートされた担体を乾燥し、焼
成して、そのPt−Al2O3系触媒層上にZrO2系触
媒層を形成させる各工程からなる、ディーゼルエンジン
排ガス処理用多層構造触媒の製造方法を提供する。
l2O3系触媒にバインダー及び水を加えてスラリーとな
し、(ロ) 耐火性セラミックス担体を上記スラリー中
に浸漬した後、引き上げ、(ハ) そのスラリーコート
された耐火性セラミックス担体を乾燥し、焼成して、P
t−Al2O3系触媒層を担体表面上に形成させ、(ニ)
ZrO2を主剤として含むZrO2系触媒原料にバイン
ダー及び水を加えてスラリーとなし、(ホ) (ハ)で
得られたPt−Al2O3系触媒層を有する担体を上記Z
rO2含有スラリーに浸漬した後、引き上げ、(ヘ)
次いで(ホ)のスラリーコートされた担体を乾燥し、焼
成して、そのPt−Al2O3系触媒層上にZrO2系触
媒層を形成させる各工程からなる、ディーゼルエンジン
排ガス処理用多層構造触媒の製造方法を提供する。
【0009】上記の製造方法では担体表面上に2つの触
媒層を有する触媒が得られるが、上記製造方法の工程
(ヘ)に引き続き、(ト) 形成させた担体をさらにA
l2O3を主剤として含む水性スラリー中に浸漬し、引き
上げ、乾燥し、焼成して、さらにAl2O3層を形成させ
る工程を実施して3つの触媒層を重ねて有する触媒の製
造方法も、本発明によって提供される。
媒層を有する触媒が得られるが、上記製造方法の工程
(ヘ)に引き続き、(ト) 形成させた担体をさらにA
l2O3を主剤として含む水性スラリー中に浸漬し、引き
上げ、乾燥し、焼成して、さらにAl2O3層を形成させ
る工程を実施して3つの触媒層を重ねて有する触媒の製
造方法も、本発明によって提供される。
【0010】本発明方法において使用される耐火性セラ
ミックス担体は、前述のようにコージェライト系ハニカ
ム構造体であるのが好ましい。
ミックス担体は、前述のようにコージェライト系ハニカ
ム構造体であるのが好ましい。
【0011】本発明方法において使用される粉末状Pt
−Al2O3系触媒は例えばAl2O3にH2PtCl6・6
H2Oまたはジニトロジアミン白金を混合し、乾燥し、
約350〜550℃で約1.5〜3.5時間にわたり焼
成し、これを解砕することにより作られる。
−Al2O3系触媒は例えばAl2O3にH2PtCl6・6
H2Oまたはジニトロジアミン白金を混合し、乾燥し、
約350〜550℃で約1.5〜3.5時間にわたり焼
成し、これを解砕することにより作られる。
【0012】粉末状Pt−Al2O3系触媒を担体に被着
し、成層するためのバインダー(結合剤もしくは接合
剤)としては、例えばシリカゾル、アルミナゾルが適当
である。水性スラリーの粘度(ビスコシティ)は、スラ
リーがハニカムの平行多管中に容易に流入しうるもので
なければならない。なお1回の浸漬によって所要量の触
媒成分が被着されない場合には、「浸漬」及び「乾燥」
を繰り返すことにより、担体表面への所要量の触媒成分
の被着が可能である。このような技法は本発明の方法に
おける「浸漬」工程に必要により包含されるものであ
る。Pt−Al2O3系触媒スラリーでコートされた担体
は、約100〜110℃で約3〜10時間乾燥した後
に、焼成処理に付される。この焼成は約400〜550
℃で約2〜4時間実施するのが好ましい。このようにし
て担体上にPt−Al2O3系触媒層が形成される。
し、成層するためのバインダー(結合剤もしくは接合
剤)としては、例えばシリカゾル、アルミナゾルが適当
である。水性スラリーの粘度(ビスコシティ)は、スラ
リーがハニカムの平行多管中に容易に流入しうるもので
なければならない。なお1回の浸漬によって所要量の触
媒成分が被着されない場合には、「浸漬」及び「乾燥」
を繰り返すことにより、担体表面への所要量の触媒成分
の被着が可能である。このような技法は本発明の方法に
おける「浸漬」工程に必要により包含されるものであ
る。Pt−Al2O3系触媒スラリーでコートされた担体
は、約100〜110℃で約3〜10時間乾燥した後
に、焼成処理に付される。この焼成は約400〜550
℃で約2〜4時間実施するのが好ましい。このようにし
て担体上にPt−Al2O3系触媒層が形成される。
【0013】本発明ではこのPt−Al2O3系触媒層被
着担体にさらにZrO2系触媒層を重ねて被着する。Z
rO2を主剤として、場合によりこれにゼオライト、チ
タニア及びセリアから選択される少なくとも1種または
その前駆物質(焼成を経て当該物質となる化合物)を含
むZrO2系触媒原料に、バインダー及び水を加えてス
ラリーを作る。このスラリーに、前記Pt−Al2O3層
被着担体を浸漬し、引き上げ、乾燥し、焼成することに
より、担体表面上にPt−Al2O3系触媒層(厚さ、例
えば50〜100μm)及びZrO2系触媒層(厚さ、
例えば50〜100μm)を積重して有する多層構造触
媒が得られる。この場合の乾燥条件は、担体の形状寸法
に一部左右されるが、例えば約100〜110℃で1.
