JP2004229580A - 穀類成形食品 - Google Patents

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JP2004229580A JP2003023247A JP2003023247A JP2004229580A JP 2004229580 A JP2004229580 A JP 2004229580A JP 2003023247 A JP2003023247 A JP 2003023247A JP 2003023247 A JP2003023247 A JP 2003023247A JP 2004229580 A JP2004229580 A JP 2004229580A
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Kazunori Sonobe
一憲 園部
Ryoichi Hayamizu
良一 速水
Yasuhiro Kitagawa
泰弘 北川
Koichi Taoka
幸一 田岡
Kyoko Ueda
恭子 上田
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Abstract

【課題】見た目から様々な食べ方がイメージでき、消費者が手にして口に運ぶまでの間の食べ方を自由な発想の下で様々に楽しむことのできる。
【解決手段】レトルト米飯シート1は、縦(L1)×横(L2)×高さ(H)が約90mm×約90mm×約7mm(米粒を横にして3層に重ねた厚さに相当)の寸法を有し、5〜30容量%、好ましくは7〜26容量%、最も好ましくは、14〜20容量%の空隙率を有する。この米飯シート1の重量は約40〜65gであり、これは約1/3膳の米飯に相当する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、米飯、玄米、玄米入りご飯、雑穀、具入り穀類、味付け穀類などをシート状に成形した穀類成形食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から米飯の様々な食べ方が提案されている。伝統的な食べ方は、お握り、お寿司であり、これらは炊きあげた米飯を手で適度に握り固める又は成形型で成形することにより作られる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−285351号公報
【0004】
この従来公報は、クレープの生地や手巻き寿司の海苔のように具を包んで食べる米飯シートを提案している。具体的には、この米飯シートは、飯粒相互間に接着力があるうちに、飯粒が2層以下となるように薄く展延して、海苔のようにして用いる場合は、150mm×250mm程度の矩形のシート状に成形し、また、ピザ台のようにして用いる場合は、直径200mm以下の円盤状のシートに成形し、そして、この米飯シートを柔軟性を失わず且つ表面に粘着力がなくなる程度に加熱処理することにより作られる。
【0005】
【特許文献2】
特開平9−28320号公報
【0006】
この従来公報は、ハンバーガーのバンズの代わりに米飯を厚さ約1cm、直径約8cmの円板状に押し固めて作った米飯成形食品を提案している。この米飯成形食品は、具体的には、アルカリ性のコンニャク糊を加熱、冷却して調整したコンニャクゼリーを添加して炊飯した米飯を成形することにより作られる。
【0007】
【特許文献3】
特開平1−174349号公報
【0008】
この従来公報は、海苔巻き寿司やサンドイッチのようにして食べることのできるライスシートを提案している。具体的には、このライスシートは、炊飯した米飯の中に白肉魚類の練り状すり身を均一に混入して、これを所定形状に成形した後に焼成することにより作られる。
【0009】
この従来公報は、ライスシートの食べ方として、お握りのようにして食べる、具の回りにライスシートを巻き、その上に海苔を巻いて海苔巻き寿司のようにして食べる、2枚のライスシートでハムサラダや野菜などの具材を挟んでサンドイッチにように食べることを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近時、日本人は米離れの傾向にあると言われているが、その一方で、コンビニエンスストアでは、お握りが人気商品の一つであり、また、具入りご飯、味付けご飯、玄米入りご飯、発芽玄米などもお握りとして販売されている。また、健康食ブームのなかで雑穀も人気を集めている。
