JP5439615B1 - 容器詰トマト含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルーツトマトのような味覚を有しトマト由来の甘味や濃厚感を維持しつつも、グルタミン酸含有率が高く設計した容器詰トマト含有飲料を提供する。
【解決手段】トマト本来の呈味を保持したトマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸を55〜100mg/100gに調整し、且つアスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸類量に対するグルタミン酸量の重量比率(グルタミン酸比率)を0.65〜3.9に調整することにより、甘味と旨味がバランス良く調整された、グルタミン酸比率が高く且つBrixが高い容器詰トマト含有飲料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰トマト含有飲料及びその製造方法、並びに容器詰トマト含有飲料における後味不快味の向上方法に関する。
近年、消費者における健康志向や食生活の乱れにより、野菜を摂取する重要性が注目されている。しかし、野菜の調理には手間隙がかかることに加えて、保存期間も短いため、簡便に野菜を摂取することができ且つ長期保存が可能な容器詰野菜飲料が広く消費者に受け入れられるようになっていきてる。
これに伴い、容器詰野菜飲料に対する消費者ニーズが多様化するようになった。例えば、1種類又は2種類以上の野菜のみ又はこれに少量の添加物等を加えた野菜飲料は、野菜摂取量を重視するユーザーに好まれる傾向があるが、野菜の配合割合が高いと野菜独特の臭みが抜けきらず飲用しにくく、一般ユーザーに広く受け入れられにくいという問題があった。この問題を改善するため、1種類又は2種類以上の野菜に、果汁や添加物を加えて野菜独特の臭みをマスキングすることにより、野菜独特の臭みが苦手なユーザーにも飲みやすい野菜果汁飲料が開発され、幅広く飲用されている。さらに、市場ではあまり一般的とはいえないが、例えば人口甘味料等のマスキング剤を添加する方法(特許文献1)や、発酵豆乳や発酵乳を添加する方法(特許文献2,3)や、野菜飲料に炭酸を吹き込む方法(特許文献4)等により、野菜独特の臭みをマスキングしようという試みもある。
容器詰野菜飲料は、その主原料であり且つ当該飲料の味を決定するベースとなる野菜があり、これまではニンジンとトマトがベース野菜の役割を主に果たしてきた。ニンジンは、加熱処理を行うとニンジン特有の甘味が生じるためそのままでも美味しい上に、野菜果汁飲料とする場合にも果汁との相性に優れている。これに対して、トマトは、トマトが本来有する独特の青臭みを有するため搾汁したままでは飲みにくい上に、果汁との相性もニンジンと比べて良いとはいえない。このため、トマトをベースとする野菜飲料は、食塩を添加する方法や、トマトとニンジンとを併用する方法や、果汁を添加する方法や、蜂蜜や人口甘味料等をマスキング剤として使用する方法などが用いられてきた。しかし、食塩を添加する方法ではトマト独特の青臭みが残るため、青果トマトが苦手なユーザーは飲用できない。また、トマトとニンジンとを併用する方法や、果汁を添加する方法や、蜂蜜や人口甘味料等を使用する方法などは、青果トマトが苦手なユーザーからは一定程度の評価が得られたものの、トマト本来の美味しさを犠牲にしている側面がある。特に、トマト含有飲料のヘビーユーザーにとっては、トマト本来の呈味から逸脱している感が否めない。よって、マスキング剤などの添加物を極力使用せずにトマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持したトマト含有飲料が望まれていた。
本発明者らは、特許文献5において、トマト含有飲料における糖度及び糖酸比を従来のトマト含有飲料から逸脱した特定範囲に調整することにより、主原料となるトマト以外の野菜や果汁等を極力配合しなくても濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘味があり且つトマトの酸味が抑制された新規なトマト含有飲料及びその製造方法、並びにトマト含有飲料の酸味抑制方法が得られるという知見に到達した。
特許文献5には、酸味、甘味、濃厚さ及びその総合評価において極めて優れたものであるものの、得られたトマト含有飲料が濃厚であるがゆえに、容器充填工程において困難性が生じる場合があることが記載されている。また、缶容器やPET容器等においては、紙容器に充填する場合と比較して強い条件下での殺菌が実施されるが、かかる強い条件下での殺菌を施したトマト含有飲料では、稀ではあるが焼け臭のような異臭が発生することも問題であった。また、PET容器等の透明容器にトマト含有飲料を充填した場合、紙容器とは異なり内容物の色調が消費者に直接わかるため、内容物であるトマト搾汁液の色調を保持するのが難しいという問題もあった。
特許文献6には、トマト含有飲料において通常よりも逸脱した特定範囲にBrix値を設定し、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率(グルタミン酸比率)を0.1〜0.65に調整することにより、上記技術課題を解決することができることを見出した。
一方で、トマト成分の健康機能成分が近年注目されるようになってきている。そのような成分の一つとしてアミノ酸成分であるグルタミン酸が挙げられる。グルタミン酸は、記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしていることが知られている。
しかし、トマト含有飲料におけるグルタミン酸の含有比率を高めようとすると、旨味成分としても知られているグルタミン酸が、トマト含有飲料における呈味性や香味性を阻害してしまう。この問題は、フルーツトマトのような味覚を有するトマト含有飲料(高Brixトマト含有飲料)においては特に顕著であり、かかるトマト含有飲料における甘さや濃厚感が、グルタミン酸由来の旨味と調和しないという技術課題が残されたままであった。
