I.電動工具システム。
図1Aを参照すれば、一実施形態においては、電動工具システム1は、電動工具10の組(DC電動工具10A及びAC/DC電動工具10Bを含む)と、電源20の組(DC電池パック電源20A及びAC電源20Bを含む)と、電池パック充電器30の組と、を含む。電動工具、電源、及び電池パック充電器のそれぞれは、定格電圧を有するものと表現されうる。本出願において使用されている定格電圧は、文脈に応じて、公表電圧(advertised voltage)、動作電圧、公称電圧、又は最大電圧のうちの1つ又は複数を意味しうる。また、定格電圧は、単一の電圧、いくつかの個別の電圧、又は電圧の1つ若しくは複数の範囲を包含しうる。本出願において使用されている定格電圧は、これらの電圧のタイプのうちのいずれか又はこれらの電圧のタイプのうちのいずれかのものの範囲を意味しうる。
公表電圧:電動工具、電池パック、及び充電器に関して、公表電圧は、一般に、ユーザーが、いずれの電動工具、電池パック、及び充電器が、互いに動作することになるのかについて通知されるように、製造者又は販売者により、これらの製品用のラベル、パッケージング、ユーザーマニュアル、指示書、広告、マーケティング、又はその他のサポート文書上において表示される電圧を意味している。公表電圧は、いずれの電動工具、電池パック、及び充電器が、互いに動作することになるのかをユーザーに対して通知する数値的な電圧値を含んでもよく、又は、別の単語、フレーズ、英数文字の組合せ、アイコン、若しくはロゴを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、後述するように、電動工具、電池パック、又は充電器は、単一の公表電圧(例えば、20V)、公表電圧の範囲(例えば、20V〜60V)、又は複数の別個の公表電圧(例えば、20V/60V)を有しうる。また、更に後述するように、電動工具は、DC電源及びAC電源の両方と共に動作することになることを通知する表記(例えば、AC/DC又はAC/60V)を伴って広告又はラベル付与されてもよい。また、AC電源も、公表電圧を有するものと表現される場合があり、これは、所与の国において、一般的な用語法として、AC商用電源電圧であると一般に知られている電圧(例えば、米国における120VAC及び欧州における220VAC〜240VAC)である。
動作電圧:電動工具の場合には、動作電圧は、一般に、電動工具、そのモーター、及びその電子構成要素が動作するように設計されている1つ又は複数のAC及び/又はDC電源の電圧又は電圧の範囲を意味している。例えば、120VAC/DC工具として広告されている電動工具は、92V〜132Vの動作電圧レンジを有しうる。また、電動工具の動作電圧は、電動工具に結合される複数の電源の動作電圧の集合体を意味しうる(例えば、120V電動工具は、直列状態において接続された2つの60V電池パックを使用して動作可能でありうる)。電池パック及び充電器の場合には、動作電圧は、電池パック又は充電器が動作するように設計されているDC電圧又はDC電圧の範囲を意味している。例えば、20V電池パック又は充電器として広告された電池パック又は充電器は、17V〜19Vの動作電圧レンジを有しうる。AC電源の場合には、動作電圧は、AC波形の電圧値の二乗平均(RMS:Root−Mean−Square)及び/又はAC波形の各正のハーフサイクル内における平均電圧を意味しうる。例えば、120VAC商用電源は、120VのRMS動作電圧及び108Vの平均正動作電圧を有するものと表現されうる。
公称電圧:電池パックの場合には、公称電圧は、一般に、電池パックから出力される平均DC電圧を意味している。例えば、17V〜19Vの動作電圧を有する20V電池パックとして広告された電池パックは、18Vの公称電圧を有しうる。AC電源の場合には、動作電圧は、AC波形の電圧値の二乗平均(RMS)及び/又はAC波形の各正のハーフサイクル内における平均電圧を意味しうる。例えば、120VAC商用電源は、120VのRMS公称電圧及び108Vの平均正公称電圧を有すると表現されうる。
最大電圧:電池パックの場合には、最大電圧は、電池パックの完全に充電された電圧を意味しうる。例えば、20V電池パックとして広告された電池パックは、20Vの完全に充電された最大電圧を有しうる。充電器の場合には、最大電圧は、電池パックが充電器によって充電されうる最大電圧を意味しうる。例えば、20V充電器は、20Vの最大充電電圧を有しうる。
また、電動工具、電池パック、及び充電器の特定の構成要素は、それ自体が、電圧定格を有すると表現されてもよく、そのそれぞれは、公表電圧、動作電圧、公称電圧、又は最大電圧のうちの1つ又は複数を意味しうることにも留意されたい。これらの構成要素の各ものの定格電圧は、単一の電圧、いくつかの別個の電圧、又は電圧の1つ又は複数の範囲を包含しうる。これらの電圧定格は、電動工具、電池パック、及び充電器の定格電圧と同一であってもよく、又は、異なっていてもよい。例えば、電動工具のモーターは、モーターが動作するように設計されたその独自の動作電圧又は電圧の範囲を有するものと表現されうる。モーターの定格電圧は、電動工具の動作電圧又は電圧レンジと同一であってもよく、又は、異なっていてもよい。例えば、60V〜120Vの電圧定格を有する電動工具は、60V〜120Vの動作電圧を有するモーター又は90V〜100Vの動作電圧を有するモーターを有しうる。
また、電動工具、電源、及び充電器は、電圧以外の特徴の定格を有してもよい。例えば、電動工具は、出力電力(例えば、引用によって包含される米国特許第7,497,275号明細書において記述されている最大ワット出力(MWO:Maximum Watts Out))などのモーターの性能又は所与の負荷条件下におけるモーターの速度の定格を有しうる。別の例においては、電池パックは、定格容量を有する場合があり、これは、電池パック内において保存される合計エネルギーを意味している。電池パックの定格容量は、個々のセルの定格容量と、セルが電気的に接続される方式と、に依存しうる。
また、本出願は、低、中間、高、及び極高などの相対的な用語を使用することにより、電圧(及び、その他の特徴)の定格に言及する。低定格、中間定格、高定格、及び極高定格という用語は、電動工具、電池パック、AC電源、充電器、及びそれらの構成要素の様々な定格の間における相対的な関係を示すべく使用される相対的な用語であり、いかなる特定の数値又は範囲に限定されることを意図したものではない。例えば、低定格電圧は、一般に、中間定格電圧よりも低く、中間定格電圧は、一般に、高定格電圧よりも低く、高定格電圧は、一般に、極高定格電圧よりも低いことを理解されたい。特定の一実施形態においては、異なる定格電圧は、相互の関係において整数倍又は約数であってもよい。例えば、中間定格電圧は、低定格電圧の整数倍であってもよく、高定格電圧は、中間定格電圧の整数倍であってもよい。例えば、低定格電圧は、20Vであってもよく、中間定格電圧は、60V(3×20V)であってもよく、高定格電圧は、120V(2×60V及び6×20V)であってもよい。本出願においては、表記「XY」が、しばしば、低、中間、高、及び極高という用語の一般的な表記として使用される場合がある。
いくつかの例においては、電動工具、電源、又は充電器は、複数の定格電圧を有するものと表現される場合がある。例えば、電動工具又は電池パックは、低/中間定格電圧又は中間/高定格電圧を有しうる。更に詳細に後述するように、この複数の定格は、複数の最大、公称、若しくは実際の電圧、若しくは複数の公表電圧を有する、又は、相互に異なる定格電圧を有する2つ以上の電動工具、電池パック、AC電源、若しくは充電器と共に動作するように構成された、電動工具、電源又は充電器を意味している。例えば、中間/高定格電圧電動工具は、中間及び高電圧を有するものとしてラベル付与されてもよく、且つ、中間定格電圧電池パック又は高定格電圧AC電源と共に動作するように構成されてもよい。複数の定格電圧は、定格電圧が、2つの異なる定格電圧に跨る範囲を有すること、又は、定格電圧が、2つの別個の異なる定格値を有すること、を意味しうることを理解されたい。
また、本出願は、しばしば、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第1のものを、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第2のものの第2定格電圧に対応した、マッチングした、又は等価である、第1定格電圧を有するものとして、言及している。この比較は、一般に、第2定格電圧の1つ若しくは複数の値又は1つ若しくは複数の値範囲に実質的に等しい、オーバーラップしている、又は含まれている1つ若しくは複数の値又は1つ若しくは複数の値範囲を有する第1定格電圧を意味している、又は、電動工具、電源、充電器、若しくは構成要素のうちの第1のものが、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第2のものと共に動作するように構成されていることを意味している。例えば、120V(公表)又は90V〜132V(動作)の定格電圧を有するAC/DC電動工具は、120V(公表及び最大)、108V(公称)、又は102V〜120V(動作)の合計定格電圧を有する電池パックのペアに対応してもよく、100VAC〜120VACの範囲の定格電圧を有するいくつかのAC電源に対応してもよい。
逆に、本出願は、しばしば、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第1のものを、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第2のものの第2定格電圧に対応していない、異なっている、又は等価ではない第1定格電圧を有するものとして、言及している。これらの比較は、一般に、第2定格電圧の1つ若しくは複数の値又は1つ若しくは複数の値範囲と等しくない、オーバーラップしていない、又は含まれていない1つ若しくは複数の値又は1つ若しくは複数の値範囲を有する第1定格電圧を意味している、又は、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第1のものが、電動工具、電源、充電器、又はこれらの構成要素のうちの第2のものと共に動作するように構成されていないことを意味している。例えば、120V(公表)又は90V〜132V(動作)の定格電圧を有するAC/DC電動工具は、60V(公表及び最大)、54V(公称)、又は51V〜60V(動作)の合計定格電圧を有する電池パックに対応していない場合がある、又は、220VA〜240VACの範囲の定格電圧を有するAC電源に対応していない場合がある。
図1Aを再度参照すれば、電動工具10は、コードレスのみ又はDC電動工具10Aの組と、コード付き/コードレス又はAC/DC電動工具10Bの組と、を含む。DC電動工具10Aの組は、低定格電圧DC電動工具10A1の組(例えば、4V、8V、12V、18V、20V、24V、及び/又は36Vなどのように、40V未満)と、中間定格電圧DC電動工具102A2の組(例えば、40V、54V、60V、72V、及び/又は80Vなどのように、40V〜80V)と、高定格電圧DC電動工具10A3の組(例えば、100V、110V、120V、220V、230V、及び/又は240Vなどのように、100V〜240V)と、を含んでもよい。また、高定格電圧DC電動工具は、高定格電圧DC電動工具のサブセット(例えば、米国、カナダ、メキシコ、及び日本などの場合には、100V、110V、又は120Vなどのように、例えば、100V〜120V)と、極高定格電圧DC電動工具のサブセット(例えば、欧州、南米、アフリカ、及びアジアの大部分の国々の場合には、220V、230V、又は240Vなどのように、例えば、220V〜240V)と、を含むと表現されうる。利便を目的として、高定格及び極高定格電圧DC電動工具は、集合的に、高定格電圧DC電動工具10A3の組として呼称される。
AC/DC電動工具10Bは、一般に、工具が動作する又は販売される国々のAC商用電源の定格電圧に対応した定格電圧を有する(例えば、米国、カナダ、メキシコ、及び日本などの国々においては、100V、110V、又は120Vなどのように、例えば、100V〜120V、並びに、欧州、南米、アジア、及びアフリカの大部分の国々においては、220V、230V、及び/又は240Vなどのように、220V〜240V)。いくつかの例においては、これらの高定格電圧AC/DC電動工具10Bは、代替的に、AC定格を有するAC/DC電動工具とも呼称され、この場合に、AC定格は、AC/DC電動工具の高電圧定格が、電動工具が動作する及び/又は販売される国のAC商用電源の電圧定格に対応しているという事実を意味している。利便を目的として、高定格及び極高定格電圧AC/DC電動工具は、集合的に、高定格電圧AC/DC電動工具10Bの組と呼称される。
A.電源
電源20の組は、DC電池パック電源20Aの組と、AC電源20Bの組と、を含みうる。DC電池パック電源20Aの組は、以下のうちの1つ又は複数を含みうる:低定格電圧電池パック20A1の組(例えば、4V、8V、12V、20V、24V、及び/又は36Vなどのように、40V未満)、中間定格電圧電池パック20A2の組(例えば、40V、54V、60V、72V、及び/又は80Vなどのように、40V〜80V)、高定格電圧電池パック20A3の組(例えば、100V、110V、120V、220V、230V、及び/又は240Vなどのように、100V〜120V及び220V〜240V)、及び変換可能電圧レンジ電池パック20A4の組(更に詳細に後述する)。AC電源20Bは、工具が動作可能である及び/又は販売される国々のAC電源の電圧定格(例えば、米国、カナダ、メキシコ、及び日本などの国々においては、100V、110V、又は120Vなどのように、100V〜120V、欧州、南米、アジア、及びアフリカの大部分の国々においては、220V、230V、及び/又は240Vなどのように、220V〜240V)に対応した高電圧定格を有する電源を含みうる。AC電源は、AC商用電源を有してもよく、又は、AC発電機又は別の携帯型AC電源などの類似の定格電圧を有する代替電源を有してもよい。
DC電池パック電源20Aのうちの1つ又は複数は、更に後述するように、低定格電圧DC電動工具10A1の組、中間定格電圧DC電動工具10A2の組、及び高定格電圧DC電動工具10A3の組のうちの1つ又は複数に電力供給するように構成されている。AC/DC電動工具10Bは、DC電池パック電源20Aのうちの1つ又は複数により、又は、AC電源20Bのうちの1つ又は複数により、電力供給されうる。図111〜図114は、AC/DC電動工具10BにAC電源20BからAC電力を提供するためのAC/DC電動工具インターフェイス22Bの例示的な一実施形態を示している。AC/DC電動工具インターフェイ22Bは、ハウジング23と、第1端部において、2つ又は3つの分岐プラグ(図示されていない)を含み、且つ、第2端部において、ハウジング23に結合された、コード25と、を含む。ハウジング23は、DC電池パック電源20AのDC電動工具インターフェイス22Aと形状及びサイズにおいて実質的に等価であるDC電動工具インターフェイスのペア27を含む。また、ハウジング23は、DC電動工具インターフェイスのペア27の間において位置した3つの分岐コンセント29(又は、代替的に、2つの分岐コンセント)を含む。AC電源20Bの図示されているAC/DC電動工具インターフェイス22Bは、図114及び図115において図示及び後述されるAC/DC電動工具の例示的な電源インターフェイス16内において受け入れられる。図113において示されているように、AC/DC電動工具インターフェイス22Bは、例えば、ガス動力型発電機などの特定のAC電源からの「汚れた」AC信号を受信するための回路31を含んでもよい。電池パック充電器30の組は、DC電池パック電源20Aのうちの1つ又は複数を充電するように構成された1つ又は複数の電池パック充電器30を含む。以下は、電源20、電池パック充電器30、及び電動工具10の更に詳細な説明である。
1.DC電池パック電源
図1を参照すれば、上述のように、DC電池パック電源20Aは、低定格電圧電池パック20A1の組と、中間定格電圧電池パック20A2の組と、高定格電圧電池パック20A3の組と、変換可能電池パック20A4の組と、を含む。各電池パックは、ハウジングと、複数のセルと、電池パックを電動工具に又は充電器に結合するように構成された電動工具インターフェイスと、を含みうる。各セルは、通常は、ボルト(V)を単位として表現される定格電圧と、通常は、アンペア−時(Ah)を単位として表現される(セル内に保存されるエネルギーを意味する)定格容量と、を有する。当業者には周知のように、電池パック内のセルが直列状態において互いに接続された際には、セルの電圧は、加法的となる。セルが並列状態において互いに接続された際には、セルの容量が加法的となる。電池パックは、セルのいくつかの系統を含んでもよい。各系統内において、セルは、互いに直列状態において接続されてもよく、各系統は、その他のセルに対して並列状態において接続されてもよい。セル及びセル系統の構成、電圧、容量が、電池パックの全体的な定格電圧及び定格容量を決定する。DC電池パック電源20Aの各組内においては、同一の電圧を有するが、例えば、1.5アンペア−時間(Ah)、2Ah、3Ah、又は4Ahなどのように、複数の異なる定格容量を有する電池パックが存在してもよい。
図2A〜図2Cは、DC電池パック電源20Aの組の一部である電池24の例示的な電池セル構成を示している。これらの例は、DC電池パック電源20Aの各組内の電池24の可能なセル構成を限定することを意図したものではない。図2Aは、直列状態において接続された5つの電池セル26を有する電池24を示している。この例においては、セル26のそれぞれが、4Vの定格電圧及び1.5Ahの定格容量を有する場合に、この電池24は、20Vの定格電圧及び1.5Ahの定格容量を有することになろう。図2Bは、10個のセルを有する電池24を示している。電池24は、セル26の5つのサブセット28を含み、各サブセット28は、2つのセル26を含んでいる。各サブセット28のセル26は、並列状態において接続されており、サブセット28は、直列状態において接続されている。この例においては、セル26のそれぞれが、4Vの定格電圧及び1.5Ahの定格容量を有している場合には、この電池24は、20Vの定格電圧及び3Ahの定格容量を有することになろう。図2Cは、15個のセル120を有する電池24を示している。電池24は、セル26の5つのサブセット28を含み、各サブセット28は、3つのセル26を含んでいる。各サブセット28のセル26は、並列状態において接続され、サブセット28は、直列状態において接続されている。この例においては、セル26のそれぞれが、4Vの定格電圧及び1.5Ahの定格容量を有する場合には、この電池24は、20Vの定格電圧及び4.5Ahの定格容量を有することになろう。
a.低定格電圧電池パック
図1A及び図3Aを参照すれば、低定格電圧電池パック20A1のそれぞれは、対応する低定格電圧電動工具10A1上の電池パックインターフェイス16Aに結合するように、且つ、対応する低定格電圧電池パック充電器30上の電池パックインターフェイス16Aに結合するように、構成されたDC電動工具インターフェイ22Aを含む。DC電動工具インターフェイス22Aは、DC電力入出力+端子と、DC電力入出力−端子と、通信(COMM)端子と、を含んでもよい。低定格電圧電池パック20A1の組は、第1定格電圧及び第1定格容量を有する1つ又は複数の電池パックを含んでもよい。第1定格電圧は、相対的に表現すれば、DC電池パック電源20A内のその他の電池パックと比較された場合に、低定格電圧である。例えば、低定格電圧電池パック20A1は、17V〜20Vの定格電圧(20Vの公表電圧、17V〜19Vの動作電圧、18ボルトの公称電圧、20Vの最大電圧を包含しうる)を有する電池パックを含んでもよい。但し、低定格電圧電池パック20A1の組は、20Vの定格電圧に限定されるものではない。低定格電圧電池パック20A1の組は、4V、8V、12V、18V、24V、又は36Vなどのその他の相対的に低い定格電圧を有してもよい。低定格電圧電池パック20A1の組内においては、同一の定格電圧を有するが、異なる定格容量を有する電池パックが存在してもよい。例えば、低定格電圧電池パック20A1の組は、20V/1.5Ah電池パック、20V/2Ah電池パック、20V/3Ah電池パック、及び/又は20V/4Ah電池パックを含んでもよい。低定格電圧電池パック20A1の組の低定格電圧に言及する際には、それは、低定格電圧電池パック20A1の組の定格電圧が、中間定格電圧電池パック20A2の組及び高定格電圧電池パック20A3の組の定格電圧よりも低いことを意味している。
低定格電圧電池パック120Aの組内の電池パックの例は、メリーランド州タウソンのDEWALT Industrial Tool Co.が販売する電池パックの組であるDEWALT 20V MAXを含みうる。電池パック110の第1の組内に含まれうる電池パックのその他の例については、米国特許第8,653,787号、並びに米国特許出願第13/079,158号、第13/475,002号、及び第13/080,887号明細書に記述されており、これらの文献は、引用により包含される。
低定格電圧電池パック20A1の組の定格電圧は、一般に、低定格電圧電池パック20A1の組が、低定格電圧DC電動工具10A1に電力を提供しうると共に、低定格電圧DC電動工具10A1と共に動作しうるように、低定格電圧DC電動工具10A1の組の定格電圧に対応している。また、更に詳細に後述するように、低定格電圧電池パック20A1の組は、中間定格電圧DC電動工具10A2、高定格電圧DC電動工具10A3、又は高定格電圧AC/DC電動工具10Bのうちの1つ又は複数に対して、例えば、低定格電圧電池パック20A1の電圧が加法的となり且つ電池パックが結合された電動工具の定格電圧に対応するように、低定格電圧電池パック20A1のうちの複数をこれらの工具に対して直列状態において結合することにより、電力を提供可能であってもよい。低定格電圧電池パック20A1は、追加的に、又は代替的に、中間及び高定格電圧DC電動工具10A2、10A3、及び/又はAC/DC電動工具10Bのいずれかのための望ましい電圧レベルを出力するように、中間定格電圧電池パック20A2、高定格電圧電池パック20A3、又は変換可能電池パック20A4のうちの1つ又は複数と直列状態において結合されてもよい。
b.中間定格電圧電池パック
図1A及び図3Bを参照すれば、中間定格電圧電池パック20A2のそれぞれは、対応する中間定格電圧DC電動工具10A2上の電池パックインターフェイス16Aに結合されるように、及び、対応する中間定格電圧電池パック充電器30上の電池パックインターフェイス16Aに結合されるように、構成されたDC電動工具インターフェイス22Aを含む。DC電動工具インターフェイス22Aは、DC電力入出力−端子と、DC電力入出力−端子と、通信(COMM)端子と、を含みうる。中間定格電圧電池パック20A2の組は、第2定格電圧及び第2定格容量を有する1つ又は複数の電池パックを含みうる。第2定格電圧は、相対的に表現すれば、DC電池パック電源20Aの組内のその他の電池パックと比較された場合に、中間定格電圧である。例えば、中間定格電圧電池パック20A2の組は、51V〜60Vの定格電圧(60Vの公表電圧、51V〜57Vの動作電圧、54Vの公称電圧、及び60Vの最大電圧を包含しうる)を有する電池パックを含みうる。但し、中間定格電圧電池パック20A2の組は、60Vの定格電圧に限定されるものではない。中間定格電圧電池パック20A2の組は、40V、54V、72V、又は80Vなどのその他の相対的に中間の定格電圧を有してもよい。中間定格電圧電池パック20A2の組内においては、同一の定格電圧を有するが、異なる定格容量を有する電池パックが存在してもよい。例えば、中間定格電圧電池パック20A2の組は、60V/1.5Ah電池パック、60V/2Ah電池パック、60V/3Ah電池パック、及び/又は60V/4Ah電池パックを含んでもよい。中間定格電圧電池パック20A2の組の中間定格電圧に言及する際には、それは、中間定格電圧電池パック20A2の組の定格電圧が、低定格電圧電池パック20A1の組の定格電圧よりも高いが、高定格電圧電池パック20A3の組の定格電圧よりも低いことを意味している。
中間定格電圧電池パック20A2の組の定格電圧は、一般に、中間定格電圧電池パック20A2の組が、電力を中間定格電圧DC電動工具10A2に供給しうると共に、中間定格電圧DC電動工具10A2と共に動作しうるように、中間定格電圧DC電動工具10A2の定格電圧に対応している。また、更に詳細に後述するように、中間定格電圧電池パック20A2の組は、高定格電圧DC電動工具10A3又はAC/DC電動工具10Bに対して、例えば、中間定格電圧電池パック20A2の電圧が加法的となり且つ電池パックが結合された電動工具の定格電圧に対応するように、中間定格電圧電池パック20A2のうちの複数をこれらの工具に対して互いに直列状態において結合することにより、電力を供給可能であってもよい。中間定格電圧電池パック20A2は、追加的に、又は代替的に、高定格電圧DC電動工具10A又はAC/DC電動工具10Bのいずれかのための望ましい電圧レベルを出力するように、低定格電圧電池パック20A1、高定格電圧電池パック20A3、又は変換可能電池パック20A4のいずれかと直列状態において結合されてもよい。
c.高定格電圧電池パック
図1A及び図3Cを参照すれば、高定格電圧電池パック20A3のそれぞれは、対応する高定格電圧DC電動工具10A3上の電池パックインターフェイス16Aに結合するように、且つ、対応する中間定格電圧電池充電器30上の電池パックインターフェイ16Aに結合するように、構成されたDC電動工具インターフェイス22A含む。DC電動工具インターフェイス22Aは、DC電力入出力+端子、DC電力入出力−端子、及び通信(COMM)端子を含みうる。高定格電圧電池パック20A3の組は、第3定格電圧及び第3定格容量を有する1つ又は複数の電池パックを含みうる。第3定格電圧は、相対的に表現すれば、DC電池パック電源220Aの組内のその他の電池パックと比較された場合に、高定格電圧である。例えば、高定格電圧電池パック20A3の組は、102V〜120Vの定格電圧(120Vの公表電圧、102V〜114Vの動作電圧、108Vの公称電圧、及び120Vの最大電圧を包含しうる)を有する電池パックを含みうる。但し、高定格電圧電池パック20A3の組は、120Vの定格電圧に限定されるものではない。高定格電圧電池パック20A3の組は、90V、100V、110V、又は120Vなどのその他の相対的に高い定格電圧を有してもよい。高定格電圧電池パック20A3の組の高定格電圧は、代替的に、AC定格電圧と呼称される場合もあり、その理由は、高定格電圧は、電動工具が動作可能である及び/又は販売される国のAC商用電源の定格電圧対応しうるからである。高定格電圧電池パック20A3の組内においては、同一の定格電圧を有するが、異なる定格容量を有する電池パックが存在してもよい。例えば、高定格電圧電池パック20A3の組は、120V/1.5Ah電池パック、120V/2Ah電池パック、120V/3Ah電池パック、及び/又は120V/4Ah電池パックを含んでもよい。高定格電圧電池パック20A3の組の高定格電圧に言及する際には、それは、高定格電圧電池パック20A3の組の定格電圧が、低定格電圧電池パック20A1の組の定格電圧及び中間定格電圧電池パック20A2の組の定格電圧よりも高いことを意味している。
高定格電圧電池パック20A3の組の定格電圧は、一般に、高定格電圧電池パック20A3の組が、電力を高定格電圧DC電動工具10A3及びAC/DC電動工具10Bに供給しうると共に、高定格電圧DC電動工具10A3及びAC/DC電動工具10Bと共に動作しうるように、高定格電圧DC電動工具10A3及びAC/DC電動工具10Bの定格電圧に対応している。また、更に詳細に後述するように、高定格電圧電池パック20A3の組は、極高定格電圧AC/DC電動工具128に対して、例えば、高定格電圧電池パック20A3の電圧が加法的となるように、高定格電圧電池パック20A3のうちの複数を直列状態において工具に結合することにより、電力を供給可能であってもよい。高定格電圧電池パック20A3は、追加的に、又は代替的に、AC/DC電動工具10Bのいずれかのための望ましい電圧レベルを出力するべく、低定格電圧電池パック20A1、中間定格電圧電池パック20A2、又は変換可能電池パック20A4のいずれかと直列状態において結合されてもよい。
d.変換可能電池パック
図1Aを参照すれば、且つ、更に詳細に後述するように、変換可能電池パック20A4の組は、変換可能電池パックであり、そのそれぞれは、(1)第1定格電圧及び第1定格容量と、(2)第1定格電圧及び第1定格容量とは異なる第2定格電圧及び第2定格容量と、の間において変換されうる。例えば、電池パック20A4内に存在しているセルの構成は、変換可能電池パック20A4を第1電池パック構成に置く第1セル構成と、変換可能電池パック20A4を第2電池パック構成に置く第2セル構成と、の間において変更されてもよい。一実施形態においては、第1電池パック構成において、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧及び高定格容量を有し、第2電池パック構成においては、電池パックは、中間定格電圧及び低定格容量を有する。換言すれば、変換可能電池パック20A4の組の電池パックは、例えば、より低い定格電圧及び高い定格電圧などの少なくとも2つの異なる定格電圧と、例えば、より高い定格容量及び低い定格容量などの少なくとも2つの異なる容量と、を有する能力を有する。
上述のように、低、中間、及び高定格は、相対的な用語であり、且つ、変換可能電池パック20A4の組の電池パックを特定の定格に限定することを意図したものではない。代替的に、変換可能電池パック20A4の組の変換可能電池パックは、低定格電圧電動工具10A1と共に、及び、中間定格電圧電動工具20A2と共に、動作可能であってもよく、この場合に、中間定格電圧は、低定格電圧よりも大きい。特定の一実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧DC電動工具10A1の低定格電圧に対応した低定格電圧(例えば、20Vの公表電圧、17V〜19Vの動作電圧、18Vの公称電圧、及び20Vの最大電圧を包含しうる17V〜20V)、及び、中間定格電圧DC電動工具10A2の中間定格電圧に対応した中間定格電圧(例えば、60Vの公表電圧、51V〜57Vの動作電圧、54Vの公称電圧、及び60Vの最大電圧を包含しうる60V)の間において変換可能である。更には、更に後述するように、変換可能電池パック20A4は、例えば、その電圧が、高定格電圧DC電動工具10A3又はAC/DC電動工具10Bの定格電圧に対応するべく加法的となるように、変換可能電池パック20A4が、その中間定格電圧において動作し、且つ、互いに直列状態において接続された状態において、電力を高定格電圧DC電動工具10A3及び高電圧AC/DC電動工具10Bに提供可能であってもよい。
その他の実施形態においては、変換可能電池パックは、第1定格電圧構成にある際に、第1定格電圧を有する電動工具の第1の既存の組との間における下位互換性を有してもよく、第2定格電圧を有する電動工具の第2の新しい組との間において上位互換性を有してもよい。例えば、変換可能電池パックは、第1定格電圧構成にある際には、電動工具の第1の組に結合可能であってもよく、この場合に、電動工具の第1の組は、2014年5月18日よりも前に販売されていた既存の電動工具であり、第2定格電圧構成にある際には、電動工具の第2の組に結合可能であってもよく、この場合に、電動工具の第2の組は、2014年5月18日よりも前に販売されていたものではない。例えば、可能な一実施形態においては、低/中間定格変換可能電池パックは、20V定格電圧構成においては、2014年5月18日よりも前に販売されていたメリーランド州タウソンのDeWALT Industrial Tool Co.によって販売されるDeWALT(登録商標)20V MAXコードレス電動工具のうちの1つ又は複数に結合可能であってもよく、60V定格電圧構成においては、2014年5月18日よりも前に販売されてはいなかった1つ又は複数の60V定格電動工具に結合可能であってもよい。従って、変換可能電池パックは、既存の及び新しい電動工具の組の両方を有する電動工具システム内における互換性を促進している。
図1A及び図3A〜図3Cを参照すれば、変換可能電池パック20A4は、それぞれ、複数のセルと、対応する低、中間、又は高定格電圧DC電動工具10A1、10A2、又は10A3上の電池パックインターフェイス16Aに結合されるように構成されたDC電動工具インターフェイス22Aと、を含む。また、DC電動工具インターフェイス22Aは、対応する電池パック充電器30上の電池パックインターフェイス16Aと結合されるように構成されている。更に詳細に後述するように、変換可能電池パック20A4は、1つ又は複数の定格電圧電池パック充電器30に結合されてもよく、この場合に、変換可能電池パック20A4は、その電池パック充電器30に結合された際に、その電池パック充電器30に対応した電圧定格構成に置かれる。例えば、DC電動工具インターフェイス22Aは、DC電力入出力+端子、DC電力入出力−端子、及び通信(COMM)端子を含んでもよい。変換可能電池パック及びそのインターフェイスのいくつかの可能な実施形態については、更に詳細に後述する。
B.電池パック充電器
図1A及び図3A〜図3Cを参照すれば、電池パック充電器30の組は、低定格電圧電池パック20A1、中間定格電圧電池パック20A2、高定格電圧電池パック20A3、及び変換可能電池パック20A4のうちの1つ又は複数のものの電池パックに機械的且つ電気的に結合可能な1つ又は複数の電池パック充電器を含む。電池パック充電器30の組は、電池パック20A1、20A2、20A3、20A4のうちの任意のものを充電することができる。電池パック充電器30は、異なる定格電圧を有しうる。例えば、電池パック充電器30は、システム内の電池パックの組の定格電圧にマッチングするように、低定格電圧、中間定格電圧、及び/又は高定格電圧などの1つ又は複数の定格電圧を有してもよい。また、電池パック充電器30は、電池パック充電器30が、異なる定格電圧を有する電池パックを充電できるように、複数の定格電圧又は定格電圧の範囲(例えば、低−中間定格電圧)を有してもよい。また、電池パック充電器30は、電池パック上のDC電動工具インターフェイス22Aに結合するように構成された電池パックインターフェイス16Aを有してもよい。電池パックインターフェイス16Aは、DC電力入出力+端子、DC電力入出力−端子、及び通信(COMM)端子を含んでもよい。特定の実施形態においては、電池パックインターフェイス16Aは、更に詳細に後述するように、電池パックを充電するべく、変換可能電池パックのうちの1つを望ましい定格電圧構成に置くように構成されたコンバータを含んでもよい。
C.電動工具
1.低定格電圧DC電動工具
図1A及び図3Aを参照すれば、低定格電圧電動工具10A1の組は、低定格電圧を有するDC電池パック電源20A(取外し可能且つ充電式の電池パックなど)のうちの1つ又は複数から供給されるDC電力を利用する1つ又は複数の異なるタイプのコードレス又はDCのみ電動工具を含む。低定格電圧DC電動工具10A1の定格電圧は、一般に、低定格電圧電池パック20A1の定格電圧に対応してもよく、又は、低定格電圧構成に置かれた際の変換可能電池パック20A4の定格電圧に対応してもよい。例えば、20Vの定格電圧を有する低定格電圧DC電動工具10A1は、1つ又は複数の20V電池パック20A1を使用することにより、又は、20V構成における20V/60V変換可能電池パック20A4により、電力供給されうる。20Vの電動工具定格電圧は、それ自体が、17〜20Vというより幅広の定格電圧の短縮表現であってもよく、これは、低定格電圧電池パックの定格電圧レンジを包含する、例えば、17V〜20Vの動作電圧レンジを包含しうる。
低定格電圧DC電動工具10A1は、それぞれ、DCのみの電源によって電力供給可能なモーター12Aを含む。モーター12Aは、限定を伴うことなしに、永久磁石ブラシレスDCモーター(BLDC)、永久磁石ブラシ付きモーター、ユニバーサルモーターなどを含む任意のブラシ付き又はブラシレスDC電気モーターであってもよい。また、低定格電圧DC電動工具10A1は、DCライン入力DC+/−を介してDC電力を電池パックインターフェイス16Aから受け取り、且つ、DC電源からモーター12Aへの電力供給を制御するように、構成されたモーター制御回路14Aを含んでもよい。例示的な一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、電源とモーター12Aとの間に配設された1つ又は複数の電力スイッチ(図示されていない)を有するパワーユニット18Aを含んでもよい。電力スイッチは、電気機械的なオン/オフスイッチ、パワー半導体装置(例えば、ダイオード、FET、BJT、IGBTなど)、又はこれらの組合せであってもよい。例示的な一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、制御ユニット11を更に含んでもよい。制御ユニット11は、パワーユニット18A内の電力スイッチのスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、制御ユニット11は、電力スイッチのゲートを制御するように構成されたマイクロコントローラ又は類似のプログラム可能なモジュールを含んでもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、DC電池パック電源20Aの動作を監視及び管理するように構成されてもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、温度制御、速度超過制御、制動制御などのような様々な工具の動作及び状態を監視及び管理するように構成されてもよい。
例示的な一実施形態においては、更に詳細に後述するように、低定格電圧DC電動工具10A1は、一定速度工具であってもよい(例えば、携帯型のライト、鋸、研磨機など)。このような電動工具においては、パワーユニット18Aは、工具のユーザーによる係合が可能である電気機械的なオン/オフスイッチを単に含んでもよい。代替的に、パワーユニット18Aは、工具のモーター12Aを作動又は停止するべく、固定された無負荷速度において制御ユニット11によって制御される1つ又は複数の半導体装置を含んでもよい。
別の実施形態においては、更に詳細に後述するように、低定格電圧DC電動工具10A1は、可変速度工具であってもよい(例えば、携帯型のドリル、インパクトドライバ、往復鋸など)。このような電動工具においては、パワーユニット18Aの電力スイッチは、様々な構成において構成された1つ又は複数の半導体装置(例えば、FET及びダイオード、Hブリッジなど)を含んでもよく、制御ユニット11は、モーター12Aの速度を制御するべく、電力スイッチのパルス幅変調を制御してもよい。
低定格電圧DC電動工具10A1は、とりわけ、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、及びフラッシュライトなどの携帯型コードレス工具を含みうる。低定格電圧電動工具は、2014年5月18日よりも前に販売されていた既存のコードレス電動工具を含みうる。このような低定格電圧DC電動工具10A1の例は、メリーランド州タウソンのDeWALT Industrial Tool Co.が販売するコードレス電動工具の組DeWALT(登録商標) 20V MAXのうちの1つ又は複数を含みうる。低定格電圧DC電動工具10A1は、代替的に、2014年5月18日よりも前に販売されてはいなかったコードレス電動工具を含みうる。その他の例においては、米国特許第8,381,830号、第8,317,350号、第8,267,192号、第D646,947号、及び第D644,494号明細書は、低定格電圧コードレス電動工具10A1を有するか又はこれに類似している工具を開示しており、これらの文献は、引用により、包含される。
2.中間定格電圧DC電動工具
図1A及び図3Bを参照すれば、中間定格電圧DC電動工具10A2の組は、(取外し可能且つ充電式の電池パックなどの)中間定格電圧を単独で又は協同して有するDC電池パック電源20Aのうちの1つ又は複数から供給されるDC電力を利用する1つ又は複数の異なるタイプのコードレス又はDCのみ電動工具を含みうる。中間定格電圧DC電動工具10A2の定格電圧は、一般に、中間定格電圧電池パック20A2の定格電圧に対応するか、又は、中間定格電圧構成に置かれた際の変換可能電池パック20A4の定格電圧に対応することになる。例えば、中間定格電圧DC電動工具10A2は、60Vの定格電圧を有してもよく、及び、60V中間定格電圧電池パック20A2により、又は、60V構成における20V/60V変換可能電池パック20A4により、電力供給されてもよい。60Vの電動工具定格電圧は、17〜20Vというより幅広の定格電圧の短縮表現であってもよく、これは、中間定格電圧電池パックの定格電圧を包含する、例えば、51V〜60Vの動作レンジを包含しうる。例示的な一実施形態においては、中間定格電圧DC電動工具10A2は、2つ以上の低定格電圧電池パック20A1を受け入れるように構成された複数の電池インターフェイスを含んでもよい。例示的な一実施形態においては、中間定格電圧DC電動工具10A2は、これに加えて、中間定格電圧DC電動工具10A2の定格電圧に対応した望ましい中間定格電圧を生成するべく、DC電池パック電源20Aを直列状態において結合するための回路を含んでもよい。
上述の低定格電圧DC電動工具10A1と同様に、中間定格電圧DC電動工具10A2は、それぞれ、DC電池パック電源20Aによって電力供給されうるモーター12Aを含む。モーター12Aは、限定を伴うことなしに、永久磁石ブラシレスDCモーター(BLDC)、永久磁石ブラシ付きモーター、ユニバーサルモーターなどを含む任意のブラシ付き又はブラシレスDC電気モーターであってもよい。また、中間定格電圧DC電動工具10A2は、DCライン入力DC+/−を介して電池パックインターフェイス16AからDC電力を受け取り、且つ、DC電源からモーター12Aへの電力供給を制御するように構成されたモーター制御回路14Aを含む。例示的な一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、電源とモーター12Aとの間において配設された1つ又は複数の電力スイッチ(図示されていない)を有するパワーユニット18Aを含んでもよい。電力スイッチは、電気機械的なオン/オフスイッチ、パワー半導体装置(例えば、ダイオード、FET、BJT、IGBTなど)、又はこれらの組合せであってもよい。例示的な一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、制御ユニット11を更に含んでもよい。制御ユニット11は、パワーユニット18A内の電力スイッチのスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。低定格電圧DC電動工具10A1用の上述のモーター制御回路14Aと同様に、モーター制御回路14Aは、固定された又は可変速度においてモーター12Aを制御しうる。例示的な一実施形態においては、制御ユニット11は、電力スイッチのゲートを制御するように構成されたマイクロコントローラ又は類似のプログラム可能なモジュールを含んでもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、DC電池パック電源20Aの動作を監視及び管理するように構成されてもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、温度制御、速度超過制御、制動制御などのような様々な工具の動作及び状態を監視及び管理するように構成されてもよい。
中間定格電圧DC電動工具10A2は、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、及びフラッシュライトなどの相対的に高い電力出力要件を有する低定格電圧DC電動工具10A1と類似したタイプの工具を含みうる。また、中間定格電圧DC電動工具10A2は、追加的に、又は代替的に、チェーンソー、ストリングトリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、及び/又はロータリーハンマなどの低定格電圧DC電動工具10A1よりも大きな電力又は容量を必要とするその他のタイプの工具を有しうる。
更に別の及び/又は更なる実施形態においては、更に詳細に後述するように、中間定格電圧DC電動工具10A2のモーター制御回路14Aは、互いに異なる、且つ、中間定格電圧未満の、定格電圧を有する複数のDC電池パック電源20Aを使用したモーター12Aへの電力供給を可能にしている。換言すれば、中間定格電圧DC電動工具10A2は、複数の定格電圧において(例えば、低定格電圧において又は中間定格電圧において)動作するように構成されてもよい。このような中間定格電圧DC電動工具10A2は、工具に電力供給可能な複数のDC電源の電圧定格のそれぞれに対応した複数の電圧定格を有するものと表現されうる。例えば、図3Bの中間定格電圧DC電動工具10A2は、低定格電圧電池パック20A1のうちの1つ(例えば、20V電池パック)により、中間定格電圧電池パック20A2のうちの1つ(例えば、60V電池パック)により、又は、低定格電圧構成若しくは中間定格電圧構成における変換可能電池パック20A4により、選択的に電力供給される能力を有する低/中間定格電圧(例えば、20V/60V定格電圧、40V/60V定格電圧)を有してもよい。一代替実施形態においては、中間定格電圧DC電動工具10A2は、中間定格電圧DC電動工具10A2内のモーター12Aの中間定格電圧とは異なる更に別の低又は中間定格電圧において動作するべく直列状態において接続された低定格電圧電池パック20A1のペア(例えば、36Vの組み合わせられた低定格電圧を生成するべく直列状態において接続された2つの低定格電圧の18V電池パック20A1)を使用することにより、動作しうる。
大幅に異なる電圧レベルにおける電動工具モーター12Aの動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらすことになり、これは、顕著である場合があり、且つ、いくつかのケースにおいては、ユーザーにとって不満足である場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、電源の定格電圧に基づいて、即ち、中間定格電圧DC電動工具10A2が、低定格電圧DC電源(例えば、低定格電圧電池パック20A1)又は中間定格電圧電源(例えば、中間定格電圧DC電動工具10A2内のモーター212Aが最適化又は定格設定されている中間定格電圧電池パック20A2)のいずれと結合されているのかに基づいて、モーター12Aの性能を最適化するように構成されている。これを実行することにより、工具の出力性能の差は、最小化されるか、又は、少なくとも、エンドユーザーにとって満足できるレベルに低減される。
この実施形態においては、モーター制御回路14Aは、電源からの有効モーター性能を中間定格電圧DC電動工具10A2の動作電圧レンジ(又は、電圧定格)に対応したレベルに増加又は低減するように構成されている。具体的には、モーター制御回路14Aは、中間定格電圧電池パック20A2と共に使用される際には、エンドユーザーにとって満足できる方式により、低定格電圧電池パック20A1と共に使用される際の工具10Aの出力レベルにマッチングするように(又は、これに妥当に近接するように)、工具10Aの電力出力を低減しうる。代替的に、又は追加的に、モーター制御回路14Aは、低定格電圧電池パック20A1と共に使用される際に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、中間定格電圧電池パック20A2と共に使用される際の中間定格電圧DC電動工具10A2の出力レベルにマッチングするように(又は、これに妥当に近接するように)、中間定格電圧DC電動工具10A2の電力出力を増加させてもよい。一実施形態においては、低/中間定格電圧DC電動工具10A2は、例えば、電池IDを介して電源の定格電圧を識別し、且つ、それに応じてモーター性能を最適化するように、構成されてもよい。有効モーター性能を最適化(即ち、増加又は低減)するためのこれらの方法については、本開示において詳細に後述する。
3.高定格電圧DC電動工具
図1A及び図3Cを参照すれば、高定格電圧DC電動工具10A3の組は、(例えば、約1000〜1500ワットなどの)高定格電圧及び高出力電力において動作するように構成されたモーターを有するコードレス(DCのみ)高定格(又は、AC定格)電圧電動工具を含みうる。低及び中間定格電圧DC電動工具10A1、10A2と同様に、高定格電圧DC電動工具10A3も、高電力出力用途のための様々なコードレス工具(即ち、電動工具、屋外工具など)を含みうる。高定格電圧DC電動工具10A3は、例えば、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、フラッシュライト、ストリングトリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、及び/又はロータリーハンマなどの低定格電圧及び中間定格電圧DC電動工具と類似したタイプの工具を含みうる。高定格電圧DC電動工具は、追加的に、又は代替的に、マイターソー、チェーンソー、ハンマドリル、研磨機、及びコンプレッサなどのより高い電力又は容量を必要とするその他のタイプの工具を含みうる。
低及び中間定格電圧DC電動工具10A1、10A2と同様に、高定格電圧DC電動工具10A3は、それぞれ、電動工具10Aの定格電圧に対応した高定格電圧を協同して有する1つ又は複数のDC電池パック電源20Aからの動作を可能にするように構成された、モーター12A、モーター制御回路14A、及び電池パックインターフェイス16Aを含む。図3Aを参照して上述したモーター12Aと同様に、モーター12Aは、限定を伴うことなしに、永久磁石ブラシレスDCモーター(BLDC)、永久磁石DCブラシ付きモーター(PMDC)、ユニバーサルモーターなどを含む任意のブラシ付き又はブラシレスDC電気モーターであってもよい。同様に、モーター制御回路14Aは、電源とモーター12Aとの間において配設された1つ又は複数の電力スイッチ(図示されていない)を有するパワーユニット18Aを含んでもよい。電力スイッチは、電気機械的なオン/オフスイッチ、パワー半導体装置(例えば、ダイオード、FET、BJT、IGBTなど)、又はこれらの組合せであってもよい。一実施形態においては、モーター制御回路14Aは、制御ユニット11を更に含んでもよい。制御ユニット11は、パワーユニット18A内の電力スイッチのスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。モーター制御回路14Aは、固定された又は可変速度においてモーター12Aを制御してもよい。一実施形態においては、制御ユニット11は、電力スイッチのゲートを制御するように構成されたマイクロコントローラ又は類似のプログラム可能なモジュールを含んでもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、DC電池パック電源20Aの動作を監視及び管理するように構成されてもよい。追加的に、又は代替的に、制御ユニット11は、様々な工具の動作及び状態を監視及び管理するように構成されてもよい。
図3Cを参照すれば、高定格電圧DC電動工具10A3は、電池パックインターフェイス(又は、電池コンセント)16A内において受け入れられた単一のDC電池パック電源20Aによって電力供給されてもよい。一実施形態においては、DC電池パック電源20Aは、高定格電圧DC電動工具10A3の定格電圧に対応した高定格電圧(例えば、120V)を有する高定格電圧電池パック20A3であってもよい。
図3Cを参照すれば、一代替実施形態においては、高定格電圧DC電動工具10A3の電池パックインターフェイス16Aは、所与の時点において2つ以上のDC電池パック電源20Aを受け入れる2つ以上の電池コンセント16A1、16A2を含んでもよい。一実施形態においては、高定格電圧DC電動工具10A3は、電池コンセント216A1、216A2内において一緒に受け入れられるDC電池パック電源20Aのペアによって電力供給されてもよい。また、この実施形態においては、電池パックインターフェイス16Aは、直列状態において2つのDC電池パック電源20Aを接続するように構成されたスイッチングユニット(図示されていない)を含んでもよい。スイッチングユニットは、例えば、電池パックインターフェイス16A内又はモーター制御回路14A内において提供された回路を含んでもよい。代替的に、DC電池パック電源20Aは、高定格電圧を同様に出力するべく、スイッチングユニット120−10を介して直列状態において接続された中間定格電圧電池パック20A2(例えば、120Vの組み合わせられた定格電圧のために直列状態において接続された2つの60V電池パック)であってもよい。更に別の実施形態においては、120Vの定格電圧を提供するべく、単一の高定格電圧電池パック20A3が電池コンセントのうちの1つに結合されてもよい。例えば、高定格電圧DC電動工具10A2は、60Vの定格電圧を有してもよく、及び、2つの60V中間定格電圧電池パック20A2により、又は、その60V構成における2つの20V/60V変換可能電池パック20A4により、電力供給されてもよい。120Vの電動工具定格電圧は、それ自体が、102V〜120Vというより幅広の定格電圧レンジの短縮表現であってもよく、これは、2つの中間定格電圧電池パックの動作レンジを包含する、例えば、102V〜120Vの動作レンジを包含しうる。
一実施形態においては、1つ又は複数のコードレス電動工具電池コンセント16A内において受け入れられた電池パックの合計定格電圧は、コードレスDC電動工具10A自体の定格電圧に対応してもよい。但し、その他の実施形態においては、高定格電圧コードレスDC電動工具10A3は、これに加えて、高定格コードレスDC電動工具10A3内のモーター12A及びモーター制御回路14Aの定格電圧未満の定格電圧を協同して有する1つ又は複数のDC電池パック電源20Aを使用して動作可能であってもよい。この後者のケースにおいては、コードレスDC電動工具10Aは、高定格電圧DC電動工具10A3が受け入れることになるDC電池パック電源20Aの定格電圧に対応した複数の定格電圧を有するものと表現されうる。例えば、高定格電圧DC電動工具10A3は、複数の低定格電圧電池パック20A1(例えば、20V電池パック)、1つ又は複数の中間定格電圧電池パック20A2(例えば、60V電池パック)、1つの高定格電圧電池パック20A3、又は1つ又は複数の変換可能電池パック20A4によって選択的に電力供給される能力を有する高定格電圧電池パック20A3又は中間定格電圧電池パック20A2を使用して動作可能である場合には、中間/高定格電圧DC電動工具であってもよい(例えば、60V/120V、60〜120V電動工具、80V/120V、又は80〜120V電動工具)。ユーザーは、高定格電圧DC電動工具10A3と共に使用するために、DC電池パック電源20Aのいずれかを混合及びマッチングさせてもよい。
高定格電圧電動工具10A3内のモーター(これは、記述されているように、高電力及び高電圧定格において機能するように最適化されうる)が、モーターの電圧定格未満である合計電圧定格を有するDC電源と共に許容可能に機能するように、モーター制御回路14Aは、低定格電圧DC電池パック20A1の定格電圧に基づいてモーター性能を最適化するように構成されてもよい。簡潔に上述したように、且つ、本開示において詳細に後述するように、これは、電源からの有効モーター性能を高定格電圧DC電動工具10A3の動作電圧レンジ(又は、電圧定格)に対応したレベルに最適化(即ち、増加又は低減)することにより、実行されうる。
一代替又は追加実施形態(図示されていない)においては、AC電源を電池パックインターフェイス16に結合し、且つ、高定格電圧DC電源を電池パックインターフェイス16Aを介して高定格電圧DC電動工具10A3に供給するべくAC電源からのAC電力を同等な定格電圧のDC信号に変換するAC/DCアダプタが提供されてもよい。
4.高(AC)定格電圧AC/DC電動工具
図1A及び図4を参照すれば、コード付き/コードレス(AC/DC)電動工具10Bは、それぞれ、モーター制御回路14Bに結合されたDCライン入力DC+/−(16A)、ACライン入力ACH、ACL(16B)、及び通信ライン(COMM)を有するAC/DC電源インターフェイス16を有する。AC/DC電源インターフェイス16は、DC電池パック電源20A及びAC電源20Bのうちの1つ又は複数のものの工具インターフェイスに結合されるように構成されている。DC電池パック電源20Aは、AC/DC電動工具10B内のAC/DC電源インターフェイス16内のDC+/−ライン入力及び通信ライン(COMM)に結合可能なDC電力入出力+端子、DC電力入出力−端子、及び通信(COMM)端子を有しうる。また、DC電池パック電源20AのDC電力入出力+端子、DC電力入出力−端子、及び通信(COMM)端子は、上述のように、DC電池パック電源20Aを電池パック充電器30の電池パックインターフェイス16Aに結合可能であってもよい。AC電源20Bは、AC電力H及びAC電力L端子又はラインにより、並びに、通信(COMM)端子又はラインにより、AC/DC電動工具10B内の電源インターフェイス16BのACH、ACL、及び/又は通信(COMM)端子に結合されてもよい。各AC/DC電動工具10Bにおいて、モーター制御回路14B及びモーター12Bは、電動工具及び電源の所与の定格電圧について、モーターの性能を最適化するように設計されている。
更に後述するように、モーター12Bは、永久磁石ブラシレスDCモーター(BLDC)、永久磁石DCブラシ付きモーター(PMDC)、又はユニバーサルモーターなどのブラシ付きモーター又はブラシレスモーターであってもよい。モーター制御回路14Bは、更に詳細に後述するように、一定速度動作又は可変速度動作を可能にしてもよく、且つ、モーター及び速度制御のタイプに応じて、異なる電力スイッチング及び制御回路を含んでもよい。
例示的な一実施形態においては、AC/DC電源インターフェイス16は、単一の電池パックインターフェイス(例えば、電池パックコンセント)16Aと、AC電力インターフェイス16B(例えば、工具ハウジング内において受け入れられたAC電力ケーブル)と、を含むように構成されてもよい。この実施形態におけるモーター制御回路14Bは、AC電源20BとDC電池パック電源20Aとの間において、選択的にスイッチングするように構成されてもよい。この実施形態においては、DC電池パック電源20Aは、AC/DC電動工具10Bの定格電圧及び/又はAC電源20Bの定格電圧に対応した高定格電圧(例えば、120V)を有する高定格電圧電池パック20A3であってもよい。モーター制御ユニット14Bは、例えば、AC電源20Bからの電流を検知した際、標準設定でAC電源20BからのAC電力を供給するように、及び、さもなければ、DC電池パック電源20Aからの電力を供給するように、構成されてもよい。
図114〜図117を参照すれば、別の例示的な実施形態においては、AC/DC電源インターフェイス16は、AC電源インターフェイス16Bに加えて、2つの電池コンセント16A1、16A2などの電池インターフェイス16Aのペアを含むように構成されてもよい。この構成は、AC/DC電動工具10Bが、直列状態において接続された際に商用電源のAC定格電圧に対応した高定格電圧を協同して有する複数のDC電池パック電源20Aによって電力供給されることを許容する。この実施形態においては、AC/DC電動工具10Bは、電池コンセント16A1、16A2内において受け入れられたDC電池パック電源20Aのペアによって電力供給されてもよい。一実施形態においては、スイッチングユニットが、提供されてもよく、且つ、2つのDC電池パック電源20Aを直列状態において接続するように構成されてもよい。このようなスイッチングユニットは、例えば、電池コンセント16A1、16A2を接続するAC/DC電源インターフェイス16内に設けられた単純なワイヤ接続を含んでもよい。代替的に、このようなスイッチングユニットは、モーター制御回路14Bのペアとして提供されてもよい。
この実施形態においては、DC電池パック電源20Aは、高定格電圧を同様に出力するべく、スイッチングユニットを介して直列状態において接続された中間定格電圧電池パック20A2のうちの2つ(例えば、120Vの組み合わせられた定格電圧のために直列状態において接続された2つの60V電池パック)であってもよい。図116を参照すれば、更に別の例示的な実施形態においては、120Vの定格電圧を提供するべく、単一の高定格電圧電圧パック20A3が電池コンセント16A2のうちの一方に結合されてもよく、他方の電池コンセント16A1は、未使用状態において残されてもよい。この実施形態においては、モーター制御回路14Bは、モーター12Bに電力を提供するべく、AC電源20B又は組み合わせられたDC電池パック電源20Aのうちの1つを選択するように構成されてもよい。
これらの実施形態においては、1つ又は複数のAC/DC電動工具電池パックコンセント16A内において受け入れられたDC電池パック電源20Aの合計定格電圧は、AC/DC電動工具10Bの定格電圧レベルに対応してもよく、これは、一般に、AC商用電源20Bの定格電圧に対応している。上述のように、高定格電圧DC電動工具10A3又はAC/DC電動工具10B用に使用される電源20は、高定格電圧商用AC電源20Bである。例えば、AC/DC電動工具10A2は、120Vの定格電圧を有してもよく、且つ、120VACのAC商用電源により、又は、その60V構成における且つ直列接続された2つの20V/60V変換可能電池パック20A4により、電力供給可能であってもよい。120Vの電動工具定格電圧は、電動工具の動作レンジ及び2つの中間定格電圧電池パックの動作レンジを包含する、例えば、100V〜120Vなどのより幅広の定格電圧の短縮表現でありうる。一実施形態においては、120Vの電動工具定格電圧は、2つの中間定格電圧電池パックの動作レンジ全体(例えば、102VDC〜120VDC)を包含する90V〜132Vという更に幅広の動作レンジ及びAC商用電源の電圧の変動を考慮するための±10%の誤差係数を伴う北米及び日本において利用可能なAC電源(例えば、100VAC、110VAC、120VAC)のすべての短縮表現でありうる。
その他の実施形態においては、AC/DC電動工具10Bは、これに加えて、AC商用電源のAC定格電圧未満であり、且つ、モーター12A及びモーター制御回路14Aの電圧定格未満である、定格電圧を協同して有するDC電池パック電源20Aのうちの1つ又は複数を使用して動作可能であってもよい。この実施形態においては、AC/DC電動工具10Bは、AC/DC電動工具10Bが受け入れることになるDC電池パック電源20A及びAC電源20Bの定格電圧に対応した複数の定格電圧を有するものと表現されうる。例えば、AC/DC電動工具10Bは、中間定格電圧電池パック20A2又は高定格電圧AC電源20B(例えば、60V/120V又は60〜120V又は60VDC/120VDC)を使用して動作可能な場合には、中間/高定格電動工具である。この実施形態によれば、ユーザーには、AC/DC電動工具10Bと共に使用するべく、DC電池パック電源20Aのいずれかを混合及びマッチングするための能力が付与されうる。例えば、AC/DC電動工具10Bは、40V〜80Vの定格電圧を出力するべくスイッチングユニット介して直列状態において接続された2つの低定格電圧パック20A1(たとえば、20V、30V、又は40Vパック)と共に使用可能であってもよい。別の例においては、AC/DC電動工具10Bは、80V〜100Vの合計定格電圧について、低定格電圧電池パック20A1及び中間定格電圧電池パック20A2と共に使用されてもよい。
