JP2021061777A - 飲料、光劣化臭抑制剤、光劣化臭抑制方法 - Google Patents

飲料、光劣化臭抑制剤、光劣化臭抑制方法 Download PDF

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Ryunosuke Hayashi
龍之介 林
賢太 今田
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Abstract

【課題】ソフトフルーツ果汁含有飲料において光劣化臭を抑制すること。【解決手段】飲料は、ソフトフルーツ果汁及びペプチドを含む。ペプチドは、乳由来ペプチドであってもよい。ペプチドは、乳由来のカゼインペプチドであってもよい。飲料中のペプチドの含有量は、0.05〜0.25質量%であってもよい。飲料の果汁含有率は、5〜50質量%であってもよい。ソフトフルーツ果汁は、ブドウ果汁であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトフルーツ果汁含有飲料、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制方法に関する。
果物の果汁を含む飲料(以下、「果汁飲料」という。)は、嗜好性の高い飲料のひとつとして、消費者に幅広く受け入れられている。しかし、果汁飲料の原料として用いる果物等の種類によっては、果汁飲料の保存期間中に、果汁中の成分が光等によって変化し、その結果、飲料から不快な臭気が発生することがある。
光等による成分変化が生じ得る果汁としては、ソフトフルーツ果汁が挙げられる。例えば、店舗等に陳列されたソフトフルーツ果汁含有飲料は、光に照射されることによって、経時的に樹脂臭やカメムシ臭等と呼ばれる好ましくない臭気(本明細書において、このような臭気を「光劣化臭」ともいう。)を生じ得る。このような飲料は、風味に劣り、商品価値が著しく低下してしまうという問題がある。
飲料における、このような風味劣化を抑制する方法として、酸化防止剤を飲料に配合することが知られている。また、特許文献1には、レモン等の柑橘系の果実フレーバーを含む透明飲料における果実フレーバー由来の異臭を、所定の香気成分を配合することでマスキングする方法が提案されている。
しかし、酸化防止剤を用いる方法には、(1)酸化防止剤に含まれる乳化剤成分と果汁由来の成分とが反応することで乳化破壊が生じ、液面に浮遊物が発生し得ること、(2)酸化防止剤に含まれる脂溶性成分に由来する濁りが発生し得ること、(3)酸化防止剤の使用は、通常高いコストがかかること、等の問題が懸念される。
また、特許文献1には、レモン等の柑橘系の果実フレーバー由来の異臭をマスキングする方法について記載されているものの、異臭の原因(異臭成分等)は果実の種類ごとに異なるため、柑橘系以外の果実フレーバー由来の異臭への効果は不明である。また、果実フレーバーとは、通常、果物中の特定の香気成分を単離したもの等を意味するところ、柑橘系の果実フレーバーと、その他の果実由来の果汁などとは、含まれる成分の種類や量等が大きく異なる。そのため、特許文献1の方法がソフトフルーツ果汁の異臭に対してどのような影響を及ぼすかは予測できない。
特開2016−127818号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ソフトフルーツ果汁含有飲料において光劣化臭を抑制することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを含有させることで、光劣化臭が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
<1> ソフトフルーツ果汁及びペプチドを含む、飲料。
<2> 上記ペプチドが乳由来ペプチドである、<1>に記載の飲料。
<3> 上記乳由来ペプチドがカゼインペプチドである、<2>に記載の飲料。
<4> 上記ペプチドの含有量が0.05〜0.25質量%である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の飲料。
<5> 果汁含有率が5〜50質量%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の飲料。
<6> 上記ソフトフルーツ果汁がブドウ果汁である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の飲料。
<7> ペプチドを含む、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤。
<8> ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを配合する工程を含む、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制方法。