特開2012−223141 特許5116884号 特開2009−284825 特開2010−213593 特許5189667号 特許5116884号
本発明は、フルーツトマトのような味覚を有しトマト由来の甘味や濃厚感を維持しつつも、グルタミン酸含有率が高く設計した容器詰トマト含有飲料を提供することを目的とする。
本発明は、トマト本来の呈味を保持したトマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸を55〜100mg/100gに調整し、且つアスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸類量に対するグルタミン酸量の重量比率(グルタミン酸比率)を0.65〜3.9に調整することにより、甘味と旨味がバランス良く調整された、グルタミン酸比率が高く且つBrixが高い容器詰トマト含有飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1) γ−アミノ酪酸が55〜100mg/100gであり、且つアスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.65〜3.9であることを特徴とする容器詰トマト含有飲料、
(2) Brixが5.5を超える値であり且つ11未満であることを特徴とする(1)記載の容器詰トマト含有飲料、
(3) カルシウム量が18mg/100g以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の容器詰トマト含有飲料、
(4) γ−アミノ酪酸/カルシウムが5.9〜8.1であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(5) γ−アミノ酪酸/マグネシウムが5.4〜6.9であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(6) マグネシウム量が10〜15.5mg/100gであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(7) γ−アミノ酪酸/ナトリウムが4.5〜9.5であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(8) ナトリウム量が10.9〜12.4mg/100gであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(9) γ−アミノ酪酸/カリウムが0.23〜0.3であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(10) カリウム量が240〜350mg/100gであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(11) 粘度が200〜500cPであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(12) pHが4.0〜5.0であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(13) トマト以外の野菜を原料として使用しないことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(14) 果汁を実質的に含まないことを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(15) 甘味付与剤を実質的に含まないことを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
(16) γ−アミノ酪酸を55〜100mg/100gに調整する工程と、
アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を0.65〜3.9に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰トマト含有飲料の製造方法、
(17) γ−アミノ酪酸を55〜100mg/100gに調整し、
アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を0.65〜3.9に調整することを特徴とする容器詰トマト含有飲料における呈味の向上方法、
に関する。
本発明は、フルーツトマトのような味覚を有しトマト由来の甘味や濃厚感を維持しつつも、グルタミン酸含有率が高く設計した容器詰トマト含有飲料を提供することを目的とする。
(γ−アミノ酪酸)
本発明のトマト含有飲料は、該飲料100gにおけるγ−アミノ酪酸量が55〜100mg/100gであることを特徴とする。γ−アミノ酪酸量とは、4−アミノ酪酸とも呼ばれるアミノ酸の一種であり、γ(gamma)-aminobutyric acidの頭文字からGABA(ギャバ)とも一般的に呼ばれている。
容器詰トマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸量は、55〜100mg/100gであるのが好ましく、57〜95mg/100gであるのがより好ましく、60〜90mg/100gであるのがさらに好ましく、61〜88mg/100gであるのがより好ましく、65〜79mg/100gであるのが最も好ましい。
容器詰トマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸量が100mg/100gを超えるとフルーツトマト感が強化されるものの飲用時後半に喉に残る不快味が出てくることがあるため好ましくない。また、容器詰トマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸量が55mg/100gを下回ると、そもそもフルーツトマト感を感じにくくなるため好ましくない。
γ−アミノ酪酸量を調整する方法としては、市販のγ−アミノ酪酸量の標準品や製剤等を用いる方法もあるが、全体の味や香りのバランスに悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加せずにトマト由来の原料でもって調整するのが最も好ましい。