【0011】
このように日本人は穀類を大切な食べ物の一つとしているが、これら穀類は、炊きあげた穀類をお茶碗に盛って食べるのが代表的な食べ方であり、口に入れたときのふっくら感、穀類を咀嚼するときにその粒々感や穀類そのものの味を味わうことを楽しみの一つとしている者も多い。
【0012】
上述した特許文献2は、ハンバーガーのバンズの代用品として、ご飯をコンニャク糊で固めて成形して約1cm厚の円板形状に成形することを提案し、また、特許文献3は、ご飯を練り状すり身で固めてシート状に成形することを提案している。しかし、これらの成形食品は、このコンニャク糊や練り状すり身をご飯の中に入れて食べることは、日本人には余り馴染のない食べ方である。
【0013】
米飯を例に最も代表的な食べ方は、上述したようにお茶碗に盛って、これを箸で食べる食べ方であるが、他の食べ方としては、お握り、お寿司がある。これらは、例えばアウトドアで手軽に食事を楽しむことができる食べ方であるが、このようなお握りやお寿司などにあっても、口に入れたときのふっくら感や咀嚼するときの粒々感などを大切にしており、このことからお握りなどを作るときの握り加減が難しい。
【0014】
お握りやお寿司などは、永年、日本人が慣れ親しんできた食べ方であり、その形状にも馴染み深く、形状を見ただけで、お握りであるか、お寿司であるかを見分けるだけでなく、食べ方はこれまでの慣習によって一義的に決めてしまう傾向にある。すなわち、食べる場所や好みによって、お握りにするか、それともお寿司にするかを決めるにしても、その食べ方は、これをそのまま手で掴んで頬張るのが一般的である。
【0015】
特許文献1は、炊きあげた米飯を2層以下の厚みに薄く広げてシート状に成形し、その表面を加熱して粘着力が無いようにすることを提案しているが、このシート状成形米飯は、この特許文献の中でも言及しているように、クレープ又は海苔の代わりに使用することを目的としている。
【0016】
お握りやお寿司又は特許文献1のシート状成形米飯は、形状を見たときに、消費者の脳裏にその食べ方が一義的に思い浮かぶ。
【0017】
このように、お握り、お寿司などの成形米飯では口にするまでの食べ方が経験的に一義的に決まっていたと言えるが、本発明の目的は、見た目から様々な食べ方がイメージでき、消費者が手にして口に運ぶまでの間の食べ方を自由な発想の下で様々に楽しむことのできる穀類成形食品を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、お握り、お寿司などのように穀類の粒々感などを楽しむことができるだけでなく、手にして口に運ぶまでの間の食べ方に多様性を与えることのできる穀類成形食品を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
炊飯された穀類がシート状に成形された穀類成形食品であって、
投影面積が49〜144cm、厚さが5〜15mm、重量が18〜180gである穀類成形食品を提供することにより達成される。
【0020】
すなわち、本発明にあっては、これまで穀類成形食品には無い、穀類を片手で持てる程度の大きさの適度な厚みのシート状の形状に成形したことを特徴とする。このシート状の成形食品は、平面視したときに、手のひらに載る程度の矩形(典型的には略四角形や略長方形)や円形、長円などの形状に成形することができ、その厚みは、このシート状成形食品を見たときに、見た目で、そのままの形状で口に運んでもよいし、具材を挟むようにして折り曲げることができる印象を与えることのできる厚みを有する。
【0021】
本発明の穀類成形食品は、お握りやお寿司などのようにこれまで目に馴染んだ形状では無く、且つ、適度な厚みを有し、片手の手のひらに載せることができる程度の大きさのシート形状を有することから、消費者がこれを見たときの印象で、様々な食べ方を試みることになろう。
【0022】
その面積に対する適度な厚みを見て、具材を挟み込むように折り曲げて食べる人も居るであろう。また、お握りに比べて大きな面積を見て、比較的大量の具材を載せて食べる人も居るであろう。また、サンドイッチのように、2枚のシート状穀類成形食品で具材を挟んで食べる人も居るであろう。また、具材を上に載せた状態でシート状穀類成形食品を焼いて食べる人も居るであろう。また、一方の手でシート状穀類成形食品を持ちながら、これを他方の手でちぎって口にする人も居るであろうし、ちぎり取った片をスープやソースにディップして食べる人も居るであろう。
