JP5820918B1 - 加温販売用容器詰飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加温による風味・香味の劣化や沈殿の発生等、品質の低下が抑制された加温販売用容器飲料及びその製造方法を提供する。【解決手段】デンプンを0.0005質量%以上0.1質量%以下含有することを特徴とする加温販売用容器詰飲料であって、好ましくは前記デンプンにおけるアミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)?100(%)]が75%以上100%以下であることを特徴とする飲料、その製造方法、及び加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。【選択図】なし

Description

本発明は、加温による風味・香味の劣化や液色の褐変、沈殿の発生等、品質の低下が抑制された加温販売用容器詰飲料及びその製造方法に関するものである。
近年、飲料に対する嗜好の多様化により、容器詰めされた清涼飲料が50〜70℃程度に加温された状態で販売されている。加温販売用の清涼飲料は、加温により香味や風味等が悪化したり、液色が褐変したり、場合によっては沈殿が生じたり等の視覚的変化(色調変化)が生じたりすることがある。
近年、PETボトル等の透明密閉容器に充填した清涼飲料が普及しており、かかる透明密閉容器による販売に供される場合に、特に液色の褐変や沈殿のような視覚的変化が生じると商品価値及び商品寿命を低下させてしまうため、視覚的変化に対応することが必要となる。
このような状況において、従来、茶系飲料に関するものではあるが、調製時に有効成分としてサイクロデキストリンとアスコルビン酸又はアスコルビン酸塩とを配合することにより、加温販売される茶飲料の品質の加温劣化を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。果汁飲料においては、高甘味度甘味料を特定量含有させることにより、加温による品質の劣化を抑制する方法が記載されている(特許文献2参照)。
また、アミロースに関しては、デンプンを高含量で含有するコーンポタージュスープ等の加温販売用容器詰めデンプン含有飲料において、変敗を防止するために添加される脂肪酸エステルの添加量を減少させるためにデンプン中のアミロース量を減少させる技術も知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、加温販売用容器詰飲料の研究開発の歴史は浅く、更なる改良の余地があった。
特開2004−73057号公報 特開2011−72298号公報 特開2008−92867号公報
本発明は、加温による風味・香味の劣化や液色の褐変、沈殿の発生などの品質の劣化が抑制された加温販売用容器詰飲料、加温販売に供される飲料の加温による風味・香味の劣化や液色の褐変、沈殿の発生などの加温劣化を抑制する方法、当該加温販売用容器詰飲料の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究した結果、加温販売に供される飲料にデンプンを所定量含有させることにより、加温による風味・香味の劣化や液色の褐変などの品質劣化を抑制できることを見出した。さらに、アミロペクチンを所定の比率で含有するデンプンを配合することによって、加温による沈殿もまた抑制することができることが判明した。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。
(1)デンプンを0.0005質量%以上0.1質量%以下含有することを特徴とする加温販売用容器詰飲料。
(2)前記デンプンにおけるアミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100]が75%以上100%以下であることを特徴とする1に記載の加温販売用容器詰飲料。
(3)果汁を0.01質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする1又は2のいずれか1項に記載の加温販売用容器詰飲料。
(4)Brixが0.5以上20.0以下であることを特徴とする1〜3のいずれか1に記載の加温販売用容器詰飲料。
(5)デンプンを0.0005質量%以上0.1質量%以下含有させる工程を含むことを特徴とする加温販売用容器詰飲料の製造方法。
(6)前記デンプンにおけるアミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100]を75%以上100%以下に調整する工程を含むことを特徴とする5に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