AC/DC電動工具10B内のモーター12B(上述のように、高出力電力及び高電圧定格において動作するように最適化されている)が、(例えば、上述のように、40V〜100Vの範囲内の)工具の高電圧定格未満の合計電圧定格を有するDC電池パック電源と共に許容可能に機能するために、モーター制御回路14Bは、モーター性能をDC電池パック電源20Aの定格電圧に基づいて最適化するように構成されてもよい。簡潔に上述したように、且つ、本開示において詳細に後述するように、これは、電源からの有効モーター性能を高定格電圧DC電動工具10A3の動作電圧レンジ(又は、電圧定格)に対応したレベルに最適化(即ち、増加又は低減)することにより、実行されうる。
II.AC/DC電動工具及びモーター制御
図1A及び図5Aを参照すれば、高定格電圧AC/DC電動工具10Bは、モーターのタイプに基づいて、即ち、ブラシ付きモーターを有する高定格電圧AC/DC電動工具122及びブラシレスモーターを有する高定格電圧AC/DC電動工具128に基づいて、分類されうる。また、図5Bを参照すれば、ブラシ付きモーターを有するAC定格電圧AC/DC電動工具122は、速度制御及びモータータイプに基づいて、ユニバーサルモーターを有する一定速度AC/DC電動工具123、ユニバーサルモーターを有する可変速度AC/DC電動工具124、DCブラシ付きモーターを有する一定速度AC/DC電動工具125、及びユニバーサルモーターを有する可変速度AC/DC電動工具126という4つのサブセットに更に分類されうる。高定格電圧AC/DC電動工具のこれらの様々な組及びサブセットについては、更に詳細に後述する。
次の図5A〜図15Eでは、電動工具123、124、125、126、及び128は、それぞれ、図4に示されている電動工具10Bに対応しうる。同様に、次の図5A〜図15Eでは、モーター123−2、124−2、125−2、126−2、及び202は、それぞれ、図4のモーター12Bに対応してもよく、モーター制御回路123−4、124−4、125−4、126−4、及び204は、それぞれ、図4のモーター制御回路14Bに対応してもよく、パワーユニット123−6、124−6、125−6、126−6、及び206は、それぞれ、図4のパワーユニット18Bに対応してもよく、制御ユニット123−8、124−8、125−8、126−8、及び208は、それぞれ、図4の制御ユニット11Bに対応してもよく、電源インターフェイス123−5、124−5、125−5、126−5、及び128−5は、それぞれ、図4の電源インターフェイス16Bに対応してもよい。
A.ユニバーサルモーターを有する一定速度AC/DC電動工具
次に図6A〜図6Dを参照すれば、ブラシ付きモーターを有するAC/DC電動工具122の第1サブセットは、ユニバーサルモーターを有する一定速度AC/DC電動工具123を含む(以下においては、一定速度ユニバーサルモーター工具123と呼称される)。これらは、無負荷(又は、一定負荷)において一定速度において動作するコード付き/コードレス(AC/DC)電動工具を含み、且つ、高定格電圧(例えば、100V〜120V、又は更に幅広に90V〜132V)及び高電力(例えば、1500〜2500ワット)において動作するように構成されたブラシ付きユニバーサルモーター123−2を含む。ユニバーサルモーターは、固定子界磁コイルと、直列状態において界磁コイルに接続された整流子と、を有する直列巻回モーターである。この方式におけるユニバーサルモーターは、DC電源のみならず、AC電源と共に動作することができる。一実施形態においては、一定速度ユニバーサルモーター工具123は、コンクリートハンマ、マイターソー、テーブルソー、真空掃除機、送風機、及び芝刈り機などのような高電力用途のための高電力工具を含みうる。
一実施形態においては、一定速度ユニバーサルモーター工具123は、無負荷状態において一定速度においてユニバーサルモーター123−2を動作させるモーター制御回路123−4を含む。電動工具123は、上述のDC電源及び/又はAC電源のうちの1つ又は複数から電力を受け取るように構成された電源インターフェイス123−5を更に含む。電源インターフェイス123−5は、(DC電源から電力を供給するための)DC電力ラインDC+及びDC−により、及び、(AC電源から電力を供給するための)AC電力ラインACH及びACLにより、モーター制御回路123−4に電気的に結合されている。
一実施形態においては、モーター制御回路123−4は、パワーユニット123−6を含んでもよい。一実施形態においては、パワーユニット123−6は、電気機械的なオン/オフスイッチ123−12を含む。一実施形態においては、工具123は、ユーザーがモーター123−2を作動又は停止することを可能にするオン/オフスイッチ123−12に結合されたオン/オフトリガ又はアクチュエータ(図示されていない)を含む。オン/オフスイッチ123−12は、電源インターフェイス123−5からモーター123−2への電力の供給を電気的に接続又は分離するべく、電源と直列状態において提供されている。
図6Aを参照すれば、一定速度ユニバーサルモーター工具123が、一実施形態に従って示されており、この場合に、ACH及びDC+電力ラインは、共通正ノード123−11aにおいて一緒に結合され、ACL及びDC−電力ラインは、共通負ノード123−11bにおいて一緒に結合されている。この実施形態においては、オン/オフスイッチ123−12が、正共通ノード123−11aとモーター123−2との間において配置されている。AC又はDC電源のうちの1つのみが任意の所与の時点において利用されることを保証するべく、一実施形態においては、機械的なロックアウト装置が利用されてもよい。例示的な一実施形態においては、機械的なロックアウト装置は、任意の所与の時点におけるAC又はDC電源のうちの1つに対するアクセスを物理的にブロックしうる。
これに加えて、図6Aにおいて示されているように、一定速度ユニバーサルモーター工具123には、制御ユニット123−8が更に提供されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット123−8は、パワーユニット123−6内において電源インターフェイス123−5のDC+電力ラインとオン/オフスイッチ123−12との間において配置された電力スイッチ123−13に結合されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット123−8は、電動工具123及び/又は電池の状態を監視するべく、提供されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット123−8は、工具内のサーミスタなどの工具123の要素に結合されてもよい。また、一実施形態においては、制御ユニット123−8は、電源インターフェイス123−5から提供された通信信号ラインCOMMを介して1つ又は複数の電池パックに結合されてもよい。COMM信号ラインは、1つ又は複数の電池パックの動作又は状態に関係した制御又は情報信号を制御ユニット123−8に提供しうる。一実施形態においては、制御ユニット123−8は、工具の障害状態(例えば、工具の温度超過、工具の電流超過など)又は電池の障害状態(例えば、電池の温度超過、電池の電流超過、電池の電圧超過、電池の電圧不足など)が検出された場合に、電力スイッチ123−13を使用して電源インターフェイス123−5からのDC+電力ラインからの電力を中断するように構成されてもよい。一実施形態においては、電力スイッチ123−13は、制御ユニット123−8によって制御されるFET又はその他の制御可能なスイッチを含んでもよい。
図6B〜図6Dは、一代替実施形態による一定速度ユニバーサルモーター工具123を示しており、この場合に、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLは、(電源インターフェイス123−5がAC及びDC電源の両方に結合されている場合にも)電力がAC電源及びDC電源の両方から同時に供給されえないことを保証するべく、電源スイッチングユニット123−15を介して隔離されている。
一実施形態においては、図6Bに示されているように、電源スイッチングユニット123−15は、コイルがAC電力ラインACH及びACLに結合された状態において、DC電力ラインDC+とオン/オフスイッチ123−12との間において配置された通常は閉路された単極単投式リレーを含んでもよい。電源スイッチングユニット123−15の出力及びACH電力ラインは、電力スイッチ123−13に一緒に結合されている。AC電力が供給されていない際には、リレーは、無効であり、DC電力ラインDC+は、電力スイッチ123−13に結合されている。AC電力が供給される際には、コイルがエネルギー供給され、リレーが有効となり、従って、DC電力ラインDC+は、電力スイッチ123−13から分離される。
一代替又は追加実施形態においては、図6Cに示されているように、電源スイッチングユニット123−15は、電源インターフェイス123−5のDC+及びACH電力ラインに結合された入力端子と、電力スイッチ123−13に一緒に結合された出力端子と、を有する二極双投式スイッチ123−16を含んでもよい。一実施形態においては、電源インターフェイス123−5の負のDC−及びACL電力ラインに結合された入力端子と、モーター123−2の負の端子に一緒に結合された出力端子と、を有する第2の二極双投式スイッチ123−17が提供されている。一実施形態においては、スイッチ123−16及び123−17は、図6Bと同様に、リレーコイルを介して制御されてもよい。代替的に、スイッチ123−16及び123−17は、機械的なスイッチングメカニズム(例えば、電池パックが電池コンセントに挿入された際に、スイッチを閉路する電池コンセント上において提供された可動接点)を介して制御されてもよい。
別の実施形態においては、図6Dに示されているように、電源スイッチングユニット123−15は、電源インターフェイス123−5のDC+及びACH電力ラインに結合された入力端子と、電力スイッチ123−13に結合された出力端子と、を有する単極双投式スイッチ123−18を含んでもよい。一実施形態においては、電源インターフェイス123−5の負のDC−及びACL電力ラインに結合された入力端子と、モーター123−2の負の端子に結合された出力端子と、を有する第2の単極双投式スイッチ123−19が提供されている。一実施形態においては、スイッチ123−18及び123−19は、図6Bと同様に、リレーコイルを介して制御されてもよい。代替的に、スイッチ123−18及び123−19は、機械的なスイッチングメカニズム(例えば、電池パックが電池コンセントに挿入された際にスイッチを閉路する電池コンセント上に提供された可動接点)を介して制御されてもよい。
図6A〜図6Dの工具123には、工具又は電池の障害状態の場合に、電力の供給を中断するべく、制御ユニット123−8及び電力スイッチ123−13が提供されているが、工具123は、制御ユニット123−8及び電力スイッチ123−13を伴うことなしに、提供されうることを理解しなければならない。例えば、1つ又は複数の電池パックには、その障害状態を監視し、且つ、その動作を管理するべく、その独自のコントローラが提供されてもよい。
1.同等な電圧定格を有する電源を有する一定速度ユニバーサルモーター工具
上述の図6A〜図6Dにおいては、電動工具123は、例えば、100V〜120Vの高定格電圧レンジ(北米及び日本における100VAC〜120VACのAC電力電圧レンジに対応している)において、又は、更に幅広には、90V〜132V(100〜120VのAC電力電圧レンジの±10%である)において、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように設計されている。具体的には、電動工具123のモーター123−2及びパワーユニット123−6の構成要素は、100〜120Vの、又は、更に幅広には、90V〜132Vの、高定格電圧を取り扱うように設計及び最適化されている。これは、電圧互換性を有する電動装置を選択し、且つ、高定格電圧レンジを取り扱うように適切なサイズ及び巻線構成を有するモーターを設計することにより、実行されうる。また、モーター123−2は、工具123の動作電圧又は動作電圧レンジと等価でありうる、これに含まれうる、又は、これに対応しうる動作電圧又は動作電圧レンジを有する。
一実施形態においては、電源インターフェイス123−5は、AC電源から100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、米国における50〜60Hzの120VAC又は日本における100VAC)を有するAC電力ラインを提供するように、又は、DC電源から100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を有するDC電力ラインを提供するように、構成されている。換言すれば、電源インターフェイス123−5を通じて提供されるDC公称電圧及びAC公称電圧は、いずれも、モーター123−2の動作電圧レンジ(即ち、高定格電圧100V〜120V、又は、更に幅広には、約90V〜132V)に対応している(例えば、マッチングしているか、オーバーラップしているか、又は含まれている)。120VACの公称電圧は、AC正弦波形の正のハーフサイクルにおいて計測された際の約108Vの平均電圧に対応しており、これは、108VACの電力と等価な速度性能を提供することに留意されたい。
2.異なる電圧定格を有する電源を有する一定速度ユニバーサルモーター工具
図6Eは、本発明の別の実施形態による電動工具123を示しており、この場合に、AC電源によって提供される電力の供給は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有する。例えば、電源インターフェイス123−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧(例えば、多くの欧州の国々における230V、又は、多くのアフリカの国々における220V)を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
大幅に異なる電圧レベルにおける電動工具モーター123−2の動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらす場合があり、これは、顕著である場合があり、いくつかのケースにおいては、ユーザーにとって満足できない場合がある。また、モーター123−2の動作電圧レベル外の電圧レベルの供給は、モーター及び関連するスイッチング構成要素を損傷する場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路123−4は、モーター123−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター123−2への電力の供給(及び、従って、モーター性能)を最適化するように構成されている。
この実施形態においては、モーター123−2は、DC電力ラインの公称電圧を包含する電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、電動工具123は、例えば、電源インターフェイス123−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を包含するが、AC電力ラインの公称電圧(例えば、220V〜240V)未満である、60V〜90V(又は、更に幅広には、この±10%である54V〜99V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。別の例示的な実施形態においては、モーター123−2は、電源インターフェイス123−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、108VDC)を包含するが、AC電力ラインの220〜240Vの公称電圧レンジ未満である、100V〜120V(又は、更に幅広には、この±10%である90V〜132V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。
一実施形態においては、工具123が、より高いAC電力ラインの公称電圧によって動作するために、工具123には、位相制御されたACスイッチ123−16が更に提供されている。一実施形態においては、ACスイッチ123−16は、制御ユニット123−8によって制御されるトライアック又はSRCスイッチを含んでもよい。一実施形態においては、制御ユニット123−8は、工具123の動作電圧に対応したACスイッチ123−16の固定された伝導帯(又は、点弧角(firing angle))を設定するように構成されてもよい。
例えば、60V〜100Vの動作電圧レンジを有するモーター123−2を有するが、100V〜120Vの公称電圧を有するAC電力を受け取る工具123の場合には、ACスイッチ123−16の伝導帯は、例えば、約120度などのように、100〜140度の範囲内の値に設定されてもよい。この例においては、ACスイッチ123−16の点弧角は、60度に設定されてもよい。点弧角を約60度に設定することにより、モーターに供給されるAC電圧は、ほぼ、70〜90Vの範囲内となり、これは、工具123の動作電圧に対応している。このようにして、制御ユニット123−8は、モーター123−2に対する電力の供給を最適化する。
別の例においては、100〜120Vの動作電圧レンジを有するモーター123−2を有するが、220〜240Vの公称電圧を有するAC電力を受け取る工具123の場合には、ACスイッチ123−16の伝導帯は、例えば、約90度などのように、70〜110度の範囲内の値に設定されてもよい。この例においては、ACスイッチ123−16の点弧角は、90度に設定されてもよい。点弧角を90度に設定することにより、モーターに供給されるAC電圧は、ほぼ、100〜120Vの範囲内となり、これは、工具123の動作電圧に対応している。
このようにして、モーター制御回路123−4は、モーター123−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーが満足できる方式によって実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター123−2に対する電力の供給を最適化する。
B.ユニバーサルモーターを有する可変速度AC/DC電動工具
次に図7A〜図7Hを参照すれば、ブラシ付きモーター122を有するAC/DC電動工具の第2のサブセットは、ユニバーサルモーターを有する可変速度AC/DC電動工具124を含む(ここでは、可変速度ユニバーサルモーター工具124とも呼称される)。これらは、無負荷状態において可変速度で動作するコード付き/コードレス(AC/DC)電動工具を含み、且つ、高定格電圧(例えば、100V〜120V、更に幅広には、90V〜132V)において、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように構成されたブラシ付きユニバーサルモーター124−2を含む。上述のように、ユニバーサルモーターは、固定子界磁コイルと、界磁コイルと直列状態において接続された整流子と、を有する直列巻回モーターである。この方式におけるユニバーサルモーターは、DC電源のみならず、AC電源とも共に動作することができる。一実施形態においては、可変速度ユニバーサルモーター工具124は、コンクリートドリル、ハンマ、研磨機、鋸などのような可変速度制御を有する高電力工具を含みうる。
一実施形態においては、可変速度ユニバーサルモーター工具124には、例えば、トリガスイッチ、接触検知スイッチ、静電容量性スイッチ、ジャイロスコープ、又はユーザーによって係合されうるその他の可変速度入力メカニズム(図示されていない)などの可変速度アクチュエータ(図示されていない)が提供されている。一実施形態においては、可変速度アクチュエータは、モーター124−2の望ましい速度を示す可変速度信号(例えば、可変電圧信号、可変電流信号など)を生成するためのポテンショメータ又はその他の回路に結合されているか、又はこれを含んでいる。一実施形態においては、可変速度ユニバーサルモーター工具124には、これに加えて、ユーザーによるモーター124−2の起動を可能にするオン/オフトリガ又はアクチュエータ(図示されていない)が提供されてもよい。代替的に、オン/オフトリガ機能は、ユーザーによる可変速度トリガの初期作動が、モーター124−2を起動するように機能するように、可変速度アクチュエータに内蔵されてもよい(即ち、別個のオン/オフアクチュエータはない)。
一実施形態においては、可変速度ユニバーサルモーター工具124は、無負荷又は一定負荷状態において可変速度においてユニバーサルモーター124−2を動作させるモーター制御回路124−4を含む。電動工具124は、上述のDC電源及び/又はAC電源のうちの1つ又は複数から電力を受け取るように構成された電源インターフェイス124−5を更に含む。電源インターフェイス124−5は、(DC電源から電力を供給するための)DC電力ラインDC+及びDC−により、及び、(AC電源から電力を供給するための)AC電力ラインACH及びACLにより、モーター制御回路124−4に電気的に結合されている。
一実施形態においては、モーター制御回路124−4は、パワーユニット124−6を含んでもよい。一実施形態においては、パワーユニット124−6は、DC電力ラインDC+/DC−とモーター124−2との間において配置されたDCスイッチ回路124−14と、AC電力ラインACH/ACLとモーター124−2との間において配置されたACスイッチ124−16と、を含んでもよい。一実施形態においては、DCスイッチ回路124−14は、DC電力ラインDC+/DC−からの電力をモーター124−2にスイッチング可能な方式で提供するように構成された1つ又は複数のパワー半導体装置(例えば、ダイオード、FET、BJT、IGBTなど)の組合せを含んでもよい。一実施形態においては、ACスイッチ124−16は、AC電力ラインACH/ACLからの電力をモーター124−2にスイッチング可能な方式で提供するように構成された位相制御されたACスイッチ(例えば、トライアック、SCR、サイリスタなど)を含んでもよい。
一実施形態においては、モーター制御回路124−4は、制御ユニット124−8を更に含んでもよい。制御ユニット124−8は、DCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16のスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット124−8は、電力スイッチのゲートを制御するように構成されたマイクロコントローラ又は類似のプログラム可能なモジュールを含んでもよい。一実施形態においては、電力がDC電力ラインDC+/DC−を通じて1つ又は複数の電池パックから供給されている際に可変速度アクチュエータからの速度信号に基づいてモーター124−2の速度を制御するべく、制御ユニット124−8は、DCスイッチ回路124−14内の1つ又は複数の半導体スイッチのPWMデューティサイクルを制御するように構成されている。同様に、制御ユニット124−8は、電力がAC電力ラインACH/ACLを通じてAC電源から供給されている際に可変速度アクチュエータからの速度信号に基づいてモーター124−2の速度を制御するべく、ACスイッチ124−16の点弧角(又は、導通角)を制御するように構成されている。
また、一実施形態においては、制御ユニット124−8は、電源インターフェイス124−5から提供される通信信号ラインCOMMを介して1つ又は複数の電池パックに結合されてもよい。COMM信号ラインは、1つ又は複数の電池パックの動作又は状態に関係した制御又は情報信号を制御ユニット124−8に提供してもよい。一実施形態においては、制御ユニット124−8は、電池の障害(例えば、電池の温度超過、電池の電流超過、電池の電圧超過、電池の電圧不足など)が検出された際に、DCスイッチ回路124−14を使用して電源インターフェイス124−5のDC出力ラインからの電力を中断するように構成されてもよい。制御ユニット124−8は、工具の障害状態(例えば、工具の温度超過、工具の電流超過など)が検出された場合に、DCスイッチ回路124−14及び/又はACスイッチ124−16を使用して電源インターフェイス124−5のAC又はDC出力ラインからの電力を中断するように更に構成されてもよい。
一実施形態においては、パワーユニット124−6には、上述のオン/オフトリガ又はアクチュエータに結合された電気機械的なオン/オフスイッチ124−12が更に提供されてもよい。オン/オフスイッチは、電源インターフェイス124−5からモーター124−2への電力の供給を単純に接続又は分離する。代替的に、制御ユニット124−8は、オン/オフトリガ又はアクチュエータのユーザーによる作動(又は、オン/オフトリガ機能が可変速度アクチュエータに内蔵されている場合には、可変速度アクチュエータの初期作動)を検出する時点まで、DCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16を無効化するように構成されてもよい。次いで、制御ユニット124−8は、DCスイッチ回路124−14又はACスイッチ124−16を介してモーター124−2の動作を起動してもよい。このようにして、パワーユニット124−6は、電気機械的なオン/オフスイッチ124−12を伴うことなしに、動作可能でありうる。
図7Aを参照すれば、可変速度ユニバーサルモーター工具124が、一実施形態に従って示されており、この場合に、ACH及びDC+電力ラインは、共通正ノード124−11aにおいて1つに結合され、ACL及びDC−電力ラインは、共通負ノード124−11bにおいて1つに結合されている。この実施形態においては、オン/オフスイッチ124−12は、正共通ノード124−11aとモーター124−2との間において配置されている。AC又はDC電源のうちの1つのみが任意の所与の時点において利用されることを保証するべく、一実施形態においては、制御ユニット124−8は、任意の所与の時点においてDCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16のうちの1つのみを起動するように構成されてもよい。
更なる一実施形態においては、冗長性対策として、且つ、電気漏洩を最小化するべく、機械的なロックアウト装置が利用されてもよい。例示的な一実施形態においては、機械的なロックアウト装置は、任意の所与の時点においてAC又はDC電源に対するアクセスを物理的にブロックしうる。
図7Bは、一代替実施形態による可変速度ユニバーサルモーター工具124を示しており、この場合には、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLは、(電源インターフェイス124−5がAC及びDC電源の両方に結合されている場合にも)電力がAC電源及びDC電源の両方から同時に供給されえないことを保証するべく、電源スイッチングユニット124−15を介して隔離されている。スイッチングユニット124−15は、図6B〜図6Dを参照して図示及び記述したように、リレー、単極双投式スイッチ、二極双投式スイッチ、又はこれらの組合せを含むように構成されてもよい。図7Bの電源スイッチングユニット124−15は、一方側の電源インターフェイス124−5と、他方側のDCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16と、の間において示されているが、電源スイッチングユニット124−15は、代替的に、電源スイッチングユニット124−15内において利用されるスイッチング構成に応じて、一方側のDCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16と、他方側のモーター124−2と、の間において提供されてもよいことを理解されたい。
上述のように、DCスイッチ回路124−14は、1つ又は複数の半導体装置の組合せを含んでもよい。図7C〜図7Eは、DCスイッチ回路124−14の様々な構成及び実施形態を示している。図7Cにおいて示されている一実施形態においては、FET及びダイオードの組合せが、チョッパ回路として知られているものにおいて使用されており、制御ユニット124−8が、モーター124−2のPWMデューティサイクルを制御するべく、(図示されていないゲートドライバを介して)FETのゲートを駆動する。図7Dに示されている別の実施形態においては、2つのFETの組合せが、直列状態(即ち、ハーフブリッジ)において使用されている。制御ユニット124−8は、このケースにおいては、1つ又は両方のFETのゲートを駆動しうる(即ち、単一スイッチPWM制御又は同期整流を伴うPWM制御)。図7Eに示されている更に別の実施形態においては、4つのFETの組合せが、Hブリッジ(フルブリッジ)として使用されている。制御ユニット124−8は、このケースにおいては、ゼロから最大速度までのモーターの望ましい速度に関連付けられた0%〜100%のPWMデューティサイクルに(即ち、同期整流を伴うことなしに又は伴って)2つ又は4つのFETのゲートを駆動してもよい。これらの図に示されているFETの代わりに、BJTやIGBTなどのような任意のタイプの制御可能な半導体装置が使用されうることに留意されたい。これらの回路及び関連するPWM制御メカニズムの詳細説明については、「Electronic Switch Module for a Power Tool」という名称の米国特許第8,446,120号明細書を参照されたい。この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
再度図7A及び図7Bを参照すれば、ACスイッチ124−16は、AC電力ラインACH及び/又はAC電力ラインACL上において直列状態において構成された、トライアック、SCR、サイリスタなどのような位相制御されたAC電力スイッチを含んでもよい。一実施形態においては、制御ユニット124−8は、AC電流又は電圧波形のゼロ交差に関して周期的なインターバルにおいてモーター電流をスイッチオン及びオフすることにより、モーターの速度を制御している。制御ユニット124−8は、ゼロから最大速度までのモーターの望ましい速度に関係付けられた各ACハーフサイクル内において0〜180度の導通角においてACスイッチ124−16を点弧してもよい。例えば、望ましいモーター速度が、最大速度の50%である場合には、制御ユニット124−8は、90度においてACスイッチ124−16を点弧してもよく、これは、ハーフサイクルの中間点である。好ましくは、このような周期的なインターバルは、オリジナルのAC波形との同期状態において発生するように生成される。導通角は、ACスイッチ124−16が、点弧され、即ち、オンにされ、これにより、電気エネルギーがモーター124−2に供給されるAC波形内の地点を決定する。ACスイッチ124−16は、選択された期間の終了点において、即ち、AC波形のゼロ交差において、オフになる。従って、導通角は、ACスイッチ124−16の点弧の時点からゼロ交差まで計測される。電動工具内のトライアック又はその他の位相制御されたACスイッチの位相制御の詳細な説明については、「Universal Control Module」という名称の米国特許第8,657,031号明細書、「Generic Motor Control」という名称の米国特許第7,834,566号明細書、及び「Sensorless Universal Motor Speed Controller」という名称の米国特許第5,986,417号明細書を参照されたい。これらの特許文献のそれぞれは、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
上述のように、制御ユニット124−8は、DCスイッチ回路124−14及びACスイッチ124−16の両方のスイッチング動作を制御する。工具124がAC電源に結合された際には、制御ユニット124−8は、ACスイッチ124−16を制御するべく、AC電力ラインACH/ACLを通じた電流を検知してもよく、及び、その動作モードを設定してもよい。一実施形態においては、工具124が、DC電源に結合された際には、制御ユニット124−8は、DCスイッチ回路124−14を制御するべく、AC電力ラインACH/ACL上におけるゼロ交差の欠如を検知してもよく、及び、その動作モードを変更してもよい。制御ユニット124−8は、例えば、COMM信号ラインからの信号の検知やDC電力ラインDC+/DC−上における電圧の検知などのような様々な方法により、その動作モードを設定してもよいことに留意されたい。
1.統合された電力スイッチ/ダイオードブリッジ
次に図7F〜図7Hを参照すれば、可変速度ユニバーサルモーター工具124が、一代替実施形態に従って示されており、この場合には、電源インターフェイス124−5のAC及びDC電力ラインは、統合されたAC/DC電力スイッチング回路124−18に結合されている。
図7G及び図7Hに示されているように、統合されたAC/DC電力スイッチング回路124−18は、ダイオードD1〜D4から構成されたダイオードブリッジ内に組み込まれた半導体スイッチQ1を含む。半導体スイッチQ1は、図7Hに示されているように、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)であってもよく、又は、図7Gに示されているように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。半導体スイッチQ1は、一端において、D1とD3との間において、他端においては、D2とD4との間において、配置されている。ライン入力DC+及びACHは、D1とD4との間のダイオードブリッジのノードに一緒に結合されている。正のモーター端子M+は、D2とD3との間のダイオードブリッジのノードに結合されている。
工具124がDC電源に結合された際に、一実施形態においては、制御ユニット124−8は、上述のように、その動作モードをDCモードに設定する。このモードにおいては、制御ユニット124−8は、モーター速度を制御するべく、半導体スイッチQ1をPWM技法を介して、即ち、スイッチQ1をオンにして及びオフにしてパルス電圧を提供することにより、制御する。PWMデューティサイクル、又は、PWM信号内のオン及びオフ周期の比率は、モーターの望ましい速度に従って選択される。
工具124がAC電源に結合された際に、一実施形態においては、制御ユニット124−8は、上述のように、その動作モードをACに設定する。このモードにおいては、制御ユニット124−8は、トライアックなどの位相制御されたスイッチのスイッチング動作に似た方式により、半導体スイッチQ1を制御する。具体的には、スイッチQ1は、制御ユニット124−8により、トラアックが正常に点弧されることになるACハーフサイクルの時点に対応するように、オンにされる。制御ユニット124−8は、ACハーフサイクルの末尾を示すゼロ交差に到達する時点まで、スイッチQ1をオン状態において継続的に維持する。その時点において、制御ユニット124−8は、電流ゼロ交差の時点に対応するように、スイッチQ1をオフにする。このようして、制御ユニット124−8は、望ましいモーターの速度に従って各ACハーフサイクルの導通角を制御するべく、各ハーフサイクル内においてスイッチQ1を作動させることにより、モーターの速度を制御する。
電力がDC電力ラインDC+/DC−を介して供給される際には、電流は、D1−Q1−D2を通じてモーター124−2内に流れる。上述のように、制御ユニット124−8は、スイッチQ1のPWMデューティサイクルを制御することにより、モーターの速度を制御する。電力がAC電力ラインACH/ACLを介して供給される際には、電流は、すべての正のハーフサイクルにおいては、D1−Q1−D2を通じて、及び、すべての負のハーフサイクルにおいては、D3−Q1−D4を通じて、流れる。従って、ダイオードブリッジD1−D4は、スイッチQ1を通過するAC電力を整流するように機能するが、モーター端子M+/M−を通過するAC電力を整流することはない。上述のように、制御ユニット124−8は、スイッチQ1を介して、各ハーフサイクルの伝導帯を制御することにより、モーターの速度を制御している。
一実施形態においては、制御ユニット124−8は、AC及びDC動作モードの両方において、スイッチQ1に対するPWM制御を実行しうることに留意されたい。具体的には、各ハーフサイクル内においてACラインの伝導帯を制御する代わりに、制御ユニット124−8は、モーターの速度を制御するべく、上述のPWM技法を使用することにより、PWMデューティサイクルを選択してもよい。
モーター124−2のサイズ及び特性に応じて、モーター124−2は、ACライン電流に関してわずかに遅延した誘導電流を有する場合がある。AC動作モードにおいては、この電流は、各ACハーフサイクルの末尾において、即ち、すべての電圧ゼロ交差の後に、ゼロに至るまで減衰することが許容されている。但し、DC動作モードにおいては、モーター124−2の誘導電流用の電流経路を提供することが望ましい。従って、一実施形態によれば、Q1がオフにされた際に、モーター124−2を通じて流れる誘導電流用の経路を提供するべく、フリーホイールスイッチQ2及びフリーホイールダイオードD5が、モーター124−2に対して並列状態において更に提供されている。一実施形態においては、AC動作モードにおいては、制御ユニット124−8は、Q2を常にオフ状態において維持するように構成されている。但し、DC動作モードにおいては、制御ユニット124−8は、フリーホイールスイッチQ2をオン状態において維持するように構成されている。
更なる実施形態においては、制御ユニット124−8は、スイッチQ1が停止させられる際にQ2を作動させるように構成されており、及び、スイッチQ2が停止させられる際にQ1を作動させるように構成されている。換言すれば、Q1がパルス幅変調されている際には、スイッチQ1のオン及びオフ期間は、スイッチQ2のオフ及びオン期間と同期的に一致することになる。これは、Q2/D5のフリーホイール電流経路が、いずれのQ1オンサイクルにおいても、モーター124−8を短絡させないことを保証している。
このような構成によれば、モーター124−2の速度は、電動工具124が、AC電源に接続されているのか、又は、DC電源に接続されているのか、とは無関係に、制御することができる。
2.同等な電圧定格を有する電源を有する可変速度ユニバーサルモーター工具
上述の図7A、図7B、及び図7Fにおいて、電動工具124は、例えば、100V〜120V(100V〜120VACのAC電力電圧レンジに対応している)の、又は、更に幅広には、90V〜132V(100〜120VACのAC電力電圧レンジの±10%に対応している)の、高定格電圧レンジにおいて、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように設計されている。また、モーター124−2は、工具124の動作電圧又は動作電圧レンジと等価でありうる、これに含まれうる、又は、これ対応しうる動作電圧又は動作電圧レンジを有する。
一実施形態においては、電源インターフェイス124−5は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有するAC電圧を提供するように構成されている。例えば、電源インターフェイス124−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧(例えば、多くの欧州諸国における230V又は多くのアフリカ諸国における220V)を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
3.異なる電圧定格を有する電源を有する可変速度ユニバーサルモーター工具
本発明の一代替実施形態によれば、AC電源によって提供される電圧は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有する。例えば、電源インターフェイス124−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧(例えば、多くの欧州諸国における230V又は多くのアフリカ諸国における220V)を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
大幅に異なる電圧レベルにおける電動工具モーター124−2の動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらす場合があり、これは、顕著である場合があり、いくつかのケースにおいては、ユーザーにとって満足できない場合がある。また、モーター124−2の動作電圧レンジ外の電圧レベルの供給も、モーター及び関連するスイッチング構成要素を損傷する場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路124−4は、モーター124−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式で実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター124−2への電力の供給(及び、したがって、モーター性能)を最適化するように構成されている。
この実施形態においては、モーター124−2は、DC電力ラインの公称電圧を包含する電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、モーター124−2は、電源インターフェイス124−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を包含するが、AC電力ラインの公称電圧(例えば、220V〜240V)未満である、例えば、60V〜90V(又は、更に幅広には、この±10%である54V〜99V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。別の例示的な実施形態においては、モーター124−2は、電源インターフェイス124−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、108VDC)を包含するが、AC電力ラインの220〜240Vの公称電圧レンジ未満である、100V〜120V(又は、更に幅広には、この±10%である90V〜132V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。
一実施形態においては、モーター124−2が、より高いAC電力ラインの公称電圧によって動作するように、制御ユニット124−8は、工具124の動作電圧に対応した位相制御されたACスイッチ124−16用の固定された最大伝導帯を設定するように構成されてもよい。具体的には、制御ユニット124−8は、(例えば、100%のトリガの変位において)工具の最大速度に対応した固定された点弧角を設定し、これにより、最大無負荷速度において、各ACハーフサイクル内において180度未満の伝導帯をもたらすように、構成されてもよい。これは、AC電源からモーター124−2に提供される合計電圧を事実上低減することにより、制御ユニット124−8が、モーターへの電力の供給を最適化することを可能にする。
例えば、60〜100Vの動作電圧レンジを有するが、100〜120Vの公称電圧を有するAC電力を受け取るモーター124−2の場合には、ACスイッチ124−16の伝導帯は、約120度の最大値に設定されてもよい。換言すれば、ACスイッチ124−16の点弧角は、望ましい最大速度における60度(120度の導通角に対応している)から無速度における180度(0度の導通角に対応している)に変化させられてもよい。最大点弧角を約60度に設定することにより、望ましい最大速度においてモーターに供給されるAC電圧は、ほぼ、70〜90Vの範囲内となり、これは、工具124の動作電圧に対応している。
このようにして、モーター制御回路124−4は、モーター124−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター124ー2への電力の供給を最適化する。
C.ブラシ付きPMDCモーターを有する一定速度AC/DC電動工具
次に図8A及び図8Bを参照すれば、ブラシ付きモーター122を有するAC/DC電動工具の第3サブセットは、ユニバーサルモーターよりも優れた効率を有する傾向を有する永久磁石DC(PMDC)ブラシ付きモーターを有する一定速度AC/DC電動工具125を含む(本明細書においては、一定速度PMDC工具125と呼称される)。これらは、無負荷(又は一定負荷)状態において一定速度において動作するコード付き/コードレス(AC/DC)電動工具を含み、且つ、高定格電圧(例えば、100V〜120V)及び高電力(例えば、1500〜2500ワット)において動作するように構成されたPMDCブラシ付きモーター125−2を含む。PMDCブラシ付きモーターは、一般に、整流子に結合された巻回された回転子と、その内部において固定された永久磁石を有する固定子と、を含む。PMDCモーターは、その名称が示しているように、DC電力のみによって動作する。この理由は、固定子上の永久磁石が、極性を変化させず、且つ、AC電力が、正のハーフサイクルから負のハーフサイクルへと変化するのに伴って、ブラシ内における極性の変化が、モーターを停止状態とするからである。この理由から、一実施形態においては、図8A及び図8Bに示されているように、AC電源からの電力は、AC電力の負のハーフサイクルを変換又は除去するべく、整流器回路125−20を通過させられている。一実施形態においては、整流器回路125−20は、AC電力の負のハーフサイクルを正のハーフサイクルに変換することにより、AC電圧波形を整流するように構成された全波整流器であってもよい。代替的に、一実施形態においては、整流器回路125−20は、AC電力のハーフサイクルを除去するべく、半波整流器回路であってもよい。一実施形態においては、整流器回路125−20には、リンクコンデンサ又はスムージングコンデンサ(図示されていない)が更に提供されてもよい。一実施形態においては、一定速度PMDCモーター工具125は、コンクリートハンマ、マイターソー、テーブルソー、真空掃除機、送風機、及び芝刈り機などのような高電力用途用の高電力工具を含みうる。
一定速度PMDCモーター工具125の多くの側面は、図6A〜図6Eを参照して上述した一定速度ユニバーサルモーター工具123のものに類似している。一実施形態においては、一定速度PMDCモーター工具125は、無負荷状態において一定速度でPMDCモーター125−2を動作させるモーター制御回路125−4を含む。電動工具125は、上述のDC電源及び/又はAC電源のうちの1つ又は複数から電力を受け取るように構成された電源インターフェイス125−5を更に含む。電源インターフェイス125−5は、(DC電源からの電力を供給するための)DC電力ラインDC+及びDC−により、且つ、(AC電源からの電力を供給するための)AC電力ラインACH及びACLにより、モーター制御回路125−4に電気的に結合されている。
一実施形態においては、モーター制御回路125−4は、パワーユニット125−6を含む。パワーユニット125−6は、モーター125−2と直列状態において提供され、且つ、オン/オフトリガ又はアクチュエータ(図示されていない)に結合された電気機械的なオン/オフスイッチ125−12を含んでもよい。追加的に、及び/又は代替的に、パワーユニット125は、DC電力ラインDC+/DC−及び制御ユニット125−8に結合された電力スイッチ125−13を含んでもよい。一実施形態においては、制御ユニット125−8が、電動工具125及び/又は電池の状態を監視するべく、提供されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット125−8は、工具内部のサーミスタなどの工具125の要素に結合されてもよい。また、一実施形態においては、制御ユニット125−8は、電源インターフェイス125−5から提供される通信信号ラインCOMMを介して1つ又は複数の電池パックに結合されてもよい。COMM信号ラインは、1つ又は複数の電池パックの動作又は状態に関係した制御又は情報信号を制御ユニット125−8に提供してもよい。一実施形態においては、制御ユニット125−8は、工具の障害状態(例えば、工具の温度超過、工具の電流超過など)又は電池の障害状態(例えば、電池の温度超過、電池の電流超過、電池の電圧超過、電池の電圧不足など)が検出された場合に、電力スイッチ125−13を使用して電源インターフェイス125−5のDC+出力ラインからの電力を中断するように構成されてもよい。一実施形態においては、電力スイッチ125−13は、制御ユニット125−8によって制御されるFET又はその他の制御可能なスイッチを含んでもよい。一代替実施形態における電力スイッチ125−13は、制御ユニット125−8が、工具の障害状態において、AC電源又はDC電源からの電力の中断を許容するべく、一方側のAC電力ラインACH/ACL及びDC電力ラインDC+/DC−の両方と、他方側のモーター125−2と、の間において提供されてもよいことに留意されたい。また、別の実施形態においては、一定速度PMCMモーター工具125は、オン/オフスイッチ125−12を伴うことなしに提供されてもよく、制御ユニット125−8は、オン/オフトリガ又はアクチュエータがユーザーによって作動させられた際に、電力スイッチ125−13の起動を開始するように構成されてもよい。換言すれば、電力スイッチ125−13は、オン/オフ及び障害状態制御のために使用されてもよい。電力スイッチ125−13は、この実施形態においては、モーター125−2の可変速度制御(例えば、PWM制御)を制御するために使用されていないことに留意されたい。
図8Aを参照すれば、一定速度PMDCモーター工具125が、一実施形態に従って示されており、この場合に、DC+電力ライン及び(整流されたACH電力ラインを搬送する)整流器回路125−20のV+出力は、共通正ノード125−11aにおいて1つに結合されており、DC−電力ライン及び(ACL電力ラインに対応する)整流器回路125−20からのGnd出力は、共通負ノード125−11bにおいて1つに結合されている。この実施形態においては、オン/オフスイッチ125−12は、正の共通ノード125−11aとモーター125−2との間において配置されている。AC又はDC電源のうちの1つのみが任意の所与の時点において利用されることを保証するべく、一実施形態においては、機械的なロックアウト装置が利用されてもよい。例示的な一実施形態においては、機械的なロックアウト装置は、任意の所与の時点においてAC又はDC電源のうちの1つに対するアクセスを物理的にブロックしうる。
図8Bにおいては、一定速度PMDCモーター工具125が、一代替実施形態に従って示されており、この場合に、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLは、(電源インターフェイス125−5がAC及びDC電源の両方に結合されている場合にも)電力がAC電源及びDC電源の両方から同時に供給されえないことを保証するべく、電源スイッチングユニット125−15を介して隔離されている。電源スイッチングユニット125−15は、図6B〜図6Dの電源スイッチングユニット123−15の構成のいずれかと同様に構成されてもよい。電源スイッチングユニット125−15は、一代替実施形態においては、AC電力ラインACH/ACLと整流器回路125−20との間において配置されうることに留意されたい。更に別の実施形態においては、電源スイッチングユニット125−15は、電力スイッチ125−13とオン/オフスイッチ125−12との間において配置されてもよい。
図8A及び図8Bの工具125には、工具又は電池の障害状態の場合に電力の供給を中断するべく、制御ユニット125−8及び電力スイッチ125−13が提供されているが、工具125は、制御ユニット125−8及び電力スイッチ125−13を伴うことなしに提供されうることを理解されたい。例えば、1つ又は複数の電池には、その障害状態を監視し、且つ、その動作を管理するべく、その独自のコントローラが提供されてもよい。
1.同等な電圧定格を有する電源を有する一定速度PMDC工具
上述の図8A及び図8Bにおいては、電動工具125は、例えば、(100V〜120VACのAC電力電圧レンジに対応した)100V〜120V、更に幅広には、(100〜120VACのAC電力電圧レンジの±10%に対応した)90V〜132Vなどの高定格電圧レンジにおいて、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように設計されている。また、モーター125−2は、工具125の動作電圧又は動作電圧レンジに等価でありうる、これに含まれうる、又は、これに対応しうる動作電圧又は動作電圧レンジを有する。
一実施形態においては、電源インターフェイス125−5は、AC電源からの100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、米国においては50〜60Hzにおける120VAC、又は、日本においては100VAC)を有するAC電力ラインを提供するように、又は、DC電源からの100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を有するDC電力ラインを提供するように、構成されている。換言すれば、電源インターフェイス125−5を通じて提供されるDC公称電圧及びAC公称電圧は、いずれも、電動工具125の動作電圧レンジ(即ち、高定格電圧100V〜120V、又は、更に幅広には、約90V〜132V)に対応している(例えば、マッチングしているか、これとオーバーラップしているか、又はこれに含まれている)。120VACの公称電圧は、AC正弦波形の正のハーフサイクルにおいて計測された際の約108Vの平均電圧に対応しており、これは、108VDC電力と等価な速度性能を提供することに留意されたい。
2.異なる電圧レンジを有する電源を有する一定速度PMDC工具
本発明の別の実施形態によれば、AC電源によって提供される電圧は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有する。例えば、電源インターフェイス125−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
大幅に異なる電圧レベルにおける電動工具モーター125−2の動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらす場合があり、これは、顕著である場合があり、いくつかのケースにおいては、ユーザーにとって満足できない場合がある。また、モーター125−2の動作電圧レンジ外の電圧レベルの供給も、モーター及び関連するスイッチング構成要素を損傷する場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路125−4は、モーター125−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター125−2に対する電力の供給(及び、従って、モーター性能)を最適化するように構成されている。
この実施形態においては、電動工具モーター125−2は、DC電力ラインの公称電圧を包含する電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、モーター125−2は、電源インターフェイス125−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を包含するが、AC電力ラインの公称電圧(例えば、220V〜240V)未満である、例えば、60V〜90V(又は、更に幅広には、この±10%である54V〜99V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。別の例示的な実施形態においては、モーター125−2は、電源インターフェイス125−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、108VDC)を包含するが、AC電力ラインの220〜240Vの公称電圧未満である100V〜120V(又は、更に幅広には、この±10%である90V〜132V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。
一実施形態においては、モーター125−2がAC電力ラインのより高い公称電圧によって動作するべく、モーター制御回路125−4は、本明細書において記述されている様々な実施形態に従ってモーター125−2への電力の供給を最適化するように設計されてもよい。
一実施形態においては、整流器回路125−20は、半波ダイオードブリッジ整流器として提供されてもよい。当業者が認識するように、半波整流された波形は、入力AC波形の平均公称電圧の約半分を有することになる。従って、AC電力ラインの公称電圧が220〜240Vの範囲内であり、且つ、モーター125−2が、100V〜120Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されているシナリオにおいては、整流器回路125−20は、電動工具125の動作電圧レンジ内である110V〜120Vの平均公称AC電圧をモーター125−2に提供するべく、半波整流器として構成されてもよい。
別の実施形態においては、図8Cに示されているように、整流器回路125−20のV+出力は、電力スイッチ125−13への入力として提供されてもよく、制御ユニット125−8は、工具125の動作電圧に対応した固定されたデューティサイクルにおいてV+信号をパルス幅変調(PWM)するように構成されてもよい。例えば、60〜100Vの動作電圧レンジを有するが、100〜120Vの公称電圧を有するAC電力を受け取る工具125の場合には、制御ユニット125−8が、電源インターフェイス125−5のAC電力ライン上においてAC電流を検知した際に、制御ユニット125−8は、60%〜80%の範囲内の固定されたデューティサイクル(例えば、70%)において電力スイッチ125−13のPWMスイッチング動作を制御する。この結果、AC電源によって動作する際に、工具125の動作電圧に対応した約70〜90Vの電圧レベルが、モーター125−2に供給されることになる。
更に別の実施形態においては、図8Dに示されているように、工具125には、位相制御されたACスイッチ125−16が更に提供されてもよい。一実施形態においては、ACスイッチ125−16は、整流器回路125−20のV+出力と直列状態において配置されている。一実施形態においては、ACスイッチ125−16は、制御ユニット125−8によって制御されたトライアック又はSRCスイッチを含んでもよい。一実施形態においては、制御ユニット125−8は、工具125の動作電圧に対応したACスイッチ125−16の固定された伝導帯(又は、点弧角)を設定するように構成されてもよい。例えば、60V〜100Vの動作電圧レンジを有するが、100〜120Vの公称電圧を有するAC電力を受け取るモーター125−2の場合には、ACスイッチ125−16の伝導帯は、約120度に固定的に設定されてもよい。換言すれば、ACスイッチ125−16の点弧角は、60度に設定されてもよい。点弧角を約60度に設定することにより、モーター125−2に供給されるAC電圧は、ほぼ、モーター125−2の動作電圧に対応した70〜90Vの範囲内となる。別の例においては、100〜120Vの動作電圧レンジを有するが、220〜240Vの公称電圧を有するAC電力を受け取るモーター125−2の場合には、ACスイッチ125−16の伝導帯は、約90度に固定的に設定されてもよい。換言すれば、ACスイッチ125−16の点弧角は、90度に設定されてもよい。点弧角を90度に設定することにより、モーター125−2に供給されるAC電圧は、ほぼ、モーター125−2の動作電圧に対応した100〜120Vの範囲内となる。このようにして、制御ユニット125−8は、モーター125−2に対する電力の供給を最適化する。
このようにして、モーター制御回路125−4は、モーター125−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター125−2への電力の供給を最適化する。
D.ブラシ付きDCモーターを有する可変速度AC/DC電動工具
次に図9A〜図9Bを参照すれば、ブラシ付きモーター122を有するAC/DC電動工具の第4のサブセットは、PMDCモーターを有する可変速度AC/DC電動工具126を含む(本明細書においては、可変速度PMDCモーター工具126とも呼称される)。これらは、無負荷状態において可変速度において動作するコード付き/又はコードレス(AC/DC)電動工具を含み、且つ、高定格電圧(例えば、100〜120V)及び高電力(例えば、1500〜2500ワット)において動作するように構成されたブラシ付き永久磁石DC(PMDC)モーター126−2を含む。上述のように、PMDCブラシ付きモーターは、一般に、整流子に結合された巻回された回転子と、その内部において固定された永久磁石を有する固定子と、を含む。PMDCモーターは、その名称が示すように、DC電力のみによって動作する。その理由は、固定子上の永久磁石が、極性を変化させず、且つ、AC電力が正のハーフサイクルから負のハーフサイクルに変化するのに伴って、ブラシ内の極性変化が、モーターを停止状態とするからである。この理由から、一実施形態においては、図9A及び図9Bに示されているように、AC電源からの電力は、AC電力の負のハーフサイクルを変換又は除去するべく、整流器回路126−20を通過させられている。一実施形態においては、整流器回路126−20は、AC電力の負のハーフサイクルを正のハーフサイクルに変換するべく、全波整流器であってもよい。代替的に、一実施形態においては、整流器回路126−20は、AC電力のハーフサイクルを除去するべく、半波整流器回路であってもよい。一実施形態においては、可変速度PMDCモーター工具126は、コンクリートドリル、ハンマ、研磨機、鋸などのような可変速度制御を有する高電力工具を含みうる。
可変速度PMDCモーター工具126の多くの側面は、図7A〜図7Eを参照して上述した可変速度ユニバーサルモーター工具124のものに類似している。一実施形態においては、可変速度PMDCモーター工具126には、ユーザーによって係合可能である可変速度アクチュエータ(図示されてはおらず、例えば、トリガスイッチ、接触検知スイッチ、静電容量性スイッチ、ジャイロスコープ、又はその他の可変速度入力メカニズムである)が提供されている。一実施形態においては、可変速度アクチュエータは、モーター126−2の望ましい速度を示す可変速度信号(例えば、可変電圧信号、可変電流信号など)を生成するためのポテンショメータ又はその他の回路に結合されているか、又はこれを含んでいる。一実施形態においては、可変速度PMDCモーター工具126には、ユーザーによるモーター126−2の起動を可能にするオン/オフトリガ又はアクチュエータ(図示されていない)が更に提供されてもよい。代替的に、オン/オフトリガ機能は、ユーザーによる可変速度トリガの初期作動が、モーター126−2を起動するべく機能するように、可変速度アクチュエータに内蔵されてもよい(即ち、別個のオン/オフアクチュエータはない)。