【0023】
また、焼きお握りのように表面を焼いて食べる人も居るであろう。また、油で揚げて食べる人も居るかも知れない。また、シート状穀類成形食品で具材を包み込んで食べる人も居るであろう。更に、子供に食べさせるために、動物や花などの形状に型抜きして、その上に他の食材を盛りつける人も居るであろう。
【0024】
また、このシート状穀類成形食品は、上記の大きさ及び重さは、約1膳よりも少ない量の重さにしている場合には、お茶碗の中に入れて、箸でシート状穀類成形食品をバラバラにして食べる人も居るだろうし、また、この中にお茶を入れてお茶漬けにして食べる人も居るかもしれない。
【0025】
このような様々な食べ方は、本発明の特徴、つまり▲1▼片手に載る程度の大きさ、▲2▼シート形状、▲3▼面積に対する適度な厚み(折り曲げ可能な印象を与える厚み)、▲4▼穀類の重量の4つの構成要素の組み合わせによる効果であり、この本発明の構成要素の相互の関連により、消費者は、本発明の穀類成形食品を手にしてから口に運ぶまでの間の食べ方を自由な発想の下で様々に楽しむことが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のシート状穀類成形食品は、炊飯された穀類がシート状に成形された穀類成形食品であって、投影面積が49〜144cm、厚さが5〜15mm、重量が18〜180gであるが、投影面積の下限は、好ましくは56cmであり、更に好ましくは70cmである。一方、投影面積の上限は、好ましくは121cmであり、更に好ましくは100cmである。
【0027】
厚さの下限は、好ましくは7mmであり、上限は、好ましくは12mm、更に好ましくは10mmである。ここに、厚さ15mmは、米飯を例にすれば米粒を横にした状態で上下に6粒積み重ねたときの厚さ(6層の米粒の厚さ)に相当する。厚さ12mmは、同様に、米飯を例にすれば米粒を横にした状態で上下に5粒積み重ねたときの厚さ(5層の米粒の厚さ)に相当する。厚さ10mmは、米粒を横にした状態で上下に4粒積み重ねたときの厚さ(4層の米粒の厚さ)に相当する。厚さ7mmは、米粒を横にした状態で上下に3粒積み重ねたときの厚さ(3層の米粒の厚さ)に相当する。
【0028】
重量の下限は、20gであり、好ましくは30gである。一方、重量の上限は、90gであり、好ましくは70gである。
【0029】
上述した数値の限定において、例えば投影面積が約49cmであれば、重量も下限値又はその近傍の値であるのがよく、厚みも下限値又はその近傍であるのがよい。
【0030】
上述した数値範囲よりも投影面積が小さく、且つ大きな厚みを有する穀類成形食品であれば、見た目で塊に見えるため、従来のお握りや寿司のシャリとしての食べ方が自然と脳裏に浮かび、これを曲げて食べようという気にならず、これまでの慣習に従って食べることであろう。つまり、本発明のように、これを適当な大きさにちぎって食べるとか、具を包むようにして食べるなどの食べ方をそもそも想起しないであろう。
【0031】
同様に、上述した数値範囲よりも投影面積が大きく且つ厚みが薄ければ、見た目で海苔やクレープ生地のように見え、片手で持つには大きすぎるので、これまでの慣習にしたがって、具に巻き付けて食べるであろう。
【0032】
同様に、上述した数値範囲よりも投影面積が小さければ一口サイズとなってしまい、これの厚みが薄ければ、この上に僅かな具を載せて食べる程度の食べ方しか想起しないであろう。
【0033】
同様に、上述した数値範囲よりも投影面積が大きく且つ厚みが厚ければ、その大きさや厚みから、市販の容器入り米飯や袋入りレトルト米飯などのイメージが脳裏でオーバーラップしてしまうため、通常のご飯の食べ方、つまりお茶碗に移し替えて食べる食べ方を選択することであろう。
【0034】
上述したように、本発明に従うシート状穀類成形食品は、投影面積と厚さに対して重量が大きすぎる場合には、穀粒間が過度に密な状態となり、例えば折り曲げ難くなる、重いといったことにより食べ方が制限され、反対に重量が小さすぎる場合には、穀粒間が疎になりすぎて、形が崩れ易くなることから、その食べ方が制限される。
【0035】
