JP5271438B1 - トマト含有飲料及びその製造方法、並びにトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トマト加工物を含有すると共に、甘味料及び食塩が非添加のトマト含有飲料であって、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であり、糖度が4.8以上であり、糖酸比が10.0以上であり、pHが4.2〜4.8であることを特徴とする構成とした。
【選択図】なし
Description
また、高齢者層のみならず、中高年から若年者層にあっても、健康思考の強まりから、食事における栄養バランスの確保等のため、野菜飲料の需要は今後も増大するものと考えられる。
また、最近の研究において、トマトに含有されるリコピン等のポリフェノールの生理活性機能にも着目されており、これらの有効成分を手軽に摂取したいという要望は確実に高まってきている。
従って、より多くの消費者にトマト含有飲料を受け入れてもらうためには、消費者の広い嗜好要望を勘案し、風味、食感等の観点から、最適な製品バリエーションの展開を行う必要があった。
しかしながら、上述のとおり個人の嗜好にはばらつきがあり、これらの要素を一律で軽減若しくは強化することでは、解決できる問題ではない。
この種のトマトミックス飲料においては、果汁や野菜汁の配合によって低粘度化され得るとともに、トマトの酸味が果汁の甘み等によって隠蔽されるため、飲み易さが向上する傾向にある。しかしながら、この種のトマトミックス飲料は、むしろ果汁飲料或いは野菜汁飲料に近いものであり、それ故、トマト含有飲料としての消費者への訴求力に欠けるものであった。
しかしながら、フレッシュトマトの新鮮な風味を生かしつつ、甘味を強く感じることができ、且つ食感が滑らかでさらっとしてより飲み易いトマト含有飲料に対する要望も強く、これらの要望にも対応可能なトマト含有飲料の開発が求められていた。
しかしながら、特許文献1に係る発明にあっては、長時間の剪断処理が必要であり、さらには酵素失活のための熱処理が必要とされるため、処理が煩雑で簡便なものではなく、また、熱処理に伴って風味劣化や加熱臭等が生じ、フレッシュトマトの新鮮な香りが飛んでしまうという問題があった。
(1)
トマト加工物を含有し、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であると共に、糖度が4.8以上であり、且つ糖酸比が10.0以上であることを特徴とするトマト含有飲料。
上記飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径(50%D)が10μm以下であることを特徴とする1のトマト含有飲料。
更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有することを特徴とする1又は2のトマト含有飲料。
上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得られたものであることを特徴とする請求項3記載のトマト含有飲料。
トマト加工物を含有し、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であると共に、糖度が4.8以上であり、且つ糖酸比が10.0以上となるように調整することを特徴とするトマト含有飲料の製造方法。
上記飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径(50%D)が10μm以下となるように調整することを特徴とする5のトマト含有飲料の製造方法。
更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有するように調整することを特徴とする5又は6のトマト含有飲料。
上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得ることを特徴とする請求項7記載のトマト含有飲料の製造方法。
トマト加工物を含有し、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であると共に、糖度が4.8以上であり、且つ糖酸比が10.0以上となるように調整することを特徴とするトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
上記飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径が7.0μm以下となるように調整することを特徴とする9のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有するように調整することを特徴とする9又は10のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得ることを特徴とする請求項11記載のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