なお、γ−アミノ酪酸量の測定には公知の方法を用いればよく、例えばアミノ酸分析計を使用する方法や、オルトフタルアルデヒド(OPA)で誘導体化を行なってから蛍光−HPLCで分析する方法や、その他の簡易測定方法により測定することができる。
(アミノ酸類・グルタミン酸)
本発明のトマト含有飲料における、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群[A]におけるグルタミン酸[G]の重量比率([G]/[A])は、グルタミン酸を高含有しながらもトマトの甘味と風味を維持させる観点から、0.65を超えるのが好ましく、0.65〜3.9がより好ましく、0.7〜2.9がさらに好ましく、0.8〜2.5が最も好ましい。
また、アミノ酸類量を調整する方法としては、各種アミノ酸類や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、各アミノ酸量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えばAllianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めることができる。
(カルシウム)
本発明におけるトマト含有飲料におけるカルシウム量は、18mg/100g以下であるのが好ましく、6.5〜17.5mg/100gであるのがより好ましく、7〜17mg/100gであるのがさらに好ましく、9〜16mg/100gであるのがより好ましく、10〜15mg/100gであるのが最も好ましい。
トマト含有飲料におけるカルシウム量が18mg/100gを超えるとフルーツトマト感が強化されるものの飲用時後半に喉に残る不快味が出てくることがあるため好ましくない。
カルシウム量を調整する方法としては、市販のカルシウム製剤等を用いる方法もあるが、全体の味や香りのバランスに悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加せずにトマト由来の原料でもって調整するのが最も好ましい。
なお、カルシウム量の測定には公知の方法を用いればよく、例えばICP発光分析法により測定することができる。
(γ−アミノ酪酸/カルシウム)
本発明におけるトマト含有飲料は、フルーツトマト感を感じることができる一方で、飲用時後半以降において喉に残る不快味が出てこないことが重要であり、これをγ−アミノ酪酸(GABA)とカルシウムとの質量比率(γ−アミノ酪酸/カルシウム)に着目してこれを調整することが重要である。本発明の容器詰トマト含有飲料のγ−アミノ酪酸/カルシウムは、5.9〜8.1であるのが好ましく、6.2〜7.8であるのがさらに好ましく、6.4〜7.6であるのがより好ましく、6.5〜7.5であるのが最も好ましい。
(マグネシウム)
本発明におけるトマト含有飲料におけるマグネシウム量は、10〜15.5mg/100gであるのが好ましく、10.5〜14.5mg/100gであるのがより好ましく、12〜13mg/100gであるのがさらに好ましく、10.5〜14mg/100gであるのがより好ましく、10〜13.5mg/100gであるのが最も好ましい。
トマト含有飲料におけるマグネシウム量が16mg/100gを超えるとフルーツトマト感が強化されるものの飲用時後半に喉に残る不快味が出てくることがあるため好ましくない。
マグネシウム量を調整する方法としては、市販のマグネシウム製剤等を用いる方法もあるが、全体の味や香りのバランスに悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加せずにトマト由来の原料でもって調整するのが最も好ましい。
なお、マグネシウム量の測定には公知の方法により測定することができる。
(γ−アミノ酪酸/マグネシウム)
本発明における容器詰トマト含有飲料は、フルーツトマト感を感じることができる一方で、飲用時後半以降において喉に残る不快味が出てこないことが重要であり、これをγ−アミノ酪酸(GABA)とマグネシウムとの質量比率(γ−アミノ酪酸/マグネシウム)に着目してこれを調整することが重要である。本発明の容器詰トマト含有飲料のγ−アミノ酪酸/マグネウムは、5.4〜6.9であるのが好ましく、5.6〜6.8であるのがさらに好ましく、5.9〜6.6であるのがより好ましく、5.8〜6.5であるのが最も好ましい。
(ナトリウム)
本発明におけるトマト含有飲料におけるナトリウム量は、10.9〜12.4mg/100gであるのが好ましく、11.3〜12.3mg/100gであるのがより好ましく、11.5〜12.1mg/100gであるのがさらに好ましく、11.7〜12.2mg/100gであるのがより好ましく、11.5〜12mg/100gであるのが最も好ましい。
トマト含有飲料におけるナトリウム量が12.4mg/100gを超えるとフルーツトマト感が強化されるものの飲用時後半に喉に残る不快味が出てくることがあるため好ましくない。
ナトリウム量を調整する方法としては、市販のナトリウム剤や食塩或いは重曹等を用いる方法もあるが、全体の味や香りのバランスに悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加せずにトマト由来の原料でもって調整するのが最も好ましい。
なお、ナトリウム量の測定には公知の方法により測定することができる。
(γ−アミノ酪酸/ナトリウム)
本発明における容器詰トマト含有飲料は、フルーツトマト感を感じることができる一方で、飲用時後半以降において喉に残る不快味が出てこないことが重要であり、これをγ−アミノ酪酸(GABA)とナトリウムとの質量比率(γ−アミノ酪酸/ナトリウム)に着目してこれを調整することが重要である。本発明の容器詰トマト含有飲料のγ−アミノ酪酸/ナトリウムは、4.5〜9.5であるのが好ましく、5.5〜8.0であるのがさらに好ましく、6.5〜9.0であるのがより好ましく、6.0〜9.4であるのが最も好ましい。
(カリウム)