一実施形態においては、可変速度PMDCモーター工具126は、無負荷又は一定負荷状態において可変速度においてPMDCモーター126−2を動作させるモーター制御回路126−4を含む。電動工具126は、上述のDC電源及び/又はAC源源のうちの1つ又は複数から電力を受け取るように構成された電源インターフェイス126−5を更に含む。電源インターフェイス126−5は、(DC電源から電力を供給するための)DC電力ラインDC+及びDC−により、及び、(AC電源から電力を供給するための)AC電力ラインACH及びACLにより、モーター制御回路126−4に電気的に結合されている。AC電力ラインACH及びACLは、整流器回路126−20に入力されている。
ACラインは、整流器回路126−20を通過させられていることから、もはや、負の成分を含んでおらず、従って、一実施形態においては、可変速度制御用の位相制御されたスイッチと共に動作しない。従って、一実施形態においては、図7A及び図7Bに示されている別個のDC及びACスイッチ回路の代わりに、モーター制御回路126−4には、PWMスイッチング回路126−14が提供されている。PWMスイッチング回路は、例えば、図7C〜図7Eに示されているように、チョッパ回路、ハーフブリッジ、又はHブリッジとして構成された1つ又は複数のパワー半導体装置(例えば、ダイオード、FET、BJT、IGBTなど)の組合せを含んでもよい。
一実施形態においては、モーター制御回路126−4は、制御ユニット126−8を更に含む。制御ユニット126−8は、PWMスイッチング回路126−14のスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット126−8は、電力スイッチのゲートを制御するように構成されたマイクロコントローラ又は類似のプログラム可能なモジュールを含んでもよい。一実施形態においては、制御ユニット126−8は、モーター126−2の速度を制御するべく、PWMスイッチング回路126−14内の1つ又は複数の半導体スイッチのPWMデューティサイクルを制御するように構成されている。これに加えて、制御ユニット126−8は、電源インターフェイス126−5に結合された電動工具又は電池パックの動作を監視及び管理し、且つ、工具又は電池の障害状態(電池の温度超過、工具の温度超過、電池の電流超過、工具の電流超過、電池の電圧超過、電池の電圧不足など)の場合に、モーター126−2への電力を中断するように、構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット126−8は、電源インターフェイス126−5から提供された通信信号ラインCOMMを介して1つ又は複数の電池パックに結合されてもよい。COMM信号ラインは、1つ又は複数の電池パックの動作又は状態に関係した制御又は情報信号を制御ユニット126−6に提供してもよい。一実施形態においては、制御ユニット126−6は、COMMラインが電池の障害又は故障状態を示す場合に、電源インターフェイス126−5のDC出力ラインからの電力を中断するように構成されてもよい。
図7A〜図7Eを参照して上述した可変速度ユニバーサルモーター工具124と同様に、可変速度PMDCモーター工具126には、上述のオン/オフトリガ又はアクチュエータに結合された電気機械的なオン/オフスイッチ126−12が更に提供されてもよい。オン/オフスイッチ126−12は、電源からのモーター126−2への電力の供給を単純に接続又は分離する。代替的に、工具126は、オン/オフスイッチ126−12を伴うことなしに、提供されてもよい。この場合には、制御ユニット126−8は、オン/オフトリガ又はアクチュエータのユーザーによる作動(又は、オン/オフトリガ機能が可変速度アクチュエータに内蔵されている場合には、可変速度アクチュエータの初期作動)を検出する時点まで、PWMスイッチング回路126−14を無効化するように構成されてもよい。次いで、制御回路126−8は、PWMスイッチング回路126−14内のスイッチのうちの1つ又は複数を起動することにより、モーター126−2の動作を起動してもよい。
図9Aを参照すれば、工具126が、一実施形態に従って示されており、この場合に、ACH及びDC+電力ラインは、共通正ノード126−11aにおいて1つに結合され、ACL及びDC−電力ラインは、共通負ノード126−11bにおいて1つに結合されている。この実施形態においては、オン/オフスイッチ126−12及びPWMスイッチング回路126−14は、正の共通ノード126−11aとモーター126−2との間において配置されている。AC又はDC電源のうちの1つのみが任意の所与の時点において利用されることを保証するべく、且つ、漏洩を最小化するべく、一実施形態においては、機械的なロックアウト装置(その実施形態については、更に詳細に後述する)が利用されてもよい。例示的な一実施形態においては、機械的なロックアウト装置は、任意の所与の時点においてAC又はDC電源に対するアクセスを物理的にブロックしうる。
図9Bにおいては、可変速度PMDCモーター工具126が、一代替実施形態に従って示されており、この場合に、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLは、(電源インターフェイスがAC及びDC電源の両方に結合されている場合にも)電力がAC電源及び1つ又は複数の電池パックの両方から同時に供給されえないことを保証するべく、電源スイッチングユニット126−15を介して相互に隔離されている。電源スイッチングユニット126−15は、図6B〜図6Dの電源スイッチングユニット123−15の構成のいずれかと同様に、即ち、リレー、単極双投式スイッチ、二極双投式スイッチ、又はこれらの組合せとして、構成されてもよい。図9Bの電源スイッチングユニット126−15は、整流器回路126−20とPWMスイッチング回路126−14との間において示されているが、電源スイッチングユニット126−15は、代替的に、電源インターフェイス126−5のAC及びDCライン出力上において直接的に提供されてもよいことを理解されたい。
1.同等な電圧定格を有する電源を有する可変速度ブラシ付きDC工具
上述の図9A及び図9Bにおいては、電動工具126は、例えば、100V〜120V(100V〜120VACのAC電力電圧レンジに対応している)、更に幅広には、90V〜132V(100〜120VACのAC電力電圧レンジの±10%に対応している)の高定格電圧レンジにおいて、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように設計されている。具体的には、電動工具126のモーター126−2及びパワーユニット126−6の構成要素は、100〜120Vの、好ましくは、90V〜132Vの、高定格電圧を取り扱うように設計及び最適化されている。また、モーター126−2は、工具126の動作電圧又は動作電圧レンジと等価でありうる、これに含まれうる、又はこれに対応しうる動作電圧又は動作電圧レンジを有する。
一実施形態においては、電源インターフェイス126−5は、AC電源からの100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、米国においては、50〜60Hzにおける120VAC、又は、日本においては、100VAC)を有するAC電力ラインを提供するように、又は、DC電源からの100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を有するDC電力ラインを提供するように、構成されている。換言すれば、電源インターフェイス126−5を通じて提供されるDC公称電圧及びAC公称電圧は、いずれも、電動工具125の動作電圧レンジ(即ち、高定格電圧100V〜120V、又は、更に幅広には、約90V〜132V)に対応している(例えば、マッチングしているか、これとオーバーラップしているか、又はこれに含まれている)。120VACの公称電圧は、AC正弦波形の正のハーフサイクルにおいて計測された際の約108Vの平均電圧に対応しており、これは、108VDCと等価な速度性能を提供することに留意されたい。
2.異なる電圧定格を有する電源を有する可変速度ブラシ付きDC工具
本発明の別の実施形態によれば、AC電源によって提供される電圧は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有する。例えば、電源インターフェイス126−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
大幅に異なる電圧レベルにおける電動工具モーター126−2の動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらす場合があり、これは、顕著である場合があり、いくつかのケースにおいては、ユーザーにとって満足できない場合がある。また、モーター126−2の動作電圧レンジ外の電圧レベルの供給も、モーター及び関連するスイッチング構成要素を損傷する場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路126−4は、モーター126−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター126−2への電力の供給(及び、従って、モーター性能)を最適化するように構成されている。
この実施形態においては、モーター126−2は、DC電力ラインの公称電圧を包含する電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、モーター126−2は、電源インターフェイス126−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を包含するが、AC電力ラインの公称電圧(例えば、220V〜240V)未満である、例えば、60V〜90V(又は、更に幅広には、この±10%である54V〜99V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。別の例示的な実施形態においては、モーター126−2は、電源インターフェイス126−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、108VDC)を包含するが、AC電力ラインの220〜240Vの公称電圧レンジ未満である、100V〜120V(又は、更に幅広には、この±10%である90V〜132V)の電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。
モーター126−2がAC電力ラインのより高い公称電圧によって動作するように、モーター制御回路126−4は、本明細書において記述されている様々な実施形態に従ってモーター126−2への電力の供給を最適化するように設計されてもよい。
一実施形態においては、整流器回路126−20は、半波ダイオードブリッジ整流器として提供されてもよい。当業者が認識するように、半波整流された波形は、入力AC波形の平均公称電圧の約半分を有することになる。従って、AC電力ラインの公称電圧が220〜240Vの範囲内であり、且つ、モーター126−2が、100V〜120Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されているシナリオにおいては、半波整流器として構成された整流器回路126−20は、モーター126−2の動作電圧レンジ内である110〜120Vの平均公称AC電圧をモーター126−2に提供することになる。
別の実施形態においては、制御ユニット126−8は、提供される入力電圧に基づいて、異なる方式によってPWMスイッチング回路126−14を制御するように構成されてもよい。具体的には、制御ユニット126−8は、DCモードにおいては(即ち、電力がDC+/DC−ラインを介して供給されている際には)、0から100%までの正常なデューティサイクルにおいてPWMスイッチング回路126−14スイッチに対してPWMを実行するように、且つ、ACモードにおいては(即ち、電力がACH/ACLラインを介して供給されれている際には)、モーター126−2の動作電圧に対応した0から最大閾値までのデューティサイクルレンジにおいてスイッチに対してPWMを実行するように、構成されてもよい。
例えば、60〜100Vの動作電圧レンジを有するが、100〜120Vの公称電圧を有するAC電力を受け取るモーター126−2の場合には、制御ユニット126−8が、電源インターフェイス126−5のAC電力ライン上においてAC電流を検知する際に、制御ユニット126−8は、0から、最大で、例えば、70%などの、最大閾値までの範囲内のデューティサイクルにおいてPWMスイッチング回路126−14のPWMスイッチング動作を制御する。この実施形態においては、可変速度において稼働する際に、デューティサイクルは、最大閾値デューティサイクルに従って調節されることになる。従って、例えば、半分の速度において稼働する際には、PWMスイッチング回路126−14は、35%のデューティサイクルにおいて稼働させられてもよい。この結果、AC電源によって動作する際に、モーター126−2の動作電圧に対応した約70〜90Vの電圧レベルが、モーター126−2に供給されることになる。
このようにして、モーター制御回路126−4は、モーター126−2が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター126−2への電力の供給を最適化する。
E.ブラシレスモーターを有するAC/DC電動工具
次に、図10A〜図10Cを参照し、ブラシレスモーターを有するAC/DC電動工具128の組(本明細書においては、ブラシレス工具128と呼称される)について説明する。一実施形態においては、これらは、電子的に整流され(即ち、ブラシを介して整流されていない)、且つ、高定格電圧(例えば、100〜120V、好ましくは、90V〜132V)及び高電力(例えば、1500〜2500ワット)において動作するように構成された、ブラシレスDC(BLDC)モーター202を有する一定速度又は可変速度AC/DC電動工具を含む。本明細書において記述されているブラシレスモーターは、永久磁石を有する回転子と、後述するように、電子的に整流される巻回された固定子と、を含む3相永久磁石同期モーターであってもよい。固定子巻線は、本明細書においては、モーター202の3つの位相に対応したU、V、及びW巻線として表記されている。回転子は、モーター202(即ち、固定子巻線)の位相が、適切にエネルギー供給された際に、固定子に関して回転運動可能である。但し、スイッチングされたリラクタンスモーター及び誘導モーターなどのその他のタイプのブラシレスモーターも、本開示の範囲に含まれることを理解されたい。また、BLDCモーター202は、3つ未満又は超の位相を含んでもよいことを理解されたい。BLDCモーターの構造及び制御の詳細については、いずれもBlack & Decker Inc.に譲渡され、且つ、そのそれぞれが、引用により、そのすべてが本明細書に包含されている米国特許第6,538,403号明細書、米国特許第6,975,050号明細書、米国特許出願公開第2013/0270934号明細書を参照されたい。
一実施形態においては、ブラシレス工具128は、コンクリートドリル、ハンマ、研磨機、及び往復鋸などのような可変速度用途用の高電力工具を含みうる。また、ブラシレス工具128は、コンクリートハンマ、マイターソー、テーブルソー、真空掃除機、送風機、及び芝刈り機などのような一定速度用途用の高電力工具を含みうる。
一実施形態においては、ブラシレス工具128は、BLDCモーター202の望ましい速度を示す可変アナログ信号(例えば、可変電圧信号、可変電流信号など)を提供するように構成された可変速度アクチュエータ(図示されていないが、例えば、トリガスイッチ、接触検知スイッチ、静電容量性スイッチ、ジャイロスコープ、又はユーザーによって係合可能であるその他の可変速度入力メカニズムである)からの入力に基づいて、無負荷(又は、一定負荷)状態において一定速度において、又は、無負荷(又は、一定負荷)状態において可変速度において、動作させることができる。一実施形態においては、ブラシレス工具128には、これに加えて、ユーザーによるモーター202の起動を可能にするオン/オフトリガ又はアクチュエータ(図示されていない)が提供されてもよい。代替的に、オン/オフトリガ機能は、ユーザーによる可変速度トリガの初期作動が、モーター202を起動させるべく機能するように、可変速度アクチュエータに内蔵されてもよい(即ち、別個のオン/オフアクチュエータはない)。
一実施形態においては、ブラシレス工具128は、上述のDC電源及び/又はAC電源のうちの1つ又は複数から電力を受け取り可能な電源インターフェイス128−5を含む。電源インターフェイス128−5は、(DC電源から電力を供給するための)DC電力ラインDC+及びDC−により、並びに、(AC電源から電力を供給するための)AC電力ラインACH及びACLにより、モーター制御回路204に電気的に結合されている。
一実施形態においては、ブラシレス工具128は、電源インターフェイス128−5からのBLDCモーター202への電力の供給を制御するように配設されたモーター制御回路204を更に含む。一実施形態においては、モーター制御回路204は、後述するパワーユニット206及び制御ユニット208を含む。
名称が示しているように、BLDCモーターは、DC電力によって動作するように設計されている。従って、一実施形態においては、図10A及び図10Bに示されているように、一実施形態においては、パワーユニット206には、整流器回路220が提供されている。一実施形態においては、AC電力ラインACH及びACLからの電力は、AC電力の負のハーフサイクルを変換又は除去するべく、整流器回路220を通過させられている。一実施形態においては、整流器回路220は、AC電力の負のハーフサイクルを正のハーフサイクルに変換するべく、全波ブリッジダイオード整流器222を含んでもよい。代替的に、一実施形態においては、整流器回路220は、AC電力のハーフサイクルを除去するべく、半波整流器を含んでもよい。一実施形態においては、整流器回路220は、リンクコンデンサ224を更に含んでもよい。本開示において後述するように、一実施形態においては、リンクコンデンサ224は、相対的に小さな値を有しており、且つ、後述するように、全波整流されたAC電圧をスムージングしていない。一実施形態においては、コンデンサ224は、バス電圧から高周波ノイズを除去するバイパスコンデンサである。
パワーユニット206は、一実施形態においては、BLDCモーター202を駆動するべく、電源インターフェイス128−5とモーター巻線との間において結合された電力スイッチ回路226を更に含んでもよい。一実施形態においては、電力スイッチ回路226は、6つの制御可能な半導体パワー装置(例えば、FET、BJT、IGBTなど)を含む3相ブリッジドライバ回路であってもよい。
図10Cは、一実施形態よる3相インバータブリッジ回路を有する例示的な電力スイッチ回路226を示している。本明細書において示されているように、3相インバータブリッジ回路は、2つのハイサイドFETと、3つのローサイドFETと、を含む。後述するように、ハイサイドFETのゲートは、駆動信号UH、VH、及びWHを介して駆動され、ローサイドFETのゲートは、駆動信号UL、VL、及びWLを介して駆動される。一実施形態においては、ハイサイドFETのドレインは、BLDCモーター202を駆動するための電力信号PU、PV、及びPWを出力するべく、ローサイドFETのソースに結合されている。
再度図10A及び図10Bを参照すれば、制御ユニット208は、コントローラ230と、ゲートドライバ232と、電源レギュレータ234と、電力スイッチ236と、を含む。一実施形態においては、コントローラ230は、電力スイッチング回路226内における電力装置のスイッチング動作を制御するように構成されたプログラム可能な装置である。一実施形態においては、コントローラ230は、モーター202の回転子の近傍において提供された位置センサ238の組から回転子の回転位置信号を受け取る。一実施形態においては、位置センサ238は、ホールセンサであってもよい。但し、その他のタイプの位置センサが代替的に利用されうることに留意されたい。また、コントローラ230は、(センサレスブラシレスモーター制御として当技術分野において知られているものにおいては)なんらの位置センサをも伴うことなしに、モーター202の回転子に関係した回転位置情報を算出又は検出するように構成されうることにも留意されたい。また、コントローラ230は、上述の可変速度アクチュエータ(図示されていない)から可変速度信号を受け取る。位置センサ238からの回転子の回転位置信号及び可変速度アクチュエータからの可変速度信号に基づいて、コントローラ230は、ゲートドライバ232を通じて、駆動信号UH、VH、WH、UL、VL、及びWLを出力し、ゲートドライバ232は、電力スイッチ回路226のPWMスイッチング動作を制御するべく、電力スイッチ回路226内の半導体スイッチのゲートの駆動に必要とされる電圧レベルを提供する。
一実施形態においては、電源レギュレータ234は、電源インターフェイス128−5からの電源をコントローラ230及び/又はゲートドライバ232を動作させるための同等な電圧レベルに低減するべく、1つ又は複数の電圧レギュレータを含んでもよい。一実施形態においては、電源レギュレータ234は、電源インターフェイス128−5の電力電圧を、例えば、ゲートドライバに電力供給するための15Vに、及び、例えば、コントローラ230に電力供給するための3.2Vに、低減するべく、降圧コンバータ及び/又は線形レギュレータを含んでもよい。
一実施形態においては、電力スイッチ236は、電源レギュレータ234とゲートドライバ232との間において提供されてもよい。電力スイッチ236は、上述のように、ユーザーがモーター202を動作させることを開始することを許容するためにオン/オフトリガ又は可変速度アクチュエータに結合されたオン/オフスイッチであってもよい。この実施形態における電力スイッチ236は、ゲートドライバ232への電力をカットすることにより、モーター202への電力の供給を無効にする。但し、電力スイッチ236は、例えば、パワーユニット206内において整流器回路220と電力スイッチ回路226との間などのように、異なる場所に提供されてもよいことに留意されたい。一実施形態においては、電動工具128は、オン/オフスイッチ236を伴うことなしに、提供されてもよく、コントローラ230は、オン/オフトリガ(又は、可変速度アクチュエータ)がユーザーによって作動させられた際に、電力スイッチ回路226内の電力装置を起動するように構成されてもよいことに更に留意されたい。
本発明の一実施形態においては、電源スイッチングユニット215は、漏洩を最小化し、且つ、DC電力ラインDC+/DC−をAC電力ラインACH/ACLから隔離するべく、電源インターフェイス128−5とモーター制御回路204との間において提供されてもよい。モーター202をAC又はDC電源のうちの1つのみに選択的に結合するべく、電源スイッチングユニット215が利用されてもよい。スイッチングユニット215は、リレー、単極双投式スイッチ、二極双投式スイッチ、又はこれらの組合せを含むように構成されてもよい。
図10Aの実施形態においては、電源スイッチングユニット215は、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLに結合された2つの二極単投式スイッチ212、214を含む。スイッチ212は、それぞれ、DC及びACラインのDC+及びACH端子に結合された2つの入力端子を含む。同様に、スイッチ214も、それぞれ、DC及びACラインのDC−及びACL端子に結合された2つの入力端子を含む。各スイッチ212、214は、整流器222に結合された単一の出力端子を含む。
図10Bに示されている一代替実施形態においては、電源スイッチングユニット215は、DC電力ラインDC+/DC−及びAC電力ラインACH/ACLに結合された2つの二極双投式スイッチ216、218を含む。スイッチ216、218は、1つではなく、2つの出力端子を含んでおり、これらは、DC電力ラインDC+/DC−が、整流器222をバイパスし、且つ、電力スイッチ回路226の+/−端子に直接的に結合されることを許容している。
1.同等な電圧定格を有する電源を有するブラシレス工具
一実施形態においては、上述の電動工具128は、例えば、100V〜120V(100V〜120VACのAC電力電圧レンジに対応している)、更に幅広には、90V〜132V(100〜120VACのAC電力電圧レンジの±10%に対応している)の高定格電圧レンジにおいて、及び、高電力(例えば、1500〜2500ワット)において、動作するように設計されてもよい。具体的には、BLDCモーター202のみならず、パワーユニット206及び制御ユニット208の構成要素も、100〜120Vの、好ましくは、90V〜132Vの、高定格電圧を取り扱うように設計及び最適化されている。また、モーター202は、工具128の動作電圧又は動作電圧レンジと等価でありうる、これに含まれうる、又は、これに対応しうる動作電圧又は動作電圧レンジを有する。
一実施形態においては、電源インターフェイス128−5は、AC電源からの100V〜120V(例えば、米国においては、50〜60Hzにおける120VAC、又は、日本においては、100VAC)の範囲内の公称電圧を有するAC電力ラインを提供するように、又は、DC電源からの100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を有するDC電力ラインを提供するように、構成されている。換言すれば、電源インターフェイス128−5を通じて提供されるDC公称電圧及びAC公称電圧は、いずれも、互いに、且つ、電動工具128の動作電圧レンジ(即ち、高定格電圧100V〜120V、又は、更に幅広には、約90V〜132V)に、対応している(例えば、マッチングしているか、オーバーラップしているか、又はこれに含まれている)。120VACの公称電圧は、AC正弦波形の正のハーフサイクルにおいて計測された際の約108Vの平均電圧に対応しており、これは、108VDC電力と等価な速度性能を提供することに留意されたい。一実施形態においては、詳細に後述するように、リンクコンデンサ224は、1210VAC電源からDCバス上において約110V未満を提供する最適な値を有するように、選択される。一実施形態においては、リンクコンデンサ224は、一実施形態におては、50μF以下であってもよく、一実施形態においては、20μF以下であってよく、又は、一実施形態においては、10μF以下であってもよい。
2.異なる電圧定格を有する電源を有するブラシレス工具
本発明の一代替実施形態によれば、AC電源によって提供される電圧は、DC電源から提供される公称電圧とは大幅に異なる公称電圧を有する。例えば、電源インターフェイス128−5のAC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、60V〜100Vの範囲内の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)を提供してもよい。別の例においては、AC電力ラインは、220〜240Vの範囲内の公称電圧を提供してもよく、DC電力ラインは、100〜120Vの範囲内の公称電圧(例えば、108VDC)を提供してもよい。
大幅に異なる電圧レベルにおけるBLDCモーター202の動作は、電動工具の性能の、特に、モーターの回転速度の、大きな差をもたらす場合があり、これは、顕著である場合があり、いくつかの実施形態においては、ユーザーにとって満足できない場合がある。また、モーター202の動作電圧レンジ外の電圧レベルの供給も、モーター及び関連するスイッチング構成要素を損傷する場合がある。従って、本明細書において記述されている本発明の一実施形態においては、モーター制御回路204は、モーター202が、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、実質的に均一な速度及び電力性能をもたらすように、AC又はDC電力ラインの公称電圧に応じて、モーター202への電力の供給(及び、したがって、モーター性能)を最適化するように構成されている。
従って、一実施形態においては、モーター202は、AC電源ライン及びDC電源ラインの公称又は定格電圧の両方に対応した1つ又は複数の動作電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよいが、モーター202は、AC及びDC電源の定格(又は、公称)電圧のうちの1つに対応しうる(例えば、マッチングしうる、オーバーラップしうる、又は包含しうる)、又はどれにも対応していない、より制限された動作電圧レンジにおいて動作するように設計又は構成されてもよい。
例えば、一実施形態においては、モーター202は、DC電力ラインの公称電圧に対応した電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例示的な一実施形態においては、モーター202は、DC電源の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)に対応しているが、AC電源の公称電圧(100V〜120V)未満である、例えば、60V〜100Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。別の例示的な実施形態においては、モーター202は、DC電源の公称電圧(例えば、108VDC)に対応しているが、AC電源の220〜240Vの公称電圧レンジ未満である、例えば、100V〜120Vの、又は、更に幅広には、90〜132Vの、電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。この実施形態においては、制御ユニット208は、詳細に後述するように、モーター202の動作電圧レンジに対応するように、電源インターフェイス128−5のAC電力ラインと関連した有効モーター性能を低減するべく、構成されてもよい。
別の実施形態においては、モーター202は、AC電源の公称電圧に対応した電圧レンジにおいて動作するように設計及び構成されてもよい。例えば、モーター202は、AC電源の公称電圧(例えば、100VAC〜120VAC)に対応しているが、DC電源の公称電圧(例えば、72VDC又は90VDC)よりも高い、例えば、120V〜120Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。この実施形態においては、制御ユニット208は、詳細に後述するように、DC電力ラインと関連した有効モーター性能を、モーター202の動作電圧レンジに対応したレベルに増加させるように構成されてもよい。
更に別の実施形態においては、モーター202は、AC又はDC公称電圧に対応していない電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。例えば、モーター202は、電源インターフェイス128−5のDC電力ラインの公称電圧(例えば、108VDC)よりも高くありうるが、AC電力ラインの公称電圧レンジ(例えば、220〜240V)未満でありうる、150V〜170Vの、又は、更に幅広には、135V〜187V(150〜170VACの電圧レンジの±10%である)の、電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。この実施形態においては、制御ユニット208は、詳細に後述するように、AC電力ラインと関連した有効モーター性能を低減し、且つ、DC電力ラインと関連する有効モーター性能を増加させるように、構成されてもよい。
更に別の実施形態においては、モーター202は、使用されている1つ又は複数の電池パックのタイプ及び定格に応じて、DC公称電圧に対応しうる又は対応しえない電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。例えば、モーター202は、例えば、90V〜132Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されてもよい。この電圧レンジは、上述の電池パックのなんらかの組合せ(例えば、108VDCの組み合わせられた公称電圧のための2つの中間定格電圧パック)の組み合わせられた公称電圧に対応しうるが、1つ又は複数のその他の電池パックの公称電圧(例えば、72VDCの組み合わせられた公称電圧のための一緒に使用される中間定格電圧パック及び低定格電圧パック)より高くてもよい。この実施形態においては、制御ユニット208は、1つ又は複数の電池パックから受け取った電圧を検知し、且つ、相応して、モーター202への電力の供給を最適化するように、構成されてもよい。代替的に、制御ユニット208は、1つ又は複数の結合された電池パック又は電池供給インターフェイス128−5から、使用されている1つ又は複数の電池パックのタイプ又は定格電圧を示す信号を受け取ってもよい。この実施形態においては、制御ユニット208は、詳細に後述するように、使用されている1つ又は複数の電池パックの公称電圧又は電圧定格に応じて、DC電力ラインと関連する有効モーター性能を低減又は増加するように構成されてもよい。具体的には、一実施形態においては、詳細に後述するように、制御ユニット208は、DC電源が、モーター202の動作電圧レンジよりも高い公称電圧を有する際には、DC電力ラインと関連した有効モーター性能を低減し、DC電源が、モーター202の動作電圧レンジよりも低い公称電圧を有する際には、DC電力ラインと関連した有効モーター性能を増加させるように、構成されてもよい。
以下、一実施形態において、AC及び/又はDC電源の公称電圧レベルに対する、及び、モーター202の動作電圧レンジに対応した、モーター202の有効性能を最適化(即ち、増加又は低減)するべく使用される技法の詳細な説明において、「より低定格電圧の電源」及び「より高定格電圧の電源」が参照される。
まず、以下の実施形態は、異なる公称(又は、定格)電圧レベルを有する電力供給を受け取るように動作可能であるAC/DC電動工具を参照して記述されているが、本明細書において開示されている原理は、コードレスのみ電動工具及び/又はコード付きのみ電動工具にも、同様に適用されうることに留意されたい。例えば、(高電力及び高電圧定格において動作するように最適化されうる)上述の高定格電圧DC電動工具10A3が、モーターの電圧定格未満の合計電圧定格を有するDC電源と共に許容可能に動作するべく、モーター制御回路14Aは、低定格電圧DC電池パック20A1の定格電圧に基づいてモーター性能(即ち、モーターの速度及び/又は電力出力性能)を最適化するように構成されてもよい。簡潔に上述したように、且つ、本開示において詳細に後述するように、これは、電源からの有効モーター性能を高定格電圧DC電動工具10A3の動作電圧レンジ(又は、電圧定格)に対応したレベルに最適化する(即ち、増加又は低減する)ことにより、実行されうる。
3.電源に基づいた物理的モーター特性の最適化
上述の実施形態においては、工具の望ましい動作電圧レンジに従って所与の動作電圧レンジにおいて動作するように設計されたモーター202を参照している。一実施形態によれば、モーター202の物理的設計は、望ましい動作電圧レンジのために、最適化されてもよい。一実施形態においては、モーターの最適化は、典型的には、スタック長、固定子巻線(即ち、界磁巻線)の太さ、及び固定子巻線の長さを増大又は減少させることを伴っている。固定子巻線の巻回の数が比例的に減少するのに伴って、より高い速度が提供されるが、この結果、モーターのトルクが損なわれる。トルクを補うべく、モーターのスタック長を比例的に増大させてもよい。また、固定子巻線の巻回数が減少するのに伴って、比例的により太い固定子ワイヤを提供するべく、より大きな空間が固定子スロット内において残される。換言すれば、固定子巻線の太さは、界磁巻線の巻回数が減少するのに伴って、増大させてもよく、界磁巻線の巻回数が増大するのに伴って、減少させてもよい。固定子巻線の太さが増大するのに伴って、モーターの抵抗値も、減少する。モーター電力(即ち、最大コールド電力出力)は、抵抗値及びモーター電圧(即ち、モーターの逆EMF)の関数である。従って、スタック長の厚さ及び巻線の太さが増大し、且つ、巻回数が減少するの伴って、所与の入力電圧におけるモーター電力が増大する。
一実施形態においては、これらのモーター特性の変化は、望ましい工具性能にマッチングするように、より低い定格電源を有する電動工具128の性能を改善するべく、利用されてもよい。換言すれば、この方式により、電動工具128の動作電圧レンジに対応するように、モーター202の電圧定格レンジが増大させられる。DC電源がAC電源よりも低い公称電圧を有する例示的な一実施形態においては、これらのモーターの設計特性の変更は、例えば、850Wから約1700Wへなどのように、60VDC電源によって動作する電動工具の最大コールド電力出力を倍増させるべく、使用されてもよい。一実施形態においては、モーター制御ユニット208は、次いで、望ましい工具性能にマッチングするように、AC電力との電動工具128の最適な性能を低減するべく構成されてもよい。これは、以下の次節において記述されている技法のいずれかを介して実行されうる。
4.電源に基づいてモーター性能を最適化するためのPWM制御技法
図11Aは、モーターの対応した位相(即ち、U、V、又はH)の単一の伝導帯内においてコントローラ230によって出力される駆動信号(即ち、ハイサイドスイッチと関連したUH、VH、又はWH駆動信号のいずれか)の例示的な波形図を示している。図示の例においては、駆動信号は、例示を目的として、100%のデューティサイクル、80%のデューティサイクル、50%のデューティサイクル、20%のデューティサイクル、及び0%のデューティサイクルにおいて変調されている。このようにして、コントローラ230は、一定負荷状態におけるモーター202の可変速度動作を可能にするべく、(上述のように)可変速度アクチュエータから受け取った可変速度信号に基づいて、モーター202の速度を制御する。
より高定格電圧の電源によって電力供給された際にモーター202の有効性能を最適化(即ち、低減)するべく、本発明の一実施形態においては、より高定格電圧の電源の有効公称電圧(及び、従って、モーターへの電力の供給)が、PWM制御技法を介して低減されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット208は、図7A、図7B、図9A、及び図9Bを参照して上述したように、高定格電圧電源から電力を受け取る際には、電力スイッチ回路226のスイッチング動作をより小さなPWMデューティサイクルにおいて制御するように構成されてもよい。
例えば、モーター202が、60V〜90Vの電圧レンジにおいて動作するように設計されているが、100〜120Vの範囲内の公称電圧を有する電源からAC電力を受け取る一実施形態においては、制御ユニット208は、AC電力ラインによってモーター202を動作させる際に、PWMスイッチ回路226の構成要素の最大PWMデューティサイクルを60%〜80%の範囲内の値(例えば、70%)において設定するように構成されてもよい。モーター202が、100V〜120Vの、又は、更に幅広には、90V〜130Vの、電圧レンジにおいて動作するように設計されているが、220V〜240Vの範囲内の公称電圧を有する電源からのAC電力を受け取る別の例においては、制御ユニット208は、AC電力ラインによってモーター202を動作させる際には、PWMスイッチ回路226の構成要素の最大PWMデューティサイクルを40%〜60%の範囲内の値(例えば、50%)において設定するように構成されてもよい。従って、制御ユニット208は、比例的に、0%から、最大で、最大PWMデューティサイクルまで、変調されたAC電力供給(以下においては、DCバス電圧と呼称され、これは、コンデンサ224に跨って計測された電圧である)に対するPWM制御を実行する。
例示的な一実施形態においては、最大デューティサイクルが50%に設定された場合には、制御ユニット208は、DCバスライン上における駆動信号UH、VH、又はWHを、無速度においては、0%のデューティサイクルにおいてオンにし、半分の速度においては、25%のデューティサイクルにおいてオンにし、及び、最大速度においては、最大で50%のデューティサイクルにおいてオンにする。
追加的に、又は代替的に、AC電源によって電力スイッチ回路226に提供される有効公称電圧を低下させるべく、電動工具123〜126を参照して上述したその他の方法のうちの任意のもの(例えば、半波ダイオード整流器ブリッジの使用)が利用されうることに留意されたい。
更には、上述のモーター性能の最適化のためのPWM制御技法は、電源電圧定格とは無関係に、モーター202からそれなりに同等な速度及び電力性能を得るべく、本開示において後述されているその他の技法との組合せにおいて、使用されうることにも留意されたい。
更には、いくつかの電動工具の用途においては、本明細書において記述されているPWM制御方式は、両方の電源に適用可能でありうることにも留意されたい。具体的には、1500ワットの最大電力出力を有する小さなアングルグラインダなどの電動工具用途の場合には、120VAC電源(この場合には、最大PWMデューティサイクルは、例えば、50%に設定されてもよい)又は72VDC電源(この場合には、最大PWMデューティサイクルは、例えば、75%に設定されてもよい)によって電力供給された際に、モーター202の有効性能を最適化する(即ち、低下させる)ことが望ましいであろう。
5.電源に基づいたモーター性能の最適化のための電流制限
本発明の一実施形態によれば、より高電圧の電源によって電力供給された際にモーター202の有効性能を最適化する(即ち、低下させる)べく、モーター制御ユニット208は、本明細書において記述されている電流制限技法を使用するように構成されてもよい。
一実施形態においては、より高定格電圧の電源を動作させる際に、モーター202の動作電圧レンジと関連した性能にマッチングするように又はその内部に含まれるように、制御ユニット208は、モーター202の最大ワット出力を制限するべく、サイクルごとの電流限度を課してもよい。所与のサイクル内の瞬間的なバス電流が、規定された電流限度を超過した際に、PWMスイッチ回路226内のスイッチに対する駆動信号が、サイクルの残りの部分から、オフにされる。駆動信号は、次のサイクルの開始点において回復される。各サイクルごとに、瞬間的な電流は、類似の方式によって継続的に評価される。図11Bには、この原理が示されており、この場合に、実線は、限度を伴わない瞬間電流を示しており、破線は、20アンペアの限度を伴う瞬間電流を示している。サイクルごとの電流制限は、更に後述するように、電動工具が、異なるタイプの電源に跨って、且つ、変化する動作条件において、類似の性能を実現することを可能にする。
サイクルごとの電流制限は、DCバスライン上に配置され且つコントローラ230に結合された電流センサ(図示されていない)を介して実現実施することができる。具体的には、電流センサは、DCバスを通じて電流を検知し、且つ、検知された電流を示す信号をコントローラ230に提供するように、構成されている。例示的な一実施形態においては、電流センサは、整流器222とPWMスイッチ回路226との間において直列状態において配設されたシャント抵抗器を使用して実現実施されている。シャント抵抗器は、これに限定されるものではなく、DCバスの低電圧側において位置してもよい。このようにして、コントローラ230は、DCバスを通過する瞬間電流を検出することができる。
コントローラ230は、電流制限を実施するべく、整流器から周期的な時間インターバルにおいて(即ち、サイクルごとに)動作するスイッチング構成へと通過する瞬間電流の計測値を受け取るように、構成されている。図11Cを参照すれば、コントローラ230は、290において、電流を周期的に(例えば、5マイクロ秒ごとに)計測し、且つ、291において、瞬間電流計測値を電流限度と比較することにより、電流制限を実施している。瞬間電流計測値が電流限度を超過した場合には、292において、コントローラ230は、現在の時間インターバルの残りの部分について、電力スイッチ回路226のスイッチを起動停止し、これにより、電気モーターへ流れる電流を中断する。瞬間電流計測値が電流限度以下である場合には、コントローラ230は、293において示されているように、現在の時間インターバルの残りの部分について、電流限度との瞬間電流計測値の周期的な比較を継続する。一実施形態においては、このような比較は、各時間インターバル(即ち、サイクル)において、多数回にわたって起こる。現在の時間インターバルの終了点に到達した際に、コントローラ230は、294において、電力スイッチ回路226のスイッチを再起動し、これにより、モーターへの電流の流れを次のサイクルについて再開する。一実施形態においては、各時間インターバルの持続時間は、電気モーターがコントローラ230によって制御されている所与の周波数の関数として固定されている。例えば、各時間インターバルの持続時間は、電気モーターがコントローラによって制御されている周波数の逆数の約10倍に設定される。モーターが10キロヘルツの周波数において制御されている場合には、時間インターバルは、100マイクロ秒において設定される。その他の実施形態においては、各時間インターバルの持続時間は、電気モーターがコントローラによって制御されている周波数とは関連していない固定された値を有しうる。
この例示的な実施形態においては、各時間インターバルは、PWM信号の周期に等しい。無負荷(又は、一定負荷)状態における一定速度工具においては、PWM駆動信号のデューティサイクルは、例えば、60%において設定される。一実施形態においては、負荷印加状態において、コントローラ230は、デューティサイクルを増大させることにより、一定速度を維持するように動作する。DCバスラインを通じた電流が電流限度を上回るように増大した場合には、コントローラ230は、上述のように、電流の流れを中断させることになり、これは、PWM信号のデューティサイクルを事実上低減する。無負荷状態における可変速度工具の場合には、PWM駆動信号のデューティサイクルは、速度ダイアル又はトリガスイッチなどのユーザーによって制御された入力に従って、例えば、15%〜60%の範囲を有する。コントローラ230は、上述の同一の方式により、負荷状態において、又は電流制限状態において、PWM信号のデューティサイクルを増大又は減少させることができる。一実施形態においては、速度制御及び電流制限は、速度制御用の3つの上部のハイサイド電力スイッチと、電流制限用の3つのローサイド電力スイッチと、を使用することにより、互いに独立的に実施されうる。2つの機能は、上部及び下部スイッチの間において交換されてもよく、又は、スイッチの1つの組として1つに組み合わせられてもよいことが想定される。
上述の例においては、時間インターバルは、固定されたままである。この期間(時間インターバル)が固定されたままである際には、このスイッチングによって生成される電子ノイズは、明確に定義された基本周波数のみならず、その高調波を有することになる。特定の周波数において、ノイズのピーク値が望ましくない場合がある。この期間を経時的に変調することにより、ノイズは、周波数スペクトルに跨ってより均一に分散され、これにより、任意の1つの周波数におけるノイズの振幅が減少する。いくつかの実施形態においては、任意のノイズをより幅広の周波数レンジにわたって分散させることを支援するべく、時間インターバルの方向が経時的に変調(即ち、変更)されうることが想定される。
別の実施形態においては、コントローラ230は、ゲートドライバ回路232から電力スイッチ回路226に出力されるPWM駆動信号のデューティサイクルを設定又は調節することにより、サイクルごとの電流制限を実施している。一実施形態においては、PWM駆動信号のデューティサイクルは、瞬間電流サイクルに応じて(即ち、次のサイクルの開始点において)、この方式によって調節されてもよい。固定速度工具においては、コントローラ230は、まず、駆動信号のデューティサイクルを固定値(例えば、75%のデューティサイクル)に設定することになる。駆動信号のデューティサイクルは、DCバスを通じた電流がサイクルごとの電流限度未満に留まっている限り、固定されたままとなる。コントローラ230は、DCバスを通じた電流を独立的に監視し、且つ、DCバスを通じた電流が、サイクルごとの電流限度を超過した場合に、モーター駆動信号のデューティサイクルを調節することになる。例えば、コントローラ230は、20アンペアの電流限度を実施するべく、デューティサイクルを27%に低下させてもよい。一実施形態においては、デューティサイクル値は、ルックアップテーブルにより、特定の電流限度に関連付けられてもよいが、デューティサイクル値を導出するためのその他の方法も、本開示によって想定されている。可変速度工具の場合には、コントローラ230は、可変速度アクチュエータからの可変速度信号に従って、従来の方式により、モーター駆動信号のデューティサイクルを制御する。サイクルごとの電流制限は、コントローラ230によって独立的に実施される。即ち、コントローラは、上述のように、DCバスを通じた電流を独立的に監視し、且つ、DCバスを通じた電流がサイクルごとの電流限度を超過した場合にのみ、駆動信号のデューティサイクルを調節することになる。
一実施形態においては、サイクルごとの電流限度は、電源のタイプ及び/又は公称電圧に依存している。一実施形態においては、AC又はDC電源の公称電圧に応じて、コントローラ230は、電動工具の動作の際に、実施するべき電流限度を選択している。一実施形態においては、電流限度は、コントローラ230により、ルックアップテーブルから取得されている。例示的なルックアップテーブルは、以下のとおりである。
電源タイプ 公称電圧 電流限度
AC 120V 40A
AC 230V 20A
DC 120V 35A
DC 108V 40A
DC 60V 70A
DC 54V 80A
即ち、この例示的な実施形態においては、100V〜120Vの動作電圧レンジを有するモーター202において、コントローラ230は、工具が120VAC電源に結合された際には、40アンペアの電流制限を実施することになるが、工具が230VAC電源に結合された際には、20アンペアの電流制限を実施することになる。この結果、工具の有効出力電力は、実質的に同一である。電動工具が、150V〜170Vの動作電圧レンジを有する一代替実施形態においては、コントローラ230は、230VAC電源によって電力供給される際には、モーター202の有効性能を低減するべく、30Aの電流制限を実施しうる。
更には、コントローラ230は、工具が108VDC電源に結合された際には、40アンペアの電流制限を実施するように構成されるが、工具が120VDC電源に結合された際には(例えば、発電機又は溶接機からのDC電力が工具に供給されている際には)、わずかに低い電流制限(例えば、35アンペア)を実施することになる。同様に、コントローラ230は、工具が54VDC電源に結合された際には、80アンペアの電流制限を実施するように構成されるが、工具が60VDC電源に結合された際には、わずかに低い電流制限(例えば、70アンペア)を実施することになる。これらの電流限度は、AC又はDC電源からの出力電力レベルのすべてが、100V〜120Vの動作電圧レンジを有するモーター202と互換性を有するという結果をもたらす。
サイクルごとの電流制限及びその用途の更なる詳細については、「Cycle− By−Cycle Current Limit For Power Tools Having A Brushless Motor」という名称の2014年5月19日付けで出願された米国仮特許出願第62/000,307号明細書、及び、これと同時に代理人ドケット番号第0275−001677号の下において出願された同一の名称を有する関係する米国特許出願明細書において記述されており、これらの文献のそれぞれは、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。
上述のモーター性能の最適化のためのサイクルごとの電流制限技法は、電源電圧定格とは無関係に、モーター202からそれなりに同等な速度及び電力性能を得るべく、本開示において記述されている任意のその他のモーター性能最適化技法との組合せにおいて使用されうることに留意されたい。
6.電源に基づいてモーター性能を調節するための伝導帯及び/又は進み角制御
本発明の一実施形態によれば、より高定格電圧の電源によって電力供給される際に、モーター202の有効性能を最適化(即ち、増加又は向上)するべく、制御ユニット208は、本明細書において記述されている伝導帯及び/又は進み角を伴う技法(本明細書においては、「CB/AA技法」と呼称される)を使用するように構成されてもよい。
図12Aは、最大360度の導電サイクル内における3相インバータブリッジ回路図10Cのパルス幅変調(PWM)駆動シーケンスの例示的な波形図を示している。この図に示されているように、最大360°サイクル内において、ハイサイド及びローサイド電力スイッチと関連した駆動信号のそれぞれは、120°の伝導帯(「CB」)において起動される。このようにして、BLDC202モーターの各関連した位相は、望ましいモーター202の回転速度の関数として制御ユニット208によって制御されたパルス幅変調された電圧波形により、120°のCB内においてエネルギー供給される。各位相ごとに、UHは、120°のCB内において制御ユニット208によってパルス幅変調される。ハイサイドスイッチのCBにおいては、対応するULは、ローに維持されている。UL信号は、次いで、UL信号と関連するCBの後に、ハーフサイクル(180°)内において、フル120°CBにわたって起動される。制御ユニット208は、ハイサイドスイッチのPWM制御を介して、モーターに提供される電圧の量を、従って、モーターの速度を、制御する。
図12Aの波形図は、120°のCBにおける1つの例示的なPWM技法を示しているが、その他のPWM方法も利用されうることに留意されたい。そのような一例が、同期整流を伴うPWM制御であり、この場合には、各位相のハイサイド及びローサイドスイッチ駆動信号(例えば、UH及びUL)が、同一の120°CB内において、同期整流を伴ってPWM制御される。
図12Bは、最大速度(即ち、一定負荷条件下における最大速度)において動作する上述の3相インバータブリッジの駆動シーケンスの例示的な波形図を示している。この図においては、3つのハイサイドスイッチは、その個々の120°のCBにおいて、100%のPWMデューティサイクルにおいて導通し、これにより、最大速度において動作するための最大電力をモーターに提供する。
BLDCモーターにおいては、電力スイッチの整流及びモーター自体のインダクタンスにおける不完全性に起因し、電流は、モーターの逆EMFから、わずかに遅延することになる。これは、モータートルク出力の非効率性をもたらす。従って、実際には、モーターの位相は、モーターに供給される電流が、もはや、モーターの逆EMFから遅延しないように、数度の進み角(「AA」)だけ、シフトされる。AAは、対応した位相の回転EMFよりも先行する印加位相電圧のシフト角Yを意味している。
これに加えて、一実施形態においては、モーター202は、内部永久磁石(IPM:Interior−Permanent Magnet)モーター又はその他の突出磁石モーターであってもよい。突出磁石モーターは、表面実装永久磁石モーターよりも効率的でありうる。具体的には、磁石トルクに加えて、突出磁石モーターは、モーター電流の関数として(具体的には、モーター電流の二乗の関数として)変化し、従って、磁石トルクよりも遅延したリラクタンストルクを含む。このリラクタンストルクを利用するべく、一実施形態においては、AAシフト角Yが、リラクタンストルクの遅延を包含するように、増大させられている。追加されたリラクタンストルクは、突出磁石モーターが、角度Yにおける更なるシフトを伴うことなしに生成されるものを15パーセント以上上回る1アンペア当たりのトルクを生成することを可能にする。
一実施形態においては、AAは、ハードウェアにおいて実施されてもよく、この場合に、位置センサは、モーターの位相に関して所定の角度において物理的にシフトされる。代替的に、又は追加的に、AAは、ソフトウェアにおいて埋め込まれてよく、この場合に、コントローラ230は、本明細書において記述されるように、角度Yだけ、モーターの各位相の伝導帯を進めるように構成される。
図12Cは、一実施形態による図12Bの駆動シーケンスの波形図を示しており、Y=30°のAAを伴って示されている。一実施形態においては、30度のAAは、BLDC用途において、モーターの逆EMPに対する電流の遅延を補うべく、且つ、突出磁石モーターのリラクタンストルクを利用するべく、十分なものである(且つ、当業者により、通常、使用されている)。
一実施形態によれば、AAをY=30℃超の値に増大させることは、増大したモーター速度性能をもたらすことができる。図12Dは、例示的な電動工具128の速度/トルク波形図を示しており、この場合には、120°の固定されたCBにおけるAAの増大は、速度/トルクプロファイルにおける上向きの、即ち、252(Y=30°)から、253(Y=40°)への、そして、254(Y=50°)への、シフトをもたらす。このシフトは、低トルクレンジ(例えば、0〜1N.m.)において特に大きく、この場合には、モーター速度が、約20%だけ、252から253へと、更には253から254へと、増大しうる(特に、例えば、0.2N.m.の非常に小さなトルクレンジにおいては、速度は、2倍を超えうる)。中間トルクレンジ(例えば、1〜2N.m.)においては、モーター速度の増大は、顕著ではあるものの、大きくはない。高トルクレンジ(例えば、2N.m.以上)においては、モーター速度の増大は、最小限である。
同様に、AAのY=30°超の値への増大は、増大した電力出力をもたらすことができる。図12Eは、例示的な工具128の電力出力/トルク波形図を示しており、この場合には、120°の固定されたCBにおけるAAの増大は、電力出力/トルクプロファイルにおける上向きの、即ち、255(AA=30°)から、256(AA=40°)への、そして、257(AA=50°)への、シフトをもたらす。このシフトは、例えば、約1N.m.において、最大で20%などのように、低及び中間トルクレンジにおいては、それなりに大きいが、高トルクレンジにおいては、電力出力に対する大きな影響を有していない。
これらの図には示されていないが、本開示の範囲内において、且つ、上述の図と一貫性を有する状態において、AAがY=30°未満の値(例えば、Y=10°又は20°)に設定された場合には、電力出力及び速度性能が同様に低減されうることを理解されたい。
本発明の一実施形態によれば、工具128が、モーター202の動作電圧よりも高い又は低い公称(又は、定格)電圧を有する電源によって電力供給される際には、モーター202の有効性能を最適化するべく、モーター202の位相のAAは、電源の電圧定格又は公称電圧に従って設定されてもよい。具体的には、AAは、それなりに等価な又は同等な速度及び電力性能が、電源電圧定格とは無関係に、モーター202から得られるように、より低定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を増加させるべく、より高い値に設定されてもよく、より高定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を低減するべく、より小さな値に設定されてもよい。例えば、一実施形態においては、制御ユニット208は、電源が、モーター202の動作電圧レンジ(例えば、70〜90V)に含まれるか又はこれにマッチングした公称電圧を有する際には、Y=30°のAAを設定するように、但し、電動工具128が、より低定格電圧の電源(例えば、54VDC)に結合された際には、AAをより高い値(例えば、Y=50°)に設定するように、及び/又は、電動工具128が、より高定格電圧の電源(例えば、120VAC)に結合された際には、AAをより小さな値(例えば、Y=20°)に設定するように、構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット208には、AAと電源電圧定格との間の機能的な関係を定義するルックアプテーブル又は式が提供されてもよい。
AAのY30°超の値への増大は、モーター速度及び電力性能を増加させるべく使用されてもよいが、固定されたCBにおけるAAのみの増大は、効率の低下をもたらしうる。当業者には理解されるように、効率は、(電力出力/電力入力)の関数として計測される。図12Fは、工具128の例示的な効率/トルク波形図を示しており、この場合には、120°の固定されたCBにおけるAAの増大は、効率/トルクプロファイルにおける下向きの、即ち、258(Y=30°)から、259(Y=40°)への、そして、265(Y=50°)への、シフトをもたらす。このシフトは、低トルクレンジにおいて特に大きく、この場合に、効率は、例えば、約0.5N.m.においては、約20%だけ、より小さなトルクにおいては、より大きく、減少しうる。換言すれば、(固定されたCBにおける)AAのみのY=30°超の値への増大は、低及び中間トルクレンジにおいて速度及び電力出力を増大させることができるが、これは、工具の効率の大きな犠牲のもとに実現される。
本出願の発明者らは、BLDCモーターの各位相ごとのCBの増大は、本明細書において記述されているように、特に、AAと連携した状態において実行された際に、モーター208の合計電力出力及び速度を増大させることを見出した。
図13Aを参照すれば、本発明の一実施形態による120°超のCB値を伴う上述の電力スイッチ回路226の3相インバータブリッジの駆動シーケンスの波形図が示されている。一実施形態においては、ブラシレスモーターの各位相のCBは、この例示的な例において示されているように、当業者によって従来から使用されているCB値である120°から、例えば、150°に、増大させられてもよい。CBは、150°のCBを得るべく、各末尾において、図12Aに示されている120°のCBとの比較において、15°だけ、拡張されてもよい。CBの120°超の値への増大は、3相インバータブリッジ内のスイッチの3つが、(例えば、例示的な例においては、45°〜75°において、及び、105°〜135°において)同時にオン状態となることを許容し、且つ、電圧が、より長い導電期間においてモーターの各位相に供給されることを許容する。これは、事実上、DCバスラインからモーター202に供給される合計電圧値を増大させ、この結果、後述するように、モーター速度及び電力出力性能が増大する。
図13Bは、ブラシレスモーターの各位相のAAが、同様に、CBとの連携した状態において、且つ、CBに対応するように、変化させられている、本発明の一実施形態を示している。この例示的な例においては、CBが150°において位置している場合に、AAは、Y=45°の角度に設定されている。一実施形態においては、様々なCB及びAAの関連付けは、CB及び関連したAAの間の機能的な関係を定義するルックアップテーブル又は式として、コントローラ230内において実施されてもよい。
様々なCB及び関連するAA値を示す例示的なテーブルは、以下のとおりである。
CB AA(Y)
120° 30°
130° 35°
140° 40°
150° 45°
160° 50°
170° 55°
