JP5794299B2 - レトルト米飯製造システム - Google Patents
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Description
本発明では、原料米として、ジャポニカ米(短粒種、日本型)、インディカ米(長粒種、インド型)、ジャバニカ米(大粒種、ジャワ型)のいずれの種のものも用いることができる。また、原料米として無洗米又は湿式研磨米を使用することが好ましいが、通常の精白米を使用しても良い。これらの原料米には、水分量が通常程度又は通常よりも低い15%未満、好ましくは9〜14%、より好ましくは9〜13%、さらに好ましくは11〜12%の米を用いる。
前記無洗米とは、精白米に15%以下の水分又は除糠用粘着物質を添加した後、精白米の表面の研磨を行い、該表面の微細溝に残存する糠を除去した米をいう。また、湿式研磨米とは、1%以下の水を添加して研米し、精白米に残存する糠の大半を除去した米をいう。無洗米や湿式研磨米を使用すると、洗米により発生する排水の汚水処理施設が必要ない。
図1は本発明のレトルト米飯製造システムの全体フロー図である。本実施例では、前記原料米を用いて、以下のようなフローでレトルト米飯を製造する。ただし、本発明のレトルト米飯製造システムは、図1の全体フローの各構成を必須とするものではなく、一部構成を省略したり、他の構成を追加したり、交換したり、改変したりしたものであってもよい。
(2)計量された4.0kgの原料米を敷き詰めたトレー3を20枚分、加圧スチーマー機構2の加圧加熱釜内に搬入し、所定の圧力・温度に設定された飽和蒸気にて前記原料米を加圧加熱して表層部にアルファー化層を形成し、中心部を多孔状に改質する。
(3)蒸米単粒化機構4により、前記加圧スチーマー機構2の加圧加熱釜から搬出された蒸米の表層水分を除去し、前記加圧加熱釜内で加圧加熱されてブロック状の固まりとなった前記蒸米をほぐして単粒化する。
(4)振動フィーダー5により、前記単粒化された蒸米に振動を与えながら蒸米を少量ずつ次機構のバケットコンベア6のバケット7に供給する。
(6)定量機9において、所定の容積に設定された計量枡で一包装分の蒸米を計量し、該一包装分の蒸米をオワン投入コンベア10のオワン11内へ間欠投入する。
(7)前記定量機9よりオワン11内に投入された蒸米に、自動又は人手により必要な具材を適宜追加し、オワン投入コンベア10により包装機構12まで搬送してパウチ内に投入する。
(8)前記包装機構12において、蒸米が投入されたパウチ内に、必要な調味液などの炊飯液を充填して不活性ガスを封入し、該パウチを封止する。
(10)前記検査機構により不良品と判断されたパウチを、選別機構15により系外に搬出する。
(11)浸漬・吸水機構16の複数段のコンベアで、パウチを反転させながら、該パウチを60〜80℃の温風で加熱し、蒸米を炊飯液へ均一に浸漬して、該蒸米への吸水を促進させる。
(12)レトルト殺菌装置19により、炊飯液を吸収した蒸米の中心部を120℃で4分、もしくはこれと同等の効果をもたらす温度条件で加熱処理を行う。この加熱処理により、吸水状態とされた蒸米は中心部までアルファー化される。このとき、前記アルファー化の深度は前記蒸米の吸水状態により異なる。
以下にレトルト米飯製造システムの各機構の詳細について説明する。
計量機構1は、例えば無洗米処理された1トレー分の重量の白米を払い出すバッチ式計量機である。この計量機は、公知の計量機の株式会社サタケ製GHP15Bを用いたが、もちろん計量機1はこれに限定されるものではない。この計量機GHP15Bは、1回につき0.5〜15kgの計量が可能であるが、本実施例では1トレー分である4.0kgの払い出しを行い、加圧スチーマー用トレー3に配米後、このトレー3を前列に10段、後列に10段重ねて台車で加圧スチーマー機構2の棚に段積みを行う。
なお、本実施例において白米は計量機構1により計量される前に無洗米として処理される。
加圧スチーマー機構2は加圧加熱釜からなり、該加圧加熱釜内において生米を殺菌し、表層部にアルファー化層を形成するとともに、中心部を多孔状とするために、生米を加圧下で蒸気加熱処理する。例えば、前記計量機構1で計量された約4.0kgの1トレー分の無洗米を敷き詰めた20枚のトレー3を、台車21で前記加圧加熱釜へ導入し、0.07〜0.38MPaの圧力、115〜150℃の温度で加圧加熱蒸気処理を行う。