本発明におけるトマト含有飲料におけるカリウム量は、240〜350mg/100gであるのが好ましく、250〜330mg/100gであるのがより好ましく、260〜325mg/100gであるのがさらに好ましく、270〜320mg/100gであるのがより好ましく、280〜310mg/100gであるのが最も好ましい。
トマト含有飲料におけるカリウム量が350mg/100gを超えるとフルーツトマト感が強化されるものの飲用時後半に喉に残る不快味が出てくることがあるため好ましくない。
カリウム量を調整する方法としては、市販のカリウム剤等を用いる方法もあるが、全体の味や香りのバランスに悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加せずにトマト由来の原料でもって調整するのが最も好ましい。
なお、カリウム量の測定には公知の方法により測定することができる。
(γ−アミノ酪酸/カリウム)
本発明における容器詰トマト含有飲料は、フルーツトマト感を感じることができる一方で、飲用時後半以降において喉に残る不快味が出てこないことが重要であり、これをγ−アミノ酪酸(GABA)とカリウムとの質量比率(γ−アミノ酪酸/カリウム)に着目してこれを調整することが重要である。本発明の容器詰トマト含有飲料のγ−アミノ酪酸/カリウムは、0.23〜0.3であるのが好ましく、0.235〜0.285であるのがさらに好ましく、0.24〜0.28であるのがより好ましく、0.25〜0.28であるのが最も好ましい。
(ミネラル類/γ−アミノ酪酸)
本発明においてミネラル類とは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムの
総称をいう。本発明におけるトマト含有飲料に含まれるミネラル類量は、260〜400mg/100gであるのが好ましく、より好ましくは280〜380mg/100gであり、さらに好ましくは290〜360mg/100gであり、最も好ましくは300〜350mg/100gである。
また、本発明の容器詰トマト含有飲料におけるγ−アミノ酪酸とミネラル類との質量比率(ミネラル類/γ−アミノ酪酸)は、3.75〜5.1が好ましく、3.9〜4.8がより好ましく、4.0〜4.6がよりさらに好ましく、4.1〜4.5が最も好ましい。
(Brix)
本発明のトマト含有飲料のBrixは、トマト本来の自然な甘味やコク味を引き出す観点から、6以上が好ましく、6〜12がより好ましく、7〜11がさらに好ましく、9〜10が最も好ましい。Brixが6を下回ると、トマト含有飲料が有するトマト由来の美味しさが保ち難くなり、Brixが12を上回ると、トマト含有飲料が有するトマト由来の美味しさが崩れてしまいがちになる。
Brix値の調整方法は、青果のトマト搾汁液若しくはその処理液又はこれらの濃縮液などの原料のBrix値やこれらの配合割合などを考慮して組み合わせることにより実施できる。
また、Brix値を調整する方法としては、人口甘味料を含む各種甘味料、甘味成分を含む天然由来原料、多糖類をはじめとする各種食物繊維などを添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点から添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
Brixの測定方法は、公知の方法を用いればよく、例えば光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いることができる。
本発明において「トマト含有飲料」とは、トマト搾汁液を原料として配合した飲料を意味するものであり、飲料全体に対するトマト搾汁液の含有量が50%以上、好ましくは80以上、さらに好ましくは90%以上配合するのが望ましい(トマト高含有飲料)。なお、上記トマト搾汁の配合量はストレート換算したものであり、以下に詳細する野菜搾汁液や果汁の添加量についても同様にストレート換算したものである。本発明のトマト含有飲料の水色は特に限定されるものではないが、青果トマトが通常有する赤色系の色調を有するものであって少なくとも非透明であるのが好ましい。
トマトは一般的に野菜に分類されているが、「トマト加工食品表示基準」(平成21年5月19日農林水産省告示第670号)などの表示に関する各種法規制等により、商品における品名表示はトマト加工品、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマト果汁飲料、濃縮トマト、濃縮トマト飲料などと記載されることがあるが、本願発明はこれらを含むものである。よって、本願発明の実施形態によっては、野菜飲料や野菜果汁飲料ではなく、清涼飲料として分類されることもある。なお、本発明のトマト含有飲料は、濃縮還元したものであってもよい。
また、以下に詳説するが、本発明のトマト含有飲料は、二酸化炭素などの気泡を吹き込むことにより炭酸飲料(清涼飲料)として提供することもできる。また、本発明のトマト含有飲料は、アルコール成分を添加してアルコール性飲料(炭酸性、非炭酸性)として提供することもできるが、アルコール成分を添加しない非アルコール性飲料として提供する方がトマト本来の風味を最大限に引き出すことができるためより好適である。
(トマト搾汁液)
トマト搾汁液とは、トマト果実を破砕して搾汁し、又は裏ごしし、皮、種子等を除去したもの(トマト搾汁)を利用することができる。トマト搾汁は、そのまま用いてもよいが、酵素処理など公知の方法で処理してもよい。また、トマト搾汁の原料となるトマト果実は、その品種、産地、熟度、大きさなどを適宜選択することができる。また、品種、産地、熟度、大きさ等が異なる二種類以上のトマト果実を原料としてブレンドすることもできる。
原料のトマト果実は、必要に応じて洗浄し、傷みの有無などで選別すればよい。その際、洗浄方法及び選別方法は、通常行われている任意の方法を採用することができる。
また、必要に応じて、トマト由来の酵素活性を失活させる処理を施してもよい。例えば70℃以上に加熱処理を行えばよい。
本発明のトマト含有飲料に使用するトマト搾汁は、トマト果実を磨り潰し、裏ごしして果皮、種子などを除き、そのまま又は濃縮して得られるトマトペースト、トマトピューレ、トマト果汁、濃縮還元トマトなどを好ましく用いることができる。各種のトマト原料搾汁液の割合を調整することにより、所望のトマト含有飲料を得ることができる。