に関する。
本発明のトマト含有飲料は、主原料としてトマトを搾汁して得られるトマト加工物を含有するものであって、トマト加工物はトマト搾汁又はその濃縮物(これらの希釈還元物が含まれる。)であってもよいが、さらさら感等の観点から好ましくは後述の透明トマト汁を優位に使用することができる。また、1又は複数のトマト加工物をブレンドすることにより得ることが可能である。好ましくは、トマト搾汁又はその濃縮物(これらの希釈還元物が含まれる。)などのトマト加工物及び後述の脱酸処理したトマト汁(脱酸トマト汁)を含有しても良い。本発明者らは、それらのトマト原料を適宜ブレンドして、飲料中に含有する粒子の粒子径、糖度、及び糖酸比を所定の範囲に調整したトマト含有飲料を作製したところ、トマトのフレッシュ感を良好に感じられ、甘みがあり、且つトマトの酸味が抑制されているにも関わらず、さらっとした飲み易いトマト含有飲料が、再現性よく簡便に実現されることを見出した。
本実施形態のトマト含有飲料の製造方法を説明するにあたり、まず原料として特に好適なトマト加工物、透明トマト汁及び脱酸トマト汁等について、以下に説明することとする。
本発明の実施の形態においてトマト加工物とは、トマトの冷時破断物であり、より具体的には、ペクチナーゼを失活させない温度として、約95℃を超えない範囲の低温環境下においてトマトを破砕(所謂コールドブレイク)して搾汁し、或いは裏ごしし、皮や種子等を除去して得られるトマト搾汁、及び、これらを濃縮したもの(濃縮トマト)を意味し(これらを希釈還元したものが含まれる)、JAS規格で指定されたトマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト及び濃縮トマト等を包含する概念である。これらは、さらに他の成分(例えば、少量の食塩や香辛料、食品添加物等)を含有していてもよい。かかるトマト加工物の性状は、特に限定されず、例えば、液状、ゲル状、ペースト状(擬固体状)、半固体状、固体状のいずれであってもよい。なお、主原料とは、トマト含有飲料の総量に対して50重量%以上を占めるものをいう。
さらに、これらの方法に従って圧搾(搾汁)されたものを、所望により、ジューサーにかけてもよい。さらに、これらの方法に従って圧搾(搾汁)されたものを、所望により、ペクチナーゼやセルラーゼといった酵素処理、ジューサーにかけてもよい。
なお、上記膜濾過濃縮に用いる濾過膜としては、水分のみを透過しうる逆浸透膜、所定の食塩阻止率を有するナノろ過膜の他、その他必要に応じ、所望の成分が透過しうる限外濾過膜、精密濾過膜等を適宜採用し、濃縮濃度及び濃縮後の含有成分等を調整することができる。
また、本実施形態においては、上記トマト加工物を所定の目開きの篩を用いて、ろ過することによって、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下、望ましくは100μm以下に調整され、且つ累積50%粒子径が10μm以下となるように調整されていることが望ましい。
なお、粒子の粒子径とは、粒子の長径を測定したものであり、既存の測定装置で測定可能である。具体例としては島津製作所社製のレーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100等による測定結果を用いることができる。
また、本明細書において、透明トマト汁とは、濁度の指標であるT%(660nmでの透過率)が10%以上のものを意味する。かかる透明トマト汁としては、上述したトマト搾汁或いは濃縮トマトを遠心分離等して得た上清を濃縮したもの(言い換えれば、トマト搾汁或いは濃縮トマトに含まれる粒子の一部を除去した濃縮トマト)及びこれらを希釈還元したものが包含される。また、「透明」とは、Brix4.5において、Brix4.5を超えるものに対して、透明度に優れることを意味する。なお、透明トマト汁は、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができ、特に限定されないが、飲料製造時の扱いやすさの観点から、無塩可溶性固形分が4〜70%のものが好ましい。
なお、透明トマト汁は、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
本実施形態における脱酸トマト汁は、酸性分を除去乃至低減したトマト汁であって、例えば主原料としてトマト加工物を含有するものであって、上述の透明トマト汁を、重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得られたものがある。
