JP2000511349A - 直流変圧器／リアクトル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は磁気コアと少なくとも１つの巻線とを含む磁気回路を含んでいる直流変圧器／リアクトルに関する。その巻線は少なくとも１つの電流搬送用導体を含む。また各巻線は絶縁システムも含み、その絶縁システムは一方において少なくとも２つの半導体層を含み、各層は実質的に等電位面を構成し、そして他方、それらの間には固体の絶縁が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】 直流変圧器／リアクトル 発明の技術分野 本発明は、請求項１の導入部分に従っている直流変圧器／リアクトルに関する 。 その直流変圧器／リアクトルの定格電力は数百ｋＶＡから１０００ＭＶＡ以上 までの範囲であり、定格電圧は３〜４ｋＶから約１ＭＶまでの超高圧送電線の電 圧までの範囲である。 発明の背景 本発明による直流変圧器／リアクトルを説明するために、従来の電力変圧器に ついて説明する。 参照資料としては、たとえば、次のよく知られている文献がある。「Ｊ＆Ｐの 変圧器の本、電力変圧器の実際的な技術（Ｔｈｅ Ｊ ＆ Ｐ Ｔｒａｎｓｆｏ ｒｍｅｒ Ｂｏｏｋ，Ａ Ｐｒａｃｔｉｃａｌ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ｏｆ ｔｈｅ Ｐｏｗｅｒ Ｔｒａｎｓｆｏｒｍｅｒ）」、著者Ａ．Ｃ．フランクリン （Ａ．Ｃ．Ｆｒａｎｋｌｉｎ）およびＤ．Ｐ．フランクリン（Ｄ．Ｐ．Ｆｒａｎ ｋｌｉｎ）、バターワース社（Ｂｕｔｔｅｒｗｏｒｔｈｓ）刊第１１版、１９９ ０。 巻線の内部の電気的絶縁などに関しては、次の文献を挙げることができる。 「変圧器ボード、大電力変圧器における変圧器ボードの使用（Ｔｒａｎｓｆｏｒ ｍｅｒｂｏａｒｄ，Ｄｉｅ Ｖｅｒｗｅｎｄｕｎｇ ｖｏｎ Ｔｒａｎｓｆｏｒ ｍｅｒｂｏａｒｄ ｉｎ Ｇｒｏｓｓｌｅｉｓｔｕｎｇｓｔｒａｎｓｆｏｒｍａ ｔｏｒｅｎ）」著者Ｈ．Ｐ．モーゼル（Ｈ．Ｐ．Ｍｏｓｅｒ）、出版社 Ｈ．Ｗ ｅｉｄｍａｎ ＡＧ，ＣＨ‐８６４０ Ｒａｐｐｅｒｓｗｉｌ。 後者の出版物はスイスにある絶縁物のメーカのＷｉｅｄｍａｎによって刊行さ れたものであり、あらゆる変圧器のメーカの基本文献に属している。 純粋に一般的な観点から電力変圧器の一次機能は、周波数が同じで電圧が異な る２つまたはそれ以上の電気的システムの間の電気的エネルギーの交換を可能に することである。 従来の電力変圧器は変圧器用コア（以下、単にコアと呼ぶ）を含み、それは方 向性のある積層鋼板、普通は珪素鋼板であることが多い。そのコアはいくつかの コア・リムを含み、それはヨークによって連結され、それと一緒に１つまたはそ れ以上のコアの窓を形成する。そのようなコアのある変圧器はコア変圧器と呼ば れることが多い。コア・リムの回りには普通は一次巻線、二次巻線および制御巻 線と呼ばれるいくつかの巻線がある。電力変圧器に関する限り、これらの巻線は 実際的には常に同心に配置されており、コア・リムの長さに沿って分布している 。原則として、コア変圧器はその窓のスペースをできるだけ十分に利用するため に、環状のコイルおよびテーパ付きの脚の部分を備えている。 コア型の変圧器の他に、シェル型の変圧器がある。これらは四角形のコイルお よび四角形のコア・リムのセクションで設計されることが多い。 上記の電力範囲の下側の部分での従来の電力変圧器は、避けられない本来的な 損失を取り去るために空気冷却付きで設計されることがある。接触に対して保護 するため、そしておそらくその変圧器の外部磁界を減らすために、換気している 開口部を備えた外部ケーシング付きで提供されることが多い。 しかし、従来の電力変圧器のほとんどは油冷却型である。その理由の１つは油 は絶縁媒体として非常に重要な追加の機能を有することである。したがって、油 冷却型および油絶縁型の電力変圧器は外部タンクによって囲まれており、それに 関して、以下の説明から明確になるように、非常に高度な要求が課せられている 。 普通、コイルの水冷のための手段が提供されている。 この説明の次の部分はほとんどが油入りの電力変圧器に対するものである。 変圧器の巻線は直列に接続された何ターンかの巻線から作られている、１つま たはいくつかの直列に接続されたコイルから形成されている。さらに、そのコイ ルはその端子間で切り換えることができる特別の装置付きで提供される。そのよ うな装置はねじジョイントあるいはタンクの近傍で動作することができる特殊な チェンジオーバ・スイッチの援けを借りてチェンジオーバのために設計されてい る可能性がある。変圧器に電圧が掛かった状態でチェンジオーバが発生する可能 性がある場合、そのチェンジオーバ・スイッチは負荷時タップ・チェンジャと呼 ばれ、それ以外の場合は無電力タップ・チェンジャと呼ばれる。 