JP4560431B2 - クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法 - Google Patents

クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4560431B2
JP4560431B2 JP2005077919A JP2005077919A JP4560431B2 JP 4560431 B2 JP4560431 B2 JP 4560431B2 JP 2005077919 A JP2005077919 A JP 2005077919A JP 2005077919 A JP2005077919 A JP 2005077919A JP 4560431 B2 JP4560431 B2 JP 4560431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
citric acid
acetic acid
filtrate
rice
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005077919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006254809A (ja
Inventor
國夫 永原
Original Assignee
キミセ醤油株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キミセ醤油株式会社 filed Critical キミセ醤油株式会社
Priority to JP2005077919A priority Critical patent/JP4560431B2/ja
Publication of JP2006254809A publication Critical patent/JP2006254809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4560431B2 publication Critical patent/JP4560431B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、無アルコールからアルコール含有の各種クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法に関するものである。
クエン酸は、人体の疲労に伴って増大する乳酸の分解を促進して、疲労の回復を促進する効果や、脂肪の分解を促進して、人体内での脂肪の蓄積を抑制する効果があり、血流を良好にする効果を有するとされ、健康食品としても注目されている。また、クエン酸は、通常の食酢中に含まれている酢酸と比較して、例えばpH4の同じ酸度を有する場合、味がまろやかで、刺激味がなく、飲み易いという利点を有する。すなわち、クエン酸は食酢成分との相性が良いことも知られている。
クエン酸生成能の大きい麹菌を使用して、発酵生成物中に多量のクエン酸を生成させ、これを飲料として利用するために、蒸煮した穀類又は製麹可能な澱粉質原料にアスペルギルス属の麹菌等のクエン酸生成能の大きい麹菌を接種、培養してクエン酸含有麹とし、蒸煮した米、米以外の穀類、芋類等の野菜又は果物等の添加物を更に加え、養生させてクエン酸含有飲料とする製造方法については、特許文献1に記載されている。
また、一方において、味噌、豆腐、納豆製品など大豆製品は、良好な植物蛋白源であると共に、種々の病気、ガン、老化など人の健康に有効に作用するものであることが知られている。これら大豆製品は、蒸煮大豆を原料とするが、同時に大豆煮汁が大量に生成し、その大部分は廃棄物として処理されている。
このような大豆煮汁に着目して、資源の有効利用を図る目的で、原料大豆煮汁に麹と酵母を添加してエタノール発酵を行った後、あるいはプロテアーゼ及びエタノールを添加した後、酢酸菌を添加して酢酸発酵を行って、抗ラジカル活性及びアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有する醸造酢やエタノール、及びこれらを含むアルコール飲料等の機能性食品を簡易、低廉に製造する方法が、特許文献2に記載されている。
特開2001−69957公報(特許請求の範囲、[0011]、[0023]) 特開2003−47456公報(請求項1、[0007]、[0008])
特許文献1記載の製造方法で得られるクエン酸含有飲料は、たしかに、蒸煮した米、いも、そば、野菜又は果物類を麹とともに発酵させるので、栄養性、機能性に富む飲料を製造することが可能であるが、もともと、この製造方法でクエン酸を水に溶出させた後、濾過して得られる残渣が焼酎製造原料として好適なものであって、この残渣中ではデンプンはブドウ糖に分解されているので、アルコール発酵も順調に進行することに着目した焼酎製造が主体のものである。また、アントシアニン存在の記載はあるが、これは、米麹と共に使用する種子島紫サツマイモに由来するものである。