本発明によれば、ソフトフルーツ果汁含有飲料において光劣化臭を抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において「X〜Y(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
<1.飲料>
飲料は、ソフトフルーツ果汁及びペプチドを含む。本明細書において、ソフトフルーツ果汁を含む飲料を「ソフトフルーツ果汁含有飲料」ということもある。ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを含有させることで、光劣化臭を抑制することができる。
[ソフトフルーツ果汁]
本明細書において、「ソフトフルーツ」とは、柑橘系のフルーツ以外のフルーツのことをいう。「ソフトフルーツ果汁」はソフトフルーツの果実からの搾汁を用いて得られる。ソフトフルーツ果汁としては、例えば、搾汁(ストレート果汁)をそのまま用いてもよく、搾汁を加工したものを用いてもよい。搾汁を加工したものとしては、搾汁液を濃縮した濃縮果汁、搾汁液の濃縮果汁を希釈した還元果汁、果実の搾汁液を裏ごししたピューレ等が挙げられる。
搾汁を加工する方法としては、酵素処理法、精密濾過法、限外濾過法等が挙げられる。
搾汁は清澄処理した透明果汁でもよく、混濁果汁でもよい。
本実施形態に係る飲料に含まれるソフトフルーツ果汁は、特に限定されず、例えば、ブドウ、桃、バナナ、リンゴ、イチゴ、メロン、マンゴー、梅、サクランボ、カシス等の果汁が挙げられる。これらの内、本発明の効果が特に奏されやすいという観点から、ソフトフルーツ果汁はブドウ果汁であることが好ましい。上記のソフトフルーツ果汁は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ソフトフルーツ果汁としてブドウ果汁を用いる場合のブドウの品種は特に限定されない。赤ブドウであれば、例えば、コンコード、巨峰、紅マスカット、デラウェア、安芸クイーン、サニードルチェ、サニールージュ、ピオーネ、藤稔、ナガノパープル、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シラーズ、キャンベル・アーリー、スチューベン等が挙げられる。白ブドウであれば、例えば、マスカット(マスカットオブアレキサンドリア)、ナイアガラ、ロザリオビアンコ、ピッテロビアンコ、シャルドネ、トムソン・シードレス等が挙げられる。これらの内、ソフトフルーツ果汁は、光劣化臭がより問題となり易い赤ブドウ果汁であることが、より好ましい。
ソフトフルーツ果汁は、ソフトフルーツ以外のフルーツ等から得られる果汁(例えば、オレンジ果汁、ミカン果汁、マンダリン果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁等)と併用してもよい。このような果汁をソフトフルーツ果汁とともに併用する場合、その配合量は得ようとする風味等に応じて適宜調整できるが、本発明の効果が奏されやすいという観点から、果汁の合計量の過半がソフトフルーツ果汁であることが好ましい。
本実施形態に係る飲料の果汁含有率は特に限定されないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、飲料の果汁含有率は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
なお、「果汁含有率」とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100質量%としたときの相対濃度であり、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される糖用屈折計示度の基準(°Bx)に基づいて換算される。例えば、ブドウ果汁はJAS規格が11°Bxであるから、55°Bxの濃縮ブドウ果汁を飲料中10質量%配合した場合、果汁含有率は50質量%となる。ただし、果汁の果汁含有率をJAS規格の糖用屈折計示度に基づいて換算する際には、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
ソフトフルーツ果汁は、「果実飲料の日本農林規格」の第2条の「濃縮果汁」の定義を満たすものであってもよい。
[ペプチド]
本実施形態に係る飲料に含まれるペプチドは特に限定されず、例えば、乳由来ペプチド、大豆ペプチド、コラーゲンペプチド、卵ペプチド、小麦ペプチド等が挙げられる。この内、乳由来ペプチドとしては、例えば、牛乳、馬乳、山羊乳、羊乳等の獣乳に由来するペプチドが挙げられる。また、乳由来ペプチドとしては、牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテインをタンパク質加水分解酵素で分解して得られるホエイペプチドやカゼインペプチドが挙げられる。カゼインペプチドの具体例としては、ラクトノナデカペプチド(本明細書において、「LNDP」ともいう。)、ラクトトリペプチド(本明細書において、「LTP」ともいう。)等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ペプチドの内、光劣化臭抑制効果が奏されやすいという観点から、飲料に含まれるペプチドは乳由来ペプチドであることが好ましく、乳由来ペプチドはカゼインペプチドであることがより好ましい。