上の方の電力範囲における油冷却型および油絶縁型の電力変圧器に関して、負 荷時タップ・チェンジャの遮断要素は、その変圧器のタンクに直接連結されてい る特殊な油入りの容器に入れられている。その遮断要素はモータ駆動の回転シャ フトによって純粋に機械的に駆動され、その接点が開かれるときのスイッチング の間に速い動きが得られ、そしてその接点が閉じられるときには比較的遅い動き が得られるように配置されている。しかし、そのような負荷時タップ・チェンジ ャは実際の変圧器用タンクの中に入れられている。動作時に、アークまたはスパ ークが発生する。これは容器の中の油の劣化につながる。アークを少なくし、ま たそのために接点上の煤煙および磨耗の形成を少なくするために、負荷時タップ ・チェンジャは普通は変圧器の高圧側に接続されている。これは、遮断および接 続される必要がある電流はそれぞれ、負荷時タップ・チェンジャが低圧側に接続 された場合よりも高圧側に接続された方が小さくなるためである。従来の油入り の電力変圧器の故障統計によると、故障を発生するのは負荷時タップ・チェンジ ャであることが多いことが示されている。 油冷却型および油絶縁型の電力変圧器の低電力側の範囲においては、負荷時タ ップ・チェンジャおよびそれぞれの遮断要素の両方がタンクの内部に置かれてい る。これは動作時のアークなどによる油の劣化の上記の問題が油のシステム全体 に影響することを意味する。 印加される電圧または誘起される電圧の観点から、一般に、巻線の両端に定常 的に掛かっている電圧はその巻線の各ターンの上に等しく分布されていること、 すなわち、ターンの電圧はすべてのターンにおいて等しいということが言える。 しかし、電位の観点から、その状況は完全に異なっている。巻線の一端は普通 はグランドに接続されている。しかし、これは各ターンの電位がそのグランド電 位の近くのターンにおける実際の０から、印加電圧に対応する巻線の他の端にあ るターンにおける電位まで直線的に増加することを意味する。 この電位分布が絶縁システムの組成を決定する。というのは、巻線の隣接して いるターンの間および各ターンとグランドとの間の両方に対して十分な絶縁が必 要だからである。 個々のコイルの中のターンは普通は１つの幾何学的なコヒーレントなユニット の中に一緒に入っており、他のコイルから物理的に区分されている。また、その コイル間の距離もそのコイル間で発生することが許される絶縁ストレスによって 決定される。したがって、これは或る与えられた絶縁距離がコイル間にも必要で あることを意味する。上記によって、そのコイルの中でローカルに発生する電位 からその電界内にある他の電気的に導通しているオブジェクトに対しても十分な 絶縁距離が必要である。 上記の説明から個々のコイルに対して、物理的に隣接している導体要素間での 内部的な電圧差は比較的小さく、一方、他の金属物体（他のコイルも含まれる） に関連する外部的な電圧差が比較的高い可能性があることは明らかである。電圧 差はその変圧器の外部接続において接続されている外部電気システムから発生す る可能性がある容量的に分布している電圧による以外に、磁気誘導によって誘起 される電圧によって決定される。外部的に入って来る可能性のある電圧の種類は 、動作電圧の他に、雷の過電圧およびスイッチングの過電圧がある。 コイルの電流リードの中で、その導体の回りの漏洩磁界の結果として、追加の 損失が発生する。これらの損失をできるだけ小さく保つために、上の方の電力範 囲の電力変圧器の場合は特に、その導体は普通は動作時に並列に接続される、し ばしばストランドと呼ばれるいくつかの導体要素に分割されている。これらのス トランドは各ストランドに誘起される電圧ができるだけ同じになるように、そし てストランドの各ペア間の誘起電圧における差が、損失の観点から程良い低いレ ベルに保たれるように、内部的に循環する電流成分に対してできるだけ小さくな るようなパターンに従って配置が変えられなければならない。 従来の技術に従って、変圧器を設計するとき、一般的な狙いはいわゆる変圧器 の窓によって制限される与えられた領域内での導体材料の量をできるだけ大きく することである。これは一般的には充填係数をできるだけ大きくするとして説明 される。利用できる空間は導体材料の他に、一部は内部でのコイル間の、そして 一部は磁気コアなどの他の金属コンポーネントに対する、コイルに付随している 絶縁材料をも含む。一部は内部的にコイル間、そして一部は磁気コアなどの他の 金属コンポーネント対する絶縁材料である。 一部はコイル／巻線の内部の、そして一部はコイル／巻線と他の金属部分との 間の絶縁システムは、普通は個々の導体要素に最も近い固体のセルローズまたは ワニスベースの絶縁として、そしてこの外側では固体のセルローズおよび液体、 あるいは気体もまた可能である絶縁として設計される。この中での絶縁および可 能な分岐部品を伴う巻線は大きな体積を示す可能性があり、それが、その変圧器 のアクティブな電磁部品の中およびその回りにおいて発生する高い電界強度にさ らされる。