特許文献2記載の醸造酢の製造方法は、大豆煮汁を原料として、これに麹と酵母を添加してエタノール発酵を行うものであるが、あくまで醸造酢の製造を目的とし、本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の一成分としての酢酸成分の調達を目的とするものではない。
本発明は、従来のクエン酸含有飲料よりもノンアルコール又はノンアルコールに近い一般的な飲料で、鮮やかな濃い赤味を呈し、クエン酸含量の高く、かつ、アミノ酸含量も高い、栄養価も保存性も良好なクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法を確立することを目的に開発したものである。
本発明において、上記の問題を解決するために、米麹に黒大豆の煮汁を加えて発酵・自己消化液であって、アントシアニンの濃い赤味を呈する液体からなるクエン酸含有飲料とした。このクエン酸含有飲料の製造に際し次のような構成とした。すなわち、米麹に黒大豆の煮汁を加えて発酵させ、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させ、黒大豆の煮汁に含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈するクエン酸含有懸濁液とし、該懸濁液を濾過して残渣と濾液とに分離する方法で得られるクエン酸含有濾液をベースに調製して、本発明の飲料とするクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法である。
ここで、黒大豆の煮汁の作成に際し、予め麹の一部を添加して酸性(pH4〜4.5程度)下で行うと、アントシアニンの分解が抑えられて安定した煮汁が得られる。この煮汁に残り大部分の米麹を加えた発酵・自己消化液に酢酸成分を添加した混合液は、酸味が加わって、良好なクエン酸含有飲料となる。上記の米麹に黒大豆の煮汁を加えた発酵物からなる酸性下で濃い赤味を呈するクエン酸含有懸濁液とし、このクエン酸含有懸濁液を濾過して濾液と濾過残渣とし、得られる濾過残渣をアルコール発酵させた後に、酢酸発酵させて濾過して得られた甘酢液体を、前記濾液に対して混合したクエン酸・酢酸含有濾液をベースに調製して飲料とするクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法である。
すなわち、別工程で作成された黒酢をクエン酸含有飲料に添加するのではなく、上記の方法で得られたクエン酸含有懸濁液を濾過した際の濾過残渣をアルコール発酵させた後に、更に酢酸発酵させて甘い酢とした甘酢液体を混合してクエン酸含有飲料とする。この製造方法で得られたクエン酸・酢酸含有飲料は、黒酢に代えて自前の濾過残渣からの発酵で得られる甘酢が加えられるので飲料の味やアルコール分含量の調整が任意にできる結果、クエン酸・酢酸含有飲料の商品幅が広がる利点がある。
更に、本発明では、上記の各種クエン酸・酢酸含有飲料にブルーベリー果汁を混合したものも提供している。クエン酸・酢酸含有濾液とブルーベリー混合液体をベースに調製してノンアルコール又はアルコール含有飲料とするのである。ブルーベリー果汁やエキスに代えてブルーベリーペーストをベースに調製してアルコール含有飲料とする。ブルーベリーは、後述するように、アントシアニンの含有量が高いことで知られており、アントシアニンの濃い赤味を呈する液体からなるクエン酸含有飲料として、理想的なものとなる。ブルーベリーの特徴は、天然の「アントシアニン」という成分色素である。この色素は目によいはたらきをする物質として知られているが、本発明のクエン酸・酢酸含有そのものが、既にアントシアニンの濃い赤味を呈する液体であるから、これにブルーベリー果汁を添加することで、すばらしく鮮やかな濃い赤紫色を呈する。
ここにいう、米麹の原料米は、通常の精白米のほか、黒米の精米を混合して用いると更に良好なクエン酸含有飲料が得られる。特に、精白米と黒米の精米との混合米で、混合比は10〜60重量%の範囲、好ましくは15〜25重量%の範囲で使用される。精白米が90重量%より多くなると飲料の色調も味覚が淡くなり、60重量%より少なくなると、色調も味覚もくせが出てきて一般的でなくなる傾向がみられる。
白米と黒米から米麹にするのに用いる麹菌の種類は特に限定するものではないが、本発明の技術思想に適合する麹菌は、特許文献2に記載のアスペルギルス属の麹菌であって、クエン酸生成能が大きく、その点からも、泡盛黒麹菌(Aspergillusawamori)、河内菌白麹(Aspergilluskawachi)が好ましいものである。