このように、本発明の穀類成形食品は、片手に載る程度の大きさ、シート形状、面積に対する適度な厚み、穀類の重量(穀粒間の適度な隙間)という4つの構成要素が相互に関連し且つこれら要素の組み合わせによって、これを見た者が自由な発想の下で様々な食べ方を楽しむことができるのである。これら4つの要素の組み合わせで好ましい実施の形態としては、投影面積49cm、厚さ5mm、重量18g〜投影面積144cm、厚さ15mm、重量180gであり、より好ましくは、投影面積56cm、厚さ5mm、重量20g〜投影面積121cm、厚さ12mm、重量90gであり、最も好ましくは、投影面積70cm、厚さ7mm、重量30g〜投影面積100cm、厚さ10mm、重量70gである。
【0036】
本発明の穀類成形食品の原材料を例示すれば以下のとおりである。
▲1▼米100%(餅米や割れ米を混入したものも含む)
▲2▼発芽玄米100%(割れ米を混入したものも含む)
▲3▼発芽玄米と米とを混合(例えば発芽玄米が20〜50重量%、残部が米)
【0037】
▲4▼雑穀(例えば、玄米、麦、豆、粟、稗、キビ、蕎麦などを単独又は任意に混合)
▲5▼ごま、キヌア、アマランサス、コーンなどの種実と雑穀とを混合
▲6▼雑穀と米とを混合(例えば、第1例として黒豆5重量%、はと麦20重量%、コーン10重量%、残部が米など;第2例として蕎麦5重量%、黒米10重量%、黒ごま10重量%、キヌア5重量%、粟10重量%、稗5重量%、残部が白米など)
【0038】
▲7▼玄米100%
▲8▼玄米と米とを混合
▲9▼具入りや味付け穀類(例えば炊き込みご飯、おこわ、焼き飯、そばめし、ピラフ、チャーハンなど)
【0039】
また、本発明の穀類成形食品を消費者に提供する流通形態としては、代表的には、
▲1▼温かい状態に保持しておいて、購入する消費者に温かい状態で手渡すホットベンダーで販売する;
▲2▼レトルト処理などの加熱殺菌処理を施して常温で販売する;
▲3▼例えば無菌米飯やパック米飯のように無菌包装を行って常温で販売する;
▲4▼冷凍や冷蔵した状態で販売する;
を挙げることができる。
【0040】
上記の▲2▼又は▲3▼のように常温で流通可能なものは、屋外への携行も容易であり、更に多様な食べ方を想起し得るものである。
【0041】
本発明の穀類成形食品の保形性、つまり手で持ったときや口に運ぶまでの間にボロボロと穀粒が離れ落ちないようにするには、隣接する穀粒同士に適度な結着力が作用する程度の密度となるように成形すればよい。つまり、本発明の穀類成形食品が適度な空隙率を備えるように成形すればよい。結着力を具備しないパラパラした穀類を多く含む場合のように密度や空隙率の調整で所望の結着力を得ることができない場合には、アミロペクチンを多く含む穀類(代表例としては餅米、キビ、粟)を混入又はその混入量を増量して結着力を調整すればよい。
【0042】
ここに、空隙率とは、穀類成形食品を構成する穀粒間に形成される空隙が、穀類成形食品の体積に占める割合をいう。例えば米飯で構成された成形米飯シートであれば、米粒間に形成された空隙がこの成形米飯シートの体積に占める割合が空隙率である。空隙率の測定方法は次の通りである。
【0043】
まず、穀類成形食品と同じ大きさの収納部を有する容器に穀類成形食品を入れる。次いで、常温で液状の油脂を容器内に充填する。油脂で容器が一杯になった時点で、充填した油脂の重量を計測する。次いで、使用した油脂の比重を考慮に入れて、油脂の重量か油脂の体積を計算する。その後、この油脂の体積が穀類成形食品の体積に占める割合を計算により求め、これにより、穀類成形食品の空隙率を求めることができる。
【0044】
すなわち、本発明の穀類成形食品の保形性(結着性)の調整は、穀類とは異種の食品であるコンニャク糊(特許文献2)や練り状すり身(特許文献3)によることなく、穀類成形食品を構成する主なる穀類とは別の穀類又は種実によって行うのがよい。
【0045】
また、結着性の調整としては、アミロースとアミロペクチンの比率を調整することにより、また、穀粒の表面の澱粉以外の層を調整することにより行うことができる。
【0046】
例えば、アミロースの比率が多くなれば、粘着力が低くなって、容器や手にベタつき難く、パラパラした状態(パラパラした食感)となり、逆に、アミロペクチンの比率が多くなれば、粘着力が高くなって穀粒が離れ落ちたり、シート形状が崩れ難く、粘りのある状態(粘りのある食感)になる。
【0047】
高アミロース原料(低アミロペクチン原料)の代表例は、非コシヒカリ系のうるち米や麦であり、高アミロペクチン原料(低アミロース原料)の代表例は、餅米やキビ、粟であり、その中間の原料の代表例が稗である。
【0048】
