JP5465842B2 - コアシェル構造体及び当該コアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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本発明は、コアシェル構造体及び当該コアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒に関する。
自動車の排ガス浄化用触媒においては、高温(例えば、約1000℃)の使用条件下においても、当該触媒の活性種である貴金属のシンタリングを抑制して、貴金属を担体上に微粒子のまま高分散に保持することが重要な課題の1つとなっている。希土類酸化物は、その上に担持される貴金属との親和性が強いために、この貴金属のシンタリングを抑制できることが一般に知られている。しかしながら、セリア等の希土類酸化物は耐熱性が低く、1000℃以上の高温下ではそれ自体がシンタリングし、それに伴ってこのような希土類酸化物上に担持されている貴金属のシンタリングも生じてしまうという問題がある。したがって、排ガス浄化用触媒のような用途においては、セリア等の希土類酸化物自体の耐熱性を向上させることが必要とされている。
特許文献1では、粒子状担体に貴金属が担持された触媒において、該粒子状担体がジルコニア(ZrO2)を主成分とする中心部とセリア(CeO2)を主成分とする外皮部から構成され、かつ該粒子状担体におけるCeO2含有量が40mol%以上65mol%以下であることを特徴とする排ガス浄化用触媒が記載され、このような触媒によれば、ZrO2による耐熱性向上とCeO2による貴金属のシンタリング抑制の効果を同時に得ることができると記載されている。
特許文献2では、(i)支持材として、ZrO2及び/又はCe/Zr混合酸化物、及び(ii)活性金属として、ルテニウムそれ自体、又はそれとともに、貴金属群から選択される少なくとも一つの更なる活性金属を含むリーンバーン機関における排ガス浄化用触媒が記載され、用いられる酸化ジルコニウムの80%より多くが単斜晶系に相当すると記載されている。
特開2005−313024号公報 特表2007−503987号公報
特許文献1に記載される粒子状担体では、高温時に、中心部(コア部)と外皮部(シェル部)をそれぞれ構成する各金属酸化物が固溶して、その構造を維持することができなくなる虞があり、コア部を構成する金属酸化物によって得られる耐熱性向上等の効果の実現に依然として改善の余地があった。
特許文献2は、触媒担体として単斜晶の酸化ジルコニウムを使用することを記載しているが、コアシェル構造を有する触媒担体については何ら記載も示唆もしていない。
そこで、本発明は、新規な構成により、優れた耐熱性を有するコアシェル構造体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、このようなコアシェル構造体を含む排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は下記にある。
(1)第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなり、該第1の金属酸化物が該第2の金属酸化物とは異なる結晶構造を有し、該コア部が該第1の金属酸化物に固溶された追加の金属酸化物をさらに含み、該第1の金属酸化物が単斜晶のジルコニアであり、該第2の金属酸化物が立方晶のセリアであり、該追加の金属酸化物が酸化ランタンであることを特徴とする、コアシェル構造体。
)上記(1)に記載のコアシェル構造体に貴金属が担持されたことを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
本発明によれば、耐熱性の顕著に改善されたコアシェル構造体を得ることができる。さらには、コア部の材料としてジルコニアを、また、シェル部の材料としてセリアを使用し、その上に触媒活性種として貴金属を担持した排ガス浄化用触媒によれば、セリアは貴金属との親和性が強いために、コアシェル構造体における耐熱性の向上だけでなく、高温の使用条件下での貴金属のシンタリングも抑制することができ、したがって、触媒の活性を顕著に改善することが可能である。
以下、本発明は、排ガス浄化用触媒において用いられる2種以上の異なる金属酸化物によって構成されるコアシェル構造体について詳しく説明されるが、本発明は、このような特定の用途に何ら限定されるものではなく、2種以上の異なる金属酸化物によって構成されるコアシェル構造体を含む任意の用途において幅広く適用できることは言うまでもない。
本発明のコアシェル構造体は、第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなり、該第1の金属酸化物が該第2の金属酸化物とは異なる結晶構造を有することを特徴としている。
本発明者らは、第1の金属酸化物を主成分とするコア部を、当該第1の金属酸化物とは組成及び結晶構造が異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部で被覆することにより、1000℃を超える高温下においても、第1の金属酸化物と第2の金属酸化物の固溶反応が顕著に抑制されること、さらには、このようなコアシェル構造体に貴金属を担持した触媒によれば、高温下での貴金属のシンタリングが抑制されることを見出した。
