JP6050703B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気系に設けられる排ガス浄化用触媒に関する。詳しくは、触媒金属を担持する担体に関する。
自動車エンジン等の内燃機関の排ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)等の有害成分を効率よく除去するために、CO、HCの酸化とNOの還元とを同時に行うことができるいわゆる三元触媒が利用されている。
かかる三元触媒としては、アルミナ(Al)等の金属酸化物からなる多孔質担体に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の白金族に属する貴金属(PGM)を担持させたものが利用されている。このような複数種のPGMからなる触媒金属を備える三元触媒は、理論空燃比(ストイキ:A/F=14.7)近傍の混合気が内燃機関で燃焼して生じる排ガスに対して特に高い排ガス浄化触媒機能を発揮し得る。
しかし、実際に内燃機関を使用する場合(典型的には自動車を運転する場合)に供給される混合気の空燃比をストイキ近傍に維持し続けることは難しく、例えば自動車の走行条件などによって混合気の空燃比が燃料過剰(リッチ:A/F<14.7)になったり、酸素過剰(リーン:A/F>14.7)になったりする。そこで、近年、酸素吸蔵放出能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有する無機材料、即ちOSC材を担体に含ませることが一般化している。
三元触媒では、OSC材として、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を主体とする複合酸化物(以下「CZ複合酸化物」ともいう。)が従来から使用されている。例えば下記特許文献1には、セリウム酸化物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が50%以上であるCZ複合酸化物であって該CZ複合酸化物の粒子を構成する結晶子の平均径が100nm以下であることを特徴とするCZ複合酸化物から成るOSC材を備えた従来の排ガス浄化用触媒の一例が開示されている。また、下記特許文献2には、OSC材として使用されるCZ複合酸化物であって結晶子径が10nm程度のCZ複合酸化物粒子の製造方法が紹介されている。
特開平09−155192号公報 特開2008−289985号公報
ところで、かかるOSC材として用いられるCZ複合酸化物の弱点の一つとして耐熱性の低さが挙げられる。即ち、従来のCZ複合酸化物から成る粒子(一次粒子)では、該粒子を構成する結晶子の結晶成長が高温時(例えば耐久試験時)に起こり易く、それに伴って該CZ複合酸化物から成るOSC材に担持された触媒金属の凝集も進行し、結果、活性点の減少を招く虞がある。
そこで、OSC材として用いられるCZ複合酸化物の耐熱性を向上させること、より具体的には、CZ複合酸化物粒子を構成する結晶子の結晶成長を抑制し、触媒金属の凝集及びOSC機能の低下を抑制し得る耐熱性の向上が求められている。
本発明は、かかるOSC材に関する上記課題を解決するために創出されたものであり、その主な目的は、結晶子の結晶成長を抑制して触媒金属の凝集及びOSC機能の低下を抑制し得る耐熱性を具備するOSC材の提供、ならびに該OSC材を備える排ガス浄化用触媒を提供することである。
上記目的を実現するべく、ここで開示される排ガス浄化用触媒は、内燃機関の排気管に配置されて該内燃機関から排出される排ガスの浄化を行う排ガス浄化用触媒であって、酸化触媒及び/又は還元触媒として機能する触媒金属と該金属を担持する担体とを備えている。
そして上記担体として、OSC材として機能する酸化物から成る担体を備えており、該担体は、以下の2種の結晶子、即ち、
ジルコニウム(Zr)及びセリウム(Ce)を含む酸化物から成る結晶子Aと、
ジルコニウム(Zr)及びセリウム(Ce)を含む酸化物から成る結晶子Bであって、該酸化物中のZr及び/又はCeの含有率(mol%)が前記結晶子Aの酸化物中の含有率(mol%)とは異なる結晶子B、
とが混在した酸化物粒子から構成されていることを特徴とする。
本発明者は、従来から使用されているOSC材(典型的にはCZ複合酸化物)を構成する結晶子に着目した。即ち、従来のCZ複合酸化物から成るOSC材の一次粒子は、通常、単一の構成の結晶子から成る集合体(凝集体)であり、このことが熱耐久試験のような高温に晒された際の焼結による結晶成長を助長する大きな要因であることに着目した。そして、相互に結晶構造が異なる(より具体的には格子定数が異なる)2種の結晶子を混在させることにより、異種結晶子同士が障壁となって結晶成長が阻まれることを見出し、本発明の創出に至った。
即ち、ここで開示される上記構成の排ガス浄化用触媒は、担体(OSC材)として上記結晶子A及び結晶子Bが混在して成る酸化物粒子からなるものを含むことにより、熱耐久試験のような高温条件下での使用時にも結晶成長を抑制し、該酸化物粒子(OSC担体)に担持されるPGMから成る触媒金属の凝集ならびにOSC機能の低下を抑制し、高性能(例えば三元触媒の三元性能)を安定して維持することができる。
好ましくは、ここで開示される排ガス浄化用触媒は、上記担体を構成する酸化物粒子の1150℃、5時間の大気中での熱処理後における比表面積が35m/g以上であることを特徴とする。高温条件下での使用時にも結晶成長を抑制し得るため、かかる高比表面積を維持することができ、高い触媒能(典型的には三元性能)を維持することができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい一態様では、上記結晶子Aと結晶子Bとは、それぞれ、相互に異なる含有率でZr及びCeの両方を含む酸化物から構成されていることを特徴とする。
このように、CeとZrとを異なる含有割合で含む異種結晶子から構成されるCZ複合酸化物のOSC材は、高温条件下での使用時における結晶成長が抑制され、所望のOSC機能を安定的に維持することができる。
好ましくは、一方の結晶子(結晶子A)を構成する酸化物に含まれるZrの含有率は酸化物換算で該酸化物全体の75〜99mol%であり、他方の結晶子(結晶子B)を構成する酸化物に含まれるCeの含有率は酸化物換算で該酸化物全体の20〜99mol%であることを特徴とする。
このようにZr主体の結晶子とCeを高率に含有する結晶子とを混在させた酸化物粒子(CZ複合酸化物粒子)からなる担体(OSC材でもある)は、特に高い熱安定性即ち結晶成長抑制能とOSC機能を発揮させることができる。
また、ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい他の一態様では、結晶子A及び結晶子Bのうち何れか一方の結晶子は、Zr及びCeとともに少なくともイットリウム(Y)を含む酸化物から成り、他方の結晶子は、Zr及びCeとともに少なくともランタン(La)を含む酸化物から成ることを特徴とする。
これら金属成分をそれぞれ含む異種結晶子が混在して成る酸化物粒子によると、より高い熱安定性(結晶成長抑制能)を発揮させることができる。
また、ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい他の一態様では、結晶子A及び結晶子Bは、高度に分散した状態、典型的には電子顕微鏡観察下でA及びBのいずれについても同種の結晶子が7個以上互いに接して存在しないように高度に分散した状態で担体を構成する酸化物粒子中に混在していることを特徴とする。