これらの例示的な実施形態は、120°/30°、140°/40°、160°/50°のCB/AAレベルを参照して実施されているが、これらの値は、例示を目的としたものに過ぎず、代替的に、任意のCB/AA値(例えば、162°/50.6°など)が使用されうることに留意されたい。また、このテーブル内において、且つ、本開示の全体を通じて、提供されているAAとCBとの間の関連付けは、例示を目的としたもの過ぎず、決して限定を目的としたものではない。具体的には、上述のテーブル内のCBとAAとの間の関係は、線形であるが、関係は、代替的に、非線形であってもよい。また、各CBごとに本明細書において付与されているAA値は、決して固定されたものではなく、所定の範囲から選択することができる。例えば、一実施形態においては、150°のCBは、35°〜55°の範囲内の、好ましくは、40°〜50°の範囲内の、好ましくは、43°〜47°の範囲内の、任意のAAと組み合わせられてもよく、160°のCBは、40°〜60°の範囲内の、好ましくは、45°〜55°の範囲内の、好ましくは、48°〜52°の範囲内のものなどのように、任意のAAと組み合わせられてもよい。更には、CB及びAAの最適な組合せは、いくつかの電動工具用途においては、上述のテーブルにおいて提供されている例示的な値から、大幅に変化しうる。
次に図13C及び図13Dを参照すれば、一実施形態によれば、上述の連携した状態におけるCB及びAA(以下においては、「CB/AA」と呼称される)の120°/30°のCB/AAよりも大きいレベルへの増大は、図12D及び図12Eの波形図との比較において、より幅広のトルクレンジにわたってより良好な速度及び電力出力性能をもたらすことができる。
一実施形態によれば、工具128について図13Cの例示的な速度/トルク波形図に示されているように、CB/AAの増大は、速度/トルクプロファイルにおける大幅な上向きの、即ち、262(CB/AA=120°/30°)から、263(CB/AA=140°/40°)への、そして、264(CB/AA=160°/50°)への、シフトをもたらしている。この増大は、低トルクレンジにおいて最大であるが(この場合には、速度性能は、少なくとも約60%だけ改善しうる)、中間トルクレンジにおいても依然として大きい(この場合には、速度性能は、約20%〜60%だけ改善しうる)。一実施形態においては、速度/トルクプロファイル262、263、264は、非常に低い速度/非常に高いトルクレンジにおいて(例えば、7000rpm〜10000rpmにおいて)、収束を開始しており、その時点の後には、CB/AAの増大が、もはや、より良好な速度性能をもたらさないことに留意されたい。
同様に、一実施形態によれば、工具128における図13Dの例示的な電力出力/トルク波形図に示されているように、CB/AAを増大させることは、電力出力/トルクプロファイルにおける大きな上向きの、即ち、265(CB/AA=120°/30°)から、266(CB/AA=140°/40°)への、そして、267(CB/AA=160°/50°)への、シフトをもたらしている。一実施形態においては、この増大は、低トルクレンジにおいては、266(CB/AA=140°/40°)から267(CB/AA=160°/50°)において、及び、中間及び高トルクレンジにおいては、265(CB/AA=120°/30°)から266(CB/AA=140°/40°)において、最大である。この図においては、120°/30°から160°/50°へのCB/AAの増大は、いくつかのトルク条件の場合に、最大で50%の増大をもたらしうるが、モーター最大電力出力(最大速度において非常に大きな負荷状態において計測されたもの)は、10〜30%だけ、増大しうることに留意されたい。
これらの図には示されていないが、本開示の範囲内において、且つ、上述の図と一貫性を有する状態において、CB/AAが、120°/30°よりも小さなレベル(例えば、80°/10°又は100°/20°)に設定された場合にも、電力出力及び速度性能が、同様に低減されうることを理解されたい。
本発明の一実施形態によれば、工具128が、電動工具128の動作電圧よりも高い又は低い公称(又は、定格)電圧を有する電源によって電力供給される際には、モーター202の有効性能を最適化するべく、モーター202の位相のCB/AAは、電源の電圧定格又は公称電圧に従って設定されてもよい。具体的には、CB/AAは、それなりに同等な速度及び電力性能が、電源電圧定格とは無関係に、モーター202から得られるように、より低定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を増加させるように、より高い値に設定されてもよく、より高定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を低減するように、より小さな値に設定されてもよい。
一実施形態においては、制御ユニット208は、電源が、モーター202の動作電圧レンジに対応した公称電圧を有する際には、CB/AAを120°/30°に設定するように、但し、より低定格電圧の電源に結合された際には、CB/AAをより高いレベルに設定するように、構成されてもよい。同様に、制御ユニット208は、より高定格電圧の電源に結合された際には、CB/AAをより低いレベルに設定する。例えば、70V〜90Vの動作電圧レンジを有するモーター202の場合には、制御ユニット208は、72VDC又は90VDC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に設定し、但し、例えば、54VDC電源の場合には、140°/40°に設定し、120VAC電源の場合には、100°/20℃に設定するように、構成されてもよい。別の例においては、90V〜132Vの動作電圧レンジを有するモーター202の場合には、制御ユニット208は、120VAC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に設定し、但し、54VDC電源及び72VDC電源の場合には、それぞれ、例えば、160°/50°及び140°/40度などの比例的により高い値に設定するように、構成されてもよい。更に別の例においては、135V〜187Vの動作電圧レンジを有するモーター202の場合には、制御ユニット208は、CB/AAを、例えば、108VDC電源又は120VAC電源の場合には、140°/40°に設定し、220VAC電源の場合には、100°/20°に設定するように、構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット208には、CB/AAと電源電圧定格との間の機能的な関係を定義するルックアップテーブル又は式が提供されてもよい。
一実施形態においては、本明細書において記述されているCB/AA制御技法は、本開示において開示されているその他のモーター最適化技法のいずれかとの組合せにおいて使用されてもよい。例えば、それなりに同等な速度及び電力性能が、電源電圧定格とは無関係に、モーター202から得られるように、CB/AA制御技法は、より低定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を増加させるべく使用されてもよく、上述のPWM制御技法、又は上述のサイクルごとの電流制限技法、又は、両方の組合せは、より高定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を低下させるべく使用されてもよい。但し、一実施形態においては、より高定格電圧の電源の場合には、特に、一定速度電動工具用途の場合には、モーターの性能を低下させるべく、PWM制御技法よりも、上述のCB/AA技法を利用するほうが有利であろう。その理由は、電力スイッチのPWMスイッチングは、熱を生成し、且つ、電圧高調波要因を増大させるからである。記述されているCB/AA技法の使用は、これらの熱及び電圧高調波に対する影響を軽減する。
上述の説明は、電源定格電圧に基づいたAAと連携した状態におけるCBの調節を対象としているが、電源定格電圧に応じたCBのみの(即ち、固定されたAAレベルにおける)調節も、本開示の範囲に含まれることに留意されたい。具体的には、一定のCBにおけるAAレベルの変化は、(図12D〜図12Fを参照して上述したように)特定のトルクレンジにおける電力及び速度性能に対する影響を有していることと同様に、一定のAAにおける120°超又は未満におけるCBレベルの変化も、モーターに供給される合計電圧を増減することが可能であり、従って、モーター速度及び電力出力を向上又は減少させることが可能であるが、特定のトルクレンジにおいては、工具効率が犠牲にされうる。従って、工具128が、モーター202の動作電圧よりも高い又は低い公称(又は、定格)電圧を有する電源によって電力供給される本発明の一実施形態においては、有効モーター性能は、電源の電圧定格又は公称電圧に従ってモーター202の位相のCBを(一定のAAにおいて)調節することにより、最適化されうる。具体的には、CBは、それなりに等価な速度及び電力性能が得られるように、より低定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を増加させるべく、120度よりも大きな値に設定されてもよく、より高定格電圧の電源によって電力供給される際には、モーター202の性能を低減するべく、より小さな値に設定されてもよい。
また、これらの実施形態(のみならず、後述する実施形態)のいずれかにおいて言及されている120°/30°、140°/40°、160°/50°のCB/AAレベルは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、本開示の教示に従って増大した電力及び/又は速度性能をもたらす任意のその他のCB/AAレベル又は組合せも、本開示の範囲に含まれることを再度付言しておく。
また、これらの図のいずれかに図示されると共に上述(のみならず、後述する図及び実施形態)した速度、トルク、並びに電力パラメータ及びレンジの全ては、その特性が、例示を目的としたものであり、且つ、本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。いくつかの電動工具は、これらの図に示されている類似の性能特性を示しうるが、その他の工具は、実質的に異なる動作レンジを有しうる。
7.改善されたトルク−速度プロファイル
次に図13Eを参照すれば、工具128の例示的な効率性/トルク図が、一実施形態に従って、268(CB/AA=120°/30°)、269(CB/AA=140°/40°)、及び270(CB/AA=160°/50°)における様々なCB/AA値を伴って、示されている。この図において観察できるように、120°/30°のCB/AAは、ほぼ低〜中間レンジ(例えば、例示的な例においては、0〜約1.5N.m.)において、最良の効率をもたらし、140°/40°のCB/AAは、ほぼ中間〜高トルクレンジ(例示的な例においては、約1.5N.m.〜約2.5N.m.)において、最良の効率をもたらし、160°/50°のCB/AAは、ほぼ高トルクレンジ(例示的な例においては、約2.5N.m.超)において、最良の効率をもたらしている。従って、120°/30°レベルを上回るCB/AAの増大は、すべてのトルクレンジにおいて速度及び電力性能を大幅に改善するが、これは、いくつかの動作条件において、特に、より小さなトルクレンジにおいては、効率の損失を伴って実現されうる。
これに加えて、電動工具用途は、一般に、最高定格速度を有しており、これは、無負荷状態における電動工具モーターの最大速度を意味している。可変速度工具においては、最大速度は、典型的には、トリガが最大限に引かれた状態においてモーターが生成するように設計された望ましい速度に対応している。また、上述のモーターの定格電圧又は動作電圧(又は、電圧レンジ)も、電動工具の望ましい最高定格速度に対応している。また、上述のモーターの物理的特性(例えば、サイズ、巻線の数、巻線構成など)も、一般に、電動工具のトルク及び最大速度要件と互換性を有するように設計されている。実際には、しばしば、モーター及び電動工具トランスミッションを最高定格速度の超過から保護することが必要とされる。モーターが工具の最高定格速度超の速度を出力する能力を有している工具においては、モーターの速度は、典型的には、その最高定格速度において制限が加えられている。従って、上述のCB/AA技法を介した速度性能の増大は、いくつかのトルク/速度レンジにおいては、確かに望ましいものであるが、これは、増大したCB/AAが、モーター速度による工具の最高定格速度の超過をもたらす場合には、特定の動作状態において、非実際的である。これは、先に図13Cにおいて示したように、CB/AAの増大が、速度プロファイルの非常に大きなシフトを生成する低トルクレンジに対して、特に当て嵌まる。
図13Cの工具128が25000rpmの最高定格速度を有する例示的な一実施形態においては、120°/30°のCB/AAにおけるモーター202の動作は、工具が、その最高定格速度内において動作することを許容するが、より大きなCB/AAにおける工具の動作は、低トルクレンジにおいて、最高定格速度を超過することになる(例えば、速度は、1N.m.トルク未満において160°/50°のCB/AAの場合に、又は、0.6N.m.未満トルクにおいて140°/40°のCB/AAの場合に、25000rpmを超過する)。
従って、本発明の一実施形態においては、図13Fに示されているように、改善された速度−トルクプロファイルが提供されており、この場合に、工具の最高定格速度において、モーター速度は、例えば、0〜約1.2N.m.などの第1トルクレンジにおいては、一定レートにおいて維持されており(即ち、実質的にフラットなプロファイル280を含む)、例えば、1.2N.m.超などの第2トルクレンジにおいては、可変レートにおいて維持されている。一実施形態においては、第1トルクレンジにおいて、CB/AAは、そのベース値(例えば、120/30°)から閾値(例えば、160/50°)まで、トルクの関数として、徐々に増大させられている。ひとたびそのCB/AA閾値に到達したら、速度−トルクプロファイルは、閾値に対応したCB/AAにおいて動作する正常な速度−トルクプロファイル(例えば、160/50°において動作するプロファイル264)の湾曲したプロファイル282に追随している。換言すれば、160/50°のCB/AAにおける速度−トルク曲線は、この例においては25000RPMである工具の最大速度未満において「留め(clipped)」られる。
この改善された速度−トルクプロファイルによる工具の性能は、いくつかの観点において改善されている。第1に、これは、効率が、大きなCB/AAにおける動作において最も不利益を被る例示的な実施形態において、低トルクレンジにおいて、特に、0.5N.m.未満の非常に小さなトルクにおいて、モーターを、例えば、160/50°などの大きなCB/AAレベルにおいて動作させることを回避している(上述の図13Eを参照されたい)。これは、モーター効率を低トルクレンジにおいて劇的に増大させる。また、これは、動作トルクの幅広の範囲(例示的な実施形態においては、0〜1.2N.m.)において、工具を最大速度において動作させる能力をユーザーに対して付与することになり、これは、ユーザーにとって有益である。更には、工具は、上述の図13D及び図13Eを参照して説明したように、ユーザーが一般に予想している中間及び高トルクレンジにおいて、速度−トルク曲線に従って、但し、より高い電力出力及びより高い効率において、動作する。従って、この構成は、全体的な工具の効率及び電力出力を増大させる。
速度/トルクプロファイルのフラットな部分280において一定速度を維持するべく、制御ユニット208は、上述のように、ベースCB/AA値(例えば、120/30°であり、これは、わずかにゼロよりも高いトルクに対応している)から閾値CB/AA値(例えば、160/50°)まで、トルクの関数として算出又は判定される可変CB/AAにおいてモーターを動作させるように構成されてもよい。一実施形態においては、制御ユニット208は、望ましい一定速度をトルクの関数として実現するべく必要とされるように、一実施形態によれば、CB/AAを算出し、且つ、徐々に増大させるように、ルックアップテーブル又はアルゴリズムを利用してもよい。その後に、制御ユニット208は、一実施形態によれば、CB/AA閾値(例えば、160/50°)に対応した一定CB/AAにおいてモーター動作させるように構成されている。
一代替実施形態によれば、制御ユニット208は、低トルク閾値(例えば、ゼロ又はわずかにゼロを上回っており、これは、例えば、120/30°のCB/AAに対応している)から高トルク閾値(例えば、1.2N.m.であり、これは、例えば、160/50°のCB/AAに対応している)まで、トルクの関数として算出された可変CB/AAにおいてモーターを動作させるように構成されてもよい。この場合にも、制御ユニット208は、一実施形態によれば、望ましい一定速度をトルクの関数として実現するべく必要とされるCB/AAを算出し、且つ、徐々に増大させるように、ルックアップテーブル又はアルゴリズムを利用してもよい。その後に、制御ユニット208は、一実施形態によれば、高トルク閾値に対応した一定のCB/AA(例えば、1.2N.m.に対応した160/50°)においてモーターを動作させるように構成されている。
上述の図13Cを参照して説明したように、速度/トルクプロファイル262、263、264は、非常に小さな速度/非常に大きなトルクレンジ(例えば、7000rpm〜10000rpm及び3N.m.周辺)において収束を開始しており、この時点の後には、CB/AAの増大は、もはや、より良好な速度性能をもたらさない。この時点の後に、速度/トルクプロファイル262(120/30°)は、より高いCB/AAレベルよりも高い速度性能をもたらす。従って、一実施形態によれば、高閾値トルク値(この例においては、例えば、3N.m.)超、又は低閾値速度(例えば、この例においては、約8500rpm)未満においては、速度/トルクプロファイルは、高トルク及び低速度レベルにおいてより高い性能を得るべく、160/50°のCB/AAに対応したプロファイル282から、120/30°のCB/AAに対応した別のプロファイル284に戻ってもよい。制御ユニット208は、この実施形態においては、ひとたび高閾値トルク(又は、低閾値速度)に到達したら、160/50°の高閾値から120/30°にCB/AAを低減するように構成されてもよい。この戻りは、瞬間的に、又は、滑らかな遷移を得るべく徐々に、実行されてもよい。
図13Gは、図13Fの速度−トルクプロファイルに対する更なる改善を示しており、この場合には、低トルクにおいてモーター速度を一定に保持する代わりに、モーター速度は、この場合には例えば、0〜約1.5N.m.である第1トルクレンジ内においては、第1プロファイル286に応じた可変レートにおいて、及び、例えば、1.5N.m.超である第2トルクレンジ内においては、第2プロファイル288に応じた可変レートにおいて、制御されている。一実施形態においては、図13Fの実施形態と同様に、CB/AAは、第1トルクレンジにおいて、そのベース値(例えば、120/30°)から閾値(たとえば、160/50°)までトルクの関数として徐々に増大させられている。ひとたびこのCB/AA閾値に到達したら、速度−トルクプロファイルは、閾値に対応したCB/AAにおいて動作する正常な速度−トルクプロファイル(例えば、160/50°において動作するプロファイル264)の湾曲したプロファイル288に追随している。但し、図13Fの実施形態とは対照的に、CB/AAの増大は、第1トルクレンジ内において、最高定格速度から、例えば、12000rpmなどの第2速度値まで速度を徐々に低減するように設計されている。この構成は、より高いCB/AAレベルへの遷移がより低速のレートにおいて発生することを許容し、これは、第1トルクレンジ内において効率の更なる増大をもたらす。
この実施形態における第1プロファイル286は、線形であるが、効率を増大させるべく、代替的に、任意のその他の非線形のプロファイル、又は、フラット、線形、及び非線形のプロファイルの任意の組合せが、第1トルクレンジ内において利用されうることに留意されたい。例えば、一実施形態においては、第1プロファイル286は、非常に小さなトルクレンジ(例えば、0〜0.5N.m.)の持続時間全体にわたって、プロファイル262に沿った急勾配の部分を含んでもよく(この場合に、CB/AAは、120/30°のレベルにおいて又はその周辺において維持される)、急勾配の部分を第2プロファイル282に接続するフラットな又はセミフラットな部分によって後続される。
本発明の一実施形態によれば、本明細書において記述されている改善された速度−トルクプロファイルは、工具128が、モーター202の動作電圧よりも高い又は低い公称(又は、定格)電圧を有する電源によって電力供給される際に、高効率を有するモーター202の有効性能を最適化するべく、利用されてもよい。具体的には、一実施形態においては、モーターを電源の電圧定格又は公称電圧に従って設定された一定のCB/AAベルにおいて動作させる代わりに、CB/AAは、モーターの効率を最大化させるべく、上述したように変化させられてもよい。具体的には、一実施形態においては、より低定格電圧の電源によって電力供給される際にモーター202の性能を増加させるために、図13Cに示されているトルク−速度プロファイルを取得するべくCB/AAをより高いレベル(例えば、160°/50°)に固定的に設定する代わりに、図13C又は図13Dによるトルク−速度プロファイルを取得するべく、可変CB/AAが部分的に(例えば、低トルクレンジについて)採用されてもよい。
一実施形態においては、制御ユニット208は、電源が、モーター202の動作電圧レンジに対応した公称電圧を有する際に、CB/AAを120°/30°に設定するように構成されてもよいが、より低定格電圧の電源に結合された際には、低トルクのために、上述のように、可変CB/AAを設定するように構成されてもよい。例えば、70V〜90Vの動作電圧レンジを有するモーター202を有する電動工具128においては、制御ユニット208は、72VDC又は90VDC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に設定し、但し、54VDC電源の場合には、例えば、120°/30°から最大で140°/40度などの可変CB/AAに設定するように、構成されてもよい。別の例においては、90V〜132Vの動作電圧レンジを有するモーター202を有する電動工具128においては、制御ユニット208は、120VAC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に設定するように、但し、54VDC電源の場合には、例えば、120°/30°から最大で160°/50°(又は、140°/40°から最大で160°/50°)の可変CB/AAに設定するように、構成されてもよい。
8.増大した効率のための伝導帯及び進み角の最適化
図14Aは、一実施形態による、例えば、約15000rpmの一定中間速度において計測された様々なCB及びAA値に基づいた電動工具128の例示的な最大電力出力等高線図を示している。この中間速度値は、CB/AAレベルに応じて、中間〜高トルク値(例えば、図13Cにおける、CB/AA=120°/30°における約1.5N.m.、CB/AA=140°/40度における約1.85N.m.、及びCB/AA=160°/50°における約2.2N.m.)に対応していることに留意されたい。この図においては、最大電力出力は、(約3500W以上の最大電力出力を表す)ゾーン「a」から(約200W以下の最大電力出力を表す)ゾーン「h」まで徐々に減少している。この例示的な図に基づいて、中間工具速度(及び、中間トルク)における電動工具128の最も大きな最高電力出力値は、約150°〜180°の最適範囲内のCB及び約50°〜70°の最適範囲内のAAにおいて得られうることがわかる。
図14Bは、一実施形態による、同一の速度において計測された様々なCB及びAA値に基づいた電動工具128の例示的な出力効率等高線図を示している。この図においては、算出された効率は、(≧90%の効率を表す)ゾーン「a」から(≦10%の効率を表す)ゾーン「h」まで徐々に減少している。この例示的な図に基づいて、中間工具速度(及び、中間トルク)における電動工具128の最も高い効率は、約120°〜170°の最適範囲内のCB及び約10°〜50°の最適範囲内のAAにおいて得られうることがわかる。
図14Cは、一実施形態による、同一の速度において計測された様々なCB及びAA値に基づいた電動工具128の例示的な組み合わせられた効率及び最大電力出力等高線図を示している。この等高線は、(効率^3)*電力という例示的な関数に基づいて得らたものであり、この場合に、目的は、効率を高いレベルにおいて維持しつつ、電力出力を最大化するというものである。この図における算出された組み合わせられた等高線は、ゾーン「a」からゾーン「l」まで徐々に減少している。この例示的な等高線図に基づいて、中間工具速度(及び、中間トルク)における電動工具128の効率及び電力出力の最大組合せは、ゾーン「a」内において、約40°〜58°の範囲内のAAと組み合わせられた約158°〜172°の範囲内のCBにおいて得られうることがわかる。
この図は、上述のCB及びAAの連携した状態における増大は、速度及び電力性能レベルを増大させるための簡単な方法を提供するが、このような増大は、連携した状態である必要はないことを示している。例えば、160°/50°のCB/AAレベルは、例えば、170°/40°などのゾーン「a」の等高線内に含まれるその他のCB/AAの組合せと実質的に等価な組み合わせられた効率及び最大電力出力性能を提供している。
上述のように、この図において得られる最適なCB/AA等高線(ゾーン「a」)は、例えば、図13Cにおける、約15000rpmなどの一定中間速度、及び、例えば、約2.2N.m.などの一定トルクに対応している。この一定中間速度は、入力電源の定格又は公称電圧に比例している。この特定の例においては、組み合わせられた効率及び最大電力出力等高線図は、120Vの入力電圧において構築されたものである。入力電圧を120V超又は未満に変更することにより、異なる最適なCB及びAA等高線が得られる。
図14Dは、様々な入力電圧レベルに基づいた最適なCB/AA等高線を示す例示的な図を示している。この図に示されているように、最適なCB及びAAは、約200Vの入力電圧レベルにおいては、それぞれ、ほぼ、115°〜135°及び5°〜30°の範囲内であり、約160Vの入力電圧レベルにおいては、それぞれ、ほぼ、140°〜155°及び25°〜40°の範囲内であり、約90Vの入力電圧レベルにおいては、それぞれ、ほぼ、165°〜175°及び60°〜70°の範囲内であり、及び、約72Vの入力電圧レベルにおいては、それぞれ、ほぼ、170°〜178°及び70°〜76°の範囲内である。換言すれば、最適なCB/AA等高線は、入力電圧が200Vから72Vに減少するのに伴って、小さくなっている(従って、より狭い組合せの範囲を提供している)。また、最適なCBレンジ及びAAレンジは、いずれも、入力電圧が減少するのに伴って、増大している。本明細書における等高線は、最適な効率において実質的に等価な最大電力出力のレベルを出力するように最適化されていることに留意されたい。
従って、本発明の一実施形態においては、本明細書において記述されている組み合わせられた効率及び電力等高線は、電源の公称(又は、定格)電圧レベルに基づいて、最適な効率において大きな最大電力出力を有するモーター202の有効性能を最適化するべく、利用されてもよい。具体的には、一実施形態においては、CB/AA値は、AC又はDC電力ライン上において提供される公称電圧とは無関係に、エンドユーザーにとって満足できる方式により、各電圧入力レベルにおいて最適な効率及び電力性能をもたらすように、120V電源によって電力供給される際には、第1レンジ(例えば、158°〜172°の範囲内のCB及び40°〜58°の範囲内のAA)から、但し、90V電源によって電力供給される際には、第2レンジ(例えば、170°〜178°の範囲内のCB及び70°〜76°の範囲内のAA)から、選択されてもよい。
一実施形態においては、制御ユニット208は、電源がモーター202の動作電圧レンジに対応した公称電圧を有している際には、CB/AAを120°/30°に設定するように、但し、より低定格電圧の電源に結合された際には、低トルクのために、上述のように、可変CB/AAを設定するように、構成されてもよい。例えば、70V〜90Vの動作電圧レンジを有するモーター202を有する電動工具128においては、制御ユニット208は、72VDC又は90VDC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に、但し、54VDC電源の場合には、例えば、120°/30°から最大で140°/40°の可変CB/AAに、設定するように構成されてもよい。別の例においては、90V〜132Vの動作電圧レンジを有するモーター202を有する工具128においては、制御ユニット208は、120VAC電源の場合には、CB/AAを120°/30°に、但し、54VDC電源の場合には、例えば、120°/30°から最大で160°/50°(又は、140°/40°から最大で160°/50°)の可変CB/AAに、設定するように構成されてもよい。
9. リンクコンデンサを使用したモーター性能の最適化
図15Aは、一実施形態による負荷印加状態においてモーター制御回路206に供給される整流されたAC波形の例示的な波形図を示している。参照符号240及び242は、コンデンサ224に跨って計測された全波整流されたAC波形(以下においては、「DCバス電圧」と呼称される)を表記している。この図においては、工具は、その工具が取り扱くべく定格設定されている最大負荷状態において動作しているものと仮定されていることに留意されたい。
参照符号240は、負荷印加状態におけるDCバス電圧波形を表記しており、この場合に、コンデンサ224は、例えば、0〜50マイクロFの小さな値を有している。この実施形態においては、DCバスに対するコンデンサ224の効果は、無視可能である。この実施形態においては、負荷印加状態においてDCバスラインからモーター制御回路206に供給される平均電圧は、次式のとおりである。
参照符号204は、負荷印加状態におけるDCバス電圧波形を表記しており、この場合に、コンデンサ224は、例えば、1000マイクロF以上の相対的に大きな値を有している。この実施形態においては、DCバスラインからモーター制御回路206に供給される平均電圧は、直線に接近しており、それは、次式のとおりである。
コンデンサ224のサイズを適切に選択することにより、平均DCバス電圧を望ましいレベルに最適化できることがわかる。従って、約108VDCの公称DC電圧を受け取るように設計されたブラシレスAC/DC電動工具システムの場合には、整流器回路220用の小さなコンデンサ224は、120VACの公称電圧を有するAC電源から、負荷印加状態において108Vの平均電圧を生成する。
図15B〜図15Dは、小さなコンデンサの使用の更に別の利点を強調表示している。図15Bは、一実施形態における、重負荷状態における大きなコンデンサ(例えば、約4000マイクロF)を使用した電圧波形と、関連する電流波形と、を示している。図15Cは、重負荷状態における中間サイズのコンデンサ(例えば、約1000マイクロF)を使用した電圧波形と、関連する電流波形と、を示している。図15Dは、重負荷状態における小さなコンデンサ(例えば、約200マイクロF)を使用した電圧波形と、関連する電流波形と、を示している。
図15Bの例示的な波形図において示されている大きなコンデンサを使用した際には、モーターに供給される電流は、各サイクルの大きな部分にわたって、コンデンサから引き出されている。これは、事実上、電流がAC電源から引き出される各サイクルの部分を縮小させ、その結果、大きな電流スパイクが各サイクルにおいて発生することになる。例えば、AC電源から10Aの一定のRMS電流を得るために、小さな時間ウィンドウ内の電流レベルが実質的に増大する。この増大は、しばしば、大きな電流スパイクをもたらす。このような電流スパイクは、2つの理由から望ましいものではない。第1に、工具の力率が低下し、且つ、AC電流の高調波含有量が高くなる。第2に、AC電源から工具に転送されるエネルギーの所与の量について、電流のRMS値が大きくなる。この構成の実際的な結果は、所与の作業量における電流スパイクを取り扱うために、不必要に大きなAC回路ブレーカが必要とされるというものである。
対照的に、図15Cに示されている中間サイズのコンデンサを使用した際には、電流は、より幅広の時間ウィンドウにおいて、各サイクル内においてAC電源から引き出され、これは、より低い高調波含有量と、より高い力率と、を提供する。同様に、図15Dに示されている小さなコンデンサを使用した際には、コンデンサから引き出される電流は、各サイクル内において非常に小さくなり(ほとんど無視可能である)、AC電源から引き出される電流のためのより大きなウィンドウを提供する。これは、図15C及び図15Dとの比較において、より低い高調波含有量と、格段に高い力率と、を提供する。後述するように(以下の図12を参照されたい)、小さなコンデンサは、より低い平均電圧をモーター制御回路204に提供するが、実際には、より低い高調波含有量及びより高い力率に起因し、小さなコンデンサ224からより高い電力出力を得ることができる。
小さなコンデンサの使用の別の利点は、サイズである。市場において入手可能なコンデンサは、1μF当たりに1cm3の静電容量比率という典型的なサイズを有する。従って、電動工具のサイズ及び用途に応じて、小さなコンデンサ(例えば、10〜200μF)を電動工具ハウジング内にフィットすることが実際的であり、より大きなコンデンサの使用は、人間工学の観点から、課題を生成しうる。例えば、1000μFコンデンサのサイズは、約1000cm3である。大きなコンデンサを必要としている従来の電動工具用途は、典型的には、コンデンサを収容するための外部アダプタを使用している。本発明の実施形態においては、コンデンサ224は、例えば、工具のハンドル内などのように、工具ハウジング内において配設されるべく、十分に小さい。
本発明の一実施形態によれば、本発明の電動工具128は、例えば、120VのDC電圧出力を有するDC出力電力ラインを有する溶接機などのDC発電機などのDC電源によって電力供給されてもよい。約0〜50マイクロFの小さなコンデンサ224の値を使用することにより、電動工具128は、108Vの平均電圧を有する120VAC商用電源から引き出されるものよりも高い最大電力出力を、120Vの平均電圧を有するDC電源から提供することができる。上述のように、0〜50マイクロFの小さなコンデンサを使用することにより、120VAC商用電源から得られるDCバス電圧は、約108Vの平均値において留まる。例示的な電動工具は、108VDCバスから、約1600Wの最大コールド電力出力を提供しうる。対照的に、同一の電動工具は、電力が120VDC電源によって供給される際には、DCバスから、2200W超の最大コールド電力出力を提供する。この改善は、(電圧比^3、即ち、(120/108)^3に対応した)2200/1600=1.37の比率を表している。
本発明の一実施形態によれば、コンデンサ224の値を調節することにより、AC及びDC電源から、同等な電力出力を提供することができる。図15Eは、電力出力/静電容量と、平均DCバス電圧/静電容量波形と、を示す例示的な組み合わせられた図を示している。この図のx軸は、0〜1000μFの変化するコンデンサ値を示している。Y軸は、それぞれ、0〜2500Wの範囲の電動工具の最大電力ワット出力(W)と、破線によって表された100〜180Vの範囲の平均DCバス電圧(V)と、を表している。3つのRMS電流値は、AC電源の定格RMS電流を表している。例えば、米国においては、壁面ソケットは、15AのRMS電流回路ブレーカによって保護されうる。この例においては、電動工具は、その最大電流定格に近接した状態で、重負荷状態において動作しているものと仮定されている。
この図に示されているように、10AのRMS電流電源によって電力供給されるように構成された電動工具(即ち、約10AのRMS電流の電流定格を有する工具又は10AのRMS電流の電流定格を有する電源)の場合には、重負荷状態における平均DCバス電圧は、0〜200μFのコンデンサレンジの場合には、約108〜118Vの範囲内、200〜400μFのコンデンサレンジの場合には、約118〜133Vの範囲内、400〜600μFのコンデンサレンジの場合には、約133〜144Vの範囲内、などである。
同様に、15AのRMS電流電源によって電力供給されるように構成された電動工具(即ち、約15AのRMS電流の電流定格を有する工具又は15AのRMS電流の電流定格を有する電源)の場合には、重負荷状態における平均DCバス電圧は、0〜200μFのコンデンサレンジの場合には、約108〜112Vの範囲内、200〜400μFのコンデンサレンジの場合には、約112〜123Vの範囲内、400〜600μFのコンデンサレンジの場合には、約123〜133Vの範囲内、などである。
同様に、20AのRMS電流電源によって電力供給されるように構成された電動工具(即ち、約20AのRMS電流の電流定格を有する工具又は20AのRMS電流の電流定格を有する電源)の場合には、重負荷状態における平均DCバス電圧は、0〜200μFのコンデンサレンジの場合には、約108〜110Vの範囲内、200〜400μFのコンデンサレンジの場合には、約110〜117Vの範囲内、400〜600μFのコンデンサレンジの場合には、約117〜124Vの範囲内、などである。
一実施形態においては、DC電源(120VDC)から受け取った公称電圧に同等な平均DCバス電圧をAC商用電源(例えば、108V公称RMS電圧)から提供するべく、コンデンサ値は、電動工具の電流定格及びターゲットDCバス電圧に基づいて調節されてもよい。10AのRMS電流電源によって電力供給される工具(即ち、約10AのRMS電流の電流定格を有する工具、又は10AのRMS電流の電流定格を有する電源によって電力供給されるように構成された工具)の場合には、AC商用電源から約120Vの平均DCバス電圧を提供するべく、例えば、約230μFのコンデンサ値が使用されてもよい。これは、電動工具が、120VDC電源から提供することになるものと実質的に類似した出力レベルを120VAC電源について提供することを可能にする。
同様に、15AのRMS電流電源によって電力供給される工具(即ち、約15AのRMS電流の電流定格を有する工具、又は15AのRMS電流の電流定格を有する電源によって電力供給されるように構成された工具)の場合には、AC商用電源から約120Vの平均DCバス電圧を提供するべく、約350μFのコンデンサ値が使用されてもよい。更に一般的には、コンデンサは、15AのRMS電流電源によって電力供給される工具の場合に、AC商用電源からDCバス上において120Vに実質的に近接した平均電圧を提供するべく、290〜410μFの範囲内の値を有してもよい。これは、電動工具が、120VDC電源から提供することになるものと実質的に類似した出力レベルを120VAC電源について提供することを可能にする。
最後に、20AのRMS電流電源によって電力供給される工具(即ち、約20AのRMS電流の電流定格を有する工具、又は20AのRMS電流の電流定格を有する電源によって電力供給されるように構成された工具)の場合には、AC商用電源から約120Vの平均DCバス電圧を提供するべく、約500μFのコンデンサ値が使用されてもよい。更に一般的には、コンデンサは、20AのRMS電流電源によって電力供給される工具の場合に、AC商用電源からDCバス上において120Vの実質的に近接した平均電圧を提供するべく、430〜570μFの範囲内の値を有してもよい。これは、電動工具が、120VDC電源から提供することになるものと実質的に類似した出力レベルを120VAC電源について提供することを可能にする。
III.変換可能電池パック及び電源インターフェイス
図16は、変換可能電池パック20A4の組の電池パックの例示的な一実施形態を示している。変換可能電池パック20A4の組は、1つ又は複数の電池パックを含んでもよい。低定格電圧電池パック20A1の組の電池パックと同様に、変換可能電池パック20A4の組の各電池パックは、ハウジング338を含む。ハウジング338は、上部部分339と、下部部分340と、を含む。上部部分339は、電動工具に接続するための第1工具インターフェイス341を含む。また、上部部分339は、複数の開口部342を含む。
これらの開口部342は、第1端子ブロック344の複数の端子343(端子の第1の組とも呼称される)に対応している。工具インターフェイス341は、変換可能電池パック20A4が、低定格電圧DC電動工具101A、中間定格電圧DC電動工具10A2、高定格電圧DC電動工具10A3、及びAC/DC電動工具10Bに電気的に及び機械的に接続することを可能にしている。また、低定格電圧電池パック20A1の組と同様に、変換可能電池パック20A4の組の各電池パックは、ハウジング338内において存在する電池330を含む。また、低定格電圧電池パック120Aの組の電池パックと同様に、各電池330は、簡潔さを目的として示されていないその他の要素に加えて、複数の電池セル332を含む。第1端子ブロック344は、複数の端子343と、相対的に固定された位置において端子343を保持するためのプラスチックハウジング145と、を含む。端子343は、電力端子の組(「+」及び「−」)を含み、且つ、複数のセルタップ端子と、少なくとも1つのデータ端子と、を含んでもよい。「+」電力端子を複数の電池セル332の正の側に接続し、且つ、「−」電力端子を複数の電池セル332の負の側に接続する電気的接続が存在している。
変換可能電池パック322Aを工具に接続する際に、「+」及び「−」電力端子は、電動工具の対応した「+」及び「−」電力端子に電気的に結合される。電動工具の「+」及び「−」電力端子は、電力をモーターに供給するべく、電動工具モーターに電気的に接続されている。
低定格電圧電池パック20A1の組の電池パックとは異なり、変換可能電池パック20A4の組の電池パックは、変換可能電池パックである。変換可能電池パックにおいては、電池パックハウジング338内において存在している電池セル330の構成は、電池330を第1電池構成に置く第1セル構成から、電池330を第2電池構成に置く第2セル構成に双方向に変化させられてもよい。第1電池構成においては、電池は、低定格電圧/高容量電池330であり、第2電池構成においては、電池は、中間定格電圧/低容量電池である。換言すれば、変換可能電池パック20A4の組の電池パックは、低定格電圧と中間定格電圧という2つの定格電圧を有する能力を有する。上述のように、低及び中間は、相対的な用語であり、且つ、変換可能電池パックの組の電池パックを特定の電圧に限定することを意図したものではない。意図は、単純に、変換可能電池パック20A4の組の変換可能電池パックが、低定格電圧を有する第1電動工具及び中間定格電圧を有する第2電動工具と共に動作することが可能であり、この場合に、中間は、低よりも単純に大きいことを示すというものである。また、図16の例示的な実施形態においては、上部部分は、第2開口部又はスロット347を含む第2工具インターフェイス346を含む。第2開口部347は、更に詳細に後述する第2端子ブロック348に対応している。
図17は、変換可能電池パック20A4に接続された低定格電圧工具10A1を示している。図示されているように、低定格電圧工具10A1は、コンバータ要素350を含んでおらず、スロット347は、空いた状態に留まっている。この図示の実施形態においては、低定格電圧工具は、スロット347が、要素に露出した状態において留まることを許容している。代替実施形態においては、低定格電圧工具は、要素から保護するべく、スロット347をカバーするプラスチック部分を含んでもよい。
図18は、変換可能電池パック20A4に接続された中間定格電圧工具10A2を示している。変換可能パック20A4は、類似の方式により、高定格電圧電動工具10A3、10Bに接続する。
図19aは、電池パック20A1又は20A4から低定格電圧工具10A1に電力を提供するべく、第1電池端子ブロック344と係合する複数の端子352を含む工具端子ブロック351を含む工具の電池インターフェイスを示す低定格電圧工具10A1の足部の部分切欠き図を示している。
図19bは、電池パック322Aから中間定格電圧工具10A2に電力を供給するべく、第1電池端子ブロック344に係合する複数の端子352を含む工具端子ブロック351を含む工具の電池インターフェイスを示す中間定格電圧工具100Bの足部の部分切欠き図を示している。また、図18bは、中間定格電圧工具10A2のコンバータ要素350を示している。この例示的な実施形態においては、コンバータ要素350は、工具端子ブロック351の下方において位置している。コンバータ要素350は、工具の足部の壁に接続され、且つ、電池パック322Aを受け入れる工具の側部に向かって延在している。高定格電圧電動工具及び極高定格電圧電動工具は、類似の電池インターフェイス、工具端子ブロック、及び端子を含むことになる。
図20は、工具の電池インターフェイスが電池の工具インターフェイスと係合される中間定格電圧工具10A2の足部の部分切欠き図を示している。この図からは観察できないが、コンバータ要素350は、電池のスロット347内において受け入れられている。
図21は、変換可能電池パック20A4の組の電池330の例示的な電池セル構成を示している。標準セル構成は、詳細に後述するコンバータ要素が電池パックに挿入されていない際の電池セルの構成である。この例示的な実施形態においては、標準セル構成は、図20の水平方向矢印の左側の構成である。変換可能電池パックの代替実施形態においては、標準セル構成は、水平方向矢印の右側のセル構成であってもよいであろう。これらの例は、変換可能電池パック20A4の組の電池の可能なセル構成を限定することを意図したものではない。
図21aに示されているように、第1の例示的な電池330は、2つのセル332を含む。この例においては、各セル332は、4Vの電圧と、1.5Ahの容量と、を有する。標準構成においては、1つのセル332の2つのサブセットが存在している。2つのサブセットは、並列状態において接続されており、これにより、4Vの電池電圧と、3Ahの容量と、を提供する。図21bに示されているように、第2の例示的な電池は、3つのセル332を含む。この例においては、各セル332は、4Vの電圧と、1.5Ahの容量と、を有する。標準構成においては、1つのセル332の3つのサブセットが存在している。サブセット334は、並列状態において接続されており、これにより、4Vの電圧と、4.5Ahの容量と、を提供する。図21cに示されているように、第3の例示的な電池330は、10個のセル332を含む。この例においては、各セル332は、4Vの電圧と、1.5Ahの容量と、を有する。標準構成においては、5つのセルの2つのサブセット334が存在している。セルの各サブセットのセルは、直列状態において接続され、且つ、セルのサブセットは、並列状態において接続されており、これにより、20Vの電池電圧と、3Ahの容量と、を提供する。図21dに示されているように、第4の例示的なパックは、15個のセルを含む。この例においては、各セルは、4Vの電圧と、1.5Ahの容量と、を有する。標準構成においては、5個のセルの3つのサブセットが存在している。セルの各サブセットのセルは、直列状態において接続され、且つ、セルのサブセットは、並列状態において接続されており、これにより、20Vの電池電圧と、4.5Ahの容量と、を提供する。図21eは、電池パックの第2の組の電池のセル構成の一般化を示している。一般に、電池は、電池内のM×N個のセルの合計の場合に、セルのN個のサブセットと、各サブセット内においてM個のセルと、を含んでもよい。各セルは、Xボルトの電圧と、YAhの容量と、を有する。この結果、電池は、各サブセットのM個のセルが直列状態において接続され、且つ、N個のサブセットが並列状態において接続される標準構成を有することになる。この結果、標準構成は、X×Mボルトの電池電圧と、Y×Nアンペア−時の容量と、を提供する。
上述のように、変換可能電池パック322Aの組内の各電池パックは、第2工具インターフェイス346と、第2端子ブロック348と、を含む。図16及び図22は、第2工具インターフェイス346を示している。第2工具インターフェイス346は、詳細に後述するコンバータ要素350を受け入れるためのスロット347を含む。スロット347は、第1工具インターフェイス及び第1端子ブロックと同様に、電動工具に結合される電池パック20A4の一端に対して開放状態で位置する。
図示の例示的な実施形態においては、変換可能電池パック20A4の組の電池パックの各電池330は、スイッチングネットワーク353を含む。これに加えて、各電池330は、第2端子ブロック348を含む。図示の例示的な実施形態においては、端子ブロック348は、端子の第2の組とも呼称される、第2の複数の端子349を含む。この実施形態においては、端子349の第2の組は、スイッチングネットワーク353として機能するように構成されている。その他の実施形態においては、スイッチは、単極単投式スイッチなどのその他のタイプの機械的なスイッチ又はトランジスタなどの電子的なスイッチであってもよく、且つ、電池パックのその他の部分内において、又は工具内において、又は、工具と電池パックの両方の組合せの内部において、配置されてもよい。一代替実施形態においては、端子の第1の組及び端子の第2の組は、単一の端子ブロック内において収容されてもよい。
図22、図23、図24を参照すれば、変換可能電池パック20A4及び変換可能電池パック20A4の組の電池330の例示的な一実施形態が示されている。この例示的な電池330は、10個のセルを有し、且つ、図21cに示されている標準構成を有する。電池330は、接続された電動工具に電力を提供するための+及び−端子343を含む第1端子ブロック344を含む。+端子343は、ノードAに接続されている。ノードAは、電池セル332の第1サブセットの正の端子である。−端子343は、ノードDに接続されている。ノードDは、電池セル332の最後のサブセットの負の端子である。また、電池330は、4つの端子を(この実施形態においては、端子349の第2の組を)含む第2端子ブロック348を含んでもよい。ノードAに結合されたA端子349と、ノードBに結合されたB端子349と、ノードCに結合されたC端子349と、ノードDに結合されたD端子349と、が存在している。この例示的な実施形態においては、C端子349は、A端子349の上方において位置しており、B端子349は、D端子349の上方において位置している。
図24は、複数の構成における変換可能電池パック20A4の部分概略/部分ブロック図を示している。図24は、各サブセット334内において単一のセル332のみを示しているが、サブセット334内には、任意の数のセル332が存在しうるであろう。更に詳しくは、正のノードA、Cと、対応した負のノードB、Dと、の間におけるサブセット344内のセル332の数は、1以上の任意の数であってもよいであろう。この電池330の例においては、ノードAとノードBとの間におけるサブセット334内には、5つのセル332が存在しており、ノードCとノードDとの間におけるサブセット334内には、5つのセルが存在している。第2端子ブロック348内の端子349の数は、セル332のサブセット334の数に関係付けられている。この例示的な電池においては、端子の第2の組は、4つの端子349を含む。図24に示されているように、A端子349は、ノードAに対応しており、且つ、ノードAに電気的に結合され、B端子349は、ノードBに対応しており、且つ、ノードBに電気的に結合され、C端子349は、ノードCに対応しており、且つ、ノードCに電気的に結合され、D端子349は、ノードDに対応しており、且つ、ノードDに電気的に結合されている。
図23a及び図24aを参照すれば、標準構成においては(コンバータ要素350がスロット347内において位置していない際には)、A及びC端子349は、互いに電気的に結合されており、B及びD端子349は、互いに電気的に結合されている。互いに電気的に結合されたA及びC端子349を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ1を形成している。互いに電気的に結合されたB及びD端子349を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ2を形成している。B及びC端子349は、互いに結合されていないことから、これは、事実上、開路されたスイッチ3を形成している。図21c(矢印の左側)においても示されているこの構成においては、電池パック20A4は、その低定格電圧/高容量構成にある。
図22、図23、及び図24に示されているように、システムは、コンバータ要素350を含む。図22及び図23においては、コンバータ要素350は、(いずれの工具にも装着されていない)独立型要素として示されている。コンバータ要素350は、図19b及び図24に示されているように、独立型要素であってもよく、又は、電動工具に固定的に接続されてもよい。図19b及び図24に示されているように、コンバータ要素は、工具(工具の第2の組、第3の組、又は第4の組の工具のうちの1つ)内において収容されてもよい。図22は、その独立型実施形態におけるコンバータ要素350を示しているが、以下は、工具内型実施形態に対しても同様に適用される。コンバータ要素350は、プラスチック又はその他の電気絶縁材料のベース部分354を含む。ベース部分354の上部表面に装着されているのは、以下においてジャンパ355と呼称される銅などの導電性材料である。ベース部分354は、リーディングエッジ356を含む。リーディングエッジ356は、コンバータ要素350がスロット347に挿入された際に、最初に端子349の第2の組の端子に係合するコンバータ要素350のエッジである。
図23において示されているように、コンバータ要素350がスロット347に挿入されるのに伴って、リーディングエッジ356は、端子349の第2の組のすべての端子に係合する。図23b及び図24bに示されているように、これが発生するのに伴って、A端子349は、C端子349から分離され、これにより、スイッチ1を開路し、B端子349がD端子349から分離され、これにより、スイッチ2を開路する。この構成は、電池セル322のサブセット334を開路構成に置く。第1セル構成(並列状態)から第2構成(直列状態)に双方向にスイッチングする際には、セルがさもなければ短絡状態に置かれることになることから、一般的には、第3開路構成(又は、開路状態)に入ることが非常に望ましい。
セルを短絡状態に置くことは、深刻な有害な影響を電池に対して及ぼしうるであろう。例えば、セルのすべて又はいくつかが短絡状態において配置された場合には、大量の危険な放電が発生しうるであろう。
図23c及び図24cに示されているように、コンバータ要素350がスロット347に更に挿入されるのに伴って、C及びB端子349は、ジャンパ355に係合する。これは、B及びC端子349を電気的に結合し、ノードB及びCを接続し、事実上、スイッチ3を閉路する。これは、サブセット334を、(図21cの矢印の右側に示されている)直列構成に置き、電池パック20A4を中間定格電圧/低容量構成に置く。明確にするべく、(ジャンパ355に装着された面とは反対である)コンバータ要素350のベース部分の裏面は、絶縁表面であり、従って、A端子349は、C端子349から電気的に絶縁され(これにより、事実上、スイッチ1が開路状態において維持され)、B端子349は、D端子349から電気的に絶縁される(これにより、事実上、スイッチ2が開路状態において維持される)。
図21eを参照すれば、コンバータ要素350のスロット347内への挿入の際に、変換可能電池パック20A4の組の電池パックは、その低定格電圧/高容量構成からその中間定格電圧/低容量構成に変換されることになる。中間定格電圧/低容量構成においては、変換可能電池パック20A4は、X×M×Nボルトの定格電圧と、Yアンペア−時の容量と、を有することになる。
図25、図26、及び図27を参照すれば、変換可能電池パック20A4及び変換可能電池パック20A4の組の電池330の別の例示的な実施形態が示されている。この例示的な電池330は、15個のセルを有し、且つ、図21dに示されている標準構成を有する。電池330は、接続された電動工具に電力を提供するための+及び−端子343を含む第1端子ブロック344を含む。+端子343は、ノードAに接続されている。ノードAは、電池セル332の第1サブセットの正の端子である。−端子343は、ノードFに接続されている。ノードFは、電池セル332の最後のサブセットの負の端子である。また、電池330は、この実施形態においては、端子349の第2の組である―6つの端子を含む第2端子ブロック348を含んでもよい。ノードAに結合されたA端子349と、ノードBに結合されたB端子349と、ノードCに結合されたC端子349と、ノードDに結合されたD端子349と、ノードEに結合されたE端子349と、ノードFに結合されたF端子349と、が存在している。この例示的な実施形態においては、C及びE端子349は、A端子349の上方において位置しており、B及びD端子349は、F端子349の上方において位置している。
図27は、複数の構成における電池パック20A4の部分概略/部分ブロック図を示している。図27は、各サブセット334内において単一のセル332のみを示しているが、サブセット334内には、任意の数のセル332が存在しうるであろう。更に詳しくは、正のノードA、C、Eと、対応した負のノードB、D、Fと、の間におけるサブセット334内のセル332の数は、1以上の任意の数であってもよいであろう。この電池330の例においては、ノードAとノードBとの間におけるサブセット334内には、5つのセル332が存在しており、ノードCとノードDとの間におけるサブセット334内には、5つのセル332が存在しており、ノードEとノードFとの間におけるサブセット334内には、5つのセルが存在している。第2端子ブロック348内の端子349の数は、セル332のサブセット334の数と関係付けられている。この例示的な電池においては、端子の第2の組は、6つの端子349を含む。図27に示されているように、A端子349は、ノードAに対応し、且つ、ノードAに電気的に結合されており、B端子349は、ノードBに対応し、且つ、ノードBに電気的に結合されており、C端子349は、ノードCに対応し、且つ、ノードCに電気的に結合されており、D端子349は、ノードDに対応し、且つ、ノードDに電気的に結合されており、E端子349は、ノードEに対応し、且つ、ノードEに電気的に結合されており、F端子349は、ノードFに対応し、且つ、ノードFに電気的に結合されている。
図26a及び図27aを参照すれば、標準構成においては(コンバータ要素350がスロット347内において位置していない際には)、A、C、及びE端子349は、互いに電気的に結合されており、B、D、F端子349は、互いに電気的に結合されている。互いに電気的に結合されたA及びC端子349を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ1を形成しており、(A端子349を通じて)互いに電気的に結合されたC及びE端子349を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ4を形成している。(F端子349を通じて)互いに電気的に結合されたB及びD端子を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ2を形成しており、互いに電気的に結合されたD及びF端子349を有することにより、これは、事実上、閉路されたスイッチ5を形成している。B及びC端子349は、互いに結合されていないことから、これは、事実上、開路したスイッチ3を形成しており、D及びE端子349は、互いに結合されていないことから、これは、開路されたスイッチ6を形成している。図21d(矢印の左側)にも示されているこの構成においては、変換可能電池パック20A4は、その低定格電圧/高容量構成にある。
図25、図26、及び図27に示されているように、システムは、コンバータ要素350を含む。図25及び図26においては、コンバータ要素350は、独立型要素として示されている(いずれの工具にも装着されていない)。コンバータ要素350は、図19b及び図27に示されているように、独立型要素であってもよく、又は、電動工具に固定的に接続されていてもよい。図19b及び27に示されているように、コンバータ要素350は、工具(工具の第2組、第3組、及び第4組の工具のそれぞれ)内において収容されてもよい。図25及び図26は、その独立型実施形態においてコンバータ要素を示しているが、以下は、工具内型実施形態に対しても同様に適用される。コンバータ要素350は、プラスチック又はその他の電気絶縁性材料のベース部分354を含む。ベース部分354の上部表面に装着されているのは、以下においてジャンパ355と呼称される、銅などの導電性材料である。この実施形態においては、2つのジャンパ355が存在している。ベース部分354は、リーディングエッジ356を含む。リーディングエッジ356は、コンバータ要素350がスロット347に挿入された際に、最初に端子349の第2の組の端子に係合するコンバータ要素350のエッジである。図26aに示されているように、コンバータ要素350がスロット347に挿入されるのに伴って、リーディングエッジ356は、端子349の第2の組の端子の全てに係合する。図26b及び図27bに示されているように、これが発生するのに伴って、A端子349は、C及びE端子349から分離され、これにより、スイッチ1及び4を開路し、F端子349は、B及びD端子349から分離され、これにより、スイッチ2及び5を開路する。この構成は、サブセット334のセル332を開路構成に置き、これは、上述の利点を有する。
図26c及び図27cに示されているように、コンバータ要素350がスロット347に更に挿入されるのに伴って、C及びB端子349は、第1ジャンパ355に係合する。これは、B及びC端子349を電気的に結合し、ノードB及びCを接続し、スイッチ3を事実上閉路する。同時に、D及びE端子349は、第2ジャンパ355に係合する。これは、D及びE端子349を電気的に結合し、ノードD及びEを接続し、スイッチ6を事実上閉路する。これは、セル332のサブセット334を、直列構成(図22dの矢印の右側に示されている)に置き、且つ、電池パックを、中間定格電圧/低容量構成に置く。明確にするべく、(ジャンパ355に装着された面とは反対である)コンバータ要素350のベース部分の裏面は、絶縁表面であり、従って、A端子349は、C及びE端子349から電気的に絶縁され(これにより、事実上、スイッチ1及び4が開路状態において維持され、且つ、F端子349は、B及びD端子349から電気的に絶縁され)、これにより、事実上、スイッチ2及び5が開路状態において維持される。
電池パック充電器30は、低定格電圧電池パック20A1の組及び変換可能電池パック20A4の組の両方の電池パックに機械的且つ電気的に接続することができる。電池パック充電器30は、低定格電圧電池パック20A1の組及び変換可能電池パック20A4の組の両方の電池パックを充電することができる。低定格電圧電池パック20A1及び変換可能電池パック20A4の両方の電池パックが、電池パックを低定格電圧DC電動工具に接続するための同一の工具インターフェイス16Aを有していることに伴って、低定格電圧電池パック20A1の組及び変換可能電池パック20A4の組の両方の電池パックは、両方とも、低定格電圧DC電動工具10A1の電池インターフェイス16Aとほぼ同一である電池インターフェイス16Aを含む低定格電圧電池充電器30と相互作用することになる。
図20bを参照すれば、一代替実施形態においては、コンバータ要素350は、変換可能電池パック20A4の一部分として実施されてもよい。図20cを参照すれば、別の代替実施形態においては、コンバータ要素350は、変換中間定格電圧DC電動工具10A2の一部分として実施されてもよい。同様に、コンバータ要素350は、変換高定格電圧DC電動工具10A3及び変換AC/DC電動工具10Bの一部分として実施されてもよい。図20dを参照すれば、更に別の代替実施形態においては、コンバータ要素350は、変換可能電池パック20A4、中間定格電圧DC電動工具10A2、又はこれらの両方と相互作用しうる別個の構成要素として実施されてもよい。同様に、コンバータ要素350は、高定格電圧DC電動工具10A3及びAC/DC電動工具10Bと相互作用しうる別個の構成要素として実施されてもよい。