したがって、本発明の穀類成形食品を作るときに、原料の特性を考慮に入れて、例えば、米であれば、各種の米の特性を考慮に入れて、適度な保形性を具備し且つべた付き感の無い穀類成形食品となるように、米の種類(必要であれば餅米を混ぜる)の選定や混合比率を調整すればよい。
【0049】
また、穀粒の表面の澱粉以外の層を調整することにより結着力の調整を行うのであれば、穀粒の表皮の一部に割れを作り、これにより溶出澱粉の量を増加させることができる。穀粒の表皮の部分的な割れは、原料の穀類を乾燥させてひび割れさせる、原料の穀類に圧力を加えることによって作ることができる。
【0050】
また、タンパク質の層を薄くすることで結着力を高めることができる。例えば、非コシヒカリ系の品種の米はタンパク質層の厚みが大きいため、比較的結着力が小さいことから、本発明に従うシート状穀類成形食品が比較的結着力が大きすぎるときには、非コシヒカリ系の品種の米を混ぜることで、結着力を低下させることができる。
【0051】
また、逆に、本発明に従うシート状穀類成形食品の結着力が不足するようであれば、タンパク質層の厚みを小さくするために穀類の搗精度を高くしたり、酒米や割れ米を混入して結着力を高める、タピオカやコーングリッツを混入して結着力を高めるようにしてもよい。
【0052】
割れ米とは、精米工程時に意図せずにひび割れ、傷が生じたり、欠損して断面が露出した米粒、或いは意図的にひび、割れ、欠損、傷を付けた米粒を言い、ひび、欠損などから米粒内の澱粉が溶出し易いという性質を有する。このような割れ米としては、例えば胴割れ米、破砕米などを例示することができる。
【0053】
結着力は、これを換言すれば、本発明のシート状穀類成形食品を手で掴んだときのべた付き度合いに関係することから、べた付かない穀類成形食品を作るのであれば、上述した溶出澱粉量が少なくなるように及び/又は結着力が小さくなるように調整すればよい。
【0054】
【実施例】
図1は、レトルト食品に本発明の適用した白米からなる米飯シートを示す。この米飯シート1は、成形プラスチックからなるレトルト容器2に収容されており、米飯シート2を食べるときには、例えばレトルト容器2の蓋部材の一部を開封した後に電子レンジに入れて加温した後に、レトルト容器2から米飯シート1を取り出す。レトルト容器2として、米飯シート1の外形寸法と実質的に等しい内形寸法を有するものを用いることで、容器2内に収容された米飯シート1が容器内で動いたり、外からの衝撃を受ける等により形崩れするのを防止することができる。
【0055】
米飯シート1は、縦(L1)×横(L2)×高さ(H)が約90mm×約90mm×約7mmの寸法を有する、手の平に収まる程度の扁平な略正方形のシート形状を有するが、平面視したときに円形や楕円形であってもよい。この好ましい実施例の米飯シート1の厚みは約7mmであり、この7mmの厚みは米粒3を横にして、これを上下に3層にしたときの厚みに相当する。
【0056】
米飯シート1は、5〜30容量%、好ましくは7〜26容量%、最も好ましくは、14〜20容量%の空隙率を有する。上述の大きさの米飯シート1がこのような空隙率を有する場合、炊飯米の重量は約40〜65gであり、これは約1/3膳の米飯の重量に相当する。
【0057】
この米飯シート1は、また、上述の空隙率を具備するように成形すると、米粒3同士が適度な結着力で互いに付着した状態となり、これにより、隣接する米粒が互いに適度に結着してパラパラと米粒3が落ちることのない保形性を付与することができ、また、米飯シート1に適当な可撓性を付与することができ、これにより米飯シート1を2つ折り又はロールさせることができる。
【0058】
適度な保形性及び可撓性を備えた米飯シート1の食べ方の例を以下に列挙する。
例えば電子レンジで予め加温した2枚の米飯シート1と1との間に、図5に例示するように、ハンバーグや他の任意の具材5を挟んで、サンドイッチのようにして食べる。
【0059】
(1)2枚の米飯シート1と1との間に具材5を挟んだ後に加温して食べる。このとき、米飯シート1、1の表面に若干の焦げ目がつくまで、米飯シート1、1の表面を焼いてもよい。
(2)米飯シート1の上に具材5を載せた状態で電子レンジで加温して食べる。
【0060】
(3)米飯シート1の表面に焦げ目が付くまで焼いて、その上に具材5を載せる、または具材5を載せた状態で米飯シート1の表面を焼いて食べる。
(4)図4のように、1枚の米飯シート1を具材5を挟むようにして2つ折りにして食べる。
(5)米飯シート1で具材5を包むようにロールさせた状態で食べる。