トマト搾汁の配合量は、飲料の種類によって適宜調整すればよい。例えば低カロリー飲料とする場合には、飲料100g当たり20kcal以下となるようにトマト搾汁の配合量を調整するのが好ましい。
本発明におけるトマト含有飲料は、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくてもトマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持するものである。よって、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくても本願発明の効果は発揮されるものであるが、消費者の嗜好などに合せてトマト以外の野菜搾汁や果汁など添加することを排除するものではない。この場合、トマト搾汁、野菜搾汁及び/又は果汁の総量においてトマト搾汁が占める割合を最も多くすることが重要であり、トマト搾汁の割合が、野菜搾汁及び/又は果汁の総量に対して(トマト搾汁液/野菜搾汁及び/又は果汁全総量)、50〜100質量%、特に60〜100質量%、中でも特に70〜100質量%、さらには80〜100質量%、とりわけ90〜100質量%であるのが好ましい。
(野菜搾汁液)
上述のとおり、本発明におけるトマト含有飲料は、消費者の嗜好に合せてトマト以外の野菜搾汁液を含むことができる。
この場合、野菜の搾汁とは、野菜を加熱処理や、十分な水洗い、水にさらす、薬品処理する等の非加熱処理を搾汁前後に施すなどして得られた野菜搾汁を用いることができる。さらに、前記野菜搾汁を特定の樹脂に通液するなどして野菜搾汁に含まれる特定の成分を除去した野菜搾汁も原料として用いることができる。また、これらの工程で得られた野菜搾汁を単独で用いることができるが、2種類以上を適宜用いることもできる。
この際、野菜としては、例えばニンジン、ナス、カボチャ、ピーマン、ゴーヤ、ナーベラ、トウガン、オクラ、トウガラシ、トウモロコシ、キュウリ等の果菜類、ニンジン、ゴボウ、タマネギ、タケノコ、レンコン、カブ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ニンニク、ショウガ等の根菜類、モロヘイヤ、アスパラガス、セロリ、ケール、チンゲンサイ、ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、ミツバ、パセリ、ネギ、シュンギク、ニラ等の葉茎類等を挙げることができる。
中でも、トマトの風味を干渉しない点で、主に葉茎部を可食部とする野菜である葉物野菜が好ましく、例えばホウレンソウ、小松菜、カラシ菜、サラダ菜、春菊、白菜、レタス、芽キャベツ、キャベツ、チンゲン菜、シソの葉、ブロッコリー、モロヘイヤ、ネギ、ミズナ、ビート、チシャ、ターサイ、ケール、大麦若葉、セロリ、パセリ、ミツ葉、アスパラガス、クレソン、ニラ、高菜などを挙げることができ、さらにはモヤシ、ダイコンの葉部、サツマイモの葉部なども適宜利用できる。
なお、これらの野菜のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるトマト含有飲料において、トマト搾汁液以外の野菜搾汁液の配合量は、トマトの風味に干渉し過ぎないようにするという観点から、飲料全体に対するトマト搾汁液以外の野菜搾汁液の配合割合(トマト搾汁液以外の野菜搾汁液/飲料全体)を0〜50質量%、特に0〜40質量%、中でも特に0〜30質量%、さらには0〜20質量%、とりわけ0〜10質量%であるのが好ましい。また、トマト本来の風味を最大限に引き出す場合には、トマト搾汁液以外の野菜搾汁液を添加しないものが好ましい。
また、使用する野菜の種類は1種類でもよいが、2種以上の野菜から得た搾汁液を混合して用いてよい。複数種類の野菜を配合した場合には、その全体に占める各種野菜の割合は適宜調整することができる。
(果汁)
上述のとおり、本発明におけるトマト含有飲料は、消費者の嗜好に合せて果汁を含むことができる。この場合、果汁は単独で配合することもできるが、野菜搾汁と果汁を混合して配合してもよいが、トマト本来の風味を最大限に引き出すために果汁を添加しないものが好ましい。
配合し得る果汁の果実としては、例えば柑橘類果実(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)、リンゴ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、カシス、ブルーベリー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類等が挙げられる。
使用する果実の種類は1種類でもよいが、2種以上の果実から得た搾汁液を混合して用いてもよい。
本発明におけるトマト含有飲料において、果汁の配合量は、トマトの風味に干渉し過ぎないようにするという観点から、飲料全体に対するトマト搾汁液以外の野菜搾汁液の配合割合(トマト搾汁液以外の野菜搾汁液/飲料全体)を0〜50質量%、特に0〜40質量%、中でも特に0〜30質量%、さらには0〜20質量%、とりわけ0〜10質量%であるのが好ましい。また、トマト本来の風味を最大限に引き出す場合には、果汁を添加しないものが好ましい。
(その他の成分)
本発明におけるトマト含有飲料は、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくてもトマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持するものである。よって、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくても本願発明の効果は発揮されるものであるが、消費者の嗜好などに合せて各種添加物などの添加を排除するものではない。特に、トマト果汁飲料やトマトミックスジュースなどが通常含有し得る成分、例えば、食塩、香辛料、酸味料、調味料、野菜や果実以外の農畜産物、着色料などを適宜加えることを排除するものではない。また、本トマト含有飲料は、各種食物繊維、各種甘味料、その他の成分を添加することもできる。