ここでは、加圧スチーマー機構2の加圧加熱釜として、日本バイオコン株式会社製の蒸気循環式調理殺菌装置100−1Bを用いた例を示すが、加圧スチーマー機構2はこの装置に限定されるものではない。無洗米を、圧力0.07〜0.38MPa、温度115〜150℃の加圧加熱蒸気下で、1〜5分間処理することが可能な加圧加熱釜であれば、他機種でも構わない。
前記加圧スチーマー機構の加圧加熱釜内で加圧加熱蒸気処理された結果、結着してブロック状となった蒸米を、蒸米単粒化機構4により単粒化する。
図4は蒸米単粒化機構の正面図、図5は後述する加熱器4Cを省略した同機構の斜視断面図を示す。本機構4の全体サイズは幅990mm、長さ2170mm、高さ1330mm程度である。
前記蒸米単粒化機構4は、上部に水平なコンベア4Aを備えている。このコンベア4Aには、スクリーンベルト、即ち、ステンレス製でチェーン付のネットコンベアベルトを使用している。このネットコンベアベルトは、下部に配置された0.2kW、三相200Vのモータ4Bにより、2〜3m/分で駆動され、蒸米を所定速度で搬送する。なお、前記スクリーンベルトには、蒸米が落下せず、かつ詰まらないサイズの孔が多数形成されており、該スクリーンベルトへの蒸米の付着を防止している。
前記コンベア4Aの下部には、吸引ファン4Dが設置され、コンベア4A下部に備えられたダクト4Eに負圧を発生させることにより、加熱器4Cで加熱した空気を前記エアーフィルター4G及びコンベア4Aを通過させ、ネットコンベアベルト上の蒸米の表層水分を除去する。吸引ファン4Dは0.75kW、三相200Vの駆動モータを用いている。なお、前記ネットコンベアベルトの駆動速度を調整することで、蒸米に対する表層水分の除去を30〜45秒間実施する。
前記コンベア4Aの一端上部には、前記加圧スチーマー機構2により処理された後のブロック状の蒸米を投入するホッパー4Fが設けられている。このホッパー4Fからの蒸米の供給は、安定した連続投入により実施され、先入れ先出し構造となっている。
コンベア4Aの出口側直下には、前記ネットコンベアベルトと同じモータ4Bを駆動源とする回転羽根部材4Hが設けられ、前記ネットコンベアベルトの移送端から落下する表層水分が除去されたブロック状の蒸米が、当該回転羽根部材4Hによりおおまかにほぐされる。また、前記回転羽根部材4Hの下方には、モータ4Iより回転する回転ピン4Jが配置され、前記回転羽根部材4Hによりおおまかにほぐされた蒸米が、当該回転ピン4Jに打ち当たって単粒化される。
前記のようにして単粒化された蒸米は、振動フィーダー5へ供給され、少量ずつバケットコンベア6に向けて移送される。該振動フィーダー5は、振動台5A上にトラフ5Bが取り付けられており、前記トラフ5Bを振動させることで、前記単粒化された蒸米を、前記トラフ5B上を均一な厚みとなって前進させ、バケットコンベア6に向けて移動させる。
前記振動フィーダー5によりバケットコンベア6に向けて移動させられた蒸米は、該バケットコンベア6のバケット7に供給される。このバケットコンベア6は、水平方向から垂直方向、そして再び水平方向へと運搬物を運ぶことが可能なように、水平コンベアと垂直コンベアを組み合わせた構造を持っている。このバケットコンベア6は、バケット7に供給された蒸米を、その原形を損なわずに搬送することが可能であり、搬送物の破砕・磨滅が少ない。
前記バケットコンベア6により搬送された蒸米は、前記バケット7から枡式の定量機(ボリューム充填機)9のホッパーへ投入される。この定量機9のホッパーには容量の上限・下限を検出するセンサーが装備され、上限センサーが蒸米を検出するまで前記バケットコンベア6は蒸米を供給し続け、下限センサーが蒸米がないことを検出すると当該定量機9は警報を鳴らして原料不足を知らせる。当該定量機9のホッパーへ投入された蒸米は、所定容積に設定された計量枡により所定量が計量される。
なお、この実施例では、前記バケットコンベア6と、定量機9と、後述するオワン投入コンベア10とから定量充填機構8を構成しているが、定量充填機構8はこれらの構成要素を必須とするものではなく、少なくとも定量機9を備えていればよい。即ち、前記蒸米単粒化機構4から定量機9に蒸米を充填してオワン投入コンベア10を介してパウチ内に投入する構成でもよいし、定量機9から直接パウチに投入する構成であってもよい。