(6)米飯シート1を千切って食べる。
【0061】
上述の食べ方は単なる例示であり、横にした米粒3を三層に重ねた程度の厚みの扁平なシート状に成形した米飯シート1は、その形状から、多様な食べ方を楽しむことができ、消費者が口にするときに、米飯シート1を手にしてから口に入れるまでの間に好みの食べ方を自在に選択することができる。また、米飯シート1の大きさは手のひらサイズであり且つ半膳程度の米の量であることから、お菓子のように手軽に持ち運んで、例えばアウトドアで食べるのにも適している。
【0062】
図5を参照して、米飯シート1の製造方法を説明する。米飯シート1の製造工程は、先ず、精米工程、洗米工程を行い、その後浸漬工程に移行する。次に蒸し工程に入り、その後炊飯工程に進む。この図5に例示の工程では、吸水工程と加熱工程とを別々に行う点に特徴がある。すなわち、吸水工程で加熱しないので、米粒表面の澱粉が溶出(崩れ)せず、したがって、時間をかけて米粒の芯まで充分に吸水させることができる。そして、加熱工程に移行する前に米粒の周囲の水が米粒の内部に完全に吸水され、米粒の周囲には実質的に水が無い状態となるため、加熱工程(レトルト殺菌及び炊飯工程)では米粒表面の澱粉の溶出を抑えることができる。また、吸水工程と加熱工程とを別にしたことにより、加熱工程での適正なレトルト殺菌及び炊飯を行うことができ、且つ、熱による品質劣化も防止することができる。
【0063】
図5に戻って図示の炊飯工程Aは、所定量の蒸し米をレトルト容器2に充填する工程を含み、この充填工程の前に、上述した蒸し米を適度にほぐして冷却させるのが好ましい。炊飯工程は吸水工程を含む。この吸水工程は、炊き水を加えることなく蒸し米に含浸した吸水米だけで炊飯できる水分を、蒸し米に含浸させることからなる。この吸水工程が完了したら、レトルト容器2をシールして吸水米を密封する。
【0064】
レトルト容器2の密封工程では、レトルト容器2の中に約5〜35容量%、好ましくは7〜26容量%、最も好ましくは14〜20容量%の空気を含むようにするのが好ましい。これにより、次の炊飯中に米粒を適度な加圧状態に保つことができ、これにより米粒からの澱粉溶出を低減でき且つ米粒の崩れを防止することができる。次の加熱工程では、飽和水蒸気や熱水などの熱媒体を介してレトルト容器2を加熱することにより、レトルト容器2内の吸水米を炊飯する。
【0065】
米飯シート1は扁平であるため、全体を均一に昇温させるのが容易であり、したがって米飯シート1の形状から部分的な過加熱を防止することができる。すなわち、7mmの厚みのシート形状は、米飯シート1を手にしてから口に入れるまでの間の食べ方の多様性を与えることができるだけでなく、レトルト食品である米飯シート1の殺菌処理に伴う不良品の発生を抑えることができる。
【0066】
以上の工程を経ることにより、レトルト食品である前述した寸法及び重量の成形米飯シート1を得ることができるが、得られる米飯シート1は、5〜30容量%、好ましくは7〜16容量%、最も好ましくは7〜16容量%の空隙率を有し、この空隙率の米飯シート1は、適度な保形性と曲げ性を有するだけでなく、これを手にしたときにベタベタした感じが無い。ここに、数値化した空隙率の測定方法は、上述したとおりである。
【0067】
もし、更に大きな結着力を発揮するように調整する必要があれば、原料の米に割れ米を混入させて結着力を高めるようにしてもよい。例えば割れ米を、60重量%以下、より好ましくは、10重量%〜40重量%混入したとしても、上述したように、炊き水無しで炊飯することから、この割れ米からの澱粉溶出量を抑えることができ、したがって、過度なべた付きを防止しながら適度な保形性を米飯シート1に与えることができる。
【0068】
図5のBは、変形例の炊飯工程(レトルト殺菌を含む)を示す。図5のBの炊飯工程では、蒸し米を大きな吸水用の剛性容器に移して、この容器内で蒸し米に吸水させた後に計量してレトルト容器2に吸水米を充填する点で先の図5のAの炊飯工程とは異なる。
【0069】
吸水用容器内に水と蒸し米を入れた後、吸水用容器を、例えば10〜15分に1回程度の頻度で反転させて吸水させるのが好ましい。このように吸水用容器を反転させることにより、蒸し米に物理的な負荷を与えることなく吸水させることができるため、米粒の形崩れを防止することができる。
【0070】
