JP5657332B2 - 電気機器 - Google Patents

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Description

この発明は、屋外で利用する場合に便利なバッテリ式の電気機器に関する。
例えば、一般家庭やオフィス等で用いられるコーヒーメーカー、電気コンロあるいは電気ポット等の電気機器は、通常100VのAC電源(交流電源)を電源とするもので、電源コードをAC電源コンセントに接続して用いることができる。下記の特許文献には、保温等の一部の機能についてバッテリを補助電源として用いる技術が開示されているが、基本的にAC電源を主電源とするものであった。
特表平10−506316号公報 実開昭63−147146号公報
このため、例えば建築作業現場あるいは園芸作業現場等の屋外でAC電源用のコンセントが用意されていない場所では、これらの電気機器を使用することができない。また、従来、屋外用でAC電源を必要としないコーヒーメーカー等の電気機器は提供されていなかった。
本発明は、AC電源が用意されていない主として建築作業現場や園芸作業現場等であっても利用できる電気機器を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の発明によって解決される。
第1の発明は、電動工具の電源として取り付け可能なバッテリを電源とする発熱機能又は冷却機能を備えた電気機器である。
第1の発明によれば、電動工具用のバッテリを電源とするため、屋外等のAC電源が用意されていない場所でも利用することができる。
例えば住宅建築の作業現場では、孔明け用の電気ドリル、ねじ締め用のねじ締め機あるいは丸鋸盤等の切断工具が多く用いられる。また、園芸作業現場では、チェーンソーや生垣バリカン等の園芸工具が用いられる。これらの電動工具には、充電式のバッテリを電源とするものが提供されている。従って、これらの屋外作業現場では電動工具用のバッテリを容易に確保することができ、これを電源として流用することにより従来にない便利な電気機器を提供することができる。
電動工具用のバッテリの電力を発熱又は冷却といった熱変換の電力に利用することにより、屋外で使用可能なバッテリ式のコーヒーメーカーや湯沸し器等の電気機器を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、発熱機能により湯を沸かすことができる湯沸かし器若しくはコーヒーを抽出できるコーヒーメーカーである電気機器である。第2の発明によれば、電動工具用のバッテリを電源として取り付けることにより、その電力で発熱して湯を沸かす電気ケトルやコーヒーメーカーを利用することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、2種類以上の電圧定格に対応したバッテリを使用可能な電気機器である。第3の発明によれば、例えば、14.4Vあるいは18Vのリチウムイオンバッテリの何れをも電源として取り付けることができ、これにより電熱機器の使用範囲を拡げることができる。また、必要な電力に応じて切り換えることにより電力消費を抑えることができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れか一つの発明において、バッテリを複数並列に接続可能で、各バッテリを切り換えて電力供給可能な電気機器である。第4の発明によれば、並列接続した複数のバッテリを手動又は自動で切り換えることにより、バッテリ交換や取り外して充電するといった手間を掛けることなく電気機器を長時間連続使用することができる。
第5の発明は、第1〜第4の何れか一つの発明において、異電圧のバッテリを組み合わせて使用可能な電気機器である。第5の発明によれば、例えば、18Vのリチウムイオンバッテリと14.4Vのリチウムイオンバッテリを直列又は並列に取り付けて電気機器を長時間連続使用することができる。また、例えば同じ電圧のバッテリを用意できない場合に、異なる電圧のバッテリを複数組み合わせることができるので、電気機器の使用可能な条件を緩和して一層利用しやすくすることができる。