ここで「同種の結晶子が7個以上互いに接して存在しない」とは、電子顕微鏡観察(典型的にはTEM像)において任意に選択した一つの結晶子からみてその周囲に存在する他の結晶子のうち、最も近い位置にある6個が全て同種の結晶子とはならない、換言すれば、電子顕微鏡観察(典型的にはTEM像)において7個以上の同種の結晶子が偏って存在せず、相互に近接する7個の結晶子を電子顕微鏡観察下で任意にピックアップしたとき、そのうちの少なくとも1個は他の6個の結晶子とは異なる種類の結晶子となる程度の高度な分散状態にあることをいう。電子顕微鏡観察を複数の視野(例えば異なるTEM画像)において行う場合は、各視野における平均値をいう。
このような高度な分散状態を維持した酸化物粒子では、特に高い熱安定性(結晶成長抑制能)を発揮させることができる。さらに同種の結晶子が6個以上互いに接して存在しない分散状態が特に好ましい。
排ガス浄化用触媒の一例を模式的に示す斜視図である。 一実施例に係る触媒粉末(A1B1)のTEM−EDX測定結果を示す図(TEM画像及び元素分析チャート)である。 一比較例に係る触媒粉末(A1+B1)のTEM−EDX測定結果を示す図(TEM画像及び元素分析チャート)である。 幾つかの実施例(1〜3)及び比較例(1〜3)に係る触媒のNO50%浄化温度(℃)を示したグラフである。横軸は各触媒を構成する酸化物粒子の比表面積(m/g)であり、縦軸はNO50%浄化温度(℃)である。 幾つかの実施例(1〜3)及び比較例(1〜3)に係る触媒のNO50%浄化温度(℃)を示したグラフである。横軸は結晶子A又は結晶子Bが連続して接触する個数であり、縦軸はNO50%浄化温度(℃)である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適ないくつかの実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術知識とに基づいて実施することができる。
本明細書において「結晶子」とは、一連の連続した結晶格子から成り、単結晶とみなせる基本構造の最大の集まり(粒子)をいう。結晶子の性状は、例えばXRD(X線回折)測定を行い、リートベルト解析等を行うことにより調べることができる。また、結晶子の存在状態は、電子顕微鏡(典型的にはTEM)観察によって明らかにすることができる。また、電子顕微鏡観察とEDX(エネルギー分散型X線分光法)を組み合わせて行うことにより(例えばTEM−EDX)、対象とする結晶子の元素分析や組成分析を行うことができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒は、OSC機能を有する担体として上述した2つの異種結晶子(A及びB)が混在(分散)した状態で構成される酸化物粒子を触媒層の少なくとも一部に備えられていることで特徴付けられる排ガス浄化用触媒であり、その他の構成は特に限定されない。典型的には、三元触媒として内燃機関の排気管に配置される排ガス浄化用触媒として用いられ、基材と、該基材上に形成された触媒層であって酸化触媒及び/又は還元触媒として機能する触媒金属と該金属を担持する担体とを含む触媒層とを備える。
ここで開示される排ガス浄化用触媒は、後述する触媒金属、担体、基材の種類を適宜選択し、用途に応じて所望する形状に成形することによって種々の内燃機関、特に自動車のガソリンエンジンの排気系(排気管)に配置することができる。
以下の説明では、主として本発明の排ガス浄化用触媒を自動車のガソリンエンジンの排気管に設けられる三元触媒に適用することを前提として説明しているが、ここで開示される排ガス浄化用触媒を以下に説明する実施形態に限定することを意図したものではない。
<基材>
ここで開示される排ガス浄化用触媒を排気管に設置する場合において触媒の骨格を構成する基材としては、従来この種の用途に用いられる種々の素材及び形態のものを採用することができる。例えば、高耐熱性を有するコージェライト、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックス、或いは合金(ステンレス鋼等)製の基材を使用することができる。
形状についても従来の排ガス浄化用触媒と同様でよい。一例として図1に示す排ガス浄化用触媒10のように、外形が円筒形状であるハニカム基材1であって、その筒軸方向に排ガス流路としての貫通孔(セル)2が設けられ、各セル2を仕切る隔壁(リブ壁)4に排ガスが接触可能となっているものが挙げられる。基材1の形状はハニカム形状の他にフォーム形状、ペレット形状などとすることができる。また基材全体の外形については、円筒形に代えて楕円筒形、多角筒形を採用してもよい。
<触媒層>
基材上に形成される触媒層は、排ガスを浄化する場として、この種の排ガス浄化用触媒の主体をなすものであり、典型的には触媒金属粒子と、該触媒金属粒子を担持する担体とから構成される。例えば上述した図1に示すハニカム基材1を採用した場合には、当該基材1のセルを構成するリブ壁4上に所定の厚み、気孔率の触媒層が形成される。触媒層は全体がほぼ同一の構成の一層からなるものでもよく、或いは、基材1上に形成された相互に異なる上下二層若しくは三層以上を有する積層構造タイプの触媒層であってもよい。
<触媒金属>
ここで開示される排ガス浄化用触媒の触媒層に備えられる触媒金属は、種々の酸化触媒や還元触媒として機能し得る金属種が採用され得るが、典型的には、PGMであるロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等が挙げられる。ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、銀(Ag)、銅(Cu)等を使用してもよい。これら貴金属の2種以上が合金化したものを用いてもよい。或いは他の金属種を含むもの(典型的には合金)であってもよい。
この中で、還元活性が高いRhと、酸化活性が高いPdやPtとを組み合わせて用いることが三元触媒を構築するうえで特に好ましい。例えば、ここで開示される異種結晶子A及びBから成るOSC材には、Rh或いはPt若しくはPdを担持させることが好ましい。
かかる触媒金属は、排ガスとの接触面積を高める観点から十分に小さい粒径の微粒子として使用されることが好ましい。典型的には上記金属粒子の平均粒径(TEM観察により求められる粒径の平均値。以下同じ。)は1〜15nm程度であり、10nm以下、7nm以下、更には5nm以下であることが特に好ましい。
かかる貴金属の担持率(担体を100質量%としたときの貴金属含有率)は、2質量%以下が好ましく、より好ましくは1.5質量%以下である。例えば、0.05質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。担持率が上記範囲より少なすぎると、金属による触媒効果が得られにくい。かかる担持率が上記範囲より多すぎると、金属の粒成長が進行する虞があり、さらにコスト面でも不利である。
<担体>
ここで開示される排ガス浄化用触媒の触媒層には、異種結晶子A及びBから成るOSC材以外にも1種又は2種以上の担体を備える。
好ましくは、比表面積(BET法により測定される比表面積をいう。以下同じ。)がある程度大きい無機化合物から成る多孔質担体が好適に用いられる。好適な担体としては、例えば、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、及びそれらの固溶体(例えばセリア−ジルコニア複合酸化物(CZ複合酸化物)、或いはそれらの組み合わせが挙げられる。
排ガス浄化用触媒の熱安定性を高めるという観点からは、耐熱性のよいアルミナ、ジルコニア等のセラミックスを担体若しくは非担持体(触媒金属を担持させていない触媒層の構成成分をいう。以下同じ。)として触媒層に含ませることが好ましい。
担体又は非担持体の粒子(例えばアルミナ粉末)としては、比表面積が30m/g以上であることが好ましい。アルミナ等の担体としては50m/g以上、例えば50〜500m/g(例えば200〜400m/g)であることが耐熱性、構造安定性の観点から好ましい。また、担体粒子の平均粒径は特に限定するものではないが、1nm以上500nm以下(より好ましくは10nm以上200nm以下)程度であることが好ましい。