また、飲料の開発においては、どのような課題を解決する場合であっても、「おいしさ」を良好とすることは必須要件となる。したがって、本実施形態に係る飲料においても、光劣化臭の抑制に加えて、おいしさも良好にすることが好ましい。
そのような観点から、本実施形態における飲料に含まれるペプチドの分子量分布は、500〜6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として5質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、本実施形態における飲料に含まれるペプチドは、分子量分布が500以上10000以下のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として50質量%以上であることが好ましい。ソフトフルーツ果汁含有飲料に、分子量分布が上記のようなペプチドを配合することで、光劣化臭の抑制に加えておいしさを良好にすることができる。このようなペプチドの具体例として、LNDP等が挙げられる。
なお、ペプチドとしてはLTPを用いることもできる。但し、LTPをペプチドとして配合した場合は、果汁飲料らしくない風味が強くなる傾向にある。
ペプチドの分子量は、公知の方法で測定することができ、例えば、粘度測定、HPLC及びサイズ排除クロマトグラフ法等の定量方法によって測定できる。これらの内、サイズ排除クロマトグラフ法であることが好ましい。サイズ排除クロマトグラフ法を用いる場合、使用カラムはTSKgel G2500PWXL(東ソー株式会社製)とすることが好ましい。
ペプチドは、化学的に合成する方法や酵素的な反応により合成する方法等の公知の手法を適宜用いることによって製造することができ、市販のものを用いてもよい。
本実施形態に係る飲料において、ペプチドの含有量は特に限定されないが、本発明の効果が奏されやすいという観点から、飲料全体を100質量%とした場合に、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。
また、光劣化臭の抑制に加えて、おいしさも良好にする観点から、ペプチドの含有量は0.25質量%以下であることが好ましい。
[その他の成分]
本実施形態に係る飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的な飲料に通常用いられる他の原材料や添加剤を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
本実施形態に係る飲料に配合し得る成分としては、下記のものが挙げられる;糖類(砂糖、果糖、ぶどう糖、乳糖、麦芽糖等の単糖や二糖、オリゴ糖)、糖アルコール(エリスリトールやマルチトール等)、異性化糖(果糖ぶどう糖液糖等)、甘味料(ステビア、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等)、増粘安定剤(大豆多糖類、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム等)、酸化防止剤(トコフェロール、塩酸システイン等)、色素(カロチノイド色素、アントシアニン色素、カラメル色素、各種合成着色料等)、香料、保存料、防腐剤、防かび剤、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE等)やミネラル類(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等)、食物繊維等。
本実施形態に係る飲料は、水等の溶媒を含んでいてもよい。また、本実施形態に係る飲料の形態は特に限定されず、果汁をベースとしたソフトドリンク、炭酸を含む炭酸飲料、アルコールを含むアルコール飲料、ゲル化剤を含むゼリー飲料等であってもよいが、アルコールを含まない飲料が好ましい。
<2.飲料の製造方法>
本実施形態に係る飲料は、ソフトフルーツ果汁、ペプチド、及びその他の成分を適宜調整して配合することで製造できる。具体的な製造方法は、常法に従えばよく、例えば、準備されたそれぞれ所定量の原料を溶媒に順次又は同時に添加し、撹拌等により混合し、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理することで製造できる。原料の混合順序等については、特に限定されない。また、殺菌処理の方法は特に限定されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等が挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、風味を良好にするという観点から、pHが2.0〜4.6であることが好ましい。飲料に含まれるソフトフルーツ果汁は、天然物に由来するため、酸度が品種や収穫後の経過時間(熟度)によって異なる。そのため、本実施形態に係る飲料のpHがこの数値範囲にない場合は、pH調整剤やソフトフルーツ果汁以外の果汁を添加したり、複数種のソフトフルーツ果汁の混合比を調整したりすることで調整することができる。