第6の発明は、第1〜5の何れか一つの発明において、バッテリの電流及び電圧を検出する回路を有し、規定以上の出力電流及び規定以下の出力電圧を検知した時に電力供給を停止する機能を有する電気機器である。第6の発明によれば、規定以上の電流が出力される過負荷状態、規定電圧以下の過放電状態を的確に検知して、電力供給を停止することにより電気機器の損傷やバッテリの劣化等を未然に回避してその耐久性を高めることができる。
第7の発明は、第1〜6の何れか一つの発明において、規定電圧を超えるバッテリが挿入されている場合には、スイッチング素子により電力を抑制する機能を有する電気機器である。第7の発明によれば、電気機器の損傷等を未然に防止することができるので、当該電気機器の耐久性を高めることができる。
第8の発明は、第1〜7の何れか一つの発明において、水温センサを備えた電気機器である。第8の発明によれば、水温センサにより湯が沸いたことを検知して、電力供給を停止若しくは抑制することにより、無駄な電力消費を抑えることができ、これにより当該電気機器の付加価値を高めることができる。
第9の発明は、第1〜8の何れか一つの発明において、水温が沸点まで到達後に電力供給を抑制して水温を維持する保温機能を有する電気機器である。第9の発明によれば、湯沸かしが完了した後、自動的に保温されるので、使用者が特別の操作をすることなくお湯を長時間適温に保つことができ、これにより当該電気機器の付加価値を高めることができる。
第10の発明は、第1〜9の何れか一つの発明において、バッテリを覆うカバーを有する電気機器である。第10の発明によれば、バッテリの防水機能及び防塵機能を持たせることができるので、当該電気機器を作業現場等の屋外で安心して使用することができる。
第1実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第1実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第1実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部からバッテリが取り外された状態で示されている。 第2実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第2実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第2実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器としてコーヒーメーカーが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部からバッテリが取り外された状態で示されている。 第3実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第3実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第3実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部からバッテリが取り外された状態で示されている。 第4実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第4実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第4実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部からバッテリが取り外された状態で示されている。 第5実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第5実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第5実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部からバッテリが取り外された状態で示されている。 第6実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が閉じられた状態で示されている。 第6実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納蓋が開けられた状態で示されている。 第6実施形態の電気機器の全体斜視図である。本図では、電気機器として電気ケトルが例示されている。また、本図では、バッテリ収納部から二つのバッテリが取り外された状態で示されている。 第1又は第2実施形態に係る電気機器であってコーヒーメーカー用の制御回路を示すブロック図である。 第3〜第6実施形態の何れかに係る電気機器であって電気ケトル用の制御回路を示すブロック図である。 バッテリ式電動工具の全体斜視図である。本図では、電動工具の一例としてバッテリ式の電気カンナが示されている。