図1は、本発明のコアシェル構造体の断面を示す模式図である。本発明のコアシェル構造体1は、第1の金属酸化物を主成分とするコア部2と、当該第1の金属酸化物とは組成及び結晶構造が異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部3とから構成されている。なお、本発明において用いられる「主成分とする」という表現は、本発明のコアシェル構造体において、コア部又はシェル部を構成する材料が、当該コア部又はシェル部全体の質量のうち50%超を占めることを意味するものである。
本発明によれば、コアシェル構造体のコア部を構成する第1の金属酸化物としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられている金属酸化物であって、第2の金属酸化物とは組成及び結晶構造が異なる任意の金属酸化物を使用することができる。第1の金属酸化物の好ましい例としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの金属酸化物は耐熱性が高く、したがって、本発明においてコア部を構成する材料として使用した場合に、コアシェル構造体の耐熱性を顕著に向上させることができる。また、当該第1の金属酸化物の結晶構造に関しても、第2の金属酸化物とは異なる結晶構造であればよく、特に限定されないが、第2の金属酸化物の結晶構造に応じて、例えば、単斜晶、正方晶、立方晶、三方晶、六方晶、斜方晶等の結晶構造を有する金属酸化物を使用することができる。
本発明によれば、第1の金属酸化物としては、単斜晶又は正方晶のジルコニアを使用することが特に好ましい。
本発明のコアシェル構造体においては、コア部は、上記第1の金属酸化物のほかに、当該第1の金属酸化物とは異なる追加の金属酸化物をさらに含むことができる。例えば、コア部は、アルカリ土類金属及び希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物をさらに含むことができる。このような追加の金属酸化物を添加することで、本発明のコアシェル構造体の耐熱性をさらに向上させることができる。このような追加の金属酸化物の具体的な例としては、酸化ランタン(La23)、セリア(CeO2)、酸化プラセオジム(Pr611)、イットリア(Y23)、酸化ネオジム(Nd23)及びそれらの組み合わせが挙げられ、本発明においては酸化ランタンを使用することが特に好ましい。
ここで、ジルコニアは、室温では一般に単斜晶の結晶構造を有し、温度が上がるにつれて、その結晶構造が単斜晶から正方晶、さらには立方晶へと相転移し、同様に、温度が下がるにつれて、立方晶から正方晶、さらに単斜晶へと相転移することが一般に知られている。したがって、本発明のコアシェル構造体において、第1の金属酸化物としてジルコニアを用いた場合には、当該コアシェル構造体が用いられる温度環境の変化に伴い、ジルコニアの結晶構造が、単斜晶、正方晶及び立方晶の間で変化することが考えられる。しかしながら、ジルコニアに上記のような追加の金属酸化物を添加、すなわち、固溶させることで、温度環境の変化に対しても、ジルコニアの結晶構造をその好ましい結晶構造である単斜晶や正方晶に安定して維持させることができる。
例えば、本発明のコアシェル構造体において、第1の金属酸化物として単斜晶のジルコニアを使用し、追加の金属酸化物として酸化ランタンを使用する場合には、酸化ランタンは、Zr元素のモル数に対し、La元素が約0〜0.4mol%となるような範囲において添加することが好ましい。
上記の第1の金属酸化物と追加の金属酸化物からなる複合酸化物は、当業者に公知の任意の方法によって調製することができる。例えば、第1の金属酸化物の供給源である金属塩(例えば、硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等)と追加の金属酸化物の供給源である金属塩(例えば、硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等)とを所定の濃度で溶解した混合溶液に、アンモニア水等のアルカリ性物質を加えて共沈させ、それを熱処理することによって各金属の酸化物が固溶した複合酸化物を調製することができる。このような追加の金属酸化物は、一般的には、第1の金属酸化物を構成する金属元素のモル数に対し、追加の金属酸化物を構成する金属元素が約0〜4mol%となるような範囲において添加することができる。
本発明によれば、コアシェル構造体のシェル部を構成する第2の金属酸化物としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられている金属酸化物であって、第1の金属酸化物とは組成及び結晶構造が異なる任意の金属酸化物を使用することができる。第2の金属酸化物の好ましい例としては、希土類酸化物及び2種以上の希土類酸化物の組み合わせが挙げられる。これらの金属酸化物は貴金属との親和性が強いために、本発明においてシェル部を構成する材料として使用した場合に、その上に担持される貴金属の高温下でのシンタリングを抑制することができる。
本発明によれば、第2の金属酸化物としては、立方晶のセリアを使用することが特に好ましい。