pH調整剤としては、酸味料として一般的に使用される有機若しくは無機の食用酸又はそれらの塩を用いることができる。有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸等が挙げられる。無機酸としては、リン酸等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩等が挙げられる。pH調整剤の使用量は、所望のpHとすることができ、かつ飲料の風味に大きな影響がない範囲であれば特に限定されない。
ソフトフルーツ果汁のpH調整は、ペプチドの添加前又は後のいずれのタイミングで行ってもよい。
本実施形態に係る飲料を充填する容器の種類としては特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(PETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、ガラス瓶等の密封容器が挙げられる。容器に入れた光劣化臭が生じやすく、本発明の効果が特に奏されやすいという観点から、飲料を充填する容器は透明容器であることが好ましい。
<3.ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤>
ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤は、ペプチドを含む。上記のとおり、ペプチドは、ソフトフルーツ果汁含有飲料において光照射によって生じる異臭成分の臭気を抑制できるため、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤の有効成分となる。なお、光劣化臭抑制剤は、ペプチド以外の成分を含有するものとペプチド以外の成分を含有しないものの両方を含む。
光劣化臭抑制剤は、ペプチドを含んでいれば特に限定されないが、ペプチドからなることが好ましい。光劣化臭抑制剤に用いられるペプチドは、飲料について上述したペプチドを用いることができる。また、光劣化臭抑制剤にペプチド以外の成分が含まれる場合、その種類及び含量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。
本実施形態に係る光劣化臭抑制剤は、化学分野において採用される任意の方法や適当な改良を加えた方法によって製造することができる。
本実施形態に係る光劣化臭抑制剤を、ソフトフルーツ果汁含有飲料に配合する場合の配合量は特に限定されないが、本発明の効果が奏されやすいという観点から、飲料全体を100質量%とした場合に、光劣化臭抑制剤に含まれるペプチドの含有量が0.01質量%以上となるように配合することが好ましく、0.05質量%以上となるように配合することがより好ましい。但し、上述したように飲料のおいしさを良好にする観点から、光劣化臭抑制剤に含まれるペプチドの配合量が0.25質量%以下となるように配合することが好ましい。
<4.ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制方法>
ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制方法は、ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを配合する工程を含む。上記のとおり、ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを配合することで、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭を抑制できる。配合されるペプチドの種類や量等の詳細は、上記飲料で説明したとおりである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
まず、以下の5種類のペプチドを準備した。
・乳カゼインペプチド−1:ラクトノナデカペプチド(LNDP)
特許第5718741号公報段落[0108]〜[0110]に記載の方法に従って作
製し、7時間反応させたものを用いた。
分子量分布は、500〜6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比
として65質量%であった。
・乳カゼインペプチド−2:ラクトトリペプチド(LTP)
特開2011−102327号公報段落[0024]実施例1に記載の方法で作製した