次に、本発明の実施形態を図1〜図21に基づいて説明する。図1〜図3は第1実施形態の電気機器10を示している。第1実施形態では、電気機器10としてドリップ式のコーヒーメーカーが例示されている。この電気機器10は、貯水タンク内の水をヒーターで加熱沸騰させて、取っ手付きのデカンタ12の上部にセットしたコーヒー粉に注ぐことによりデカンタ12内にコーヒーをドリップする機器本体部11を備えている。機器本体部11の基本的構成については従来公知のもので、本実施形態において特に変更を要しない。図中符号13は、保温プレート部を示している。この保温プレート部13上にガラス容器製のデカンタ12が乗せられて、ドリップしたコーヒーの保温がなされる。デカンタ12の注ぎ口に円筒形のフィルタケース14がセットされる。フィルタケース14内にフィルタが装着され、フィルタ内にコーヒー粉が適量入れられている。
本実施形態の電気機器10は、電源としてAC電源ではなく、充電式のバッテリB1を電源とし、しかもこのバッテリB1には、電動工具のバッテリとして用いられるものが、そのまま電源として用いられる点に大きな特徴を有している。この点は、以下説明する各実施形態について同様である。
機器本体部11の後部にバッテリ収納部15が設けられている。図2に示すようにこのバッテリ収納部15はバッテリ収納蓋16によって開閉される。バッテリ収納蓋16の閉じ状態は、蓋ストッパ17によってロックされる。このバッテリ収納蓋16を閉じることにより、バッテリ収納部15内及びバッテリB1の防水及び防塵がなされる。
図3に示すようにバッテリ収納蓋16を開ければ、バッテリ収納部15内に取り付けたバッテリB1を取り外すことができる。第1実施形態では、18VのバッテリB1が用いられている。このバッテリB1は、別途用意した充電器により充電して繰り返し使用することができる。バッテリ収納部15の上部にバッテリ取り付け部15aが設けられている。このバッテリ取り付け部15aに対してスライドさせることにより、バッテリB1をバッテリ収納部15内に取り付け、取り外しすることができる。バッテリ取り付け部15aにバッテリB1を取り付けると、機器本体部11に内装した電源回路にこのバッテリB1が電気的に接続される。
上記したようにこのバッテリB1は、電動工具の電源として用いられるものが利用される。図21には、このバッテリB1を取り付けた電動工具1が示されている。図21では、この電動工具1の一例として充電式の電気カンナが示されている。この電動工具1は、工具本体部2の後部にバッテリ取り付け部3を備えている。このバッテリ取り付け部3に対して上側から下方へスライドさせることによりバッテリB1を取り付けることができる。逆に、ロックボタンBcを指先で押し下げ操作して上方へスライドさせれば、このバッテリB1をバッテリ取り付け部3から取り外すことができる。
図示するようにこのバッテリB1は、バッテリケースBa内に複数本のバッテリセルBb〜Bbを内装したバッテリパックと称されるもので、その出力電圧に応じて適数本のバッテリセルBbが内装されている。工具本体部2のバッテリ取り付け部3から取り外したバッテリB1を、そのまま電気機器10の電源として使用することができる。第1実施形態では、この一つのバッテリB1を電源として用いる電気機器10が例示されている。
図4〜図6には、出力電圧が異なる二つのバッテリB1,B2を電源とする第2実施形態の電気機器20が示されている。第2実施形態では、電源として18VのリチウムイオンバッテリB1と14.4VのリチウムイオンバッテリB2が用いられている。前記したように前者の18VバッテリB1は、電気カンナ1のバッテリとして用いられ、後者の14.4VバッテリB2は例えば電気ドリル等の別の電動工具のバッテリとして用いられる。