食物繊維としては、例えば難消化性デキストリン、ペクチン、グアー豆酵素分解物、グアーガム、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、不溶性食物繊維としては、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサンなどが挙げられる。なかでも、製品の粘性や粒度、さらには透明性の観点から、難消化性デキストリン、ペクチンが好ましい。具体的には、難消化性デキストリンについてはその機能性を特に期待することができる。ペクチンについては、飲料の可溶性部分(上清)の粘度を上げて透明化を抑制することができる。
本発明におけるトマト含有飲料においては、上記食物繊維から選ばれる1種又は2種以上の食物繊維、特に添加型食物繊維を飲料全体に対して0.01〜4.0質量%、好ましくは0.01〜2.5質量%、さらに好ましくは0.03〜2.5質量%含有してもよい。
甘味料としては、例えば砂糖、蔗糖、果糖ぶどう糖液糖、果糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、トレハロース、ラクトース、キシロース、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトール等を挙げることができる。
本発明におけるトマト含有飲料においては、上記甘味料から選ばれる1種又は2種以上の甘味料を飲料全体に対して0.0005〜0.05質量%、特に0.003〜0.03質量%、中でも特に0.005〜0.015質量%含有してもよい。
その他の成分としては、トマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持するという本願発明の効果を阻害するものでない限りにおいて添加することができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料;酸化防止剤;炭酸水素ナトリウム(重曹)等のpH調整剤;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;食物繊維、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナイアシン、パントテン酸等の強化剤;各種乳酸菌やこれを含む発酵乳等をさらに含有していてもよい。
さらに、本発明におけるトマト含有飲料は、二酸化炭素などの気泡を封入することにより、発泡性飲料又は炭酸飲料の形態でも提供することができる。また、本トマト含有飲料は、アルコールを含まない非アルコール性飲料であるのが好ましいが、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、アルコール性飲料として提供することもでき、かかるアルコール性飲料は炭酸性と非炭酸性とのいずれであってもよい。
(容器)
本発明におけるトマト含有飲料を充填する容器は、特に限定するものではない。例えば金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PET容器、紙容器、壜等を挙げることができる。容器の形状や色彩は問わないが、市場性や簡便性を考慮すると、金属缶、PET容器、紙容器を用いるのが好ましく、さらにPET容器は透明、半透明、不透明のいずれを用いてもよい。
(RTD)
本発明のトマト含有飲料は、濃縮加工したものを容器詰したもの(コンク)であってもよいが、購入後にそのまま飲用することができるRTD(Ready To Drink)であることが、ユーザーの簡便性の観点から優れている。
(容器詰野菜飲料の製造方法)
本発明の容器詰トマト含有飲料は、上述のトマト搾汁を調製した後、必要であればホモジナイザー処理を行い、その後、必要に応じて水、食塩、香辛料、酸味料、調味料などを加えて味、濃度、成分値などを調整して、殺菌及び容器充填するなどして製造することができる。
(タンパク質)
本発明のトマト含有飲料におけるタンパク質量は、トマト本来の自然な旨味やコク味を引き出す観点から、0.5〜2g/100mL以上が好ましく、0.7〜1.8g/100mLがより好ましく、0.9〜1.6g/100mLがさらに好ましく、1.0〜1.5g/100mLが最も好ましい。
また、タンパク質量を調整する方法としては、各種タンパク質や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、各タンパク質量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えば分光光度計 U−3310(日立社製)などで測定することができる。
(リコピン)
本発明のトマト含有飲料におけるリコピン量は、5〜500mg/Lが好ましく、8〜500mg/Lがより好ましく、10〜250mg/Lがさらに好ましく、10〜180mg/Lが最も好ましい。
また、リコピン質量を調整する方法としては、リコピンや、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、リコピン量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えば社団法人 全国トマト加工品・調味料検査協会編集の「分析便覧」,トマト加工品・ソース類・食酢関係(PART1),昭和56年3月、8〜9頁に記載の方法に基づき、分光光度計 U−2100(日立社製)などで測定することができる。
(ビタミン類)
本発明のトマト含有飲料は、抗酸化作用を有するといわれるビタミンAやビタミンCを多く含むことが好ましい。具体的には、ビタミンA含有量は、飲料100mLあたり200〜800μgであるのが好ましく、350〜800μgであるのが特に好ましい。ビタミンC含有量は、飲料100mLあたり200〜800mgであるのが好ましく、300〜800mgであるのがより好ましく、400〜800mgであるのが特に好ましい。