なお、本発明のコアシェル構造体は、第1の金属酸化物の表面を均一に、好ましくはナノレベルで均一に被覆するのに十分な量において第2の金属酸化物を含む。特に限定されないが、一般的には、本発明のコアシェル構造体は、第1の金属酸化物を構成する金属元素と第2の金属酸化物を構成する金属元素のモル比が1:0.1〜1:5の範囲となるような量において第2の金属酸化物を含むことが好ましい。
本発明のコアシェル構造体は、当業者に公知の任意の方法によって製造することができる。
例えば、本発明のコアシェル構造体は、従来のいわゆる含浸、蒸発・乾固等、すなわち、コア部を構成する第1の金属酸化物の粉末に、シェル部を構成する第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む溶液を加え、その後、乾燥及び焼成等することによって製造することができる。あるいはまた、コア部を構成する第1の金属酸化物の粉末を、シェル部を構成する第2の金属酸化物の供給源である金属塩を含む溶液に添加し、これにさらに塩基性物質等を添加して当該金属塩を水酸化物等として第1の金属酸化物の周りに析出させ、その後、この水酸化物等を酸化して第2の金属酸化物とするのに十分な温度及び時間において乾燥及び焼成等することによって製造することもできる。
本発明の他の態様によれば、上記のコアシェル構造体を触媒担体として使用し、当該触媒担体に活性成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びそれらの組み合わせからなる群より選択された貴金属をさらに担持してもよい。コアシェル構造体のシェル部にセリア等の希土類酸化物を用いた場合には、これらの希土類酸化物は貴金属との親和性が強いために、その上に担持される貴金属の高温下でのシンタリングを抑制することができ、したがって、触媒活性が顕著に改善された排ガス浄化用触媒を得ることができる。
これらの貴金属のコアシェル構造体への担持は、当業者に公知の任意の方法により行うことができる。
例えば、これら貴金属の担持は、貴金属源として上記貴金属を陽イオンとして含む化合物を用い、この化合物の所定濃度の溶液に上記コアシェル構造体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等するか、又は貴金属源として上記貴金属の錯体を用い、この錯体の所定濃度の溶液に上記コアシェル構造体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等することによって行うことができる。これらの貴金属は、一般的に0.1〜10wt%の担持量において上記コアシェル構造体に担持することができる。
これら貴金属の化合物又は錯体を含む溶液に浸漬されたコアシェル構造体の焼成及び乾燥は、上記貴金属をコアシェル構造体に担持するのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、乾燥は80〜250℃の温度で6〜24時間実施することができ、焼成は500〜800℃の温度で1〜5時間実施することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[参考例]
本参考例では、種々の結晶構造を有するジルコニアを主成分とする粉末と、立方晶のセリア粉末とを積層した材料を調製し、当該材料を加熱した際に生じるジルコニアとセリアの固溶反応について調べた。
[単斜晶のジルコニアを主成分とする粉末の調製]
まず、0.3Mの塩化ジルコニル(ZrOCl2)水溶液1000mlに硝酸ランタン九水和物(La(NO33・9H2O)をZrに対してLaが1mol%となるような量において溶解した。次いで、この混合溶液に3倍に希釈した28%アンモニア水60.3mlを激しく撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間焼成した。その後、さらに大気中900℃で3時間熱処理し、単斜晶のジルコニアを主成分とする固溶体粉末Aを得た。
[正方晶及び立方晶のジルコニアを主成分とする粉末の調製]
硝酸ランタン九水和物をZrに対してLaが6及び30mol%となるような量において溶解したこと以外は上と同様にして、それぞれ正方晶及び立方晶のジルコニアを主成分とする固溶体粉末B及びCを得た。
[ジルコニアとセリアの固溶反応]
上で得られたジルコニアを主成分とする各固溶体粉末A〜Cの層(約1.0mm)上に、立方晶のセリア(CeO2)粉末の層(約0.5mm)を積層し、ハンドプレスを用いて全体の厚さが約1.5mmとなるように圧縮成形して、立方晶CeO2/単斜晶ZrO2、立方晶CeO2/正方晶ZrO2、及び立方晶CeO2/立方晶ZrO2の各積層体を調製した。
次いで、得られた各積層体を電気炉において所定の温度で12時間加熱し、加熱後の各積層体について、エネルギー分散型X線分析装置付走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)(JEOL製JSM−700FO)を用いて、積層体界面からZrO2層へのCeの移動距離を測定した。その結果を図2に示す。
図2は、参考例で調製した各積層体のエネルギー分散型X線分析装置付走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)による測定結果を示すグラフである。図2は、横軸に加熱温度(℃)を示し、縦軸に積層体界面からZrO2層へのCeの移動距離(nm)を示している。
図2の結果から、立方晶CeO2/単斜晶ZrO2の積層体では、他の積層体に比べて、1000℃を超える高温下でもCeのジルコニア層への移動が抑制されることがわかった。この結果は、1000℃を超える高温下においても、ジルコニアとセリアの固溶反応が抑制され、ジルコニアとセリアからなる積層構造が比較的良好に維持されていることを示すものである。なお、正方晶ZrO2と立方晶ZrO2を用いた各積層体では、図2の結果に関して顕著な相違は見られなかった。これは、立方晶CeO2/立方晶ZrO2の積層体では、立方晶ZrO2の構造を維持するために、他の積層体に比べて非常により多くの酸化ランタンが添加されていることに起因するものと考えられる。
[実施例1]
本実施例では、ジルコニアを主成分とするコア部と、セリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物を調製し、これにさらに活性金属種として白金を担持した触媒を調製し、その耐熱性について調べた。
まず、精製水500mlに硝酸セリウム九水和物(Ce(NO34・9H2O)1.75gを加えた溶液に、参考例において調製した単斜晶のジルコニアを主成分とする固溶体粉末A2.5gを懸濁させた。次いで、この溶液に0.025Mのヘキサメチレンテトラミン(HMT)500mlを加え、ミキサーで撹拌(100rpm)しながら、80℃×1時間のエージング処理を行った。得られた生成物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間焼成して、単斜晶のジルコニアを主成分とするコア部とセリアを主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造を有する複合酸化物を得た。
次に、上で得られた複合酸化物の粉末にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を含浸させて120℃で乾燥して水分を除去し、これを500℃で2時間焼成して、単斜晶ZrO2を主成分とするコア部と立方晶CeO2を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体にPtを担持した触媒を得た。なお、Ptの担持量は1.0wt%であった。
[実施例2(参考例)
参考例において調製した正方晶のジルコニアを主成分とする固溶体粉末Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、正方晶ZrO2を主成分とするコア部と立方晶CeO2を主成分とするシェル部とからなるコアシェル構造体にPtを担持した触媒を得た。
[比較例1]
本比較例では、コアシェル構造体ではなく、ジルコニアとセリアの固溶体からなる複合酸化物を調製し、これに白金を担持した触媒を調製した。
まず、実施例1のコアシェル構造体と組成が同じになるような量において、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ランタン六水和物、及び硝酸アンモニウムセリウムを精製水に溶解し、次いで、この混合溶液に28%アンモニア水を加えて沈殿物を生成した。得られた沈殿物を遠心分離によって分離した後、120℃で3時間真空乾燥し、700℃で5時間焼成してジルコニア−セリア固溶体粉末を得た。
次に、実施例1と同様にして、得られたジルコニア−セリア固溶体粉末にPtを1.0wt%担持した触媒を得た。
[各排ガス浄化用触媒の耐熱性評価]
次に、実施例1及び2並びに比較例1において調製した各触媒について、下表1に示す耐久用モデルガスを使用し、リッチモデルガスとリーンモデルガスを1分ごとに切り替えながら10℃/分の昇温速度で昇温し、900℃で5時間保持する耐久試験を行った。
Figure 0005465842
耐久試験を行った各触媒について、COパルス吸着法を用いて0℃でのCO吸着量を測定し、それによって担持Pt粒子の粒子径を算出した。その結果を下表2に示す。
Figure 0005465842
表2から明らかなように、実施例1及び2の各触媒は、高温下での耐久試験後においても、比較例1の触媒に比べて顕著により低いPt粒子径を維持し、特に、実施例1の触媒ではPt粒子径を5.8nmに維持することができた。
本発明のコアシェル構造体の断面を示す模式図である。 参考例で調製した各積層体のエネルギー分散型X線分析装置付走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)による測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 コアシェル構造体
2 コア部
3 シェル部

Claims (2)

  1. 第1の金属酸化物を主成分とするコア部と、該第1の金属酸化物とは異なる第2の金属酸化物を主成分とするシェル部とからなり、該第1の金属酸化物が該第2の金属酸化物とは異なる結晶構造を有し、該コア部が該第1の金属酸化物に固溶された追加の金属酸化物をさらに含み、該第1の金属酸化物が単斜晶のジルコニアであり、該第2の金属酸化物が立方晶のセリアであり、該追加の金属酸化物が酸化ランタンであることを特徴とする、コアシェル構造体。
  2. 請求項1に記載のコアシェル構造体に貴金属が担持されたことを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
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