この電気機器20もコーヒーメーカーで、第1実施形態と同じ構成の機器本体部21とデカンタ22と保温プレート23とフィルタケース24を備えている。機器本体21の後部にバッテリ収納部25が設けられている。このバッテリ収納部25はバッテリ収納蓋26によって開閉される。バッテリ収納蓋26の閉じ状態は、蓋ストッパ27によってロックされる。このバッテリ収納蓋26を閉じることにより、バッテリ収納部25内及びバッテリB1,B2の防水及び防塵がなされる。
図5及び図6に示すようにこのバッテリ収納蓋26を開ければ、二つのバッテリB1,B2を取り付け、取り外しすることができる。バッテリ収納部25は、二つのバッテリB1,B2を収容可能なスペースを有しており、その上部に二つのバッテリ取り付け部25a,25bを備えている。図6において左側のバッテリ取り付け部25aに、18VバッテリB1が取り付けられ、右側のバッテリ取り付け部25bに14.4VバッテリB2が取り付けられる。両バッテリB1,B2は、それぞれロックボタンBcを指先で押し下げ操作して後方へスライドさせることにより取り外すことができる。
図7〜図9には、第3実施形態の電気機器30が示されている。第3実施形態では、電気機器30として、電気ケトルが例示されている。この電気機器30は、ヒーター(電熱器)を内装した円筒形の機器本体部31と、その上部に設けた取っ手32を備えている。機器本体部31の前部に注ぎ口31aが設けられている。この注ぎ口31aからお湯を注ぎ出すことができ、逆にこの注ぎ口31aから機器本体部31に水を流し込むことができる。
機器本体部31の後部に、バッテリ収納部33が設けられている。図8に示すようにこのバッテリ収納部33は、バッテリ収納蓋34で開閉される。バッテリ収納蓋34は、ヒンジ部34aを介して上下に回動させることにより開閉することができる。このバッテリ収納蓋34を閉じることにより、バッテリ収納部33内及びバッテリB1の防水及び防塵がなされる。
図9に示すようにこのバッテリ収納部33に一つのバッテリB1が取り付けられている。第3実施形態では、第1実施形態と同様、このバッテリB1に18Vのリチウムイオンバッテリが用いられており、これは図21に示す電気カンナ1の電源として用いられるものがそのまま流用される。
バッテリ収納部33の底部に、スライド形式のバッテリ取り付け部33aが設けられている。このバッテリ取り付け部33aに対してバッテリB1を上方へスライドさせることにより取り付けることができ、逆にロックボタンBcを指先で押し下げ操作して下方へスライドさせれば取り外すことができる。第3実施形態の電気機器30は、このバッテリB1を電源として機器本体部31でお湯を沸かすことができる。バッテリB1は、バッテリ収納部32から取り外して、別途用意した充電器で充電することにより繰り返し再使用することができる。
図10〜図12には、第4実施形態の電気機器40が示されている。この第4実施形態でも、電気機器40として、電気ケトルが例示されている。この電気機器40は、ヒーターを内装した円筒形の機器本体部41と、その上部に設けられた取っ手42を備えている。機器本体部41の前部に注ぎ口41aが設けられている。機器本体部41の後部に、バッテリ収納部43が設けられている。図11に示すようにこのバッテリ収納部43も、バッテリ収納蓋44で開閉することができる。バッテリ収納蓋44は、ヒンジ部44aを介して上下に回動させることにより開閉することができる。バッテリ収納部43内には、第2実施形態と同じく出力電圧が異なる二つのバッテリB1,B2が取り付けられている。このバッテリ収納蓋44を閉じることにより、バッテリ収納部43内及びバッテリB1,B2の防水及び防塵がなされる。
バッテリB1には18Vのリチウムイオンバッテリが用いられ、バッテリB2には14.4Vのリチウムイオンバッテリが用いられている。何れも、バッテリ収納部43から取り外してそれぞれ電気カンナ1若しくは電気ドリル等他の形態の電動工具の電源として用いられる。バッテリ収納部43の底部には、バッテリB1,B2を取り付けるためのスライド形式のバッテリ取り付け部43a,43bが設けられている。バッテリB1,B2をそれぞれバッテリ取り付け部43a,43bに取り付けると、両バッテリB1,B2が機器本体部41内に内装した電源回路に電気的に接続される。
図13〜図15には、第5実施形態の電気機器50が示されている。第5実施形態でも、この電気機器50として電気ケトルが例示されている。この電気機器50は、ヒーターを内装した円筒形の機器本体部51と、その上部開口部を塞ぐ蓋52を備えている。機器本体部51の前部に注ぎ口51aが設けられ、後部に取っ手51bが設けられている。蓋52を開けて機器本体部51内に水を流し込み、これを沸かして注ぎ口51aから注ぎ出すことができる。
