JP2022025491A - 果汁含有飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】低果汁領域においても、果汁感が良好な果汁含有飲料を提供する。【解決手段】果汁含有飲料は、果汁を含む果汁含有飲料であって、(E)-β-ダマスコンを含み、(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満である。果汁含有飲料の果汁率は1~20質量%であってもよい。果汁含有飲料中の(E)-β-ダマスコンの含有量は1ppb以上1ppm以下であってもよい。果汁含有飲料はリンゴの果汁を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、果汁含有飲料に関する。
果物の果汁や果汁の香りを有する飲料(以下、「果汁含有飲料」という。)は、嗜好性の高い飲料のひとつとして、消費者に幅広く受け入れられている。このような飲料は、果実由来の果汁感等の風味によって、飲用したときに果実の風味が得られるという特徴がある。
果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるこのような風味を増強するためには、果汁の含有率をなるべく高くすることが本質的な解決方法である。しかしながら、果汁の含有率を高くすると、保存期間の経過に伴う風味の劣化を感じやすいという問題がある。また、原料に使用するコストの制約という点からも、低果汁領域において果汁の含有率を固定したままでも果汁感等の風味の強さを調整できることが好ましい。低果汁飲料において感じられる果汁感やコクを高める方法としては、例えば特許文献1等が知られている。
商品設計の自由度の観点から、様々な方法により果汁感を高められることが好ましく、そのため、更なる新規な方法が求められている。
特開2016-73275号公報
本発明はこのような実情に鑑みて提案されたものであり、低果汁領域においても、果汁感が良好な果汁含有飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、果汁含有飲料が所定の濃度の(E)-β-ダマスコンを含むことで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
<1> 果汁を含む果汁含有飲料であって、(E)-β-ダマスコンを含み、上記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満である、果汁含有飲料。
<2> 果汁率が1~20質量%である、<1>に記載の果汁含有飲料。
<3> 上記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上1ppm以下である、<1>又は<2>に記載の果汁含有飲料。
<4> リンゴの果汁を含む、<1>~<3>のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
<5> 果汁を含む果汁含有飲料の製造方法であって、上記果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加する工程を含む、果汁含有飲料の製造方法。
<6> 果汁含有飲料の果汁感を向上させる方法であって、上記果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加する、果汁感向上方法。
<7> 果汁含有飲料の風味を増強させる風味増強剤であって、(E)-β-ダマスコンを含み、上記果汁含有飲料における上記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満となるように添加して用いられる、風味増強剤。
本発明によれば、低果汁領域においても、果汁感が良好な果汁含有飲料を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において「X~Y(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
<1.果汁含有飲料>
果汁含有飲料は、(E)-β-ダマスコンを含み、(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満である。当該構成を満足することで、低果汁領域においても、果汁感が良好な果汁含有飲料となる。
なお、本明細書において、「果汁感」とは、「由来する果物を想起する風味」を意味する。
本明細書において「果汁含有飲料」とは、任意の果実からの搾汁(果汁)を含む飲料を意味する。果汁は、インライン搾汁機等を用いて、全果(皮等も含めた果実全体)を果汁分と果皮を含む残渣とに圧搾分離し、この圧搾分離した果汁を殺菌及び冷却する方法、あるいは全果を果皮部と果肉部とに分離し、または半切した後果肉部だけを搾汁し、殺菌及び冷却を行う方法等、果実飲料の原料用果汁として一般的に製造されている方法によって製造される。果汁には果実の搾汁を濃縮した濃縮果汁、濃縮果汁を希釈した還元果汁を含む。果実の搾汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、皮、種子等を除去したピューレ等を指す。
果汁を処理する方法としては、酵素処理法、精密濾過法、限外濾過法等が挙げられる。
果汁は清澄処理した透明果汁でもよく、混濁果汁でもよい。
果汁としては市販のジュースや濃縮ジュース、ペーストなどを用いてもよい。具体的には、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)で指定されたジュースや濃縮ジュースを挙げることができ、例えばこれらのうち1種又は2種以上を果汁含有飲料調製のために用いることができる。