上記重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂は、重炭酸イオン又は炭酸イオンがイオン結合した陰イオン交換樹脂であることが必要とされる。その母材となる陰イオン交換樹脂は、強塩基性イオン交換樹脂又は弱塩基性イオン交換樹脂であることが好ましい。かかる強塩基性イオン交換樹脂又は弱塩基性イオン交換樹脂中に含まれるClイオン或いは水酸基といったイオン交換基を、重炭酸イオン又は炭酸イオンにイオン交換させることにより、重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂を簡易に得ることができる。
透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより、処理後の透明トマト汁(脱酸トマト汁)においては、酸味が低減され、甘味が前面に出てより感じ易くなる。
これは、透明トマト汁に含まれるクエン酸等の酸味成分が重炭酸置換することで除去され、また、置換された重炭酸が炭酸ガスとなって抜け出ることによるものと推定される。
ここで、透明トマト汁に含まれる酸味成分のなかでも、クエン酸は、比較的に透明トマト汁中の含有量が多く、また比較的に酸味を強く感じさせる成分なので、上述した酸味低減効果は、透明トマト汁中のクエン酸の除去によるところが大きいと考えられる。
なお、脱酸トマト汁の製造方法としては、上述の方法の他、透明トマト汁に、カルシム又はその塩を配合し、クエン酸等のヒドロキシ酸及と配合したカルシウムとが反応してカルシウム生成物(塩、水和物、又はキレート等)を形成させる方法、酵素を用いた分解処理法等がある。
いずれも、処理後の透明トマト汁(脱酸トマト汁)において酸味を低減されるが、カルシウム又はその塩を配合する方法の場合、カルシウム金属イオンが所定濃度を超えるとエグ味、金属味、及び塩味が感じられてしまうことから、本実施例においては、陰イオン交換樹脂を用いた脱酸トマト汁を用いることが好ましい。
具体的には、上記脱酸トマト汁をトマト含有飲料に対して5.0wt%〜70wt%の割合で添加することが好ましく、30wt%〜50wt%であることがより好ましい。
トマト果実を粉砕後、所定径以上の粒子を除去後、濃縮したものである。本命最初において混濁トマト汁を用いる場合は、市販の混濁濃縮トマト汁A(Brix40)を、必要に応じて水で希釈し、所望のBrix値に調整してから用いた。
上記青葉アルコール類は、概ね沸点が低く、加熱殺菌処理によって除去することができる。
青臭さが強すぎる場合は、トマト含有飲料が忌避される要因ともなり得るため、加熱等により除去することが望ましいが、一方で、青葉アルコールの香りは、トマトを生食する場合に感じられる独特の香りであり、トマトのフレッシュ感を得られる香りでもあることから、元来よりトマトを好んで食する消費者は、この香りを好む傾向にある。
本実施の形態にあっては、トマト加工物を106μm(150メッシュ)以下、望ましくは63μm(250メッシュ)以下の目開きの篩を用いてろ過することによって、飲料液中の含有粒子の粒子径を、所定の粒子径以下に限定した。
なお、ろ過後の液中に含有される粒子の粒子径は、濾過時において粒子の変形、重力等の影響によって、上記目開き寸法よりも大きな値となる。
従って、本実施例においては、飲料液中の含有粒子の粒子径を、上記の150Mの篩を通過可能であった、350μm以下、好ましくは100μm以下に限定することによって、飲料液中の酸味を抑制し、更に糖酸比を所定の範囲とすることによって、さらっとした食感であると共に、甘味感じ易く、且つ酸味とのバランスも良い、好適なトマト含有飲料を提供する。
本実施例において、飲料液中の含有粒子の大きさを限定することによって、酸味が抑制される詳細な機構は不明であるが、粒子径が限定されることにより、粒子毎の酸味の強弱が平滑化され、舌上で感じる酸味が抑制され、その分甘味が感じ易くなる等の要因が考えられる。
また、本実施形態のトマト含有飲料は、pH調整剤を含むことができる。pH調整剤の配合により、トマト含有飲料のpHが酸性側にふれることによる酸味の増強が抑制され、トマト含有飲料の飲み易さが向上する傾向にある。かかるpH調整剤としては、重曹、アスコルビン酸類などを用いる方法により調整が好ましい。pH調整剤として重曹を採用することにより、上述したpH調整機能に加えて、さらにトマトの過度エグ味が緩和されてトマト含有飲料の飲み易さが向上する傾向にある。
この範囲にある本実施形態のトマト含有飲料は、殊に、酸味が抑制され、飲料形態として殊においしく飲めるものとなる。なお、pHが高すぎるものは衛生上の観点から強い殺菌処理が必要となる傾向にあるので、生産性及び経済性の観点から好ましくなく、この殺菌処理にともない、フレッシュ感が損なわれると共に、焦げや加熱臭や焼け臭が強くなる要因ともなりうることから、本実施形態のトマト含有飲料のpHは特に4.0〜5.0であるのがより好ましく、4.2〜4.8であるのがさらに好ましく、4.2〜4.6であるのが最も好ましい。
本実施形態のトマト含有飲料の粘度は、100〜400cP、より好ましくは200〜350cPに調整されていることが好ましい。この程度の低粘度であることにより、殊に飲み易さが高められる傾向にある。