機器本体部51の下部に同じく円柱体形のバッテリ収納部53が設けられている。第5実施形態の場合、バッテリ収納部53は、機器本体部51と同じ太さ(径)で設けられて、機器本体部51との一体感が持たせられている。このバッテリ収納部53は、横開き式のバッテリ収納蓋54で開閉することができる。このバッテリ収納蓋54を閉じることにより、バッテリ収納部53内及びバッテリB1の防水及び防塵がなされる。
図14に示すようにバッテリ収納蓋54は、ヒンジ部54aを介して横方向に回動させて開閉させることができる。バッテリ収納部53内には、18VのリチウムイオンバッテリB1が取り付けられている。このバッテリB1を電源として機器本体部51に内装したヒーターに電力を供給し、これにより機器本体部51内に貯留した水を沸騰させることができる。後述するように沸騰後、保温機能に切り換わって電力消費が抑制される。
図15に示すようにバッテリ収納蓋54を開いて、ロックボタンBcを指先で押し下げ操作しつつバッテリB1を図示手前側にスライドさせれば、このバッテリB1をバッテリ収納部53から取り外すことができる。取り外したバッテリB1は、別途充電器で充電することにより繰り返し再使用することができる。
バッテリ収納部53の上部に、スライド形式のバッテリ取り付け部53aが設けられている。このバッテリ取り付け部53aは、電動工具1のバッテリ取り付け部3と互換性を有する構成を備えている。
バッテリB1とヒーター71との間は、断熱材55で仕切られている。この断熱材55により、高温になるヒーター71及び機器本体部51内に貯留している沸騰したお湯の熱がバッテリB1に伝わりにくくなる。一般的にバッテリは保管温度が高くなれば寿命が短くなるのであるが、この断熱材55により、バッテリB1の温度上昇を防ぎ、バッテリB1の寿命を長くすることができる。
図16〜図18には、第6実施形態の電気機器60が示されている。第5実施形態と同じく、この第6実施形態の電気機器60としても電気ケトルが例示されている。ヒーターを内装した円筒形の機器本体部61の上部に蓋62が開閉可能に設けられている。機器本体部61の前部に注ぎ口61aが設けられ、後部に取っ手61bが設けられている。
機器本体部61の下部に、バッテリ収納部63が設けられている。このバッテリ収納部63は第5実施形態のバッテリ収納部53よりもやや大型で矩形箱形を有している。このバッテリ収納部63によって機器本体部61に設置の安定感が持たせられている。第6実施形態の場合、このバッテリ収納部63内に二つのバッテリB1,B2が取り付けられている。図17に示すようにバッテリ収納部63には、第5実施形態と同様横開き式のバッテリ収納蓋64が設けられている。このバッテリ収納蓋64は、ヒンジ部64aを介して横方向に回動させることにより開閉することができる。このバッテリ収納蓋64を閉じることにより、バッテリ収納部63内及びバッテリB1,B2の防水及び防塵がなされる。
図18に示すようにバッテリ収納蓋64を開放して、それぞれロックボタンBcを指先で押し下げ操作した状態でバッテリB1,B2を図示手前側にスライドさせることにより、このバッテリB1,B2をバッテリ収納部63から取り外すことができる。第2、第4実施形態と同じく、バッテリB1には、18Vのリチウムイオンバッテリが用いられ、バッテリB2には、14.4Vのリチウムイオンバッテリが用いられている。また、これらは、それぞれ電動工具1(電気カンナ)若しくは電気ドリル等他の形態の電動工具の電源として用いられるものがそのまま利用される。バッテリB1,B2は、別途用意した充電器で充電することにより繰り返し再使用することができる。
以上説明した第1〜第6実施形態では、電気機器10,20,30,40,50,60の電源としてAC電源ではなく、充電式のバッテリB1,B2が用いられている。このバッテリB1は、18Vのリチウムイオンバッテリで、充電式の電動工具1(電気カンナ)の電源として用いられるものがそのバッテリ取り付け部3から取り外されてそのまま流用されている。また、バッテリB2は、14.4Vのリチウムイオンバッテリで、これも例えば電気ドリルやねじ締め器等の充電式電動工具の電源として用いられるものがそのまま流用されている。