発生する誘電ストレスをあらかじめ求め、絶縁破壊の危険性が最小に なる寸法を達成することができるためには、絶縁材料の性質においての十分な知 識が必要である。また、その絶縁の特性を変化させるか、あるいは劣化させない 回りの環境などを実現することも重要である。 高圧の電力変圧器のための現在支配的な絶縁システムは固体絶縁としてのセル ローズ材料および液体絶縁としての変圧器油を含む。変圧器油はいわゆる鉱物油 に基づいている。 変圧器油は２つの機能を有する。絶縁機能の他に、変圧器の損失熱を除去する ことによってコア、巻線などの冷却に対してアクティブに貢献する。油冷却はオ イル・ポンプ、外部冷却要素、拡張カップリングなどを必要とする。 変圧器の外部接続と直接接続のコイル／巻線との間の電気的接続はブッシング と呼ばれ、油入り電力変圧器の場合において実際の変圧器を取り囲むタンクを通 しての導電接続とを狙いとしている。ブッシングはタンクに固定されている別の コンポーネントであることが多く、そしてタンクの外部および内部の両方におい て必要な絶縁が保たれるように設計され、それと同時に発生する電流負荷および それによって発生する電流の力に耐えなければならない。 巻線に関して上で説明されたような絶縁システムに対するのと同じ条件がコイ ル間、ブッシングとコイル、各種のチェンジオーバ・スイッチとブッシングなど の必要な内部接続に対しても適用されることは指摘されるべきである。 電力変圧器の内部のすべての金属コンポーネントは電流が流れている導体を例 外として普通は与えられたグランド電位に接続されている。このようにして、高 い電位とグランドにおける電流リード間の容量性電圧分布の結果として、望まし くない、そして制御し難い電位の増加の危険性が回避される。そのような望まし くない電位の増加によって、部分放電、いわゆるコロナが発生する可能性がある 。コロナは普通の受け入れ試験の間に見られる可能性があり、それは部分的に定 格のデータと比較しての電圧および周波数の増加を発生する。コロナは動作時の 破壊を発生する可能性がある。 変圧器の内部の個々のコイルは、発生する電流の結果として発生するストレス および短絡時の結果として起こる電流の力に耐えることができるように寸法設計 がなされていなければならない。普通、コイルは発生する力が個々の各コイルの 内部で吸収されるように設計される。それはコイルを通常の動作時の通常の機能 に対して最適に寸法設計することができないことを意味する。 油入り電力変圧器の狭い電圧および電力の範囲内で、巻線はいわゆるシート巻 線として設計されている。これは上記の個々の導体が薄いシートによって置き換 えられていることを意味する。シート巻線の電力変圧器は２０〜３０ｋＶまでの 電圧および２０〜３０ＭＷまでの電力のものが製造されている。 上の方の電力範囲の電力変圧器の絶縁システムは、設計が比較的複雑である他 に、最善の方法でその絶縁システムの特性を利用するための特別の製造手段を必 要とする。良好な絶縁が得られるためには、絶縁システムは水分の含有量が低く なければならず、その絶縁の固体部分は回りの油で十分に浸されていなければな らない。また、固体部分の中に残っている「ガス」ポケットの危険性が最小にな っていなければならない。これを確保するために、コアがタンクの中に沈められ る前に、巻線付きの完全なコアについて特殊な乾燥および含浸のプロセスが実行 される。この乾燥および含浸のプロセスの後、変圧器はタンクの中に沈められ、 その後、封止される。油を充填する前に、含浸された変圧器が入っているタンク はすべての空気が抜かれなければならない。これは特殊な真空の処理に関連して 行われる。これが実行された後、油の充填が行われる。 約束されたサービス寿命などを得ることができるために、その真空処理に関連 してほとんど絶対真空にまでポンプで空気を引き出す必要がある。したがって、 これは変圧器を取り囲むタンクが材料および製造時間をかなり消費することを必 然的に伴う完全真空に対して設計されることがあらかじめ予想される。 油入りの電力変圧器の中で放電が発生した場合、あるいは変圧器の任意の部分 において温度の局部的な大幅な増加が発生した場合、そのコイルは崩壊され、気 体の精製物が油の中に溶解される。したがって、変圧器は油の中に溶解された気 体を検出するための監視装置が備えられているのが普通である。 重量の理由で大型の電力変圧器は油なしで輸送される。顧客において変圧器を その場で設置することは新しく真空処理を行うことを必要とする。さらに、これ は何らかのアクションまたは検査のためにタンクが開けられるたびにさらに繰り 返されなければならないプロセスである。 これらのプロセスは非常に時間が掛かり、コストを要求し、そして製造および 修理のための合計時間のうちのかなりの部分を占め、同時に、広範囲の資源にア クセスする必要がある。 従来の電力変圧器における絶縁材料は変圧器の体積全体の大きな部分を構成し ている。