各種ビタミン類量を調整する方法としては、各種ビタミン類量や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましい。
(粘度)
本発明のトマト含有飲料の粘度は、喉越し、風味の観点から、250cP以上、特に300〜1000cP、なかでも300〜600cPであるのが好ましい。粘性の調整には、多糖類を添加するなどの方法により調整することができる。
なお、粘度の測定には、公知の方法を用いればよく、例えば市販の粘度計により測定することができる。
(pH)
本発明のトマト含有飲料のpHは、4.0〜5.0であるのが好ましく、4.2〜5.0であるのがより好ましく、4.3〜4.8であるのがさらに好ましく、4.4〜4.6であるのが最も好ましい。pHの調整は、アスコルビン酸類や重炭酸ナトリウムなどを用いる方法により調整することができる。
(累積粒子径)
本発明のトマト含有飲料における10%累積粒子径(10.0%D)は、特に限定されるものではないが、10%累積粒子径(10.0%D)が50〜200μmであるのが好ましく、70〜180μmであるのがより好ましく、80〜170μmであるのがよく、さらに好ましく、90〜160μmであるのがよりさらに好ましく、100〜150μmであるのが最も好ましい。
本発明のトマト含有飲料における50%累積粒子径(50.0%D)は、特に限定されるものではないが、50%累積粒子径(50.0%D)が240〜360μmであるのが好ましく、250〜350μmであるのがより好ましく、260〜340μmであるのがよく、さらに好ましく、270〜330μmであるのがよりさらに好ましく、280〜320μmであるのが最も好ましい。
本発明のトマト含有飲料における90%累積粒子径(90.0%D)は、特に限定されるものではないが、90%累積粒子径(90.0%D)が440〜560μmであるのが好ましく、450〜550μmであるのがより好ましく、460〜540μmであるのがよく、さらに好ましく、470〜530μmであるのがよりさらに好ましく、480〜520μmであるのが最も好ましい。
本発明のトマト含有飲料における平均粒子径は、特に限定されるものではないが、210〜330μmであるのが好ましく、220〜320μmであるのがより好ましく、230〜310μmであるのがさらに好ましく、240〜300μmであるのがよりさらに好ましく、250〜290μmであるのが最も好ましい。
トマト含有飲料における各累積粒子径は公知の方法を用いればよく、例えばレーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)によって測定することができる。
本発明のトマト含有飲料は、9−oxo−ODAと13−oxo−ODAの含有量(総oxo−ODA値)を5〜100μg/100g含むのが好ましく、5〜75μg/100g含むのがより好ましく、5〜50μg/100g含むのが最も好ましい。
トマト含有飲料における9−oxo−ODAと13−oxo−ODAの含有量(総oxo−ODA値)は、例えばBiosci. Biotechnol. Biochem.,75(8),1621-1624に記載の方法で測定することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(トマト搾汁液の調製)
トマトペースト(27.0質量%)、トマト汁a(2.47質量%)、トマト汁b(3.7質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加することにより、トマト搾汁液を得た(Brix9.1、γ−アミノ酪酸92mg/100g、グルタミン酸0.45mg/100g)。得られたトマト搾汁液のBrixを調整してBx:4.5とした(γ−アミノ酪酸:46mg/100g、グルタミン酸:0.25mg/100g、グルタミン酸以外のアミノ酸量:0.4mg/100g)。Brix調整して得られたトマト搾汁液を6本のPET容器に分注し、市販のグルタミン酸製剤を以下に記載の分量で添加し、得られた6本の容器詰トマト搾汁液におけるグルタミン酸量を測定した。
各サンプル品のアミノ酸量は、以下の方法により測定した。
<アミノ酸類>
Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
カラム :XBridge
Shield RP18 3.0×100mm
温度 :40℃
注入量 :5μL
移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)
移動相B:アセトニトリル
検出器 :Waters
2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長:励起335nm
エミッション450nm
(トマト搾汁液の調製)
(トマト搾汁液A)
青果トマトを購入して搾汁することによりトマト搾汁液を準備し、これをトマト搾汁液Aとして用いた(Brix5、γ−アミノ酪酸50mg/100g)。
(トマト搾汁液B)
トマトペースト(27.0質量%)、トマト汁a(2.47質量%)、トマト汁b(3.7質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加することにより、トマト搾汁液Bを得た(Brix9.1、γ−アミノ酪酸92mg/100g)。
(トマト搾汁液C)
上述のトマト搾汁液Aとトマト搾汁液Bとを50:50の割合で混合することにより、トマト搾汁液Cを得た(Brix7.5、γ−アミノ酪酸73mg/100g)。
(サンプル調製)
表1に記載のグルタミン酸量となるように、トマト搾汁液A〜Cにそれぞれ市販のグルタミン酸ナトリウム(純度97・5%)を添加したサンプルを調製し、得られたトマト搾汁液混合液をPET容器に充填し、殺菌処理した。
各サンプル品のアミノ酸量は、以下の方法により測定した。
<アミノ酸類>
Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
カラム :XBridge
Shield RP18 3.0×100mm
温度 :40℃
注入量 :5μL