このため、例示した各実施形態によれば、AC電源を確保しづらい屋外の建築作業現場あるいは公園での園芸作業現場等において、電気カンナや生垣バリカン等の充電式電動工具1を用いる場合に、一時的に電動工具1のバッテリ取り付け部3からバッテリB1(B2)を取り外して、これをバッテリ収納部15,25,33,43,53,63に取り付けることにより、コーヒーメーカーや電気ケトル等の電気機器10,20,30,40,50,60を利用することができる。バッテリB1,B2は、電動工具1の場合と同じく、充電器で充電することにより繰り返し再使用することができる。
次に、以上例示した第1、第2実施形態に係る電気機器10,20の何れにも適用可能なヒーター制御回路70について説明する。このヒーター制御回路70の説明については、第2実施形態の電動機器20(コーヒーメーカー)に適用した場合について説明する。このヒーター71によって、機器本体部21に貯留した水が加熱されるとともに、保温プレート23が温められる。
図19にこのヒーター制御回路70がブロック図で示されている。電動機器20に内装したヒーター71がこの制御回路70によって温度制御等される。この制御回路70には、バッテリ収納部25に取り付けたバッテリB1,B2が電気的に接続されている。
バッテリB1及び/又はB2がバッテリ収納部25に取り付けられると、それぞれF1,F2、ダイオードD1,D2を通じて、定電圧レギュレータ74に電力が供給される。これにより、定電圧レギュレータ74は一定電圧をCPU75に供給し、CPU75は動作可能となる。この場合、定電圧レギュレータ74のCPU75への供給電圧は5Vである。
両バッテリB1,B2の電圧は、それぞれ電圧検出素子72,73によって検知される。検知されたバッテリB1,B2の電圧データは、CPU75に入力される。
CPU75がバッテリB1,B2の装着を検出し、水位センサ79により湯沸かし用の水があることを検知した場合、スイッチSW1又はSW2を閉じる。スイッチSW1,SW2には、一般的に電界効果トランジスタ(Field effect transistor、FET)等の電子的なスイッチを用いても、リレー等の機械的なスイッチを用いても良い。
その後、スイッチSW3を閉じることにより、湯沸用ヒーター71へ給電が可能となる。スイッチSW3には一般的な電界効果トランジスタ等の電子的なスイッチが用いられている。CPU75は電圧検出素子72,73によって検知された電圧データ及び湯沸用ヒーター71の定格電圧から考慮してスイッチSW3をオンオフ制御する。例えば、湯沸用ヒーター71の定格電圧が14.4V、バッテリB1の電圧が18Vの場合、スイッチSW3の開閉の時間比を、
(スイッチSW3の閉時間):(スイッチSW3の開時間)=1:4
とすることで、湯沸用ヒーター71に印加される平均電圧を14.4Vにすることができ、これにより湯沸用ヒーター71の損傷等を防ぎつつ、電力消費を抑えることができる。
また同様に、湯沸用ヒーター71の定格電圧が14.4V、バッテリB1の電圧が14.4Vの場合は、スイッチSW3を常時オンすることにより、湯沸用ヒーター71を損傷等することなく利用できる。湯沸用ヒーター71に通電している時は、表示ランプ76が点灯して加熱中であることが報知される。
この方法により、第1、第2実施形態において使用可能なバッテリ電圧は、物理的な接続が可能であれば使用可能となる。例えば36Vバッテリのように電圧が高いバッテリを用いることにより、湯沸かしの水量を多くすることや保温時間を延ばすことも可能となり、当該電気機器10,20の付加価値を高めることができる。
また同じく、この方法により、図6ではバッテリ取り付け部25aに18Vバッテリ、バッテリ取り付け部25bに14.4Vバッテリを使用しているが、これに限定されることなく、使用者がバッテリの挿入場所を特別に意識することなく利用可能である。
機器本体部21に貯留した水の温度が水温センサ77により検知される。水が沸騰するとこれが水温センサ77で検知され、検知された水温データがCPU75に入力される。沸騰して蒸気となった水はその後冷やされてフィルタケース24内に滴下する。フィルタケース24内に投入したコーヒー粉に水蒸気が滴下することにより、コーヒーがデカンタ22内に抽出される。