図3bを参照すれば、低定格電圧/中間定格電圧DC電動工具10A2(例えば、60VDC電動工具)は、代替的に、コンバータ要素350を伴って又は伴うことなしに、低定格電圧電池パック20A1(例えば、20V電池パック)、中間定格電圧電池パック20A2(例えば、60V電池パック)、及び/又は変換可能低定格電圧/中間定格電圧電池パック20A4によって電力供給される能力を有する(コンバータ要素350を有する変換可能電池パック20A4及び工具10の例においては、工具は、変換工具10と見なされることになろう)。一代替実施形態においては、低定格電圧/中間定格電圧DC電動工具10A2は、このような直列接続された低定格電圧電池パック20A1のペアによって動作してもよい。例えば、2つの20V電池パック20A1を直列状態に置くことは、40VDCの組み合わせられた定格電圧を生成する。低定格電圧電池パック20A1又は低定格電圧構成における変換可能低定格電圧/中間定格電圧電池パック20A4は、中間定格電圧DC電動工具10A2が定格設定されている60V中間定格電圧電池パック20A2と等価な電力出力を提供することができないであろう。低定格電圧/中間定格電圧DC電動工具10A2(例えば、20V/60V又は40V/60Vにおいて定格設定されている)内のモーター12Aが、低定格電圧電池パック20A1(例えば、20V又は40Vの電圧を生成する)と共に動作するために、低定格電圧/中間定格電圧DC電動工具10A2は、本出願において更に詳細に記述するように、電池定格電圧に基づいてモーター性能を最適化するように構成されたモーター制御回路14Aを含む。
図3cを参照すれば、中間定格電圧/高定格電圧電動工具10A3は、代替的に、中間定格電圧電池パック20A2(例えば、20V、30V、又は40V電池パックのペア又は単一の40V、60V、又は90V電池パック)によって電力供給されてもよい。例えば、中間定格電圧/高定格電圧DC電動工具10A3は、80Vの組み合わせられた定格電圧を生成するべく直列状態において接続された40V電池のペアを使用して動作してもよい。高定格電圧DC電動工具10A3(上述のように、例えば、120Vのより高い電力及び電圧定格において動作するように最適化されている)内のモーター12Aが、中間定格電圧電池パック20A2と共に動作するために、高定格電圧DC電動工具10A3は、電池入力電圧に基づいてモーター性能を最適化するように構成された(上述のモーター制御回路14Aと類似した)モーター制御回路14Aを含む。
図28を参照すれば、代替変換可能電池パック20A4’と、中間定格電圧DC電動工具10A2’又は高定格電圧DC電動工具10A3’又はAC/DC電動工具10B’からの工具のうちの一選択肢と、を含むシステムの一代替実施形態は、代替スイッチングネットワークを含んでもよい。代替スイッチングネットワークは、部分的に電池パック20A4’内に存在してもよく、且つ、部分的に工具10A2’、10A3’、10B’内に存在してもよい。図28aに示されているように、電池パック20A4’は、電池330に類似した電池330’を含む。但し、電池330’は、2つのスイッチ1、2を含む。これらは、並列スイッチである。上述の電池330と同様に、スイッチ1、2が閉路された際には、代替電池330’のセル332は、並列構成にあり、これにより、低定格電圧/高定格容量電池パック20A4’を提供する。第2端子ブロックは、B端子349と、C端子349と、を含む。図28b及び図28cに示されているように、電動工具10A2’、10A3’、10B’は、スイッチ3を含む。図28bに示されているように、電動工具10A2’、10A3’、10B’は、電池パック20A4’に結合されており、工具スイッチ3は、開路状態にあり、電池スイッチ1、2は、閉路状態にある。従って、電池パック20A4’は、低定格電圧構成にある。図28cに示されているように、電動工具10A2’、10A3’、10B’は、電池パック20A4’に結合され、工具スイッチ3は、閉路状態にあり、電池スイッチ1、2は、開路状態にある。従って、電池パック20A4’は、中間定格電圧構成にある。図3bに関して上述した実施形態と同様に、電動工具10A2’、10A3’、10B’は、(低定格電圧電池パックと組み合わせられた際には)低定格電圧DC電動工具として、又は、(中間定格電圧電池パックと組み合わせられた際には)中間定格電圧DC電動工具として、動作することができる。工具スイッチ3は、例えば、トランジスタであってもよい。工具スイッチ3は、工具10A2’、10A3’、10B’上の工具トリガ又は別個のユーザー制御スイッチによって制御されてもよい。
図29を参照すれば、代替変換可能パック20A4’’と、中間定格電圧DC電動工具10A2’’又は高定格電圧DC電動工具10A3’’又はAC/DC電動工具10B’’からの工具の一選択肢と、を含むシステムの別の代替実施形態は、図28に関して上述したものに類似した代替スイッチングネットワークを含んでもよい。この実施形態においては、電池330’’は、セルの3つのサブセットと、4つの電池スイッチ1、2、4、5と、を含み、工具は、2つのスイッチ3、6を含む。
図30及び図31を参照すれば、コンバータ要素330’’及びスイッチネットワークは、スイッチとしてのトランジスタと、コントローラ362と、を使用して実施されてもよい。また、図29を参照すれば、工具上の制御スイッチが、低定格電圧/高容量構成と中間定格電圧/低容量構成との間における双方向の変換可能電池パック20A4の変換を制御している別の実施形態が示されている。変換可能電池パック20A4は、上述のように、複数のセルと、スイッチネットワーク361と、コントローラ362と、を含む。コントローラ362は、スイッチネットワーク361に結合されており、スイッチネットワーク361は、電池セルに結合されている。スイッチネットワーク361は、トランジスタを使用して実施されているが、図24及び/又は図27に関して上述したスイッチネットワークと等価である。また、変換可能電池パック20A4は、第1端子ブロック363と、第2端子ブロック364と、を含む。第1電池端子ブロック363は、電力を電動工具10に提供するべく、複数のセルに接続されている。第2電池端子ブロック364は、工具10から制御信号を受け取るべくコントローラ362に接続されている。工具10は、変換可能電池パック20A4から電力を受け取るべくモーター12に接続されており且つ第1電池端子ブロック363に結合可能な、第1端子ブロック365を含む。また、工具10は、制御スイッチ360に接続されており且つ第2電池端子ブロック364に接続可能な、第2端子ブロック366を含む。変換可能電池パック20A4が工具10に接続された際に、第1電池端子ブロック363は、第1工具端子ブロック365に電気的に接続し、第2電池端子ブロック364は、第2工具端子ブロック366に電気的に接続する。従って、工具制御スイッチ360は、信号をコントローラ362に送信し、これにより、低定格電圧/高容量パック構成を提供する第1構成又は中間定格電圧/低容量パック構成を提供する第2構成に電池セルを置くべく、スイッチネットワーク361を管理するように、コントローラを管理することができる。工具制御スイッチ360は、任意のタイプの2位置スイッチであってもよい。第1及び第2電池端子ブロック363、364は、単一の端子ブロックとして実施されてもよい。また、第1及び第2工具端子ブロック364、366も、単一の端子ブロックとして実施されてもよい。
図31を参照すれば、制御スイッチ360’が、電動工具10の代わりに、変換可能電池パック20A4の一部分であることを除いて、図30の実施形態に類似した別の実施形態が示されている。従って、変換可能電池パック20A4も、電動工具10も、第2端子ブロックを必要としていない。
高定格電圧工具は、高定格電圧充電式電池パックを受け入れ、且つ、これを使用して動作しうるのみならず、高定格電圧工具は、高定格電圧電池パックを充電する能力を有する電池充電器を内蔵してもよい。電池充電器は、電動工具が電池パックを放電しているかどうかとは無関係に、高定格電圧電池パックを充電しうる。
図32a、図32b、及び図32cは、変換可能電池パック20A4の代替セル構成を示している。
図1を参照すれば、高定格電圧電動工具の組は、1つ又は複数の異なるタイプの高電力AC/DC(即ち、コード付き/コードレス)電動工具10Bを含んでもよい。低定格電圧電動工具10A1及び中間定格電圧電動工具10A2とは異なり、高定格電圧AC/DC電動工具10Bは、代替的に、AC定格電圧AC電源20B(例えば、米国、カナダ、メキシコ、日本などの国々においては、AC電源コードを介して供給される100VAC〜130VAC商用AC電力)又はDC電源20Aのうちの1つ又は複数(例えば、取外し可能且つ充電式の電池パックから供給される)によって電力供給されてもよい。
極高定格電圧電動工具の組は、1つ又は複数の異なるタイプのAC/DC又はコード付き/コードレス電動工具を含みうる。高定格電圧AC/DC電動工具10Bと同様に、極高定格電圧AC/DC電動工具は、代替的に、極高定格AC電源20B(例えば、欧州、南米、アジア、及びアフリカなどの大部分の国々おいては、AC電源コードを介して供給される200VAC〜240VAC商用電源AC電力)又は極高電圧定格を協働して有するDC電源20Aのうちの1つ又は複数(例えば、取外し可能且つ充電式の電池パックから供給される)によって電力供給されてもよい。換言すれば、極高定格電圧電動工具は、極高定格電圧AC又はDC電源を使用して動作するように設計されている。
また、中間定格電圧DC電動工具10A2の組が中間定格電圧電池パック20A2によって電力供給されるように構成されている場合に、電池パックインターフェイス16Aが適切に構成されているときには、中間定格電圧DC電動工具10A2は、その中間定格電圧構成に置かれた変換可能電池パック20A4により、又は、合計中間定格電圧を有するように直列状態において互いに接続された複数の低定格電圧電池パック20A1により、電力供給されてもよい。例えば、20Vの定格電圧を有する低定格電圧DC電動工具10A1は、20V電池パック20A1又は20Vのその低定格電圧構成に置かれた変換可能電池パック20A4によって電力供給されてもよい。
60Vの定格電圧を有する中間定格電圧DC電動工具10A2は、60V中間定格電圧電池パック20A2により、又は、電池パックインターフェイス16Aが適切に構成されている場合には、60Vのその中間定格電圧構成において構成された変換可能電パック20A4により、又は、電池パックインターフェイス16Aが適切に構成されている場合には、60Vの合計定格電圧を有するように直列状態において接続された3つの20V低定格電池パックにより、電力供給されてもよい。
図33は、本発明の電動工具システムの例示的な一代替実施形態を示している。この実施形態の電動工具システムは、上述のように、電動工具10A3、10Bの組のうちの1つ又は複数を含んでもよい。また、この実施形態の電動工具システムは、上述のように、2つの変換可能電池パック20A4を含んでもよい。また、この実施形態の電動工具システムは、コンバータボックス394を含んでもよい。コンバータボックス394は、電池パックコンセント396のペアを含んでもよい。電池パックコンセント396は、それぞれ、1つの変換可能電池パック20A4を受け入れる。また、この実施形態の電動工具システムは、コンバータ要素350のペアを含んでもよい。コンバータ要素350は、独立型装置であってもよく、又は、電池パック20A4の一部分として含まれてもよく、又は、コンバータボックス396の一部分として含まれてもよい。コンバータ要素350の実施形態とは無関係に、変換可能電池パック20A4が電池パックコンセント396内において存在している際には、パックは、その中間定格電圧/低容量構成にある(例えば、各20V/60V電池パック20A4は、60V構成にある)。コンバータボックス394は、2つの電池パック20A4を直列状態の組合せ構成に置き、これにより、高定格電圧コンバータボックス396を提供する(例えば、2つの60V電池パックが、120VDC出力を提供するべく、直列状態において接続される)。AC/DC電動工具122、126、128と関連したコードセットを使用することにより、これらのAC/DC電動工具のいずれかは、充電式DC電池電源を使用して高定格電圧において動作するように、コンバータボックス396内にプラグ結合されてもよい。代替的に、同一のコードセットを使用することにより、これらのAC/DC電動工具は、高定格電圧AC電源20B内にプラグ結合されてもよい。この実施形態においては、AC/DC電動工具122、126、128は、コンバータ要素350を内蔵することなしに、任意の適切な充電式DC電池パック電源20Aを利用しうる。
図34及び図35は、変換可能電池パック20A4の例示的な一代替実施形態を示している。電池パックは、ハウジング412を含む。ハウジングは、例えば、ハウジングを形成するべく1つに結合される上部部分及び下部部分、又は、ハウジングを形成するべく1つに結合される2つの側部部分などのように、ハウジングを生成するための代替構成を含みうる。構造とは無関係に、ハウジングは、内部空洞414を形成することになる。本発明は、ハウジングを形成するためのその他の構成を想定しており、且つ、包含している。ハウジング412は、例えば、電動工具20又は電池充電器30などの電気装置の対応した電池パックインターフェイス418と機械的に結合するべく、電動工具インターフェイス416を含む。図示の例示的な実施形態においては、電動工具インターフェイス416は、レール422のペアと、溝424のペアと、を含むレール及び溝システムを含む。その他のタイプのインターフェイスが、本発明により、想定され、且つ、包含される。また、電動工具インターフェイス416は、電池パック10を電気装置20に固定するためのラッチシステム426を含んでもよい。
また、ハウジング412は、ハウジング412の上部部分430内において複数のスロット428を含む。スロット428は、ハウジング412のその他の部分内において位置してもよい。複数のスロット428は、スロット428の組を形成している。複数のスロット428は、複数の電池端子432に対応している。複数の電池端子432は、電池端子432の組を形成している。また、複数のスロット428は、電気装置20の複数の端子434にも対応している。複数の電気装置端子434は、電気装置端子434の組を形成している。電気装置端子434は、更に詳細に後述するように、電池端子スロット428によって受け入れられ、且つ、電池端子432と係合及び結合する。また、ハウジング412は、電池端子スロット428の両側においてハウジング412の上部部分430に沿って延在する変換スロット又は軌道436のペアを含む。図示の例示的な実施形態においては、軌道436は、ハウジング412のエッジ438から、ハウジング412の上部部分430の中央部分440まで延在している。各軌道436は、ハウジング412の上部部分403内の貫通孔442において終端している。貫通孔442は、ハウジング412の外部表面44から内部空洞414まで延在している。図示の実施形態においては、貫通孔442は、電動工具インターフェイス416のレール422の下方において位置している。変換スロット436及び貫通孔442は、ハウジング412のその他の部分内において位置してもよい。代替実施形態は、より多くの又は少ない数の変換スロットを含みうる。
図36A及び図36Bは、第1セル構成及び第2セル構成における変換可能電池446の例示的な一実施形態の例示的な簡略化された回路図を示している。電池446は、簡潔さを目的として図示されていないその他の要素に加えて、複数の充電式電池セル448(セルとも呼称される)を含む。複数のセル448は、セル448の組を形成している。図示の回路図においては、例示的な電池446は、15個のセル448の組を含む。電池の例示的な代替実施形態は、当業者には理解され且つ本開示により想定され包含されるように、より多くの又は少ない数のセルを含んでもよい。図示の例示的な実施形態においては、電池は、5つのセルA1、A2、A3、A4、A5の第1サブセットAと、5つのセルB1、B2、B3、B4、B5の第2サブセットBと、5つのセルC1、C2、C3、C4、C5の第3サブセットCと、を含む。セル448の各サブセット内のセル448は、電気的に直列状態において接続されている。更に詳しくは、セルA1は、セルA2と直列状態において接続され、セルA2は、セルA3と直列状態において接続され、セルA3は、セルA4と直列状態において接続され、セルA4は、セルA5と直列状態において接続されている。サブセットB及びCも、同一の方式によって接続されている。当業者には明瞭に理解されるように、各セル448は、正(+)の端子又はカソードと、負(−)の端子又はアノードと、を含む。セル448の各サブセットは、正の端子(A+、B+、C+)と、負の端子(A−、B−、C−)と、を含む。そして、電池446は、正の端子(BATT+)と、負の端子(BATT−)と、を含む。
セル448のサブセット内の隣接するセル448の間に存在しているのは、ノード449である。ノードは、関連するセルの正の側によって参照することとする。例えば、セルA1とセルA2との間のノードは、A1+と呼称されることになり、セルA2とA3との間のノードは、A2+と呼称されることになる。この取り決めは、本出願の全体を通じて使用することとする。A1とA2との間のノードは、A2−とも呼称されうることを理解されたい。
当業者には明瞭に理解されるように、電池セル448は、最大電圧電位(完全に充電された際のセル448の電圧)を有する。本出願の目的として、そうではない旨が具体的に記述されていない限り、セル448の電圧を参照した際には、セルの最大電圧が参照されることになる。例えば、セル448は、完全に充電された際に、4ボルトの電圧を有しうる。この例においては、セルは、4Vセルと呼称されることになる。セル448は、放電の際により小さな電圧に放電されうるが、それは、依然として、4Vセルと呼称されることになる。図示の例示的な実施形態においては、セル448は、すべて4Vセルである。従って、セル448の各サブセットの電圧電位は、20Vと表記されることになる。当然のことながら、例示的な代替実施形態のセルの1つ又は複数は、より大きな又は小さな最大電圧電位を有してもよく、且つ、本開示によって想定され包含される。
当業者には明瞭に理解されるように、電池セル448は、最大容量(完全に充電された際のセル448のアンペア−時)を有する。本出願の目的として、そうではない旨が具体的に記述されていない限り、セル448の容量を参照した際には、セルの最大容量が参照されることになる。例えば、セル448は、完全に充電された際に3アンペア−時の容量を有しうる。この例においては、セル448は、3Ahセルと呼称されることになる。セル448は、放電の際により小さな容量に放電されうるが、それは、依然として3Ahセルと呼称されることになる。図示の例示的な実施形態においては、セル448は、すべて3Ahセルである。従って、セルの各サブセットの容量は、3Ahと表記されることになる。当然のことながら、例示的な代替実施形態のセルの1つ又は複数は、より大きな又は小さな最大容量を有してもよく、且つ、本開示によって想定され包含される。
また、電池446は、複数のスイッチング要素450(スイッチ450とも呼称されうる)を含む。複数のスイッチ450は、スイッチ450の組を形成している。図示の回路図においては、例示的な電池446は、14個のスイッチS1〜S14の組を含む。電池446の例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ない数のスイッチ450を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。図示の例示的な実施形態においては、電池446は、6個のスイッチ450a(電力スイッチとも呼称される)の第1のサブセットと、8個のスイッチ450b(信号スイッチとも呼称される)の第2のサブセットと、を含む。例示的な実施形態においては、電力スイッチ450aの第1サブセットは、セル448のサブセットの正の端子とセル448のサブセットの負の端子との間において電気的に接続されている。具体的には、電力スイッチS1は、端子A+及び端子B+を接続しており、電力スイッチS2は、端子B+及び端子C+を接続しており、電力スイッチS3は、端子A−及び端子B−を接続しており、電力スイッチS4は、端子B−及び端子C−を接続している。例示的な実施形態においては、電力スイッチ450bの第2のサブセットは、セルのサブセットの負の端子とセルのサブセットの正の端子との間に位置している。具体的には、電力スイッチS5は、端子A−及び端子B+を接続しており、電力スイッチS4は、端子B−及び端子C+を接続している。電力スイッチ450aは、当業者には理解されるように、単純な単投式スイッチ、端子/接点スイッチ、又はその他の電気機械的、電気的、若しくは電子的スイッチとして実施されてもよい。
例示的な実施形態においては、信号スイッチ450bは、セル448の各サブセットの対応したノード449の間において電気的に接続されている。更に詳しくは、信号スイッチS7は、ノードA4+とノードB4+との間に位置しており、信号スイッチS8は、ノードB4+とC4+との間に位置しており、信号スイッチS9は、ノードA3+とB3+との間に位置しており、信号スイッチS10は、ノードB3+とC3+との間に位置しており、信号スイッチS11は、ノードA2+とB2+との間に位置しており、スイッチS12は、B2+とC2+との間に位置しており、信号スイッチS13は、ノードA1+とB1+との間に位置しており、信号スイッチS14は、B1+とC1+との間に位置している。信号スイッチ450bは、当業者には理解されるように、単純な単投式スイッチ、端子/接点スイッチ、又はその他の電気機械的、電気的、若しくは電子的スイッチとして実施されてもよい。
図36Aに示されている第1電池構成においては、電力スイッチS1、S2、S3、S4の第1のサブセットは、閉路され、電力スイッチS5、S6の第2のサブセットは、開路され、信号スイッチS7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14は、閉路されている。この構成においては、セルA、B、Cのサブセットは、並列状態において接続されている。これに加えて、セル448の各サブセットの対応したセル448は、並列状態において接続されている。更に詳しくは、セルA5、B5、C5は、並列状態において接続され、セルA4、B4、C4は、並列状態において接続され、セルA3、B3、C3は、並列状態において接続され、セルA2,B2、C2は、並列状態において接続され、セルA1、B1、C1は、並列状態において接続されている。この構成においては、電池446は、低定格電圧構成にあると表現される。また、電池446は、高容量構成にあると表現されてもよい。当業者には理解されるように、セル448のサブセットが並列状態において接続されているため、この構成の電圧は、セル448の各サブセットに跨った電圧となり、且つ、セルの複数のサブセットが存在していることから、電池の容量は、セル448の各サブセットの容量の合計となろう。この例示的な実施形態においては、各セル448が、4V、3Ahセルである場合には、5つのセル448の各サブセットは、20V、3Ahサブセットとなり、5つのセル448の3つのサブセットを有する電池446は、20V、9Ah電池となろう。代替実施形態においては、信号スイッチのすべて未満が閉路されてもよい。
図36bに示されている第2電池構成においては、電力スイッチS1、S2、S3、S4の第1のサブセットは、開路され、電力スイッチS5、S6の第2のサブセットは、閉路され、信号スイッチS7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14は、開路されている。この構成においては、セルA、B、Cのサブセットは、直列状態にある。この構成においては、電池446は、中間定格電圧構成にあると表現される。また、電池446は、低容量構成にあると表現されてもよい。当業者には理解されるように、セル448のサブセットが直列状態において接続されているため、この構成の電圧は、セル448のサブセットのすべてに跨った電圧となり、且つ、事実上、この構成においては、並列状態のセルの1つのスーパーセットが存在していることから、電池の容量は、セル448のスーパーセット内の単一のセル448の容量となろう。この例示的な実施形態においては、各セル448が、4V、3Ahセルである場合には、5つのセル448の各サブセットは、20V、3Ahサブセットとなり、且つ、セル448の3つのサブセットを有する電池446は、60V、3Ah電池となろう。
以下、電池が低定格電圧構成から中間定格電圧構成に変換される方式について更に詳細に説明することとする。「低」及び「中間」という用語は、単に、低定格電圧構成が、中間定格電圧構成未満の電圧を有し、且つ、中間定格電圧構成が、低定格電圧構成よりも高い電圧を有するという点において、相対的な用語となるように意図されていることを理解されたい。
図37A及び図37Bは、変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態の例示的な代替電池446’の簡略化された回路図を示している。図37A及び図37Bの電池446’は、図36A及び図36Bの電池446に類似している。図36A及び図36Bの電池446と図37A及び図37Bの電池446’との間における1つの相違点は、電池446’が信号スイッチ450bを含んでいないという点にある。
本発明においては、電池パック20A4は、低定格電圧構成と中間定格電圧構成との間において変換可能である。図33〜図47に示されているように、メカニズムが、図36及び図37に示されていると共に上述したスイッチ450を事実上開路及び閉路するべく、電池端子432の間における接続を生じさせる及び切る。図40は、例示的な変換可能電池パック20A4の詳細な図を示している。上述のように、電池パック20A4は、軌道436と、貫通孔442と、を含む。図38に示されているように、コンバータ要素452(変換カード、スライダ、又はスライダカードとも呼称され、且つ、更に詳細に後述する)は、突起のペア454を含み、各突起454は、貫通孔442のうちの1つを通じて、且つ、軌道436の上方において、延在している。コンバータ要素452が第1位置にある際には、上述のように、突起454は、対応した貫通孔442の第1端部において位置している。コンバータ要素452が、第2位置にある際には、後述するように、突起454は、対応した貫通孔442の第2端部において位置している。また、ハウジング412は、排出ポート456を含んでもよい。排出ポート456は、後述するように、コンバータ要素452及びコンバータ要素突起454が、第2位置に移動した際に、埃又はその他の破片が貫通孔442から押し出されることを許容する。
図39a、図39b、及び図39cは、例示的な電池パックインターフェイス418を示しており、この例においては、変換可能電池パック20A4と結合する中間定格電圧電動工具10A2のものである。電池パックインターフェイス418は、上述の電動工具インターフェイス416と機械的に結合するレール458及び溝460のペアを含む。また、電池パックインターフェイス418は、端子ブロック462と、電気装置端子434と、を含む。また、電池パックインターフェイス418は、変換要素466のペアを含む。電気装置/中間定格電圧電動工具10A2の例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ない数の変換要素466を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。例示的な実施形態においては、変換要素466は、レール458から下方に延在しうる単純な突起又は突出部であってもよい。変換要素466は、対応した電池パック変換スロット436内において受け入れられるように、サイズ設定及び位置決めされている。電池パックインターフェイス418が、結合方向(矢印Aによって示されている)において、電動工具インターフェイス416との間における結合係合状態にスライドするのに伴って、変換要素466は、対応した変換スロット436内において受け入れられ、且つ、これに沿って摺動する。結合プロセスにおける特定の時点において、更に詳しく後述するように、変換突起466は、コンバータ突起454と係合することになる。結合プロセスが結合方向において継続するのに伴って、変換要素466は、結合方向において移動するように、コンバータ突起454を押し進めることになる。従って、コンバータ要素452は、結合方向において移動又は摺動するように強制される。
図40において示されているように、電池446の例示的な実施形態は、複数の電池セル448を含む。また、電池446は、1つのセル448のセル端子を別のセル448のセル端子に電気的に接続する、及び/又は、セル448の端子を印刷回路基板470(PCB)に又はフレキシブル印刷回路に接続するストラップ又はワイヤなどの複数のセル相互接続468を含み、フレキシブル印刷回路は、次いで、PCB470に接続している。また、電気装置10A2に接続するためのラッチシステム426も示されている。また、電池446は、端子ブロック472と、電池端子432と、を含む。更に詳細に後述するように、一端において、電池端子432は、電気装置端子434に電気的に結合するように構成されており、別の端部において、電池端子432は、電池セル448に電気的に結合されている。上述のように、電池446は、コンバータ要素452を含む。コンバータ要素452は、支持構造又はハウジング474を含む。また、上述のように、コンバータ要素452は、コンバータ突起454のペアを含む。コンバータ要素突起は、コンバータ要素支持構造474の上部表面476から延在している。図示の例示的な実施形態においては、コンバータ要素支持構造474は、H字形状を有している。更に詳しくは、コンバータ要素支持構造474は、2つの平行脚部478と、クロスバー480と、を含む。コンバータ要素突起454が、平行脚部478から延在している。また、電池446は、圧縮スプリング482のペアを含む。例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ないスプリング及びその他のタイプのスプリングを含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。各平行脚部478の第1端部484は、スプリング接続突起486を含む。各圧縮スプリング482の第1端部は、対応したスプリング接続突起486に装着されている。各圧縮スプリング482の第2端部は、セルホルダ488に装着されている。圧縮スプリング482は、図40及び図41aに示されているように、コンバータ要素452を第1位置に押し進めるように構成されている。電気装置/中間定格電圧電動工具10A2が、結合方向において電池パック20A4と結合し、且つ、電気装置変換要素466が、コンバータ要素突起454と係合するのに伴って、コンバータ要素452は、その第1位置(図40aに示されている)から移動させられ、スプリング482に対して作用するように押し進められ、これにより、スプリング482を圧縮する。電動工具10A2が電池パック20A4と完全に結合した際に、コンバータ要素452は、第1位置から第2位置に移動していることになり、スプリング482は、その完全圧縮状態にあることになる(図41bに示されている)。電気装置10A2が電池パック20A4から装着解除される際には、スプリング482は、第2位置(図41bに示されている)から第1位置(図41aに示されている)に移動するように、コンバータ要素452を押し進める。また、電池446は、更に詳細に後述するように、例えば、コンバータ要素452とセル448との間において、PCB470及び/又はなんらかのその他のタイプの絶縁基板490を含んでもよい。
図41a及び図41bに示されているように、電池PCB470及び/又は絶縁基板490は、複数の接触パッド492を含む。複数の接触パッド492は、接触パッド492の組を形成している。複数の接触パッド492は、導電性要素である。複数の接触パッド492は、ワイヤ又はPCBトレース又はなんらかのその他のタイプの導電性接続要素(簡潔さを目的として図示されていない)により、電池セル端子又はノードに電気的に接続可能である。例示的な実施形態においては、複数の接触パッド492は、接触パッドとの間において接続を生じさせるべく及び切るべく(これにより、上述の電力及び/又は信号スイッチ450を事実上開路及び閉路するべく)、接点が接触パッド492に沿って摺動することを許容している。このプロセスについては、詳細に後述する。
(コンバータ要素452を伴わない例示的な電池446を示す)図42、図43a、及び図43bにおいて更に詳細に示されているように、電池446は、複数の接触パッド492を含む。上述のように、例示的な電池446は、別個の絶縁基板490上の接触パッド492a(電力接触パッド492aとも呼称される)の第1のサブセットと、PCB470上の接触パッド492b(信号接触パッド492bとも呼称される)の第2サブセットと、を含む。代替実施形態においては、接触パッド492の第1及び第2サブセットは、単一のPCB、単一の絶縁基板、又はなんらかのその他の支持要素上において配置されてもよい。図42、図43a、及び図43bに示されている接触パッド構成は、例示的な構成である。例示的な代替実施形態は、その他の接触パッド構成を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。
図42、図43a、及び図43bに示されているように、電池ストラップ468のサブセットが、セルホルダ488の周りを包み、且つ、PCB470及び/又は絶縁カード490まで延在している。このストラップ468のサブセット内の各ストラップ468は、セル448の特定のサブセットの単一の端子に電気的に結合されている。具体的には、第1ストラップ468aは、端子A+に結合されており、第2ストラップ468bは、端子B+に結合されており、第3ストラップ468cは、端子C+に結合されており、第4ストラップ468dは、端子A−に結合されており、第5ストラップ468eは、端子B−に結合されており、第6ストラップ468fは、端子C−に結合されている。
また、図43a及び図43bに示されているように、接触パッド492aの第1サブセットの接触パッド492のそれぞれは、セル448の特定のサブセットの単一の端子に電気的に結合されている。具体的には、第1接触パッド492a1は、端子A+に結合されており、第2接触パッド492a2は、端子B+に結合されており、第3接触パッド492a3は、端子C+に結合されており、第4接触パッド492a4は、端子B−に結合されており、第5接触パッド492a5は、端子A−に結合されており、第6接触パッド492a6も、端子B−に結合されており、第7接触パッド492a7は、端子C−に結合されており、第8接触パッド492a8も、端子B+に結合されている。また、接触パッド492bの第2サブセットの接触パッド492のそれぞれは、電池446の単一のノードに電気的に結合されている。具体的には、第9接触パッド492b1は、ノードB1+に結合されており、第10接触パッド492b2は、ノードC1+に結合されており、第11接触パッド492b3は、ノードA1+に結合されており、第12接触パッド492b4は、ノードC2+に結合されており、第13接触パッ492b5は、ノードB2+に結合されており、第14接触パッド492b6は、ノードA2+に結合されており、第15接触パッド492b7は、ノードA3+に結合されており、第16接触パッド492b8は、ノードB3+に結合されており、第17接触パッド492b9は、ノードC3+に結合されており、第18接触パッド492b10は、ノードB4+に結合されており、第19接触パッド492b11は、ノードC4+に結合されており、第20接触パッド492b12は、A4+に結合されている。
図44は、例示的な変換可能電池446の側面図を示している。セルホルダ488内における特定のセル配置は、セル448のサブセット内のセル448の系統の最も負及び最も正の位置におけるセル448の正及び負の端子が、PCB470と、絶縁基板490と、に最も近接した状態において配置されることを許容するべく、容易なストラップ接続を許容しており、これは、PCB470及び絶縁基板490へのセルのサブセットの正及び負の端子の間の容易な接続を許容する。具体的には、図44aに示されているように、端子A1−(端子A−に対応している)、B1−(端子B−に対応している)、及びC1−(端子C−に対応している)は、PCB470及び絶縁基板490において又はこの近傍において、セルホルダ488内において物理的に位置している。端子A1−及びB1−に関して、これらの端子は、クラスタの最上部において位置しており、関連するストラップは、非常に短くてもよく、且つ、PCB470又は絶縁基板490に対して直接的なものであってもよい。C1−に関して、この端子は、クラスタの最上部に近接しており、関連するストラップは、単一のセル端子(C5−)を通過して延在し、且つ、PCB470又は絶縁基板490に接続している。図44bに示されているように、端子A5+(端子A+に対応している)、B5+(端子B+に対応している)、及びC1+(端子C+に対応している)は、PCB470及び絶縁基板490において又はその近傍においてセルホルダ488内において物理的に位置している。端子A5+、B5+、及びC5+に関して、これらの端子は、クラスタの最上部において位置しており、関連するストラップは、非常に短くてもよく、且つ、PCB470又は絶縁基板490に対して直接的なものであってもよい。この構成により、これらの電池セル端子と接触パッドの第1サブセットとの間の接続は、その他の構成におけるよりも容易に実施することができる。
図45a、図45b、図45c、及び図45dは、変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態のコンバータ要素452の例示的な一実施形態を示している。上述のように、コンバータ要素452は、支持構造474を含む。支持構造474は、プラスチック材料又は後述する機能を提供することになる任意のその他の材料から構成されてもよい。図示の実施形態においては、支持構造474は、H字形状を有しており、これにより、2つの平行脚部478と、クロスバー180と、を有する。コンバータ要素452は、その他の形状を有してもよい。上述のように、コンバータ要素452は、2つの突起454を含む。突起のうちの1つは、支持構造474の第1面上の各脚部478の表面476から延在している。コンバータ要素452は、より多くの又は少ない突起を含んでもよい。また、コンバータ要素452は、複数の接点494を含む。複数の接点494は、接点494の組を形成している。接点494の組は、接点494aの第1のサブセットと、接点494bの第2のサブセットと、を含む。コンバータ要素452の図示の例示的な実施形態においては、接点494aの第1のサブセットは、電力接点494aであり、接点494bの第2のサブセットは、信号接点494bである。また、支持構造474は、下部表面496を含む。接点494aの第1のサブセットは、クロスバー480の下部表面496に固定されている。接点496bの第2のサブセットは、平行脚部478の下部表面496に固定されている。また、コンバータ要素452は、圧縮スプリング472に接続するべく、各平行脚部478の端部484においてスプリング接続突起486を含む。図45a及び図45cは、コンバータ要素452の第2面(即ち、裏面)を示している。図45bは、コンバータ要素452の側面図を示しており、図45dは、コンバータ要素452の平面等角図を示しており、この場合に、支持構造474は、複数の接点494が可視状態となるように、透明なものとして示されている。
図46a〜図46eは、パックが低定格電圧構成から、開路状態構成へ、そして、中間定格電圧構成へ、と変換されるのに伴う例示的な変換可能電池446の様々なステージ又は構成を示している。また、これらの図は、電池端子ブロック472と、複数の電池端子432と、を示している。電池端子432の組は、電池端子432a(電池電力端子432aとも呼称される)の第1のサブセットと、電池端子b(電池信号端子432bとも呼称される)の第2のサブセットと、を含む。電池電力端子432a(BATT+、BATT−とも呼称される)は、電池446から電流を出力する。電池電力端子BATT+、BATT−は、それぞれ、A+端子及びC−端子に電気的に結合されている。電池信号端子B1+、A2+、C3+、B4+は、電池446内のノードから信号を出力する。電池信号端子B1+、A2+、C3+、B4+は、それぞれ、B1+、A2+、C3+、B4+ノードに電気的に結合されている。例示的な代替実施形態は、その他のノードに電気的に結合された電池信号端子を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。
図46a〜図46eに示されている接触パッドレイアウトは、図43a及び図43bに示されている接触パッドレイアウトに類似している。これらの接触パッドレイアウトは、相互交換可能である。例示的な代替実施形態は、その他の接触パッドレイアウトを含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。上述のように、この例示的なパッドレイアウトは、PCB470、絶縁基板490、又はなんらかのその他の支持構造上において支持されてもよい。接触パッドレイアウトは、接触パッド492の組を含む。上述のように、接触パッド492の組は、電力接触パッド492aの組と、信号接触パッド492bの組と、を含む。図36を更に参照すれば、複数の接触パッド492は、適宜、上述の端子又はノードに電気的に結合されている。具体的には、第1電力接触パッド492a1は、端子A+に結合されており、第2電力接触パッド492a2は、端子B+に結合されており、第3電力接触パッド492a3は、端子C+に結合されており、第4電力接触パッド492a4は、端子B−に結合されており、第5電力接触パッド492a5も、A−に結合されており、第6電力接触パッド492a6も、B−に結合されており、第7電力接触パッド492a7は、C−に結合されており、第8電力接触パッド492a8も、B+に結合されている。また、第1信号接触パッド492b1は、ノードB+に結合されており、第2信号接触パッド492b2は、ノードC1+に結合されており、第3信号接触パッド492b3は、ノードA1+に結合されており、第4信号接触パッド492b4は、ノードC2+に結合されており、第5信号接触パッド492b5は、ノードB2+に結合されており、第6信号接触パッド492b6は、ノードA2+に結合されており、第7信号接触パッド492b7は、ノードA3+に結合されており、第8信号接触パッド492b8は、ノードB3+に結合されており、第9信号接触パッド492b9は、ノードC3+に結合されており、第10信号接触パッド492b10は、ノードB4+に結合されており、第11信号接触パッド492b11は、ノードC4+に結合されており、第12信号接触パッド492b12は、ノードA4+に結合されている。
また、図46a〜図46eは、コンバータ要素の電力接点494a及び信号接点494bを示している。接触パッド492及びコンバータ要素接点494は、協働して、事実上、図36に示されているセルサブセット端子とセルノードとの間におけるスイッチS1〜S14として機能する。電気装置10A2が結合方向において変換可能電池パック20A4と結合し、コンバータ要素452が、第1位置(図41aに示されている)から第2位置(図41bに示されている)に移動するのに伴って、コンバータ要素接点494も、第1位置(図43a及び図46aに示されている)から第2位置(図43b及び図46eに示されている)に移動する。コンバータ要素接点494が第1位置から第2位置に移動するのに伴って、接点494は、接触パッド492との間において、分離し、及び、接続する。分離及び接続が発生するのに伴って、セルサブセット端子とセルノードとの間のスイッチ450が、開路及び閉路される。スイッチ450が開路及び閉路されるのに伴って、電池446は、低定格電圧構成から、開路構成へ、そして、中間定格電圧構成へ、と変換される。逆に、コンバータ要素452が、第2位置から第1位置に移動するのに伴って、電池446は、中間定格電圧構成から、開路状態構成へ、そして、低定格電圧構成へ、と変換される。
図46aは、コンバータ要素452が第1位置(低定格電圧構成)にある際のコンバータ要素接点494及び接触パッド492の状態を示している。この場合にも、特定の接触パッドの位置は、例示を目的としており、その他の構成が、本開示によって想定される。この構成においては、第1電力接点494a1は、A+、B+、C+接触パッド492a1、492a2、492a3に電気的に結合されており、第2電力接点494a2は、A−、B−、C−接触パッド492a5、492a6、492a7に電気的に結合されている。第1及び第2電力接点494a1、494a2がこの位置にある際には、コンバータスイッチS1、S2、S3、S4は、閉路され、コンバータスイッチS5、S6は、開路される。これは、セルのAサブセット及びセルのBサブセット及びセルのCサブセットを、並列状態に置く。更には、第1信号接点494b1は、A1+、B1+、C1+接触パッド492b3、492b1、492b2に電気的に結合されており、第2信号接点494b2は、A2+、B2+、C2+接触パッド492b6、492b5、492b4に電気的に結合されており、第3信号接点494b3は、A3+、B3+、C3+接触パッド492b7、492b8、492b9に電気的に接続されており、第4信号接点494b4は、A4+、B4+、C4+接触パッド492b12、492b10、492b11に電気的に結合されている。第1、第2、第3、及び第4信号接点494b1、494b2、494b3、494b4が、この位置にある際には、スイッチS7〜S14は、閉路される。これは、セル448の3つのサブセットの対応したセル448を、並列状態に置く。換言すれば、セルA1、B1、C1は、並列状態において接続されており、セルA2、B2、C2は、並列状態において接続されており、セルA3、B3,C3は、並列状態において接続されており、セルA4、B4、C4は、並列状態において接続されており、セルA5、B5、C5は、並列状態において接続されている。
図46eは、コンバータ要素452が第2位置(中間定格電圧構成)にある際のコンバータ要素接点494及び接触パッド492の状態を示している。この構成においては、第1電力接点494a1は、B−、C+接触パッド492a4、492a3に電気的に接続されており、第2電力接点494a2は、A−、B+接触パッド492a5、492a8に電気的に結合されている。第1及び第2電力接点494a1、494a2がこの位置にある際には、コンバータスイッチS1、S2、S3、S4は、開路状態にあり、コンバータスイッチS5、S6は、閉路されている。これは、セルのAサブセット及びセルのBサブセット及びセルのCサブセットを、直列状態に置く。更には、第1信号接点494b1は、B1+接触パッド492b1にのみ電気的に結合されており、第2信号接点494b2は、C2+接触パッド492b4にのみ電気的に結合されており、第3信号接点494b3は、A3+接触パッド492b7にのみ電気的に結合されており、第4信号接点404b4は、B4+接触パッド492b10にのみ電気的に結合されている。第1、第2、第3、及び第4信号接点494b1、494b2、494b3、494b4がこの位置にある際には、コンバータスイッチS7〜S14は、開路状態にある。これは、セル448の3つのサブセットの対応したセル448を、互いに分離する。換言すれば、セルA1、B1、C1は、互いに接続されておらず、セルA2、B2、C2は、互いに接続されておらず、セルA3、B3、C3は、互いに接続されておらず、セルA4,B4、C4は、互いに接続されておらず、セルA5、B5、C5は、互いに接続されていない。
例示的な一実施形態において、図46b、図46c、及び図46dは、コンバータ要素452が第1位置(低定格電圧構成)と第2位置(中間定格電圧構成)との間において移動するのに伴うスイッチ450の状態を示している。一般に、スイッチ450が開路及び閉路した際には、望ましくない電圧/電流が、セル上において生成される場合があり、及び/又は、セルの間において移動する場合がある。これらの望ましくない電圧/電流に対処するべく、電池は、中間ステージ又はフェーズにおいて配置されてもよい。従って、スイッチ450は、特定の順序において開路及び閉路されてもよい。図46bに示されているように、且つ、図47の例示的な表を参照すれば、コンバータ要素452が結合方向において移動するのに伴って、当初、電力接点494a1、494a2は、接触パッド492a1、492a2、492a6、492a7から分離されるが、接触パッド492a3、492a5に接続された状態において留まる。これは、事実上、信号スイッチS7〜S14のすべてが閉路状態において留まる状態において、すべての電力スイッチS1〜S6が開路される。図46cに示されているように、且つ、図47の例示的な表を参照すれば、コンバータ要素452が結合方向において更に移動するのに伴って、信号接点494b1、494b4の第1のサブセットは、接触パッドA1+、C1+、A4+、C4+から分離されることになる。これは、事実上、信号スイッチS7、S8、S13、S14を開路する。図46dに示されているように、且つ、図47の例示的な表を参照すれば、コンバータ要素452が結合方向において更に移動するのに伴って、信号接点494b2、494b3の第2のサブセットは、接触パッドA2+、B2+、B3+、C3+から分離されることになる。これは、事実上、信号スイッチS9、S10、S11、S12を開路する。当然のことながら、電気装置10A2が、結合方向とは反対の方向(非結合方向とも呼称される)において変換可能電池パック20A4から分離されるのに伴って、コンバータ要素452は、第2位置から第1位置に移動することになり、コンバータ要素接点94は、上述とは逆の順序において接触パッド492に接続及び分離することになる。これに加えて、変換可能電池パック20A4は、電池パック20A4が電気装置10A2と結合されておらず、且つ、コンバータ要素452が第1位置にある際には、電池パックが中間定格電圧構成にあり、電池パックが電気装置と結合された際には、電池パック20A4が低定格電圧構成にあるように、構成されうるものと想定される。当然のことながら、様々な接続及びスイッチは、相応して調節されることになろう。
図47に示されている表は、コンバータ要素が第1位置と第2位置との間において移動するのに伴うスイッチネットワークの様々なステージを示している。第1ステージは、コンバータ要素の第1位置(第1/低定格電圧構成)に対応しており、第5ステージは、コンバータ要素の第2位置(第2/中間定格電圧構成)に対応している。第2、第3、及び第4ステージは、中間ステージ/フェーズであり、開路状態構成に対応している。
コンバータ要素452が第1位置から第2位置に移動し、且つ、スイッチ450が開路及び閉路した際に、様々な端子ブロック端子上の電圧が変化することになる。更に詳しくは、図36に示されている、且つ、セルが4Vセルであり、電池が完全に充電されている、実施形態においては、コンバータ要素452が第1位置にある際には、BATT+=20Vであり、BATT−=0Vであり、B1+=4Vであり、A2+=8Vであり、C3+=12Vであり、B4+=16Vである。コンバータが第2位置にある際には、BATT+=60Vであり、BATT−=0Vであり、B1+=24Vであり、A2+=48Vであり、C3+=12Vであり、B4+=36Vである。電池信号端子を使用することにより、端子ブロック信号端子が接続されているノードがいずれであるのかとは無関係に、過充電、過放電、及び不均衡について、電池セルを監視することができる。上述の、且つ、図中の、特定の構成は、セル448の偶数のグループの監視を許容している。例示的な代替実施形態は、端子ブロック信号端子をノードに接続するその他の構成を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。
これに加えて、変換可能電池パック20A4の一代替実施形態においては、図37に示されている電池構成が実施されてもよい。このような一実施形態においては、接触パッド492の組は、信号接触パッド492bを含むことにならず、コンバータ要素452は、信号接点94bの組を含むことにならないであろう。
図48及び図49は、変換可能電池パック20A4の例示的な一代替実施形態を示している。上述の変換可能電池パック20A4と同様に、変換可能電池パック20A4は、ハウジング512を含む。ハウジング512は、上部部分と、下部部分と、を含む。ハウジング512は、例えば、電動工具10又は電池充電器30などの電気装置の対応した電池パックインターフェイス518と機械的に結合するための電動工具インターフェイス516を含む。図示の例示的な実施形態においては、電動工具インターフェイスは、レール522のペアと、溝524のペアと、を含むレール及び溝システムを含む。その他のタイプのインターフェイスが、本発明により、想定され、且つ、包含される。また、電動工具インターフェイス516は、変換可能電池パック20A4を電気装置10に固定するためのラッチシステム526を含んでもよい。
また、ハウジング512は、ハウジング512の上部部分530内において複数のスロット528を含む。スロット528は、ハウジング512のその他の部分内において位置してもよい。複数のスロット528は、スロット528の組を形成している。スロット528の組は、スロット528aの第1のサブセットと、スロット528bの第2のサブセットと、を含む。スロット528の組は、複数の電池端子532に対応している。複数の電池端子532は、電池端子532の組を形成している。電池端子の組は、電池端子532aの第1のサブセットと、電池端子532bの第2のサブセットと、を含む。また、電池端子532bの第2のサブセットは、変換端子532bとも呼称される。また、複数のスロット528は、電気装置10の複数の端子534にも対応している。複数の電気装置端子534は、電気装置端子534の組を形成している。電気装置端子534の組は、電気装置端子534aの第1のサブセットと、電気装置端子534bの第2のサブセットと、を含む。また、電気装置端子534aの第1のサブセットは、電力/信号端子545aとも呼称され、電気装置端子534bの第2のサブセットは、コンバータ端子534bとも呼称される。電気装置端子534は、更に詳細に後述するように、電池端子スロット528により受け入れられ、且つ、電池端子523と係合及び結合する。
図37は、この例示的な実施形態の電池の電池セルの例示的な構成を示している。標準セル構成は、詳細に後述するコンバータ要素が電池パックに挿入されていない際の電池セルの構成である。この例示的な実施形態においては、標準セル構成は、図37の水平方向矢印の左側の構成である。変換可能電池パックの代替実施形態においては、標準セル構成は、水平方向の矢印の右側のセル構成であってもよいであろう。これらの例は、電池546の可能なセル構成を限定することを意図したものではない。
図37に示されているように、例示的なパックは、15個のセルを含む。この例においては、各セル448は、4Vの電圧と、3Ahの容量と、を有する。標準構成においては、5個のセルの3つのサブセットが存在している。セルの各サブセットのセルは、直列状態において接続され、セルのサブセットは、並列状態において接続され、これにより、20Vの電池電圧と、9Ahの容量と、を提供する。一般に、電池は、電池内におけるM×N個のセルの合計の場合に、セルのN個のサブセットと、各サブセット内におけるM個のセルと、を含みうる。各セルは、Xボルトの電圧と、YAhの容量と、を有する。従って、電池は、各サブセットのM個のセルが直列状態において接続され、且つ、N個のサブセットが並列状態において接続されている標準構成を有することになる。従って、低定格電圧構成は、X×Mボルトの電池電圧と、Y×Nアンペア−時の容量と、を提供する。
図48は、電動工具インターフェイス516を示している。電動工具インターフェイス516は、詳細に後述するコンバータ端子534bを受け入れるためのスロット528bの第2のサブセットを含む。スロット528aの第2のサブセットは、電気装置10に結合されている電池パック110の一端に対して開放状態において位置している。
図49a、図49b、及び図49cは、例示的な電気装置10の部分的なハウジングを示しており、この例においては、中間定格電圧工具10a2の電動工具の足部ハウジングである。電気装置10は、変換可能電池パック20A4と結合する例示的な電池パックインターフェイス518を含む。電池パックインターフェイス518は、上述の電動工具インターフェイス516と機械的に結合するレール558及び溝560のペアを含む。また、電池パックインターフェイス518は、端子ブロック562と、電気装置端子534と、を含む。上述のように、電気装置端子534の組は、電力/信号端子534aのサブセットと、コンバータ端子534bのサブセットと、を含む。図49cは、複数の工具端子534を含む工具端子ブロック562を含む電池パックインターフェイス518を示す中間定格電圧工具10A2の足部の断面図を示している。また、図49bは、コンバータ端子534bの組(集合的にコンバータ要素552とも呼称される)を示している。この例示的な実施形態においては、コンバータ端子534bは、工具の電力/信号端子534aの下方において位置している。コンバータ端子534bは、工具端子ブロック562内において保持され、且つ、結合方向(矢印A)において延在している。高定格電圧電動工具及び極高定格電圧電動工具は、類似の電池パックインターフェイス、工具端子ブロック、及び端子を含むことになる。
図示の例示的な実施形態においては、各変換可能電池546は、スイッチングネットワークを含む。この実施形態においては、変換端子532bの組は、スイッチングネットワークとして機能するように構成されている。例示的な代替実施形態は、当業者には理解され、且つ、本開示により想定され包含されるように、単純な単極単投式スイッチ又はその他の電気機械的、電気的、若しくは電子的スイッチなどのその他のタイプのスイッチを含んでもよく、且つ、電池パックのその他の部分内において、又は工具内において、又は工具と電池パックの組合せの内部において、配置されてもよい。
図50a、図50b、図50cを参照すれば、変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態の電池546の例示的な一実施形態が示されている。この例示的な電池546は、15個のセル568を有する。セルホルダ574は、セル568を固定されたクラスタ内において維持してもよい。電池の例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ない数のセル568を有してもよい。セル568は、セル568の第1のサブセットが、第1平面内に位置し、セル568の第2のサブセットが、第1平面に隣接すると共に第1平面に対して平行である第2平面内に位置し、セル568の第3サブセットが、第2平面に隣接すると共に第2平面に対して平行である第3平面内に位置するように、物理的に構成されている。セル568のサブセット内のセル568は、1つのセル568の正の端子が隣接するセル568の負の端子に隣接するように位置している。例えば、A5−は、A4+に隣接している。1つのセル568の端子は、セル相互接続又はストラップ568により、隣接セル568に接続されている。これは、例示的な物理的構成であり、その他の物理的構成も、本開示によって想定されている。
複数のセル568は、図37aに示されているように、第1電気接続構成を有する。この構成は、例示的なものに過ぎず、その他の構成が、本開示によって想定される。電池546は、端子ブロック572を含む。端子ブロックは、複数の電池端子532を保持する。電池端子532aの第1のサブセットは、電力を提供するための又は接続された電気装置10A2から電力を受け取るための電力端子のペア(BATT+及びBATT−)と、限定を伴うことなしに、セル情報を含む電池情報を電気装置に提供するための信号端子532aと、を含む。BATT+電力端子523a1は、ノードA+に接続されており、これは、電池セル568の第1のサブセットAの正の端子である。BATT−電力端子532a2は、ノードC−に接続されており、これは、電池セル568の第3サブセットCの負の端子である。また、電池546は、個々のセル端子のうちの1つ又は複数からPCB170までの電気接続(セルタップとも呼称される)を含んでもよい。これらのセルタップは、コントローラ、プロセッサ、又はPCB170上のその他の電子構成要素に接続してもよい。
図51は、この例示的な変換可能電池パック546の電池端子ブロック572及び複数の電池端子532の例示的な一実施形態を示している。端子ブロック572は、端子532aの第1のサブセットを保持する第1部分572aと、端子532bの第2のサブセットを保持する第2部分572bと、を含む。代替実施形態においては、端子ブロックは、端子の各サブセットについて、別個の端子ブロックを含んでもよい。上述のように、且つ、図37を参照すれば、端子532aの第1のサブセットは、電力端子532a1、532a2のペアと、複数の信号端子532a3、532a4、532a5、532a6、532a7、532a8と、を含む。第1電力端子532a1は、ノードA+に電気的に結合されており、第2電力端子532a2は、ノードC−に電気的に結合されている。第1信号端子532a3は、ノードA1+に電気的に結合されており、第2信号端子532a4は、ノードA2+に電気的に結合されており、第3信号端子532a5は、ノードA3+に電気的に結合されており、第4信号端子532a6は、ノードA4+に電気的に結合されている。
変換端子532bの組は、セルの各サブセットの各端子に電気的に結合する端子を含む。更に詳しくは、第1A+変換端子532b1は、ノードA+に結合しており、第2B+変換端子532b2は、ノードB+に結合しており、第3C+変換端子532b3は、ノードC+に結合しており、第4A−変換端子532b4は、ノードA−に結合しており、第5B−変換端子532b5は、ノードB−に結合しており、第6C−変換端子532b6は、ノードC−に結合している。各変換端子532bは、更に詳細に後述するように、電気装置コンバータ端子534bを受け入れる結合端部を含む。
これに加えて、図52に示されているように、電池パック20A4が電気装置10に結合されてはおらず、且つ、低定格電圧構成にある際には、A+変換端子532b1は、B+変換端子532b1及びC+変換端子532b3に対してそれらの結合端部において電気的に結合されている。図37aを参照すれば、A+変換端子532b1とB+変換端子532b2との間における接続は、閉路されたスイッチS1として機能し、(A+変換端子532b1を通じた)B+変換端子532b2とC+変換端子532b3との間における接続は、閉路されたスイッチS2として機能する。また、C−変換端子532b6は、B−変換端子532b5及びA−変換端子532b4に対してそれらの結合端部において電気的に結合されている。この場合にも、図37aを参照すれば、(C−変換端子532b6を通じた)A−変換端子523b4とB−変換端子532b5との間における接続は、閉路されたスイッチS3として機能し、B−変換端子532b5とC−変換端子532b6との間における接続は、閉路されたスイッチS4として機能する。各フラットな変換端子532b1、532b6ごとに、変換端子532b1、532bのフラットな部分をを関連する変換端子532b2、532b3、532b5、532b4のチューリップ部分に向かって押し付ける関連する支持スプリング598が存在している。