5〜10時間、そして焼成条件は、例えば約400〜5
50℃で約2〜4時間であり、好適には約500℃で約
3時間である。
着担体にさらにZrO2系触媒層を重ねて被着する。Z
rO2を主剤として、場合によりこれにゼオライト、チ
タニア及びセリアから選択される少なくとも1種または
その前駆物質(焼成を経て当該物質となる化合物)を含
むZrO2系触媒原料に、バインダー及び水を加えてス
ラリーを作る。このスラリーに、前記Pt−Al2O3層
被着担体を浸漬し、引き上げ、乾燥し、焼成することに
より、担体表面上にPt−Al2O3系触媒層(厚さ、例
えば50〜100μm)及びZrO2系触媒層(厚さ、
例えば50〜100μm)を積重して有する多層構造触
媒が得られる。この場合の乾燥条件は、担体の形状寸法
に一部左右されるが、例えば約100〜110℃で1.
5〜10時間、そして焼成条件は、例えば約400〜5
50℃で約2〜4時間であり、好適には約500℃で約
3時間である。
【0014】上記のようにして担体表面上に2層の異種
触媒系を担持した構造の排気処理用触媒が製造される
が、さらにその表面上にアルミナ層(厚さ、例えば10
〜100μm)を被着することにより追加の利点を有す
る触媒が得られることも見出された。このようなアルミ
ナ層の被着も、他の2層と同様にアルミナを主剤として
含む水性スラリーへの浸漬、引き上げ、乾燥及び焼成に
よって行なうことができる。
触媒系を担持した構造の排気処理用触媒が製造される
が、さらにその表面上にアルミナ層(厚さ、例えば10
〜100μm)を被着することにより追加の利点を有す
る触媒が得られることも見出された。このようなアルミ
ナ層の被着も、他の2層と同様にアルミナを主剤として
含む水性スラリーへの浸漬、引き上げ、乾燥及び焼成に
よって行なうことができる。
【0015】
【作用】本発明によれば、担体上に触媒活性温度が低い
Pt−Al2O3と触媒活性温度が高いZrO2(場合に
よりさらにゼオライト等を添加)とをそれぞれ層状に形
成することにより、排気温度に応じて選択的にそれらの
触媒が作用し、広い温度範囲で触媒活性効果が得られ
る。
Pt−Al2O3と触媒活性温度が高いZrO2(場合に
よりさらにゼオライト等を添加)とをそれぞれ層状に形
成することにより、排気温度に応じて選択的にそれらの
触媒が作用し、広い温度範囲で触媒活性効果が得られ
る。
【0016】
i) Pt−Al2O3系層 Al2O3(70重量部)とH2PtCl6・6H2O(3
0重量部)とを均一に混合し、100℃で3時間乾燥
し、次いで500±30℃で3時間焼成した。この焼成
物をボールミルで粒径0.1〜30μmとなるように解
砕した。
0重量部)とを均一に混合し、100℃で3時間乾燥
し、次いで500±30℃で3時間焼成した。この焼成
物をボールミルで粒径0.1〜30μmとなるように解
砕した。
【0017】このようにして得られたPt−Al2O3粉
末触媒(60重量部)、バインダーとしてのシリカゾル
(5重量部)及び水(70重量部)をミキサー中で撹拌
混合して均質な水性スラリーを得た。このスラリー中に
コージェライトからなるハニカム構造の担体を浸漬し、
引き上げ、乾燥し(105℃×8時間)、次いで500
℃で3時間焼成し、コージェライト担体表面上に厚さ5
0〜100μmのPt−Al2O3系触媒層を形成した。
末触媒(60重量部)、バインダーとしてのシリカゾル
(5重量部)及び水(70重量部)をミキサー中で撹拌
混合して均質な水性スラリーを得た。このスラリー中に
コージェライトからなるハニカム構造の担体を浸漬し、
引き上げ、乾燥し(105℃×8時間)、次いで500
℃で3時間焼成し、コージェライト担体表面上に厚さ5
0〜100μmのPt−Al2O3系触媒層を形成した。
【0018】ii) ZrO2系触媒層下記の種々の組成
(重量部)を用いて上記Pt−Al2O3系触媒層の上に
さらに層を形成した。 A B C D E ZrO2 60 40 40 40 40 ゼオライト − 20 − − 10 チタニア − − 20 − 5 セリア − − − 20 5 バインダー(シリカゾル) 5 5 5 5 5 水 70 70 70 70 70
(重量部)を用いて上記Pt−Al2O3系触媒層の上に
さらに層を形成した。 A B C D E ZrO2 60 40 40 40 40 ゼオライト − 20 − − 10 チタニア − − 20 − 5 セリア − − − 20 5 バインダー(シリカゾル) 5 5 5 5 5 水 70 70 70 70 70
【0019】上記の組成の各混合物をミキサー中で均質
