JPH0780311A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JPH0780311A
JPH0780311A JP5189196A JP18919693A JPH0780311A JP H0780311 A JPH0780311 A JP H0780311A JP 5189196 A JP5189196 A JP 5189196A JP 18919693 A JP18919693 A JP 18919693A JP H0780311 A JPH0780311 A JP H0780311A
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JP
Japan
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alumina
catalyst
weight
perovskite
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Pending
Application number
JP5189196A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Fujikawa
寛敏 藤川
Hirohisa Tanaka
裕久 田中
Ichiro Takahashi
一郎 高橋
Hironori Satou
容規 佐藤
Shinji Matsuura
慎次 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Industrial Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペロブスカイト型複合酸化物を触媒成分と
し、アルミナと共存させることによって高温でも高い比
表面積を維持できるようにするとともに、LaAlO3
の生成を抑えて触媒作用を維持させるようにする。 【構成】 担体基材2上にはZrO2で処理されたアル
ミナと耐熱セリアとが共存した第1層4が形成され、そ
の第1層4上にはペロブスカイト型複合酸化物と耐熱セ
リアとが共存した第2層6が形成されており、第1層4
及び第2層6には貴金属としてパラジウム8が担持され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は800℃より高温で用い
ても一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び酸化窒
素(NOx)の浄化能力に優れた排気ガス浄化用三元触
媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】希土類金属、アルカリ土類金属及び遷移
金属から構成されるペロブスカイト型構造を有する複合
酸化物は、CO、HC及びNOxを浄化する安価な排気
ガス浄化用三元触媒として実用化が期待されている(特
開昭59−87046号公報、特開昭60−82138
号公報参照)。しかし、ペロブスカイト型複合酸化物触
媒は800℃以下で使用するのを目的としており、自動
車排ガス用触媒のように900℃以上の高温域において
高い触媒活性を必要とし、かつ高温での耐久性も満足す
る必要がある場合には、十分な触媒とはいえない。すな
わち、ペロブスカイト型複合酸化物は、900℃以上の
高温で使用すると焼結して有効表面積が減少し、触媒活
性が著しく低下する。
【0003】また、ペロブスカイト型複合酸化物はC
O、HCの浄化能力は優れているが、NOxの浄化能力
がやや劣っており、自動車排ガス用の三元触媒として実
用に供するには十分ではない。そこで、NOx浄化能力
を改善するために、ペロブスカイト型複合酸化物に貴金
属を共存させればよいことが知られている。一方、アル
ミナ(酸化アルミニウム;Al23)は900℃以上の
高温においても高い比表面積を維持することのできる優
れたウォッシュコート材料として知られており、貴金属
触媒では広く用いられている。そこで、ペロブスカイト
型複合酸化物触媒を900℃以上というような高温度で