ここで、上記の白米と黒米からなる原料に、上記麹を加えて培養するに際し、従来60時間以下で行っているが、本発明では60時間以上120時間、好ましくは65〜80時間をかけてゆっくりと製麹をする。その結果、クエン酸含量が増加して好ましい麹ができる。
酢酸成分は、簡単には一般の醸造酢を添加する方法で得られるが、黒酢や黒大豆の煮汁を用いたクエン酸ベースの飲料を濾過分離した後の残渣のアルコール発酵と酢酸発酵と熟成によって得られる酢酸も甘い酢となって、好ましいクエン酸含有飲料の添加物となる。クエン酸ベースの飲料に対する酢成分の添加割合は、1〜8重量%の範囲である。
ブルーベリーとしては、次に挙げる3種類がもっとも有名な品種である。まず第1に、アメリカ北東部からカナダ東部や北欧に広く自生する野生種としてのローブッシュ・ブルーベリーが挙げられる。これは、果実は最も小粒であるが、濃い黒紫色で好ましい品種である。眼にいいといわれている「ビルベリー」、別名「ホワールベリー」はこの野生種である。第2に、野生種からの品種改良されたハイブッシュ・ブルーベリーは、寒冷地向けの品種で、日本では北海道、東北地方、長野県で栽培されている。果実が大粒なのが特徴で、コリンズ、ブルークロップ、バークレイ、シャージなどの新しい品種が登場してきているが、いずれも、本発明には使用できる。第3に、アメリカ南部に自生している暖地向きの品種として、ラビットアイ・ブルーベリーがある。日本国内でも西日本、九州に適している。この品種にはティフブルーをはじめとしてウッダード、ブライトブルー、デライトなどがある。
この野生種の「ビルベリー」は、最もアントシアニン量が多いとされており、本発明のクエン酸・酢酸含有飲料としては最も好ましいもののひとつである。他の種類だとアントシアニン色素は皮だけに多いが、この種類は果実にもアントシアニン色素が豊富に含まれている。ハイブッシュ・ブルーベリーは「ビルベリー」の約3分の1と低い。ラビットアイ・ブルーベリーも野生種の約半分である。例えば、アントシアニン含量を数値で示すと、野生種:北米産0.33-0.38g/100g果実、ティスブルー0.14g/100g果実、ウッダブルー0.14g/100g果実である。
そのほか、ブルーベリーには炭水化物、タンパク質、脂質はもとより、食物繊維が極めて多いことがわかっている。アメリカ産では総食物繊維含量4.5g/100g(水溶性0.5g、不溶性3.2g)、国産で総食物繊維含量4.1g/100g(水溶性0.4g、不溶性3.7g)である。ブルーベリー100g当たりの食物繊維量を他の果物と比較してみると、バナナで1.7g(水溶性0.1g、不溶性1.6g)、リンゴで1.3g(水溶性0.3g、不溶性1.0g)であるから、ブルーベリーの方が2〜3倍も食物繊維が豊富である。他の成分としては、β-カロチン、ビタミンA、α-トコフェロール、ビタミンE、ナイアシン、ビタミンCなどがあり、本発明の飲料添加物としては、理想的であることが明らかである。ブルーベリーは水抽出エキスとして用いてもよいが、果実を摺りつぶしてペースト状で加えると、植物繊維の含有量が増加して好ましい。クエン酸ベースの飲料に対するブルーベリーの添加割合は、1〜15重量%の範囲、好ましくは、2〜10重量%の範囲である。
本発明の製造方法によるクエン酸・酢酸含有飲料は、黒大豆の煮汁中で米麹、特に、泡盛黒麹菌や、河内菌白麹で発酵、醸成させて得られた天然クエン酸のすっきりした清涼感と麹を自己消化させてできた天然の甘味と酸味とで、飲み易く仕上がる。
飲み易いうえに、原料黒米から、更に黒大豆の煮汁からのアントシアニンが多く含有し、例えば、飲料100ml当たり3〜10mgも含まれ、万病の元とされる過剰な活性酸素を押える抗酸化作用がある。また、黒大豆にはアントシアニンの1種であるシアニジンが多く含まれ、血圧の調整作用も期待できる。更に、ブルーベリーと黒米から大量のアントシアニンが含まれる結果となる。
アントシアニンの薬理効果として、目に良いことが知られている。目の網膜には光に反応してそれを脳に伝えるはたらきをする視細胞の成分の「ロドプシン」が分解・再合成をすることで光を信号に変えて脳に送りだし、物が見えるといわれており、このロドプシンの再合成をアントシアニンが助けている。また、アントシアニンには血行をよくするはたらきがあり、目に十分な栄養素を送り込む役割もある。ブルーベリーには抗酸化作用があり、肌の老化を遅くして若返ることができる。毛細血管を強くし、健康な血液を全身にめぐらせることができる。そのため、心臓病、脳溢血、冷え症などの予防につながる。主に子供によく見られる感染症で、尿路のどこかで細菌感染を起こす疾患などを防ぐことができるとされている。本発明の各種クエン酸・酢酸含有飲料とブルーベリーを混合することで、ブルーベリーのこれら効果が更に助長されるのである。したがって、継続して飲用することで、体質改善、老化防止に効果的な健康飲料となっている。