上の方の電力範囲の電力変圧器の場合、数十立方メートルの変圧器油の 量は珍しくない。ディーゼル油と或る種の類似性を示すこの油は、希薄な液体で あり、比較的低い気化点を示す。したがって、セルローズと共に油は、たとえば 、内部フラッシュオーバおよび結果の油のこぼれがあった場合の不用意な加熱の ケースにおいて、火災の危険性が無視できないことは明らかである。 また、特に油入りの電力変圧器においては、非常に大きな輸送の問題があるこ とも明らかである。そのような上の方の電力範囲の電力変圧器は合計の油の体積 が数十立方メートルにもなる可能性があり、したがって、数百トンの重さになる 可能性ある。変圧器の外部設計は現在の輸送プロファイル、すなわち、橋の上、 トンネル内などの通行に適応されなければならないことが分かる。 従来の油入り電力変圧器に関する次の問題領域が簡単に要約される。 従来の油入り電力変圧器は、 − コイルが巻かれた変圧器コア、絶縁および冷却のための油、各種の機械的な 支持装置などを含んでいる変圧器を収容するための外側のタンクを含む。その タンクには非常に大きな機械的な要求が課される。というのは、変圧器だけし かなくて油がない場合、それは実際的に完全真空にまで真空処理されなければ ならないからである。そのタンクは非常に広範な製造および試験のプロセスを 必要とし、そしてタンクの外部寸法が大きいことは、普通はかなりの輸送の問 題を必然的に伴う。 − いわゆる圧力油冷却を含むのが普通である。この冷却方法はオイル・ポンプ 、 外部冷却要素、拡張容器および拡張カップリングなどの備えを必要とする。 − 変圧器の外部接続と直接に接続されているコイル／巻線との間の電気的接続 を、タンクに固定されているブッシングの形で含む。そのブッシングはタンク の外部および内部の両方に関して、絶縁の条件に耐えるように設計される − コイル／巻線を含み、その導体はいくつかの導体要素、ストランドに分割さ れ、ストランドは隣接しているストランドとの間に誘起される電圧を最小化す るために各ストランドの中に誘起される電圧ができるだけ隣同志のストランド で等しくなるような方法で配置が決められなければならない。 − 絶縁システムを含む。その絶縁システムは一部はコイル／巻線の中にあり、 そして一部はコイル／巻線と他の金属部分との間にあって、個々の導体要素に 最も近い部分では固体のセルローズまたはワニスベースの絶縁物として設計さ れ、この外側では、固体のセルローズおよび液体、場合によっては気体もあり 得る絶縁として設計されている。さらに、絶縁システムは非常に低い水分含有 量を示すことが非常に重要である。 − 統合化された部分として負荷時タップ・チェンジャを含む。それは油によっ て囲まれ、電圧制御のために変圧器の高圧巻線側に普通は接続されている。 − 油を含む。油は内部の部分放電、いわゆるコロナ、負荷時タンプ・チェンジ ャおよび他の故障状態におけるスパーキングに関連して無視できない火災の危 険性を必然的に伴う。 − 油の中に溶解された気体を監視するための監視装置を普通は含む。油への気 体の溶解はその中での放電のケースにおいて、あるいは局所的な温度上昇のケ ースにおいて発生する。 − 障害または事故の発生時に、広範な環境破壊につながる油のこぼれを生じる 可能性がある油を含む。 直流変圧器／リアクトルは、電界が交流および直流の電界の重畳であるという 追加の問題も有する。コアを通る磁束は直流成分をさらに含み、設計がかなり大 きくなる可能性がある。 発明の概要 本発明の目的は上記の問題点を解決し、ケーブルの遮蔽の外側のすべての空間 に本質的に電位が掛かっていない直流変圧器／リアクトルを提供することである 。この目的は、請求項１の導入部分の中で定義されていて、前記請求項の特徴を 示している部分の有利な特徴を有する直流変圧器／リアクトルを提供することに よって達成される。 したがって、直流変圧器／リアクトルの巻線は、少なくとも１つの電流搬送導 体を含み、各巻線は絶縁システムを含み、絶縁システムは一方に少なくとも２つ の半導体層を含み、その中で各層は実質的に等電位面を構成し、そして他方でそ れらの間に固体絶縁が配置されている。 請求項１に定義されている本発明の非常に重要な利点は、特殊巻線を使うこと によって、熱的、電気的および機械的な設計に関して最適に設計された直流変圧 器／リアクトルを得ることができるということである。この結果、直流電位が異 なっている巻線間のスペースの節約、直流電位を伴う巻線とコアとの間のスペー スの節約、およびキャパシタが負荷されている補償巻線による５０／６０Ｈｚに おけるエア・ギャップの補正が可能となる。これによって、サイズ、特に、リア クトルのサイズが減少する。 図面の簡単な説明 本発明の実施形態が以下の付属の図面と関連して、これ以降で説明される。 図１は現在の修正された標準ケーブルの中に含まれている部品を示す。 図２は伝送方式を示す。 図３は従来の変圧器／リアクトルの中の巻線の回りの電界分布を示す。 