長時間用いることのできる三元触媒とするために、アル
ミナと共存させ、貴金属を添加することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ペロブスカイト型複合
酸化物をアルミナと共存させた場合、自動車排気ガス中
や大気中で800℃程度の高温で使用していると、ペロ
ブスカイト構造の組成中のLaがアルミナと反応してL
aAlO3を生成することが判明した。このLaAlO3
は触媒活性を持たず、これが生成することによって触媒
作用の優れたペロブスカイト型結晶構造が破壊される問
題が生じる。そこで、本発明はペロブスカイト型複合酸
化物を触媒成分とし、アルミナと共存させることによっ
て高温でも高い比表面積を維持できるようにするととも
に、LaAlO3の生成を抑えて触媒作用を維持させる
ようにした触媒を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の排気ガス浄化用
触媒は、担体基材上に設けられ、少なくともアルミナを
含みZrO2を添加又は表層に担持した第1層と、その
第1層上に設けられ一般式Ln1-xAxMO3(Lnは
Ceを除く希土類金属、AはCe又はアルカリ土類金
属、Mは遷移金属で、いずれも1種又は2種以上、0<
x<1)で示されるペロブスカイト型構造の複合酸化物
を含む第2層とを備え、第1層と第2層の少なくともい
ずれかに貴金属が担持されている。好ましい態様では、
第1層と第2層の少なくとも一方にはCe及びZr、又
はさらにCe以外の希土類金属を含む、少なくとも一部
が複合酸化物又は固溶体となっている耐熱性酸化物が共
存している。
【0006】アルミナや耐熱性酸化物は一般に触媒成分
の担体として用いられているのと同様の状態(形状、粒
度、純度、比表面積)で用いればよい。例えば、比表面
積は触媒成分を高分散状態に保持するため、20m2
g以上が望ましい。耐熱性酸化物中のCe、Zr、希土
類金属の比率は特に制限されないが、Ceの100原子
に対してZrは5〜100原子、好ましくは5〜50原
子、Ce以外の希土類金属は0〜100原子、好ましく
は5〜30原子の原子比となるように構成する。
【0007】アルミナや耐熱性酸化物による効果は、8
00℃を越える高温で長時間使用した後でも触媒成分を
高分散状態に維持することである。ペロブスカイト型複
合酸化物それ自体も三元触媒として使用できるが、NO
xに対する浄化能力がHCやCOに対する浄化能力に比
べてやや劣っている。そこで、NOxに対する活性を高
めるためにパラジウムなどの貴金属を少量添加した。貴
金属はプロブスカイト型複合酸化物上、又はさらにアル
ミナ上や耐熱性酸化物上にも担持されている。担持され
た貴金属は反応するペロブスカイト型複合酸化物上では
固溶及び析出現象が起こり、一方、反応しない高比表面
積のアルミナや耐熱性酸化物上では析出状態で高分散に
担持されることにより、排気ガス変動雰囲気下における
800℃を越える高温でも貴金属の焼結が起きにくく、
浄化活性が高度に維持される。
【0008】本発明における触媒成分の1つであるペロ
ブスカイト型複合酸化物の割合は触媒全量の1〜80重
量%が望ましい。1重量%より少ない場合は触媒活性が
低く、逆に80重量%より多くなるとアルミナや耐熱性
酸化物の効果が現われにくくなり好ましくない。ペロブ
スカイト型複合酸化物の形状、粒度、純度、比表面積な
どは触媒成分として通常用いられる状態であればよい。
【0009】他の触媒成分である貴金属は白金族のR
u、Rh、Pd、Os、Ir及びPtのうちから選ばれ
た1種又は2種以上を用いる。これらの貴金属のうちP
dを用いた場合にNOx浄化特性が最も向上する。貴金
属の量は触媒全量に対し0.01〜5重量%、望ましく
は0.1〜2重量%がよい。貴金属が0.01重量%よ
り少ない場合はNOx浄化能力の向上が不十分であり、
逆に5重量%を越えてもNOx浄化能力が飽和する。こ
れら貴金属は従来の三元触媒において通常用いられてい
る状態(形状、粒度、純度、比表面積)で用いる。この
ように、本発明にかかる触媒は、800℃を越える高温
でも耐久性のある安価な排気ガス浄化用三元触媒とな
る。