果汁含有飲料に含まれる果汁の調製に用いることのできる果物は、特に限定されないが、例えば、リンゴ、ブドウ、アンズ、イチゴ、ウメ、サクランボ、スモモ、西洋ナシ、日本梨、ビワ、モモ、プルーン、ラズベリー等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの内、本発明の効果が奏されやすいという観点から、果汁含有飲料は、リンゴの果汁を含むものであることが好ましい。
果汁含有飲料に含まれる果汁の調製に用いることのできる果物について、その品種、産地、熟度、大きさなどは特に限定されず、適宜設定することができる。
果汁含有飲料の果汁率は特に限定されないが、本発明の効果が奏されやすいという観点から、1質量%以上であってもよく、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。また、後述する実施例に示されるように、本発明の効果は低果汁において特に奏されやすいという観点から、果汁含有飲料の果汁率の上限は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
ここで、果汁率とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度であり、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される糖用屈折計示度の基準(Brix値)又は酸度(Ac)に基づいて換算される。また、本明細書においてBrix値は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。Brix値の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。また、酸度は、100mL中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100mL)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
果汁率をBrix値又は酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果
物の種類ごとに定められている。例えば、リンゴはBrix値に基づいて算出する。果汁含有率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
例えば、リンゴについては基準Brix値が10°であるから、Brix値が50°のリンゴ濃縮果汁を飲料中2質量%配合した場合、10%の果汁率の飲料を得ることができる。
[(E)-β-ダマスコン]
果汁含有飲料には(E)-β-ダマスコンが含まれる。(E)-β-ダマスコンはバラ様の香気を有する香気成分として知られているが、本発明者の検討の結果、(E)-β-ダマスコンが意外にも果汁含有飲料において果汁感を向上させる効果をもつことが見出された。このような効果は、リンゴの果汁を含む果汁含有飲料において特に顕著に認められた。
(E)-β-ダマスコンとしては、特に限定されないが化合物の市販品を用いて配合したり、(E)-β-ダマスコンが含まれる天然物やその抽出液を配合することができる。
果汁含有飲料中の(E)-β-ダマスコンの含有量は、1ppb以上10ppm未満である。(E)-β-ダマスコンの含有量をこのような範囲に調整することで、果汁感が良好な果汁含有飲料を得ることができる。また、果汁感をより良好なものとする観点から、(E)-β-ダマスコンの含有量は、5ppb以上であることが好ましく、10ppb以上であることがより好ましく、30ppb以上であることが更に好ましく、50ppb以上であることが特に好ましい。
また、果汁含有飲料中の(E)-β-ダマスコンの含有量の上限は、10ppm未満であり、過度でなくとも果汁感が良好な果汁含有飲料を得られる観点から、5ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましく、500ppb以下であることが更に好ましく、100ppb以下であることが特に好ましい。
本明細書において、(E)-β-ダマスコンの含有量は、次の方法による分析値とすることができる。
果汁含有飲料における(E)-β-ダマスコンの含有量は、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法により測定することができる。具体的な分析条件の例は以下のとおりである。
分析対象である飲料10mLを、あらかじめ3.5gのNaClを入れた固相マイクロ抽出(SPME)用バイアルに入れ、密栓し、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、GC/MSにより分析を行う。検量線は標準添加法を用いる。
[GC/MSの分析条件]
・分析機器:MPS2(GERSTEL)、7890B GC、5977A MSD(Agilent Technologies)
・カラム:DB‐WAX UI、30m(長さ)×0.25mm(内径)、0.25μm(膜厚)(Agilent Technologies)
・注入モード:スプリットレス注入
・トータルフロー:54mL/min
・カラム流量:1mL/min(定流量)
・注入口温度:240℃
・オーブン温度:40℃(5min)→5℃/min→240℃(0min:達温)
・MSDトランスファライン:240℃
・MS検出器:m/z192(イオン源温度230℃、四重極温度150℃)
[SPMEの分析条件]
・SPME Fiber:50/30μm DVB/CAR/PDMS、Stableflex 23Ga(Gray)
・Incubation Temp:70℃
・Incubation Time:10min
・Extraction Time:5min
・Desorption Time:300sec
[その他の成分]
果汁含有飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的な飲料に通常用いられる他の原材料や添加剤を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