図４は本発明による直流変圧器／リアクトルを示す。 図５は本発明による補償されたエア・ギャップを備えたリアクトルを示す。 図６はエア・ギャップの配置が改善されている直流変圧器の別の実施形態の等 尺性の図を示す。 図７は本発明に従って１つの直流電圧レベルから別の直流電圧レベルへ大きな 電力を伝送するための統合化された構成の回路図を示す。 実施形態の詳細な説明 本発明の記述に従って変圧器／リアクトルを製造することができるための１つ の重要な条件は、導体とケーシングの両方において半導体層を含んでいる押出し 成形された電気的絶縁付きの導体ケーブルを巻線のために使用することである。 そのようなケーブルは使用の他の電力工学の分野のための標準のケーブルとして 入手できる。しかし、発明の要約のところで説明されたように、そのような標準 のケーブルの改善された実施形態が巻線として使われる。実施形態を説明するた めに、先ず最初に標準のケーブルについての簡単な説明が行われる。内部の電流 を流す導体はいくつかのストランドを含む。そのストランドの回りに、半導体の 内側のケーシングがある。この半導体の内側のケーシングの回りに、押出し成形 された絶縁層がある。そのような押出し成形された絶縁の事例はＰＥＸ、あるい は、代わりにいわゆるＥＰゴムである。この絶縁層は外部半導体層によって囲ま れており、その半導体層はまた金属のシールドおよびシースによって取り囲まれ ている。そのようなケーブルは以下では電力ケーブルと呼ばれる。 改善されたケーブルの好適な実施形態が図１に示されている。上記に従って、 ケーブル１は配置転換された絶縁されていないストランドと絶縁されているスト ランドの両方を含む電流搬送導体２を含んでいるように図の中で示されている。 電子機械的に配置転換されて押出し成形された絶縁型のストランドも可能である 。導体の回りに内側の半導体層３があり、それはまた、押出し成形された絶縁層 ４によって取り囲まれている。この層は外部半導体層５によって取り囲まれてい る。この好適な実施形態において巻線として使われているケーブルには金属シー ルドおよび外部シースはない。 図２は伝送方式を示している。この図において２つの直列に接続された変圧器 、位相シフトされたバルブ・ブリッジ６、７を含んでいる変圧器が開示されてい る。ここでバルブはダイオード・バルブである。 図３は従来の直流変圧器／リアクトルの中の巻線の回りの電界分布を示してい る。図３の中で、コア９の回りに巻かれた巻線８が示されている。参照番号１０ は巻線の下側の部分が接地電位にあるときの従来の巻線の電界分布の等電位線を 表している。その設計およびコアに関連した巻線の配置は主としてコアの窓の中 の電界分布によって決定される。 図４は本発明による直流変圧器／リアクトルを示している。図４において、３ 相の積層型のコアの変圧器が示されている。そのコアは従来のように、３つのコ ア・レグ２０、２２、および２４および連結しているヨーク２６および２８を含 む。開示されている実施形態において、コア・レグおよびヨークの両方がテーパ 付きの部分を有している。この直流変圧器は３つの同心巻線ターン３０、３２、 および３４を含む。最も内側の巻線ターン３０は一次巻線を表し、他の２つの巻 線ターン３２および３４は二次巻線を表すことができる。また、この直流変圧器 は或る異なる機能を持つスペーシング・レール３６および３８を含む。そのスペ ーシング・レール３６および３８は絶縁材料から作ることができ、それは冷却、 強化のために同心の巻線ターンの間に或る種のスペースとして機能する。図４に 示されている直流変圧器は、図３に示されている変圧器とは反対に、その巻線の ケーブルの外側には電界を示さない。 図５は本発明による圧縮されたエア・ギャップを有する、直流プラントのため のリアクトルの原理図を示している。このリアクトルは磁気コア６０および図１ によるケーブルを含んでいる巻線６２を含む。また、このリアクトルはコア６０ の中にエア・ギャップ６４も含んでいる。エア・ギャップはこのコンテキストに おいてはメイン磁束の中の透磁性の低いゾーンを作るための任意の手段を示して いる。また、このリアクトルは補償巻線６６をも含み、それはキャパシタ６８に よって容量的に負荷されている。 メインの磁束の中の透磁性の低いゾーンを作るための別の方法は、エア・ギャ ップの長さを減らすこと、たとえば、磁束の半径方向の成分を制限するためにエ ア・ギャップを、一連のより小さいエア・ギャップに分割することによる方法で ある。メインの磁束の中の透磁性の低いこのゾーンを作るためのさらにもう１つ の方法は、空気以外の別の材料を使う方法であり、その材料の相対透磁率μ_rは １≦μ_r≦μ_coreの条件を満たしている。 図６は改善されたエア・ギャップの配置を組み込んでいる直流変圧器のもう１ つの実施形態の等尺性の図を示している。音響的ノイズを低くするための直交の 、あるいは軸方向のエア・ギャップを備えたこの磁気コア構造が図３に示されて いる。