【0010】本発明の触媒を製造する方法のうち、貴金
属を担持させる工程ではpHを4以下又は10より大き
く調製した貴金属塩水溶液を用いて貴金属を含浸又は吸
着させて担持させ、乾燥後に焼成すればよい。その貴金
属を共存させる工程で、貴金属塩水溶液のpHを4以下
とする方法の場合は、水溶性貴金属塩としてはPdCl
2、PtCl2、RuCl3・3H2Oなどの塩化物、Pd
(NO3)2、Ru(NO3)3、Rh(NO3)3などの硝酸塩、
Pd(NO2)2(NH3)2、Pt(NO2)2(NH3)2などのジ
ニトロジアミン塩など、水溶液が強酸性を示すものが好
ましい。
【0011】貴金属塩水溶液のpHを10より大きくし
て貴金属を担持する方法の場合は、テトラアミンパラジ
ウムジクロライドPd(NH3)4Cl2やテトラアミンパ
ラジウム水酸塩Pd(NH3)4(OH)2などの塩基性水溶
液にアンモニア水や酸を添加してpH>10になるよう
に調製して用いるか、PdCl2、PtCl2、RuCl
3・3H2Oなどの塩化物、Pd(NO3)2、Ru(N
3)3、Rh(NO3)3などの硝酸塩、又はPd(NO2)
2(NH3)2、Pt(NO2)2(NH3)2などのジニトロジア
ミン塩などの酸性水溶液にアンモニア水を添加してpH
>10になるように調製して用いる。
【0012】
【発明の効果】本発明ではZrO2を添加した又は表層
に担持したアルミナを含む第1層上にペロブスカイト型
複合酸化物を含む第2層を積層し、Pdなどの貴金属を
共存させたので、800℃を越える高温でもペロブスカ
イト型結晶構造が破壊されることなく、活性を維持する
ことができる。
【0013】
【実施例】
(実施例1)図1はコージェライトハニカム担体基材2
上に形成された触媒層の部分断面を表わしたものであ
る。担体基材2上にはZrO2で処理されたアルミナと
耐熱セリア((Ce0.65Zr0.300.05)O2複合酸化
物)が共存した第1層4が形成され、その第1層4上に
はペロブスカイト型複合酸化物(La0.8Ce0.2)(F
0.6Co0.4)O3と前記と同じ耐熱セリアが共存した第
2層6が形成されており、第1層4及び第2層6には貴
金属としてパラジウム8が担持されている。
【0014】次に、図1の実施例を製造する方法につい
て説明する。手順1 : アルミナの前処理 市販のγ−Al23粉末100重量部にイオン交換水5
0重量部を加え、撹拌して含浸させる。次に、硝酸ジル
コニル(ZrO2分40.12wt%)49.9重量部を
イオン交換水50重量部に溶解し、先に含水させたγ−
Al23粉末に加えて撹拌し、40℃で30分間保持し
て吸着させる。その後、110℃に昇温させたオーブン
中で乾燥させる。30分ごとによく撹拌し、水分を飛散
させた後、110℃で12時間乾燥させる。乾燥した粉
末を、電気炉を用いて大気中で600℃で3時間焼成し
た後、乳鉢で180μm以下の大きさに粉砕し、微細な
ZrO2を表面に分散させたAl23粉末を得た。Al2
3とZrO2の重量比は10:2であった。
【0015】手順2 : 耐熱性酸化物の製造 アルミナやペロブスカイト型複合酸化物とともに担体と
して用いることのある耐熱性酸化物は、市販の高比表面
積の酸化セリウム粉末(CeO2比表面積130m2
g、純度99.9%/TREO(全希土類酸化物))1
11.9gを用意し、これにオキシ硝酸ジルコニウム
(ZrO(NO3)2)水溶液(液比重1.51、液中にZr
2換算で25.0重量%含まれる)147.9g、及
び硝酸イットリウム(Y(NO3)3)水溶液(液比重1.6
2、液中にY23換算で21.7重量%含まれる)2
6.0gを加え、よく撹拌して混合しながら110℃で
10時間大気中で乾燥した。その後、大気中で600℃
で3時間焼成を行ない、耐熱セリア{(Ce0.65Zr0.
300.05)O2複合酸化物}を約150g得た。
【0016】手順3 : ペロブスカイト型複合酸化物
結晶粉末の製造方法 ペロブスカイト型複合酸化物(La0.8Ce0.2)(Fe0.6
Co0.4)O3粉末の調製方法を説明する。硝酸ランタン
103.9g、硝酸セリウム26.1g、硝酸コバルト3
4.9g、硝酸鉄72.7gを純水に溶解した水溶液0.