果汁含有飲料に配合し得る成分としては、下記のものが挙げられる;糖類(砂糖、果糖、ぶどう糖、乳糖、麦芽糖等の単糖や二糖、オリゴ糖)、糖アルコール(エリスリトールやマルチトール等)、異性化糖(果糖ぶどう糖液糖等)、高甘味度甘味料(ステビア、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等)、酸味料(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸、リン酸等)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等)、増粘安定剤(大豆多糖類、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム等)、酸化防止剤(トコフェロール、塩酸システイン等)、色素(カロチノイド色素、アントシアニン色素、カラメル色素、各種合成着色料等)、香料、保存料、防腐剤、防かび剤、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE等)やミネラル類(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等)、食物繊維等。
果汁含有飲料は、水等の溶媒を含んでいてもよい。また、果汁含有飲料の形態は特に限定されず、果汁をベースとしたソフトドリンク、炭酸を含む炭酸飲料、アルコールを含むアルコール飲料、ゲル化剤を含むゼリー飲料等であってもよい。
[Brix値]
果汁含有飲料のBrix値は特に限定されないが、おいしさ及び果汁感が得られる観点から、好ましくは5以上15以下であり、より好ましくは7以上13以下であり、更に好ましくは8以上12以下である。Brix値を上記範囲とすることで、果汁感が良好な果汁含有飲料を得ることができる。Brix値は実施例に記載の方法で測定することができる。
[酸度]
果汁含有飲料の酸度は特に限定されないが、クエン酸酸度が0.20g/100mL以上、0.40g/100mL以下であることが好ましい。酸度を、上記下限値以上とすることにより、おいしさ及び果汁感が得られるようになる。一方、酸度を、上記上限値以下とすることにより、過度な酸味を抑制し、果汁感を保持できる。酸度を上記範囲とすることで、果汁感が良好な果汁含有飲料を得ることができる。酸度は実施例に記載の方法で測定することができる。
[pH]
果汁含有飲料のpHは特に限定されないが、20℃におけるpHが、2.5以上4.6未満であることが好ましく、3.0以上4.2以下であることがより好ましく、3.3以上3.9以下であることが更に好ましい。pHを上記範囲とすることで、果汁感が良好な果汁含有飲料を得ることができる。pHは実施例に記載の方法で測定することができる。
<2.果汁含有飲料の製造方法>
果汁含有飲料は常法に従って製造することができる。例えば、濃縮果汁を原料として用い、これに任意の果汁率となる量の水等や、果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加し、更にその他必要に応じて加えられる成分を添加するなどして果汁含有飲料を調製する。
果汁、(E)-β-ダマスコン、必要に応じて加えられる成分等の配合の順序や配合方法などは特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。例えば(E)-β-ダマスコンを添加するにあたっては、香料(果汁等の濃縮物、化学合成された化合物等)として添加する方法、(E)-β-ダマスコンを含む食品素材(果汁、エキス等)を添加する方法等が挙げられる。
製造された果汁含有飲料は、例えば容器に封入し、容器詰飲料とすることができる。容器への封入方法なども特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。
また、容器詰飲料とするにあたり、必要に応じて、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理することで製造できる。殺菌処理の方法は特に限定されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等が挙げられる。
<3.果汁感向上方法>
上記のとおり、本発明によれば、果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加することで、果汁含有飲料の果汁感を向上させることができる。
<4.風味増強剤>
果汁含有飲料の風味を増強させる風味増強剤は、(E)-β-ダマスコンを含むものである。この風味増強剤は、果汁含有飲料における(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満となるように添加して用いられる。
風味増強剤は、本分野において採用される任意の方法や適当な改良を加えた方法によって製造することができる。また、風味増強剤に(E)-β-ダマスコン以外の成分が含まれる場合、その種類及び含量は、得ようとする効果に応じて適宜設計できる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験1:(E)-β-ダマスコンの含有量の違いによる検証>
表1に示す原料と水とを混合してリンゴ果汁率10%のベース液Aを調製した。なお、該ベース液には70°リンゴ透明濃縮果汁(JAS糖度10)を配合した。
Figure 2022025491000001
[分析]
Brix値、酸度、及びpHは下記の方法に従い分析した。
(Brix値)
Brix値は液温20℃となるように調製してから、糖用屈折計(RX-5000α、株式会社アタゴ製)を用いて測定した。
(酸度)
酸度は、日本農林規格(平成18年8月8日農水告第1127号)に定められた酸度の測定方法に基づいて算出し、以下の式で算出した。
酸度(%)=A×f×100/V×0.0064
A:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液による滴定量(mL)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
V:試料体積(mL)
0.0064:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する無水クエン酸の重量(g)
(pH)
pHは、液温20℃となるように調製してから、pHメーター(HM-30R、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。
[官能評価]
ベース液Aに、表2に示す濃度となるように(E)-β-ダマスコンを添加して果汁含有飲料を作製し、専門パネル6名による官能評価を実施した。かかる評価は、(E)-β-ダマスコン添加なしの比較例1-1を対照(4点)として、「フレッシュさ」、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」、「果汁感の良さ」、「コク」、「おいしさ」について比較評価することで行った。なお、本明細書において、「フレッシュさ」、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」、「果汁感の良さ」はいずれも果汁感に関係する評価基準である。各評価点数は、下記の採点基準に従って各パネルがつけた評価点数の平均値として算出した。
7点:対照と比べて、とても感じられる
6点:対照と比べて、感じられる
5点:対照と比べて、やや感じられる
4点:対照と同等
3点:対照と比べて、あまり感じられない
2点:対照と比べて、感じられない
1点:対照と比べて、全く感じられない
(結果)
下記表2に官能評価の結果を示す。
Figure 2022025491000002
表2に示されるとおり、(E)-β-ダマスコンを含有させることで、「フレッシュさ」、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」、「果汁感の良さ」、「コク」、「おいしさ」のいずれもが増強された。特に、実施例1-2及び1-3の飲料では、それらの風味の増強が高い傾向にあることが示された。一方で、比較例1-2のように、(E)-β-ダマスコンの含有量が所定の量より多い場合は、いずれの風味も対照と比べて劣っていることがわかった。
[試験2:果汁率の違いによる検証]
表3に示す原料と水とを混合してリンゴ果汁率1%のベース液B、15%のベース液C、40%のベース液Dを調製した。
Figure 2022025491000003
各ベース液に10ppbの濃度となるように(E)-β-ダマスコンを添加して果汁含有飲料を作製し、試験1と同様の方法及び採点基準を用いて官能評価を行った。かかる評価は、果汁率が同一であり(E)-β-ダマスコン添加なしの各ベース液(比較例2-1~2-3)の点数を対照(4点)として行った。
(結果)
下記表4に官能評価の結果を示す。
Figure 2022025491000004
表4に示されるとおり、果汁率が異なるいずれの実施例の飲料についても、各対照と比較して「フレッシュさ」、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」、「果汁感の良さ」、「コク」、「おいしさ」が増強されていることが示された。特に、実施例2-1及び2-2の飲料ではそれらの風味の増強が高いことがわかった。
[試験3:香気成分の違いによる検証]
果汁率10%の上記ベース液Aにβ-ダマセノンを10ppb又は1ppmの濃度となるように添加して果汁含有飲料(比較例3-2及び3-3)を作製し、試験1と同様の方法及び採点基準を用いて官能評価を行った。かかる評価は、β-ダマセノン添加なしの比較例3-1を対照(4点)として行った。
(結果)
下記表5に官能評価の結果を示す。
Figure 2022025491000005
表5に示されるとおり、比較例3-2及び3-3では、試験1においてそれぞれ同濃度の(E)-β-ダマスコンを含有した場合の実施例1-2及び1-4と比べて、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」、「果汁感の良さ」、「コク」、「おいしさ」の増強度合いが低かった。また、比較例3-3では、「リンゴの蜜らしさ」、「リンゴの華やかさ」が対照と比べて不良であった。

Claims (7)

  1. 果汁を含む果汁含有飲料であって、
    (E)-β-ダマスコンを含み、
    前記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満である、
    果汁含有飲料。
  2. 果汁率が1~20質量%である、
    請求項1に記載の果汁含有飲料。
  3. 前記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上1ppm以下である、
    請求項1又は2に記載の果汁含有飲料。
  4. リンゴの果汁を含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の果汁含有飲料。
  5. 果汁を含む果汁含有飲料の製造方法であって、
    前記果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加する工程を含む、
    果汁含有飲料の製造方法。
  6. 果汁含有飲料の果汁感を向上させる方法であって、
    前記果汁含有飲料における含有量が1ppb以上10ppm未満となるように(E)-β-ダマスコンを添加する、
    果汁感向上方法。
  7. 果汁含有飲料の風味を増強させる風味増強剤であって、
    (E)-β-ダマスコンを含み、
    前記果汁含有飲料における前記(E)-β-ダマスコンの含有量が1ppb以上10ppm未満となるように添加して用いられる、
    風味増強剤。
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