JP7294826B2 - 水溶性食物繊維含有炭酸飲料 - Google Patents
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難消化性デキストリンには整腸作用、食後における血糖値の上昇に対する抑制作用、血中の中性脂肪やコレステロールに対する低下作用などが報告されている。そのため、難消化性デキストリンを配合した飲食品が提案されている(例えば特許文献1)。
また、LED劣化臭は、糖類を実質的に含有しない飲料においては、糖分を含有するような他の飲料と比較して、より摂取者に感じられやすい傾向がある。
[1] 水溶性食物繊維を含有する容器詰めの無糖炭酸飲料であって、
前記炭酸飲料におけるガスボリュームが4.0以上である、無糖炭酸飲料。
[2] 水溶性食物繊維濃度(g/L)をXと、ガスボリュームをYとする場合に、Y≧0.1867X+1.0667、かつY≧0.28X-0.8との関係を満足する、[1]に記載の無糖炭酸飲料。
[3] 水溶性食物繊維濃度が5g/L以上20g/L以下である、[1]または[2]に記載の無糖炭酸飲料。
[4] ガスボリュームが4.0以上4.8以下である、[1]から[3]のいずれか一つに記載の無糖炭酸飲料。
[5] 外観が透明である容器に収容されている、[1]から[4]のいずれか一つに
記載の無糖炭酸飲料。
[6] LED照明により500万Lux・hの条件で照射される、[1]から[5]のいずれか一つに記載の無糖炭酸飲料。
[7] 水溶性食物繊維として難消化性デキストリンを含有する、[1]から[6]のいずれか一つに記載の無糖炭酸飲料。
[8] 水、難消化性デキストリン、炭酸ガスおよび消泡剤からなり、ガスボリュームが4.0以上である、容器詰めの炭酸飲料。
[9] 水溶性食物繊維を含有する容器詰めの無糖炭酸飲料において、ガスボリュームを4.0以上に調整することを含む、発光ダイオード照射により発生する劣化臭の抑制方法。
本実施形態は水溶性食物繊維を含有する無糖炭酸飲料に関する。該無糖炭酸飲料において、ガスボリュームは4.0以上である。
本実施形態の無糖炭酸飲料において含有される水溶性食物繊維は特に制限はなく、例えば難消化性デキストリン、イソマルトデキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、アルギン酸、ラミナリン、グアーガム分解物、グルコマンナン、カラギーナン、フコイジンなどを挙げることができる。例えばこれらのうち1種または2種以上が本実施形態の無糖炭酸飲料に含有されるようにしてもよい。
このうち、本実施形態の無糖炭酸飲料の構成を適用することでよりLED劣化臭を抑えることができるため、水溶性食物繊維として難消化性デキストリンが含有されることが好ましい。
難消化性デキストリンとしては例えば市販の難消化性デキストリンを用いることができる。また、難消化性デキストリンと共に他の成分も含む、組成物の態様で配合されるものでもよいほか、水素添加により製造される、難消化性デキストリンの還元物(還元難消化性デキストリン)であってもよい。
本実施形態において水溶性食物繊維の含有量は特に限定されず適宜設定できるが、LED劣化臭をより抑えることができるため、5g/L以上20g/L以下の濃度で含有されることが好ましく、より好ましくは10g/L以上15g/L以下である。
飲料中の水溶性食物繊維濃度は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、平成11年4月26日衛新第13号(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)に記載の食物繊維の分析方法である高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法)などにより測定することができる。
ガスボリュームの上限値については特に限定されないが、容器選択の範囲の広さなどを考慮すると、4.8以下が好ましい。したがって、本実施形態においては、ガスボリュームは4.0以上、4.8以下が好ましい。
ガスボリュームは、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値として得ることができる。
ガスボリュームが4.0以上であることに加えてこれらの関係式を満足することにより、LED照明の照射による劣化が生じていない状態での飲料のおいしさも改善できる。さらに、LED照明の照射による劣化が生じていない状態にも感じ得る、水溶性食物繊維由来の、嗜好性に結びつかない後味強さも抑えることができる。なお、水溶性食物繊維の濃度について5g/L以上20g/L以下であると、LED劣化臭抑制、上記おいしさおよび上記後味の強さの抑制についてさらに改善でき、さらに好ましい。