3リットルを用意した。次に、中和共沈剤として炭酸ナ
トリウム50gを溶解した水溶液0.5リットルを用意
した。中和共沈剤を先の水溶液に滴下し、共沈物を得
た。その共沈物を十分水洗し、濾過した後、真空乾燥し
た。これを600℃で3時間大気中で焼成後、粉砕し、
その後、800℃で3時間大気中で焼成を行ない、さら
に粉砕し、(La0.8Ce0.2)(Fe0.6Co0.4)O3の粉
末を作成した。
【0017】手順4 : アルミナの担持 手順1で得たZrO2処理済みのAl23粉末100重
量部、手順2で得た耐熱セリア粉末50重量部、アルミ
ナゾル(Al23分10.23wt%)40重量部、及
び硝酸アルミニウム水溶液(硝酸アルミニウム7重量部
を純水8重量部に溶解したもの)15重量部を純水97
重量部とともにポールミルにて12時間混合し、スラリ
ーを得た。このスラリーをコージェライトハニカムに流
入させた後、余剰のスラリーを吹き払い、均一にコーテ
ィングした。スラリーコート後のハニカムを120℃で
12時間乾燥した後、空気中で250℃、1時間焼成し
てアルミナ担持ハニカムを得た。アルミナを含む第1層
の担持量はハニカム容量1リットル当り60重量部であ
った。この状態は図1の担体基材2上にZrO2処理済
みのアルミナと耐熱セリアとが共存した第1層4を形成
した状態である。
【0018】手順5 : ペロブスカイト型複合酸化物
の担持 手順3で得たペロブスカイト型複合酸化物粉末75重量
部、手順2で得た耐熱セリア粉末15重量部、セリアゾ
ル(固形分10wt%)50重量部(固形分では5重量
部)、及びジルコニアゾル(固形分30wt%)3.3
重量部(固形分では1重量部)を、全固形分が50wt
%となるように純水48.7重量部とともにボールミル
により12時間粉砕しながら混合してスラリーを得た。
このスラリーを手順4で得たアルミナ担体ハニカムに流
入させた後、余剰のスラリーを吹き払い、均一にコーテ
ィングした。このスラリーコート後のハニカムを120
℃で12時間乾燥させた後、空気中600℃で3時間焼
成してアルミナ担体層(第1層4)の上にペロブスカイ
ト型複合酸化物と耐熱セリア共存の担持層(第2層6)
を有するハニカム状サンプルを得た。ペロブスカイト型
複合酸化物と耐熱セリア共存の担持層はハニカム容量1
リットル当り90重量部であった。
【0019】手順6 : 貴金属Pdの担持 硝酸パラジウム溶液(Pd濃度4.4wt%)をPd分
で1.67重量部となるように38重量部計量し、イオ
ン交換水50重量部を加え、pH<2(実測値はpH=
1.8)に調製した。このパラジウム溶液に手順5で得
たハニカム状サンプルを浸漬し、40℃で2時間保持し
てPdを吸着させた。その後、120℃で12時間乾燥
させた後、空気中で600℃で3時間焼成し、図1の触
媒試料を得た。
【0020】(実施例2)図2は第2の実施例を表わ
す。図1の実施例と比較すると、コージェライトハニカ
ム担体基材2上のZrO2処理済みアルミナと耐熱セリ
アとが共存した第1層4上の第2層10が、ペブスカイ
ト型複合酸化物粉末に貴金属のパラジウム8を担持した
ものと耐熱セリアとが共存したものからなる点で相違し
ている。
【0021】次に、図2の実施例の製造方法について説
明する。この実施例では実施例1の手順3で得たペロブ
スカイト型複合酸化物粉末に予めパラジウムを担持す
る。その方法としては、硝酸パラジウム溶液(Pd濃度
4.4wt%)をPd分で1.67重量部となるように3
8重量部計量し、イオン交換水50重量部を加え、pH
<2(実測値はpH=1.8)に調製した。この硝酸パ
ラジウム溶液に手順3で得たペロブスカイト型複合酸化
物粉末75重量部と純水20重量部とを加えて十分撹拌
し、40℃で30分間保持した。その後、撹拌を続けな
がら120℃で12時間乾燥し、空気中600℃で3時
間焼成した後、めのう乳鉢で粉砕し、180μmのメッ
シュを通過させた。ペロブスカイト型複合酸化物粉末7
5重量部に対し添加したパラジウムは金属分で1.67
重量部に相当する。実施例1の手順4と同様に担体基材
2に第1層4を形成した後、実施例1の手順5で第2層
を形成する工程において、ペロブスカイト型複合酸化物
粉末に代えて上記の手順で得たPd添加ペロブスカイト
型複合酸化物粉末を用いて第2層10を形成し、図2の
ハニカム状サンプルを得た。
【0022】(実施例3)図3は第3の実施例を表わし
たものである。担体基材2上に第1層12としてZrO
2処理がなされていないアルミナと耐熱セリアとを共存