この３脚の磁気コアは反対側のセクションが３０ｓであり、端のセクショ ンが３０ｅである本質的に四角形の一体型の外側のメンバ３０によって、そして 長さ方向において連続である円筒形の中央メンバ３１によって構成されている。 位置合わせされた円筒形のアパーチャ、すなわち、開口部３２は２つの外側のメ ンバの端のセクション３０ｅの中に機械加工されているか、あるいは代わりに四 角形の外側のメンバがこの形状にプレスされている。円筒形の中央のメンバ３１ の反対側の端は位置合わせされた円形のアパーチャ３２の中にそれぞれ延びてお り、両方の端において所定の一定長さの半径方向の磁気エア・ギャップをそれに よって定義し、それはさらに周辺において連続であり、中断されていない。非磁 性体のスペーサ３３が各端の部分３０ｅとそれぞれの中央メンバ３１の端との間 のスペースの中に取り付けられており、半径方向のエア・ギャップを維持し、中 央メンバを支持している。その中央メンバの上、あるいは歯型の分割ボビンの上 に直接巻かれている巻線アセンブリが外側のメンバ３０と中央のメンバ３１との 間に提供されている窓領域３５の中に、中央のメンバの回りに配置される。必要 な場合、１つの端にあるスペーサ３３をなくし、その端においてエア・ギャップ を０にすることができる。 図７は１つの直流電圧レベルから別の直流電圧レベルへ大電力を変換するため の統合化された構成の回路図を示している。 ＤＣ／ＤＣ電力変圧器が提供され、それは１つの直流電圧レベルから別の直流 電圧レベルへ、中間の交流電圧回路網なしで直接変換するための構成である。直 流電圧は現在では基本的に長距離において大電力を伝送するために使われる。こ れらの伝送のための直流電圧レベルは約数百ｋＶのレベルである。ＤＣ／ＤＣ電 力変圧器によっていくつかの直流電圧レベルを、異なる電圧の直流回路網を接続 することによって使えるようにすることができる。この構成の原理は１つまたは 数個のコンバータ変圧器（４７）からのバルブ巻線（４３、４５）が２つのバル ブ・ブリッジに接続され、それが変圧器コア（４４）の中の円筒状に変化してい る反対方向の磁気フローを発生する。そのバルブ・ブリッジの１つがインバータ （４２）として動作し、もう１つのバルブ・ブリッジは整流器（４６）として動 作し、そしてこの方法によって、電力が１つの直流電圧レベル（Ｕ_d1）から別の 直流電圧レベル（Ｕ_d2）へ変換される。高い電圧レベルにおいては、変圧器の中 の漏洩インダクタンスは従来の変圧器の場合は絶縁距離が大きい結果として高く なり、したがって、変圧器の１つの位相から別の位相へ大きな損失を生じること なしに磁気エネルギーを転換するために特殊な配置がなされなければならない。 本発明による直流変圧器は漏洩インダクタンスを非常に小さくして作ることが できる。 本発明による直流変圧器／リアクトルは、たとえば、ＨＶＤＣまたはＭＶＤＣ の変圧器／リアクトルとすることができる。 本発明は前記の実施形態に限定されるものではない。多くの異なる変更が次の 請求の範囲内で可能であることは明らかである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 ミング，リ スウェーデン．エス―723 41 ヴェステ ロス，ホグビュスコグスヴェグ １ (72)発明者 サッセ，クリスチァン スウェーデン．エス―724 64 ヴェステ ロス，ドロットニングガタン ４ ビー (72)発明者 シュッテ，ソーステン スウェーデン．エス―722 28 ヴェステ ロス，ボンガタン ５ ビー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．磁気回路を含んでいる直流変圧器／リアクトルであって、前記磁気回路は 磁気コアと少なくとも１つの巻線とを含み、前記巻線は少なくとも１つの電 流搬送用導体を含み、そして各巻線は一方に少なくとも２つの半導体の層を 含んでいる絶縁システムを含み、各層が実質的に等電位面を構成し、そして 他方、それらの間には固体の絶縁が配置されていることを特徴とする直流変 圧器／リアクトル。 ２．請求項１に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記半導体層の少な くとも１つが前記固体絶縁と等しい熱膨張係数を有していることを特徴とす る直流変圧器／リアクトル。 ３．請求項２に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記層の内側のもの の電位が前記導体の前記電位に本質的に等しいことを特徴とする直流変圧器 ／リアクトル。 ４．請求項２または請求項３に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記 層の外側のものが、前記導体を取り囲んでいる等電位面を構成するように配 置されていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ５．