一方で、本発明の目的を達成することができる範囲内において他の成分を含んでもよく、特に限定されない。
例えばその一態様として、水、水溶性食物繊維である難消化性デキストリン、炭酸ガス、および必要に応じて加えられる消泡剤からなるように本実施形態の炭酸飲料を構成することができる。
消泡剤は、例えば充填時の噴き出しを抑える際に使用するために添加される。消泡剤として、具体的には3糖以上の多糖類やグリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
使用される香料として、例えば、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、オレンジフレーバー、スウィーティーフレーバー、シークァーサーフレーバー、ゆずフレーバー、みかんフレーバー、スダチフレーバーなどの柑橘類フレーバー、カリンフレーバー、シソフレーバー、アップルフレーバー、クリームフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、ミルク系フレーバー、メロンフレーバー、ミントフレーバー、ハニーフレーバー、ヨーグルトフレーバー、ベリーフレーバー、グレープフレーバー、アセロラフレーバー、アボカドフレーバー、あんずフレーバー、イチゴフレーバー、いちじくフレーバー、柿フレーバー、キウイフレーバー、カシスフレーバー、クランベリーフレーバー、さくらんぼフレーバー、スイカフレーバー、すももフレーバー、ヤマモモフレーバー、ドリアンフレーバー、パイナップルフレーバー、パパイヤフレーバー、バナナフレーバー、ブルーベリーフレーバー、マスカットフレーバー、マンゴーフレーバー、桃フレーバー、洋ナシフレーバー、ライチフレーバー、ラズベリーフレーバー、ストロベリーフレーバー、ウメフレーバー、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、カシアフレーバー、ローズマリーフレーバー、モミノキフレーバー、マツブサフレーバー、モロヘイヤフレーバー、ヤクチフレーバー、ユーカリフレーバー、シナモンフレーバー、ジンジャーフレーバー、タイムフレーバー、ナツメグフレーバー、ハッカフレーバー、マタタビフレーバー、マチコフレーバー、マツフレーバー、マツオウジフレーバー、マッシュルームフレーバー、マツタケフレーバー、マメフレーバー、マリーゴールドフレーバー、バニラフレーバー、スパイス系フレーバー、ナッツ系フレーバー、洋酒系フレーバー、フラワー系フレーバー、野菜系フレーバー等が挙げられる。
本明細書において、透明とは720nmの吸光度が0.01以下である飲料をいう。また、無色透明とは、透けて見え、特定の色もなく、水と同様の外観である状態をいう。720nmの吸光度は、例えば、分光光度計を用い、光路長1cmとして測定することができる。
透明である飲料においてはLED劣化臭をマスキングできる成分の添加が他の飲料よりも限られるため、本実施形態に係る炭酸ガスの含有量が適用されることが好ましい。
また、水溶性食物繊維は、単独で配合されても、また、他の含有成分と共に配合されるようにしてもよく、特に限定されない。
また、飲料中に二酸化炭素を溶存させる処理も特に限定されず、例えば、原料水に水溶性食物繊維を溶解させて得られる溶液に二酸化炭素を溶存させた水を混合して炭酸飲料とする方法(ポストミックス法)や、上述の溶液に二酸化炭素を直接噴き込んで溶解させる方法(プレミックス法)が挙げられる。ガスボリュームを4.0以上とするにあたっては飲料中に溶存させる二酸化炭素量を調整するなどすればよい。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も炭酸飲料に用いられる公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられ、このうちLED照明による照射の影響を受けやすいと考えられる透明な容器に収容される容器詰飲料において本発明の構成が適用されることが好ましい。
その結果、水溶性食物繊維を含有する飲料について嗜好性を高めることができるので、商品価値のより高い飲料とすることができる。
また、本発明の一態様として、水溶性食物繊維を含有する容器詰めの無糖炭酸飲料において、ガスボリュームを4.0以上に調整することを含む、発光ダイオード照明による照射により発生する劣化臭の抑制方法も提供することができる。
難消化性デキストリン(製品名:ファイバーソル2、松谷化学社製)を12.5g/L
の濃度で水に溶解させた。次いでポストミックス法により炭酸ガスを含有させ、無色透明のペットボトル(500ml)に封入し、実施例、比較例の容器詰無糖炭酸飲料を得た。
