JP5534235B2 - トマト含有飲料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、脱酸トマト汁及びその製造方法、並びに、トマト含有飲料及びトマト含有飲料の酸味抑制方法に関する。
JAS規格で指定されたトマトジュース(トマトを破砕して搾汁し或いは裏ごしし、皮や種子等を除去したもの(以下「トマト搾汁」ともいう。)又はこれに食塩を加えたもの、及び、濃縮トマトを希釈して搾汁の状態に戻したもの又はこれに食塩を加えたもの)は、トマト本来の風味が再現されていることから、古今東西、年齢や性別を問わず、多くの人に愛飲されている。しかしながら、JAS規格で指定されたトマトジュースは、食物繊維などの水不溶性固形分が多く含まれているので本来的に粘度が高く、そのため、比較的に飲み難いという欠点があり、さらには近年の消費者の嗜好性の変化も相まって、市場が徐々に縮小している実情がある。
一方、主原料となるトマトジュースに果汁やにんじん汁等の野菜汁を配合した、種々のトマトミックス飲料が開発されている。この種のトマトミックス飲料においては、果汁や野菜汁の配合によって低粘度化され得るとともに、トマトの酸味が果汁の甘み等によって隠蔽され得るため、飲み易さが向上される傾向にある。しかしながら、この種のトマトミックス飲料は、むしろ果汁飲料或いは野菜汁飲料に近いものであり、それ故、トマト飲料として消費者への訴求力に欠けるものであった。
他方、果汁や野菜汁を配合せずに飲み易さを向上させるために、トマト含有飲料の粘度を小さくすることが検討されており、例えば、特許文献1には、予め粘度を250〜3000mPa・sの範囲に調整した原料トマトジュースに、植物組織崩壊酵素を添加し、103〜1061/sの剪断速度範囲で処理することを特徴とする、低粘度トマトジュースの製造方法が記載されている。
また、食品の風味を向上させるための各種味感向上剤の添加も検討されており、例えば、特許文献2には、トマトジュースから漿液を分離しそれを濃縮することにより得られる、透明トマト濃縮物が記載されている。
特開2009−011287号公報 特開2009−232851号公報
上記特許文献1においては、水不溶性固形分が可溶化されるとともに低粘度化が促進され、その結果、喉越しが改善されたトマトジュースが得られると記載されている。しかしながら、かかる特許文献1の手法では、長時間の剪断処理が必要であり、さらには酵素失活のための熱処理が必要とされるため、処理が煩雑で簡便なものではなく、また、熱処理に伴って風味劣化や加熱臭等が生じ得るという問題があった。
また、上記特許文献1の低粘度トマトジュースは、低粘度化により喉越しが改善されたものになると記載されているものの、トマトの風味、特に甘みと酸味の調整についての記載は一切なく、そのため、JAS規格で指定されたトマトジュースと同様に、トマトの酸味が苦手な者にとって飲み易いものであるとは言い難い。
一方、上記特許文献2においては、透明トマト濃縮物中に存在する各種アミノ酸に起因して食品の味感が向上すると記載されている。しかしながら、上記特許文献2に記載された透明トマト濃縮物は、トマトの酸味が十分に残っており、それ故、これを用いてトマトの酸味が苦手な者にとって飲み易いトマト含有飲料を実現することは困難であった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された新規なトマト含有飲料を再現性よく簡易に実現可能な、新規な脱酸トマト汁及びその製造方法、並びに、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された、新規なトマト含有飲料及びトマト含有飲料の酸味抑制方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、透明トマト汁にカルシウム又はその塩を配合することにより、また、これをトマト含有飲料の原料として用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(8)を提供する。
(1)透明トマト汁にカルシウム又はその塩を配合することにより得られる、
脱酸トマト汁。
(2)前記カルシウム又はその塩が、炭酸カルシウムである、
上記(1)に記載の脱酸トマト汁。
(3)配合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去することにより得られる、
上記(1)又は(2)に記載の脱酸トマト汁。
(4)前記カルシウム生成物が、クエン酸カルシウムである、
上記(3)に記載の脱酸トマト汁。
(5)珪藻土で濾過することにより前記カルシウム生成物の少なくとも一部を除去する、
上記(3)又は(4)に記載の脱酸トマト汁。
(6)粘度が0〜100cPである、
上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の脱酸トマト汁。