図53a、図53b、図53c、及び図53dは、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成から中間定格電圧構成に変換する能力を有する電気装置端子ブロック562の例示的な一実施形態を示している。電気装置端子ブロック562は、複数の電気装置端子534を保持している。電気装置が電動工具であるこの例示的な実施形態においては、電動工具は、中間定格電圧において定格設定されることになろう。
電気装置端子ブロック562は、上述の電気装置端子534aの第1のサブセットを保持する第1部分578と、電気装置端子534b(コンバータ端子)の第2のサブセットを保持する第2部分580と、を含む。また、端子ブロック562は、更に詳細に後述するコンバータ端子534のワイピング/ブレーキング機能部を支持するための支持構造582を含む。
図54a、図54b、及び図54cは、端子ブロック562及び支持構造582を有していない電気装置端子534を示している。コンバータ端子534bは、内側コンバータ端子534b1と、外側コンバータ端子534b2と、を含む。内側コンバータ端子534b1は、内側コンバータ端子532b3、532b5のペアと結合し、且つ、これらを電気的に結合することなり、外側変換端子534b2は、外側変換端子532b2、532b4のペアと結合し、且つ、これらを電気的に結合することになる。コンバータ端子534bは、ワイピング/ブレーキング機能部584、結合部分586、及びジャンパ部分588を含む。コンバータ端子534bは、2つの目的のために機能する。第1に、これらは、変換端子532bの間における第1構成の接続を切らなければならず、且つ、これらは、第2構成を形成するべく変換端子532bの間において代替接続(ジャンプ/シャント)を生じなければらない。
ワイピング/ブレーキング機能部584は、第1の目的のために機能する。ワイピング/ブレーキング機能部584は、コンバータ端子534の前方端部に位置し、且つ、非導電性材料から構成されている。ワイピング/ブレーキング機能部584は、コンバータ端子532及び端子ブロック562とは別個の要素であってもよく、又は、端子ブロック562の一部分であってもよく、又は、コンバータ端子534の一部分であってもよい。ワイピング/ブレーキング機能部584の除去部分590は、関連する変換端子532bの接触部分594に跨ってワイピングするように、変換端子532bのチューリップ部分592を分離することになる。この動作については、更に詳細に後述する。ワイピング/ブレーキング機能部584のブレーキング部分596は、電気的に結合された変換端子532のチューリップ部分592から分離するように、関連する変換端子532を押し進める傾斜部を含む。
結合部分586は、導電性材料から構成されており、且つ、結合される変換端子532のチューリップ部分592に電気的に結合することになる。ジャンパ部分588は、特定のコンバータ端子534と結合する変換端子532を事実上接続するべく、2つの結合部分586を電気的に結合する。例えば、内側コンバータ端子534b1のジャンパ部分588は、C+変換端子532b3及びB−変換端子532b5を電気的に結合することになり、外側コンバータ端子534b2のジャンパ部分は、B+変換端子532b2及びA−変換端子532b4を電気的に結合することになる。
図55a、図55b、及び図55cは、2つの異なるコンバータ端子及びワイピング/ブレーキング機能部を更に詳細に示している。
図56〜図58は、電池変換端子532b及び電気装置コンバータ端子534bの結合プロセスを示している。具体的には、図56a及び図56bは、(例えば、コンバータ端子534b1が変換端子532b3に係合するなどのように)コンバータ端子534bが、まず、変換端子532bに係合する際の第1結合フェーズを示している。この結合のフェーズにおいては、(例えば、コンバータ端子534b2などの)コンバータ端子534bのワイピング部分590は、(例えば、変換端子532b2などの)関連する変換端子543bのチューリップ部分592に結合する。ワイピング部分590が変換端子532bに係合するのに伴って、チューリップ部分592は、離れるように広がり、湾曲しうるチューリップ部分592の下部セクションは、例えば、A+変換端子532b1などの関連する変換端子532bのフラットな接触部分594に跨って摺動又はワイピングする。このフェーズにおいては、変換端子532bのチューリップ部分592は、関連する変換端子532bと依然として電気的に結合されており、従って、関連するスイッチは、依然として閉路されている(B+変換端子532b2及びA+変換端子532b1のケースにおいては、これが、スイッチS1となろう)。同一の内容が、このフェーズにおける変換端子532bのすべてに対して当て嵌まる。具体的には、C+変換端子532b3は、A+変換端子532b1の別の接触部分594に跨ってワイピングし、B−変換端子532b5は、C−変換端子532b6の接触部分594に跨ってワイピングし、A−変換端子532b4は、C−変換端子532b6の別の接触部分594に跨ってワイピングする。
図57a及び図57bは、コンバータ端子534がワイピングフェーズを過ぎて進捗した際の第2結合フェーズを示している。この結合のフェーズにおいては、ワイピング/ブレーキング機能部584のブレーキング部分596の傾斜機能部は、例えば、A+変換端子532b1などの関連する変換端子532のワイピング部分590と係合し、これにより、例えば、B+変換端子532b2などの変換端子532のチューリップ部分592を、関連する変換端子532から、この例においては、A+変換端子532b1から、分離する。同時に、B+変換端子532b2のチューリップ部分592は、ブレーキング部分596の絶縁部分200に跨って移動している。図57bに示されているように、破線の電池側には、絶縁部分200が存在しており、破線の装置側には、コンバータ端子534bの導電性又は結合部分が存在している。このフェーズにおいては、B+変換端子532b2及びC+変換端子532b3が、A+変換端子532b1から分離した際に、スイッチS1及びS2が開路し、A−変換端子532b4及びB−変換端子532b5がC−変換端子532b6から分離した際に、スイッチS3及びS4が開路する。このフェーズにおいては、電池546は、開路状態構成にある。
開路状態構成を含むことにより、電池は、短絡状態にセルを置くことを回避している。短絡状態にセルを置くことは、電池に対して深刻で有害な影響を及ぼしうるであろう。例えば、セルのすべて又はいくつかが短絡状態に置かれた場合には、大量の放電が発生しうるであろう。
図58a及び図58bは、コンバータ端子534bがブレーキングフェーズを越えて、ジャンピングフェーズに進捗した際の第3結合フェーズを示している。この結合のフェーズにおいて、コンバータ端子534bの結合部分586は、変換端子532bのチューリップ部分592に係合する。これが発生するのに伴って、変換端子532bのうちの1つが、コンバータ端子534bのジャンパ部分588を通じて変換端子532bの別のものに接続される。これは、直列スイッチを閉路するように機能する。図示の例示的な実施形態においては、B+変換端子532b2は、外側コンバータ端子534b2及び関連するジャンパ部分588を通じてA−変換端子532b4に接続されており、C+変換端子532b3は、内側コンバータ端子534b1及び関連するジャンパ部分588を通じてB−変換端子532b5に接続されている。このフェーズは、スイッチS5及びS6を閉路する。
ひとたび電気装置及び電池パックが完全に結合され、且つ、第3結合フェーズが完了したら、セルは、図37bに示されているように、直列の中間定格電圧構成において構成されることになる。
図59〜図67は、変換可能電池パック20A4の別の代替実施形態を示している。この実施形態は、図50〜図58の先の実施形態に類似している。2つの実施形態の間における相違点は、電池端子632、特に、変換端子632bと、電気装置端子634、特に、コンバータ端子634bと、である。図37及び図59に示されているように、電池セルの物理的且つ電気的構成は、先の実施形態と同一であり、再度の説明を省略することとする。
図60に示されているように、電池端子ブロック672は、先の実施形態に類似しており、再度の説明を省略することとする。更には、電池端子632aの第1のサブセット(電力端子及び信号端子を含む)は、先の実施形態と同一であり、再度の説明を省略することとする。図60及び図61に示されているように、電池端子632bの第2のサブセット(変換端子を含む)は、先の実施形態とは異なっており、詳細に説明することとする。
図61に示されているように、変換端子632bの組は、セルの各サブセットの正の端子に電気的に結合された端子と、セルの各サブセットの負の端子に電気的に結合された端子と、を含む。具体的には、第1A+変換端子632b1は、ノードA+に結合しており、第2B+変換端子632b2は、ノードB+に結合しており、第3C+変換端子632b3は、ノードC+に結合しており、第4A−変換端子632b4は、ノードA−に結合しており、第5B−変換端子632b5は、ノードB−に結合しており、第6C−変換端子632b6は、ノードC−に結合している。図28に示されているように、変換端子632bは、フル端子632b3、632b5、部分端子632b1、632b6、及び組立体端子632b2、632b4という3つのタイプの端子を含む。フル端子632b3、632b5は、単一の端子要素を有し、且つ、端子ブロック672の電池側を越えたところから端子ブロック672の装置側を越えたところまで延在している。部分端子632b1、632b6は、端子ブロック672の電池側を越えたところから端子ブロック672の内部場所までのみ延在している。組立体端子632b2、632b4は、端子ブロック672の電池側を越えたところから端子ブロック672の内部場所まで延在する第1組立体端子要素680と、端子ブロック672の内部場所から端子ブロック672の装置側を越えたところまで延在する第2組立体端子要素682と、端子ブロック672の内部場所から端子ブロック672の装置側を越えたところまで延在する第3組立体端子要素684と、第2組立体端子要素682と第3組立体端子要素684との間において位置したスプリング要素686と、を含む。組立体端子632b2、632b4は、更に詳細に後述するスプリング及び支点設計を形成している。この端子構成は、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、その他の端子構成及び接続方式が、本開示により想定され包含される。
この例示的な変換端子構成は、スプリング及び支点設計を利用している。また、第2及び第3組立体端子要素682、684は、レバー682a、682b、684a、684bとも呼称される。レバー682、684のそれぞれは、結合端部688と、接続端部690と、を含む。第1端子構成(低定格電圧構成)においては、一方のレバー682aの結合端部688は、他方のレバー684aの結合端部688に電気的に結合されている。また、端子構成は、各レバー682、684について、支点692を含む。端子ブロックの内部場所における第1組立体端子要素の端部は、第2組立体端子要素682用の支点692として機能し、且つ、第3組立体端子要素684用の支点692として機能するべく、別個の支点が、端子ブロック内において形成されている。スプリング要素686は、例えば、圧縮スプリングであってもよい。圧縮スプリング686は、更に詳細に後述するように、各レバー682、684の接続端部690を関連するフル端子674又は部分端子676との接触状態において維持している。
その第1状態(この例示的な実施形態においては、低定格電圧構成)において、A+変換端子632b1は、関連する第1レバー682aを通じてB+変換端子632b2に電気的に結合されている。これは、電力スイッチS1を形成する。これに加えて、B+変換端子632b2は、関連する第1レバー682a及び関連する第2レバー684aを通じてC+変換端子632b3に電気的に結合されている。これは、電力スイッチS2を形成する。これに加えて、A−変換端子632b4は、関連する第1レバー682b及び関連する第2レバー684bを通じてB−変換端子632b5に電気的に結合されている。これは、電力スイッチS3を形成する。これに加えて、B−変換端子632b5は、関連する第1レバー682b及び関連する第2レバー684bを通じてC−変換端子632b6に電気的に結合されている。これは、電力スイッチS4を形成する。
図62〜図64は、電気装置端子ブロック662と、電気装置端子634と、を示している。装置端子ブロック662は、先の実施形態の端子ブロック562に類似しており、再度の説明を省略することとする。装置の電力及び信号端子634aは、先の実施形態の電力及び信号端子634aに類似しており、再度の説明を省略することとする。コンバータ端子634bは、ブレーキング機能部694と、結合部分696と、ジャンパ部分698と、を含む。コンバータ端子634bは、内側端子634b1と、外側端子634b2と、を含む。
図65は、第1構成(この例においては、低定格電圧構成)における変換端子632bと、変換端子632bと結合する直前のコンバータ端子634bと、を示している。この構成においては、A+変換端子632b1は、B+変換端子632b2に電気的に結合されており、B+変換端子632b2は、C+変換端子632b3に電気的に結合されている。従って、電力スイッチS1及びS2は、閉路された状態にある。これに加えて、A−変換端子632b4は、B−変換端子632b5に電気的に結合されており、B−変換端子632b5は、C−変換端子632b6に電気的に結合されている。従って、電力スイッチS3及びS4は、閉路された状態にある。更には、電力スイッチS5及びS6は、事実上、開路状態にある。この構成においては、セル648のA、B、Cサブセットは、並列状態において電気的に結合されている。
図66に示されているように、第1結合フェーズにおいては、コンバータ端子634b2は、結合方向(矢印A)において移動し、且つ、まず、レバー682、684に係合し、且つ、変換端子632bの間の接続を切る。具体的には、外側コンバータ端子624b2上におけるブレーキング機能部694(結合部分から電気的に隔離されており、且つ、絶縁材料又は導電性材料であってもよい)が、レバー682、684に係合する際に、レバー682、684の結合端部688は、離れるように強制される。結合端部688が、離れるように強制されるのに伴って、各レバー682、684と関連する支点692は、レバー682、684の接続端部690が、圧縮スプリング686の力に抗して互いに向かって移動することを可能にする。レバー682、684の接続端部690が、互いに向かって移動するのに伴って、レバー682、684の接続端部690と、部分変換端子632b1、632b6及ぶフル変換端子632b3、632b5と、の間における電気接続が切られる。具体的には、外側コンバータ端子634b2のブレーキング機能部294aがレバー682a、684aの第1の組と係合する際に、第1レバー682aの接続端部690の間における接続がA+変換端子632b1から分離し、第2レバー684aの接続端部690がC+変換端子632b3から分離する。これは、電力スイッチS1及びS2を開路するように機能する。また、外側変換端子634b2のブレーキング機能部694bが、レバー682b、684bの第2ペアと係合する際に、第3レバー682bの接続端部690の間における接続がC−変換端子632b6から分離し、第4レバー684bが、B−変換端子632b5から分離する。これは、電力スイッチS3及びS4を開路するように機能する。このフェーズにおいては、電池は、開路状態構成にある。
図67に示されているように、第2結合フェーズにおいては、コンバータ端子634bは、外側コンバータ端子634b2の導電性結合部分296が、レバー682、684の結合端部688に係合し、且つ、内側コンバータ端子634b1の導電性結合部分296が、フル端子632b3、632b5の結合端部674と係合する時点まで、結合方向(矢印A)において継続的に移動し、且つ、更にレバー682、694と係合する。このフェーズにおいては、2つの組立体端子632b2、632b4が電気的に接続されており、2つのフル端子632b3、632b5が電気的に接続されている。換言すれば、A−変換端子632b4は、B+変換端子632b2に電気的に接続されており、B−変換端子632b5は、C+変換端子632b3に電気的に接続されている。これは、電力スイッチS5及びS6を閉路するように機能する。これは、セルのA、B、Cサブセットを直列状態に置き、電池を中間定格電圧構成に置く。
電池パックハウジング内に存在している電池セルの上述の構成は、電池を第1電池構成に置く第1セル構成から電池を第2電池構成に置く第2セル構成に双方向に変更されてもよい。第1電池構成においては、電池は、低定格電圧/高容量電池であり、第2電池構成においては、電池は、中間定格電圧/低容量電池である。換言すれば、変換可能電池パックは、例えば、低定格電圧及び中間定格電圧などの複数の定格電圧を有する能力を有する。上述のように、低及び中間は、相対的な用語であり、変換可能電池パックを特定の電圧に限定することを意図したものではない。意図は、単純に、変換可能電池パックが、低定格電圧を有する第1電動工具及び中間定格電圧を有する第2電動工具と共に動作することが可能であり、ここで、中間は、単に低よりも大きいことを示すというものである。これに加えて、複数の変換可能電池パックは、高定格電圧を有する第3電動工具と共に動作することも可能である(高定格電圧は、単に中間定格電圧よりも高い定格電圧である)。
図68は、変換可能電池パック20A4の別の例示的な実施形態を示している。変換可能電池パック20A4は、ハウジング712を含む。変換可能電池パック20A4は、例えば、電池パックハウジング712を形成するべく1つに結合される上部部分714及び下部部分716、又は、電池パックハウジング712を形成するべく上部部分715と結合される2つの側部部分713などのように、電池パックハウジング712を生成するための様々な代替構成を含みうる。構造とは無関係に、電池パックハウジング712は、内部空洞718を形成することになる。電池パックハウジング712を形成するためのその他の構成が、本開示により想定され包含される。電池パックハウジング712は、例えば、電動工具10又は電池充電器30などの電気装置の対応した電池パックインターフェイス722と機械的に結合するための電気装置インターフェイス720を含む。図示の例示的な実施形態においては、電気装置インターフェイス720は、レール724のペアと、溝726のペアと、を含むレール及び溝システムを含む。その他のタイプのインターフェイスが、本開示により想定され包含される。また、電気装置インターフェイス720は、変換可能電池パック20A4を電気装置10/30に取り付けるためのラッチシステム728を含んでもよい。
また、電池パックハウジング712は、電池パックハウジング712の上部部分714内において複数のスロット730を含む。スロット730は、電池パックハウジング712のその他の部分内において位置してもよい。複数のスロット730は、スロット730の組を形成している。複数のスロット730は、複数の電池端子732に対応している。複数の電池端子732は、電池端子732の組を形成している。また、複数のスロット730は、電気装置の複数の端子734にも対応している。複数の電気装置端子734は、電気装置端子734の組を形成している。電気装置端子734は、更に詳細に後述するように、電池端子スロット730によって受け入れられ、且つ、電池端子732と係合及び結合する。
従来の電池パック及び電気装置は、電力端子と、信号端子と、を含む。電力端子は、電力レベル電圧及び電流を電池パックと電気装置との間において転送する。これらのレベルは、装置及び用途に応じて、約9V〜約240V及び100mA〜200Aの範囲であってもよい。これらの端子は、通常、B+及びB−端子と呼称される。これに加えて、これらの端子は、通常、上述の電圧及び電流レベルと関連した電力(W)要件を取り扱うべく、より高い導電率グレードの材料から構成されている。信号端子は、信号レベル電圧及び電流を電池パックと電気装置との間において転送する。これらのレベルは、通常、装置及び用途に応じて、0V〜30V及び0A〜10mAの範囲である。これらの端子は、高電力(W)レベルの取扱いを必要としていないことから、より低い導電率グレードの材料から構成されてもよい。
また、本発明のこの実施形態においては、電池パックハウジング712は、電池端子スロット730の両側において電池パックハウジング712の上部部分714に沿って延在する変換スロット又は軌道736のペアを含む。図示の例示的な実施形態においては、軌道736は、電池パックハウジング712の(図1において示されている向きにおいて)前方のエッジ又は表面738から電池パックハウジング712の上部部分714の中央部分740まで延在している。各軌道736は、電池パックハウジング712の上部部分714内の貫通孔742において終端している。貫通孔742は、電池パックハウジング712の外部表面から内部空洞718まで延在している。図示の実施形態においては、貫通孔742は、電動工具インターフェイスのレール724の前面において、且つ、電池パックハウジングスロット730に隣接した状態において、位置している。変換スロット730及び貫通孔742は、電池パックハウジング712のその他の部分において位置してもよい。代替実施形態は、より多くの又は少ないスロット730を含みうる。
図69、図70、及び図71は、例示的な電池パックインターフェイス722を示しており、この例においては、変換可能電池パック20A4と結合する電動工具10のものを示している。電池パックインターフェイス722は、上述の電動工具インターフェイスと機械的に結合するレール及び溝のペアを含む。また、電池パックインターフェイス722は、電気装置端子ブロック723を含む。電気装置端子ブロック723は、電気装置端子734を保持している。また、電池パックインターフェイス722は、変換要素又は突起746のペアを含む。電気装置の例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ない変換要素746を含んでもよく、且つ、本開示により想定され包含される。例示的な実施形態においては、変換要素746は、電池パックインターフェイス722から下方に延在しうる単純な突起又は突出部であってもよい。変換要素746は、対応した電池パック変換スロット730内において受け入れられるように、サイズ設定及び位置決めされている。変換可能電池パック20A4は、コンバータ要素750を含む。コンバータ要素は、コンバータ要素750から延在するコンバータ要素突起748のペアを含む。電池パックインターフェイス722が、結合方向(矢印Aによって示されている)において、電気装置インターフェイス720との結合係合状態に摺動するのに伴って、変換要素746は、対応した変換スロット730内において受け入れられ、且つ、これに沿って摺動する。結合プロセスにおける特定の時点において、更に詳細に後述するように、変換突起746は、コンバータ要素突起748と係合することになる。結合プロセスが結合方向において継続するのに伴って、変換要素746は、結合方向において移動又は摺動するように、コンバータ要素突起748を、且つ、その結果、コンバータ要素750全体を、押し進めることになる。
図72〜図74において示されているように、電池752の例示的な実施形態は、複数の電池セル754を含む。また、電池752は、1つのセルのセル端子758を別のセルのセル端子758に電気的に接続し、且つ/又は、セルの端子を主印刷回路基板(PCB)760に、又はPCBに接続するフレキシブル印刷回路に、又は電気接続を収容するなんらかのその他のタイプの支持基板761に、接続するための電気カプラを提供する、ストラップ又はワイヤなどの複数のセル相互接続756を含む。また、1つ又は複数の電気装置に結合するためのラッチシステムも示されている。また、電池752は、端子ブロック762と、電池端子732と、を含む。更に詳細に後述するように、部分的に、リボンケーブル763などのコネクタにより、一端において、電池端子732は、電気装置端子734に電気的に結合するように構成されており、別の端部において、電池端子732は、電池セル754に電気的に結合されている。
図75a及び図75bは、例示的な変換可能電池20A4の側面図を示している。セルホルダ764内における特定のセル配置は、セルのサブセット内のセルの系統の最も負及び最も正の位置におけるセルの正及び負の端子が、PCB760と、支持基板761と、に最も近接した状態において配置されることを許容するべく、容易なストラップ接続を許容しており、これは、PCB760及び支持基板761に対するセルのサブセットの正及び負の端子の間における容易な接続を許容する。具体的には、図75aに示されているように、端子A1−(セルのA系統のA−端子に対応している)、B1−(セルのB系統のB−端子に対応している)、及びC1−(セルのC系統のC−端子に対応している)は、PCB760又は支持基板761において又はPCB760又は支持基板761の近傍においてセルホルダ764内において物理的に位置している。端子A1−、B1−、及びC1−に関して、これらの端子は、クラスタの最上部に位置しており、関連するストラップは、非常に短くてもよく、且つ、PCB760又は支持基板761に対して直接的なものであってもよい。図75bに示されているように、端子A5+(セルのA系統のA+端子に対応している)、B5+(セルのB系統のB+端子に対応している)、及びC1+(セルのC系統のC+端子に対応している)は、PCB760及び支持基板761において又はPCB760及び支持基板761の近傍においてセルホルダ764内において物理的に位置している。端子B5+及びC5+に関して、これらの端子は、クラスタの最上部において位置しており、関連するストラップは、非常に短くてもよく、且つ、PCB760又は支持基板761に対して直接的なものであってもよい。A5+に関して、この端子は、クラスタの最上部に近接しており、関連するストラップは、単一のセル端子758(A1+)を越えて延在し、且つ、PCB760又は支持基板761に接続している。この構成により、これらの電池セル端子758と接触パッド766の組との間の接続は、その他の構成におけるものよりも容易に実施することができる。従来のセルレイアウトは、セルの別個の系統内のセルを単一の平面内において(通常、パックが水平方向表面上において配置される際には、水平方向平面内において)配置しており、且つ、セルの隣接する系統は、ほぼ垂直方向に沿って互いに隣接した状態にある。本開示のセルレイアウトは、セルの別個の系統のセルが、ほぼ垂直方向のグループ分け状態にあり、且つ、セルの隣接した系統が、ほぼ水平方向に沿って互いに隣接しているという点において、従来のものとは異なっている。
以下、電池752が低定格電圧から中間定格電圧構成に変換される方式について更に詳細に説明することとする。「低」及び「中間」という用語は、低定格電圧構成が、中間定格電圧構成よりも小さい定格電圧を有し、中間定格電圧構成が、低定格電圧構成よりも大きい定格電圧を有するという点において、相対的な用語となることを意図したものに過ぎないことを理解されたい。
図76a、図76bは、変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態の例示的な電池752の簡略化された回路図を示している。
本発明においては、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成と中間定格電圧構成との間において変換可能である。例示を目的としてのみ、低定格電圧は、20ボルトであってもよく、中間定格電圧は、60ボルトであってもよい。その他の電圧が、本開示により想定され包含される。図76aに示されているように、電池752は、セルの3つの系統(A系統、B系統、及びC系統)を含み、各系統は、5つの電池セル754を含む。その他の例示的な代替実施形態は、より少ない又は多い系統及び/又はより少ない又は多い系統当たりのセルを含みうる。セルの各系統は、例えば、A+、B+、C+などの正の端子と、例えば、A−、B−、C−などの負の端子と、を含む。各セルは、系統及び系統内のその位置によって表記され、例えば、CA1は、負から正に系統内において移動する際に、A系統内の第1セルであり、CC5は、負から正に移動する際にC系統内の第5セルである。この表記法は、例示を目的としたものに過ぎず、同一の効果を目的として、その他の表記法が使用されてもよい。隣接するセルの間の電池セルノード(又は、単にセルノード)は、系統及び系統内におけるその位置によって表記され、例えば、A2は、セルCA2とセルCA3との間におけるA系統内のセルノードである。そして、B3は、セルCB3とセルCB4との間におけるB系統内のセルノードである。また、電池752は、複数のスイッチ(スイッチングネットワークとも呼称される)を含む。複数のスイッチは、機械的スイッチ、電子的スイッチ、若しくは電気機械的スイッチ、又は、これらの任意の組合せであってもよい。また、電池752は、電力を、通常は信号端子である、端子を通じて転送するための接続を含む。これらの特別の端子及び/又はこれらの特別な端子に対する接続は、図76a及び図76bの概略図においては、BT1及びBT3というラベルが付与されたブロックによって表記されている。これらの接続及び端子については、更に詳細に後述することとする。
変換可能電池パック20A4が、低定格電圧状態にある際には(いずれの電気装置にも接続されていないか、又は、低定格電圧電気装置に接続されている際には)、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4は、閉路された状態にあり、スイッチSW5、SW6、及びSW7は、開路された状態にある。変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧状態にある際には(中間定格電圧電気装置に結合されている際には)、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4は、開路された状態にあり、スイッチSW5、SW6、及びSW7は、閉路された状態にある。また、中間定格電圧電気装置10A2は、変換可能電池パック20A4から電気装置の電力負荷に電力を転送するように構成された従来の端子734aの第1の組(又は、電気装置端子734のサブセット)に加えて、電力を転送するための端子734bの第2の組(又は、電気装置端子734のサブセット)を含むことになる。従来の電気装置の電力端子は、通常、TOOL+及びTOOL−端子と呼称され、且つ、通常は、それぞれ、BATT+及びBATT−端子と呼称される電池電力端子に結合する。工具電力端子の第2の組及び/又は電動工具端子の第2の組への接続は、TT1及びTT3というラベルが付与されたブロックによって表記されており、これらのブロックの間における接続は、導電性ワイヤなどの単純な電気接続であってもよい。これらのスイッチ及び特別な端子については、更に詳細に後述することとする。
図77〜図85に示されているように、変換サブシステム772は、図76a及び図76bに示されていると共に上述したスイッチSW1〜SW7を事実上開路及び閉路するべく、セル系統端子の間における接続を生じさせる及び切る。変換サブシステム772は、変換メカニズムカバー765と、コンバータ要素750と、を含む。図77〜図79は、図68〜図71の変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態のコンバータ要素750(変換カード、スライダ、又はスライダカードとも呼称される)の例示的な一実施形態を示している。
コンバータ要素750は、支持構造、基板、又はハウジング774を含む。支持構造774は、プラスチック材料又は後述する機能を提供する任意のその他の材料から構成されてもよい。図示の例示的な実施形態においては、コンバータ要素支持構造は、U字の形状を有している。更に詳しくは、コンバータ要素支持構造は、2つの平行脚部776と、平行脚部776を接続するクロスバー778と、を含む。コンバータ要素750は、その他の形状を有してもよい。コンバータ要素750は、突起780のペアを含む。コンバータ要素突起748は、コンバータ要素支持構造の上部表面782から延在している。突起のうちの1つは、各平行脚部776の表面から延在してもよい。コンバータ要素750は、より多くの又は少ない突起を含みうる。各突起は、貫通孔742のうちの1つを通じて、且つ、関連する軌道736内に、延在している。コンバータ要素750が第1位置にある際には、図77aに示されているように、且つ、後述するように、突起は、対応した貫通孔の第1端部において位置している。コンバータ要素750が第2位置にある際には、図77bに示されているように、且つ、後述するように、突起は、対応した貫通孔の第2端部において位置している。
また、コンバータ要素750は、複数のスイッチ接点(SC:Switching Contact)784を含む。複数のスイッチング接点784は、スイッチング接点784の組を形成している。コンバータ要素750の図示の例示的な実施形態においては、接点の組は、相対的に高い電力電流を転送することになるという点において、電力接点である。また、支持構造は、下部表面を含む。電力接点の組は、クロスバーの下部表面から延在している。
また、変換サブシステム772は、圧縮スプリング786のペアを含む。例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ないスプリング786、その他のタイプのスプリング、及び/又は異なる場所において位置したスプリングを含んでもよく、本開示により想定され包含される。各平行脚部は、スプリング接続突起788を含む。各圧縮スプリングの第1端部は、対応したスプリング接続突起788に装着されている。各圧縮スプリングの第2端部は、支持基板に結合されている。圧縮スプリング786は、図77aにおいて示されているように、コンバータ要素750を第1位置に押し進めるように構成されている。電気装置10A2/10A3/10Bが、結合方向において、変換可能電池パック20A4と結合し、且つ、電気装置変換要素746が、コンバータ要素突起748と係合するのに伴って、コンバータ要素750は、その第1位置(図77aに示されている)から移動し、且つ、スプリング786に抗して動作するように強制され、これにより、スプリング786を圧縮する。電気装置10A2/10A3/10Bが変換可能電池パック20A4と完全に結合した際に、コンバータ要素750は、第1位置から第2位置に移動していることになり、スプリング786は、その完全圧縮状態にある(図77bに示されている)。電気装置10A2/10A3/10Bが、変換可能電池パック20A4から装着解除された際に、スプリング786は、第2位置(図77bに示されている)から第1位置(図77aに示されている)に移動するようにコンバータ要素750を押し進める。また、電池752は、更に詳細に後述するように、例えば、変換サブシステムとセルとの間において、及び/又は、変換サブシステムに隣接した状態において、PCB760及び/又はなんらかのその他のタイプの絶縁支持基板を含みうる。
図79b及び図79dは、コンバータ要素750の第2面(又は、裏面)を示している。図79cは、コンバータ要素750の側面図を示しており、図79aは、コンバータ要素750の平面等角図を示している。
図81及び図82は、複数の電力トレース790と、得られる接触パッド766と、を含む例示的な支持基板761を製造するためのプロセスを示している。図81aに示されているように、特定のトレースレイアウト791は、例えば、厚さが0.5mmのC18080銅などの材料のシートから切り出される。図81aは、材料のシートから切り出された3つのトレース790を示している。接触パッド及び端子フラグの特定の望ましいレイアウトに応じて、代替レイアウトを有する代替数の(より少ない又は多い)トレースが、材料から切り出されてもよい。これに代わる数のレイアウト及びレイアウトの構成が、本開示により、想定され包含される。図81bに示されているように、ひとたびトレース790が切り出されたら、材料は、端子フラグのグループを提供するように、折り曲げられる。図81cに示されているように、ひとたびトレース790が折り曲げられたら、これらは、射出成形金型(簡潔さを目的として図示されていない)内において配置される。具体的には、トレース1が金型内において配置され、次いで、トレース2が金型に追加され、次いで、トレース3が金型に追加される。図81dに示されているように、その後に、プラスチックが、金型内に、例えば、約1.5mmの厚で、射出される。図81dに示されているように、射出成形金型構成の結果として、電力トレース790の一部分は、複数の接触パッド766の形態において、露出した状態で留まっている。支持部を製造するべく、その他の製造プロセスが使用されてもよい。任意の製造プロセスによって支持基板761を提供することが、本開示により想定され包含される。
図82は、支持基板761が射出成形金型から除去された後の支持基板761を示しており、この場合に、支持基板761の外側表面は、埋め込まれた電力レース790を観察するように、透明であるものとして示されている。ひとたび支持基板761が射出成形金型から除去されたら、単一の電力トレース790が、対応した電池ストラップ798に結合するための単一の電力トレースカプラ796に接続されるように、単一のトレースレイアウト791から複数の電力トレース790を生成するべく、支持基板孔794が、予め定義された場所において打ち抜かれる。例えば、A+電力トレース792aは、露出したA+接触パッド766を残し、且つ、A+電池ストラップカプラ800a(これは、CA5正端子に接続されている)に結合するためのA+セル電力トレースカプラ796aを含む。また、図82は、BT1電力トレース790g及び露出した接触パッド766及びBT1フラグ792aと、BT3電力トレース790h及び露出した接触パッド766及びBT3フラグ792bと、を示している。これらについては、更に詳細に後述することとする。一方のトレース790が他方のトレース790とオーバーラップしている場合には、レイアウトは、トレース790が(支持基板761に関して)異なる高さに位置するように、構成され、これは、射出成形された材料がトレース790の間において位置することを可能にし、これにより、オーバーラップしているトレース790を電気的に絶縁することができる。接触パッド766を生成するべく、その他の製造プロセスが使用されてもよい。例えば、接触パッド766は、PCB上において生成することができよう。支持基板761は、リボンケーブル763を収容するべく、スロット793を含む。
図83は、支持基板761と、複数の接触パッド766と、を示している。複数の接触パッド766は、接触パッド766の組を形成している。複数の接触パッド766は、導電性要素である。複数の接触パッド766のそれぞれは、電力トレース790(支持基板761の材料内において埋め込まれており、且つ、更に詳細に後述する)及びセルカプラにより、特定の電池セル系統の特定の端子に電気的に接続可能である。支持基板761は、各電力トレースカプラ796が、対応した電池ストラップカプラ800と整列され、且つ、対応した電池ストラップカプラ800に結合するように、セルホルダ764上において配置されている。電力トレースカプラ796は、溶接又はなんらかのその他の接続技法により、電池ストラップカプラ800に接続されている。また、図83は、例示的な接触パッドレイアウトをも明瞭に示している。接触パッド766(A+、B+、C+、A−、B−、C−)の第1の組の接触パッド766のそれぞれは、表記されているセル系統端子に電気的に結合されており、具体的には、A+接触パッド766は、セルのA系統のA+端子に電気的に結合されており、B+接触パッド766は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されており、C+接触パッド766は、セルのC系統のC+端子に電気的に結合されており、A−接触パッド766は、セルのA系統のA−端子に電気的に結合されており、B−接触パッド766は、セルのB系統のB−端子に電気的に結合されており、C−接触パッド766は、セルのC系統のC−端子に電気的に結合されている。
更には、図73を更に参照すれば、A+接触パッド766は、BATT+/A+フラグ及び関連する電力トレースを介してBATT+電池端子に電気的に結合されており、C−接触パッド766は、BATT−/C−フラグ及び関連する電力トレースを介してBATT−電池端子に電気的に結合されている。接触パッド766(BT1、BT3)の第2の組の各接触パッド766は、関連する電力トレースを介して表記された電池端子グラグに電気的に結合されており、図73に示されているように、各電池端子フラグは、対応した電池端子に電気的に結合されている(BT1フラグは、電池端子BT1に結合されており、BT3フラグは、電池端子BT3に結合されている)。従って、BT1接触パッド766は、BT1電池端子に電気的に結合されており、BT3接触パッド766は、BT3電池端子に電気的に結合されている。
この例示的な実施形態においては、複数の接触パッド766は、コンバータ要素のスイッチング接点784が、支持基板761に沿って摺動し、且つ、スイッチング接点784が、別個の接触パッド766の間における接続を切る及び生じさせることを可能にする(これにより、事実上、図76a及び図76bを参照して上述した電力スイッチSW1〜SW7を開路及び閉路する)。このプロセスについては、更に詳細に後述する。
図84は、例示的な電池752を更に詳細に示している。電池752は、変換サブシステム772を含む。変換サブシステム772は、支持基板761と、コンバータ要素750と、を含む。図84は、複数の接触パッド766と、コンバータ要素スイッチング接点784と、を示しているが、コンバータ要素ハウジングを伴わない。上述のように、例示的な電池752は、接触パッド766の第1のサブセットを支持基板761上において含んでいる。図84a及び図84bに示されている接触パッド構成は、例示的な構成である。例示的な代替実施形態は、その他の接触パッド構成を含んでもよく、本開示により想定され包含される。
また、図84a及び図84bを参照すれば、この例示的な実施形態においては、主PCB760は、複数の接触パッド766を有してもよい。これらの接触パッド766は、電池信号端子を電池セルノードに結合している。具体的には、主PCB760は、BT1、BT2、BT3、及びBT4接触パッド766を含む。また、電池752は、例えば、C1、C2、C3、及びC4などの電池セルノードを主PCB760上の対応した接触パッド766に接続する複数の検知ワイヤ806(図73及び図74に示されている)を含む。セルノード接触パッド766は、直接的又は間接的に、対応した電池端子接触パッド766に電気的に結合されている。具体的には、(1)検知ワイヤは、C2電池セルノードを主PCB760上のC2セルノード接触パッド766に結合しており、主PCB760上のC2セルノード接触パッド766は、BT2電池端子接触パッド766に結合されており、BT2電池端子接触パッド766は、例えば、リボンケーブルを通じて、BT2電池端子に結合されており、(2)検知ワイヤは、C4電池セルノードを主PCB760上のC4セルノード接触パッド766に結合しており、主PCB760上のC4セルノード接触パッド766は、BT4電池端子接触パッド766に結合されており、BT4電池端子接触パッド766は、リボンケーブルを介してBT4電池端子に結合されている。そして、(1)検知ワイヤは、C1電池セルノードを主PCB760上のC1セルノード接触パッド766に結合しており、主PCB760上のC1セルノード接触パッド766は、スイッチS1に結合されており、更に詳細に後述するように、スイッチS1の状態に応じて、C1セルノード接触パッド766は、BT1電池端子接触パッド766に結合されてもよく、BT1電池端子接触パッド766は、BT1フラグにより、BT1電池端子に結合されてもよく、(2)検知ワイヤは、C3電池セルノードを主PCT760上のC3セルノード接触パッド766に結合しており、主PCB760上のC3セルノード接触パッド766は、スイッチS2に結合されており、更に詳細に後述するように、スイッチS2の状態に応じて、C3セルノード接触パッド766は、BT3電池端子接触パッド766に結合されてもよく、BT3電池端子接触パッド766は、BT3フラグにより、BT3電池端子に結合されている。代替実施形態においては、主PCB760上の接触パッド766は、単に、電気接続であってもよい。例えば、セルノード接触パッド766は、単に、検知ワイヤが主PCBに接続する場所であってもよく、電池端子接触パッド766は、単に、リボンケーブルに接続するための主PCB760上の接続場所であってもよく(BT2及びBT4電池端子接触パッド766の場合)、セルノード接続場所と電池端子接続場所との間における接続は、単に、主PCB760上のトレースであってもよい。
本開示において記述されている変換可能電池パックなどの変換可能電池パック20A4の非常に重要な品質は、電池パックが正しい時点において適切な動作構成にあるという点にある。換言すれば、変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧電気装置から除去され、且つ、次いで、低定格電圧電気装置又は低定格電圧充電器内において配置された後に、変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧構成に留まることを要する場合には、電池パック20A4、電気装置、及び/又は充電器が損傷される可能性があり、又は、なんらかのその他のタイプの望ましくないイベントが発生しうるであろう。変換可能電池パック20A4が中間定格電圧を低定格電圧電気装置10A1に転送できないことを保証するべく、変換可能電池パック20A4は、中間定格電圧が、中間定格電圧を使用して動作するように設計されていない装置に転送されることを防止する機能を含む。具体的には、中間定格電圧構成に置かれた際に、変換可能電池パック20A4は、電力を電気装置に電池電力端子(BATT+及びBATT−)及び工具電力端子(TOOL+及びTOO−)を通じて転送することに加えて、少なくとも電池信号端子のペア及び工具電力端子の第2のペアを通じて更に電力を電気装置に転送することになり、この場合に、工具電力端子の第2ペアは、ジャンパ812(短絡バーとも呼称される)を通じて工具端子ブロック723内において互いに結合されている。
図84a及び図84bは、低定格電圧構成と、中間定格電圧構成と、をそれぞれ示している。図84cは、主PCB760上の電池端子接触パッド766並びにスイッチS1及びS2の簡略化された回路図を示している。
図84a及び図84cを参照し、低定格電圧構成について説明することとする。図67の例示的な変換可能電池パック20A4が電気装置に結合されていない際には、又は、これが低定格電圧電動工具10A1若しくは充電器30に結合されている際には、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成にある。この低定格電圧構成にある際には、第1コンバータ要素スイッチング接点(SC1)は、A+接触パッド766とB+接点とを電気的に結合しており、第2コンバータ要素スイッチング接点(SC2)は、A+接触パッド766とC+接触パッド766とを電気的に結合しており、第3コンバータ要素スイッチング接点(SC3)は、C−接触パッド766とA−接触パッド766を電気的に結合しており、第4コンバータ要素スイッチング接点(SC4)は、C−接触パッド766とB−接触パッド766とを電気的に結合している。これは、事実上、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4(図76a及び図76bに示されている)を閉路された状態に置き、BT接触パッド766とA−接触パッド766との間又はBT3接触パッド766とB+接触パッド766との間には、接続が存在していないことから、これは、事実上、スイッチSW5、SW6、及びSW7(図76a及び図76bに示されている)を開路された状態に置く。従って、セルのA系統、セルのB系統、及びセルのC系統の正の端子は、すべて、BATT+電池端子に電気的に接続及び結合されており、セルのA系統、セルのB系統、及びセルのC系統の負の端子は、すべて、BATT−電池端子に電気的に接続及び結合されている。従って、セルの系統は、すべて並列状態にある。
図84cを参照し、電子的スイッチS1及びS2について説明することとする。まず、Q11及びQ21は、p−チャネルMOSFETトランジスタであり、Q12及びQ22は、n−チャネルMOSFETトランジスタであることに留意されたい。一般に、p−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧がソース電圧よりも低い際に、トランジスタはオンになり(閉路された状態)、さもなければ、トランジスタはオフになり(開路状態)、n−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧がソース電圧よりも大きい際に、トランジスタはオンになり(閉路状態)、さもなければ、トランジスタはオフになる(開路状態)。電池752が低定格電圧状態にある際には、セルのC系統のC+端子における電圧は、セルのB系統のB−端子における電圧よりも大きく、C1セルノードにおける電圧は、セルのC系統のC+端子における電圧よりも小さいが、接地よりも大きく、C3セルノードにおける電圧は、セルのC系統のC+端子における電圧よりも小さいが、接地よりも大きい。従って、電池752が低定格電圧構成にある際には、Q11は、オンとなり、Q12は、オンとなり、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることになり、Q21は、オンとなり、Q22は、オンとなり、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることになる。
変換可能電池パック20A4が中間定格電圧電動工具10A2と結合した際に、電動工具変換要素突起は、コンバータ要素突起748と係合し、且つ、その第2位置に移動するようにコンバータ要素750を押し進めることになる。これに加えて、工具端子TT1及びTT3が、電池端子BT1及びBT3とそれぞれ係合することになる。図76〜図89に示されているように、中間定格電圧電動工具10A2内の工具端子TT1及びTT3は、ジャンパ812(短絡バー)により、共に結合されている。従って、中間定格電圧電動工具10A2が変換可能電池パック20A4と係合する際には、電池端子BT1及びBT3は、工具端子TT1及びTT3並びに工具端子TT1及びTT3の間のジャンパ812を通じて電気的に結合された状態となり、且つ、BATT+及びBATT−電池端子732の間の回路を完成させることになる。その他の方式で変換可能電池パック20A4に結合することになる低定格電圧電動工具10A1は、結合された工具端子TT1及びTT3を含むことにはならず、従って、更に詳細に後述するように、BATT+及びBATT−電池端子732の間における回路を完成させることにならない。従って、変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧電動工具10A2から除去された後に、その中間定格電圧構成に留まること要する場合にも、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧工具10A1と共に動作することにならないであろう。
図84b及び図85fを参照すれば、コンバータ要素750が中間定格電圧位置に移動する際に、第1コンバータ要素スイッチング接点SC1は、A+及びB+接触パッド766から結合解除され、B+及びBT3接触パッド766を結合させることになり、第2コンバータ要素スイッチング接点SC2は、A+及びC+接触パッド766から結合解除されることになり、第3コンバータ要素スイッチング接点SC3は、A−及びC−接触パッド766から結合解除され、A−及びBT1接触パッド766を結合させることになり、第4コンバータ要素スイッチング接点SC4は、C−及びB−接触パッド766から結合解除され、B−及びC+接触パッド766を結合することになる。これは、事実上、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4を開路された状態に置き、事実上、SW5、SW6、及びSW7を閉路された状態に置く(図76bに示されている)。従って、BATT−電池端子は、セルのC系統のC−端子に結合されており、セルのC系統のC+端子は、セルのB系統のB−端子に結合されており、セルのB系統のB+端子は、セルのA系統のA−端子に結合されたBT1電池端子に結合されたTT1工具端子に(ジャンパ812を介して)結合されたTT3工具端子に結合されたBT3電池端子に結合されており、セルのA系統のA+端子は、BATT+電池端子に結合されている。従って、セルのA、B、C系統は、すべて、直列状態にある。この構成においては、工具の負荷を動作させるための電力(電圧及び電流)は、BATT+及びBATT−電池端子732、BT1及びBT3電池端子732、TOOL+及びTOOL−工具端子、並びにTT1及びTT3工具端子を通じて提供される。
図84cを再度参照すれば、電池752が中間定格電圧状態にある際に、セルのC系統のC+端子における電圧は、セルのB系統のB−端子における電圧に等しく、C1セルノードにおける電圧は、セルのC系統のC+端子における電圧未満であるが、接地よりも大きく、C3セルノードにおける電圧は、セルのC系統のC+端子における電圧未満であるが、接地よりも大きい。従って、電池752が中間定格電圧状態にある際には、Q11は、オフとなり、Q12は、オフとなり、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることにならず、Q21は、オフとなり、Q22は、オフとなり、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることにならない。代替的に、上述のように、BT1電池端子は、TT1及びTT3工具端子を通じてBT3電池端子に結合されることになる。
図85a〜図85fは、パックが、低定格電圧構成から、開路状態構成へ、そして、中間定格電圧構成へ、と変換されるのに伴う例示的な変換可能電池752の様々なステージ又は構成を示している。また、これらの図は、電池端子ブロック762と、複数の電池端子732と、を示している。これらの図は、電池752が低定格電圧状態から中間定格電圧状態に変換されるのに伴うこれらの電池端子732における電圧を示している。
また、図85a〜図85fは、(1)変換可能電池パック20A4が中間定格電圧工具10A2(例えば、60V)と結合するのに伴って支持基板761に沿って移動するコンバータ要素750と、(2)支持基板761に沿って移動するコンバータ要素スイッチング接点784SC1〜SC4と、(3)様々な接触パッド766の間における様々な接続の状態を表記した表と、を示している。上述のように、接触パッド766及びコンバータ要素スイッチ接点784は、協働し、事実上、セル系統端子の間におけるスイッチSW1〜SW7として機能する。電気装置10A2が変換可能電池パック20A4と結合方向(図69〜図71に示されている)において結合し、且つ、コンバータ要素750が第1位置(図77aにおいて示されている)から第2位置(図77bにおいて示されている)に移動するのに伴って、コンバータ要素スイッチング接点784も、第1位置(図84a及び図85aに示されている)から第2位置(図84b及び図85fに示されている)に移動する。コンバータ要素スイッチング接点784が、第1位置から第2位置に移動するのに伴って、スイッチング接点784は、接触パッド766との間において分離及び接続を実行する。分離及び接続が発生するのに伴って、セル系統端子の間におけるスイッチSW1〜SW7は、それぞれ、開路及び閉路される。スイッチが開路及び閉路されるのに伴って、電池752は、低定格電圧構成から、開路構成へ、そして、中間定格電圧構成へ、と変換される。逆に、コンバータ要素750が、第2位置から第1位置に移動するのに伴って、電池752は、中間定格電圧構成から、開路状態構成へ、そして、低定格電圧構成へ、と変換される。
図85aは、コンバータ要素750が、第1位置にある際の(低定格電圧構成にある際の)コンバータ要素スイッチング接点784SC1〜SC4及び接触パッド766の状態を示している。この場合にも、特定の接触パッド766の場所は、例示を目的としたものであり、その他の構成が、本開示によって想定されている。この構成においては、第1コンバータ要素スイッチング接点SC1は、A+及びB+接触パッド766を電気的に結合しており、第2コンバータ要素スイッチング接点SC2は、A+及びC+接触パッド766を電気的に結合しており、第3コンバータ要素スイッチング接点SC3は、C−及びA−接触パッド766を電気的に結合しており、第4コンバータ要素スイッチング接点SC4は、C−及びB−接触パッド766を電気的に結合している。4つのコンバータ要素スイッチ接点784がこの位置にある際には、ネットワークスイッチSW1、SW2、SW3、SW4は、閉路された状態にあり、ネットワークスイッチSW5、SW6、及びSW7は、開路された状態にある。これは、セルのA系統及びセルのB系統及びセルのC系統を、並列状態に置く。
図85fは、変換可能電池パック20A4が、工具端子TT1及びTT3の間にジャンパ812を有する中間定格電圧電動工具10A2に結合された際の、コンバータ要素750が第2位置(中間定格電圧構成)にあるときのコンバータ要素スイッチング接点784SC1〜SC4及び接触パッド766の状態を示している。この構成においては、第1コンバータ要素スイッチング接点SC1は、B+及びBT3接触パッド766を電気的に結合しており、第2コンバータ要素スイッチング接点SC2は、なんらの接触パッド766によっても結合されてはおらず、第3コンバータ要素スイッチング接点SC3は、A−及びBT1接触パッド766を電気的に結合しており、第4コンバータ要素接点SC4は、C+及びB−接触パッド766を電気的に結合している。4つのコンバータ要素スイッチング接点784がこの位置にある際には、ネットワークスイッチSW1、SW2、SW3、SW4は、開路状態にあり、ネットワークスイッチSW5、SW6、及びSW7は、閉路状態にある。これは、セルのA系統及びセルのB系統及びセルのC系統を、直列状態に置く。
例示的な一実施形態において、図85c、図85d、及び図85eは、コンバータ要素750が第1位置(低定格電圧構成)と第2位置(中間定格電圧構成)との間において移動するのに伴うネットワークスイッチの状態を示している。一般に、スイッチが開路及び閉路するのに伴って、望ましくない電圧/電流が、セル上において生成される場合があり、及び/又は、セルの間において移動する場合がある。これらの望ましくない電圧/電流に対処するべく、電池752は、中間ステージ又はフェーズに置かれうる。従って、ネットワークスイッチは、特定の順序において開路及び閉路されうる。図85cに示されているように、且つ、図85cの例示的な表を参照すれば、コンバータ要素750が結合方向において移動するのに伴って、まず、コンバータ要素スイッチング接点784が、接触パッド766から分離されることになる。これは、事実上、すべてのネットワークスイッチSW1〜SW7を開路する。
図85a〜図85fに示されている表は、コンバータ要素750が第1位置と第2位置の間において移動するのに伴うスイッチングネットワークの様々なステージを示している。第1ステージは、コンバータ要素750の第1位置(第1/低定格電圧構成)に対応しており、第6ステージは、コンバータ要素750の第2位置(第2/中間定格電圧構成)に対応している。第3及び第4ステージは、中間ステージ/フェーズであり、且つ、開路状態構成に対応している。
コンバータ要素750が第1位置から第2位置に移動し、且つ、ネットワークスイッチが開路及び閉路した際に、様々な電池端子732上の電圧が変化することになる。更に詳しくは、図76及び図84に示されている、セルが4Vセルであり電池752が完全充電されている、例示的な実施形態においては、コンバータ要素750が第1位置にある際には、BATT+=20Vであり、BATT−=0Vであり、C1=4Vであり、C2=8Vであり、C3=12Vであり、C4=16Vである。コンバータ要素750が第2位置にある際には、BATT+=60Vであり、BATT−=0Vであり、BT1=40Vであり、BT2=8Vであり、BT3=40Vであり、BT4=16Vである。電池信号端子BT2及びBT34を使用することにより、いずれのセルノードに電池信号端子が接続されているのかとは無関係に、過充電、過放電、及び不均衡について、電池セル754を監視することができる。例示的な代替実施形態は、電池信号端子をセルノードに接続するためのその他の構成を含んでもよく、本開示により想定され包含される。
当然のことながら、電気装置10A2が、変換可能電池パック20A4から、結合方向とは反対の方向(非結合方向とも呼称される)において、分離されるのに伴って、コンバータ要素750は、第2位置から第1位置に移動することになり、コンバータ要素スイッチング接点784は、上述の逆の順序において、接触パッド766に接続及び分離されることになる。
これに加えて、例示的な代替実施形態においては、変換可能電池パック20A4及び電池変換サブシステム772は、変換可能電池パック20A4が、いずれの電気装置10Aとも結合されていないか、又は中間定格電圧電気装置10A2と結合される際には、コンバータ要素750が、変換可能電池パック20A4を中間定格電圧構成に置く第1位置にあり、変換可能電池パック20A4が低定格電圧電気装置10A1と結合される際には、コンバータ要素750が、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成に置く第2位置にあるように、構成されうるものと想定されている。また、このような実施形態においては、上述のように、変換可能電池パック20A4は、変換可能電池パック20A4が「開路」状態にある、第1位置と第2位置との間の第3構成(状態)に置かれてもよい。この位置においては、ネットワークスイッチSW1〜SW7のすべては、開路状態にあり、BATT+及びBATT−電池端子732の間に、電圧電位が存在していない。コンバータ要素750は、例えば、輸送を目的として、この位置に置かれうるであろう。
これに加えて、例示的な代替実施形態においては、変換可能電池パック20A4及び電池変換サブシステム772は、変換可能電池パック20A4がいずれの電気装置10Aとも結合されていない際には、コンバータ要素750は、変換可能電池パック20A4を開路状態に置く第1位置にあり、変換可能電池パック20A4が低定格電圧電気装置10Aと結合される際には、コンバータ要素750は、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成に置く第2位置にあり、変換可能電池パック20A4が中間定格電圧電気装置10A2と結合される際には、コンバータ要素750は、変換可能電池パック20A4を中間定格電圧構成に置く第3位置にあるように、構成されうるものと想定されている。