以下、実施例に基づいて本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法及びその製造方法により得られる製品例を具体的に説明する。図1〜3は、本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の製造過程を示すフローチャートである。これらの図において白米と黒米の混合原料からクエン酸含有懸濁液までの製造過程は、いずれも共通するもので、このクエン酸含有懸濁液の濾液を実施例1(製品1)として示している。
本発明のクエン酸・酢酸含有飲料のベースとなるクエン酸含有懸濁液は、白米と黒米の混合米を原料にして、水に2〜5時間浸漬、約1.5時間蒸煮、約40℃以下に冷却後、クエン酸収率の高い麹菌として黒麹菌を蒸米に添加して35〜40℃、24時間、続いて30〜35℃、48時間の合計、72時間かけて培養し、米麹を培養する。これを55℃、20時間糖化、自己消化して得られる。これを濾過して得られる濾液が、実施例のクエン酸含有飲料の「製品1」であり、これが本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の基本となる。
図1の下方に示すように、濾過して得られたクエン酸含有懸濁液に対して黒酢を混合して熟成した後、濾過して参考例のクエン酸・酢酸含有飲料である「製品2」を製造する。
本発明では更に、このクエン酸含有懸濁液の圧搾残渣から、発酵酢を製造する。この発酵過程は、図2の下半分に示すような通常の方法であって、まず、水とドライイーストを添加して、発酵条件を整えてアルコール発酵をし、更に、種酢、水でアルコール分と酸度を調製した後、前記残渣を追加して熟成して酢酸発酵を行う。これにより、「甘酢」が生成するのである。この甘酢を前記のクエン酸含有懸濁液からの濾液に適宜添加混合して、本発明のクエン酸・酢酸含有飲料「製品3」を得る。
この「製品3」にブルーベリーエキスを加えて「製品5」が得られ、これらの組合せで多岐にわたる本発明の製品群を製造することができる。
図3はクエン酸・酢酸含有飲料の別の製造過程を示すフローチャートである。この例では、前段の製造過程で得られたクエン酸含有懸濁液にブルーベリーペーストを加え、更に黒酢を加えても参考例として示す、クエン酸・酢酸含有飲料「製品4」が得られる。
以下、実施例によって具体的に数値を挙げて説明する。なお、以下重量%は単に%で表示する。
精白した白米800gと黒米200gを洗米し、水に約2〜5時間浸漬した後、水を切って蒸気で1〜1.5時間蒸した。そして、蒸米を冷却し、河内菌白麹の種麹1gを接種した。培養1日目は温度35〜40℃の高温経過をとり酵素を生成させ、2日目は30〜35℃を維持して酸を生成させた。湿度は95%を保持しながら約72時間培養した。酸の多い麹を製麹するのに品温管理をきちんとすることが必要であった。出来上がり麹の重量は原料の約1.1〜1.2倍、水分は約25〜45%であった。
上記の麹に、あらかじめ黒大豆(100g)を水に浸漬させ、その浸漬水に麹の一部を加えて煮て得た煮汁1500mlを加え十分撹拌した。次いで、55℃の温度で約20時間保持し、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させた。また、黒大豆の煮汁に含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈した。
20時間後、麹と黒大豆の煮汁の懸濁液を濾過して、濾液(液体)と残渣(固体)に分離した。平均で、濾液は原料1000gから約1800ml、残渣は約400〜600g得られた。得られた濾液は、クエン酸2.3%、グルコース30%、アントシアニン4.05mg/100mlを含んでいた。なおpHは3.4±0.2、滴定酸度1.2〜1.8であった。この液体は酸味、甘味のバランスがよく飲みやすい飲料であった。これは図1中の製品1に相当する。
ここで、上記方法で得られたクエン酸、各種アミノ酸等の成分組成を具体的に示す。表1は、クエン酸含有飲料(製品1)のアミノ酸含量の一例を示すものである。
Figure 0004560431
本方法で得られた製品のアミノ酸総量は、500mg/dlを超え、従来の米酢、玄米酢及び黒酢を凌駕する。必須アミノ酸をはじめ、運動能力を高める分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)、調味効果を有するグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン等をバランス良く含むものである。
