JP2006193435A - 疲労改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肉体的・精神的疲労の両方の疲労改善に有効であり、かつ様々な機会で摂取が可能な汎用性のある疲労改善剤を提供する。
【解決手段】 トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する疲労改善剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する、肉体疲労及び精神疲労を改善するための疲労改善剤に関する。
人が健康を維持するために、食事・運動・休養が重要であると考えられている(健康日本21と栄養士活動 社団法人日本栄養士学会編 第一出版 平成12年)。しかし現状は、健康日本21で策定されているような目標値には遥かに及ばず、生活習慣の改善が望まれている。
前述の健康日本21においても適度な運動は、健康維持・増進のために推奨されているが、一方で運動により肉体的疲労や精神的疲労が発生し、結果として筋疲労や疲労感などの現象が起こり、継続的な運動で、それらが蓄積するというデメリットがある。
つまり、運動による疲労の蓄積を少なくすれば、より日常的に運動を行う事ができるようになり、また強度な運動、例えばスポーツ競技などにおいては運動能力の維持や短期間での回復につながると考えられる。
また、国立公衆衛生院疫学部が平成11年度に実施した疲労の実態調査結果によると、「現在、疲労を感じている」と答えた者は全体の59.1%にのぼっていることから(疲労の生理と測定・定量化法および食品による緩和 梶本修身 FOOD Style 21 Vol.6 No.3 2002)、疲労は運動時のみならず多くの人の日常的な問題であることが容易に想像できる。
我々は疲労したとき、主に睡眠等の休養や入浴等の手段により解決しているが、食品の摂取によっても疲労改善効果が期待できる。近年、滋養強壮や疲労回復を目的とした食品が多く発売されている。
疲労改善効果が期待できる食品や剤について、様々な提案もされている。
例えば、2−ケトグルタル酸を有効成分とした肉体疲労改善剤(例えば、特許文献1参照)、冬虫夏草およびカイクジンを有効成分とした肉体疲労に対する効き目が増強された内服液(例えば、特許文献2参照)、ビオチン、パントテン酸、カルニチンを有効成分とする疲労改善剤(例えば、特許文献3参照)がある。これらは、肉体的疲労の改善を評価しているが、精神的疲労に対する効果は明記されていない。
精神的疲労の改善作用を有する発明として、茶に含まれるカフェイン、テアニン、アルギニンの混合成分を有効成分とする精神機能性組成物(例えば、特許文献4参照)があるが、肉体疲労に対する効果は明記されていない。
肉体的疲労と精神的疲労との両方の改善作用を有する食品としては、カルニチンやクレアチンを添加した食肉製品(例えば、特許文献5参照)があるが、カルニチンやクレアチンの調製が面倒であり、その製造に非常に手間とコストを要する。またこれらは、サラミソーセージやハム、ベーコンといった食肉製品の形態なので、摂取機会が限定的であり、特に運動中に水分補給も兼ねて摂取するということが困難である。
そこで、運動ストレスに対する肉体的・精神的疲労の両方の疲労改善に有効であり、かつ様々な機会で摂取が可能な汎用性のある疲労改善剤が求められている。
ところで、トマトに含まれる成分のうち、アミノ酸に疲労改善作用があることが報告されている(例えば、特許文献6〜8参照)。しかし、トマトに含まれているアミノ酸の量はわずかであり、上記文献において疲労改善作用を発揮するとして記載されている量のアミノ酸はトマトには含まれていない。
また、トマトに含まれる成分のうち、クエン酸に疲労改善作用があることが報告されている(例えば、特許文献9、10参照)。しかし、クエン酸以外の他のトマト成分と疲労改善との関係については上記文献では一切記載されておらず、クエン酸が示す疲労改善効果以上にトマトを用いた方が疲労改善効果を向上させることができるということは知られていない。
また、トマトに含まれる成分のうち、ナトリウムやカリウムなどのミネラルについて以下のような報告がされている。疲労を誘発する原因の一つとして脱水があり、その解消のために水分補給する際に、「水のみ」よりも「糖と電解質が入った飲料」を補給した方が有効であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、同文献には、脱水からのすばやい回復にナトリウムが必要であることが記載されている。しかし、この文献では、脱水症状の回復について記載がされているだけであり、肉体疲労や精神疲労の疲労回復については直接触れられていない。また、トマトに含まれているナトリウムの量はわずかであり、上記文献において脱水症状回復のために推奨摂取量として記載されている量のナトリウムはトマトには含まれていない。
さらにまた、運動で発汗量が多くなり、ナトリウムとカリウムの血漿中濃度が維持できなくなると、筋力低下などの障害が発生する危険性があり、その予防のためには発汗による損失分を補うため、ナトリウムとカリウムを補給する必要があることが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、同文献には、ナトリウムとカリウムの補給量は発汗量と汗中濃度によって決定されるため個人差があるとしつつも、およその値として、ナトリウムが食塩換算で0.5〜0.6g、カリウムが約0.2gを目安に補給する必要があると記載されている。しかし、この文献では、血漿ナトリウム濃度や血漿カリウム濃度の低下に起因する障害を予防することについて記載がされているだけであり、肉体疲労や精神疲労の疲労回復については直接触れられていない。また、トマトに含まれているナトリウムの量はわずかであり、上記文献において補給が必要として記載されている量のナトリウムはトマトには含まれていない。