させた層が形成され、その表層にZrO214が担持さ
れている。第1層12上にペロブスカイト型複合酸化物
と耐熱セリアとを共存させた第2層6が形成され、第1
層12及び第2層6に貴金属のパラジウム8を担持して
いる。
【0023】図3の実施例の製造方法について説明す
る。実施例1の手順4で担体基材2に第1層をコーティ
ングする際、ZrO2処理済みのアルミナ粉末に代えて
未処理のγ−Al23粉末を用いてアルミナ担持ハニカ
ム担体を得た。次に、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO
(NO32)水溶液(液比重1.51、ZrO2換算で2
5.0wt%)72重量部に純水378重量部を加えた
溶液に、このアルミナ担持ハニカムを浸漬し、溶液の全
量を吸着させた。その後、120℃で12時間乾燥さ
せ、600℃で3時間焼成してアルミナと耐熱セリアが
共存する第1層12上にZrO2層14を形成したハニ
カム状サンプルを得た。このハニカム状サンプルを用い
て、実施例1の手順5及び手順6を順次施して、図3の
触媒試料を得た。
【0024】(実施例4)図4は第4の実施例を表わし
たものである。第1層12は図3と同じくアルミナと耐
熱セリアが共存した層であり、その表層にZrO214
を担持している。第1層12上に第2層10として図2
と同じ、ペロブスカイト型複合酸化物粉末にパラジウム
を担持したものと耐熱セリアとが共存した層が形成され
ている。図4の実施例を製造する方法は、層12,14
の形成を実施例3と同じ操作により行ない、その上に実
施例2の第2層10形成の操作を組み合わせることによ
って実施することができる。
【0025】(実施例5)図5は第5の実施例を表わし
たものである。第1層4は実施例1と同じく担体基材2
上に形成されたZrO2処理済みアルミナと耐熱セリア
との共存層である。その上にペロブスカイト型複合酸化
物と耐熱セリアの共存した第2層6が形成されている。
第1層4にはパラジウム8が担持されている。図5の実
施例は、図1の実施例の製造方法において、第2層6と
担持パラジウム8の形成順序を入れ換えれば製造するこ
とができる。
【0026】(実施例6)図6は第6の実施例を表わし
たものである。第1層の構造は図3の実施例と同じく、
ZrO2処理がなされていないアルミナと耐熱セルアと
の共存層12上にZrO214が担持されたものであ
る。その第1層12上に図5の第2層と同じく、ペロブ
スカイト型複合酸化物と耐熱セリアとの共存層6が形成
されている。第1層12にはパラジウム8が担持されて
いる。図6の実施例は、第1層12,14の形成を図3
の実施例に従って行ない、パラジウム8の担持と第2層
6の形成を図5の実施例に従って行なうことにより製造
することができる。
【0027】(実施例7)第7の実施例は、図1におい
て第1層4と第2層6とから耐熱セリアを除いたもので
ある。図7の実施例は、図1の実施例の第1層4及び第
2層6の形成手順で、それぞれ耐熱セリアを添加するの
を省略し、第2層の製造工程ではペロブスカイト型複合
酸化物粉末量を90重量部とすることによって実現する
ことができる。
【0028】(比較例a)比較例aは、ペロブスカイト
型複合酸化物、耐熱セリア及びZrO2処理がなされて
いないアルミナの共存層にパラジウムを担持したもので
ある。比較例aは、実施例1で手順1,4を省き、手順
5においてZrO2処理がなされていないアルミナ60
重量部を加え、純水を108.7重量部とし、ペロブス
カイト型複合酸化物、耐熱セリア及びアルミナ共存の担
持層をハニカム1リットル当り180重量部とすること
により製造することができる。
【0029】(比較例b)比較例bはすでに実用化され
ている自動車用触媒であるPt−Rh/Al23触媒を
コージェライトハニカム担体に担持したものである。P
t−Rh含有量は0.54重量部であった。実施例及び
比較例の触媒仕様を表1に示し、それぞれの触媒活性の
測定結果を表2に示す。表2は初期及び耐久試験後の5
0%浄化温度を示したものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】触媒活性の測定と耐久試験は以下のように
行なった。触媒活性の測定 ハニカム状(セル数400/inch2)コージェライト担
体(直径30mm、長さ50mm)に担持されたそれぞ
れの試料を下記のモデルガスにて活性を測定した。ガス
温度は触媒への入口ガス温度で示し、室温から昇温し、
NO、CO、HC(C36+C38)のそれぞれが初期