また、得られた飲料についてガスボリューム測定装置GVA-500B(京都電子工業社)を用いてガスボリュームの測定を行った。測定結果を表1、2に示す。
上記のようにして得られた実施例1~2、比較例1~2の飲料について、評価パネル5名による、おいしさおよび劣化臭(樹脂臭、カメムシ臭)の強さに関する評価を行った。試飲サンプルは4℃でパネルに提供した。各飲料については、官能試験に供する前にLEDまたは蛍光灯による照射(500万lx・h)を行った。また、比較例1と同様の方法で調製した飲料であって上記LEDおよび蛍光灯照射を行っていないものを対照とした。
評価は対照の飲料についておいしさは4点、劣化臭は1点とした1~7点の7段階評価で行った(おいしさ:最もおいしいものを7点とした。劣化臭:最も劣化臭が強く感じられるものを7点とした)。
結果を表1~2と図1、2に示す。
難消化性デキストリンを表4に示す濃度で水に溶解させた。次いでポストミックス法により炭酸ガスを含有させ、無色透明のペットボトル(500ml)に封入し、実施例、比較例の容器詰無糖炭酸飲料を得た。
得られた飲料についてガスボリュームの測定を行った。その値を表4に示す。
表4に示す難消化性デキストリン濃度およびガスボリュームの飲料について、LED照明による照射を行わずに評価パネル5名による、後味の強さおよびおいしさに関する評価を行った。
評価は難消化性デキストリン濃度が10g/Lであるものについて4.0点とした1~7点の7段階評価で行った(後味の強さ:最も後味の強いものを7点とした。おいしさ:最もおいしいものを7点とした。)。
結果を表3、4に示す。また、難消化性デキストリン濃度(g/L,X)とガスボリューム(Y)を図3に示す。
なお、後味の強さが5点より大きいもの、またはおいしさが3点未満のものは香味の点については許容できないといずれのパネルも判定した。図3から理解できるとおり、上記二つの関係式のうちY≧0.1867X+1.0667については後味の強さが5点以下であるか否かにより導かれ、Y≧0.28X-0.8についてはおいしさが3点以上であるか否かにより導かれた。
Claims (7)
- イソマルトデキストリンを含有する容器詰めの無糖炭酸飲料であって、
前記炭酸飲料におけるガスボリュームが4.0以上であり、
イソマルトデキストリン濃度が10g/L以上20g/L以下である、無糖炭酸飲料。 - イソマルトデキストリン濃度(g/L)をXと、ガスボリュームをYとする場合に、Y≧0.1867X+1.0667、かつY≧0.28X-0.8との関係を満足する、請求項1に記載の無糖炭酸飲料。
- ガスボリュームが4.0以上4.8以下である、請求項1または2に記載の無糖炭酸飲料。
- 外観が透明である容器に収容されている、請求項1から3のいずれか一つに記載の無糖炭酸飲料。
- 発光ダイオード照明により500万Lux・hの条件で照射される、請求項1から4のいずれか一つに記載の無糖炭酸飲料。
- 水、イソマルトデキストリン、炭酸ガスおよび消泡剤からなり、ガスボリュームが4.
0以上であり、イソマルトデキストリン濃度が10g/L以上20g/L以下である、容器詰めの炭酸飲料。 - イソマルトデキストリンを含有する容器詰めの無糖炭酸飲料において、ガスボリュームを4.0以上に調整するとともに、イソマルトデキストリン濃度を5g/L以上20g/L以下と調整することを含む、発光ダイオード照明による照射により発生する劣化臭の抑制方法。
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WEBメディア FEN (The Food Engineering Times)のVer.367に掲載された記事「水溶性食物繊維『ファイバリクサ』を発売 2種類の酵素を使ってでん粉から作る」, 2015.10.07, [オンライン], [検索日: 2022.11.09], URL: https://sv49.wadax.ne.jp/~food-eng-jp/?action_user_view=1&r=s4FZwgu3ue7352 及び https://sv49.wadax.ne.jp/~food-eng-jp/?action_user_viewtop=1&r=nHjbglMBsV401 |
渡邊光,でん粉から酵素の力でつくる新しい水溶性食物繊維「イソマルトデキストリン」,砂糖類・でん粉情報,No.41,2016年02月10日,p42-47,https://www.alic.go.jp/joho-d/joho08_000580.html |
渡邊光,水溶性食物繊維の新たな選択肢,イソマルトデキストリン,月刊フードケミカル,2016年01月,Vol.32, No.1,p6-10 |
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