これに加えて、例示的な代替実施形態においては、変換可能電池パック20A4及び電池変換サブシステム772は、変換可能電池パック20A4が、いずれの電気装置10Aとも結合されていない際には、コンバータ要素750が、変換可能電池パック20A4を開路状態に置く第1位置にあり、変換可能電池パック20A4が低定格電圧電気装置10A1と結合される際には、コンバータ要素750が、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成に置く第3位置にあり、変換可能電池パック20A4が中間定格電圧電気装置20A2と結合される際には、コンバータ要素750が、変換可能電池パック20A4を中間定格電圧構成に置く第2位置にあるように、構成されうるものと想定されている。
更には、変換可能電池パック20A4は、開路状態、低定格電圧構成、中間定格電圧構成、及び高定格電圧構成という4つの状態に置かれる能力を有するように、構成されうるであろう。当然のことながら、様々な接触パッド766及び接点スイッチは、相応して調節さることになろう。
図86〜図89は、例えば、60V電動工具などの中間定格電圧電気装置10A2の例示的な工具端子ブロック723及び工具端子を示している。中間定格電圧電気装置10A2の工具端子ブロック723は、例えば、20ボルト電動工具などの低定格電圧電気装置10A1の工具端子ブロック723と同じようにサイズ設定されている。工具端子ブロック723は、変換可能電池パック端子ブロック762と結合するように構成されている。工具端子ブロック723は、ハウジング801を含む。ハウジング801は、例えば、プラスチックなどの非導電性材料から構成されている。ハウジング801は、工具端子734を保持している。工具端子734は、TOOL+端子734と、TOOL−端子734と、を含む。これらの工具端子734は、それぞれ、BATT+端子及びBATT−端子と結合するように位置している。これらの工具端子734は、電力を、例えば、モーター12などの工具負荷に提供する。また、工具端子734は、ID端子を含みうる。この端子は、サーミスタ端子であってもよい。サーミスタ端子は、例えば、BT5などの電池パック端子と結合するように位置しており、この端子は、変換可能電池パック20A4内のサーミスタに電気的に結合されることになろう。サーミスタ端子は、変換可能電池パック20A4の温度を監視するべく、又は、その他の電池管理目的のために、工具コントローラに電気的に結合されることになろう。また、この端子は、工具10A2に対する変換可能電池パック20A4及び/又は変換可能電池パック20A4に対する工具10A2を識別するためにも使用されうるであろう。また、工具端子734は、セル電圧端子を含みうる。工具端子734のTT4は、セル電圧端子であってもよいであろう。TT4工具端子734は、BT4電池端子732bと結合するように位置している。中間電圧定格電圧工具10A2が、図68〜図85に示されている例示的な変換可能電池パック20A4に結合される際には、BT4電池端子732は、C4セルノードに電気的に結合されることになる。従って、TT4工具端子734は、C4セルノードに電気的に結合されることになる。また、TT4工具端子734は、電池セル754の電圧を監視するために、又は、その他の電池管理目的のために、工具コントローラ816に電気的に結合されてもよい。また、TT3工具端子734は、工具及び電池管理目的のために、工具コントローラ816に電気的に結合されてもよい。
上述のように、工具端子734は、TT1工具端子734及びTT3工具端子734を電気的に結合するジャンパ812を含む。従って、中間定格電圧電気装置10A2が変換可能電池パック20A4に結合される際には、BT1及びBT3電池端子732は、TT1及びTT3工具端子734を通じて電気的に結合される。これが発生した際には、電池電源は、TOOL+及びTOOL−端子734に加えて、TT1及びTT3工具端子73を通じて導通される。
例示的な代替実施形態は、その他の接触パッドレイアウトを含んでもよく、本開示により想定され包含される。図90〜図95は、例示的な代替電池パッドレイアウトを示している。上述のように、これらの例示的なパッドレイアウトは、PCB、支持基板、又はなんらかのその他の支持構造上において支持されうる。
代替変換メカニズム及びサブシステム:これらの実施形態は、取外し可能の電池パック及び工具との関連で図示及び記述されている。但し、変換可能電池パックは、限定を伴うことなしに、テレビ及び冷蔵庫、電気自転車、車椅子、並びに光源などの電気製品を含む電気エネルギーを必要とする任意の電気装置と共に動作しうる。また、変換可能電池パックは、変換可能電池パックをその低定格電圧構成又はその中間定格電圧構成に置く充電装置に結合されてもよい。
図96〜図98は、変換可能電池パック20A4及び変換サブシステム772の例示的な一代替実施形態を示している。図96は、例示的な変換可能電池パック20A4を示している。電池パックハウジング712は、軌道736のペアを含む。軌道736は、中間定格電圧工具の足部内に内蔵された対応する突出部を受け入れるように構成されている。工具10A2が変換可能電池パック20A4と結合した際に、工具突出部は、軌道736内において受け入れられ、且つ、電池パックハウジング712内の孔を通じて延在する突起と係合する。突起は、電池パックハウジング712の内部から電池パックハウジング712の外部まで、コンバータ要素750から延在している。
図97a〜図97gに示されているように、変換サブシステム772は、上述の支持基板761に類似した支持基板761’を含む。支持基板761’は、複数の電力トレース790(各セル系統端子について、1つのトレース)を含む。具体的には、個々のセル系統端子に結合しているA+トレース、B+トレース、C+トレース、A−トレース、B−トレース、及びC−トレースが存在している。また、支持基板761’は、複数の接触パッド766を含む。但し、上述の実施形態とは異なり、この実施形態の接触パッド766は、垂直方向において(ほぼ、支持基板761’に対して垂直に)構成されている。また、変換サブシステム772は、コンバータ要素750を含む。コンバータ要素750は、クロスバー778と、平行脚部776のペアと、を含む。コンバータ要素750は、突起のうちの1つが各平行脚部776から延在するように、構成されている。また、コンバータ要素750は、複数の短絡接点818(ジャンパとも呼称される)を含む。但し、上述の実施形態とは異なり、この実施形態のコンバータ要素750は、壁と同様に、垂直方向において(ほぼ、支持基板761’に対して垂直に)構成されており、且つ、壁は、壁の各面上において、短絡接点を含む。図98a及び図98bに示されているコンバータ要素750は、図97a〜図97gのコンバータ要素750に示されている脚部776及びコンバータ突起を示していない。コンバータ要素750は、非導電性材料から構成されている。コンバータ要素750の第1面(図98aに示されている)は、2つの短絡接点を含む。短絡接点は、支持基板761’から延在する接触パッド766との間における良好な係合のために、隆起した部分を含みうる。第1短絡接点は、正の接点であり、且つ、各A+、B+、及びC+接触パッド766について、接点部分を含む。第2短絡接点は、負の接点であり、且つ、各A−、B−、及びC−接触パッド766について、接点部分を含む。また、コンバータ要素750の第2面(図98bに示されている)は、2つの短絡接点を含む。第3短絡接点は、A−接触パッド766用の接点部分と、B+接触パッド766用の接点部分と、を含む。第4短絡接点は、B−接触パッド766用の接点部分と、C+接触パッド766用の接点部分と、を含む。
図97a及び図97cに示されているように、変換可能電池パック20A4が、いずれの電気装置10Aにも装着されていないか、又は、例えば、20Vの低定格電圧電動工具10A1に装着される際には、圧縮スプリング786は、コンバータ要素750を前方(第1)位置に押し進める。摺動壁コンバータ要素750を第1位置(低定格電圧構成)に前方に押圧することにより、スプリング786は、摺動壁の短絡接点と、支持基板761’から延在する前方垂直方向接触パッド766と、の間における接触力を提供する。従って、第1及び第2短絡接点は、それぞれ、A+、B+、C+、及び、A−、B−、C−接触パッド766に対して電気的に結合されている。この位置において、セルのA、B、及びC系統のA+、B+、及びC+端子は、電気的に結合されており、セルのA、B、及びC系統のA−、B−、及びC−端子は、電気的に結合されている。この構成においては、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成にある。
図97b及び図97dに示されているように、変換可能電池パック20A4が、例えば、60Vなどの中間定格電圧電動工具10A2に装着される際に、工具変換要素は、コンバータ要素750を後方(第2)位置に押し進め、且つ、圧縮するように圧縮スプリング786を押し付ける。これは、摺動壁の短絡接点と支持基板761’から延在する後方垂直方向接触パッド766との間における接触力をもたらす。従って、第1及び第2短絡接点は、それぞれ、A+、B+、C+、及び、A−、B−、C−接触パッド766から電気的に結合解除される。そして、第3短絡接点は、A−接触パッド766及びB+接触パッド766を電気的に結合し、第4短絡接点は、B−接触パッド766及びC+接触パッド766を電気的に結合する。この位置においては、セルのA系統のA−端子は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されており、セルのB系統のB−端子は、セルのC+系統のC+端子に電気的に結合されている。この構成においては、変換可能電池パック20A4は、中間定格電圧構成にある。
図99a〜図99dは、変換サブシステム772の例示的な一代替実施形態を示している。上述のサブシステムと同様に、このサブシステムは、変換可能電池パック20A4を、例えば、20Bの低定格電圧電池パックから、例えば、60Vの中間定格電圧電池パックに、変換するためのシステムを提供する。図99aに示されているように、サブシステムは、非導電性支持基板761’’(静的電力ルーティングカード組立体とも呼称される)を含む。この実施形態においては、電池752は、電池セル754の3つの系統(又は、組)(A系統、B系統、及びC系統)を含む。従って、各セル754の系統の各最も正のノードについて1つ、且つ、各最も負のノードについて1つ、である6つの導電性電力端子852(接点とも呼称される)が存在している。従って、A+、A−、B+、B−、C+、及びC−電力端子852が存在している。代替実施形態は、セルの2つの系統、又は、セルの3つよりも多い系統を含みうる。セルの2つの系統が存在している場合には、4つの電力端子のみが存在することになり、セルの4つの系統が存在している場合には、8つの電力端子が存在することになろう。この実施形態においては、各系統は、5つの電池セル754を含む。代替実施形態は、より少ない又は多くのセルを含みうる。例えば、1つの系統は、少なくとも1つ以上の実際的であると見なしうる数のセルを含みうる。但し、各系統内のセルの数とは無関係に、各系統について2つの電力端子が存在することになる。
この実施形態においては、電力端子852は、チューリップタイプの端子である。この実施形態においては、電力端子852は、列の形態において配置されている。但し、代替電力端子構成が、本開示の範囲内において、想定され、且つ、包含される。各電力端子852は、結合端部854と、非結合端部856と、を含む。各端子852の非結合端部854は、電池セル754の特定の系統の特定ノードに電気的に結合されている。この実施形態においては、電力端子852の非結合端部856は、接触パッド766に結合されており、接触パッド766は、電池セル754の系統に結合されている。具体的には、第1電力端子852aは、A+と呼称されるセルのA系統の最も正の端子に結合されたA+接触パッド766aに結合されており、第2電力端子852bは、B+と呼称されるセルのB系統の最も正の端子に結合されたB+接触パッド766bに結合されており、第3電力端子852は、C+と呼称されるセルのC系統の最も正の端子に結合されたC+接触パッド766cに結合されており、第4電力端子852dは、B−と呼称されるセルのB系統の最も負の端子に結合されたB−接触パッド766dに結合されており、第5電力端子852dは、A−と呼称されるセルのA系統の最も負の端子に結合されたA−接触パッド766eに結合されており、第6電力端子852fは、C−と呼称されるセルのC系統の最も負の端子に結合されたC−接触パッド766fに結合されている。これに加えて、A+接触パッド766aは、BATT+と呼称される第1電池端子734に電気的に結合されており、C−接触パッド766fは、BATT−と呼称される第2電池端子734に電気的に結合されている。
電力端子852の結合端部854は、後述する対応した挿入端子860(短絡端子とも呼称される)と結合するように構成されている。変換可能電池パック20A4が、後述するように、(定位置にあるコンバータ要素750’’を伴うことなしに、又は中間状態にあるコンバータ要素750’’を伴って)この状態にある際には、変換可能電池パック20A4は、開路状態にある。開路状態においては、セル754の系統は、図99aに示されている概略図において示されているように、互いに接続されていない。従って、変換可能電池パック20A4は、電圧を外部世界に対して提供することにならない。換言すれば、BATT+とBATT−との間に、電圧電位が存在することにならない。
図99bを参照すれば、摺動コンバータ要素750’’が示されている。コンバータ要素750’’は、複数の導電性挿入体又は短絡端子860と、短絡端子を保持するための非導電性支持構造と、を含む。2つのタイプの短絡端子860が存在している。第1のタイプの短絡端子860aは、ジャンパ部分864と、3つの挿入部分866と、を含む。第2のタイプの短絡端子860bは、ジャンパ部分864と、2つの挿入部分866と、を含む。この実施形態においては、第1のタイプの短絡端子860aの数は、2つとなる一方で、第1のタイプの短絡端子860aの挿入部分866の数は、電池752内のセルの系統の数に基づいており、第2のタイプの短絡端子860bの数は、電池752内のセルの系統の数に基づく一方で、第2のタイプの短絡端子860bの挿入部分866の数は、2つとなる。短絡端子860の代替構成が、本開示の範囲において、想定され、且つ、包含される。
図99cに示されているように、コンバータ要素750’’が、低定格電圧位置と呼称される第1位置に置かれた際に、第1のタイプの短絡端子860aは、係合し、且つ、電力端子852に電気的に結合される。換言すれば、2つの第1のタイプの短絡端子860aの各挿入部分866が、係合し、且つ、特定の電力端子852の結合端部854に電気的に結合される。具体的には、第1の第1タイプ短絡端子860aの3つの挿入部分866が、3つの正の電力端子852a、852b、852cに挿入され、第2の第1タイプ短絡端子860aの3つの挿入部分866が、3つの負の電力端子852d、852e、852fに挿入される。この構成においては、3つの系統すべての正の端子が、互いに接続されており、3つの系統すべての負の端子が、互いに接続されている。更には、この構成においては、BATT−電池端子734は、セルの個々の系統のC−、A−、及びB−端子に電気的に結合されたA−電力端子852d及びB−電力端子852eに電気的に結合されたC−電力端子852fに電気的に結合されたC−接触パッド858fに電気的に結合されている。BATT−電池端子734は、BATT+電池端子734の接地基準である。そして、BATT+電池端子734は、セルの個々の系統のA+、B+、及びC+端子に電気的に結合されたB+電力端子852b及びC+電力端子852cに電気的に結合されたA+電力端子852aに電気的に結合されたA+接触パッド858aに電気的に結合されている。これは、低定格電圧を、(例えば、系統当たりに5つのセルを有する4V定格セルの低定格電圧が20Vとなるなどのように、この低定格電圧が、系統内のセルの数及びセルの定格電圧に基づきうるかどうかとは無関係に)BATT+上に置く。コンバータ要素750’’がこの位置にある際には、第2のタイプの短絡端子860bは、電力端子852の非結合端部856において位置し、電力端子852に電気的に結合されない。これは、セルの系統と、その結果、電池752と、を、回路図によって示されているように、並列構成に置く。
図99dに示されているように、コンバータ要素750’’が、中間定格電圧位置と呼称される第2位置に配置される際には、第1のタイプの短絡端子860aは、係合されず、且つ、電力端子852に電気的に結合されず、第2のタイプの短絡端子860bが、係合され、且つ、電力端子852に電気的に結合される。換言すれば、2つの第2タイプ短絡端子860bの各挿入部分866が、係合され、且つ、特定の電力端子852の結合端部854に電気的に結合される。具体的には、第1の第2タイプ短絡端子860bの第1挿入部分866が、B+電力端子852bに挿入され、第1の第2タイプ短絡端子860bの第2挿入部分866が、A−電力端子852eに挿入され(これにより、B+電力端子852bを第1の第2タイプ短絡端子860bのジャンパ部分864を通じてA−電力端子852eに電気的に結合し、且つ、その内部において、セルのB系統のB+端子をセルのA系統のA−端子に結合し)、第2の第2タイプ短絡端子860bの第1挿入部分866が、C+電力端子852cに挿入され、第2の第2タイプ短絡端子860bの第2挿入部分866が、B−電力端子852dに挿入される(これにより、C+電力端子852cを第2の第2タイプ短絡端子860bのジャンパ部分864を通じてB−電力端子852dに電気的に結合し、且つ、その内部において、セルのC系統のC+端子をセルのB系統のB−端子に結合する)。これは、回路図によって示されているように、セルの系統と、その結果、電池752と、を直列構成に置く。
図100a〜図100dは、変換サブシステム772の例示的な一代替実施形態を示している。上述のサブシステムと同様に、このサブシステムは、変換可能電池パック20A4を低定格電圧電池パックから中間定格電圧電池パックに変換するためのシステムを提供している。この実施形態は、図99に示されている実施形態に非常に類似している。また、この実施形態も、チューリップ電力端子852を含むが、電力端子852は、異なる構成において位置している。図100aに、電力端子構成が示されている。また、図100bに示されているコンバータ要素750’’’は、図99bに示されていると共に上述したコンバータ要素750’’と類似しているが、異なっている。上述のように、短絡端子860のジャンパ部分864(挿入部分866を接続している部分)は、コンバータ要素ハウジング内において埋め込まれてもよく、且つ、従って、ハウジングから支持基板760’’’に向かって延在していない。コンバータ要素750’’’の側面図において、ジャンパ部分864は、容易に視認可能とはならない一方で、20v短絡端子860a及び60v短絡端子860bの両方の挿入部分866は、視認可能である。この実施形態においては、短絡端子860a、860bの両方のジャンパ部分864は、互いに電気的に隔離されるように、異なるレベルにおいてPCB内において埋め込まれうる。
その他の観点においては、図100a〜図100dに示されている実施形態は、上述の図99a〜図99dに示されている実施形態と同一の方式によって動作する。
図101a1〜図101b2は、変換サブシステム772’の例示的な一代替実施形態を示している。上述のサブシステムと同様に、このサブシステムは、変換可能電池パック20A4を低定格電圧電池パックから中間定格電圧電池パックに変換するためのシステムを提供する。図101a1及び図101a2は、例えば、20Vの低定格電圧構成における例示的な実施形態を2つの異なる視点から示している。図101b1及び図101b2は、例えば、60Vなどの中間定格電圧構成における例示的な実施形態を2つの異なる視点から示している。変換サブシステム772’は、2つのコンバータ要素900を含む。各コンバータ要素900は、この実施形態においては、三角形の壁である、支持構造902を含む。セルの系統の正の端子を結合するための第1コンバータ要素900aと、セルの系統の負の端子を結合するための第2コンバータ要素900bと、が存在している。各変換要素900内には、支持構造902上において且つ支持構造902の両方の垂直方向壁上において着座した短絡バー904が存在している。各コンバータ要素900は、各支持構造902用の支持アームシステムを含み、この場合に、各支持アームシステムは、支持アーム906の3つのペアを含む。また、支持アームシステムは、支持アーム906を延長された位置において維持する各支持アーム906用の圧縮スプリング908を含む。また、システムは、アクチュエータ910を含む。アクチュエータ910は、係合端部912と、係合脚部914と、を含む。アクチュエータ910は、係合脚部914が、各支持アーム906に装着された係合アーム916に係合するように構成されるべく、構成されている。また、支持アーム906のサブセットは、例えば、リーフタイプのスプリングなどの接触スプリング918を含む。接触スプリング918の第1端部は、支持アーム906の一端に結合されており、接触スプリング918の第2端部は、支持構造902に対して押し付けられている。各接触スプリング918は、セルの系統の個々の端子に電気的に結合されている。具体的には、A+接触スプリング918は、セルのA系統のA+端子に電気的に結合されており、B+接触スプリング918は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されており、C+接触スプリング918は、セルのC系統のC+端子に電気的に結合されており、A−接触スプリング918は、セルのA系統のA−端子に電気的に結合されており、B−接触スプリング918は、セルのB系統のB−端子に電気的に結合されており、C−接触スプリング918は、セルのC系統のC−端子に電気的に結合されている。また、第1コンバータ要素900aは、B−接触スプリング918と、第2のC+接触スプリング918と、を含む。B−接触スプリング918は、セルのB系統のB−端子に電気的に結合されており、第2のC+接触スプリング918は、セルのC系統のC+端子に電気的に結合されている。また、第2コンバータ要素900bは、第2のA−接触スプリング918と、B+接触スプリング918と、を含む。第2のA−接触スプリング918は、セルのA系統のA−端子に電気的に結合されており、B+接触スプリング918は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されている。
図101a1及び図101a2に示されているように、変換可能電池パック20A4が、いずれの工具10Aにも接続されていないか、又は、低定格電圧工具10A又は低定格電圧充電器30に結合される際には、変換サブシステム772’は、低定格電圧構成にあり、アクチュエータ910a、bは、支持アームシステムと係合せず、圧縮スプリング908は、その非圧縮状態にあり、支持アームシステムは、第1位置にある。この第1位置においては、第1コンバータ要素900aのA+接触スプリング918、B+接触スプリング918、及び第1C+接触スプリング918は、短絡バー904aと結合するように、上向きに位置に強制され、第1コンバータ要素900aのB−接触スプリング918及び第2C+接触スプリング918は、短絡バー904aと結合されないように、緩和された下向き位置にある。また、第2コンバータ要素900bの第1A−接触スプリング918、B−接触スプリング918、及びC−接触スプリング918は、短絡バー904bと結合するように、上向き位置に強制され、第2コンバータ要素900bの第2A−接触スプリング918及びB+接触スプリング918は、短絡バー904bと結合されないように、緩和された下向き位置にある。短絡バー904bは、接触スプリング918の間における閉路されたスイッチとして機能する。この第1位置においては、A+接触スプリング918、B+接触スプリング918、及び第1C+接触スプリング918は、互いに電気的に結合されており、第1A−接触スプリング918、B−接触スプリング918、及びC−接触スプリング918は、互いに電気的に結合されている。従って、A+、B+、及びC+端子は、互いに電気的に結合されており、A−、B−、及びC−端子は、互いに電気的に結合されている。コンバータ要素900がこの第1位置にある際には、電池セル754の系統は、並列状態において接続され、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成にある。
図101b1及び図101b2に示されているように、変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧電動工具又はその他の中間定格電圧電気装置10A2と結合する際には、変換サブシステム772’は、中間定格電圧構成に置かれる。中間定格電圧工具10A2は、アクチュエータ910a、910bの係合端部と係合する変換機能を含むことになる。アクチュエータ910が(図の向きにおいてページの右側に)移動するのに伴って、アクチュエータ910の係合端部は、各支持アームの係合アームと係合することになる。係合アームは、圧縮するように圧縮スプリング908を押し付けることになり、且つ、支持アームシステムは、第2位置に置かれる。この第2位置においては、第1変換要素900aのA+接触スプリング918、B+接触スプリング918、及び第1C+接触スプリング918は、短絡バー904aと結合解除されるように緩和された下向きの位置に移動するべく許容され、第1変換要素900aのB−接触スプリング918及び第2C+接触スプリング918は、短絡バー904aと電気的に結合されるように、上向きの位置に強制される。また、第2変換要素900bの第1A−接触スプリング918、B−接触スプリング918、及びC−接触スプリング918は、短絡バー904bから結合解除されるように、緩和された下向きの位置に移動するべく許容され、第2変換要素900bの第2A−接触スプリング918及びB+接触スプリング918は、短絡バー904bと電気的に結合されるように、上向きの位置に強制されるる。この場合にも、短絡バー904は、接触スプリング918の間における閉路されたスイッチとして機能する。この第2位置においては、B−接触スプリング918及び第2C+接触スプリング918は、互いに電気的に結合されており、第2A−接触スプリング918及びB+接触スプリング918は、互いに電気的に結合されている。従って、A−及びB+端子は、互いに電気的に結合されており、B−及びC+端子は、互いに電気的に結合されている。変換要素900がこの第2位置にある際には、電池セル754の系統は、直列状態において接続されており、変換可能電池パック20A4は、中間定格電圧構成にある。
図102a1〜図102b2は、変換サブシステム772’’の例示的な一代替実施形態を示している。上述のサブシステムと同様に、このサブシステムは、変換可能電池パック20A4を低定格電圧電池パックから中間定格電圧電池パックに変換するためのシステムを提供している。図102a1及び図102a2は、例えば、20Vなどの低定格電圧構成における例示的な実施形態を2つの異なる視点から示している。図102b1及び図102b2は、例えば、60Vの中間定格電圧構成における例示的な実施形態を2つの異なる視点から示している。変換サブシステム772’’は、2つのコンバータ要素921a、921bを含む。各コンバータ要素921は、この実施形態においては、矩形の壁である、支持構造922を含む。セルの系統の正の端子を結合する第1コンバータ要素921aと、セルの系統の負の端子を結合する第2コンバータ要素921bと、が存在している。この実施形態においては、支持構造922は、短絡バーである。各コンバータ要素921は、支持アームシステムを含む。各支持アームシステムは、支持アーム923の3つのペアを含む。また、支持アームシステムは、第1位置において支持アーム923のペアを維持する、支持アームの各ペアのための第1圧縮スプリング924と、第2位置において支持アームのペアを維持する、支持アームの各ペアのための第2圧縮スプリング925と、を含む。また、支持アームシステムは、アクチュエータ926を含む。アクチュエータ926は、係合端部928と、係合脚部929と、を含む。アクチュエータ926は、係合脚部929が、支持アーム923の各ペアの支持アーム923のうちの1つに結合するように構成されるべく、構成されている。接点930は、支持アーム923のサブセットの一端に結合されており、接点930の一部分は、短絡バー922に対して押し付けるように構成されている。各接点930は、セルの系統の個々の端子に電気的に結合されている。具体的には、A+接点930a1は、セルのA系統のA+端子に電気的に結合されており、B+接点930a2は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されており、C+接点930a3は、セルのC系統のC+端子に電気的に結合されており、A−接点930b1は、セルのA系統のA−端子に電気的に結合されており、B−接点930b2は、セルのB系統のB−端子に電気的に結合されており、C−接点930b3は、セルのC系統のC−端子に電気的に結合されている。また、第1コンバータ要素921aは、B−接点930a4と、第2C+接点930a5と、を含む。B−接点930a4は、セルのB系統のB−端子に電気的に結合されており、第2C+接点930a5は、セルのC系統のC+端子に電気的に結合されている。また、第2コンバータ要素921bは、第2A−接点930b4と、B+接点930b5と、を含む。第2A−接点930b4は、セルのA系統のA−端子に電気的に結合されており、B+接点930b5は、セルのB系統のB+端子に電気的に結合されている。
図102a1及び図102a2に示されているように、変換可能電池パック20A4が、いずれの電動工具10Aにも接続されていないか、又は、低定格電圧電動工具10A2又は低定格電圧充電器30に結合される際には、変換サブシステム772’’は、低定格電圧構成にあり、アクチュエータ926は、支持アーム923と係合されておらず、第1圧縮スプリング924の組は、その非圧縮状態にあり、支持アーム923は、第1位置にある。この第1位置においては、第1コンバータ要素921aのA+接点930a1、B+接点930a2、及び第1C+接点930a3は、短絡バー922aと結合するように、係合位置に強制され、第1コンバータ要素921aのB−接点930a4及び第2C+接点930a5は、短絡バー922aと結合されないように、非係合位置にある。また、第2コンバータ要素921bの第1A−接点930b1、B−接点930b2、及びC−接点930b3は、短絡バー922bと結合するように、係合位置に強制され、第2コンバータ要素921bの第2A−接点930b4及びB+接点930b5は、短絡バー922bと結合されないように、非係合位置にある。短絡バー922は、接点930の間における閉路されたスイッチとして機能する。この第1位置においては、A+接点930a1、B+接点930a2、及び第1C+接点930a3は、短絡バー922aを通じて互いに電気的に結合されており、第1A−接点930b1、B−接点920b2、及びC−接点930b3は、短絡バー922bを通じて互いに電気的に結合されている。従って、A+、B+、及びC+端子は、互いに電気的に結合されており、A−、B−、及びC−端子は、互いに電気的に結合されている。コンバータ要素921がこの第1位置にある際には、電池セル754の系統は、並列状態において接続されており、電池752は、低定格電圧構成にある。
図102b1及び図102b2に示されているように、変換可能電池パック20A4が、中間定格電圧電動工具又はその他の中間定格電圧電気装置10A2に結合する際には、変換サブシステム772’’は、中間定格電圧構成に置かれる。中間定格電圧電動工具10A2は、アクチュエータ926の係合端部928に係合する変換機能を含むことになる。アクチュエータ926が(図の向きにおいてページの右側へ)移動するのに伴って、アクチュエータ926の係合脚部929は、支持アーム923の各ペアの支持アーム923のうちの1つと係合することになる。係合された支持アーム923は、支持構造/短絡バー922のコーナーを中心として回動し、且つ、圧縮するように第1圧縮スプリング924の組を押し付け、且つ、第2圧縮スプリング925の組の膨張を許容することになり、支持アームシステムは、その内部において、第2位置に配置される。この第2位置においては、第1コンバータ要素921aのA+接点930a1、B+接点930a2、及び第1C+接点930a3は、短絡バー922aと結合解除されるように、短絡バー922aから離れるように移動するべく許容され、第1コンバータ要素921aのB−接点930a4及び第2C+接点930a5は、短絡バー922aと電気的に結合されるように、短絡バー922aとの接触状態に強制される。また、第2コンバータ要素921bの第1A−接点930b1、B−接点930b2、及びC−接点930b3は、短絡バー922bと結合解除されるように、短絡バー922bから離れるように移動するべく許容され、第2コンバータ要素921bの第2A−接点930b4及びB+接点930b5は、短絡バー922bと電気的に結合するように、短絡922bとの接触状態に強制される。この場合にも、短絡バー922は、接点930の間における閉路されたスイッチとして機能する。この第2位置においては、B−接点930a4及び第2C+接点930a5は、短絡バー922aを通じて互いに電気的に結合されており、第2A−接点930b4及びB+接点930b5は、短絡バー922bを通じて互いに電気的に結合されている。従って、A−及びB+端子は、互いに電気的に結合されており、B−及びC+端子は、互いに電気的に結合されている。コンバータ要素921がこの第2位置にある際には、電池セル754の系統は、直列状態において接続されており、電池752は、中間定格電圧構成にある。
図103a、図103b、及び図103cは、変換可能電池パック20A4の変換サブシステム772’’’の別の例示的な代替実施形態を示している。このサブシステムは、ラック及びピニオン構成を使用している。上述の構成と同様に、このコンバータ要素941は、支持ハウジング942を含む。支持ハウジング942は、電池パックハウジング712内の孔を通じて支持ハウジング942から延在し、且つ、電池パックハウジング712から延在している、2つのコンバータ要素突起943を含む。結合電動工具10A2は、コンバータ要素突起943と係合し、且つ、結合方向Aにおいて移動するようにコンバータ要素941を押し進めるべく、対応した突起を含むことになろう。また、コンバータ要素941は、ラックギア945を含む。ラックギア945は、ラックギア945が、支持ハウジング942と同期した状態において移動するように、支持ハウジング942に固定的に結合されている。また、変換サブシステム772’’’は、ピニオンギア946を含む。ピニオンギア946は、支持基板(簡潔さのために図示されていない)に対して回転自在に結合されている。また、変換サブシステム772’’’は、(図の向きにおいて)時計回りの方向において好適に動作する捩じりスプリング947を含む。この実施形態においては、時計回りの方向は、後述するように、低定格電圧構成である。ピニオンギア946は、例えば、20vの低電圧短絡バー948のペアと、例えば、60vの中間電圧短絡バー950のペアと、を含む。低電圧短絡バー948は、3つの脚部を含み、中間電圧短絡バー950は、2つの脚部を含む。また、変換サブシステム772’’’は、セルの系統の特定の端子に電気的に結合された複数の接点952を含む。接点952は、ピニオンギア946が回転するのに伴って、ピニオンギア946に対して静止状態において留まることになる。具体的には、図103aを考慮した際に、ほぼ9時において始まり、且つ、時計回りの方向において移動することにより、B+端子に結合されたB+接点952a、A−端子に結合されたA−接点952b、B−端子に結合されたB−接点952c、C+端子に結合されたC+接点952d、C−端子に結合されたC−接点952e、B−端子に結合されたB−接点952f、A−端子に結合されたA−接点952g、C+端子に結合されたC+接点052h、及びA+端子に結合されたA+接点952iが存在している。この構成は、上述のように、セルの3つの系統を仮定している。反対方向において回転する変換サブシステム772’’’、その他のセル構成、接点構成、及び短絡バー構成を含む実施形態が、本開示の範囲により想定され且つ包含される。
図103aに示されているように、低定格電圧構成においては、第1低電圧短絡バー948aは、接点の第1のサブセット(具体的には、B+接点952a、A+接点952i、及びC+接点952h)を電気的に結合しており、第2の低電圧短絡バー948bは、接点の第2のサブセット(具体的には、A−接点952g、B−接点952f、及びC−接点952d)を電気的に結合している。これは、セルの系統を並列構成に置き、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成に置く。
図103bに示されているように、電動工具10A2が変換可能電池パックと係合し、且つ、結合方向Aにおいて更に移動した際に、コンバータ要素941は、結合方向Aにおいて移動させられる。この動作は、ラックギア45を結合方向Aにおいて移動させる。ラックギア945が結合方向Aにおいて移動するのに伴って、ピニオンギア946は、反時計回り方向において移動するように強制されることになる。ピニオンギア946が反時計回り方向において移動するのに伴って、第1及び第2低電圧短絡バー948は、それぞれ、接点952の第1及び第2のサブセットから結合解除されることになる。この位置においては、変換可能電池パック20A4は、開路状態(低定格電圧でもなく、中間定格電圧でもない)となる。電池752のBATT+及びBATT−端子の間には、電圧電位が存在しなくなる。
図103cに示されているように、電動工具10A2が、変換可能電池パック20A4と更に係合し、且つ、結合方向Aにおいて更に移動するのに伴って、コンバータ要素941は、結合方向Aにおいて移動させられる。この動作は、ラックギア945を結合方向Aにおいて移動させる。ラックギア945が結合方向Aにおいて移動するのに伴って、ピニオンギア946は、反時計回り方向において更に移動するように強制されることになる。ピニオンギア946が反時計回り方向において移動するのに伴って、第1中間電圧短絡バー950aは、接点の第3のサブセット(具体的には、A−接点952b及びB+接点952a)を電気的に結合させることになり、第2中間電圧短絡バー950bは、接点の第4のサブセット(具体的には、B−接点952c及びC+接点952d)を電気的に結合させることになる。これは、セルの系統を直列構成に置き、変換可能電池パック20A4を中間定格電圧構成に置く。
電動工具10A2が、変換可能電池パック20A4から結合解除される際には、工具10A2は、変換可能電池パック20A4に関して、結合方向Aとは反対の方向において移動することなる。電動工具10A2が変換可能電池パック20A4から結合解除されるのに伴って、捩じりスプリング947は、時計回りの方向において移動するように、ピニオンギア946を強制することになる。この結果、中間電圧短絡バー950は、接点の第3及び第4サブセットから結合解除されることになる。これは、変換可能電池パック20A4を開路状態に移すことになる。電動工具10A2が変換可能電池パック20A4から更に結合解除されるのに伴って、捩じりスプリング947は、時計回り方向において更に移動するようにピニオンギア946を強制することになる。この結果、低電圧短絡バー948は、接点の第1及び第2サブセットに電気的に結合することになる。これは、変換可能電池パック20A4を低定格電圧状態に移すことになる。
図104及び図105は、変換可能電池パック20A4のコンバータ要素960を作動させるための一代替実施形態を示している。この実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、電池パックハウジング962の上部部分963上において中央に配置されたボタン961を含む。ボタン961は、非係合位置(図104a及び図104bに示されている)と係合位置(図105a及び図105bに示されている)との間において移動可能である。ボタン961は、結合することになる電気装置10A2との装着及び装着解除の方向において変換可能電池パック20A4の長軸に沿って移動可能である。ボタン961は、U字形状の作動部材964に機械的に結合されている。作動部材964は、ボタン961に結合されたクロスバー965と、2つの平行脚部966と、を含む。平行脚部966のうちの1つは、クロスバー965の各端部に装着されている。脚部966は、各脚部966が、(上述のコンバータ要素に類似した)U字形状のコンバータ要素960の平行脚部967のうちの1つに対して当接するように、構成されている。上述の変換可能電池パックと同様に、図104及び図105に示されている変換可能電池パック20A4は、圧縮スプリング968のペアを含む。圧縮スプリング968の一端は、コンバータ要素のクロスバー969の一端に装着されており、圧縮スプリング968の他端は、コンバータ要素ハウジングに装着されている。
変換可能電池パック20A4と結合するように構成された中間定格電圧電動工具10A2は、電動工具10A2が変換可能電池パック20A4と結合される際に、ボタン961と係合するように位置した(上述の突起に類似した)突起又は延長部を電動工具の足部内において含むことになろう。電動工具10A2が変換可能電池パック20A4と結合される際に、工具の足部突起は、ボタン961を電池パックハウジング962内に押し込み、これにより、結合方向に沿って移動するようにコンバータ要素960を押し進めるべく、U字形状の作動部材964を押し進めることになる。これは、スプリング968を圧縮する。上述のように、コンバータ要素960は、変換可能電池パック20A4を低定格電圧構成から中間定格電圧構成に変換することになる。変換可能電池パック20A4が電動工具10A2から除去される際には、スプリング968は、コンバータ要素960をその元の位置に押し進めることになる。これは、変換可能電池パック20A4を、低定格電圧構成に戻るように変換する。
本開示において図示及び記述されている変換可能電池パック20A4に伴う懸念は、変換可能電池パックが中間定格電圧工具又はその他の変換工具から除去された際に、変換可能電池パック20A4が、その中間定格電圧構成において留まるという点にある。変換可能電池パック20A4が中間定格電圧構成において留まることを要し、且つ、次いで、低定格電圧電動工具と結合された場合には、低定格電圧電動工具が損傷される可能性があろう。図106a〜図106gは、この懸念に対処するためのシステム及び方法を示している。
上述した、且つ、関係する用途における、変換可能電池パック20A4の特定の例示的な実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、上述のコンバータ要素に類似したコンバータ要素を含む。コンバータ要素は、コンバータ突起971を含む。上述のように、コンバータ突起971は、(図示されていないが、上述した)軌道内において存在していてもよく、且つ、変換可能電池パック20A4の上部から延在していなくてもよい。図106において、コンバータ突起971は、例示を目的として、変換可能電池パック20A4の上部から延在するものとして示されているが、これは、コンバータ突起971の配置を限定することを意図したものではない。更には、上述の、且つ、関係する用途における、中間電圧定格電動工具の特定の例示的な実施形態においては、電動工具は、変換要素972を含む。変換要素972は、変換工具の足部から延在していてもよい。中間定格電圧電動工具10A2(又は、その他の変換電動工具10)が変換可能電池パック20A4と結合される際に、変換要素972は、コンバータ突起971に係合し、且つ、第1低電圧位置から第2中間電圧位置に移動するように、コンバータ突起971と、従って、コンバータ要素と、を押し進める。変換可能電池パック20A4が中間電圧定格電動工具10A2(又は、その他の変換電動工具10)から除去される際に、変換可能電池パック20A4内の(上述の)スプリングメカニズムは、コンバータ要素を第1低定格電圧位置に戻るように押し進めることになろう。但し、スプリングメカニズムに障害が発生するか、又はなんらかのその他の障害が発生した場合には、コンバータ要素は、第2の中間電圧位置において留まりうるであろう。
図106aに示されている中間定格電圧電動工具10A2及び変換可能電池パック20A4の例示的な実施形態においては、中間定格電圧電動工具10A2は、リターン要素973と呼称される追加の機能部を含む。リターン要素973は、(変換可能電池パック20A4に関して)変換要素972の前面において位置してり、且つ、更には、工具の足部から延在している。上述のように、変換要素972は、コンバータ突起971に係合するべく、軌道内において移動するものとして説明された。リターン要素973は、変換要素972と合致した状態において位置しることになり、且つ、更には、軌道内において移動することになろう。変換要素972及びリターン要素973の双方は、変換可能電池パック20A4の上部に沿って移動するものとして示されている。これは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、変換要素972又はリターン要素973の配置を限定することを意図したものではない。リターン要素973は、丸くされた又は丸みのある先端である、前方エッジ974を有するように構成されており、且つ、変形可能なゴム材料、又はスプリング式ピン、又は、退却又は圧縮を許容する機械的特徴を有するその他の構成要素、材料、又は組立体から製造されている。図106bに示されているように、電動工具10A2が変換可能電池パック20A4に係合するのに伴って、リターン要素973は、コンバータ突起971と係合することになる。リターン要素973の形状及び材料に起因して、リターン要素973は、コンバータ突起971を移動させることなしに、又は、これをわずかにのみ移動させて、コンバータ突起971上を乗り越えることになる。その後に、図106c及び図106dに示されているように、変換要素972は、電池752が低電圧構成から中間電圧構成に変換される時点まで、上述のように、コンバータ突起971に係合することになる。
変換可能電池パック20A4が電動工具10A2から除去される際に、図106eに示されているように、リターン要素973の後側975が、コンバータ突起971に係合することになる。再度リターン要素973の形状及び/又は材料に起因して、リターン要素973は、コンバータ突起971上を乗り越えることにならない。スプリングメカニズムに障害が発生するか又はなんらかのその他の障害が発生した状況においては、リターン要素973は、図106fに示されているように、中間定格電圧構成から低定格電圧構成に移動するように、コンバータ突起971と、従って、コンバータ要素と、を押し進めることになる。その後に、変換可能電池パック20A4は、電動工具10A2から除去されて低定格電圧構成に留まってもよい。
図108、図109、及び図110は、接点980と、接点980を製造する方法と、を示している。電動工具は、電流を通過及び遮断するべく、通常、主オン/オフ接点を有するスイッチを使用する。安定した接点は、接点抵抗値、局所的加熱、及びその結果としての接点損耗を低減するべく、高導電率材料又は合金から製造されている。接点980は、通常、銀メッキされた銅バスバーの打ち抜き加工材上にリベット結合又は溶接されている。特定の例示的な変換可能電池パック設計においては、接点980は、電池752を、例えば、20Vの低定格電圧構成から、例えば、60ボルトの中間定格電圧構成に変換するべく、複雑な打ち抜き加工されたバスバーに結合されている。このような打ち抜き加工材の使用は、機械加工費用、製造の複雑性、及び単価を増大させる。
図110には、上述の複雑な個々の打ち抜き加工された接点が示されている。個々の打ち抜き加工材が2つの別個の打ち抜き加工材に分割され次いで結合された場合には、機械加工の複雑性が低減されることになり、且つ、一回の打ち抜き加工からより少ない切れ端が生成されることから、節約を実現することができよう。図107は、従来の個々の複雑な打ち抜き加工材(打ち抜き加工材1と表記されている)と、薄い陰影の関連する切れ端と、を示している。図108は、2つの別個の打ち抜き加工材(打ち抜き加工材2及び3として表記されている)を示している。また、新規な別個の打ち抜き加工材における切れ端材料は、薄い陰影によって示されており、従来の打ち抜き加工方法と比較して大幅に低減されている。切れ端材料が除去されたら、2つの新規な打ち抜き加工材は、リベット結合又は溶接によって機械的に結合される。その結果、リベットは、図43に示されている結合する対向するレバーアーム用の安定した電気接点として機能する。打ち抜き加工材2がより長くなった場合には、切れ端材料が更に低減される。
また、後述するように、低定格電圧電池パック20A1の組は、例えば、電池パックの電圧が加法的となるように、低定格電池パック20A1のうちの複数を工具に直列状態において結合することにより、電力を中間定格電圧DC電動工具10A2、高定格電圧電動工具10A3、10Bのその他の組のうちの1つ又は複数に供給可能であってもよい。低定格電圧電池パック20A1は、追加的に、又は代替的に、電動工具10の任意のもの用の望ましい電圧レベルを出力するべく、変換可能電池パック20A4のいずれか又は高電圧パック20A3のいずれかと共に、直列状態において結合されてもよい。
例示的な一実施形態においては、中間定格電圧DC電動工具10A2は、中間定格電圧を提示するべく直列状態において接続された複数の低定格電圧電池パック20A1、中間定格電圧電池パック20A1、及び/又は、その中間定格電圧構成において動作する低/中間定格電圧変換可能電池パック20A4と結合し且つ電力を受け取るように構成されてもよい。中間定格電圧電動工具20A2は、相対的に表現した場合に、中間定格の電圧を有する。換言すれば、中間定格電圧工具10A2の組は、相対的に中間定格電圧のDC電源を使用して動作するように設計されている。中間定格電圧は、上述の低定格電圧DC電動工具10A1、高定格電圧電動工具10A3、10Bとの比較において、相対的な用語である。例示的な一実施形態においては、中間定格電圧電動工具10A2は、例えば、40V、54V、72V、及び/又は80Vなどのように、40V〜80Vの定格電圧を有しうる。
例えば、高定格電圧電動工具10A3、10Bは、合計高定格電圧を有するべく直列状態において互いに接続された複数の低定格電圧電池パック20A1又は中間定格電圧電池パック20A2、その中間定格電圧構成において動作すると共に合計高定格電圧を有するように直列状態において互いに接続された複数の低/中間定格電圧変換可能電池パック20A、又は、単一の高定格電圧電池パック20A3から、電力を受け取るように構成されてもよい。代替的に、DC電源20Aの組み合わせられた電圧は、AC電源20BのAC電圧レベルよりも低い範囲(例えば、40VDC〜90VDC)内であってもよい。
例えば、極高定格電圧電動工具は、合計極高定格電圧を有するように直列状態において互いに接続された複数の低定格電圧電池パック20A1、中間定格電圧電池パック20A2、又は高定格電圧電池パック20A3、その中間又は高定格電圧構成において動作すると共に合計極高定格電圧を有するように直列状態において互いに接続された複数の低/中間定格電圧又は中間/高定格電圧変換可能電池パック20A4から電力を受け取るように構成されてもよい。一実施形態においては、電動工具10は、取外し可能の電池パック20Aと、電池パック20Aから電力を受け取るための端子ブロックと、電動工具をAC電源20Bに結合するための別個のAC電力コード又はコンセントのいずれかに結合するための1つ又は複数の電池パックインターフェイスと、を含む。別の実施形態においては、工具10は、工具10を取外し可能の電池パックに又はアダプタを介してAC電源に接続可能な電源インターフェイスを含んでもよい。一実施形態においては、電池インターフェイスは、低定格電圧電池パック20A1、中間定格電圧電池パック20A2、高定格電圧電池パック20A3、及び/又は変換可能電池パック20A4を受け入れるように構成されている。
極高定格電圧電動工具108は、例えば、極高定格電圧電源と共に動作するように最適化されたドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、フラッシュライト、ストリングトリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、ロータリーハンマ、マイターソー、チェーンソー、ハンマドリル、及び/又はコンプレッサなどの高定格電圧電動工具106と類似したタイプの工具を含みうる。更に詳細に後述するように、極高定格電圧電動工具108のうちの各工具は、工具をAC電源に及び/又はDC電源に結合するように構成された電源インターフェイスを含む。
図118〜図123を参照すれば、本発明の別の態様は、変換可能電池パック20A4用の電子モジュールである。変換可能電池パック20A4の例示的な一実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、上述のように、例えば、20Vの低定格電圧、又は、例えば、60ボルトの中間定格電圧をBATT+/BATT−電池端子において供給することができる。特定の実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成において充電されるのみであってもよい。但し、代替実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、低定格電圧構成又は中間定格電圧構成において充電されてもよい。電子モジュールは、いずれかの構成における充電の際に、すべての電池セルを監視するための方法を提供しなければならない。監視は、充電終了及び過電圧保護(OVP:Over Voltage Protection)を許容する必要がある。また、電子モジュールは、放電の際に直列及び並列動作の両方を許容する必要もある。好適な一実施形態においては、変換可能電池パックは、既存の電池パック充電器との間における下位互換性を有する。電子モジュールは、セルの不均衡を生成してはならない。
本発明のこの態様の電池パックセル電圧監視回路1500は、セルの系統が並列構成にある際に、充電及び/又は過電圧保護のためのセルの監視を提供する。この同一の回路は、セルの系統が直列構成に再構成される際には、短絡及び損傷から保護されている(ダイオードを使用して隔離されている)。
電池パックセル電圧監視回路1500は、既存の電池パック充電器との間における下位互換性を提供するという目的を伴って、1つ又は複数の模倣セル電圧を生成し、模倣セル電圧は、電池パック充電器30に対して、実際のセル電圧としてそれ自体を提示する。この模倣セル電圧は、変換可能電池パック20A4の充電を停止するように電池パック充電器30に通知するべく、使用される。
また、電池パックセル電圧監視回路1500は、個々のセルの放電電圧を監視してもよく、且つ、電動工具10との間における下位互換性を提供するという目的を伴って、実際のセル電圧としてそれ自体を提示する模倣セル電圧を生成してもよい。この模倣セル電圧は、変換可能電池パック20A4の放電を停止するように電動工具10に通知するべく、使用される。
模倣セル電圧を選択するために使用される制御パラメータは、セル電圧、スタック電圧、セル又はパック温度、放電電流、充電の状態、電流、ユーザーによる選択が可能なスイッチ、又はその他の懸念の予測可能なパラメータなどの監視対象の電池パックのパラメータである。
図118Aを参照すれば、C系統(中間定格電圧構成における最も負の系統)のセルノード/セルタップ(CX)は、セル電圧を電池パック充電器に提供するべく、電池端子ブロックに接続されている。具体的には、セルのC系統のC−端子は、BATT−電池端子に結合されており、C1セルノードは、BT1電池端子に結合されており、C2セルノードは、BT2電池端子に結合されており、C3セルノードは、BT3電池端子に結合されており、C4セルノードは、BT4電池端子に結合されており、セルのC系統のC+端子は、BATT+電池端子に結合されている。従って、この結果、変換可能電池パック20A4は、電池パック充電器30に結合されており、BATT−電池端子は、CHT−充電器端子に結合されており、BT1電池端子は、CHT1充電器端子に結合されており、BT2電池端子は、CHT2充電器端子に結合されており、BT3電池端子は、CHT3充電器端子に結合されており、BT4電池端子は、CHT4充電器端子に結合されており、BATT+電池端子は、CHT+充電器端子に結合されており、CHT−、CHT1、CHT2、CHT3、CHT4、CHT+充電器端子は、充電器内の第1過電圧保護回路(OVP1)に結合されている。従って、C系統内の各セルの電圧は、第1OVP1に対して提示される。任意のセルCC1、CC2、CC3、CC4、CC5の電圧が、例えば、4.1ボルトなどの第1過電圧閾値を超過した際に、充電器/第1OVP1は、変換可能電池パック20A4の充電プロセスを終了する。この構成においては、充電器内の第1OVP1は、セルのC系統を監視することができる。
図118Bを参照すれば、セルのB系統のセルは、変換可能電池パック20A4内の第1過電圧保護回路(OVP2)を使用して監視されている。更に詳しくは、セルのB系統のB−端子及びB+端子並びにB1、B2、B3、及びB4セルノードは、第1OVP2に結合されており、これにより、第1OVP2がセルのB系統を監視することを許容している。図118Cを参照すれば、セルのA系統のセルは、変換可能電池パック20A4内の第1過電圧保護回路(OVP3)を使用して監視されている。更に詳しくは、セルのA系統のA−端子及びA+端子並びにA1、A2、A3、A4セルノードは、第1OVP3に結合されており、これにより、第1OVP3がセルのA系統を監視することを許容している。
任意のセルCB1、CB2、CB3、CB4、CB5の電圧が第1過電圧閾値を超過した場合には、第1OVP2がアクティブとなり、且つ、「充電停止」信号を出力することになり、任意のセルCA1、CA2、CA3、CA4、CA5の電圧が第1過電圧閾値を超過した場合には、第1OVP3がアクティブとなり、且つ、「充電停止」信号を出力することになる。
図118Bを参照すれば、図示の例示的な実施形態においては、第1OVP2の出力がハイである際には、監視対象のセルは、すべて、第1電圧閾値未満であり、第1OVP2の出力がローである場合には、監視対象のセルのうちの1つ又は複数は、第1電圧閾値以上である。換言すれば、セルCB1〜CB5のすべてが、第1過電圧閾値未満である際には、第1OVP2の出力は、正常(ハイ)となり、これにより、充電が継続しうることを示している。セルCB1〜CB5のいずれかが、第1過電圧閾値を超過した際には、第1OVP2の出力は、有効(ロー)となり、これにより、充電を停止すべきであることを示す。
図118Cを参照すれば、図示の例示的な実施形態においては、第1OVP3は、第1OVP2と同一の方式によって動作する。換言すれば、セルCA1〜CA5のすべてが、第1電圧閾値未満である際には、第1OVP3の出力は、正常(ハイ)となり、これにより、充電が継続しうることを示す。セルCA1〜CA5のいずれかが、第1過電圧閾値を超過した際には、第1OVP3の出力は、有効(ロー)となり、これにより、充電を停止すべきであることを示す。
図119を参照すれば、セル電圧監視回路1500の充電制御回路1530の例示的な一実施形態においては、図118B及び図118Cの電池パックの第1OVPの出力が、充電制御回路1530に提供されている。電圧レギュレータ1532は、絶縁障害の場合におけるセルCC1の過充電を防止するべく、例えば、4.3Vなどの過電圧閾値に設定されている。充電制御回路1530の電流(Icq)は、電池が低定格電圧構成にあり、且つ、セルCC1電圧が、第1電圧閾値(既定状態)未満である際には、4μA未満である。この実施形態においては、第1OVP2及び第1OVP3は、オープンドレーンの、有効がローである、構成要素である。A又はB系統のセルのうちの1つが第1電圧閾値に到達又は超過したことから第1OVP2又は第1OVP3がローにプルされる際には、電池パック充電器30は、CC1セルの電圧が、第1電圧閾値を超過していないにも拘わらず、CC1セルの電圧(C1セルノード/セルタップからBT1電池端子において提供される)を、(第1電圧閾値を上回る)4.3Vとして読み取ることになる。充電制御回路1530の電流(Icq)は、電池が低定格電圧構成にあり、且つ、セルCC1電圧が第1電圧閾値以上である際には(有効状態)、12μAに等しい。ダイオードD2及びD3は、変換可能電池パック20A4が中間定格電圧構成であり、且つ、セルの系統が互いに直列状態にある際には、絶縁を提供する。
充電終了信号生成プロセス
この実施形態においては、充電プロセスの開始点において、A系統セルのすべて及びB系統セルのすべてが、第1電圧閾値未満であると仮定する。A系統セルのすべて及びB系統セルのすべてが、第1電圧閾値未満であることから、第1OVP2及び第1OVP3の双方は、ロー/既定状態にあり、有効でない。充電停止信号が、第1OVP2及び第1OVP3の出力において存在していないと表現されうるであろう。第1OVP2及び第1OVP3の双方は、有効ではない。この状態(充電停止信号が第1OVP1又は20のいずれの出力にも存在していない際)において、ダイオードD2及びD3は、逆バイアスされる。また、この状態においては、電流は、抵抗器R5又はR6を通じて流れない。この例においては、R5を介してハイにプルされた状態において、Q3のVGS=0Vであり、且つ、Q4のVGS≧+0.1Vである際に、両方のトランジスタは、オフであり、R6を介してローにプルされた状態において、Q1及びQ2のVGS=−VCT−1≒−4.2Vである際には、両方のトランジスタは、オンである。従って、C1セルタップにおける電圧(CA1セルの電圧)は、BT1電池端子に提示され、且つ、CHT1充電器端子に提示され、且つ、充電器内の第1OVP1の対応した入力に提示される。第1OVP2及び第1OVP3が充電停止信号をその出力において有していない限り、充電器の第1OVP1は、セルのC系統を監視することになり、CA1セルを含むC系統セルのいずれのセルの電圧も第1電圧閾値を超過していない限り、充電器内の第1OVP1は、充電を継続的に許容することになる。従って、第1OVP1は、充電停止信号を出力することにならず、充電器は、CA1セルを含むC系統セルのいずれかが、第1電圧閾値を超過しない限り、且つ、これが発生する時点まで、すべてのセルの充電を継続することになる。従って、セルのいずれかが、第1電圧閾値を超過した際には、第1OVP1は、充電停止信号を出力し、充電器は、すべてのセルの充電を停止することになる。