実施例1記載の麹に、あらかじめ黒大豆(100g)を水に浸漬させ、その浸漬水で煮て得た煮汁に、水を加えて容量1800mlにした。次いで、55℃の温度で20時間保持し、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させた。黒大豆の煮汁に含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈した。
参考例1
20時間後、麹と黒大豆の煮汁の懸濁液に黒酢を容量に対して、7.5%になるように加えた。これを濾過して、濾液(液体)と残渣(固体)に分離した。平均で、濾液は原料1000gから約1800ml、残渣は約400〜600g得られた。
得られた濾液は、クエン酸2.1%、グルコース29%、アントシアニン3.9mg/100mlを含んでいた。なおpHは3.4±0.2、滴定酸度1.2〜1.8であった。この液体は酸味、甘味のバランスがよく飲みやすい飲料であった。このクエン酸・酢酸含有飲料は図1中の製品2に相当する。
2に示すように、実施例1で得られたクエン酸含有権濁液を圧搾して濾液から分離した残渣水1L、ドライイーストを少々添加し、よく撹拌してアルコール発酵を行わせた。残糖を使用してアルコール発酵が充分行われると、アルコールは約7〜10%に達した。次いで、水でアルコールを4.5%に薄め、滴定酸度1.5位に上げるよう調整し、種酢を入れ、30℃で酢酸発酵を行わせた。
数日後から徐々に発酵が進み、滴定酸度が上がり、4を超えるまでになったら別便で得られた残渣(原料1000g分)を添加した。残渣中のクエン酸、糖などにより、酸味も効いているが、甘味の残った酢になった。
得られた濾液と残渣より得られた酢を混合して、クエン酸2.1%、グルコース31%、アントシアニン4.2mg/100mlを含有するクエン酸・酢酸含有飲料とした。これは図2中の製品3に相当する。
実施例1記載の麹に、あらかじめ黒大豆(100g)を水に浸漬させ、その浸漬水で煮て得た煮汁に、水を加えて容量1500mlにした液と摺りつぶしたブルーベリー(10g)を加え十分撹拌した。次いで、55℃の温度で20時間保持し、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させた。黒大豆の煮汁とブルーベリーに含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈した。
参考例2
20時間後、麹と黒大豆の煮汁の懸濁液に黒酢を容量に対して、7.5%になるように加えた。これを濾過して、濾液(液体)と残渣(固体)に分離した。平均で、濾液は原料1000gから約1800ml、残渣は約400〜600g得られた。
得られた濾液は、クエン酸2.2%、グルコース30%、アントシアニン6.3mg/100mlを含んでいた。なおpHは3.4±0.2、滴定酸度1〜1.4であった。この液体は酸味、甘味のバランスがよく飲みやすい飲料であった。このクエン酸・酢酸含有飲料は図3中に示す製品4に相当する。
実施例1記載の麹に、あらかじめ黒大豆(100g)を水に浸漬させ、その浸漬水で煮て得た煮汁1500mlを加え十分撹拌した。次いで、55℃の温度で20時間保持し、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させた。また、黒大豆の煮汁に含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈した。
20時間後、麹と黒大豆の煮汁の懸濁液を濾過して、濾液(液体)と残渣(固体)に分離した。平均で、濾液は原料1000gから約1800ml、残渣は約400〜600g得られた。さらに、得られた残渣には蒸留水1L、ドライイーストを少々添加し、よく撹拌してアルコール発酵を行わせた。残糖を使用してアルコール発酵が充分行われると、アルコールは約7〜10%に達した。次いで、種酢、蒸留水でアルコールを4.5に薄め、滴定酸度1.5位に上げるよう調整し、酢酸発酵を行わせた。
数日後から徐々に発酵が進み、滴定酸度が上がり、4を超えるまでになったら別便で得られた残渣(原料1000g分)を添加した。残渣中のクエン酸、糖などにより、酸味も効いているが、甘味の残った酢になった。得られた濾液と残渣より得られた甘酢を混合し、これにブルーベリーエキス(固形分10%)を5%添加して、クエン酸・酢酸含有飲料(製品5)とした。
得られた製品5は、クエン酸2.0%、グルコース32%、アントシアニン6.15mg/100mlを含んでいた。なおpHは3.4±0.2、滴定酸度1.2〜1.8であった。この液体は酸味、甘味のバランスがよく飲みやすいクエン酸・酢酸含有飲料であった。
本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の製造過程を示すフローチャートである。 本発明のクエン酸・酢酸含有飲料の製造過程を示すフローチャートである。 参考例のクエン酸・酢酸含有飲料の製造過程を示すフローチャートである。