(7)果汁を0.01質量%以上50質量%以下含有させる工程を更に含むことを特徴とする5又は6に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
(8)Brixを0.5以上20.0以下に調整する工程更に含むことを特徴とする5〜7のいずれか1に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
(9)デンプンを0.0005質量%以上0.1質量%以下含有させる工程を含むことを特徴とする加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。
(10)前記デンプンにおけるアミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100]を75%以上100%以下に調整する工程を含むことを特徴とする9に記載の加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。
(11)果汁を0.01質量%以上50質量%以下含有させる工程を更に含むことを特徴とする9又は10に記載の加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。
(12)Brixを0.5以上20.0以下に調整する工程を更に含むことを特徴とする9〜11のいずれか1に記載の加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。
(容器詰飲料)
本発明において、容器詰飲料とは、好ましくは容器詰清涼飲料であり、風味や香味が付与された飲料が容器に充填された製品のことをいう。本発明の飲料は、好ましくは果実成分を含有する。果実成分とは、果汁、果実抽出物或いはそれらを濃縮したエキス等の加工物のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、非炭酸の飲料では、果汁入り飲料、果粒入り果実ジュースなど、果汁の使用割合が10%以上の「果実飲料」が代表的なものであり、日本農林規格(JAS)及び果実飲料等の表示に関する公正競争規約によって、濃縮果汁、果実ジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料に区分されている。その他の非炭酸の清涼飲料としては、スポーツ飲料、栄養ドリンクなどが挙げられる。一方、炭酸入りの飲料では、果汁入りのフレーバー系炭酸飲料などが挙げられる。また本発明の飲料には、果実飲料としては規格上認められないカテゴリーの「果汁系ニアウオーター」など、果汁の使用割合が10%に満たない新たなカテゴリーの果実成分含有飲料が含まれる。更に、果汁入り酎ハイなどの果実酒類、リキュール類などのアルコール飲料も、本発明の飲料として挙げられる。また、希釈飲料(家庭飲用用の希釈飲料、自動販売機内の希釈飲料など)も本発明の飲料の一つとして挙げられる。
本発明の加温用容器詰飲料は、好ましくは非アルコール性飲料であり、更に好ましくは非炭酸飲料である。また、本発明の容器詰飲料は、好ましくはクリアタイプ、つまり濁っていない、透明の液色とすることにより、消費者に品質の高さを印象付けることが可能となる。
また、本発明において、加温販売用容器詰飲料とは、店頭のウォーマーや自動販売機を介して50〜70℃程度に加温して販売される加温販売用容器詰飲料のことをいう。80℃以上では、やけどをする場合があり、また40℃以下では体温に近くなるか、或いは体温より低くなるという点から、消費者へ販売する際に、飲料の液温を40〜80℃、好ましくは45〜75℃、更に好ましくは50〜70℃に加熱・維持することが好ましい。
(デンプン)
本発明の飲料は、デンプンを0.0005質量%以上0.1質量%以下、好ましくは0.0006質量%以上0.08質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以上0.04質量%以下含有することを特徴とする。この範囲で含有させることにより、容器詰飲料本来の風味やテクスチャーに大きな影響を与えることなく、加温による焼け臭の発生などの風味の悪化や香味の減少、液色の変化(褐変)等、品質の低下を防止することが可能となる。デンプン含有量が0.0005質量%未満では、そのような品質劣化を効果的に抑制することが困難となる一方、0.1質量%を超えると容器詰飲料本来の風味が変化したり、とろみが出てしまうなどの外観変化が生じることになる。