になるまで撹拌混合し(固形物平均粒度約10μm)ス
ラリーとなした。それぞれのスラリーに前記で得られた
Pt−Al2O3系触媒層被着ハニカム担体を浸漬し、引
き上げ、乾燥し(105℃×5時間)、次いで焼成し
(500℃×3時間)、層厚約50〜100μmの被着
層を得た。
になるまで撹拌混合し(固形物平均粒度約10μm)ス
ラリーとなした。それぞれのスラリーに前記で得られた
Pt−Al2O3系触媒層被着ハニカム担体を浸漬し、引
き上げ、乾燥し(105℃×5時間)、次いで焼成し
(500℃×3時間)、層厚約50〜100μmの被着
層を得た。
【0020】
【発明の効果】上記のようにして得られた2層の異種触
媒層を有するハニカム構造触媒の触媒活性(排ガス浄化
率)のピーク温度を、一定組成の模擬排ガスを種々の温
度で流通接触させ排ガス分析計により調べた。
媒層を有するハニカム構造触媒の触媒活性(排ガス浄化
率)のピーク温度を、一定組成の模擬排ガスを種々の温
度で流通接触させ排ガス分析計により調べた。
【0021】結果は下記の通りであった。 触媒活性ピーク温度(NOx低減ピーク温度) (i)層Pt−Al2O3/(ii)層なし(対照) 225℃ (i)Pt−Al2O3/(ii)A 226℃ (i)Pt−Al2O3/(ii)B 262℃ (i)Pt−Al2O3/(ii)C 287℃ (i)Pt−Al2O3/(ii)D 288℃ (i)Pt−Al2O3/(ii)E 275℃
【0022】以上のように本発明による2層の異種触媒
層を有するハニカム構造触媒は260℃から300℃に
おける触媒活性ピークを示し、また約225〜350℃
の低温から高温までの広範囲にわたって有効触媒活性を
有し、ディーゼルエンジン排ガスの処理のために極めて
好適な触媒活性温度特性であることが判る。これに対
し、従来技術によるPt−Al2O3系触媒(対照)の単
層を有するハニカム構造触媒は約225℃付近に触媒活
性ピークを有し、約200〜250℃の比較的低い、狭
い温度範囲で有効活性を示すにすぎない。上記2層構造
触媒A〜Eの種々の温度における触媒活性をグラフとし
て図1に示す。
層を有するハニカム構造触媒は260℃から300℃に
おける触媒活性ピークを示し、また約225〜350℃
の低温から高温までの広範囲にわたって有効触媒活性を
有し、ディーゼルエンジン排ガスの処理のために極めて
好適な触媒活性温度特性であることが判る。これに対
し、従来技術によるPt−Al2O3系触媒(対照)の単
層を有するハニカム構造触媒は約225℃付近に触媒活
性ピークを有し、約200〜250℃の比較的低い、狭
い温度範囲で有効活性を示すにすぎない。上記2層構造
触媒A〜Eの種々の温度における触媒活性をグラフとし
て図1に示す。
【0023】使用した模擬排ガスの組成は下記の通りで
あった。 NO 1000ppm C3H8 1360ppm O2 10% SO2 20ppm H2O 4% N2 残部 ガス流通空間速度(SV)は50,000hr-1であっ
た。
あった。 NO 1000ppm C3H8 1360ppm O2 10% SO2 20ppm H2O 4% N2 残部 ガス流通空間速度(SV)は50,000hr-1であっ
た。
【図1】実施例の各触媒の種々の温度における触媒活性
(NOx低減率)のグラフ。
(NOx低減率)のグラフ。
Claims (10)
- 【請求項1】 耐火性セラミックス担体の表面にPt−
Al2O3系触媒層及びZrO2系触媒層を順次被着して
なる、ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒。 - 【請求項2】 Pt−Al2O3系触媒層及びZrO2系
触媒層の上にさらにアルミナ層を有する請求項1の多層
構造触媒。 - 【請求項3】 耐火性セラミックス担体がハニカム構造
体である請求項1または2の多層構造触媒。 - 【請求項4】 耐火性セラミックス担体がコージェライ
ト系ハニカム構造体である請求項1〜3のいずれかの多
層構造触媒。 - 【請求項5】 ZrO2系触媒層がZrO2に加えてさら
に、ゼオライト、チタニア、セリア及びこれらの混合物
からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項
1〜4のいずれかの多層構造触媒。 - 【請求項6】 (イ) 粉末状Pt−Al2O3系触媒に
バインダー及び水を加えてスラリーとなし、 (ロ) 耐火性セラミックス担体を上記スラリー中に浸
漬した後、引き上げ、 (ハ) そのスラリーコートされた耐火性セラミックス
担体を乾燥し、焼成して、Pt−Al2O3系触媒層を担