以上、レトルト米飯シート1を例に説明したが、本発明は白米に例えばカレー味を付けたものや、雑穀、炊き込みご飯に対しても適用することができ、また、これらの冷凍食品に対しても適用することができる。例えば、上述した米飯シート1にカレー味を付けるのであれば、吸水工程で、蒸し米にカレー液を吸水させればよい。同様に、炊き込みご飯のシートを作るのであれば、吸水工程が終わった吸水米に加工済みの具材を混入させればよい。このような雑穀や炊き込みご飯のシートが保形性が不足するのであれば、原料に先に説明した割れ米を混入させればよい。
【0071】
また、冷凍の米飯シートや雑穀シートなどを作るのであれば、例えば炊飯したご飯を適度な力で押圧してシート状に成形し、この成形シートを冷凍処理してもよい。
【0072】
冷凍米飯シート又は冷凍雑穀シートなどは、冷凍保存中にシート同士が強く接着してしまうことが予想でき、一度、接着してしまうと引き剥がすのが困難になる。特に、本発明に従う成形食品は比較的薄いシート状であることから、無理に引き剥がそうとすると、シートが破断してしまう可能性がある。このような問題を解消するのに、隣接するシート状成形食品の接触面積を小さくすることのできる形状を採用するのがよい。例えば、本発明に従うシート状成形食品を横から見たときに、その上面又は下面の少なくとも一方の面が凹レンズのように窪んだ形状又はシート状成形食品が全体的に湾曲した形状であるのがよい。また、シート状成形食品の周縁に突条を形成し、シート状成形食品を上下に重ねたときに、この突条を介して隣接するシート状成形食品が接触するようにしてもよい。また、冷凍したシート状成形食品の間にフィルムを介在させることにより、シート状成形食品同士が直接的に接触しないようしてもよい。
【0073】
冷凍状態で消費者に米飯シート1を提供するのであれば、その代表的なプロセスは、順に、洗米工程、浸漬工程、炊飯工程、ほぐし及び冷却工程、成形工程、凍結工程、包装工程からなる。
【0074】
また、無菌米飯の状態で消費者に米飯シート1を提供するのであれば、その代表的なプロセスは、順に、洗米工程、浸漬工程、包装容器に米を充填する米充填工程、例えば加圧蒸気による加熱殺菌工程、包装容器に水を充填する水充填工程、炊飯工程、包装容器をシールするシール工程、冷却工程からなる少なくとも加熱殺菌工程から知る工程は、蒸気雰囲気又はクリーンルーム内などの無菌環境下で行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のレトルト容器に収容した米飯シートの外観図である。
【図2】図1の米飯シートの厚みを説明するための図である。
【図3】実施例の米飯シートの食べ方の一例としてサンドイッチのようにして食べる食べ方を説明するための図である。
【図4】実施例の米飯シートの食べ方の他の例として、米飯シートを2つ折にして具材を包み込んで食べる食べ方を説明するための図である。
【図5】実施例の米飯シートの原料である米粒から米飯シートを作る工程を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 米飯シート
2 レトルト容器

Claims (6)

  1. 炊飯された穀類がシート状に成形された穀類成形食品であって、
    投影面積が49〜144cm、厚さが5〜15mm、重量が18〜180gである穀類成形食品。
  2. 前記穀類成形食品を構成する主なる穀類よりもアミロペクチン含有量が多い他の穀類が混入されている、請求項1に記載の穀類成形食品。
  3. 前記穀類成形食品が割れ米を含む、請求項1に記載の穀類成形食品。
  4. 前記穀類成形食品が、穀類又は種実とは別種の原料からなる結着剤を含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の穀類成形食品。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の穀類成形食品が成形容器に密封収容された容器入り穀類成形食品であって、
    前記穀類成形食品の外形寸法が前記成形容器の内形寸法と実質的に同一であることを特徴とする容器入り穀類成形食品。
  6. 前記穀類成形食品の上面又は下面の少なくともいずれか一方の面が凹面となるように成形されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の一つの平面が容器入り穀類成形食品。
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