分子量分布は、500〜6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比
として7質量%であった。
・ホエイペプチド:THERMAX 690(日成共益社製)
・大豆ペプチド:ハイニュート−DC6(不二製油社製)
・フィッシュコラーゲンペプチド:HPフィッシュコラーゲン(協和発酵バイオ株式会
社製)
[実施例1:ペプチドの配合による光劣化臭抑制効果の検証]
(飲料の作製)
下記表1に示す組成にて、飲料を調製した。各飲料の果汁含有率は20質量%である。なお、表1における数値は、調製した飲料1000gに対する質量(g/1000g)を示す。得られた各飲料はPETボトル(500mL)に入れ、下記の光照射試験に供するまで遮光して冷蔵保管した。
Figure 2021061777
(飲料への光(LED)照射)
得られた飲料に対して、LEDによる照射(200万Lx・h)を20℃で行った。
(官能評価)
飲料への光照射後、各飲料について官能評価を行った。また、各飲料について、光照射を行わずに遮光下で保存した点以外は上記光照射試験と同様の条件で保存した飲料(表において、「未劣化」と示す。)についてもあわせて官能評価を行った。官能評価は習熟したパネル5名により、「おいしさ」、「光劣化臭の程度」、「苦味の程度」について行った。各評価は、下記の採点基準に従って各パネルが付けた評価点数に基づき実施した。
「おいしさ」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7点:大変良い
6点:良い
5点:やや良い
4点:普通
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:大変悪い
「光劣化臭の程度」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7点:光劣化臭が非常に認められ、消費者からの苦情が来る可能性が高い
6点:光劣化臭がかなり認められ、消費者からの苦情が懸念される
5点:光劣化臭が認められるが、飲料としての品質は満たしている
4点:光劣化臭が比較的認められる
3点:光劣化臭が少し認められる
2点:光劣化臭がわずかに認められる
1点:光劣化臭が認められない
「苦味の程度」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7点:大変強い
6点:強い
5点:やや強い
4点:普通
3点:やや弱い
2点:弱い
1点:大変弱い
かかる評価において、「おいしさ」は、比較例1の未劣化の飲料の点数を基準値(4点)とした場合で評価した。また、「光劣化臭の程度」は、各飲料における未劣化の飲料の点数を基準値(1点)として評価し、比較例1の劣化の飲料の基準値(7点)と比較した。また、「苦味の程度」は、比較例1の未劣化及び劣化の飲料の点数を基準値(1点)とした場合で評価した。
下記表2及び表3に、官能評価結果を示す。表中、「おいしさ」の欄には、「おいしさ」の結果を、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。「光劣化臭」の欄には、「光劣化臭の程度」の結果を、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。「苦味」の欄には、「苦味の程度」の結果を、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。
Figure 2021061777
Figure 2021061777
表2及び表3に示されるとおり、ペプチドをソフトフルーツ果汁含有飲料に配合すると、LED照射による光劣化臭が抑制された。また、ペプチドの配合量が増加するに従って、光劣化臭の抑制の程度が高まる傾向にあることが示された。
一方で、実施例1−5や実施例1−6のようにペプチドの配合量が多くなると、苦味が増加し、おいしさが不良となる傾向にあることが示された。よって、光劣化臭を抑制し、かつ、おいしさも良好とするためには、ペプチドの含有量を0.05〜0.25質量%の範囲とすることが好ましいことがわかった。
[実施例2:果汁含有率の変化による光劣化臭抑制効果への影響の検証]
(飲料の作製)
下記表4に示す組成にて、果汁含有率が異なる飲料を調製した。なお、表4における果汁含有率以外の数値は、調製した飲料1000gに対する質量(g/1000g)を示す。得られた各飲料はPETボトル(500mL)に入れ、下記の光照射試験に供するまで遮光して冷蔵保管した。
Figure 2021061777
(官能評価)
実施例1と同様の方法で飲料への光照射を行った後に、実施例1と同様の方法で官能評価を行った。
かかる評価において、「おいしさ」は、各果汁率における比較例の未劣化の飲料の点数を基準値(4点)とした場合で評価した。また、「光劣化臭の程度」は、各飲料における未劣化の飲料の点数を基準値(1点)として評価し、各果汁率における比較例の劣化の飲料の基準値(7点)と比較した。また、「苦味の程度」は、各果汁率における比較例の未劣化及び劣化の飲料の点数を基準値(1点)とした場合で評価した。