デンプンは単一な物質でなく、α−1,4結合でグルコースが結合された直鎖状のアミロースと、α−1,6結合を介した分枝構造を有するアミロペクチンとの混合物である。本発明に用いられるデンプンは、デンプン含有植物から抽出されたデンプンであり、もち米、うるち米等の米、大麦、小麦等の麦、デントコーン、フリントコーン、ポップコーン、ワキシーコーン等のトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ等の根菜、葛、大豆、エンドウ等の豆由来のデンプンを使用することが可能である。好ましくは、葛デンプン、ジャガイモデンプン及びトウモロコシデンプン(コーンスターチ)を使用する。デンプンは、これらデンプンを飲料に直接配合することが好ましい。
デンプンはHPLCによる定量や、酵素法、簡易比色定量等一般的に用いられる手法により測定可能である。アミロース及びアミロペクチンの測定は、温水抽出やアミロース沈殿剤による分別法を用いて分別後、ヨウ素呈色比色法、電圧滴定法、電流滴定法、濾紙クロマト法などの一般的な手法により測定可能である。
(アミロペクチン含有比)
本発明の飲料は、デンプンにおけるアミロースとアミロペクチンの総量に対するアミロペクチン含有比率(以下アミロペクチン含有比という)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100(%)]が、質量基準で75%以上100%以下、好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは85%以上100%以下、最も好ましくは90%以上100%以下であることを特徴とする。前記アミロペクチン含有比が75%以上であり、比率が高ければ高いほど、加温による焼け臭などの劣化臭や液色の変化(褐変)等の品質低下を抑制する効果に加え、加温によるオリ(沈殿)の発生を抑制し、品質的にさらに優れた製品を製造することが可能となる。ここで、「アミロペクチン」とは、上記のとおり、多糖類の一種であって、グルコースがα−1,4グリコシド結合によって重合した主鎖に、α−1,6グリコシド結合により枝分かれした分岐状の高分子をいう。また、アミロペクチンはデンプンの構成成分であり、デンプンはアミロペクチンとアミロースとの混合物である。ここで、「アミロース」とは、グルコースが主としてα−1,4グリコシド結合によって重合した直鎖状高分子をいう。
アミロペクチンは、アミロペクチンを含有する植物からデンプンを抽出して得ることができる。抽出方法としては、例えば、水、有機溶媒又は有機溶媒水溶液で抽出する方法、超臨界抽出で抽出する方法等の公知の方法が挙げられる。また、得られた抽出物を、遠心分離等で比重の違いに基づいて、デンプン画分とタンパク質画分とに分離回収しても、抽出物中のタンパク質を酵素で分解してデンプンを回収してもよい。なお、抽出に使用する有機溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ここで、デンプン中のアミロペクチンとアミロースとの含有割合は、デンプンを貯蔵する植物の種類により異なり、また同種の植物であったとしても、デンプンの生成器官である葉、茎、根、種子等の各々の組織において著しく量的な差異がある。更に、米、根菜、麦、コーンなど、その由来により、デンプンの形、味、糊化したときの物性等が微妙に異なる。
ワキシー種由来のコーンスターチ(ワキシーコーンスターチ)はアミロペクチン含有量が100%であり、デント種由来のコーンスターチ(コーンスターチ)のアミロペクチン含有量が約74%、そしてハイアミロース種由来のコーンスターチ(ハイアミロースコーンスターチ)は10〜50%のアミロペクチンを含有する。通常はそのアミロース含量によってクラス分けされているが、もち米由来のデンプンは100%のアミロペクチンを含有する。また、馬鈴薯デンプンのアミロペクチン含有量は75%、タピオカデンプンは83%、小麦デンプンは70%、甘藷デンプンは79%、葛デンプンは80%である。
これらのアミロペクチン含有量を考慮しながら1又は2以上の種類のデンプン又はアミロペクチン精製物を適宜混合することにより、アミロペクチン含有比を前述の範囲に調整することが可能である。
(糖度)
糖度(Brix、Bx)は、溶液中の可溶性固形分濃度を意味するものである。本発明の飲料は、0.5以上20.0以下に調整される。糖度が20.0を超えると、長時間加温状態に置いた際の液色の褐変が目立つようになるうえ、過度に濃厚な印象となり、糖度が0.5を下回ると風味的に不十分であり物足りない印象となるためである。外観と風味を良好に維持するには、糖度は好ましくは2.0以上18.0以下、更に好ましくは3.0以上15.0以下、最も好ましくは5.0以上13.0以下に調整される。糖度は、当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。固形分濃度の調整は、原料の選択、原料の配合や水分の添加量など、種々の方法で可能であるが、好ましくは糖及び/又は糖度の高い果実を添加することにより調整する。