Claims (3)

  1. 白米と黒米の混合米を原料とし、60〜120時間、培養した米麹に黒大豆の煮汁を加えて発酵させ、クエン酸を煮汁中に溶出させると同時に麹を自己消化させ、
    黒大豆の煮汁に含まれる主にアントシアニンの成分により、酸性下で濃い赤味を呈するクエン酸含有懸濁液とし、
    クエン酸含有懸濁液を濾過して濾液と濾過残渣とし、
    該濾過残渣をアルコール発酵させた後に、酢酸発酵させて濾過して得られた甘酢液体を前記濾液に対して混合したクエン酸・酢酸含有濾液をベースに調製して飲料とするクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法。
  2. 請求項1記載のクエン酸・酢酸含有含有濾液とブルーベリー混合液体をベースに調製して飲料とするクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法。
  3. 請求項1記載のクエン酸・酢酸含有濾液とブルーベリーペーストをベースに調製してアルコール含有飲料とするクエン酸・酢酸含有飲料の製造方法。
JP2005077919A 2005-03-17 2005-03-17 クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法 Active JP4560431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005077919A JP4560431B2 (ja) 2005-03-17 2005-03-17 クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005077919A JP4560431B2 (ja) 2005-03-17 2005-03-17 クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006254809A JP2006254809A (ja) 2006-09-28
JP4560431B2 true JP4560431B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=37094672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005077919A Active JP4560431B2 (ja) 2005-03-17 2005-03-17 クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4560431B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6024942B2 (ja) * 2012-02-29 2016-11-16 株式会社福山こめ酢 テストステロン分泌促進剤、抗疲労剤及びその製造方法と利用
CN103404935A (zh) * 2013-09-03 2013-11-27 汪洪涛 一种以酒酿渣和蓝莓渣为主要成分的固体饮料及制作工艺
JP6076531B1 (ja) * 2016-04-25 2017-02-08 合同酒精株式会社 飲料またはアルコール飲料

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6034172A (ja) * 1983-08-06 1985-02-21 Sachiko Yamamoto 黒豆の煮汁を混配した果実酒
JPS61227773A (ja) * 1985-04-02 1986-10-09 Oozeki Syuzo Kk 着色発泡酒の製造法
JPH03103527U (ja) * 1990-02-08 1991-10-28
JP2000004868A (ja) * 1998-06-19 2000-01-11 Akita Prefecture 脱皮大豆種皮からの酒類の製造方法
JP2001069957A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Masaaki Yamamoto クエン酸含有飲料及びその製造方法
JP2002300860A (ja) * 2001-04-05 2002-10-15 Kazumi Yogi 健康補助食品
WO2003080084A1 (en) * 2002-03-26 2003-10-02 Forbes Medi-Tech Inc. A process for the extraction of anthocyanins from black rice and composition thereof
JP2004229580A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 House Foods Corp 穀類成形食品