さらに、前記定量充填機構8の定量機9の上部ホッパーには、加熱器、又は保温構造としての保温機構(図示せず)を備え、蒸米の温度の低下を抑えることができる。図6は定量充填機構8の正面図を示す。
オワン投入コンベア10は、水平・斜め・水平の方向へ運搬物を運ぶことが可能なコンベアであって、オワン型の合成樹脂製容器、即ちオワン11が複数個、所定間隔でコンベアに取り付けられている。該オワン11は、前記斜め方向への移動時でも水平な状態を保たれており、コンベア先端において反転し、中身を垂直方向に落下させる。
本実施例では、定量充填機構8において、定量機9からオワン投入コンベア10のオワン11に所定量(一包装分)の蒸米が投入される。そして、五目ご飯やパエリアなど具材が必要な商品には、このオワン11に一包装分に必要な具材が投入される。
通常の五目ご飯やパエリアなどでは、4〜6種類の具材が合わせられるので、当該オワン投入コンベア10で蒸米を搬送する過程において、前記具材をオワン11中に投入すると効率が良い。
オワン投入コンベア10は、後述する包装機構12の投入許可により、オワン11から蒸米及び具材をパウチ内に投入する。また、オワン投入コンベア10における包装機構12側の水平部はストレッチ可能の構造となっている。
なお、具材の種類が少ない場合は、包装機構12において蒸米が投入された後のパウチに具材を直接投入することも可能である。
包装機構12は、この実施例ではロータリー式包装機が使用される。ここで、図7は、本実施例において使用されるロータリー式包装機の正面図を示す。また、図8は、本実施例において使用されるロータリー式包装機の平面図を示す。
該ロータリー式包装機12は、円盤状ロータ12Aの周囲に2本を1組とする複数組のクランプアーム12Bを備え、各クランプアームの先端に設置したクランプがそれぞれパウチの両側縁を支持し、該パウチを吊下げた状態で1ピッチずつ間歇回転する。そして、蒸米充填セクションAにパウチが停止している間に、蒸米及び具材を前記オワン11から蒸米投入ホッパ12Cへ投入し、当該パウチに充填する。なお、当該包装機構12では、パウチが充分に開口された場合にのみ、前記オワン投入コンベア10へ前記蒸米及び具材の投入許可が出される。
前記包装機構12の下流には、検査機構が配設される。当該検査機構は、X線検査装置13と重量検査装置14を備え、X線検査装置13によりパウチ内における異物の混入を検査し、重量検査装置14によりパウチの重量を検査する。さらに、重量検査装置14の下流に選別機構15が配設されており、前記X線検査装置13及び重量検査装置14で不良品と判断されたパウチを系外に搬出する。
前記検査・選別機構にて良品と判断されたパウチは、浸漬・吸水機構16へと搬送される。この浸漬工程前には、連続的又は間欠的に常圧マイクロ波を照射する装置を配設することも可能である。
図9は、本実施例において使用する浸漬・吸水機構16の正面図を示す。
該浸漬・吸水機構16は、4段構造のベルトコンベア16A1〜16A4から構成され、1段目のコンベア16A1から2段目のコンベア16A2へ、2段目のコンベア16A2から3段目のコンベア16A3へ、3段目のコンベア16A3から4段目のコンベア16A4へとパウチが落下する度に、該パウチを反転させることで、蒸米及び具材の全体を均一に炊飯液若しくは調味液に浸漬・吸水させる。
また、当該浸漬・吸水機構において、パウチを60〜80℃の温風で加温することで、前記蒸米及び具材への炊飯液若しくは調味液の浸漬・吸水を促進させる。
なお、この4段構造のベルトコンベアの各々の端部には、ガイドカバー16Bが設けられ、パウチは、上段から下段のベルトコンベアに乗り移る際にガイドカバー16Bに案内されながら下降することで、落下による衝撃が緩和され、確実な反転が行われる。
そして、浸漬・吸水の完了したパウチは、登りコンベア17により搬送されて回転テーブル18に一時的にプールされる。さらに、パウチはパレット3上に並べられ、台車21によりレトルト殺菌装置19に搬入される。
レトルト加熱条件である食品中心部の温度を120℃で4分間相当の加熱処理を行うか、これと同等以上の効果をもたらす条件、例えば115℃で35分間処理して調理する。なお、一般的に、レトルト殺菌装置19では、昇温、殺菌、冷却の工程で約50分〜60分の時間が必要である。本実施例のレトルト殺菌装置では、1バッチ1,800袋以上収納可能な容積の釜が使用される。