本発明の飲料に配合し得る糖類としては、例えばショ糖、ブドウ糖、果糖、はちみつ、水飴、黒糖、黒糖蜜等の糖質系甘味料、D−プシコースなどの希少糖を含む希少糖シロップ、例えばステビア、グリチルリチン、アスパルテーム、グリチルリチン酸ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース等の非糖質系甘味料(天然甘味料及び合成甘味料を含む)が挙げられる。これらの糖類は、目的に応じて単独で、又は複数を組み合わせて使用することが出来る。好ましい糖はグラニュー糖である。グラニュー糖は、溶解すると無色透明であるため、飲料の液色に影響を与えないためである。本発明の加温販売用容器詰飲料は、好ましくは透明とすることにより、飲用者に清涼さや爽やかさを想起させることが可能となる。
(pH)
本発明の容器詰飲料において、最終製品のpHは、2.0以上4.0以下とする。この範囲に調整することにより、飲料に求められる酸味や、それに伴う刺激が強すぎると感じることなく、さわやかな風味を感じることができ、本来の風味を維持することが可能となる。好ましくは2.2以上3.8以下、より好ましくは2.4以上3.7以下、更に好ましくは2.5以上3.6以下に調整することにより、品質を安定し、本発明の飲料を安定的に保持することができる。
pHの調整は、重曹等のpH調整剤を添加する等の一般的な方法に基づいて行うことができる。pH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、乳酸、グルコン酸、コハク酸等有機酸及びそれらの塩類、リン酸、塩酸等の無機酸、又はこれらのナトリウム塩、カルシウム塩若しくはカリウム塩、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
(果汁含有量)
本発明の加温販売用容器詰飲料は、好ましくは果汁を含有する。果汁とは、これら成熟した果実を搾汁して得られる果汁、エキス或いは、ピューレなどを含むものであり、市販品を使用しても良い。本発明の飲料は、飲料全体に対する果汁量が0.01質量%以上50.0質量%以下であることを特徴とする。このような範囲であれば、本発明により、良好な風味・香味を維持することができる。好ましくは、0.05質量%以上20.0質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下とする。好ましくは、使用する果汁の種類は1又は複数の混合でもよく、果汁の原料となる果実の種類としては、本発明の効果が発揮される限りにおいて特に限定されることなく、例えば、イチゴ・ブルーベリー・マキュベリーなどのベリー類、キウイフルーツ、ブドウ、リンゴ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、カムカム、ウメ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ナシ、ライチ、メロン、西洋ナシ、ザクロ、柑橘類果実類(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)等が挙げられる。好ましくは柑橘類及びウメであり、特に好ましくはレモンである。本発明において、濃縮物を使用した場合は、ストレート換算した値を含有量とする。また、上記果汁としては、果実の搾汁液(ストレート果汁)、搾汁液を濃縮した濃縮果汁、濃縮果汁を更に希釈した還元果汁、搾汁液に酵素処理等を施すことで清澄化した透明果汁等が挙げられる。
飲料には、処方上添加して良い成分として、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、保存料、調味料、甘味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料;酸化防止剤;炭酸水素ナトリウム(重曹)等のpH調整剤;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;食物繊維、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナイアシン、パントテン酸等の強化剤;各種乳酸菌等の添加剤を単独、又は併用して配合しても良い。
飲料を容器詰飲料にする場合、使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
(ゲル化剤)
飲料の品質を安定化する目的でゲル化剤が用いられることがある。本発明においてゲル化剤を用いる場合は、飲料全量に対して0.01質量%以下含有する。しかしながら、好ましくは本発明の飲料においては、ゲル化剤を用いなくても品質を安定化し、加温による内面・外観の変化を抑制することができる。ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、グァーガム、タラガム、タマリンドガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、カードラン、グルコマンナン等が挙げられ、好ましくはこれらを含有しないことを特徴とする。