充電プロセスにおけるいずれかの時点において、A系統セル又はB系統セルのうちの1つ又は複数は、第1電圧閾値以上となりうる。この例においては、第1OVP2又は第1OVP3の出力において存在している信号が、充電停止信号である際には、対応したダイオードD2及び/又はD3は、順バイアスされることになる。更には、電流が、抵抗器R5及びR6を通じて流れることになる。この例においては、Q3を介してハイにプルされた状態において、Q1及びQ2のVGS≧−0.6V(ボディダイオード降下)である際には、両方のトランジスタは、オフであり、D2及び/又はD3を介してローにプルされた状態において、Q3及びQ4のVGS≒−3.6Vである際には、両方のトランジスタは、オンである。従って、例えば、4.3Vなどの電圧レギュレータから出力された電圧(模倣又はフェイク電圧と呼称される)が、BT1電池端子において存在することになり、且つ、CHT1充電器端子に結合されることになる。従って、電池パック充電器内の第1OVP1は、第1電圧閾値よりも大きい電圧信号を受け取ることになり、且つ、その結果、充電停止信号を充電器コントローラに送信することになる。
この回路は、低定格電圧(例えば、20V)構成(並列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A+が、C+に接続されたB+に接続されており、且つ、A−が、C−に接続されたB−に接続されている構成)における充電を許容するが、中間定格電圧(例えば、60V)構成(直列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A−がB+に接続されており、且つ、B−がC+に接続されている構成)においては、充電を許容しない。
2つの第1OVP2、3のいずれかの出力が「充電停止」信号である際には、例えば、CC1などの電池セルの1つについて、例えば、4.2Vなどの第1過電圧閾値よりも高い「フェイク」又は模倣電圧がBT1電池端子において提示される。このフェイク電圧は、CHT1充電器端子に提示され、CHT1充電器端子は、フェイク電圧を第1OVP1に提供する。第1OVP1は、これを過電圧状態であると見なし、且つ、電池パックの充電プロセスを終了させる「充電停止」信号を出力する。
この実施形態においては、OVPチップは、接続されているセルのすべてが第1電圧閾値未満である際に、ハイ信号を出力し、接続されているセルのいずれかが第1電圧閾値以上である際には、ロー信号を出力する。第1OVP2及び3の両方が、ハイ信号を出力した場合には(A又はB系統のいずれのセルも、第1過電圧閾値に到達していない)、Q3及びQ4は、オフ/開路となり、且つ、Q1及びQ2は、オン/閉路となる。従って、C1セルタップにおける電圧は、BT1電池端子及びCHT1充電器端子に提示されることになり、充電器は、過電圧保護のために、C1セルタップの電圧を監視することになる。
第1OVP2又は第1OVP3がロー信号を出力した場合には(A又はB系統の少なくとも1つが第1電圧閾値に到達/超過している)、Q1及びQ2は、オフ/開路となり、且つ、Q3及びQ4は、オン/閉路となる。この構成においては、電圧レギュレータの出力は、BT1電池端子及びCHT1充電器端子に結合/提示されることになる。電圧レギュレータの出力は、例えば、4.2ボルトなどの第1電圧閾値よりも大きい何らかの電圧に設定されることになる。4.2ボルトがBT1電池端子及びCHT1充電器端子に、且つ、従って、さもなければC1電池タップを読み取ることになる充電器内の第1OVP1の入力に提示されるのに伴って、OVP1は、この電圧を過電圧状態であると見なし、従って、第1OVP1は、電池パックの充電プロセスを終了させることになる。
再度、図118A、図118B、及び図118Cを参照すれば、第2OPVによって監視されているセル電圧が、第2過電圧閾値未満である際には、第2OVPは、その正常/既定状態にあり、且つ、第2OPVの出力は、ハイである。第2OVPによって監視されているセル電圧のいずれかが、第2過電圧閾値以上である際には、第2OVPは、その有効状態において置かれ、且つ、第2OVPの出力は、ローである。セルCC1〜CC5のすべてが、第2過電圧閾値未満である際には、第2OVP1出力=正常(ハイ)であり、セルCC1〜CC5のいずれかが、第2過電圧閾値を超過した際には、第2OVP1出力=有効(ロー)である。第2OVP2は、第2OVP1と同一の方式で動作する。換言すれば、セルCB1〜CB5のすべてが、第2電圧閾値未満である際には、第2OVP2出力=正常(ハイ)であり、セルCB1〜CB5のいずれかが、第2電圧閾値を超過した際には、第2OVP2出力=有効(ロー)である。そして、第2OVP3も、第2OVP1及びOVP2と同一の方式で動作する。換言すれば、セルCA1〜CA5のすべてが、第2電圧閾値未満である際には、第2OVP3出力=正常(ハイ)であり、セルCA1〜CA5のいずれかが、第2電圧閾値を超過した際には、第2OVP3出力=有効(ロー)である。
図120を参照すれば、いずれかのセル(CA1〜CA5、CB1〜CB5、CC1〜CC5)の電圧が、例えば、4.275ボルトなどの予め定義された第2過電圧閾値を超過したことを示す信号を第2OVP1又は第2OVP2又は第2OVP3が出力した場合には、結合回路は、充電を停止するべく、電池パック充電器30に信号を出力することになる。この実施形態においては、変換可能電池パック20A4は、すべての3つの系統(A、B、C)が並列状態において接続される際にのみ、即ち、低定格電圧構成の際にのみ、充電されうる。ダイオードD4及びD6は、系統(A、B、C)が直列状態において接続される際に、即ち、中間定格電圧構成の際に、より高電圧の系統を隔離する。第2OVP1は、ダイオードを必要としてはおらず、その理由は、C系統の負の接続が、接地電位を参照しているからである。結合回路の出力は、CHT6/ID充電器端子に結合されたBT6/ID電池端子において信号を提示する。この実施形態においては、電池端子ブロックは、すべての3つの系統が並列状態において接続される際にのみ、電池パックが充電されうるように、構成されることになろう。
この回路は、低定格電圧(例えば、20V)構成(並列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A+が、C+に接続されたB+に接続されており、且つ、A−が、C−に接続されたB−に接続されている構成)においては、充電を許容するが、中間定格電圧(例えば、60V)構成(直列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A−がB+に接続されており、且つ、B−がC+に接続されている構成)においては、充電を許容しない。
図121、図122、及び図123は、図118、図119、及び図120に示されている回路に対する一代替実施形態回路を示している。
図118Aと同様に、図121Aの電池においては、C系統(中間定格電圧構成における最も負の系統)のセルノード/セルタップ(CX)は、セル電圧を充電器に提供するべく、端子ブロックに接続されている。具体的には、セルのC系統のC−端子は、BATT−電池端子に結合されており、C1セルノードは、BT1電池端子に結合されており、C2セルノードは、BT2電池端子に結合されており、C3セルノードは、BT3電池端子に結合されており、C4セルノードは、BT4電池端子に結合されており、セルのC系統のC+端子は、BATT+電池端子に結合されている。従って、変換可能電池パック20A4は、電池パック充電器30に結合されており、BATT−電池端子は、CHT−充電器端子に結合されており、BT1電池端子は、CHT1充電器端子に結合されており、BT2電池端子は、CHT2充電器端子に結合されており、BT3電池端子は、CHT3充電器端子に結合されており、BT4電池端子は、CHT4充電器端子に結合されており、BATT+電池端子は、CHT+充電器端子に結合されており、CHT−、CHT1、CHT2、CHT3、CHT4、CHT+充電器端子は、充電器内の第1過電圧保護回路(OVP1)に結合されている。従って、C系統内の各セルの電圧は、充電器/第1OVP1に提示される。いずれかのセルCC1、CC2、CC3、CC4、CC5の電圧が、例えば、4.1ボルトなどの第1過電圧閾値を超過した場合には、充電器/第1OVP1は、電池パックの充電プロセスを終了させる。この構成においては、充電器内の第1OVP1は、セルのC系統を監視することができる。
図121Bを参照すれば、セルのB系統のセルは、変換可能電池パック20A4内の第1過電圧保護回路(OVP2)を使用して監視されている。更に詳しくは、セルのB系統のB−端子及びB+端子並びにB1、B2、B3、及びB4セルノードは、第1OVP2に結合されており、これにより、第1OVP2がセルのB系統を監視することを許容している。図1Cを参照すれば、セルのA系統のセルは、変換可能電池パック20A4内の第1過電圧回路(OVP3)を使用して監視されている。更に詳しくは、セルのA系統のA−端子及びA+端子並びにA1、A2、A3、A4セルノードは、第1OVP3に結合されており、これにより、第1OVP3がセルのA系統を監視することを許容している。
いずれかのセルCB1、CB2、CB3、CB4、CB5の電圧が、第1過電圧閾値を超過している場合には、第1OVP2は、有効となり、且つ、「充電停止」信号を出力し、いずれかのセルCA1、CA2、CA3、CA4、CA5の電圧が、第1過電圧閾値を超過した場合には、第1OPV3は、有効となり、且つ、「充電停止」信号を出力することになる。
図121Bを参照すれば、図示の例示的な実施形態においては、第1OVP2の出力がローである際には、監視されているセルは、全て、第1電圧閾値未満であり、第1OVP2の出力がハイである際には、監視されているセルのうちの1つ又は複数は、第1電圧閾値以上である。換言すれば、セルCB1〜CB5のすべてが、第1過電圧閾値未満である際には、Q203トランジスタは、その開路/オフ状態となり、且つ、Q202トランジスタは、その開路/オフ状態となり、且つ、その結果、第1OVP2の出力は、正常(ロー)となり、これにより、充電が継続しうることを示す。セルCB1〜CB5のいずれかが、第1過電圧閾値を超過した際には、Q203トランジスタは、その閉路/オン状態となり、且つ、Q202トランジスタは、その閉路/オン状態となり、且つ、第1OVP2の出力は、有効(ハイ)となり、これにより、充電を停止するべきであることを示す。
図121Cを参照すれば、図示の例示的な実施形態においては、第1OVP3は、第1OVP2と同一の方式によって動作する。換言すれば、セルCA1〜CA5のすべての電圧が、第1過電圧閾値未満である際には、Q303トランジスタは、その開路/オフ状態となり、且つ、Q302トランジスタは、その開路/オフ状態となり、且つ、その結果、第1OVP3の出力は、正常(ロー)となり、これにより、充電が継続しうることを示す。セルCA1〜CA5のいずれかが、第1過電圧閾値を超過した際には、Q303トランジスタは、その閉路/オン状態となり、且つ、Q302トランジスタは、その閉路/オン状態となり、且つ、第1OVP3の出力は、有効(ハイ)となり、これにより、充電を停止すべきであることを示す。
図122を参照すれば、系統A及びBのセルのすべてが、第1過電圧閾値未満である際には、第1OVP2及び第1OVP3の出力は、ロー(非有効/ハイ Z)であり、従って、Q109トランジスタのゲートは、C−に引っ張られ、Q109トランジスタは、その開路/オフ状態にある。その結果、Q108トランジスタは、開路/オフであり、電圧レギュレータは、オフである。Q104Aトランジスタ及びQ104Bトランジスタのゲートは、C1(4V)に接続され、ソースは、C2(8V)に接続されており、従って、Q104Aトランジスタ及びQ104Bトランジスタは、それらの閉路/オン状態にあり、BT2電池端子は、C2セルノードに結合され、且つ、充電器の第1OVP1による充電終了分析のために、C2セルノードの実際の電圧を電池パック充電器に提供することになる。
系統A及びBのセルのいずれかが、第1閾値を上回る際には、第1OVP2又は3の出力は、ハイ(有効/ロー Z)であり、従って、Q109のゲートは、C−/接地よりも大きい電圧に結合され、且つ、従って、オン/閉路である。これは、Q108を作動させる。これは、電力(C+)を電圧レギュレータに提供し、電圧レギュレータは、Q104A及びQ104Bをオフにする/開路するべく、電圧を出力し、且つ、第1閾値を上回る電圧をBT2において提供する。充電器(BT2に結合された充電器端子CHT2を含む)が、第1電圧閾値を上回る電圧信号を受け取った際に、充電器は、電池パックへの充電を終了する。
この回路は、低定格電圧(例えば、20V)構成(並列状態において互いに接続されたA、B、Cの構成、即ち、A+が、C+に接続されたB+に接続されており、A−が、C−に接続されたB−に接続されている構成)における充電を許容し、且つ、中間定格電圧(例えば、60V)構成(直列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A−がB+に接続されており、B−がC+に接続されている構成)における充電を許容するという点において、図119に対する改善である。
図121Aを参照すれば、第2OVP1の出力は、正常=>ローであり、有効=>ハイである。セルCC1〜CC5のすべてが、第2電圧閾値未満である際には、Q101=オフであり、Q100=オフであり、その結果、第2OVP1の出力=正常(ロー)である。セルCC1〜CC5のいずれかが、第2電圧閾値を超過する際には、Q101=オンであり、Q100=オンであり、その結果、第2OVP1出力=有効(ハイ)である。
図121Bを参照すれば、第2OVP2の出力は、正常=>ローであり、有効=>ハイである。セルCB1〜CB5のすべてが、第2電圧閾値未満である際には、Q201=オフであり、Q200=オフであり、その結果、第2OVP2の出力=正常(ロー)である。セルCB1〜CB5のいずれかが、第2電圧閾値を超過する際には、Q201=オンであり、Q200=オンであり、その結果、第2OVP2の出力=有効(ハイ)である。
図121Cを参照すれば、第2OVP3の出力は、正常=>ローであり、有効=>ハイである。セルCA1〜CA5のすべてが、第2電圧閾値未満である際には、Q301=オフであり、Q300=オフであり、その結果、第2OVP3の出力=正常(ロー)である。セルCA1〜CA5のいずれかが、第2電圧閾値を超過した場合には、Q301=オンであり、Q300=オンであり、その結果、第2OVP3出力=有効(ハイ)である。
第2OVPの出力信号は、トリガとして機能する。既定/正常状態(充電/放電が許容される)においては、第2OVP1、OVP2、OVP3の出力=ロー(非有効―すべてのセル電圧が第2過電圧閾値未満である)である。その結果、Q102は、オフであり、Q101は、オフであり、Q100は、オンであり、従って、BT6/IDは、ロー(C−に結合されている)であり、=>充電が許容される。第2OVP1出力及び/又は第2OVP2出力及び/又は第2OVP3出力=ハイ(有効)である場合には(セル電圧のいずれかが第2過電圧閾値以上である場合には)、Q102が作動し、これはQ101を作動させ、これは(C+から)一定の高電圧をQ102(ゲート)に提供する。Q102が作動する際に、Q100は停止し、従って、BT6/IDは、ハイ Zである[ID ハイはどのようですか]。BT6/ID電池端子は、抵抗器ネットワーク(図示されていない)を通じてVDDに結合されており=>充電非許容信号が、BT6/ID電池端子上において存在しており、これは、CHT6/ID充電器端子に提示される。この信号は、セルの単一の系統が、又は並列状態において接続されたセルの複数の系統が、存在しているかのように、充電を停止するように充電器に対して指示する。
図120に対する改善 − この回路は、低定格電圧(例えば、20V)構成(並列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A+が、C+に接続されたB+に接続されており、A−が、C−に接続されたB−に接続されている構成)における充電を許容しており、且つ、中間定格電圧(例えば、60V)構成(直列状態において互いに接続された系統A、B、Cの構成、即ち、A−がB+と接続されており、B−がC+に接続されている構成)における充電を許容している。
図123を再度参照すれば、Q102には、一定の高電圧(C+)が提供されることから、ハイとなった第2OVPが、予め定義された第2電圧閾値未満に降下した場合にも、ラッチは、オン/閉路において留まることになり(Q102及びQ101は、オンにおいて留まり、且つ、Q100は、オフに留まる)、電池は、充電を受け付けることができなくなる。
図124は、例示的な電池を更に詳細に示している。電池は、変換サブシステムを含む。変換サブシステムは、支持基板と、コンバータ要素と、を含む。図124は、複数の接触パッドと、コンバータ要素のスイッチング接点と、を示しているが、コンバータ要素のハウジングを伴っていない。上述のように、例示的な電池は、接触パッドの第1のサブセットを支持基板上において含む。図124a及び図124bに示されている接触パッド構成は、例示的な構成である。例示的な代替実施形態は、その他の接触パッド構成を含んでもよく、本開示により想定され包含される。
また、図124a及び図124bを参照すれば、この例示的な実施形態においては、主PCBは、複数の接触パッドを含んでもよい。これらの接触パッドは、電池信号端子を電池セルノードに結合している。具体的には、主PCBは、BT1、BT2、BT3、及びBT4接触パッドを含む。また、電池は、例えば、C1、C2、C3、及びC4などの電池セルノードを主PCB上の対応した接触パッドに接続する複数の検知ワイヤ(図 及び図 に示されている)を含む。セルノード接触パッドは、対応した電池端子接触パッドに直接的に又は間接的に電気的に結合されている。具体的には、(1)検知ワイヤは、C2電池セルノードを主PCB上のC2セルノード接触パッドに結合しており、主PCB上のC2セルノード接触パッドは、BT2電池端子接触パッドに結合されており、BT2電池端子接触パッドは、例えば、リボンケーブルを通じて、BT2電池端子に結合されており、(2)検知ワイヤは、C4電池セルノードを主PCB上のC4セルノード接触パッドに結合しており、主PCB上のC4セルノード接触パッドは、BT4電池端子接触パッドに結合されており、BT4電池端子接触パッドは、リボンケーブルを通じてBT4電池端子に結合されている。そして、(1)検知ワイヤは、C1電池セルノードを主PCB上のC1セルノード接触パッドに結合しており、主PCB上のC1セルノード接触パッドは、スイッチS1に結合されており、C1セルノード接触パッドは、スイッチS1の状態に応じて、更に詳細に後述するように、BT1電池端子接触パッドに結合されてもよく、BT1電池端子接触パッドは、BT1フラグにより、BT1電池端子に結合されており、(2)検知ワイヤは、C3電池セルノードを主PCB上のC3セルノード接触パッドに結合しており、主PCB上のC3セルノード接触パッドは、スイッチS2に結合されており、C3セルノード接触パッドは、スイッチS2の状態に応じて、更に詳細に後述するように、BT3電池端子接触パッドに結合されてもよく、BT3電池端子接触パッドは、BT3フラグにより、BT3電池端子に結合されている。代替実施形態においては、主PCB上の接触パッドは、単に電気接続であってもよい。例えば、セルノード接触パッドは、単に、検知ワイヤが主PCBに接続している場所であってもよく、電池端子接触パッドは、(BT2及びBT4電池端子接触パッドのケースにおいては)単にリボンケーブルに接続するための主PCB上の接続場所であってもよく、セルノード接続場所と電池端子接続場所との間における接続は、単に、主PCB上のトレースであってもよい。
本開示において記述されている変換可能電池パックなどの変換可能電池パックの非常に重要な品質は、電池パックが、正しい時点において適切な動作構成にあるという点にある。換言すれば、変換可能電池パックが、中間定格電圧電気装置から除去され、次いで、低定格電圧電気装置又は低定格電圧充電器内において配置された後に、変換可能電池パックが中間定格電圧構成にあることを要する場合には、電池、電気装置、及び/又は充電器が損傷する可能性があり、又は、なんらかのその他のタイプの望ましくないイベントが発生する可能性があろう。変換可能電池パックが中間定格電圧を低定格電圧電気装置に転送できないことを保証するべく、電池パックは、中間定格電圧が、中間定格電圧を受け付けるように設計されていない装置に転送されることを防止する機能を含む。具体的には、中間定格電圧構成に置かれた際に、変換可能電池パックは、電力を電気装置に電池電力端子(BATT+及びBATT−)及び工具電力端子(TOOL+及びTOOL−)を通じて転送することに加えて、少なくとも電池信号端子のペア及び工具電力端子の第2ペアを通じても、電力を電気装置に転送することになり、この場合に、工具電力端子の第2ペアは、ジャンパ(短絡バーとも呼称される)を通じて、工具端子ブロック内において互いに結合されている。
図124a及び図124bは、それぞれ、低定格電圧構成及び中間定格電圧構成を示している。図124cは、主PCB上の電池端子接触パッドのサブセットの簡略化された回路図を示している。
図124a及び図124cを参照し、低定格電圧構成について説明することとする。図1の例示的な電池が、電気装置に結合されていない際には、又は、低定格電圧工具又は充電器に結合された際には、この電池は、低定格電圧構成にある。この低定格電圧構成にある際には、第1コンバータ要素スイッチング接点(SC1)は、A+接触パッド及びB+接点を電気的に結合しており、第2コンバータ要素スイッチング接点(SC2)は、A+接触パッド及びC+接触パッドを電気的に結合しており、第3コンバータ要素スイッチング接点(SC3)は、C−接触パッド及びA−接触パッドを電気的に結合しており、第4コンバータ要素スイッチング接点(AC4)は、C−接触パッド及びB−接触パッドを電気的に結合している。これは、事実上、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4(図125a及び図125bに示されている)を閉路状態に置き、BT1接触パッドとA−接触パッドとの間には、又は、BT3接触パッドとB+接触パッドとの間には、接続が存在していないことから、これは、事実上、スイッチSW5、SW6、及びSW7(図127a及び図127bに示されている)を開路状態に置く。従って、セルのA系統、セルのB系統、及びセルのC系統の正の端子は、全て、BATT+電池端子に電気的に接続及び結合され、セルのA系統、セルのB系統、及びセルのC系統の負の端子は、すべて、BATT−電池端子に電気的に接続及び結合される。従って、セルの系統は、全て、並列状態にある。
図124cを参照し、電子的スイッチについて説明することとする。まず、Q110は、p−チャネルMOSFETトランジスタであり、Q105、Q106、及びQ107は、n−チャネルMOSFETトランジスタであることに留意されたい。一般に、p−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧がソース電圧未満である際に、トランジスタは、作動し(閉路状態)、さもなければ、トランジスタは、停止し(開路状態)、n−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧が、ソース電圧よりも大きい際に、トランジスタは、作動し(閉路状態)、さもなければ、トランジスタは、停止することになる(開路状態)。電池が低定格電圧構成にある際には、セルのB系統のB−端子における電圧は、セルのC系統のC−端子における電圧と同一であり、C4セルノードにおける電圧は、セルのB系統のB−端子における電圧よりも大きく、C3セルノードにおける電圧及びC1セルノードにおける電圧よりも大きい。従って、電池が低定格電圧構成にある際には、Q105は、オフとなり、Q110は、オンとなり、Q106は、オンとなり、Q107は、オンとなる。この結果、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることになり、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることになる。
電池パックが中間定格電圧工具と結合した際に、工具の変換要素突起は、コンバータ要素突起と係合することになり、且つ、その第2位置に移動するようにコンバータ要素を押し進めることになる。これに加えて、工具端子TT1及びTT3は、それぞれ、電池端子BT1及びBT3に係合することになる。中間定格電圧工具内の工具端子TT1及びTT3は、ジャンパ(短絡バー)により、1つに結合される。従って、中間定格電圧工具が、電池パックに係合する際に、電池端子BT1及びBT3は、工具端子TT1及びTT3を通じて電気的に結合された状態となり、工具端子TT1及びTT3の間のジャンパは、BATT+及びBATT−電池端子の間における回路を完成させることになる。その他の場合に変換可能電池パックに結合することになる低定格電圧工具は、結合された工具端子TT1及びTT3を含むことにはならず、従って、BATT+及びBATT−電池端子の間における回路を完成させることにならない。従って、変換可能電池パックが、中間定格電圧工具から除去された後にその中間定格電圧構成において留まることを要する場合に、変換可能電池パックは、低定格電圧工具と共に動作することにならないであろう。
図124Bを参照すれば、コンバータ要素が、中間定格電圧位置に移動する際には、第1コンバータ要素スイッチング接点SC1は、A+及びB+接触パッドから結合解除され、且つ、B+及びBT3接触パッドを結合させることになり、第2コンバータ要素スイッチング接点SC2は、A+及びC+接触パッドから結合解除されることになり、第3コンバータ要素スイッチング接点SC3は、A−及びC−接触パッドから結合解除され、且つ、A−及びBT1接触パッドを結合することになり、第4コンバータ要素スイッチング接点SC4は、C−及びB−接触パッドから結合解除され、且つ、B−及びC+接触パッドを結合することになる。これは、事実上、スイッチSW1、SW2、SW3、及びSW4を開路状態に置き、且つ、事実上、SW5、SW6、及びSW7を閉路状態に置く(図127bに示されている)。従って、BATT−電池端子は、セルのC系統のC−端子に結合され、セルのC系統のC+端子は、セルのB系統のB−端子に結合され、セルのB系統のB+端子は、セルのA系統のA−端子に結合されたBT1電池端子に結合されたTT1工具端子に(ジャンパを介して)結合されたTT3工具端子に結合されたBT3電池端子に結合され、セルのA系統のA+端子は、BATT+電池端子に結合される。従って、セルのA、B、及びC系統は、全て、直列状態にある。この構成においては、工具の負荷を動作させるための電力(電圧及び電流)は、BATT+及びBATT−電池端子、BT1及びBT3電池端子、TOOL+及びTOOL−工具端子、及びTT1及びTT3工具端子を通じて提供される。
再度図124Cを参照すれば、電池が中間定格電圧構成にある際には、セルのB系統のB−端子における電圧は、セルのC系統のC−端子における電圧よりも大きく、C4セルノードにおける電圧は、セルのB系統のB−端子における電圧未満であり、C3セルノードにおける電圧及びC1セルノードにおける電圧よりも大きい。従って、電池が、中間定格電圧構成にある際には、Q105は、オンとなり、Q110は、オフとなり、Q106は、オフとなり、Q107は、オフとなる。この結果、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることにならず、且つ、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることにならない。代替的に、上述のように、BT1電池端子は、TT1及びTT3工具端子を通じてBT3電池端子に結合されることになる。
図125を参照すれば、図124Cに示されているセルスイッチに対する代替セルスイッチが示されている。この実施形態においては、セルスイッチは、光電スイッチを有する。この実施形態においては、低定格電圧構成において、LED1及びLED2が作動させられ、この結果、対応した電子スイッチが起動/閉路される。電子スイッチが閉路された際には、BT1は、C1に結合され、BT3は、C3に結合される。中間定格電圧構成においては、LED1及びLED2がオフにされ、この結果、対応した電子スイッチが起動停止/開路される。電子スイッチが開路された際に、BT1は、C1に結合されず、BT3は、C3に結合されない。
図126を参照すれば、パックが低定格電圧構成にある際に、それぞれ、BT1及びBT3電池端子をC1及びC3セルタップに結合するための、且つ、BT1及びBT3電池端子をC1及びC3セルタップから結合解除するための、代替設計が示されている。この実施形態においては、電池パックは、補助電池端子BT7及びBT8の組を含む。これに加えて、中間定格電圧工具は、補助工具端子TT7及びTT8の組を含む。電池パックが、いずれの工具にも結合されないか、又は、(補助工具端子を含まない)低定格電圧工具に結合される際には、補助電池端子BT7及びBT8の間に開路が存在することになる。電池パックが中間定格電圧工具に機械的に結合される際には、補助工具端子TT7及びTT8は、それぞれ、補助電池端子BT7及びBT8に電気的に結合する。
まず、Q501は、p−チャネルMOSFETトランジスタであり、Q502、Q503、及びQ504は、n−チャネルMOSFETトランジスタであることに留意されたい。一般に、p−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧がソース電圧未満の際に、トランジスタは、オンになり(閉路状態)、さもなければ、トランジスタは、オフになり(開路状態)、n−チャネルMOSFETトランジスタの場合には、ゲート電圧がソース電圧よりも大きい際に、トランジスタは、オンになり(閉路状態)、さもなければ、トランジスタは、オフになる(開路状態)。
電池が低定格電圧構成にある(且つ、BT7及びBT8端子の間に開路が存在している)際には、C4セルノードにおける電圧は、セルのC系統のC−端子における電圧よりも大きく、C3セルノードにおける電圧よりも大きく、且つ、C1セルノードにおける電圧よりも大きい。従って、電池が低定格電圧構成にある際に、Q501は、オンとなり、Q502は、オフとなり、Q503は、オンとなり、Q504は、オンとなる。この結果、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることになり、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることになる。
電池が中間定格電圧工具(補助電池端子を含んでいない)に結合される際には、セルのC系統のC+端子における電圧は、C4ノードにおける電圧よりも大きく、C3ノードにおける電圧よりも大きく、C1ノードにおける電圧よりも大きく、且つ、セルのC系統のC−端子における電圧よりも大きい。従って、上述のように、電池が、補助工具端子を有する中間定格電圧工具と結合され、且つ、中間定格電圧構成に置かれる際には、Q501は、オフとなり、Q502は、オンとなり、Q503は、オフとなり、且つ、Q504は、オフとなる。この結果、BT1電池端子は、C1セルノードに結合されることならず、BT3電池端子は、C3セルノードに結合されることにならない。代わりに、上述のように、BT1電池端子は、TT1及びTT3工具端子を通じて、BT3電池端子に結合されることになる。
図127A及び図127Bを参照すれば、これらの図は、第1セル構成(図127A)及び第2セル構成(図127B)における変換可能電池の例示的な一実施形態の例示的な簡略化された回路図を示している。電池は、簡潔さのために図示されていないその他の要素に加えて、複数の充電式電池セル(セルとも呼称される)を含む。複数のセルは、セルの組を形成している。図示の回路図においては、例示的な電池は、15個のセルの組を含む。電池の例示的な代替実施形態は、当業者には、理解されるように、より多くの又は少ない数のセルを含んでもよく、本開示により想定され包含される。図示の例示的な実施形態においては、電池は、5つのセルA1、A2、A3、A4、A5の第1のサブセットAと、5つのセルB1、B2、B3、B4、B5の第2のサブセットBと、5つのセルC1、C2、C3,C4、C5の第3のサブセットCと、を含む。セルの各サブセット内のセルは、直列状態において電気的に接続されている。更に詳しくは、セルA1は、セルA5と直列状態において接続されたセルA4と直列状態において接続されたセルA3と直列状態において接続されたセルA2と直列状態において接続されている。サブセットB及びCも、同一の方式によって接続されている。当業者には明瞭に理解されるように、各セルは、正(+)端子又はカソードと、負(−)端子又はアノードと、を含む。セルの各サブセットは、正端子(A+、B+、C+)と、負端子(A−、B−、C−)と、を含む。そして、電池は、正端子(BATT+)と、負端子(BATT−)と、を含む。
セル48のサブセット内の隣接するセル48の間には、ノード49が存在している。ノードは、関連するセルの正の側によって呼称することとする。例えば、セルA1とセルA2との間のノードは、A1+と呼称することとし、セルA2及びA3の間のノードは、A2+と呼称することとする。この表記法は、本出願の全体を通じて使用することとする。A1とA2との間のノードは、A2−とも呼称されうることを理解されたい。
また、電池は、複数のスイッチング要素SW(スイッチSWとも呼称されうる)を含む。複数のスイッチSWは、スイッチの組を形成している。図示の回路においては、例示的な電池は、14個のスイッチSW1〜SW14の組を含む。電池の例示的な代替実施形態は、より多くの又は少ない数のスイッチSWを含んでもよく、本開示により想定され包含される。図示の例示的な実施形態においては、電池は、6個のスイッチSW1〜SW6(電力スイッチとも呼称される)の第1のサブセットと、8個のスイッチSW7〜SW16(信号スイッチとも呼称される)の第2のサブセットと、を含む。例示的な実施形態においては、電力スイッチのサブセットの第1のサブセットは、セルのサブセットの正の端子とセルのサブセットの負の端子との間において電気的に接続されている。具体的には、電力スイッチSW1は、端子A+及び端子B+を接続しており、電力スイッチSW2は、端子B+及び端子C+を接続しており、電力スイッチSW3は、端子A−及び端子B−を接続しており、電力スイッチSW4は、端子B−及び端子C−を接続している。例示的な実施形態においては、電力スイッチのサブセットの第2のサブセットは、セルの第1のサブセットの負の端子とセルの第2のサブセットの正の端子との間において電気的に接続されている。具体的には、電力スイッチSW5は、端子A−及び端子B+を接続しており、電力スイッチSW6は、端子B−及び端子C+を接続している。電力スイッチは、当業者には、理解されるように、単純な単投式スイッチ、端子/接点スイッチ、又は、その他の電気機械的、電気的、若しくは電子的スイッチとして実施されてもよい。
この例示的な実施形態においては、信号スイッチは、セルの各サブセットの対応したノードの間において電気的に接続されている。更に詳しくは、信号スイッチSW7は、ノードA4+とノードB4+との間に位置しており、信号スイッチSW8は、ノードB4+とC4+との間に位置しており、信号スイッチSW9は、ノードA3+とB3+との間に位置しており、信号SW10は、ノードB3+及びC3+の間に位置しており、信号スイッチSW11は、ノードA2+及びB2+の間に位置しており、信号SW12は、B2+とC2+との間に位置しており、信号スイッチSW13は、ノードA1+とB1+との間に位置しており、信号スイッチSW14は、B1+とC1+との間に位置している。図示の実施形態においては、信号スイッチは、例えば、トランジスタ、及び、特に電界効果トランジスタ(FET)などの電子スイッチとして実施されている。代替実施形態においては、信号スイッチは、当業者には理解されるように、単純な単投式スイッチとして、端子/接点スイッチとして、又は、その他の電気機械的若しくは電気的スイッチとして、実施されてもよい。
信号スイッチSW7〜SW14に加えて、電池は、第1及び第2制御スイッチ回路CSW1及びCSW2を含む。制御スイッチ回路は、信号スイッチをオンにする及びオフにするための制御信号を提供する。
図127aに示されている第1電池構成においては、(包含された出願の様々な実施形態において記述されているように)電力スイッチSW1、SW2、SW3、SW4の第1のサブセットは、閉路され、電力スイッチSW5、SW6の第2サブセットは、開路されている。電力スイッチのこの構成に基づいて、第1及び第2制御スイッチ回路CSW1及びCSW2は、信号スイッチSW7〜SW14をオンにするための制御信号を提供することになり、信号スイッチSW7、SW8、SW9、SW10、SW11、SW12、SW13、SW14は、閉路されることになる。この構成においては、セルA、B、Cのサブセットは、並列状態において接続された状態にある。これに加えて、セルの各サブセットの対応したセルは、並列状態において接続されている。更に詳しくは、セルA5、B5、C5は、並列状態において接続されており、セルA4、B4、C4は、並列状態において接続されており、セルA3、B3、C3は、並列状態において接続されており、セルA2、B2、C2は、並列状態において接続されており、セルA1、B1、C1は、並列状態において接続されている。この構成においては、電池は、低定格電圧構成にあると表現される。また、電池は、高容量構成にあると表現されてもよい。当業者には理解されるように、セルのサブセットが並列状態において接続されることから、この構成の電圧は、セルの各サブセットに跨る電圧となり、且つ、セルの複数のサブセットが存在していることから、電池の容量は、セルの各サブセットの容量の合計となろう。この例示的な実施形態においては、各セルが、4V、3Ahセルである場合には、5つのセルの各サブセットは、20V、3Ahサブセットとなり、5つのセルの3つのサブセットを有する電池は、20V、9Ah電池となろう。代替実施形態においては、信号スイッチのすべて未満が閉路されてもよい。
図127bに示されている第2電池構成においては、(包含された出願の様々な実施形態において記述されているように)電力スイッチSW1、SW2、SW3、SW4の第1サブセットは、開路状態にあり、電力スイッチSW5、SW6の第2のサブセットは、閉路されている。電力スイッチのこの構成に基づいて、第1及び2制御スイッチ回路CSW1及びCSW2は、信号スイッチSW7〜SW14をオフにするための制御信号を提供することになり、信号スイッチSW7、SW8、SW9、SW10、SW11、SW12、SW13、SW14は、開路状態にある。この構成においては、セルA、B、Cのサブセットは、直列状態にある。この構成においては、電池は、中間定格電圧構成にあると表現される。また、電池は、低容量構成にあると表現されてもよい。当業者には理解されるように、セルのサブセットが直列状態において接続されることから、この構成の電圧は、セルのサブセットのすべてに跨る電圧となり、且つ、事実上、この構成においては、並列状態にあるセルの1つのスーパーセットが存在していることから、電池の容量は、セルのスーパーセット内の単一のセルの容量となろう。この例示的な実施形態においては、各セルが、4V、3Ahセルである場合には、5つのセルの各サブセットは、20V、3Ahサブセットとなり、セルの3つのサブセットを有する電池は、60V、3Ah電池となろう。
図129〜図134は、電池パックを低定格電圧構成から中間定格電圧構成に変換するための一代替実施形態を示している。この実施形態は、エネルギーを電池パックから電気装置(電動工具)に伝達するべく、補助電池端子の組を利用している。エネルギーを電池パックから中間定格電動工具に伝達するべく、(BATT+及びBATT−電池端子に加えて)第1電池端子のサブセットを利用している上述の実施形態と同様に、この実施形態も、補助電池端子の組を利用している。
この実施形態は、先の実施形態において記述されているものと同一の方式によって、電池を低定格電圧構成から中間定格電圧構成に変換する。例えば、電池パックは、第1位置にある際には電池セルの組を並列状態の低定格電圧構成において接続し、且つ、コンバータ要素が電動工具内の変換要素によって第2位置に移動した際には、電池セルの組を直列状態の中間定格電圧構成において接続するコンバータ要素を含む。
図132に示されているように、電池は、補助電池端子の組を含む。この例示的な実施形態においては、補助電池端子は、(図132の向きにおいて)第1電池端子の前面において配置されている。図129に示されているように、電池パックハウジングは、補助電池端子の組に対応した複数のスロットを含む。スロットは、更に詳細に後述するように、工具内の端子が、パックのハウジングに進入し、且つ、補助電池端子と係合することを許容している。図130に示されているように、中間定格電圧工具は、例えば、Tool+、TT5、TT3、Tool−などの第1工具端子の組と、例えば、工具ジャンパ及び工具信号端子など補助工具端子の組と、を含む工具端子ブロックを含むことになる。
図133A及び図133Bに示されているように、且つ、代替実施形態において記述されているように、電池パックが、工具と接続されていない際に、又は、低定格電圧工具(補助工具端子を含んでいない)と結合される際に、コンバータ要素のスイッチング接点SCは、A+、B+、及びC+端子を互いに結合し、且つ、A−、B−、及びC−端子を互いに結合する。これは、電池パックを低定格電圧構成に置く。
図134A及び図134Bに示されているように、且つ、代替実施形態において記述されているように、電池パックが、中間定格電圧工具(補助工具端子を含んでいない)と結合される際に、コンバータ要素のスイッチング接点SCは、A+、B+、及びC+端子を互いに結合解除し、且つ、A−、B−、及びC−端子を互いに結合解除する。そして、コンバータ要素スイッチング接点SC4は、C+端子をB−端子に結合する。これに加えて、補助工具端子/ジャンパは、補助電池端子のうちの2つに結合する。2つの補助電池端子のうちの一方は、B+端子に電気的に結合され、2つの補助電池端子のうちの他方は、A−端子に電気的に結合される。従って、電池は、上述の実施形態と同様に、中間定格電圧構成にあり、電流は、信号端子を通過する必要がなくなる。この実施形態においては、電池パックが中間定格電圧工具から除去された後に、コンバータ要素が中間定格電圧構成において留まることを要する場合には、パックは、低定格電圧工具内において動作することができず、これにより、低定格電圧工具に対する損傷が防止されるであろう。
図135〜図140は、図129〜図134に示されている実施形態に類似した変換可能電池パックの一代替実施形態を示している。この実施形態は、第2補助工具端子/ジャンパを含み、補助電池端子の組は、4つの電池端子(それぞれ、B+、A−、C+、及びB−端子に結合されたBT9、BT10、BT11、BT12)を含む。この実施形態においては、コンバータ要素スイッチング接点がC+端子及びB−端子を結合していない。中間定格電圧工具が電池パックと結合する際に、第1工具ジャンパが補助電池端子BT9、BT10の組の第1サブセットを結合し、第2工具ジャンパが補助電池端子BT11、BT12の組の第2サブセットを結合する。
IV.例示的な電動工具システム
図1Bは、低定格電圧DC電動工具5002の組と、中間定格電圧DC電動工具5003の組と、高定格電圧DC電動工具5004の組と、高又はAC定格電圧AC/DC電動工具5005の組と、低定格電圧電池パック5006の組と、低/中間定格変換可能電池パック5007の組と、高定格電圧AC電源5008と、低定格電圧電池パック充電器5009と、を含む、上述の開示による、電動工具システム5001の特定の一実施形態を示している。
低定格電圧電池パック5006は、20Vの公表電圧、17V〜19Vの動作電圧レンジ、18Vの公称電圧、及び20Vの最大電圧を伴って、17V〜20Vの定格電圧レンジを有する。各低定格電圧電池パックは、電池パック5006が低定格電圧電動工具5002及び低定格電圧電池充電器5009に結合されることを可能にする電動工具インターフェイス又は端子ブロックを含む。一実施形態においては、低定格電圧電池パック5006のうちの少なくともいくつかは、2004年5月18日よりも前に販売されていたものである。例えば、低定格電圧電池パック5006は、メリーランド州タウソンのDEWALT Industrial Tool Co.によって販売されるDEWALT 20V MAX電池パックのうちの特定のものを含みうる。
低/中間定格電圧変換可能電池パック5007は、低定格電圧及びより高い容量を有する第1構成と、中間定格電圧及びより低い容量を有する第2構成と、の間において変換可能である。第1構成においては、20Vの公表電圧、17V〜19Vの動作電圧レンジ、18Vの公称電圧、及び20Vの最大電圧を伴って、低定格電圧は、約17V〜20Vである。変換可能電池パック5007の低定格電圧は、低定格電圧電池パック5006の低定格電圧に対応している。第2構成においては、中間定格電圧は、60Vの公表電圧、51V〜57Vの動作電圧レンジ、54Vの公称電圧、及び60Vの最大電圧を伴って、約51V〜60Vであってもよい。例えば、変換可能電池パック5007は、これらの変換可能電池パック5007の複数の電圧定格を示すべく、20V/60V MAX電池パックとしてラベル付与されてもよい。
変換可能電池パック5007は、2014年5月18日よりも前に、公的に入手可能ではなく又は販売されていなかったであろう。各低/中間定格電圧電池パック5007は、電池パック5007が、低定格電圧構成にある際に、低定格電圧電動工具5002及び低定格電圧電池充電器5009に結合されることを可能にし、且つ、中間定格電圧構成にある際に、中間定格電圧DC電動工具5003、高定格電圧DC電動工具5004、及びAC/DC電動工具5005に結合されることを可能にする電動工具インターフェイス又は端子ブロックを含む。
AC電源5008は、北米及び日本におけるAC商用電源の定格電圧(例えば、100V〜120V)、又は、欧州、南米、アジア、及びアフリカにおけるAC商用電源の定格電圧(例えば、220V〜240V)に対応した、高定格電圧を有する。
低定格電圧DC電動工具5002は、コードレスのみ工具である。低定格電圧DC工具5002は、20Vの公表電圧及び17V〜20Vの動作電圧レンジを伴って、約17V〜約20Vの定格電圧レンジを有する。低定格電圧DC電動工具は、永久磁石DCブラシ付きモーター、ユニバーサルモーター、及び永久磁石ブラシレスDCモータを有する工具を含み、且つ、一定速度及び可変速度工具を含みうる。低定格電圧DC電動工具は、その他のものに加えて、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、及びフラッシュライトなどの相対的に低い電力出力要件を有するコードレス電動工具を含みうる。低定格電圧のDC定格電圧電動工具5002は、2014年5月18日よりも前に販売されていた電動工具を含みうる。低定格電圧電動工具5002の例は、メリーランド州タウソンのDeWALT Industrial Tool Co.によって販売されるコードレス電動工具であるDeWALT(登録商標)20V MAXの組のうちの1つ又は複数を含みうる。
各低定格電圧電動工具5002は、低定格電圧電池パック5006のうちの1つの電動工具インターフェイスに結合するための、又は変換可能低/中間定格電圧電池パック5007のうちの1つの電動工具インターフェイスに結合するための、単一の電池パックインターフェイス又は端子ブロックを有するコンセントを含む。電池パックインターフェイス又はコンセントは、変換可能電池パック5007をその低定格電圧構成に置く又は維持するように構成されている。従って、低定格電圧電動工具5002は、低定格電圧電池パック5006又はそれらの低定格電圧構成にある変換可能低/中間定格電圧電池パック5007を使用して動作しうる。その理由は、電池パック5006、5007の17V〜20V定格電圧が、低定格電圧電動工具5002の17V〜20V定格電圧に対応しているからである。
中間定格電圧DC電動工具5003は、コードレスのみ工具である。中間定格電圧DC電動工具5003は、60Vの公表電圧及び51V〜60Vの動作電圧レンジを伴って、約51V〜60Vの定格電圧レンジを有する。中間定格電圧DC電動工具は、永久磁石DCブラシ付きモーター、ユニバーサルモーター、及び永久磁石ブラシレスDCモーターを有する工具を含み、且つ、一定速度及び可変速度工具を含みうる。中間定格電圧DC電動工具は、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、及びフラッシュライトなどの相対的に高い電力要件を有する低定格電圧DC工具5002と類似したタイプの工具を含みうる。中間定格電圧工具5003は、追加的に、又は代替的に、チェーンソー(図示されている)、系統トリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、及び/又はロータリーハンマなどの低定格電圧DC工具5002よりも高い電力又は容量を必要としているその他のタイプの工具を有しうる。中間定格電圧のDC定格電圧電動工具3は、2014年5月18日よりも前に販売されていた電動工具を含んでいない。
各中間定格電圧DC電動工具5003は、変換可能低/中間定格電圧電池パック5007の電動工具インターフェイスに結合するための単一の電池パックインターフェイス又は端子ブロックを有するコンセントを含む。電池パックインターフェイス又はコンセントは、変換可能電池パック5007を中間定格電圧構成に置く又は維持するように構成されている。従って、中間定格電圧電動工具5003は、中間定格電圧構成にある変換可能低/中間定格電圧電池パック5007を使用して動作しうる。その理由は、電池パック5007の51V〜60V定格電圧が、中間定格電圧電動工具5003の51V〜60V定格電圧に対応しているからである。
高定格電圧DC電動工具4は、コードレスのみ工具である。高定格電圧DC工具5004は、120Vの公表電圧及び100V〜120Vの動作電圧レンジを伴って、約100V〜120Vの定格電圧レンジを有する。高定格電圧DC電動工具は、永久磁石DCブラシ付きモーター、ユニバーサルモーター、及び永久磁石ブラシレスDCモーターを有する工具を含み、且つ、一定速度及び可変速度工具を含みうる。中間定格電圧DC電動工具は、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、フラッシュライト、ストリングトリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、及び/又はロータリーハンマなどの工具を含みうる。高定格DC電動工具は、追加的に、又は代替的に、ロータリーハンマ(図示されている)、マイターソー、チェーンソー、ハンマドリル、研磨機、及びコンプレッサなどのより高い電力又は容量を必要としているその他のタイプの工具を含みうる。高定格電圧のDC定格電圧電動工具4は、2014年5月18日よりも前に販売されていた電動工具を含んでいない。
各高定格電圧DC電動工具5004は、変換可能低/中間定格電圧電池パック5007の電動工具インターフェイスに結合するための端子ブロックをそれぞれが有するコンセントのペアを有する電池パックインターフェイスを含む。電池パックコンセントは、変換可能電池パック5007をそれらの中間定格電圧構成に置く又は維持するように構成されている。また、電動工具5004は、電池パック5007の電圧が加法的となるように、2つの電池パック5007を互いに且つ工具に対して直列状態において接続するためのスイッチング回路(図示されていない)を含む。高定格電圧電動工具5004は、それらの中間定格電圧構成にある変換可能低/中間定格電圧電池パック5007によって電力供給されてもよく、且つ、これらと共に動作してもよい。その理由は、直列状態において接続された2つの電池パック5007が、高定格電圧電動工具5004の100V〜120V定格電圧に対応した102V〜120Vの定格電圧(単一の電池パック7のものの2倍)を協働して有するからである。
高定格電圧AC/DC電動工具5005は、コード付き/コードレス工具であり、これは、これらが、AC電源5008又は変換可能低/中間定格電圧電池パック5007によって電力供給されうることを意味している。高定格電圧AC/DC工具5005は、120Vの公表電圧及び100V〜120V(及び、恐らくは、更に幅広には、90V〜132V)の動作電圧レンジを伴って、約100V〜120V(及び、恐らくは、更に幅広には、90V〜132V)の定格電圧レンジを有する。高定格電圧AC/DC電動工具5005は、ユニバーサルモーター又はブラシレスモーター(例えば、永久磁石ブラシレスDCモーターなど)を有する工具を含み、且つ、一定速度及び可変速度工具を含みうる。高定格電圧AC/DC電動工具5005は、ドリル、丸鋸、ねじ回し、往復鋸、振動工具、インパクトドライバ、フラッシュライト、ストリングトリマ、植木用バリカン、芝刈り機、釘打ち機、及び/又はロータリーハンマなどの工具を含みうる。高定格DC電動工具は、追加的に、又は代替的に、マイターソー(図示されている)、チェーンソー、ハンマドリル、研磨機、及びコンプレッサなどのより高い電力又は容量を必要としているその他のタイプの工具を含みうる。高定格電圧のAC/DC定格電圧電動工具5004は、2014年5月18日よりも前に販売されていた電動工具を含んでいない。
各高定格電圧AC/DC電動工具5005は、電池パックコンセントのペアと、ACコード又はコンセントと、を有する電源インターフェイスを含む。電池パックコンセントは、それぞれ、変換可能低/中間定格電圧電池パックのうちの1つの電動工具インターフェイスに結合するための端子ブロックを有する。電池パックコンセントは、変換可能電池パック5007をそれらの中間定格電圧構成に置く又は保持するように構成されている。ACコード又はコンセントは、AC電源5008から電力を受け取るように構成されている。電動工具5005は、AC電源5008又は変換可能電池パック5007による電力供給の間で選択するように構成された、及び、電池パック5007の電圧が加法的となるように2つの変換可能電池パック5007を互いに且つ工具に対して直列状態において接続するように構成された、スイッチング回路(図示されていない)を含む。高定格電圧AC/DC電動工具5005は、それらの中間定格電圧構成にある2つの変換可能低/中間定格電圧電池パック5007によって電力供給され且つ共に動作してもよく、又は、AC電源5008によって電力供給され且つ共に動作してもよい。その理由は、直列状態において接続された2つの電池パック5007が、102V〜120Vの定格電圧(単一の電池パック5007のものの2倍)を協働して有しており、且つ、AC電源が、高定格電圧AC/DC電動工具5005の100V〜120V定格電圧に対応した100V〜120Vの定格電圧(国に依存する)を有しうるからである。220V〜240Vの定格を有するAC電源を有する国々おいては、AC/DC電動工具は、AC/DC電動工具の定格電圧に対応するように、(例えば、220VAC〜240VACを100VAC〜120VAに変換するための変圧器を使用することによって)AC商用電源電圧から電圧を低減するべく構成されてもよい。
特定の実施形態においては、電動工具5002、5003、5004、及び5005のモーター制御回路は、上述のモーター制御技法(例えば、伝導帯、進み角、サイクルごとの電流制限など)を使用することにより、より低定格電圧の電源の定格電圧に基づいてモーター性能を最適化するように構成されてもよい。
電池パック充電器5009は、20Vの公表電圧、17V〜20Vの動作電圧レンジ、18Vの公称電圧、及び20Vの最大電圧を伴って、17V〜20Vの定格電圧レンジを有する。各低定格電圧電池パック充電器は、電池パック充電器5009が低定格電圧電池パック5006のうちの1つの電動工具インターフェイスに結合することを可能にする、又は、変換可能低/中間定格電圧電池パック5007のうちの1つの電動工具インターフェイスに結合されることを可能にする、電池パックインターフェイス又はコンセントを含む。電池パックインターフェイス又はコンセントは、変換可能電池パック5007を低定格電圧構成に置く又は保持するように構成されている。従って、電池パック充電器5009は、低定格電圧電池パック5006及び(その低定格電圧構成にある)低/中間定格電圧電池パック5007の両方を充電しうる。その理由は、電池パック5006、5007の17V〜20V定格電圧が、低定格電圧充電器5009の17V〜20V定格電圧に対応しているからである。一実施形態においては、低定格電圧電池パック充電器5009のうちの少なくともいくつかは、2014年5月18日よりも前に販売されていたものである。例えば、低定格電圧電池パック充電器5009は、メリーランド州タウソンのDEWALT Industrial Tool Co.によって販売されるDEWALT 20V MAX電池パック充電器のうちの特定のものを含みうる。
低/中間定格電圧(例えば、17V〜20V/51V〜60V)変換可能電池パック5007は、既存の低定格電圧(例えば、17V〜20V)DC電動工具5002及び低定格電圧(例えば、17V〜20V)電池パック充電器5009との間において下位互換性を有しており、且つ、同様に中間定格電圧(例えば、51V〜60V)DC電動工具5003、高定格電圧(例えば、100V〜120V)DC電動工具5004、及び高定格電圧(例えば、100V〜120V)AC/DC電動工具5005に電力供給するべく使用されうることも注目に値する。また、低/中間定格電圧(例えば、17V〜20V/51V〜60V)変換可能電池パック5007のペアは、北米及び日本におけるAC定格電圧(例えば、100V〜120V)にほぼ対応した高定格電圧(例えば、100V〜120V)を生成するべく、直列状態において接続されうることも注目に値する。従って、変換可能電池パック5007は、既存の低定格電圧電動工具から高定格AC/DC電圧電動工具にまで至る範囲の広範な範囲の定格電圧電動工具に電力供給することができる。
V.雑録
本明細書において記述されている技法のいくつかは、例えば、電動工具上において存在している1つ又は複数のプロセッサによって実行される1つ又は複数のコンピュータプログラムによって実施されてもよい。コンピュータプログラムは、一時的ではない有形のコンピュータ可読媒体上において保存されているプロセッサ実行可能命令を含む。また、コンピュータプログラムは、保存されているデータを含みうる。一時的ではない有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ、磁気ストレージ、及び光ストレージである。
上述の説明のうちのいくつかの部分は、情報に対する操作のアルゴリズム及びシンボリック表現の観点において本明細書において記述されている技法を提示している。これらのアルゴリズム的な記述及び表現は、自身の研究の内容をその他の当業者に最も効果的に伝達するべくデータ処理技術の専門家によって使用される手段である。これらの動作は、機能的又は論理的に記述されているが、コンピュータプログラムによって実施されるものと理解されたい。更には、折に触れて、一般性の喪失を伴うことなく、これらの動作の構成を、モジュールと呼称する、又は、機能的名称によって呼称することが、便利であることも証明されている。
上述の説明から明らかとなるように、そうではない旨が具体的に記述されていない限り、説明の全体を通じて、「処理」又は「演算」又は「計算」又は「判定」又は「表示」又はこれらに類似したものなどの用語を利用した説明は、コンピュータシステムメモリ若しくはレジスタ又はその他のこのような情報ストレージ、送信若しくは表示装置内において、物理的な(電子的な)量として表現されたデータを操作及び変形するコンピュータシステム又は類似の電子的演算装置の動作及びプロセスを意味していることを理解されたい。
本開示においては、「制御ユニット」は、処理回路を意味している。処理回路は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、コンピュータプロセッサ、信号プロセッサなどのようなプログラム可能なコントローラ、又は、チップとしてパッケージングされ、且つ、上述のようにデータを操作又は処理するように動作可能である、用途固有の集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field−Programmable Gate Array)などのような特定の使用法のために構成及びカスタマイズされた集積回路であってもよい。「制御ユニット」は、処理回路によって実行、使用、及び保存されるプロセッサ実行可能命令及びデータを保存するための上述のコンピュータ可読媒体を更に含みうる。
記述されている技法の特定の態様は、アルゴリズムの形態において本明細書において記述されているプロセスステップ及び命令を含む。記述されているプロセスステップ及び命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにおいて実施されることが可能であり、且つ、ソフトウェアにおいて実施された際には、リアルタイムネットワークオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上において存在するように、ダウンロードされることが可能であり、且つ、これらから操作されることが可能であることに留意されたい。
実施形態の上述の説明は、例示及び説明を目的として提供されたものである。これは、すべてを網羅すること又は本開示を限定することを意図したものでもない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、具体的に図示又は説明されていない場合にも、適宜、相互交換可能であり、且つ、選択された実施形態において使用することができる。また、これは、多くの方式によって変化しうる。そのようなバリエーションは本開示からの逸脱として見なすべきではなく、且つ、そのような変更が本開示の範囲内に含まれていることが意図されている。
例示的な実施形態は、本開示が完全なものとなり、且つ、その範囲を当業者に対して十分に伝達することになるように、提供されたものである。本開示の実施形態の十分な理解を提供するべく、特定の構成要素、装置、及び方法の例などの多数の特定の詳細事項が記述されている。特定の詳細事項の利用は、必須ではなく、例示的な実施形態は、多くの異なる形態において実施されてもよく、且つ、本開示の範囲を限定するものと解釈してはならないことが当業者には明らかとなろう。いくつかの例示的な実施形態においては、周知のプロセス、周知の装置構造、及び周知の技術については、詳細に説明されていない。
本明細書において使用されている用語は、特定の例示的な実施形態の説明を目的としたものであり、限定を意図したものではない。本明細書において使用されている単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、そうではないことを文脈が明瞭に示していない限り、複数形を同様に含むものと意図されている場合がある。「有する(comprises)」、「有する(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having))」という用語は、包括的なものであり、且つ、従って、記述されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定しており、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。本明細書において記述されている方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序として具体的に識別されていない限り、記述又は図示されている特定の順序におけるその実行を必ず必要としているものと解釈するべきではない。また、更なる又は代替ステップが利用されうることを理解されたい。上述の例示的な実施形態に対して多数の変更が実施されうる。これらの及びその他の実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる。