JP6076531B1 - 飲料またはアルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、アントシアニンの赤色を保持しつつ、甘味を抑えながらも酸味をほとんど感じない、食用として好ましい飲料を提供することを目的とする。【解決手段】酸度が0より大きく、1.0以下であり、糖質が3.0(w/v)%以下であり、アントシアニンを含有することを特徴とする飲料。酸度が0.2以上0.8以下であり、糖質が2.0(w/v)%以下であることを特徴とする飲料。酸度が0.3以上0.7以下であり、糖質が1.5(w/v)%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、アントシアニンを含有する飲料またはアルコール飲料に関する。
アントシアニンは様々な天然物に含まれていることが知られている。アントシアニンは、酸性領域では赤色、弱酸性領域ではピンク色、塩基性領域では青色または褐色を呈する。 天然物から赤色のアントシアニンを抽出する方法として、アカジソの生葉を有機酸で処理することにより、鮮明な赤色を呈する抽出液を得る発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
アントシアニンは経時的に退色することから、これを防ぐために、特定の安定剤を併用する発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2に開示された発明を組み合わせることによって、アントシアニンに由来する鮮明な赤色を長期間にわたって保持することが可能になると考えられる。
特開昭61−152259号公報 特公平7−28692号
特許文献1及び特許文献2の実施例には、アントシアニンを含む飲料や食品が開示されている。
特許文献1には、いずれの実施例においても、アントシアニンと、グルコースと、クエン酸を含む酒類が開示されている。
特許文献2には、いずれの実施例においても、アントシアニンと、糖類と、クエン酸と、安定剤を含む食品が開示されている。
上記の文献に記載された実施例からもわかるように、アントシアニンの鮮明な赤色を抽出するには酸が必要であることから、赤色を呈するアントシアニンを飲料や食品に含有させる場合、糖類を添加することによって、酸味を感じにくくすることが通常である。特許文献1及び特許文献2に記載の各実施例において、糖類を無添加とした以外は同様にした飲料等を調製すると、酸味が強すぎるため食用に適さない。
近年の健康志向の高まりから、食品や飲料中の糖類の使用を極力抑えることが望まれている。しかしながら、アントシアニン由来の鮮明な赤色を備えた飲料や食品においては、その酸味を抑えるべく、糖類の使用を必須としており、健康を意識する消費者の要請に応えることはできていなかった。
本発明は、アントシアニンの赤色を保持しつつ、甘味を抑えながらも酸味をほとんど感じない、食用として好ましい飲料を提供することを目的とする。
本発明は以下の技術的構成を有することにより、本発明の課題を解決したものである。
(1)酸度が0より大きく、1.0以下であり、糖質が3.0(w/v)%以下であり、アントシアニンを含有することを特徴とする飲料。
(2)酸度が0.2以上0.8以下であり、糖質が2.0(w/v)%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の飲料。
(3)酸度が0.3以上0.7以下であり、糖質が1.5(w/v)%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の飲料。
(4)フィチン酸を含有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5)前記糖質を前記酸度で除した値が、0.0以上4.0以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
(6)食物繊維を含むことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の飲料。
(7)前記食物繊維を0.1〜10.0(w/v)%含むことを特徴とする前記(6)に記載の飲料。
(8)前記アントシアニンが、520nm〜530nmにおいて極大吸収波長を有することを特徴とする前記(1)に記載の飲料。
(9)510nmにおける吸光度が0.1以上であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の飲料。
(10)前記アントシアニンが天然物由来であることを特徴とする前記(1)または(8)に記載の飲料。
(11)前記アントシアニンが、ブドウ、紫トウモロコシ、ベリー類、ハイビスカス、紫サボテン類、赤キャベツ、ムラサキイモ、紫蘇から選択される少なくとも一種の天然物に由来することを特徴とする前記(1)、(8)または(10)に記載の飲料。
(12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の飲料が、さらにアルコールを含有することを特徴とするアルコール飲料。
(13)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の飲料または前記(12)に記載のアルコール飲料が、さらに炭酸を含有することを特徴とする炭酸飲料または炭酸アルコール飲料。
本発明によれば、アントシアニンの赤色を保持しつつ、甘味を抑えながらも酸味をほとんど感じない、食用として好ましい飲料を提供することができる。
<飲料>
本発明に係る飲料は、酸度が0より大きく、1.0以下であり、糖質が3.0(w/v)%以下であり、アントシアニンを含有することを特徴とする。飲料に含まれる酸度と糖質を一定の範囲にすることによって、アントシアニンの赤色を保持しつつ、甘味を抑えながらも酸味をほとんど感じない、食用として好ましい飲料を提供することができる。
飲料中の酸度の上限値は0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。酸度の下限値は0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。酸度の上限値及び下限値は適宜組み合わせて使用することができる。
酸度が低くなるにつれアントシアニンの赤色を抽出しにくくなる。飲料中の赤色をどの程度にするか及びアントシアニンを含む天然物の量にもよるが、おおよそ酸度が0.3以上あれば、天然物からアントシアニン由来の赤色を抽出することが可能であり、酸度が0.4以上あれば鮮明な赤色を抽出することが可能である。
本発明における酸度とは、国税庁所定分析法における総酸を意味し、サンプル10mlをpH7.2に中和するのに必要な0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定ml数である。
酸度は、国税庁所定分析法(改正平成19年国税庁訓令第6号)p8、総酸(遊離酸)の項に記載の分析法に基づいて測定した。
アントシアニンの赤色とは、520〜530nmにおいて極大波長を有する飲料をいう。アントシアニンの鮮明な赤色とは、510nmにおける吸光度が0.15以上である飲料をいう。
飲料中の糖質の上限値は2.0(w/v)%以下であることが好ましく、1.5(w/v)%以下であることがより好ましく、1.0(w/v)%以下であることがさらに好ましい。アントシアニンを含む天然物等からアントシアニンを抽出する場合、同時に糖質も抽出されることから、飲料中の糖質の下限値はアントシアニンを含む天然物等由来の糖質量となる。具体的には、飲料中に天然物等由来の糖質を0.1(w/v)%以上含むことが好ましく、0.3(w/v)%以上含むことがより好ましく、0.5(w/v)%以上含むことがさらに好ましい。飲料中に含まれる糖質量が低いほど、甘味を感じにくくなり、ドライな味わいになる。
既存のアントシアニンを含有する飲料は、アントシアニンの鮮明な赤色を得るために酸味料を多く添加し、その酸味を緩和すべくアントシアニンを含む天然物等由来以外の糖質を添加しているため、酸味と甘さが強すぎていたが、糖質を上記の範囲に低減した本発明に係る飲料は、消費者に新たな味わいを提供することが可能となる。
本発明における糖質は、飲料の質量から、水分、タンパク質、脂質、灰分および食物繊維量を除いて算出する方法(栄養表示基準(平成21年12月16日 消費者庁告示第9号 一部改正)参照)により測定した値をいう。
本発明に係る飲料は、同一酸度であっても、糖質濃度が変化すると、甘味だけでなく酸味も変化する。
同様に、本発明に係る飲料は、同一の糖質濃度であっても、酸度が変化すると、酸味だけでなく甘味も変化する。
上記のように本発明に係る飲料は、酸度または糖質の一方を管理するだけでは、酸味及び甘味を適切な範囲にすることが難しい。酸度及び糖質を所定の範囲にすることによって、ドライと感じるほどに甘味を抑えながらも、酸味をほとんど感じない飲料にすることが可能となる。当該飲料は食前、食中、食後のいずれにも適しているが、食中に飲むことが好ましい。このような新しい味わいが得られる範囲は以下のとおりである。
酸度が0より大きく、0.2以下の飲料である場合、糖質が0〜0.6(w/v)%であればよい。
酸度が0.3以上0.7以下の飲料である場合、糖質が0.1〜2.0(w/v)%であればよい。
酸度が0.8以上1.0以下の飲料である場合、糖質が1.0〜3.0(w/v)%であればよい。
飲料の酸度が低ければ、飲料を飲んだ時の酸味を感じにくくなるとともに、甘味を感じやすくなる傾向にある。このことを利用して、酸度及び糖質量を低減することで、酸味及び甘味が少なく、ドライな味わいの飲料を得ることができる。このような飲料を得るには、酸度を0.3以上0.7以下、且つ糖質を0.1〜1.0(w/v)%にすることが好ましい。より好ましくは、酸度を0.4以上0.6以下、且つ糖質を0.3〜0.8(w/v)%である。
飲料に含まれる酸度及び糖質がそれぞれ一定の範囲になることを満たしたうえで、糖質を酸度で除した値が、0.0以上4.0以下であることが好ましく、0.2以上3.0以下であることがより好ましく、0.5以上2.0以下であることがさらに好ましい。
飲料に含まれる糖質を酸度で除した値が高くなるほど、酸味を感じにくくする以上の甘さが付与されることになる。
本発明に係る飲料は、清涼飲料であっても良いし、アルコールを含むアルコール飲料であっても良い。本発明における清涼飲料は、アルコール濃度が1.0%未満であるものをいい、0.5%未満であることが好ましく、0.0%であってもよい。アルコール濃度は1.0%〜30%であることが好ましく、3.0〜25%であることがより好ましい。
本発明に係るアルコール飲料は、天然物または植物由来のアントシアニン抽出液を使用することが好ましいことから、酒税法上のリキュールまたはスピリッツであることが好ましい。
本発明に係る飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味する。
飲料に含まれるアルコールが増えることにより、アルコール自体の刺激が強くなり、酸味、甘味、エグ味、香りが相対的に感じにくくなる。アルコール度数が15%以上になると、このような傾向を感じやすくなる。他方、アルコール度数が3%未満であれば、アルコール自体の刺激が少ないため、清涼飲料と実質的な差は少ない。アルコール度数が3%以上15%未満である場合、個人差が大きく一概にはいえないが、アルコール度数が増えるにつれ、酸味等を相対的に感じにくくなる傾向にある。
本発明は主にアルコール度数が3%以上の飲料に好ましく使用することができ、15%以上の飲料により好ましく使用することができる。上記の知見を知得した当業者であれば、本発明を清涼飲料用に応用することも可能である。
本発明に係る飲料のpHは、2.0〜5.0の範囲にあることが好ましく、2.5〜4.0の範囲にあることがより好ましく、2.7〜3.5の範囲にあることがさらに好ましい。飲料のpHを低くするほど、アントシアニンの鮮明な赤色を長期間保持しやすくなるが、酸味が強くなりやすい。酸性溶液のpHを高くするほど、酸味は抑制しやすくなるが、アントシアニンの鮮明な赤色を長期間保持しにくくなる。
以下、本発明を構成する材料について説明する。
<本発明を構成する材料>
(アントシアニン)
アントシアニンは、アグリコンであるアントシアニジンが、糖や糖鎖と結びついた配糖体である。アントシアニンの発色団はアグリコン部分であり、pHの変化によってアグリコン部分の構造が変化し、色も変化する。アントシアニン溶液のpHを3程度にすれば、赤色を呈する。
アントシアニンは天然物由来であることが好ましく、植物由来であることがより好ましい。天然物や植物から抽出しても良いし、市販のアントシアニンを使用してもよい。天然物や植物からアントシアニンを抽出する場合、アントシアニンとともに糖質及び香り成分も抽出することができる。飲料に色と香りを付与する場合は、天然物や植物からアントシアニンを抽出することが好ましい。
アントシアニンを含む植物としては、ブドウ、紫トウモロコシ、ベリー(イチゴ)類、ハイビスカス、紫サボテン類、赤キャベツ、ムラサキイモ、紫蘇等が挙げられる。
アントシアニンは、アントシアニンを含む天然物または植物を酸性溶液に浸すことで抽出することができる。
酸性溶液のpHは、2.0〜5.0の範囲にあることが好ましく、2.5〜4.0の範囲にあることがより好ましく、2.7〜3.5の範囲にあることがさらに好ましい。酸性溶液のpHを低くするほど、アントシアニンの鮮明な赤色を抽出しやすくなるが、酸味が強くなりやすい。酸性溶液のpHを高くするほど、酸味は抑制しやすくなるが、アントシアニンの鮮明な赤色を抽出しにくくなる。
酸性溶液は、水に酸を加えた水溶液であってもよいし、この水溶液にアルコールを加えたものであってもよい。
水と酸とアルコールの割合を変化させることによって、天然物または植物由来のアントシアニンと糖質と香り成分とその他の成分の抽出割合を調整することができる。
酸性溶液を調製するときの酸は、特に制限されない。例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸などの有機酸や、炭酸や塩酸等の無機酸を使用することができる。
これらの酸は一種を使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良い。使用する酸によって濃度は異なるが、いずれの酸であっても天然物または植物由来のアントシアニンの鮮明な赤色を抽出することができる。天然物または植物由来のアントシアニンを使用することで、鮮明な赤色を有する飲料を提供することが可能であるため、他の着色料を添加する必要はない。すなわち、天然物または植物由来100%の鮮明な赤色を有する飲料を提供することができる。
他方で、飲料に含まれる糖質として天然物または植物由来の糖質のみを実質的に含ませることを前提すると、酸としてフィチン酸を使用することが好ましい。フィチン酸は、pH低下作用が強く、酸味を感じにくい。飲料中にフィチン酸を含ませることで、アントシアニンの鮮明な赤色を保持しつつ、甘味を抑えながらも、酸味の少ない飲料を提供することが可能になる。糖質として天然物または植物由来の糖質のみを実質的に含ませるとは、飲料の酸味と甘味のバランスに実質的に寄与しない量の糖質を別途添加することを意味する。天然物または植物由来の糖質とは、天然物または植物由来のアントシアニンを抽出するときに抽出される糖質をいう。本発明においては、糖質として天然物または植物由来の糖質のみを実質的に含むことが好ましい。
酸に占めるフィチン酸の割合は、モル比で50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。100%であっても良い。
天然物または植物からアントシアニンを抽出するときの酸の添加量は、天然物または植物の実際の質量に対して5倍量〜1000倍量の範囲内とすればよい。酸の添加量は、酸の濃度を1%に換算した値とする。
実際の質量とは、天然物または植物が乾燥していればそのときの質量をいい、天然物または植物が水分を含有していればそのときの質量をいう。
天然物または植物からアントシアニンを抽出するときに酸が存在すればよく、酸の添加回数や量は制限されない。酸を数回に分けて添加することも可能である。製造スケールが多くなるにつれて、酸度の値が管理しにくくなる傾向にあることから、抽出後に酸を添加する工程を設けることが好ましい。
(糖質)
糖質としては、グルコース等の単糖類またはスクロース等の二糖類を使用することができるほか、天然物または植物由来の糖質を使用することができる。本発明においては、天然物または植物由来の糖質を100%使用することが好ましい。
本発明に係る飲料に、アントシアニンを含む天然物または植物由来の糖質及び市販のグルコース、スクロース、果糖、異性化糖のような天然物または植物に由来しない糖質は、本発明の作用効果を損ねない範囲で添加することができる。本発明に係る飲料は、酸度を抑えているため、天然物または植物由来の糖質を加える程度で酸味を抑える効果が得られ、ドライな味わいとなる。天然物または植物に由来しない糖質は、ドライな味わいを超えて甘味が感じられる程に含有させないことが好ましい。
(食物繊維)
天然物または植物からアントシアニンを抽出する際に、アントシアニンとともにエグ味成分が抽出される場合がある。例えば、植物として、紫蘇を使用した場合、アントシアニンであるシソニンやマロニルシソニンと、香り成分の主要成分であるペリルアルデヒドとともに、エグ味成分が抽出される。飲料がエグ味を有すると不快に感じることがあるため、エグ味成分が少ないような条件で抽出する方法が好ましいが、アントシアニンとエグ味成分を簡単な方法で分離することは難しい。
本発明に係る飲料は食物繊維を含むことが好ましい。飲料に含まれるエグ味を感じにくくすることができる。食物繊維を添加することでエグ味を感じにくくなる理由は明確ではないが、飲料にボディ感が付与されることに関連しているものと推測される。飲料に食物繊維を含ませることによって、飲料中に含まれるエグ味成分による影響を緩和させることが可能になる。
飲料中に含まれる食物繊維の量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
食物繊維の量が下限値以下であると、飲料中のエグ味を低減する効果があまり期待できない。食物繊維の量が上限値超であると、飲料中のエグ味を低減する効果は増大しにくいので経済的ではない。
食物繊維は、人間の消化酵素では消化されない、多糖類を主体としたものをいう。具体的には、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、ガラクトマンナン、グア豆繊維、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、水溶性トウモロコシ繊維、シクロデキストリン及びそれらの加水分解物などが挙げられる。
(その他の材料等)
本発明の構成及び作用効果を妨げない範囲で、本発明に係る飲料には、その他の材料を配合することができる。その他の材料としては、例えば、着色料、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、牛血清アルブミン等の動物系タンパク質およびペプチド含有物、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤、酸味料、苦味料、甘味料、香料、炭酸等を挙げることができる。
酸度を適切な値に調節した後、天然物または植物からアントシアニンを抽出することにより、鮮やかな赤色を抽出することができる。本発明に係る飲料に、赤色を呈する色素を添加する必要性は少ない。
本発明に係る飲料が炭酸ガスを含む場合、炭酸ガス圧は、約20℃において測定される炭酸ガス圧をいう。炭酸ガス圧は、0.1〜0.3MPaの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.3MPaである。炭酸ガス圧は、国税庁所定分析法に基づく、ビールのガス圧分析法によって測定した値を意味する。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<実施例>
(pHと色調) アルコール分25%の甲類焼酎にフィチン酸(昭和産業株式会社製)を適宜添加し、表1記載の異なるpHの抽出溶液を作製した。当該液1Lに乾燥紫蘇10gを添加し、色調を目視にて観察した。結果を表1に示した。さらに、抽出液を常温で30日間静置した後の色素安定性を目視にて確認した。色素安定性は、抽出直後の色調からほとんど変化がなかったものを◎、抽出直後の色調からわずかに変化があったが赤色であったものを○、抽出直後の色調から変化があり鮮やかな色とは言えないものを△、抽出直後の色調に比べ悪くなったものを×とした。pHによって色調が異なることから、紫蘇由来のシソニンやマロニルシソニン等のアントシアニンが抽出されていることが示唆された。鮮やかな赤色及び赤色を呈した抽出液は、いずれも520〜530nmに極大吸収波長を有することを確認した。鮮やかな赤色を呈する抽出液は、紫蘇の香りが豊かであった。
Figure 0006076531
(紫蘇飲料の調製) 試験区1の紫蘇飲料を以下のようにした調製した。 乾燥紫蘇10gにアルコール分25%の甲類焼酎1Lおよびフィチン酸を0.3ml加え、酸度を0.7に調製した後、60℃に加温しながら2時間撹拌して紫蘇抽出液を得た。この紫蘇抽出液に含まれる糖質は2.0(w/v)%であった。 得られた紫蘇抽出液30mlとアルコール25%の甲類焼酎50mlを混合し、水で100mlにメスアップしたものを、試験区1の紫蘇飲料とした。当該紫蘇飲料は、酸度0.2、糖質0.6(w/v)%、アルコール20%であった。
フィチン酸を0.5ml、0.8ml、1.5ml、3.0mlに変更した以外は試験区1と同様にして、試験区2〜5の紫蘇飲料を得た。試験区3はフィチン酸の添加量が0.8mlであった。
乾燥紫蘇を2gに変更した以外は試験区3と同様にして、試験区6の紫蘇飲料を得た。
紫蘇抽出液30mlとアルコール25%の甲類焼酎50mlと異性化糖0.4gを混合し、水で100mlにメスアップした以外は試験区3と同様にして、試験区7の紫蘇飲料を得た。
異性化糖を1.4g、2.4gまたは4.4gとした以外は試験区7と同様にして、試験区8〜10の紫蘇飲料を得た。