前記各機構及び装置は、何れかの機構又は装置の速度を基準にして制御機構(図示せず)により動作を制御する必要があるが、本実施例では、包装機構12の蒸米充填速度を基準として制御する。包装機構12は他の機構又は装置と比較して時間を要するので、この蒸米充填速度を基準にすることにより、全体のバランスを取ることができる。
以上のような本発明の実施の形態におけるレトルト米飯製造システムによれば、水分量が通常程度又は通常より低い15%未満、好ましくは水分量9%以上13%以下の生米を用い、加圧スチーマー機構2において、加圧加熱蒸気処理における圧力、温度及び処理時間の各種条件を適宜設定することで、蒸米の表層部に形成されるアルファー化層の厚みや米粒中心部に現れる多孔状態を調整することができる。
そして、包装機構12,22において、前記加圧加熱蒸気処理された蒸米や具材とともに容器に充填される液状物の量を調整し、浸漬・吸水機構16において、前記蒸米の浸漬・吸水時間を調整することで、粘り気の少ない食感の米飯と粘りのある米飯とを炊き分けることができる。
まず、前記加圧スチーマー機構2において、米粒の表面にアルファー化層を0.3mm程度に薄く形成すると共に、中心部に少量の多孔状態を呈するように加圧加熱蒸気処理する。
次に、包装機構12、22において、前記加圧加熱蒸気処理した蒸米や具材とともに容器に水などの液状物を少量充填し、不活性性ガスを充填した後にシールすることで、該容器の包装体に十分なヘッドスペース(例えば、60%)を確保する。
そして、浸漬・吸水機構16において、浸漬・吸水における時間を短く設定することで(例えば、25分、5回の反転)、粘り気の少ない食感の米飯を短時間で効率よく製造することができる。
他方、加圧スチーマー機構2において、米粒の表面にアルファー化層を0.8mm程度に厚く形成すると共に、中心部に多く多孔状態を呈するように加圧加熱蒸気処理する。
次に、包装機構12、22において、前記蒸米や具材とともに容器に充填する液状物の割合を前記粘り気の少ない食感の米飯の製造時に比べ増加させる。この場合も、上記と同様に、包装体に十分なヘッドスペース(例えば、60%)を確保する。
そして、浸漬・吸水機構16において、浸漬・吸水における時間を前記粘り気の少ない食感の米飯の製造時に比べ若干長く設定することで(例えば、35分、5回の反転)、粘りのある米飯を効率よく製造できる。
液状物充填量設定手段は、前記実施例1のロータリー式包装機12では、蒸米充填セクションAの後に炊飯液などの液状物を充填する液充填ノズル12Dを配置し、液状物の流量を計測しつつ液充填を行う。所望の米飯を炊き上げるために、例えば、粘り気の少ない食感のパエリア風のレトルト米飯では、液状物は少なめに、お粥などは多めに設定し、それぞれの米飯の種類に応じてあらかじめデータに基づいて設定できるようにしておく。
また、気体充填量設定手段は、包装体のヘッドスペースを十分に確保するために、液充填セクションBの後に、ガス充填ノズル12Eを配置し、窒素ガス等の不活性ガスを容器内に充填する。このガス充填ノズル12Eから充填される不活性ガスの量も流量計等で計測しつつ容器内に充填できるようにする。
また、浸漬・吸水機構16においては、60〜80℃の温風で加温しながら全体を均一に、蒸米の炊飯液若しくは調味液の浸漬・吸水を促進させることから、この温風の温度も、前記テンパリング時間と併せて調節してもよい。
特に、本発明のレトルト米飯製造システムによれば、従来、主に粘り気の少ない食感の米飯の製造に使用されていた水分量が低い長粒種を原料米とする場合であっても、従来の長粒種の場合に比して粘りのある米飯を製造することができる。
実施例2におけるレトルト米飯製造システムにおいて、定量充填機構以外の構成は、前記実施例1と同一であるので、ここでの説明は省略する。
なお、トレー包装機22のコンベア22Aは4列としたが、コンベア22Aの本数は4列に限定されるものではないことは言うまでもない。
2 加圧スチーマー機構
3 トレー
4 蒸米単粒化機構
5 振動フィーダー
6 バケットコンベア
7 バケット
8 定量充填機構
9 定量機
10 オワン投入コンベア
11 オワン
12 包装機構(ロータリー式包装機)
13 X線検査装置
14 重量検査装置
15 選別機構
16 浸漬・吸水機構
17 登りコンベア
18 回転テーブル
19 レトルト殺菌装置
20 除水機
21 台車
22 包装機構(トレー包装機)
23 組合せ計量機
24 トレー容器
25 ピンホール検査装置
Claims (8)
- 生米の表層部にアルファー化層を形成するとともに、中心部を多孔状とするために、該生米を加圧下で蒸気加熱処理する加圧スチーマー機構と、
前記加圧スチーマー機構により処理された蒸米をコンベアで搬送しつつ、表層水分を除去して単粒化する蒸米単粒化機構と、
前記蒸米単粒化機構により単粒化された一包装分の蒸米を計量して容器に充填する定量充填機構と、
前記定量充填機構により容器に蒸米を充填するとともに該蒸米が充填された容器に、さらに、少なくとも、浸漬・吸水に必要な量の炊飯液などの液状物と、ヘッドスペースを確保するための気体とを充填して封止する包装機構と、
前記包装機構により封止された容器の包装体を、所定回数反転させつつ蒸米に液状物を吸収させる浸漬・吸水機構と、
前記浸漬・吸水機構で液状物を吸水した蒸米を中心部まで加熱処理するレトルト殺菌装置と、
前記加圧スチーマー機構において、生米に対する蒸気の圧力及び温度、並びに処理時間の各種条件を設定する加圧スチーマー設定手段と、
前記包装機構において、蒸米が充填された容器に対する、炊飯液などの液状物の充填量を設定する液状物充填量設定手段と、
前記包装機構において、封止後における包装体のヘッドスペースを確保するために、前記容器に対する気体の充填量を設定する気体充填量設定手段と、
前記浸漬・吸水機構において、少なくとも、ヘッドスペースを確保した前記包装体を所定回数反転させつつ蒸米に炊飯液を吸収させるテンパリング時間を設定するテンパリング設定手段と、を備え、
前記加圧スチーマー機構によって達成されるアルファー化層の厚みの大小と米粒中心部に現れる多孔状態の大小、包装機構において容器に充填される液状物の量の多少、及び、浸漬・吸水機構によって達成されるテンパリング時間の長短を組み合わせてそれぞれを調整することにより、粘り気の少ない食感の米飯と粘りのある米飯とを炊き分けること、
を特徴としたレトルト米飯製造システム。 - 少なくとも定量充填機構の定量機の上部ホッパーには、加熱機を備えるか、又は前記加圧スチーマー機構により処理された蒸米を冷却することなく計量充填する保温機構を備えた請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記包装機構は、少なくとも、容器に蒸米を充填するセクションと、炊飯液を充填するセクションと、ヘッドスペースを確保するために窒素ガス等の不活性ガスを充填するセクションとを備えたロータリー式包装機又は水平式包装機のいずれかである請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記浸漬・吸水機構は、上段から下段に前記包装体を搬送しながら反転して蒸米に液状物を吸水させる上下複数段のコンベア機構とし、該コンベア機構上の包装体を加熱又は保温する機構を備えた請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記容器はパウチであって、前記定量充填機構は、前記単粒化された蒸米を搬送するバケットコンベアと、該バケットコンベアにより搬送された蒸米を一袋分だけ計量する定量機と、該定量機で計量された蒸米を前記パウチに充填するオワン式投入コンベアとから構成された請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記蒸米単粒化機構、前記定量充填機構、及び前記浸漬・吸水機構の各作動速度は、前記包装機構の蒸米充填速度を基準として制御される請求項3に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記容器はトレー容器であって、前記定量充填機構は、前記単粒化された蒸米を搬送するバケットコンベアと、該バケットコンベアにより搬送された蒸米を一トレー容器分だけ計量し前記トレー容器に充填する定量機と、から構成され、前記包装機構としてトレー包装機を用いた請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
- 前記加圧スチーマー設定手段、液状物充填量設定手段、気体充填量設定手段、テンパリング設定手段は、これらが制御装置により統括制御される、請求項1に記載のレトルト米飯製造システム。
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