(7)トマト搾汁又はその濃縮物と、
上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の脱酸トマト汁と、を少なくとも含有する、
トマト含有飲料。
(8)トマト搾汁又はその濃縮物に、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の脱酸トマト汁を配合することを特徴とする、
トマト含有飲料の酸味抑制方法。
本発明によれば、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された新規なトマト含有飲料を再現性よく簡易に実現可能な、新規な脱酸トマト汁及びその製造方法が実現され、これを用いることにより、主原料となるトマト以外の野菜汁や果汁を配合しなくても、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された、新規なトマト含有飲料及びその製造方法が再現性よく簡易に実現される。また、本発明の他の態様によれば、トマト含有飲料の酸味が効果的に抑制される。
そして、本発明のうちトマト以外の野菜汁及び/又は果汁を実質的に含まないトマト含有飲料の態様によれば、粘度が高く飲み難い上記従来のトマト飲料、酸味が強く飲み難い上記従来のトマト飲料、果汁飲料或いは野菜汁飲料に近い上記従来のトマトミックス飲料、及び、粘度が低く酸味が強い上記特許文献1に記載のトマト飲料、のいずれとも異なるトマト含有飲料、すなわち濃厚な味わいでトマト本来の甘みが際立ち、酸味が抑制されており、さらには飲料形態としておいしく飲める純粋なトマト含有飲料という新たな市場カテゴリーが創設されるので、近年の消費者の嗜好性の多様化に沿うことができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
本実施形態の脱酸トマト汁は、主原料としてトマト果実由来物を含有するものであって、透明トマト汁にカルシウム又はその塩を配合することにより得られるものである。
ここで、本明細書において、トマト果実由来物とは、トマトを破砕して搾汁し或いは裏ごしし、皮や種子等を除去して得られるトマト搾汁、及び、これらを濃縮したもの(濃縮トマト)を意味し(これらを希釈還元したものが含まれる)、JAS規格で指定されたトマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト及び濃縮トマト等を包含する概念である。これらは、さらに他の成分(例えば、少量の食塩や香辛料、食品添加物等)を含有していてもよい。かかるトマト果実由来物の性状は、特に限定されず、例えば、液状、ゲル状、ペースト状(擬固体状)、半固体状、固体状のいずれであってもよい。なお、主原料とは、トマト含有飲料の総量に対して50重量%以上を占めるものをいう。
また、本明細書において、透明トマト汁とは、濁度の指標であるT%(660nmでの透過率)が10%以上のものを意味する。かかる透明トマト汁としては、上述したトマト搾汁或いは濃縮トマトを遠心分離等して得た上清を濃縮したもの(言い換えれば、トマト搾汁或いは濃縮トマトに含まれる水不溶性固形分の一部を除去した濃縮トマト)及びこれらを希釈還元したものが包含される。また、「透明」とは、Brix4.5において、Brix4.5を超えるものに対して、透明度に優れることを意味する。なお、透明トマト汁は、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができ、特に限定されないが、飲料製造時の扱いやすさの観点から、無塩可溶性固形分が4〜70%のものが好ましい。
上記の透明トマト汁の調製は、当業界で公知の手法により適宜行うことができ、特に限定されない。例えば、常法にしたがい、上述したトマト搾汁或いは濃縮トマトを遠心分離する等して得た上清を濃縮することにより得ることができ、また、市販のトマト搾汁或いは濃縮トマトを濃縮することにより得ることもでき、さらには、市販の透明トマト汁を用いることもできる。市販品の透明トマト汁としては、特に限定されないが、例えば、三栄源エフエフアイ社のクリアトマト濃縮汁等が挙げられる。なお、透明トマト汁(B)は、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
なお、上記における搾汁方法としては、リーマ等を用いて搾り取る方法、油圧プレス機、ローラー圧搾機やインライン搾汁機を用いて圧搾し搾汁する方法、パルパー・フィニッシャー等を用いて破砕し搾汁する方法、並びにクラッシャー等を用いて破砕し、チューブヒーター等で加熱して殺菌及び酵素失活を行った後、エクストラクター等を用いて搾汁する方法が知られている。さらに、これらの方法に従って圧搾(搾汁)されたものを、所望により、ジューサーにかけたり、及び/又は殺菌を行ってもよい。さらに、これらの方法に従って圧搾(搾汁)されたものを、所望により、ペクチナーゼやセルラーゼといった酵素処理、ジューサーにかけたり、殺菌を行ってもよい。また、上記における濃縮方法としては、例えば、通常の加熱による濃縮、減圧濃縮、低温濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、及び逆浸透濃縮等が知られている。