本実施形態に係る加温販売用容器詰飲料は、本発明の部分を除き、従来公知の方法により製造することができる。例えば、まず、飲用に適した水にデンプンの他、果汁や糖などを上述したような配合量となるように添加し、所望によりその他の食品添加物等を更に添加して攪拌し、飲料原液を調製する。
上記飲用に適した水としては、例えば、市水、井水、イオン交換水、脱気水等が挙げられるが、これらのうちイオン交換水又は脱気水を用いるのが好ましく、特に脱気水を用いるのが好ましい。脱気水を用いることで、飲料の加温による品質の劣化や液色の褐変等の色調変化をより効果的に抑制することができる。なお、脱気水を用いる場合、飲用に適した水の一部又は全てを脱気水とすることができる。
本発明の加温販売用容器詰飲料の製造に脱気水を用いる場合、脱気水の溶存酸素量は、5.0μg/mL以下であるのが好ましく、特に0.1〜1.0μg/mLであるのが好ましい。溶存酸素量が5.0μg/mLを超えると、脱気水を用いることによる効果が弱くなるおそれがある。
上述のようにして得られた飲料原液にpH調整剤等を添加することにより、飲料原液のpHを所定の範囲に調整する。その後、pHを調整した飲料原液を加熱殺菌して透明密閉容器等の容器に充填する。このようにして、本実施形態に係る加温販売用容器詰飲料を製造することができる。
このようにして製造された加温販売用容器詰飲料中の溶存酸素量は、0.1〜5μg/mLであるのが好ましく、特に0.1〜3μg/mLであるのが好ましい。飲料中の溶存酸素量が5μg/mLを超えると、商品価値を低下させ、商品寿命を短縮させてしまうおそれがある。
このようにして製造される本実施形態に係る加温販売用容器詰飲料は、50〜70℃程度で加温されて販売に供されることになるが、デンプンを含み、それらの配合割合が一定の範囲に調整されていることで、加温による風味・香味の劣化や液色の褐変等の色調変化などの品質低下を効果的に抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、加温販売用容器詰飲料の商品劣化が抑制され、商品寿命を延長させることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例及び比較例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜9,比較例1〜2〕
レモンストレート果汁を1.1質量%及びショ糖を11.0質量%、ハチミツ0.1質量%、トレハロース0.08質量%、環状オリゴ糖0.1質量%、クエン酸0.1質量%、クエン酸ナトリウム0.05質量%、香料0.18質量%を配合し、ゲル化剤(キサンタンガム又はジェランガム)及びアミロペクチン比率が異なるデンプンを、表1に示す配合に従って混合し、イオン交換水でメスアップした。得られた混合物を95℃まで加温して加熱殺菌して、PETボトルに充填することで、飲料(実施例1〜9、比較例1〜2)を製造した。使用したデンプンは以下のとおりである。
アミロペクチン100%:日本食品化工社製ワキシースターチY(トウモロコシ由来)
アミロペクチン80%:旭東社製葛粉K(葛由来)
アミロペクチン75%:三和澱粉社製ナチュラルスターHP−24(ジャガイモ由来)
アミロペクチン50%:アミロペクチン100%とアミロペクチン30%を混合してアミロペクチン比率を50%としたもの。
アミロペクチン30%:日本食品化工社製日食ハイアミローススターチ(トウモロコシ由来)
<成分の測定方法>
(pHの測定方法)
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターにて品温20度にて測定した。
(Brixの測定方法)
デジタル屈折計を使用して測定した。糖度(%)は、示差濃度計「RX−5000αBEV」(アタゴ社製)で測定した。
(デンプン、アミロペクチン及びアミロースの測定方法)
Adkins and Greenwood(1969)の方法に基づき、アミロペクチン及びアミロースを分別した。詳細には、脱脂したデンプン粒を洗浄後水切りしてDMSOに溶解し、2倍量加水し、3.5倍量のアセトンを添加してデンプンを沈殿脱水し、窒素気流中で乾燥させた。この後再びDMSOに溶解させ、攪拌しながら7倍量のアミロース沈殿剤(6v/v%ブタノールと0.1w/v%NaClを含む水)を加え、室温で30分間放置してから1500xgで15分間遠心分離してアミロース複合体と上澄液に分けた。アミロース複合体水溶液を50〜55℃まで加温し、n−ブタノールとNaCl(0.1%)を攪拌しながら添加し、4時間放置した後、遠心分離(1500×g、20分)によってアミロース複合体と上澄液に分け、さらに再結晶の過程を反復してアミロース複合体を得た。上澄液を濃縮してブタノールを除去し、アセトンで沈殿させることにより、アミロースとアミロペクチン様多糖を得た。また、Larsonら(1953)の電流滴定法により、2本の白金電極間に微電圧(10〜15mV)をかけ、酸性溶液でヨウ素酸カリウムを用いて滴定することによりアミロースを定量し、アミロペクチン含有比を算出した。
