JP2020171232A - 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料 - Google Patents

長期間緑色を保持可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間緑色を保持することが可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料等の提供。【解決手段】容器詰青汁含有ゼリー飲料であって、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含む、容器詰青汁含有ゼリー飲料。更にゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維を含む、前記容器詰青汁含有ゼリー飲料。pHが3.0〜5.0であり、糖度が10〜18である、前記容器詰青汁含有ゼリー飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、長期間緑色を保持可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料、その製造方法等に関する。
青汁飲料は簡易に野菜成分を摂取できる健康飲料として消費者に認知されている。近年、健康志向のさらなる高まりを受け、青汁飲料が更に注目を集めている。
青汁飲料はその独特の香味から、青汁の香味が苦手な消費者、特に野菜飲料に抵抗のある消費者からは敬遠されることがあるため、上市されている青汁飲料には、香味を牛乳、糖類、果実素材の配合により改良したものがある。
青汁などの緑色飲料には、その鮮やかな緑色が経時的に劣化するという問題も潜在的に存在している。容器詰青汁飲料の色調を保持する手段として結晶セルロースの使用も知られているが(特許文献1)、近年の健康志向を有する消費者は、原材料や添加物が天然の状態に近く、加工の程度が少ないものを好む傾向がある。
特開2016−093203号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、緑色を長期間保持することが可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、所定のゼリー強度を有する寒天を配合した容器詰青汁飲料を調製したところ、緑色の保持が長期間実現可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]容器詰青汁含有ゼリー飲料であって、
ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含む、容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[2]更にゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維を含む、[1]に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[3]水溶性食物繊維が寒天である、[1]又は[2]に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[4]pHが3.0〜5.0である、[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[5]糖度が10〜18である、[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[6]更にクエン酸を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[7]更に糖類を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[8]更に果実由来の原料を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
[9]有効成分として、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含む、容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色保持剤。
[10]容器詰青汁含有ゼリー飲料を製造する方法であって、
ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む、方法。
[11]容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色を保持する方法であって、
ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む、方法。
本発明によれば、所定のゼリー強度を有する寒天を配合することで、容器詰青汁含有ゼリー飲料に特有の緑色を長期間保持することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
(容器詰青汁飲料)
第一の実施形態に係る容器詰青汁含有ゼリー飲料は、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含むものである。ゼリー強度は好ましくは1300〜2500g/cm2、1500〜2000g/cm2であることが好ましい。このようなゼリー強度を有する寒天(以下、高強度寒天、ともいう)として、カリコリカン(伊那食品工業社製)、UM−11S(伊那食品工業社製)等がある。高強度寒天の配合量は、所望とする緑色保持効果や最終製品の食感などを考慮して0.05〜2.0質量%の範囲内で当業者が適宜決定することできるが、例えば0.3〜1.8質量%の範囲内が好ましく、0.4〜1.5質量%の範囲内がより好ましい。