請求項４に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記外側の層が特定 の電位に接続されていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ６．請求項５に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記特定の電位がグ ランド電位であることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ７．請求項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求項５、または請求項６の うちの何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、少なくとも２ つの前記層が実質的に等しい熱膨張係数を持っていることを特徴とする直流 変圧器／リアクトル。 ８．前記請求項の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記 電流搬送用導体がいくつかのストランドを含み、前記ストランドの少数のも のだけが互いに絶縁されていないことを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ９．前記請求項のうちの何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、 前記の２つの各層および前記固体絶縁が、実質的に全体の接続面に沿って隣 の層または固体絶縁に固定的に接続されていることを特徴とする直流変圧器 ／リアクトル。 １０．磁気回路を含んでいる直流変圧器／リアクトルであって、前記磁気回路は 磁気コアと少なくとも１つの巻線とを含み、前記巻線は少なくとも１つの電 流搬送用導体（２）を含んでいるケーブル（１）を含み、 − 各導体（２）はいくつかのストランドを含み、 − 前記導体（２）の回りには、内側の半導体層（３）が配置され、 − 前記導体（２）の回りには、内側の半導体層（３）が配置され、 − 前記内側の半導体層（３）の回りには固体絶縁の絶縁層（４）が配置さ れ、 − 前記絶縁層（４）の回りには外側の半導体層（５）が配置されているこ とを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 １１．請求項１０に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記ケーブルは金 属のシールドおよびシースも含んでいることを特徴とする直流変圧器／リア クトル。 １２．請求項１１に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記ケーブルはそ の直径が約２０〜２５０ｍｍの間隔で構成されており、導体が約８０〜３０ ００ｍｍ²の間隔で含まれていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル 。 １３．請求項１〜請求項１２の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにお いて、電位の異なる巻線が互いに直接接続して巻かれていることを特徴とす る直流変圧器／リアクトル。 １４．請求項１〜請求項１３の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにお いて、前記コアに対する直流電位上の巻線が前記コアの上に直接に、あるい は非常に近くに巻かれていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 １５．請求項１〜請求項１４の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにお いて、直流磁化にさらされている前記磁気回路が、メインの磁束の中の透磁 性が低められた少なくとも１つのゾーンを含むことを特徴とする直流変圧器 ／リアクトル。 １６．請求項１５に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記コアの中に配 置されたエア・ギャップによって、前記透磁性の低いゾーンが実現されてい ることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 １７．請求項１５に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記の透磁性が低 められているゾーンが、前記コアの中に配置された一連の小さいエア・ギャ ップによって実現されていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 １８．