体表面上に形成させ、 (ニ) ZrO2を主剤として含むZrO2系触媒原料に
バインダー及び水を加えてスラリーとなし、 (ホ) (ハ)で得られたPt−Al2O3系触媒層を有
する担体を上記ZrO2含有スラリーに浸漬した後、引
き上げ、 (ヘ) 次いで(ホ)のスラリーコートされた担体を乾
燥し、焼成してそのPt−Al2O3系触媒層の上にZr
O2系触媒層を形成させる、各工程からなる、ディーゼ
ルエンジン排ガス処理用多層構造触媒の製造方法。 - 【請求項7】 (ト)工程(ヘ)で形成される担体をさ
らにAl2O3を主剤として含む水性スラリー中に浸漬
し、引き上げ、乾燥し、焼成してさらにAl2O3層を形
成させる工程、を含む請求項5の多層構造触媒の製造方
法。 - 【請求項8】 耐火性セラミックス担体がコージェライ
ト系ハニカム構造体である請求項5または6の多層構造
触媒の製造方法。 - 【請求項9】 工程(ハ)及び(ヘ)における焼成は4
00〜550℃において2〜4時間実施する請求項5の
多層構造触媒の製造方法。 - 【請求項10】 工程(ニ)で使用のZrO2系触媒原
料がZrO2以外にゼオライト、チタニア及びセリアか
ら選択される少なくとも1種またはその前駆物質を含む
請求項6〜9のいずれかの多層構造触媒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9051215A JPH10244154A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9051215A JPH10244154A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10244154A true JPH10244154A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12880705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9051215A Pending JPH10244154A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | ディーゼルエンジン排ガス処理用多層構造触媒及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10244154A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100387862B1 (ko) * | 2001-01-16 | 2003-06-18 | 현대자동차주식회사 | 고효율 디젤 산화촉매 |
JP2008104928A (ja) * | 2006-10-24 | 2008-05-08 | Toyota Motor Corp | 触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒 |
JP2008546532A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-25 | ロディア・シミ | 金属及びシリカ含有ジルコニアベースの組成物を利用する一酸化炭素及び炭化水素の触媒的酸化のためのガス処理方法 |
-
1997
- 1997-03-06 JP JP9051215A patent/JPH10244154A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100387862B1 (ko) * | 2001-01-16 | 2003-06-18 | 현대자동차주식회사 | 고효율 디젤 산화촉매 |
JP2008546532A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-25 | ロディア・シミ | 金属及びシリカ含有ジルコニアベースの組成物を利用する一酸化炭素及び炭化水素の触媒的酸化のためのガス処理方法 |
JP2008104928A (ja) * | 2006-10-24 | 2008-05-08 | Toyota Motor Corp | 触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040130 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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