<液色の評価基準>
液色(変色・褐変)の度合いを、60℃で2週間経過後の保管サンプルを用いて下記評価基準に基づいて目視で評価した。
1:かなり変色・褐変している
2:やや変色・褐変している
3:わずかに変色・褐変している
4:変色・褐変していない
<オリの評価基準>
オリの有無及びその量を、60℃で2週間経過後の保管サンプルを用いて下記評価基準に基づいて目視で評価した。
1:かなりあり
2:ややあり
3:わずかにあり
4:なし
(官能評価)
官能評価は、60℃で2週間経過後の保管サンプルを、下記評価基準に基づいて9人のパネラーが評価し、最も多かった評価を採用した。結果を表1に示す。
<風味>
1:焼け臭などの劣化臭が顕著か、または風味が不良のため、飲料として不適
2:やや劣化臭が感じられるか、風味が良好でなく、飲料としてあまり好ましいとは言えない
3:劣化臭がほとんど感じられず、風味自体もやや良好
4:劣化臭が感じられず、風味も良好
<総合点>
液色・オリの評価点及び味・香りの評価点を総合して導き出した。
<総合評価>
×:いずれかの評価に1があり、かつ総合点が6点以下
△:いずれの評価にも1がなく、かつ総合点が7点未満
〇:いずれの評価にも1がなく、総合点が7点以上11点未満
◎:いずれの評価にも1がなく、総合点が11点以上
Figure 0005820918
(結果)
デンプン不添加の比較例1では液色の褐変がひどく、焼け臭などの劣化臭も発生しており、風味的にも好ましいものではなかった。一方、デンプンを添加した実施例は、比較例に比べて液色の褐変が抑制傾向にあり、焼け臭の発生も抑制傾向にあった。しかしながら、デンプンにおけるアミロースと及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(アミロペクチン含有比)が50%以下の場合は、若干のオリ発生が見られた。アミロペクチン含有比70%を越える実施例においては、オリも抑制され、外観及び風味の両面において十分な劣化抑制効果が発揮された。この傾向は80%以上でより顕著であり、100%に近づくほど良好な加温販売用容器詰飲料であった。デンプンの添加量は0.0008質量%以上という極微量で効果が得られ、ゲル化剤を用いなくても劣化抑制効果は維持されていたが、0.11質量%以上添加すると、外観や風味に悪影響を及ぼした。
本発明は、デンプンを微量添加することにより、加温による香りや味などの風味の劣化、液色の褐変等の品質の低下が抑制された加温販売用容器詰飲料を提供することが可能となる。さらに、そのデンプンにおいて、高いアミロペクチン含有比のデンプンを配合することによって、加温による沈殿もまた抑制することができ、品質的にさらに安定した加温販売用容器詰飲料を提供することができる。

Claims (3)

  1. Brixが0.5以上20.0以下であり、レモン果汁を0.01質量%以上50質量%以下、アミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100(%)]が80%以上100%以下であるデンプン含有植物から抽出されたデンプンを0.0005質量%以上0.08質量%以下含有することを特徴とする加温販売用容器詰飲料。
  2. Brixを0.5以上20.0以下に調整する工程と、レモン果汁を0.01質量%以上50質量%以下、アミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100(%)]が80%以上100%以下であるデンプン含有植物から抽出されたデンプンを0.0005質量%以上0.08質量%以下含有させる工程を含むことを特徴とする加温販売用容器詰飲料の製造方法。
  3. Brixを0.5以上20.0以下に調整する工程と、レモン果汁を0.01質量%以上50質量%以下、アミロース及びアミロペクチンの総量に対するアミロペクチンの比率(質量比)[アミロペクチン含有量/(アミロペクチン含有量+アミロース含有量)×100(%)]が80%以上100%以下であるデンプン含有植物から抽出されたデンプンを0.0005質量%以上0.08質量%以下含有させる工程を含むことを特徴とする加温販売用容器詰飲料の加温劣化抑制方法。
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