本明細書で使用する場合、ゼリー強度(A,単位:g/cm2)とは、寒天の性質を表す指標の一つであり、日寒水式で測定される数値を意味する。具体的には寒天の1.5%溶液を調製し、20℃で15時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面1cm2当たり20秒間耐え得る最大重量(g)である。
ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天においては、平均分子量が10000〜2000000が好ましく、さらには30000〜1600000であることがより好ましく、200000〜1000000がより更に好ましい。例えば、カリコリカン(伊那食品工業社製)の平均分子量は92×104であり、UM−11S(伊那食品工業社製)の平均分子量は30×104である。
本明細書で使用する場合、容器詰青汁含有ゼリー飲料とは、青汁などの原料として一般的に使用される緑色野菜を主要な原料として調製される飲料を、ゲル化剤、例えば寒天、こんにゃく(グルコマンナン)等の水溶性食物繊維やゼラチン等を用いてゲル化した飲料を意味する。ゲル化剤は、高強度寒天単独、高強度寒天とその他のゲル化剤との組み合わせ、あるいは高強度寒天以外のゲル化剤の1又は複数の組み合わせ、例えば、ゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維とこんにゃく粉の組み合わせであってもよい。一般的な寒天はゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維である。ゼリー強度が1000g/cm2未満の寒天(低強度寒天ともいう)の例として、ウルトラ寒天イーナ、伊那寒天柔、弾力寒天大和、伊那寒天S−6(ともに伊那食品工業社製)等がある。本実施形態に係るゼリー飲料の食感をより複雑にする観点から、ゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維の配合量は、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
緑色野菜の例としては、大麦若葉、小麦若葉、ケール、モリンガ、明日葉、よもぎ、ゴーヤ、クワ若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツなどが挙げられる。これらの中でも、大麦若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケールが好ましく、大麦若葉、ケールがより好ましく、大麦若葉がさらにより好ましい。大麦の種類は限定されず、六条大麦、二条大麦、裸麦、皮麦等を使用することができる。緑色野菜には抹茶や緑茶等の茶も含まれる。また、緑色野菜と同様にクロロフィルを豊富に含むユーグレナ、スピルリナ、及びクロレラも原料として使用可能である。
ゼリー飲料は、果実由来の原料、例えば果汁及び/又はその濃縮物を含んでもよい。このような原料として、例えば、透明果汁、混濁果汁、濃縮透明果汁、濃縮混濁果汁及びピューレ等が挙げられる。果実由来の原料となる果実の種類としては、グレープ、ピーチ、バナナ、リンゴ、柑橘類、例えばミカン、ゆずなどが挙げられる。その他にも、例えば、メロン、イチゴ、キウイフルーツ、モモ、パイナップル、グアバ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、西洋ナシ、スモモ類等を選択することもできる。なお、上記の果実は単独又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、本実施形態に係る青汁飲料は、本発明の効果を損なわない限り、果汁及び/又はその濃縮物を5〜60質量%程度含有してもよい。
青汁の原料として一般的に用いられる大麦を例に、その茎葉の粉砕物から粉末を得て、青汁飲料を製造する方法を例示する。例えば、大麦の茎葉から粉末を得る場合、まず茎葉を乾燥処理及び粉砕処理にかけることにより粉砕物が得られる。乾燥処理又は粉砕処理のいずれかの処理が他の処理に先行して行われるが、乾燥処理を先に行うことが好ましい。粉砕処理を行う回数は1回でも複数回でもよい。2回以上の粉砕処理を行う場合、最初に粗粉砕処理を行い、その後、より細かく粉砕する微粉砕処理を組合せることが好ましい。
乾燥粉末は、植物体全部又はその一部、例えば、茎や葉などの可食部を乾燥し、それをミル及び臼等の機械的手法によって粉砕するか、あるいは植物体全部又はその一部を粉砕してから得られた粉砕物を乾燥することにより得ることができる。また、植物体全部又はその一部の搾汁液を乾燥することなどにより乾燥粉末を得てもよい。
得られた粉砕物は、更に必要に応じブランチング処理、殺菌処理などの処理から選ばれる1種又は2種以上の処理にかけられる。これにより粉末状の物質が得られる。ブランチング処理は野菜等を加熱してその変質や変色を防ぐ工程であり、その条件は当業者が適宜決定することができる。また、ブランチングを経ることで、得られる搾汁液などの呈味がより向上する傾向にある。