上記の透明トマト汁に、カルシウム又はその塩を配合することにより、処理後の透明トマト汁(脱酸トマト汁)において酸味が低減する。これは、透明トマト汁に含まれる酸味成分、例えばクエン酸等のヒドロキシ酸及とカルシウムとが反応してカルシウム生成物(塩、水和物、又はキレート等)を形成することによるものと推定される。ここで、透明トマト汁に含まれる酸味成分のなかでも、クエン酸は、比較的に透明トマト汁中の含有量が多く、また比較的に酸味を強く感じさせる成分なので、上述した酸味低減効果は、透明トマト汁中のクエン酸の除去によるところが大きいと考えられる。
ここで、本実施形態の脱酸トマト汁の原料として用いる透明トマト汁は、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができ、特に限定されないが、高糖度の脱酸トマト汁を得る観点から、Brixが8〜80であることが好ましい。なお、本明細書において、糖度は、Brix値を意味する。ここで、Brix値とは、溶液100g中に含まれる可溶性固形分(糖類など)のグラム量を計測する単位である。Brix値は、市販の屈折率計又は糖度計を用いて測定することができる。
また、本実施形態の脱酸トマト汁の原料として用いる透明トマト汁は、特に限定されないが、Brix4.5調整時の酸度が0.1〜0.5であることが好ましい。酸度が低い透明トマト汁を用いることで得られる脱酸トマト汁の酸度が低くなる傾向にある。一方、透明トマト汁の酸度が高いほど、カルシウム又はその塩の配合による酸度の低減効果が顕著に発揮され易い傾向にある。なお、本明細書において、酸度は、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を用いた電位差滴定法により算出される、クエン酸換算での濃度(%)を意味する。
また、本実施形態の脱酸トマト汁の原料として用いる透明トマト汁は、特に限定されないが、pHが3.7〜4.6であることが好ましい。pHが中性側に偏ると、カルシウム又はその塩の配合による効果が低くなり、得られる脱酸トマト汁のクエン酸の低減率が低くなる傾向にある。
脱酸トマト汁の酸味を低減させるために配合されるカルシウム又はその塩の具体例としては、例えば、カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び乳酸カルシウムが好ましく、脱酸処理後トマト汁の香味へ与える影響を極力抑える観点から、炭酸カルシウムがより好ましい。
上記のカルシウム又はその塩の配合量は、脱酸トマト汁の所望する酸味に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、透明トマト汁中にクエン酸のみが含まれ、且つ、カルシウム又はその塩が透明トマト汁中で100%解離し、クエン酸とカルシウム又はその塩が100%反応してカルシウム生成物を形成する場合、当該クエン酸に対して、カルシウム又はその塩0.8当量を配合すれば十分である。但し、実際には、透明トマト汁中にはクエン酸以外の他の成分が含まれ、また、カルシウム又はその塩が透明トマト汁中で100%解離し得ず、さらには、クエン酸とカルシウム又その塩によるカルシウム生成物の形成が100%進行し得ないので、実用上は、これらのバランスを考慮して、適宜設定する。
カルシウム又はその塩を配合することにより生成するカルシウム生成物(塩、水和物、又はキレート等)の具体例としては、例えば、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、グアニル酸カルシウム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ここで、上記カルシウム生成物を脱酸トマト汁から除去すると、脱酸トマト汁の酸味が一段と低減する。また、未反応のカルシウム又はその塩及びカルシウム生成物は白色の固形物が多く、かかる白色沈殿物の存在により飲料の見栄えが損なわれ得るとともに、他の飲料と混合した際に所望しない色変化を生じ得る。したがって、透明トマト汁にカルシウム又はその塩を配合した後、上記カルシウム生成物の少なくとも一部を除去することが好ましい。その際、未反応のカルシウム又はその塩を除去することがより好ましい。カルシウム生成物の除去方法は、濾過、遠心分離等の公知の手法を適宜適用して行うことができ、特に限定されない。とりわけ、脱酸トマト汁中に沈殿・析出・分散しているカルシウム生成物は、濾過法によって簡易且つ低コストで除去することができる。かかる濾過法を適用する場合、安価に透明性の高い脱酸トマト汁を得る観点から、珪藻土或いはフィルターを用いた濾過等を用いることが好ましい。