水位センサ79で水が検出されなくなるとCPU75は湯沸用ヒーター71への通電を停止する。すなわち、スイッチSW3を開く。また、保温用ヒーター80は湯沸用ヒーター71と同様、スイッチSW4をオンオフさせることにより、保温に適した電力を保温用ヒーター80に供給する。
湯沸用ヒーター71や保温用ヒーター80への通電中に、使用しているバッテリB1が規定電圧以下になった場合は、スイッチSW1を開き、その後スイッチSW2を閉じることにより、湯沸用ヒーター71や保温用ヒーター80への給電を継続することが可能である。これにより、使用者が特別の操作をすることなく、自動的に湯沸かしや保温が長時間継続されるので、当該電気機器10,20の付加価値を高めることができる。
次に第3〜第6実施形態に係る電気機器30,40,50,60の何れにも適用可能なヒーター制御回路90について説明する。図20に、このヒーター制御回路90のブロック図が示されている。このヒーター制御回路90の説明については、第4実施形態の電気機器40(電気ケトル)に適用した場合について説明する。上記例示したコーヒーメーカー用のヒーター制御回路70では、湯沸用ヒーター71と保温用ヒーター80とに分かれていたが、この電気ケトル用のヒーター制御回路90では保温用ヒーター80が省略されて湯沸用ヒーター71のみを備えた構成となっている。その他の構成については図19に示すヒーター制御回路70と同様であるので、同位の符号を用いてその説明を省略する。また、水から湯を沸かす段階までは、前述のヒーター制御回路70と同様であるので、説明を省略する。機器本体部41に貯留した水の温度が水温センサ77により検知される。水が沸騰すると、これが水温センサ77で検知され、検知された水温データがCPU75に入力される。その後、CPU75はスイッチSW3のオンオフ制御のオン時間をさらに短くし、湯沸用ヒータ71への電力供給を保温に適した値まで低下させることにより、沸かしたお湯を保温しつつ、大幅に電力を抑制することができる。これにより、自動的に保温されるので、使用者が特別の操作をすることなく、お湯を長時間適温に保つことができ、当該電気機器30,40,50,60の付加価値を高めることができる。
さらに、各実施形態において、バッテリ収納部15,25,33,43,53,63をそれぞれバッテリ収納蓋16,26,34,44,54,64で閉じることにより、当該バッテリ収納部15,25,33,43,53,63の内部及び取り付けたバッテリB1,B2の防水と防塵がなされることから、当該電気機器10,20,30,40,50,60を各種の屋外作業現場等において降雨からバッテリを保護することができ、また粉塵環境においても安心して使用することができる。
以上説明した実施形態にはさらに変更を加えることができる。例えば、電動工具用のバッテリを電源として用いる電気機器としてコーヒーメーカーと電気ケトルを例示したが、保温機能付きの電気ポット、電気コンロ、電気ヒーター、ベストウォーマー、電気湯たんぽ、電気アンカあるいは携帯カイロ等の各種の電気機器に適用することができる。
また、バッテリB1,B2により供給される電力で熱交換器を作動させることにより、バッテリ式の小型冷蔵庫を提供することができる。AC電源を必要としないバッテリ式の冷蔵庫によれば、屋外の作業現場等において充電式電動工具のバッテリを電源として用いることができるので、作業休憩時等に冷たい飲料を作業者に提供することができる。
また、各実施形態では18VバッテリB1と、14.4VバッテリB2を用いる構成で例示したが、両バッテリB1,B2を相互に左右入れ替えて取り付ける構成、二つの18VバッテリB1,B1を用いる構成、二つの14.4VバッテリB2,B2を用いる構成としてもよい。
さらに、一方のバッテリ取り付け部25a(25b)についてのみ18VバッテリB1(又は14.4VバッテリB2)を取り付けて、他方のバッテリ取り付け部25b(25a)を空にした状態で電気機器を用いる構成としてもよい。
また、電源に利用する電動工具用のバッテリは、14.4Vあるいは18Vのものに限らず、7.2V、10.8Vあるいは36V等のその他の定格電圧のバッテリを用いることもできる。また、リチウムイオンバッテリに限らず、ニッケルカドミウム(Ni−Cd)バッテリ等のその他の形態の電動工具用バッテリを用いることもできる。
さらに、スライド取り付け形式のバッテリを例示したが、差し込み式のバッテリについても同様に適用することができる。