ペクチンを失活させないよう、所謂コールドブレイク処理にて得られたトマト加工物A、BをBrix5.0となるように純水で希釈し、それぞれ目開き106μm(150メッシュ)、63μm(250メッシュ)の篩により大気圧下で濾過することによって、含有粒子の粒子径が限定された、以下の粒子組成のトマト加工物試料1、2を得た(表1)。
本実施例において使用した脱酸トマト汁は以下の手順で調製されたものである。
即ち、強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、PA316)をタンクに充填し、これに3%NaOH水溶液を通液した後、イオン交換水、3%NaHCO3水溶液、イオン交換水を順次通液して、重炭酸置換を行った。
次に、市販の透明濃縮トマト加工物(Clear Tomato Concentrate 60°Brix、LYCORED社製、Brix:60、酸度:3.64、pH:4.15)をイオン交換水で約4倍に希釈還元して、透明トマト汁(Brix:14.6、酸度:0.86、pH:4.2、Brix4.5調整時の粘度:1.36cP)を準備し、これを重炭酸置換した陰イオン交換樹脂に上向流方式で複数回通液した後、100メッシュのフィルターで濾過することにより、本実施例の脱酸トマト汁を得た。
上記仕様の脱酸トマト汁を、それぞれBrix10.0、及び5.0相当となるように純水で希釈し、脱酸トマト汁試料A、Bを得た。
上記のトマト加工物試料1、2及び脱酸トマト汁試料A、Bを表2に示した割合で混合し、所謂ホットパック(95℃以上に昇温させ)PET容器に詰めて、キャップを巻き締め飲料を作成することにより、実施例1〜実施例8(表2)を得た。
その際、pHやBrixは、表4の値になるように、調整をした。
なお、pHの調整は上述の通り、アスコルビン酸類や重炭酸ナトリウムなどを用いる方法により調整することが可能である。
また、Brixについては、水を所定量加えることで任意の値に調整することができる。
また、本願発明の評価にあって特に必須ではない数値項目については、適宜測定を省略することができる。
Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm
温度 :40℃
注入量 :5μL
移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)
移動相B:アセトニトリル
検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長:励起335nm エミッション450nm
<Brix(糖度)>
光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて、Brixを測定した。
<酸度>
自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1750)を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づいて、クエン酸換算で算出した。
<クエン酸>
LC−10ADvp(株式会社 島津製作所)を用いて、HPLC法に基づいてクエン酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
検出器:紫外可視吸光光度計 SPD−20AV(株式会社 島津製作所)
カラム:Shodex RSpak KC−811×2、φ8mm×300mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/l過塩素酸
反応液:0.2mmol/lブロムチモールブルー含有
15mmol/lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相0.5ml/min、反応液0.5ml/min
測定波長:445nm
<粘度>
TVB−10型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、回転数60rpm及び30秒の条件下で、粘度を測定した(表中の数値は、3回の平均値である)。なお、粘度の測定域を外れる場合は回転数を適宜変更し測定した。
トマト含有飲料の官能評価試験は、7人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、7人のパネラーの評価の平均値である。
<トマトの自然な甘味>
5点:非常に強い
4点:やや強い
3点:感じない又はどちらでもない
2点:やや弱い
1点:非常に弱い
<トマトの自然な酸味>
5点:非常に強い
4点:やや強い
3点:感じない又はどちらでもない
2点:やや弱い
1点:非常に弱い
<甘味と酸味のバランス>
5点:非常にバランスが良い
4点:バランスが良い
3点:どちらでもない。
2点:バランスがやや悪い
1点:バランスが悪い。
<生トマトのフレッシュ感>
5点:非常に強い
4点:やや強い