かくして得られる脱酸トマト汁は、不要な水不溶性固形分の少なくとも一部が除去されており、且つ、カルシウム生成物が必要に応じて除去されていることにより、そうでないものと比較して、低粘度であり、且つ、酸度が低減されたものとなる。そのため、かかる脱酸トマト汁を用いて、トマト含有飲料を調製することにより、得られるトマト含有飲料の粘度の低減、及び、酸度或いは酸味の低減が、再現性よく簡便に行われる。
なお、脱酸トマト汁は、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができるため、特に限定されないが、トマト含有飲料の低粘度化をより一層高める観点から、粘度が0〜100cPであることが好ましい。ここで、脱酸トマト汁の粘度は、トマトストレートBrix4.5換算で算出したものとする。また、粘度が0とは、粘度が0.5未満のもの、及び、検出限界以下のものを含む含意である。粘度の下限は、特に限定されないが、0.01cP以上であることが好ましい。
以下、本実施形態のトマト含有飲料について説明する。
本実施形態のトマト含有飲料は、主原料としてトマト果実由来物を含有するものであって、トマト搾汁又はその濃縮物(これらの希釈還元物が含まれる。)と、上述した脱酸トマト汁と、を少なくとも含有するものである。
本発明者らが上記構成のトマト含有飲料を作製したところ、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された、格別に飲み易いトマト含有飲料が、再現性よく簡便に実現されることが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
すなわち、トマト含有飲料の酸味を目立たなくさせるには、高濃度のトマト搾汁(濃縮トマト)を使用する等して、単に糖度(Brix)を上げればよいと考えられる。しかしながら、この場合、粘度が非常に高くなり、飲用に適さないものとなってしまう。そのため、上述したように、従来技術では、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあるトマト含有飲料は、粘度が高く飲み難い高Brixトマト飲料、或いは、トマト以外の果汁或いは野菜汁が配合されたトマトミックス飲料(上記従来の果汁飲料或いは野菜汁飲料に近いトマトミックス飲料)としてのみ実現されていたものと考えられる。
これに対し、本実施形態のトマト含有飲料においては、一般的に用いられる(比較的に高いBrixで水不溶性固形分の多い)トマト搾汁又はその濃縮物の他に、不要な水不溶性固形分の少なくとも一部が除去された脱酸トマト汁を配合されているので、比較的に粘度が低く保たれつつも糖度(Brix)が十分に高められ得る。しかも、脱酸トマト汁は、上記のとおり比較的に酸度或いは酸味が低減されたものなので、これを用いることにより、得られるトマト含有飲料の酸味が抑制される。これらが相まった結果、糖度(Brix)が高められ、濃厚な味わいであり、且つ、酸味が低減され、さらには、謂わばトマト自身の甘みによってトマトの酸味が隠蔽された結果、トマト本来の甘みが際立ってフルーツトマトのような甘みを有し飲み易さが高められたトマト含有飲料が実現されたものと考えられる。但し、作用は、これらに限定されない。
ここで、トマト搾汁又はその濃縮物は、脱酸トマト汁において説明したとおりである。本実施形態のトマト含有飲料の原料として用いるトマト搾汁又はその濃縮物の好適例としては、トマトペーストや、上述した脱酸トマト汁以外の透明トマト汁が挙げられる。
なお、トマトペーストとは、上記の濃縮トマトのうち、無塩可溶性固形分が24%以上のものを意味する。トマトペーストは、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができ、特に限定されないが、飲料製造時の扱いやすさの観点から、無塩可溶性固形分が24〜40%のものが好ましい。一方、本明細書において、トマトピューレとは、上記の濃縮トマトのうち、無塩可溶性固形分が8%以上24%未満のものを意味する。
上記のトマトペーストの調製は、当業界で公知の手法により適宜行うことができ、特に限定されない。例えば、常法にしたがい、トマトを破砕して搾汁し或いは裏ごしし、皮や種子等を除去して得られるトマト搾汁を濃縮することにより得ることができ、また、市販のトマト搾汁を濃縮することにより得ることもでき、さらには、市販のトマトペーストを用いることもできる。なお、トマトペーストは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