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6034172A (ja) * 1983-08-06 1985-02-21 Sachiko Yamamoto 黒豆の煮汁を混配した果実酒
JPS61227773A (ja) * 1985-04-02 1986-10-09 Oozeki Syuzo Kk 着色発泡酒の製造法
JPH03103527U (ja) * 1990-02-08 1991-10-28
JP2000004868A (ja) * 1998-06-19 2000-01-11 Akita Prefecture 脱皮大豆種皮からの酒類の製造方法
JP2001069957A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Masaaki Yamamoto クエン酸含有飲料及びその製造方法
JP2002300860A (ja) * 2001-04-05 2002-10-15 Kazumi Yogi 健康補助食品
WO2003080084A1 (en) * 2002-03-26 2003-10-02 Forbes Medi-Tech Inc. A process for the extraction of anthocyanins from black rice and composition thereof
JP2004229580A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 House Foods Corp 穀類成形食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006254809A (ja) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105054162B (zh) 一种火龙果复合酵素饮品及其制备方法
KR101325872B1 (ko) 미나리 발효초 및 이를 이용한 음용식초
KR20130101232A (ko) 사과 와인의 제조방법 및 그에 따른 사과 와인
KR100586801B1 (ko) 산마를 이용한 탁주의 제조방법
KR101690413B1 (ko) 아로니아 열매를 이용한 식초의 제조방법
CN108531335B (zh) 一种增加蓝莓酒发酵香的酿造方法
KR20190024420A (ko) 기호성과 유산균의 생균수를 향상시킨 콩요구르트의 제조방법
CN111154594A (zh) 一种柠檬雪梨复合酒及其酿造方法
KR101901136B1 (ko) 진피 간장의 제조방법 및 이에 의해 제조된 진피 간장
JP4560431B2 (ja) クエン酸・酢酸含有飲料の製造方法
KR100998329B1 (ko) 냄새를 없앤 마늘과 솔잎을 이용하여 제조한 식초 및 그제조방법
KR101779261B1 (ko) 천연발효 아로니아 식초 제조 방법 및 아로니아 식초
KR102177465B1 (ko) 감귤레드비트식초 및 이의 제조방법
KR101733549B1 (ko) 와송 당류 추출액을 발효하여 제조한 와송 와인 또는 식초
KR101037132B1 (ko) 아가콩을 이용한 기능성 탁주 제조방법
KR100559074B1 (ko) 고추식초의 제조방법
JP4448045B2 (ja) 飲用クエン酸酢とその製造方法
KR102621242B1 (ko) 복분자 함유 콤부차 식초 및 이의 제조방법
KR102346415B1 (ko) 천연물질을 이용한 막걸리의 제조방법
CN104479981A (zh) 一种酿制芒果果醋的工艺
CN115211556A (zh) 一种苦荞芽果味酵素及其制备方法
KR101781109B1 (ko) 유색 맥아를 이용한 유색 조청의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 유색 조청
KR100517062B1 (ko) 양파식초 및 그 제조방법
KR20150094017A (ko) 누룩을 이용한 당화액 추출물의 제조방법 및 이로부터 제조된 당화액 추출물
KR20210012487A (ko) 아로니아 조미액의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100616

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4560431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250