3点:感じない又はどちらでもない
2点:やや弱い
1点:非常に弱い
各評価項目を総合的に勘案して、商品としての適性を評価した。
◎:商品としての適性に非常に優れている
○:商品としての適性に優れている
△:商品としての適性は標準的である
×:商品としての適性に劣っている
なお、表3に示すとおり、比較例1乃至4は、上記トマト加工物試料1、トマト加工物資料3(粒子径の限定を行わなかったもの)、混濁トマト汁、脱酸トマト汁A,Bを用いて、それぞれ、表4に示す粒子径、糖度、及び糖酸比に調整したものである。
本実施例1乃至8は、トマトの自然な甘味、トマトの自然な酸味、経時的な味の変化、香りの変化において、比較品1〜4と比較して高い官能評価結果を得られた。
このことから、飲料液中の含有粒子の粒子径を限定し、更に糖度、糖酸比を調製することによって、トマトのフレッシュ感を保持しつつも、甘さと酸味のバランスが良く、サラッとした食感の新規のトマト含有飲料を提供することができる。
これによって、トマト含有飲料に対する消費者の幅広い嗜好、即ち、単に甘味を強めるのではなく、生トマトのフレッシュ感、サラッとした食感といった、トマト好きの嗜好にも応えうる、画期的な、新規のトマト含有飲料及びその製造方法を提供することができる。
また、本願に係る方法は、トマトの酸味を抑制する方法としても、広く一般的に適用できるものであり、その応用範囲は広い。
Claims (12)
- トマト加工物を含有すると共に、甘味料及び食塩が非添加のトマト含有飲料であって、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であり、糖度が4.8以上であり、糖酸比が10.0以上であり、pHが4.2〜4.8であることを特徴とするトマト含有飲料。
- 上記粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径(50%D)が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のトマト含有飲料。
- 更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトマト含有飲料。
- 上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得られたものであることを特徴とする請求項3記載のトマト含有飲料。
- トマト加工物を含有すると共に、甘味料及び食塩が非添加のトマト含有飲料であって、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であり、糖度が4.8以上であり、糖酸比が10.0以上であり、pHが4.2〜4.8となるように調整することを特徴とするトマト含有飲料の製造方法。
- 上記粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径(50%D)が10μm以下となるように調整することを特徴とする請求項5に記載のトマト含有飲料の製造方法。
- 更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有するように調整することを特徴とする請求項5又は6に記載のトマト含有飲料。
- 上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得ることを特徴とする請求項7記載のトマト含有飲料の製造方法。
- トマト加工物を含有すると共に、甘味料及び食塩が非添加のトマト含有飲料であって、飲料液中の含有粒子の累積90%粒子径(90%D)が350μm以下であり、糖度が4.8以上であり、糖酸比が10.0以上であり、pHが4.2〜4.8となるように調整することを特徴とするトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
- 上記粒子の累積90%粒子径(90%D)が100μm以下であると共に、累積50%粒子径(50%D)が10μm以下となるように調整することを特徴とする請求項9に記載のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
- 更に、脱酸トマト汁を飲料液重量に対し5.0wt%〜70wt%の割合で含有するように調整することを特徴とする請求項9又は10に記載のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
- 上記脱酸トマト汁は、透明トマト汁を重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂に通液することにより得ることを特徴とする請求項11記載のトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法。
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