また、本実施形態のトマト含有飲料は、上述した脱酸トマト汁以外の透明トマト汁、より具体的には、上述した脱酸処理を行っていない透明トマト汁の他、上述した脱酸処理以外の方法で脱酸処理した透明トマト汁(以下、「脱酸トマト汁X」ともいう。)を含有していてもよい。
ここで、脱酸トマト汁Xにおける脱酸処理とは、透明トマト汁に含まれ得るクエン酸等のヒドロキシ酸を除去或いは低減する処理を意味する。ヒドロキシ酸はトマト含有飲料中において酸味成分として機能し得るので、このヒドロキシ酸が除去或いは低減された脱酸トマト汁Xが含まれていることにより、トマト含有飲料の総量に対する酸味成分の含有割合が低くなり、その結果、トマトの酸味が抑制されて、トマト本来の甘みがより一層際立つ傾向にある。なお、脱酸トマト汁Xは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
脱酸トマト汁Xの調製は、公知の手法を適用して適宜行うことができ、特に限定されない。例えば、キレート化する方法、酵素を用いた分解処理法、陰イオン交換樹脂を用いた処理法等を適用することにより、上述した透明トマト汁中のヒドロキシ酸を除去或いは低減することができる。
本実施形態のトマト含有飲料において、トマトペーストと透明トマト汁(上述した脱酸トマト汁、上述した脱酸処理を行っていない透明トマト汁、及び、脱酸トマト汁Xとの和)との重量割合は、特に限定されないが、1.5〜4.5であることが好ましい。ここで、本明細書において、かかる重量割合は、トマトストレートBrix4.5換算で算出したものとする。トマトペーストと透明トマト汁とを上記の重量割合で含ませることにより、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制されたトマト含有飲料を再現性よく簡易に得ることができる。トマトの甘み、酸味、及び濃厚な味わいのバランスをより一層高める観点から、トマトペーストと透明トマト汁との重量割合は、2.5〜3.5であることが好ましい。
また、本実施形態のトマト含有飲料は、pH調整剤を含むことが好ましい。pH調整剤の配合により、トマト含有飲料のpHが酸性側にふれることによる酸味の増強が抑制され、トマト含有飲料の飲み易さが向上する傾向にある。かかるpH調整剤としては、重曹が好ましい。pH調整剤として重曹を採用することにより、上述したpH調整機能に加えて、さらにトマトのエグ味(青臭さ、生臭さ等)が緩和されてトマト含有飲料の飲み易さが向上する傾向にある。
本実施形態のトマト含有飲料における重曹の含有割合は、特に限定されないが、固形分換算で、0.1〜5.0g/Lであることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0g/Lである。重曹の含有割合が0.1g/L未満であると、重曹の配合効果が十分に発揮されない傾向にある。一方、重曹の含有割合が5.0g/Lを超えると、香味がぼやけてメリハリがなくなり、トマト本来の風味が損なわれる傾向にあり、また、ナトリウム含量が増加する傾向にある。
さらに、本実施形態のトマト含有飲料は、アミノ酸を含んでいてもよい。アミノ酸含有量が高いと、トマト含有飲料の旨味(コク)が増す傾向にある。この場合、よりグルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が、0.25〜0.60重量%(g/100g)であることが好ましい。グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計がこの程度の高含有量であることにより、トマトの酸味が抑制されて、トマト本来の甘みがより一層際立つ傾向にある。
本実施形態のトマト含有飲料は、上述した成分以外に、当業界で公知の他の成分を含んでいてもよい。かかる他の成分としては、例えば、食塩、トマト以外の野菜汁及び果汁、果実パルプ等が挙げられる。また、JAS規格により許容されている成分としては、例えば、ビタミン類、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムなどのミネラル類などの強化剤あるいはその塩、砂糖、はちみつ、天然香料等が挙げられる。その他、JAS規格外の添加物ではあるが、クエン酸やクエン酸Naなどの酸味料やアミノ酸類、pH調整剤、酸化防止剤、酵素、ペクチン等の安定剤、砂糖以外の糖類、天然色素や合成色素等の着色料、天然香料や合成香料等の香料、二酸化炭素等が挙げられる。このように添加可能な他成分については、例えば、『食品表示マニュアル』(食品表示研究会編集、中央法規出版、平成元年2月改訂)にも記載されている。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
トマト本来の風味が損なわれるのを抑制してトマト本来の風味をより一層際立たせる観点から、本実施形態のトマト含有飲料は、トマト以外の野菜汁及び/又は果汁を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは、飲料の総量に対するトマト以外の野菜汁及び果汁の総含有量が0.0〜5.0重量%、好ましくは0.0〜3.0重量%、さらに好ましくは0.0〜1.0重量%であることを意味する。トマト以外の野菜汁及び/又は果汁を実質的に含まないものは、濃厚な味わいでトマト本来の甘みが際立ち、飲料形態としておいしく飲める純粋なトマト含有飲料という新たないう市場カテゴリーに属するものとなり、消費者への訴求力に優れたものとなる。
本実施形態のトマト含有飲料は、粘度が350〜1000cP、より好ましくは350〜600cPに調整されていることが好ましい。この程度の低粘度であることにより、殊に飲み易さが高められる傾向にある。
また、本実施形態のトマト含有飲料は、pHが4.4〜4.8、より好ましくは4.5〜4.6に調整されていることが好ましい。この範囲にある本実施形態のトマト含有飲料は、殊に、濃厚な味わいでトマト本来の甘みが際立ち、飲料形態として殊においしく飲めるものとなる。なお、pHが高すぎるものは衛生上の観点から強い殺菌処理が必要となる傾向にあるので、生産性及び経済性の観点から好ましくなく、この殺菌処理にともない焦げや加熱臭や焼け臭が強くなる傾向にもあるので、これらの観点からも、本実施形態のトマト含有飲料のpHは4.5〜4.6の範囲内に調整されていることが好ましい。
本実施形態のトマト含有飲料は、糖度が7.0〜13.0であり、且つ、糖酸比が19.0〜30.0であることが好ましい。また、トマトの甘み、酸味、及び濃厚な味わいのバランスをより一層高める観点から、糖度が9.0〜13.0であり、且つ、糖酸比が19.0〜30.0であることがより好ましい。
さて、本実施形態のトマト含有飲料は、トマト搾汁又はその濃縮物と脱酸トマト汁と、必要に応じて透明トマト汁や脱酸トマト汁X或いは上述した他の成分以外と、を配合することにより得ることができる。このとき、トマト含有飲料の粘度、pH、糖度、酸度、糖酸比等は、主原料として使用するトマト果実由来物の種類・配合量を適宜調整することによって、および/または、上述した他の成分の種類・配合量を適宜調整することによって調整することができる。なお、各成分の配合方法は、使用する成分の種類や性状及び配合割合等に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。
各成分の配合時において、必要に応じて、当業界で公知の処理を行ってもよい。このような公知の処理としては、例えば、濾過、裏ごし或いは篩別による粗大成分の除去処理、糖度調整のための希釈処理或いは濃縮処理、混合機或いは混練機等を用いた混合処理或いは混練処理、ホモジナイザー等を用いた均質化処理、酵素処理、加熱処理等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、これらの公知の処理は、単独で又は組み合せて行うことができる。
そして、本実施形態のトマト含有飲料を、常法にしたがって容器に封入することにより、容器詰トマト含有飲料を得ることができる。
容器は、当業界で公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されない。その具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。容器の形状や色彩も特に限定されず、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定することができる。
トマト含有飲料の容器への封入は、当業界で公知の手法により行うことができる。例えば、プレート式ヒータやチューブ式ヒーター等の加熱殺菌装置を用い、85〜98℃の温度下に、10〜60秒間保持して加熱殺菌を行い、その後、常法にしたがって容器に充填することにより、容器詰トマト含有飲料を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、市販の透明濃縮トマト汁(Clear Tomato Concentrate 60°Brix、LYCORED社製、Brix:60、酸度:3.64、pH:4.15)をイオン交換水で約4倍に希釈還元して、透明トマト汁(Brix:17.5、酸度:1.06、pH:4.2、Brix4.5調整時の粘度:1.36cP)を準備した。次に、得られた透明トマト汁1500kgをタンク内に仕込み、80℃まで加温した後、タンク上部から炭酸カルシウム12.75kgを投入し、60分間撹拌して、発生する炭酸ガスを排出した。タンクを20℃まで冷却した後、遠心分離し、市販の珪藻土を用いて濾過し、さらに5μmのフィルターで濾過することで固形分を除去して、実施例1の脱酸トマト汁を作製した。
得られた実施例1の脱酸トマト汁の特性について調べた。表1に、結果を示す。
Figure 0005534235
(実施例2)
実施例1と同じ透明トマト汁1500kgをタンク内に仕込み、70℃まで加温した後、タンク上部から炭酸カルシウム12.75kgを投入し、60分間撹拌して、副生する炭酸ガスを排出した。タンクを30℃まで冷却した後、遠心分離機を用いて遠心分離させてその上澄みを回収し、これをさらに市販の珪藻土を用いて濾過することにより、実施例2の脱酸トマト汁を作製した。
(実施例3)
炭酸カルシウムを10.84kg投入すること以外は、実施例2と同様に処理することにより、実施例3の脱酸トマト汁を作製した。
(実施例4)
炭酸カルシウムを9.56kg投入すること以外は、実施例2と同様に処理することにより、実施例4の脱酸トマト汁を作製した。
得られた実施例2〜4の脱酸トマト汁の特性について調べた。表2に、結果を示す。なお、表2においては、各データ間の比較を行うために、Brix14換算で表示している。
Figure 0005534235
(実施例5)
市販のトマトペースト(Brix:19.8、酸度:1.18、pH:4.2、Brix4.5調整時の粘度:108cP)と、実施例1で用いた透明トマト汁と、実施例1の脱酸トマト汁とを表1に記載の通りの重量割合(なお、表1において、トマトペースト、透明トマト汁、及び脱酸トマト汁の配合量は、いずれもトマトストレートBrix4.5換算値である。)で配合し、さらに重曹を温水に溶解した溶液を重曹の固形分換算で1.8g/L配合し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去することにより、実施例5のトマト含有飲料を作製した。
得られた実施例5のトマト含有飲料を、加熱殺菌し、その後冷却し、紙パックへ封入し、実施例5の紙容器詰トマト含有飲料を作製した。
(比較例1)
重曹、実施例1で用いた透明トマト汁及び実施例1の脱酸トマト汁の配合を省略すること以外は、実施例5と同様に処理して、比較例1のトマト含有飲料および比較例1のPET容器詰トマト含有飲料を作製した。
(比較例2)
重曹及び実施例1の脱酸トマト汁の配合を省略し、トマトペースト及び透明トマト汁の配合量を表1に記載の通りに変更すること以外は、実施例5と同様に処理して、比較例2のトマト含有飲料および比較例2のPET容器詰トマト含有飲料を作製した。
(参考例1)
リファレンスとして、市販のトマトジュースPET小(トマト100%:JAS規格に指定された食塩添加トマトジュース)を用いた。
(参考例2)
リファレンスとして、市販のトマトジュースPET大(トマト100%:JAS規格に指定された食塩添加トマトジュース)を用いた。
(参考例3)
リファレンスとして、市販のトマトジュースPET大(トマト100%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)を用いた。
(参考例4)
リファレンスとして、市販のトマトジュース紙(トマト100%:JAS規格に指定された食塩添加トマトジュース)を用いた。
(参考例5)
リファレンスとして、市販の国産トマトジュース缶中(トマト100%:JAS規格に指定された食塩添加トマトジュース)を用いた。
(参考例6)
リファレンスとして、市販の国産トマトジュース缶小(トマト100%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)を用いた。
(参考例7)
リファレンスとして、市販のトマトミックスジュース紙(トマト50%、果汁50%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトミックスジュース)を用いた。
(参考例8)
リファレンスとして、市販のトマトジュースPET大(トマト100%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)を用いた。
(参考例9)
リファレンスとして、市販のトマトジュースPET大(トマト100%、トマトペーストの希釈還元物:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)を用いた。
(参考例10)
リファレンスとして、市販の青果トマト(中)を破砕して搾汁し或いは裏ごしし、皮や種子等を除去して得られたトマト搾汁を用いた。
なお、各種測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
<Brix>
光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて、Brixを測定した。
<酸度>
自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1750)を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づいて、クエン酸換算で算出した。
<粘度>
TVB−10型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、回転数60rpm及び30秒の条件下で、粘度を測定した(表中の数値は、3回の平均値である)。なお、比較例1については、粘度が高すぎるため回転数を12rpmに落として測定した。また、透明トマト汁については、粘性が低すぎるため、ローターを特殊ローターL/Adpに変更して測定した。
<クエン酸>
CAPI−3300(大塚電子株式会社製)を用いて、キャピラリー電気泳動法に基づいてクエン酸の含有量(重量%(g/100g))を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
キャピラリー電気泳動測定条件:
キャピラリーサイズ:75μm×800mm
注入方法:落差法(ΔH=25mm 90sec)
電圧 :-15kv(定電圧)
温度 :25℃
検出波長:265nm
泳動液 :20mMキノリン酸 0.25mM TTAB-2 (pH6.0)
<アミノ酸>
Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいてアミノ酸の含有量(重量%(g/100g))を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm
温度 :40℃
注入量 :5μL
移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)
移動相B:アセトニトリル
検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長:励起335nm エミッション450nm
<風味>
表3におけるトマト含有飲料の風味の評価試験は、12人のパネラーに委託して行い、各風味の強度を以下に示す基準で7段階評価したものである。ここで、表中の数値は、12人のパネラーの評価の平均値である。
3点:非常に強い
2点:かなり強い
1点:やや弱い
0点:感じない又はどちらでもない
−1点:やや弱い
−2点:かなり弱い
−3点:非常に弱い
表3に、実施例5、比較例1及び2、並びに参考例1〜10のトマト含有飲料の配合組成を示す。また、これら飲料の特性並びに評価結果を、表3に併せて示す。
Figure 0005534235
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明によれば、濃厚な味わいでフルーツトマトのような甘みがあり且つトマトの酸味が抑制された、飲料形態としておいしく飲める純粋なトマト含有飲料という新たな市場カテゴリーが創設され、近年の消費者の嗜好性の多様化に沿うことができるので、食品産業、特に飲料産業において広く且つ有効に利用可能である。

Claims (6)

  1. 透明トマト汁にカルシウム又はその塩を配合し、配合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去することにより得られる脱酸トマト汁を得る工程、及び
    トマト搾汁又はその濃縮物と前記脱酸トマト汁とを配合する工程、を有することを特徴とする、
    グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が、0.25〜0.60重量%であり、糖度が7.0〜13.0であり、前記トマト含有飲料の糖酸比が19.0〜30.0であり、pHが4.4〜4.8である、トマト含有飲料の製造方法。
  2. 前記トマト含有飲料のトマト以外の野菜汁及び果汁の総含有量が、0.0〜5.0重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のトマト含有飲料の製造方法。
  3. 前記カルシウム又はその塩が、炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトマト含有飲料の製造方法。
  4. 前記カルシウム生成物が、クエン酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトマト含有飲料の製造方法。
  5. 珪藻土で濾過することにより前記カルシウム生成物の少なくとも一部を除去することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトマト含有飲料の製造方法。
  6. 前記脱酸トマト汁の粘度が、0〜100cPであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトマト含有飲料の製造方法。
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