乾燥粉末の重量は、最終製品によって変動する。通常の青汁飲料の場合、例えば、飲料の重量あたり好ましくは0.2〜3.0質量%、より好ましくは0.4〜2質量%程度の乾燥粉末が配合される。
乾燥粉末は、分散性の観点から、好ましくは粒径70μm以下が90%以上のもの、より好ましくは粒径50μm以下が90%以上のもの、より更に好ましくは粒径35μm以下が90%以上のものが使用される。このような乾燥粉末は、例えば、原料をジェットミル等で破砕して得ることができる。また、ここでいう粒径とは、例えばレーザ回折・散乱法にて水およびエタノールなどを溶媒として測定することができる。
本実施形態に係るゼリー飲料は、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合すること以外は、一般的なゼリー飲料の製造に使用されるような公知の方法により製造することができる。例えば、一般的なゼリー飲料は、果実由来の原料や野菜由来の原料(果汁や野菜汁)を混合し、飲料液を得、もう一方でゲル化剤を水性溶媒に分散すること等により製造可能である。そして飲料液とゲル化剤溶液を混合し、また必要に応じて他の成分とを混合した後、容器への充填、殺菌を行った後、冷却することにより容器詰ゼリー飲料を製造することができる。
ゼリー飲料には、飲食品に配合可能な無機塩類のうち、緑色保持効果を有するものを添加することができる。そのような無機塩類として、例えば、グルコン酸塩、硫酸塩等の銅塩類が挙げられる。無機塩類の代わりに、飲食品に配合可能な微生物、乳酸菌や酵母などの中から、銅や亜鉛を豊富に含むものを選んで青汁飲料に添加するのが好ましい。
ゼリー飲料は、緑色保持効果に影響を及ぼさない範囲で、大麦若葉などの青汁飲料の原料に由来するか、別途添加した無機塩類に由来するカルシウムイオンを好ましくは20〜400ppm含有していてもよい。この範囲であれば冷却後の青汁飲料の苦味も抑制することができる。苦味を抑制する観点からは、カルシウムイオンの濃度は50〜300ppmであることがより好ましい。
カルシウムイオンの無機塩類として、例えば、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム及び塩化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム製剤が例示される。乳酸カルシウムが特に好ましい。
本実施形態に係るゼリー飲料の色調は、鮮やかではあるが、自然な緑色であることが好ましい。ここで、本実施形態に係るゼリー飲料において、ハンターLab表色系のa値とb値を用いて液色の緑色度を−a/bで表すことができ、L、a、bの値は市販の一般的な分光色差計を用いて青汁飲料を測定することができる。−a/bは1に近いほど鮮やかな緑色であることを示す。しかしながら、−a/bと、製品として好ましいゼリー飲料の緑色とは必ずしも相関しないため、本実施形態に係るゼリー飲料においては、緑色を−a/bとパネラーによる目視で評価するものとした。本実施形態に係るゼリー飲料の−a/bは、0.6〜1.3であることが好ましい。−a/bがかかる範囲にあれば、ゼリー飲料の緑色が鮮やかではあるが「自然な緑色」ということができる。
本実施形態に係るゼリー飲料は、容器に充填された形、すなわち容器詰飲料で提供される。この場合において、使用される容器は特に限定されず、瓶、缶、紙パック、ペットボトル、ラミネートフィルム製軟包装容器等が挙げられるが、充填及び飲用が容易なものであればよい。広口容器やスパウト付き容器は飲用が容易であり、スクリューキャップを備えたボトル缶は開栓後の再栓が可能であるので便利である。
本実施形態にあっては、前述した成分の他、本実施形態の効果を損なわない範囲において、ビタミン類、ミネラル分、甘味付与剤、香料、酸味料、糊料、機能性成分等を含有してもよい。例えば、銅イオンや亜鉛イオンに由来する金属味をマスキングするために、甘味付与剤や香料などが使用され得る。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK及びビタミンB群等が挙げられる。
ミネラル分としては、例えば、マグネシウム、カリウム、クロム、フッ素、ヨウ素、鉄、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン等が挙げられる。これらは、無機塩として配合されてもよく、他の原料(例えば、前述した緑系植物由来物)の含有成分として配合されてもよい。
甘味付与剤としては、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖などの糖類;キシリトール、パラチノース、エリスリトール等の甘味料;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出物、サッカリン、スクラロース等の高甘味度甘味料;還元麦芽糖、ソルビトール等の糖アルコールなどが挙げられ、さらにシュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料等を含んでいてもよい。
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、植物の種実、根茎、木皮、葉等またはこれらの抽出物、乳または乳製品から得られる香料、合成香料等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられる。中でもクエン酸やクエン酸三ナトリウムが好ましい。クエン酸の含有量を0.01〜0.10mg/100gの範囲とすることで緑色保持効果が増大し得る。