また、電動工具として電気カンナを例示したが、孔明け用の電気ドリル、ねじ締め用の電動ねじ締め機、あるいは卓上丸鋸盤等の切断機等のその他の形態の充電バッテリ式電動工具に用いるバッテリ(バッテリパック)を、各種の電気機器の電源として用いることができ、これによりAC電源のない屋外作業現場等でコーヒーメーカーや電気ケトル等の電気機器を利用することができるとともに、電動工具の予備バッテリを有効に活用することができる。
さらに、電動工具用のバッテリと通常のAC電源の何れも電源として利用できる充交両用としてもよい。
B1…バッテリ(18Vリチウムイオンバッテリ)
B2…バッテリ(14.4Vリチウムイオンバッテリ)
Ba…バッテリケース、Bb…バッテリセル、Bc…ロックボタン
1…充電式電動工具(電気カンナ)
2…工具本体部
3…バッテリ取り付け部
10…電気機器(第1実施形態)
11…機器本体部
12…デカンタ
13…本プレート部
14…フィルタケース
15…バッテリ収納部、15a…バッテリ取り付け部
16…バッテリ収納蓋
17…蓋ストッパ
20…電気機器(第2実施形態)
21…機器本体部
22…デカンタ
23…保温プレート部
24…フィルタケース
25…バッテリ収納部、25a,25b…バッテリ取り付け部
26…バッテリ収納蓋
27…蓋ストッパ
30…電気機器(第3実施形態)
31…機器本体部、31a…注ぎ口
32…取っ手
33…バッテリ収納部
34…バッテリ収納蓋
40…電気機器(第4実施形態)
41…機器本体部
42…取っ手
43…バッテリ収納部、43a,43b…バッテリ取り付け部
44…バッテリ収納蓋、44a…ヒンジ部
50…電気機器(第5実施形態)
51…機器本体部、51a…注ぎ口
52…蓋
53…バッテリ収納部、53a…バッテリ取り付け部
54…バッテリ収納蓋、54a…ヒンジ部
60…電気機器(第6実施形態)
61…機器本体部、61a…注ぎ口、61b…取っ手
62…蓋
63…バッテリ収納部
64…バッテリ収納蓋、64a…ヒンジ部
70…ヒーター制御回路(コーヒーメーカー用)
71…ヒーター
72,73…電圧検出素子
74…定電圧レギュレータ
75…CPU
76…表示ランプ
77…水温センサ
78…電流検出素子
79…水位センサ
80…保温用ヒーター
90…ヒーター制御回路(電気ケトル用)

Claims (9)

  1. 電動工具の電源に用いられるバッテリから供給される電力により湯を沸かすことができる発熱機能と、前記バッテリの電流及び電圧を検出する回路を有し、規定以上の出力電流及び規定以下の出力電圧を検知した時に電力供給を停止する機能を備えた電気機器。
  2. 請求項1記載の電気機器であって、前記発熱機能により湯を沸かすことができる湯沸し器若しくはコーヒーを抽出できるコーヒーメーカーである電気機器。
  3. 請求項1又は2記載の電気機器であって、2種類以上の電圧定格に対応したバッテリを使用可能な電気機器。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電気機器であって、前記バッテリを複数並列に接続可能で、各バッテリを切り換えて電力供給可能な電気機器。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電気機器であって、異電圧のバッテリを組み合わせて使用可能な電気機器。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載した電気機器であって、規定電圧を超えるバッテリが挿入されている場合には、スイッチング素子により電力を抑制する機能を有する電気機器。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載した電気機器であって、水温センサを備えた電気機器。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載した電気機器であって、水温が沸点まで到達後に電力供給を抑制して水温を維持する保温機能を有する電気機器。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載した電気機器であって、前記バッテリを覆うカバーを有する電気機器。
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