また、このような無機化合物(セラミックス)を担体として使用する場合、好ましくは触媒単位容積(1L)あたりの触媒金属含有量が0.1〜5g/L程度が適当であり、0.2〜2g/L程度が好ましい。触媒金属含有量が多すぎるとコスト的に好ましくなく、少なすぎると排ガス浄化能が低いために好ましくない。ここで触媒単位容積(1L)は、基材の純容積に加えて内部の空隙(セル)容積を含む(即ち当該空隙(セル)内に形成された触媒層を含む)嵩容積(1L)をいう。
<OSC材>
異種結晶子A及びBから成るOSC材を触媒層における排ガス流動方向の上流側及び/又は下流側に備える。ここで開示される排ガス浄化用触媒の触媒層を構築するのに用いられるOSC材(担体としても用いられる。)は、上述した異種結晶子A及びBから成る酸化物粒子、具体的にはZr及びCeのうちの少なくとも一方を含む酸化物から成る結晶子Aと、Zr及びCeのうちの少なくとも一方を含む酸化物から成る結晶子Bであって該酸化物中のZr及び/又はCeの含有率(mol%)が結晶子Aの酸化物中の含有率(mol%)とは異なる結晶子Bとが混在して構成される酸化物粒子である。このような2種の結晶子を混在させることにより、例えば1150℃、5時間の大気中での熱処理後においても結晶成長を抑え、典型的には35m/g以上(特に好ましくは40m/g以上)であるような高い比表面積を維持することができる。
結晶子Aと結晶子Bとは相互に結晶構造が異なる、より具体的には相互に格子定数が異なることによって当該異種結晶子同士が障壁となり得て高温時の結晶成長が阻まれるように構成されていればよく、各結晶子の構成元素の種類や数に特に制限はない。
例えば、結晶子A(A、Bは区分のための記号にすぎない。)がZrを主体とするものである場合、その他の元素としてCe、その他1種又は2種以上の希土類元素、例えば、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)等のうちの1種又は2種以上を含むものでもよい。例えばZrの含有率が酸化物換算で酸化物全体の75〜99mol%であるとともにYを少量(例えば5mol%以下、或いは10mol%以下)含む複合酸化物から成る結晶子Aが好適な一例として挙げられる。
他方、結晶子BがCeを高率に含有するものである場合、その他の元素としてZr、その他1種又は2種以上の希土類元素(La、Y、Nd、Pr、Sm、Eu等)を含むものでもよい。例えばCeの含有率が酸化物換算で酸化物全体の20〜99mol%であるとともにLaを少量(例えば5mol%以下、或いは10mol%以下)含む酸化物から成る結晶子Bが好ましい。
結晶子の平均サイズは、従来の排ガス浄化用触媒に使用されるOSC材(例えばCZ複合酸化物)を構成するものと同様でよく、典型的にはTEM等の電子顕微鏡観察において2〜100nm、好ましくは5〜50nm程度である。
上述したような相互に結晶構造(格子定数)が異なる結晶子A及び結晶子Bから成る酸化物粒子、即ち粉末状のOSC材は、予め結晶子Aを構成する元素を含むように種々の化合物(典型的には構成金属元素を含む金属塩、例えばZr、Ce、希土類元素それぞれの硝酸塩、アンモニウム塩、リン酸塩等の塩)から調製された前駆体(非焼成物)Aと、同様に、予め結晶子Bを構成する元素を含むように種々の化合物(典型的には種々の金属塩)から調製された前駆体(非焼成物)Bとを、適当な酸化剤、例えば種々の有機酸や過酸化水素と共に混合して酸化条件下(典型的には大気中)で焼成することによって得ることができる。
上述したような構成の排ガス浄化用触媒は、従来と同様の製造プロセスによって製造することができる。
例えば、先ず、Pd、Pt、Rh等の触媒金属を担持した所望の担体粉末(アルミナ、ジルコニア等の一般的な担体、及び結晶子A及びBから成るOSC材、等)或いは非担持体(アルミナ、ジルコニア、或いは結晶子A及びBから成るOSC材を非担持体として用いてもよい。)粉末を含むスラリーを公知のウォッシュコート法等によってハニカム基材にコートする。その後、所定の温度及び時間で焼成することにより、基材上に触媒層を形成することができる。
なお、ウォッシュコート法を用いて触媒層を形成する場合、上記の手順に代えて担体(この段階では全てが非担持体)をウォッシュコート法によって予め基材上に形成しておき、その後に従来公知の含浸法等によって所望の触媒金属を担持させてもよい。
ウォッシュコートされたスラリーの焼成条件は基材または担体の形状及びサイズによって変動するので、特に限定しないが、典型的には400〜1000℃程度で約1〜4時間程度の焼成を行うことによって、目的の触媒層を形成することができる。なお、焼成前の乾燥条件については特に限定されるものではないが、80〜300℃の温度(例えば150〜250℃)で1〜12時間程度の乾燥が好ましい。また、触媒層をこのようなウォッシュコート法により形成する場合、基材の表面、さらに積層構造触媒層の場合には下層の表面に上層形成用スラリーを好適に密着させるため、スラリーにはバインダーを含有させることが好ましい。かかる目的のバインダーとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル等の使用が好ましい。なお、スラリーの粘度は該スラリーが基材(例えばハニカム基材)のセル内へ容易に流入し得るように適宜調整するとよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<試験例1:排ガス浄化用触媒の製造>
[実施例1]
イオン交換水700mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)32.88g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)376.7g、硝酸ネオジム溶液(Ndとして10質量%)32.14g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)12.94g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)12.45g、ポリビニルピロリドン(PVP K−30(商品名))0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。
次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a1を得た。
一方、イオン交換水700mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)164.7g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)117.9g、硝酸ネオジム溶液(Ndとして10質量%)26.82g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)25.98g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。
次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b1を得た。
イオン交換水1000mLに、上記前駆体a1及び前駆体b1を全量添加し、さらに有機酸としてマロン酸1gと3%過酸化水素水10gを添加して攪拌した。このようにして調製した混合スラリーを80〜85℃に加熱した後にホモジナイザーで60分間の攪拌を行った。その後、濾過し、純水で洗浄した後に110℃で乾燥させ、大気中、800℃で5時間の焼成を行うことにより粉末A1B1を得た。得られた粉末A1B1をTEM−EDX測定(5万倍〜40万倍、50視野)に供し、粉末の性状を調べた。結果の一部を図2に示す。
TEM−EDX測定結果から、本実施例1に係る粉末A1B1は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Nd/Y/La=80/10/5/3/2である結晶子A1と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/Nd/La=60/30/5/5である結晶子B1とが存在することが確認された。また、図2に示すTEM画像から、結晶子の粒径は5〜50nm程度であった。
また、TEM画像中において番号1,2,3,4,5,6を付して特定した個々の結晶子の元素分析についての各チャート(図2)に示されるように、得られた粉末A1B1中では、結晶子A1、結晶子B1の何れについても同種の結晶子が7個以上互いに接して存在しない高度な分散状態で結晶子A1と結晶子B1が混在していることが確認された。具体的には、TEM−EDX測定(20万倍〜40万倍、50視野)により、任意の直線上にある連続する50個の結晶子について元素組成を分析し、結晶子Aと結晶子Bを区別するとともに、分析した上記50個の結晶子について、結晶子Aが連続して接触する個数の最大値、及び結晶子Bが連続して接触する個数の最大値を求めた。これを50視野において同様に行い、各視野での最大値の平均値を結晶子A又は結晶子Bが連続して接触する個数とした。結果を表1の該当欄に示す。表1に示すように、本実施例1に係る粉末A1B1では、結晶子Aが連続して接触する個数は2個であり、結晶子Bが連続して接触する個数も2個であった。
次に、49.5gの上記粉末A1B1を400mLのイオン交換水中に分散させ、硝酸パラジウム(Pdとして5質量%)10gを投入して粉末に吸着担持させ、吸引濾過により水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところPd担持効率は100%であった。
かかるPd担持粉末A1B1を110℃で12時間の乾燥後、大気中、500℃で焼成することにより、本実施例1に係る排ガス浄化用触媒(Pd/A1B1)を得た。この触媒粉末を圧粉成型し、粉砕して粒度0.5〜1.0mmの後述する触媒活性評価試験用のペレット状触媒Iを得た。
[実施例2]
上記ホモジナイザーでの攪拌時間を60分から15分に変更した以外は上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒IIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒IIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例3]
上記ホモジナイザーでの攪拌時間を60分から5分に変更した以外は上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒IIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒IIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例1]
上記マロン酸及び過酸化水素水を用いなかったこと以外は上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒IVを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒IVの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例2]
上記マロン酸及び過酸化水素水を用いなかったことと、上記混合スラリーを加熱しなかったことと、さらに上記ホモジナイザーを使用しなかったこと以外は、上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒Vを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒Vの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例3]
イオン交換水700mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)32.88g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)376.7g、硝酸ネオジム溶液(Ndとして10質量%)32.14g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)12.94g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)12.45g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。
次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄した後、110℃で乾燥させ、大気中、800℃で5時間の焼成を行うことにより粉末A1を得た。
TEM−EDX測定結果から、本比較例3に係る粉末A1は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Nd/Y/La=80/10/5/3/2である結晶子A1が存在することが確認された。
一方、イオン交換水700mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)164.7g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)117.9g、硝酸ネオジム溶液(Ndとして10質量%)26.82g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)25.98g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。
次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄した後、110℃で乾燥させ、大気中、800℃で5時間の焼成を行うことにより粉末B1を得た。
TEM−EDX測定結果から、本比較例3に係る粉末B1は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/Nd/La=60/30/5/5である結晶子B1が存在することが確認された。また、図3に示すTEM画像から、結晶子の粒径は5〜50nm程度であった。
また、図3のTEM画像中において番号7,8,9,10,11,12を付して特定した個々の結晶子の元素分析についての各チャート(図3)に示されるように、得られた粉末(A1+B1)中では、結晶子A1及び結晶子B1は上述した実施例1におけるような高度な分散状態では存在しておらず、結晶子A1が偏在する部位、結晶子B1が偏在する部位が確認された。
次に、24.75gの上記粉末A1と、24.75gの上記粉末B1を、400mLのイオン交換水中に分散させ、硝酸パラジウム(Pdとして5質量%)10gを投入して粉末に吸着担持させ、吸引濾過により水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところPd担持効率は100%であった。かかるPd担持粉末を110℃で12時間の乾燥後、大気中、500℃で焼成することにより、本比較例3に係る排ガス浄化用触媒(Pd/(A1+B1))を得た。この触媒粉末を圧粉成型し、粉砕して粒度0.5〜1.0mmの後述する触媒活性評価試験用のペレット状触媒VIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒VIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例4]
上記実施例1において使用した硝酸パラジウム溶液(Pdとして5質量%)10gに代えてジニトロジアミンPt硝酸溶液(Ptとして5質量%)10gを用いた以外は上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒VIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒VIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例4]
上記比較例3において使用した硝酸パラジウム溶液(Pdとして5質量%)10gに代えてジニトロジアミンPt硝酸溶液(Ptとして5質量%)10gを用いた以外は上述した比較例3と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒VIIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒VIIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例5]
上記実施例1において使用した硝酸パラジウム溶液(Pdとして5質量%)10gに代えて硝酸ロジウム溶液(Rhとして5質量%)10gを用いた以外は上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒IXを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒IXの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例5]
上記比較例3において使用した硝酸パラジウム溶液(Pdとして5質量%)10gに代えて硝酸ロジウム溶液(Rhとして5質量%)10gを用いた以外は上述した比較例3と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒Xを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒Xの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例6]
イオン交換水850mLにオキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)600gとPVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a2を得た。
一方、イオン交換水550mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)149.3g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)61.07g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)40.37g、PVP K−30(商品名)0.04gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b2を得た。
そして、上記実施例1において使用した前駆体a1及び前駆体b1に代えて上記前駆体a2及び前駆体b2を用いた以外は上述した実施例1と同様のプロセスで粉末A2B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本比較例6に係る粉末A2B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr=100である結晶子A2と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
次に、49gの上記粉末A2B2を400mLのイオン交換水中に分散させ、硝酸パラジウム(Pdとして5質量%)20gを投入して粉末に吸着担持させ、吸引濾過により水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところPd担持効率は100%であった。
かかるPd担持粉末A2B2を110℃で12時間の乾燥後、大気中、500℃で焼成することにより、本比較例6に係る排ガス浄化用触媒(Pd/A2B2)を得た。この触媒粉末を上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例6]
イオン交換水850mLにオキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)594.5g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)5.50g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a3を得た。
そして、上述の比較例6において使用した前駆体a2に代えて上記前駆体a3を使用した以外は上述した比較例6と同様のプロセスで粉末A3B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例6に係る粉末A3B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Y=99/1である結晶子A3と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
さらに、粉末A2B2に代えて上記粉末A3B2を用いた以外は、上述した比較例6と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例7]
イオン交換水850mLにオキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)544.6g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)55.44g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a4を得た。
そして、上述の比較例6において使用した前駆体a2に代えて上記前駆体a4を使用した以外は上述した比較例6と同様のプロセスで粉末A4B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例7に係る粉末A4B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Y=90/10である結晶子A4と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
さらに、粉末A2B2に代えて上記粉末A4B2を用いた以外は、上述した比較例6と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XIIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XIIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例8]
イオン交換水850mLに硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)20.71g、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrOとして10質量%)504.2g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)54.36g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a5を得た。
そして、上述の比較例6において使用した前駆体a2に代えて上記前駆体a5を使用した以外は上述した比較例6と同様のプロセスで粉末A5B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例8に係る粉末A5B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y=85/5/10である結晶子A5と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
さらに、粉末A2B2に代えて上記粉末A5B2を用いた以外は、上述した比較例6と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XIVを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XIVの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例9]
イオン交換水850mLに硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)59.79g、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrOとして10質量%)428.1g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)52.31g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a6を得た。
そして、上述の比較例6において使用した前駆体a2に代えて上記前駆体a6を使用した以外は上述した比較例6と同様のプロセスで粉末A6B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例9に係る粉末A6B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y=75/15/10である結晶子A6と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
さらに、粉末A2B2に代えて上記粉末A6B2を用いた以外は、上述した比較例6と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XVを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XVの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例7]
イオン交換水850mLに硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)96.03g、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrOとして10質量%)357.5g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)50.40g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a7を得た。
そして、上述の比較例6において使用した前駆体a2に代えて上記前駆体a7を使用した以外は上述した比較例6と同様のプロセスで粉末A7B2を得た。TEM−EDX測定結果から、本比較例7に係る粉末A7B2は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y=65/25/10である結晶子A7と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=70/20/10である結晶子B2とが存在することが確認された。
さらに、粉末A2B2に代えて上記粉末A7B2を用いた以外は、上述した比較例6と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XVIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XVIの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例8]
イオン交換水800mLに硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)18.61g、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrOとして10質量%)453.1g、硝酸イットリウム溶液(Yとして10質量%)24.42g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)35.24g、PVP K−30(商品名)0.06gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体a8を得た。
一方、イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)225gと、PVP K−30(商品名)0.05gとを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b3を得た。
そして、上記実施例1において使用した前駆体a1及び前駆体b1に代えて上記前駆体a8及び前駆体b3を用いた以外は上述した実施例1と同様のプロセスで粉末A8B3を得た。TEM−EDX測定結果から、本比較例8に係る粉末A8B3は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe=100である結晶子B3とが存在することが確認された。
次に、49.25gの上記粉末A8B3を400mLのイオン交換水中に分散させ、ジニトロジアミンPt硝酸溶液(Ptとして5質量%)15gを投入して粉末に吸着担持させ、吸引濾過により水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところPt担持効率は100%であった。
かかるPt担持粉末A8B3を110℃で12時間の乾燥後、大気中、500℃で焼成することにより、本比較例8に係る排ガス浄化用触媒(Pt/A8B3)を得た。この触媒粉末を上述した実施例1と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XVIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XVIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例10]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)222.9g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)4.26g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b4を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b4を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B4を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例10に係る粉末A8B4は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/La=99/1である結晶子B4とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B4を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XVIIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XVIIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例11]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)203.6g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)42.82g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b5を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b5を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B5を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例11に係る粉末A8B5は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/La=90/10である結晶子B5とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B5を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XIXを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XIXの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例12]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)186.3g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)33.34g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)44.08g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b6を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b6を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B6を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例12に係る粉末A8B6は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=80/10/10である結晶子B6とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B6を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XXを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XXの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例13]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)148.4g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)106.3g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)46.84g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b7を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b7を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B7を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例13に係る粉末A8B7は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=60/30/10である結晶子B7とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B7を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XXIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XXIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例14]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)105.6g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)188.9g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)50.00g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b8を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b8を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B8を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例14に係る粉末A8B8は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=40/50/10である結晶子B8とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B8を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XXIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XXIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[実施例15]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)56.54g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)283.4g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)53.52g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b9を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b9を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B9を得た。TEM−EDX測定結果から、本実施例15に係る粉末A8B9は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=20/70/10である結晶子B8とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B9を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒活性評価試験用のペレット状触媒XXIIIを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XXIIIの性状は、表1の該当欄に示す。
[比較例9]
イオン交換水600mLに、硝酸セリウム溶液(CeOとして20質量%)29.32g、オキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrOとして10質量%)335.9g、硝酸ランタン溶液(Laとして10質量%)55.5g、PVP K−30(商品名)0.05gを添加し、攪拌して混合溶液を調製した。次いで、この混合溶液を90〜95℃に加熱した後、尿素を添加してpHを11に調整して共沈物を得た。その後、ヒドラジン13gを添加し、90〜95℃で12時間攪拌した。得られた共沈物を濾過し、純水で洗浄することにより前駆体b10を得た。
そして、上述の比較例8において使用した前駆体b3に代えて上記前駆体b10を使用した以外は上述した比較例8と同様のプロセスで粉末A8B10を得た。TEM−EDX測定結果から、本比較例9に係る粉末A8B10は、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がZr/Ce/Y/La=85/5/5/5である結晶子A8と、酸化物換算で構成金属元素の含有率(mol%)がCe/Zr/La=10/80/10である結晶子B8とが存在することが確認された。
さらに、粉末A8B3に代えて上記粉末A8B10を用いた以外は、上述した比較例8と同様のプロセスで触媒XXIVを得た。TEM−EDX測定結果等の触媒XXIVの性状は、表1の該当欄に示す。
表1に示すように、各実施例に係る触媒では、結晶子Aと結晶子Bのいずれについても電子顕微鏡観察下で同種の結晶子が7個以上互いに接して存在しないように高度に分散した状態で存在している。換言すれば、上述した規定による同種の結晶子が連続して接触する個数は5個以下であった。他方、各比較例に係る触媒では、電子顕微鏡観察下で同種の結晶子が7個以上互いに接して存在することが認められ、上述した規定による同種の結晶子が連続して接触する個数も実施例の触媒と比較して多く、同種の結晶子が連続して接触する個数が10個以上のものも認められた。
<試験例2:高温処理時の結晶成長の度合い〜比表面積の測定〜>
試験例1で得られた実施例1〜15及び比較例1〜9の各触媒を熱処理した後のBET比表面積(m/g)を調べた。
具体的には、各触媒(粉末)について大気(Air雰囲気)中で1150℃、5時間の熱処理(焼成)を行った。その後、一般的なBET法に基づいて表面積を測定した。結果を表2に示す。
表2に示すように、各実施例の触媒粉末(酸化物粒子)の比表面積は何れも35m/g以上であり、いくつかは40m/g以上であった。その一方で、各比較例の触媒粉末(酸化物粒子)の比表面積は何れも30m/g以下であった。このことは、分散状態で異種結晶子が混在する実施例の触媒では、異種結晶子同士が障壁となって結晶成長を阻み、結果、比表面積の低下を効果的に防ぎ得ることを示している。
<試験例3:触媒活性評価>
試験例1で得られた実施例1〜15及び比較例1〜9の各触媒を熱耐久試験に供試した後の触媒活性の評価を調べた。
具体的には、各触媒(上記ペレット状触媒)を、流通式の熱耐久試験装置に配置し、窒素ガスに酸素(O)を1mol%加えたリーンガスと、窒素ガスに一酸化炭素(CO)を2mol%加えたリッチガスを、触媒床温度900℃において500mL/分のガス流で3分周期で交互に40時間流通させる熱耐久処理を行った。
次いで、処理後の触媒を、常圧固定床流通反応装置に配置し、ストイキ相当のモデルガスを該装置内の触媒に流通させつつ、100℃から500℃まで12℃/分の速度で昇温していき、その間のHC浄化率及びNO浄化率を連続的に測定した。そして当該浄化率が50%となるときの温度を50%浄化温度として求めた。結果を表2の該当欄に示す。また、結果の一部(実施例1〜3及び比較例1〜3)を図4及び図5に示す。
表2ならびに図4、図5に示すように、担持されるPGM(Pd,Pt,Rh)の種類にかかわらず、実施例に係る触媒の50%HC浄化温度及び50%NO浄化温度は、対応する比較例の触媒の50%HC浄化温度及び50%NO浄化温度よりも低かった。
このことは、分散状態で異種結晶子が混在する各実施例の触媒では、異種結晶子同士が障壁となって結晶成長を阻み、結果、触媒金属(ここではPGM)の凝集やOSC機能の低下を防止して高い触媒活性を維持し得ることを示している。
以上の試験例から明らかなように、ここで開示される排ガス浄化用触媒を用いることによって結晶成長による触媒金属の凝集、OSC能の低下を防止し、例えば三元触媒の触媒活性(三元性能)を安定して発揮させることができる。従って、より高性能な三元触媒その他の排ガス浄化用触媒を提供することができる。
1 基材
2 セル
4 リブ壁
10 排ガス浄化用触媒

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気管に配置されて該内燃機関から排出される排ガスの浄化を行う排ガス浄化用触媒であって、
    酸化触媒及び/又は還元触媒として機能する触媒金属と該金属を担持する担体とを備えており、
    前記担体としてOSC材として機能する酸化物から成る担体を備えており、該担体は、
    ジルコニウム(Zr)及びセリウム(Ce)を含む酸化物から成る結晶子Aと、
    ジルコニウム(Zr)及びセリウム(Ce)を含む酸化物から成る結晶子Bであって、該酸化物中のZr及び/又はCeの含有率(mol%)が前記結晶子Aの酸化物中の含有率(mol%)とは異なる結晶子Bと、
    が混在した酸化物粒子から構成されており、
    ここで前記酸化物粒子の1150℃、5時間の大気中での熱処理後における比表面積が35m/g以上であることを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記結晶子Aと前記結晶子Bとは、それぞれ、相互に異なる含有率でZr及びCeをむ、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記結晶子Aを構成する酸化物に含まれるZrの含有率は酸化物換算で該酸化物全体の75〜99mol%であり、
    前記結晶子Bを構成する酸化物に含まれるCeの含有率は酸化物換算で該酸化物全体の20〜99mol%である、請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記結晶子A及び結晶子Bのうち何れか一方の結晶子は、Zr及びCeとともに少なくともイットリウム(Y)を含む酸化物から成り、他方の結晶子は、Zr及びCeとともに少なくともランタン(La)を含む酸化物から成る、請求項1〜3の何れか一項に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記結晶子A及び結晶子Bのいずれについても電子顕微鏡観察下で同種の結晶子が7個以上互いに接して存在しないように高度に分散した状態で前記担体を構成する酸化物粒子中に混在している、請求項1〜4の何れか一項に記載の排ガス浄化用触媒。
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