請求項１５に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、透磁性が低められ ている前記ゾーンが前記コアの中に配置されたギャップによって実現され、 前記ギャップは相対透磁率がμ_rであり、１≦μ_r≦μ_coreの式を満足する材 料から作られていることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 １９．請求項１５〜請求項１８の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルに おいて、前記コアは反対側のセクションおよび連結されている端のセクショ ンを有している本質的に四角形の外側のメンバを含み、そして長さ方向に連 続である円筒形の中央のメンバをさらに含み、前記コアの端のセクションは そこから完全に通して延びている位置合わせされた一対の円形のアパーチャ を備えており、その中に前記円筒形の中央メンバの相対する端が延びていて 、少なくとも１つの端のセクションと前記中央メンバのそれぞれの端との間 に、前記コアの透磁性を制御するための一定の所定の長さの軸方向の磁気エ ア・ギャップを定義していることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ２０．請求項１６、請求項１７、または請求項１９の何れか１項に記載の直流変 圧器／リアクトルにおいて、各エア・ギャップが、容量的に負荷された補償 巻線によって補償されることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ２１．請求項１〜請求項２０の何れか１項に記載の直流変圧器／リアクトルにお いて、前記直流変圧器／リアクトルは少なくともサイリスタのバルブを含ん でいるハウジングをも含むことを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ２２．請求項２１に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記サイリスタ・ バルブのすべてが集積型のものであることを特徴とする直流変圧器／リアク トル。 ２３．磁気回路を含んでいる直流変圧器／リアクトルにおいて、前記磁気回路は 磁気コアと少なくとも１つの巻線とを含み、前記巻線は少なくとも１つの電 流搬送用導体を含み、そしてまた、絶縁システムを含んでいて、その絶縁シ ステムはその熱的および電気的な性質に関して前記ＨＶＤＣ直流変圧器／リ アクトルの電圧レベルが３６ｋＶを超えていることを特徴とする直流変圧器 ／リアクトル。 ２４．背中合わせの統合化されたステーションであって、前記ステーションは請 求項１〜請求項２３の何れか１項に記載の直流変圧器の２つの直流変圧器／ グループを含むことを特徴とするステーション。 ２５．１つの直流電圧レベルから別の直流電圧レベルへ大きな電力を変換するた めの統合化された構成であって、前記構成は請求項１〜請求項２３の何れか １項に記載の直流電圧器を含み、前記直流変圧器は第１のバルブ巻線と第２ のバルブ巻線とを含み、前記第１のバルブ巻線は第１のバルブ・ブリッジに 接続され、前記第２のバルブ巻線は第２のバルブ・ブリッジに接続されてい て、それによって前記第１のバルブ・ブリッジがインバータとして動作し、 前記第２のバルブ・ブリッジが整流器として動作するようになっている構成 。 ２６．請求項２５に記載の統合化された構成において、前記第１のバルブ・ブリ ッジは複数の自己転換型サイリスタを含む少なくとも１つの６パルス・イン バータ・ブリッジを含み、そしてさらに複数のダイオードを含んでいて、各 ダイオードは１つの自己整流型サイリスタに逆並列に接続され、前記第２の バルブ・ブリッジは複数のダイオード・バルブを含む６パルスの整流器ブリ ッジを含んでいることを特徴とする構成。 ２７．請求項１３または請求項１４に記載の直流変圧器／リアクトルにおいて、 前記ケーブルは異なる電圧が混在している状態に対して特別に適応されてい ることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。 ２８．請求項２０に記載の直流プラント用のリアクトルにおいて、前記補償巻線 に前記リアクトルのインダクタンスを変化させることができるように可変の キャパシタンスが負荷されていることを特徴とするリアクトル。 ２９．請求項１０〜請求項２２、請求項２７の何れか１項に記載の直流変圧器／ リアクトルにおいて、前記外側の半導体層（５）は、いくつかの部分にカッ トされ、各部分がグランド電位に接続されていることを特徴とする直流変圧 器／リアクトル。 ３０．請求項１〜請求項２２、請求項２７、および請求項２９の何れか１項に記 載の直流変圧器／リアクトルにおいて、前記直流変圧器／リアクトルは監視 および診断のための少なくとも１つのセンサ／トランスデューサをも含んで いることを特徴とする直流変圧器／リアクトル。