濃度の50%に低下した温度を50%浄化温度とする。
【0033】また、リッチガスとリーンガスはそれぞれ
1秒毎に切り換えた。触媒を通るガス流の空間速度(S
V)は30,000/時間とした。
【0034】 リッチガス リーンガス CO 2.6 % 0.7 % HC(C1換算濃度) 0.19% 0.19% H2 0.87% 0.23% CO2 8 % 8 % NO 0.17% 0.17% O2 0.65% 1.8 % H2O 10 % 10 % N2 残部 残部
【0035】耐久試験 上記のリッチガスとリーンガスを5秒毎に切り換えて9
00℃で30分、750℃で30分のサイクルを15回
繰り返して耐久試験を行なった。耐久試験後にも前記の
方法で触媒活性を測定した。本発明による触媒はいずれ
も比較例よりも50%浄化温度が低く、触媒活性に優れ
ている。また、耐久試験後の触媒のX線回折による測定
の結果、比較例aでは触媒成分であるペロブスカイト型
複合酸化物とアルミナが反応して生じたLaAlO
3(JCPDSカードNo.31−0022)が検出さ
れたが、各実施例の測定結果からはLaAlO3は検出
されなかった。
【0036】Pdは最表層のみに集中して担持すること
によりCOとNOX浄化性能を高め、さらに下層にも担
持した場合にはHC浄化性能が向上する。下層のみに担
持した場合は特にHC浄化性能が向上した。ペロブスカ
イト型複合酸化物とアルミナを別の層に分けて形成し、
さらにアルミナ粒子表面又はアルミナ層上面にZrO2
を分散させることによってペロブスカイト型複合酸化物
とアルミナとの反応を防止し、触媒活性が高温でも維持
できることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の要部断面図である。
【図2】第2の実施例の要部断面図である。
【図3】第3の実施例の要部断面図である。
【図4】第4の実施例の要部断面図である。
【図5】第5の実施例の要部断面図である。
【図6】第6の実施例の要部断面図である。
【符号の説明】
2 担体基材 4 ZrO2処理されたアルミナと耐熱セリアとが
共存した第1層 6 ペロブスカイト型複合酸化物と耐熱セリアとが
共存した第2層 8 担持されたパラジウム 10 ペロブスカイト型複合酸化物粉末に貴金属の
パラジウムを担持したものと耐熱セリアとが共存した第
2層 12 ZrO2処理されていないアルミナと耐熱セ
リアとが共存した層 14 ZrO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 37/02 ZAB 8017−4G 301 L 8017−4G (72)発明者 田中 裕久 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社滋賀テクニカルセン ター内 (72)発明者 高橋 一郎 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社滋賀テクニカルセン ター内 (72)発明者 佐藤 容規 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 キャタ ラー工業株式会社内 (72)発明者 松浦 慎次 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 キャタ ラー工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体基材上に設けられ、少なくともアル
    ミナを含みZrO2を添加又は表層に担持した第1層
    と、前記第1層上に設けられ一般式Ln1-xAxMO3
    (LnはCeを除く希土類金属、AはCe又はアルカリ
    土類金属、Mは遷移金属で、いずれも1種又は2種以
    上、0<x<1)で示されるペロブスカイト型構造の複
    合酸化物を含む第2層とを備え、前記第1層と第2層の
    少なくともいずれかに貴金属が担持されている排気ガス
    浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記第1層と第2層の少なくとも一方に
    はCe及びZr、又はさらにCe以外の希土類金属を含
    む、少なくとも一部が複合酸化物又は固溶体となってい
    る耐熱性酸化物が共存している請求項1に記載の排気ガ
    ス浄化用触媒。
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