糊料としては、例えば、ペクチン、セルロース、ゼラチン、コラーゲン、寒天、アルギン酸ナトリウム、大豆多糖類、ガラクトマンナン類、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム等が挙げられるが、一部の食物繊維については本発明の沈殿防止効果を阻害しないように配合されるべきである。
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、ヒアルロン酸、プラセンタ、牡蠣エキス、キトサン、プロポリス、ローヤルゼリー、トコフェロール、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、霊芝、アガリクス、イミダゾールジペプチド(アンセリン)等が挙げられる。これらの添加物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本実施形態に係るゼリー飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味料、着色料(色素)、油、pH調整剤、品質安定剤、増粘剤等を含有してもよい。更に、亜鉛イオンと銅イオン以外の緑色保持に有効な成分をゼリー飲料に添加することができる。
ゼリー飲料の糖度(Brix)は、本発明の効果を損なわない限り、目的とする最終製品に応じて当業者が適宜調節できる。例えば、ゼリー飲料中のBrixを、好ましくは約10〜19、より好ましくは約11〜18、より更に好ましくは約12〜17の範囲に調節してもよい。本明細書で使用するBrixは特に断らない限り屈折糖度計を用いて測定した値を意味する。
本実施形態に係るゼリー飲料のpHは、3.0〜5.5、より好ましくは3.5〜5.0である。ゼリー飲料のpHは、常法に従ってpHメーターにて測定することができる。
(緑色保持剤)
第二の実施形態において、容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色保持剤は、有効成分として、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含むものである。寒天濃度は、所望とする効果や他のゲル化剤との濃度を考慮して適宜決定される。緑色保持剤は、亜鉛イオンや銅イオンなどの公知の緑色保持成分を更に含有していてもよい。
(製造方法)
第三の実施形態において、容器詰青汁飲料を製造する方法は、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む。
限定することを意図するものではないが、配合工程以外の青汁含有ゼリー飲料の製造に必要な工程、例えば大麦若葉等の原料などの調製工程については上述した工程や公知の工程を使用することができる。
(緑色保持方法)
第四の実施形態において、容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色を保持する方法は、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(試験1)
大麦若葉濃縮汁(宮崎農協果汁社製、クロロフィル含有量429mg/100g、ポリフェノール含有量497mg/100g)、ホワイトグレープ濃縮果汁(宮崎県農協果汁社製、ポリフェノール含有量5.9mg/100g)、カリコリカン(伊那食品社製:ゼリー強度1800g/cm2;平均分子量=92×104)、シトリファイ(鳥越製粉社製)、弾力寒天大和(伊那食品工業社製:ゼリー強度600g/cm2)及び寒天イーナ(伊那食品社製:ゼリー強度30g/cm2)を下記表に記載の配合割合となるようにそれぞれ配合し、純水でメスアップし、各1000gの青汁ゼリー飲料液を作成した)。pHは、クエン酸を用いて調整した。なお表中の原料の配合量はストレート換算した値(SS)を示している。
得られた青汁ゼリー飲料液をそれぞれ160gずつアルミパウチ容器に充填し、F0値0.015以上となるように殺菌し、青汁ゼリー飲料を得た(実施例1〜4及び比較例1〜3)。
緑色植物原料を13.0質量%、果実原料を56質量%配合した青汁飲料に対し、水溶性食物繊維を添加して緑色保持効果を確認した。
(ポリフェノール含有量)
タンニン酸を標準物質として酒石酸鉄による比色法を用いて求められる量をポリフェノール量とした。
(クロロフィル含有量)
各青汁飲料中のクロロフィル含有量は、分光光度計(島津社製UV1650PC)を用いた吸光光度法によって以下の波長で測定した。
Chl a=13.43×A663.8−3.47×A646.8
Chl b=22.90×A646.8−5.38×A663.8
Chls a+b=19.43×A646.8+8.05×A663.8nm
なお、クロロフィル含有量は、クロロフィルa及びクロロフィルbの合計値を示す。
(pH)
各青汁ゼリー飲料のpHは堀場製作所F−52型・卓上pHメーターを用い、品温20℃にて測定した。
(Brix)
各青汁ゼリー飲料中のBrix(可溶性固形分)は、光学屈折率計によって測定した。測定にはアタゴ社製Digital Refractometers(RX5000α−Bev)を使用し、品温20℃にて測定した。
(クエン酸)
各青汁ゼリー飲料中のクエン酸含有量は、LC−10ADvp(株式会社 島津製作所)を用いて、HPLC法に基づいてクエン酸含有量を測定した。
(単糖含有量及び二糖含有量)