移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)
移動相B:アセトニトリル
検出器 :Waters
2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長:励起335nm
エミッション450nm
<官能評価試験>
トマト含有飲料の官能評価試験は、10人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、10人のパネラーの評価の平均値である。
<フルーツトマトらしさ>
5点:強く感じられる
4点:感じられる
3点:まあ感じられる
2点:あまり感じられない
1点:全く感じられない
<甘味と旨味のバランス>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:まあ良好
2点:良好とはいえない
1点:全く良好とはいえない
<後味・キレ>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:まあ良好
2点:良好とはいえない
1点:全く良好とはいえない
<飲み易さ>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:まあ良好
2点:良好とはいえない
1点:全く良好とはいえない
<総合評価>
上記各項目についての評点合計値に基づき、総合評価を算出した。
◎:15点以上(優)
○:12〜14点(良)
△:10〜11点(可)
×:9点以下(不可)
(表1)
Figure 0005439615
(表2)
Figure 0005439615
(表3)
Figure 0005439615
(考察)
トマト搾汁液A及びトマト搾汁液Bをベースにして得たトマト含有飲料においては、後味・キレの評価項目を除く評価項目は、グルタミン酸比率を高めることにより低下する傾向にあることがわかった。これに対して、トマト搾汁液Cをベースにして得たトマト含有飲料は、飲み易さの評価項目は低下傾向にあったものの、フルーツトマトらしさや甘味と旨味のバランスにおいて評価が徐々に高くなることがわかった。また、後味・キレの評価については、大きな変化は見られなかった。このことから、γ−アミノ酪酸が一定範囲内(55〜100mg/100g)である場合である場合においてグルタミン酸比率が高まるとトマト含有飲料において好ましい効果が得られることがわかった。また、γ−アミノ酪酸が一定範囲から逸脱すると所望の効果が得られないことも明らかになった。
本発明によれば、フルーツトマトのような味覚を有しトマト由来の甘味や濃厚感を維持しつつも、グルタミン酸含有率が高く設計した容器詰トマト含有飲料を提供することができる。

Claims (13)

  1. γ−アミノ酪酸が60〜90mg/100gであり
    アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が1.82〜3.9であり、
    Brixが5.5を超える値であり且つ11未満であり、
    カルシウム量が18mg/100g以下であり、且つ
    γ−アミノ酪酸/ナトリウムが4.5〜9.5であることを特徴とする容器詰トマト含有飲料。
  2. γ−アミノ酪酸/カルシウムが5.9〜8.1であることを特徴とする請求項に記載の容器詰トマト含有飲料、
  3. マグネシウム量が10〜15.5mg/100gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰トマト含有飲料。
  4. ナトリウム量が10.9〜12.4mg/100gであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  5. γ−アミノ酪酸/カリウムが0.23〜0.3であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  6. カリウム量が240〜350mg/100gであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  7. 粘度が200〜500cPであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  8. pHが4.0〜5.0であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  9. トマト以外の野菜を原料として使用しないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  10. 果汁を実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  11. 甘味付与剤を実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
  12. γ−アミノ酪酸を60〜90mg/100gに調整する工程と、
    アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を1.82〜3.9に調整する工程と、
    Brixを5.5を超える値であり且つ11未満に調整する工程と、
    カルシウム量を18mg/100g以下を調整する工程と、
    γ−アミノ酪酸/ナトリウムを4.5〜9.5に調整する工程と
    を含むことを特徴とする容器詰トマト含有飲料の製造方法。
  13. γ−アミノ酪酸を60〜90mg/100gに調整し、
    アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を1.82〜3.9に調整し、
    Brixを5.5を超える値であり且つ11未満に調整し、
    カルシウム量を18mg/100g以下を調整し、
    γ−アミノ酪酸/ナトリウムを4.5〜9.5に調整する
    ことを特徴とする容器詰トマト含有飲料における呈味の向上方法。
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