得られた紫蘇飲料の色調、酸味および甘味を官能評価により比較した。なお、試験区1〜10の紫蘇飲料に含まれる水溶性食物繊維量はいずれもゼロであった。
(評価) 赤色発色について、鮮やかで良好であったものを◎、許容範囲内であったものを○、不足であったものを×とした。 酸味および甘味について、過不足なく良好であったものを◎、許容範囲内であったものを○、バランスが良好でないものを△、過剰もしくは不足であり不良であったものを×とした。
Figure 0006076531
試験区2、3の紫蘇飲料はいずれも紫蘇由来の香味(エグ味を除く)が良好であった。特に試験区3の紫蘇飲料はこれに加えて鮮やかな赤色を呈した。
(食物繊維含有紫蘇飲料)
紫蘇抽出液30mlとアルコール25%の甲類焼酎50mlと食物繊維0.1gを混合し、水で100mlにメスアップした以外は試験区3と同様にして、試験区11の食物繊維含有紫蘇飲料を得た。
食物繊維を1.0、1.5、1.7、5.0、10.0gとした以外は試験区11と同様にして、試験区12〜16の食物繊維含有紫蘇飲料を得た。
Figure 0006076531
試験区3〜5及び試験区11〜16に係る紫蘇飲料又は食物繊維含有紫蘇飲料をガラス瓶に詰めた後、室温にて3ヶ月放置したところ、いずれの試験区の飲料においても鮮やかな赤色であった。飲料に含まれる糖質量を1.0(w/v)%以下にすることにより、長期にわたって、鮮やかな赤色を呈する飲料を提供することができる。なお、試験区11〜16の紫蘇飲料はいずれも鮮明な赤色を呈していたことから、食物繊維の含有量を増やしても、アントシアニン由来の赤色に影響はほとんどないものと考えられた。
試験区11〜16の紫蘇飲料は、鮮やかな赤色であり、紫蘇由来の香味に優れ、エグ味を感じなかったことから、飲料として好ましく使用することができる。当該紫蘇飲料を食前、食中、食後に飲んだところ、食中に飲むことにより、甘味酸味を極力まで抑えていることから食べ物由来の味を損なわず、紫蘇の香味をプラスさせる効果があることを確認した。

Claims (13)

  1. 酸度が0より大きく、1.0以下であり、
    糖質が0.1(w/v)%以上3.0(w/v)%以下であり、
    アントシアニンを含有することを特徴とする飲料。
  2. 酸度が0.2以上0.8以下であり、
    糖質が0.1(w/v)%以上2.0(w/v)%以下であることを特徴とする請求項1に記載の飲料。
  3. 酸度が0.3以上0.7以下であり、
    糖質が0.1(w/v)%以上1.5(w/v)%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料。
  4. フィチン酸を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 前記糖質を前記酸度で除した値が、0.2以上4.0以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料。
  6. 食物繊維を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料。
  7. 前記食物繊維を0.1〜10.0(w/v)%含むことを特徴とする請求項6に記載の飲料。
  8. 前記アントシアニンが、520nm〜530nmにおいて極大吸収波長を有することを特徴とする請求項1に記載の飲料。
  9. 510nmにおける吸光度が0.1以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料。
  10. 前記アントシアニンが天然物由来であることを特徴とする請求項1または8に記載の飲料。
  11. 前記アントシアニンが、ブドウ、紫トウモロコシ、ベリー、ハイビスカス、紫サボテン、赤キャベツ、ムラサキイモ、紫蘇から選択される少なくとも一種の天然物に由来することを特徴とする請求項1、8または10に記載の飲料。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の飲料が、さらにアルコールを含有することを特徴とするアルコール飲料。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の飲料または請求項12に記載のアルコール飲料が、さらに炭酸を含有することを特徴とする炭酸飲料または炭酸アルコール飲料。
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