単糖含有量及び二糖含有量は、HPLC糖分析装置(Dionex社製)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム:Dionex社製Carbopack PA1 φ4.6×250mm
カラム温度:30℃
移動相:A相 200mM NaOH
:B相 1000mM Sodium Acetate
:C相 超純水
流速:1.0mL/min
注入量:50μL
検出:Dionex社製ED50 金電極
なお、単糖含有量は、グルコース及びフルクトースの総量とし、二糖含有量は、スクロース及びマルトースの総量として算出した。
(官能評価試験)
下記表の記載に基づき調製した青汁ゼリー飲料サンプルを37℃の恒温機にそれぞれ4週間保管した後、各青汁飲料サンプルを野菜飲料の開発業務に従事する、官能試験の専門パネラー7人によって、下記の評価項目に従って官能評価を実施し、最も多かった評価を採用した。
なお、官能評価項目における「緑色保持性」のコントロールには5℃で4週間冷蔵保管した実施例1のサンプル(コントロール1)と、実施例1のカリコリカンを配合せずに作成した飲料サンプルを37℃の恒温機に4週間間保管したサンプル(コントロール2)を採用し、パネラー間で事前にコントロールのサンプルの緑色の変化を確認し、官能評価基準を共有化した。
<官能評価項目>
食感の強さ 5:しっかりとした食感であり、ゼリー飲料として非常に適している
4:わずかに軟らかい、もしくはわずかに硬い程度であり、ゼリー飲料として適している
3:やや軟らかい、もしくはやや硬いが、ゼリー飲料として飲用できる
2:軟らかい、もしくは硬く、ゼリー飲料として飲用しにくい
1::非常に軟らかい、もしくは非常に硬く、ゼリー飲料として不適である
緑色保持性 5:鮮やかな緑色を有している(コントロール1と同等)
4:ほとんど緑色に変化はないものの、コントロール1よりは色が暗いか、薄い
3:わずかに褐色に変化しているか、わずかに緑色が薄い
2:褐色に変化しているか、緑色が薄い
1:かなり褐色に変化しているか、緑色が非常に薄い(コントロール2と同等)
カリコリカンのような食感の硬い寒天を使用した場合、濃度依存的に緑色保持効果が増強されたのに対し(実施例1−4)、同じ寒天でもゲル強度の低い寒天やシトラスファイバーを単独で使用した場合には緑色保持性が低下した。
以下の表のように緑色植物や果実原料の種類を変更した場合でも、ゲル強度の高い寒天による緑色保持効果が確認された。
実施例5に使用した材料のうち、水溶性食物繊維の種類と配合量のみを以下の表のとおり変更したサンプルを調製し、緑色保持効果を確認した。
ゲル強度の高いカリコリカンは濃度異存的に緑色保持効果を増大した。一方、単独では効果を示さなかった水溶性食物繊維もカリコリカンとの組み合わせで緑色保持効果を示した。
続いて、以下の表のように大麦若葉の配合量が異なるサンプルを調製し、ゲル強度の高い寒天による緑色保持効果を検討した。
緑色保持効果に関して、大麦若葉の配合量や、クロロフィル濃度、ポリフェノール濃度の違いによる影響は特に確認されなかった。大麦若葉以外の植物原料を使用した場合でも同様に緑色保持効果が確認された(結果は示さず)。

Claims (11)

  1. 容器詰青汁含有ゼリー飲料であって、
    ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含む、容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  2. 更にゼリー強度が1000g/cm2未満の水溶性食物繊維を含む、請求項1に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  3. 水溶性食物繊維が寒天である、請求項1又は2に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  4. pHが3.0〜5.0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  5. 糖度が10〜18である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  6. 更にクエン酸を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  7. 更に糖類を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  8. 更に果実由来の原料を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器詰青汁含有ゼリー飲料。
  9. 有効成分として、ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%含む、容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色保持剤。
  10. 容器詰青汁含有ゼリー飲料を製造する方法であって、
    ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む、方法。
  11. 容器詰青汁含有ゼリー飲料の緑色を保持する方法であって、
    ゼリー強度が1000g/cm2以上の寒天を0.05〜2.0質量%配合する工程を含む、方法。
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