下記表5及び表6に、官能評価結果を示す。
Figure 2021061777
Figure 2021061777
表5及び表6に示されるとおり、ペプチドをソフトフルーツ果汁含有飲料に配合すると、飲料の果汁含有率にかかわらず、LED照射による光劣化臭の抑制が示された。
一方で、実施例2−3のように果汁含有率が高くなると、苦味が増加し、おいしさが不良となる傾向にあることが示された。よって、光劣化臭を抑制し、かつ、おいしさも良好とするためには、果汁含有率を5〜50質量%の範囲とすることが好ましいことがわかった。
[実施例3:ペプチドの種類の違いによる光劣化臭抑制効果への影響の検証]
(飲料の作製)
下記表7に示す組成にて、飲料を調製した。各飲料の果汁含有率は20質量%である。なお、表7における数値は、調製した飲料1000gに対する質量(g/1000g)を示す。得られた各飲料はPETボトル(500mL)に入れ、下記の光照射試験に供するまで遮光して冷蔵保管した。
Figure 2021061777
(官能評価)
実施例1と同様の方法で飲料への光照射を行った後に、実施例1と同様の方法で官能評価を行った。
かかる評価において、「おいしさ」は、比較例3の未劣化の飲料の点数を基準値(4点)とした場合で評価した。また、「光劣化臭の程度」は、各飲料における未劣化の飲料の点数を基準値(1点)として評価し、比較例3の劣化の飲料の基準値(7点)と比較した。また、「苦味の程度」は、比較例3の未劣化及び劣化の飲料の点数を基準値(1点)とした場合で評価した。
下記表8及び表9に、官能評価結果を示す。なお、表8の試験と表9の試験は別の日に行ったため、各日ごとに比較例と比較し評価した。
Figure 2021061777
Figure 2021061777
表8及び表9に示されるとおり、いずれのペプチドを配合した場合でも比較例と比べて光劣化臭が抑制されていることが示された。
また、大豆ペプチド(実施例3−2)やコラーゲンペプチド(実施例3−3)に比べて、ホエイペプチド(実施例3−1)やLTP(実施例3−4)の方が、光劣化臭の抑制の程度が高いことが示された。また、同含有量のLNDP(実施例1−3)との比較においても、大豆ペプチドやコラーゲンペプチドよりも、LNDPの方が光劣化臭の抑制の程度が高かった。
これらの結果より、いずれのペプチドを配合した場合でも光劣化臭は抑制されるが、LNDP、LTP、ホエイペプチドのような乳由来ペプチドが特に抑制の程度が高く、飲料に含有させるペプチドとしては、乳由来ペプチドを用いるのが好ましいことがわかった。
更に、LNDP、LTP、ホエイペプチドの間で比較すると、ホエイペプチドよりもLNDP及びLTPの方が光劣化臭の抑制の程度が高く、飲料に含有させるペプチドとしては、特に乳由来のカゼインペプチドを用いるのがより好ましいことがわかった。
また、共に乳由来のカゼインペプチドであるLNDPとLTP間で比較すると、光劣化臭の抑制の程度は同等であるが、LNDPを配合した場合の方が、おいしさが良好となる傾向にあることがわかった。

Claims (8)

  1. ソフトフルーツ果汁及びペプチドを含む、飲料。
  2. 前記ペプチドが乳由来ペプチドである、請求項1に記載の飲料。
  3. 前記乳由来ペプチドがカゼインペプチドである、請求項2に記載の飲料。
  4. 前記ペプチドの含有量が0.05〜0.25質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. 果汁含有率が5〜50質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
  6. 前記ソフトフルーツ果汁がブドウ果汁である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
  7. ペプチドを含む、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制剤。
  8. ソフトフルーツ果汁含有飲料にペプチドを配合する工程を含む、ソフトフルーツ果汁含有飲料の光劣化臭抑制方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022185958A1 (ja) * 2021-03-04 2022-09-09 不二製油グループ本社株式会社 光照射による風味劣化の抑制された水系組成物

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WO2022185958A1 (ja) * 2021-03-04 2022-09-09 不二製油グループ本社株式会社 光照射による風味劣化の抑制された水系組成物

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