このように、トマトを構成する成分の中には、疲労改善あるいは疲労改善までは記載されていなくとも脱水症状や血漿中のミネラル濃度改善効果があると記載されている文献は幾つかある。しかし、その文献に記載の効果を示す程の量はトマトには含まれておらずその効果が発揮されているとはいえず、あるいは構成成分を単独で用いた際に示される効果を越える効果がトマトを構成する他の成分との組み合わせで得られることについては何ら記載されていないため、トマトに優れた肉体的・精神的疲労改善作用があるということは従来知られていなかった。
特開平10−175855号公報 特開2001−158747号公報 特開平7−233070号公報 特開2002−322063号公報 特開2003−135055号公報 国際公開第03/011056号パンフレット 特開2000−26290号公報 国際公開第02/34257号パンフレット 特開2001−226272号公報 特開2001−204425号公報 井上正康、外2名、「疲労の科学−眠らない現代社会への警鐘」、株式会社 講談社、2001年5月20日、p.120−121 伏木 亭、外2名、「身体運動・栄養・健康の生命科学Q&A 栄養と運動」、株式会社、杏林書院、1999年7月15日、p.98−99
本発明は上記観点からなされたものであり、肉体的・精神的疲労の両方の疲労改善に有効であり、かつ様々な機会で摂取が可能な汎用性のある疲労改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、トマトについて、運動ストレスによって生じる肉体疲労及び精神疲労に対する疲労改善(軽減)効果の試験を行った。その結果、トマト搾汁液又はその漿液に肉体疲労及び精神疲労の改善作用があることを見出し、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する疲労改善剤を提供するものである。
また、本発明は、疲労改善作用を有するトマト搾汁液又はその漿液の、疲労改善作用が発揮されることにより治療可能な各種疾患に対する疲労改善剤の製造における使用、及び、疲労改善作用を有するトマト搾汁液又はその漿液の治療的に有効な量を、疲労改善作用が発揮されることが必要な患者に投与することを含む、疲労改善作用が発揮されることにより治療可能な各種疾患に対する疲労改善方法を提供するものである。
本発明の疲労改善剤を適用することにより、運動性の筋肉自身の肉体疲労を改善(軽減)することができ、肉体疲労に伴う諸疾患の治療及びその発生を予防できる。
また、肉体疲労(筋肉疲労)に伴って生じるいわゆる疲労感などの精神疲労を改善(軽減)することができ、精神疲労に伴う諸疾患の治療及びその発生を予防できる。
さらには、コンピューター作業や読書など肉体疲労を伴わない状態で生じる中枢神経系の疲労に対しても改善効果が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の疲労改善剤は、トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する。
トマト搾汁液を得る方法としては、トマト果実からトマト搾汁液が得られれば特に制限はない。例えば、洗浄及び選別した生トマトをクラッシャー等を用いて破砕し、チューブヒーター等で加熱して殺菌および酵素失活を行った後、エクストラクター等を用いて搾汁する、あるいは、パルパー・フィニッシャー等を用いて搾汁する等の通常用いられている方法が挙げられる。また、トマトの搾汁液の漿液は、トマト搾汁液を遠心分離することにより得られる。
本発明の疲労改善剤においては、トマト搾汁液又はその漿液の他に、医薬用として通常用いられている他の任意成分を含有させてもよい。
本発明の疲労改善剤(疲労改善剤含有医薬組成物の形態も含む)の剤型は、特に限定されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このような製剤化は、通常、医薬の製造に用いられる方法に従って製剤化することができる。
本発明の疲労改善剤(疲労改善剤含有医薬組成物の形態も含む)の投与量としては、疾患の種類、症状、患者の年齢、体重等により異なるが、成人1日当たり、例えばトマト搾汁液又はその漿液を溶液の状態での重量で、50〜500g含む疲労改善剤を投与するのが好ましい。
本発明の疲労改善剤に含まれるアミノ酸の量は、トマト搾汁液又はその漿液におけるアミノ酸の量に相当する総アミノ酸50〜5000mg、アスパラギン酸2.5〜500mg、バリン0.25〜50mg、ロイシン0.5〜50mg、イソロイシン0.5〜50mgの範囲であるとよい。
また、本発明の疲労改善剤に含まれるナトリウムの量は、トマト搾汁液又はその漿液におけるナトリウムの量に相当する10〜100mgの範囲であるとよい。
また、本発明は、トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する疲労改善作用を有する飲食品、すなわち本発明の疲労改善剤を含有する疲労改善作用を有する飲食品を提供する。
本発明の疲労改善剤を含有する飲食品としては、トマトを主成分として利用するトマト加工品を例示することができる。例えば、トマトを破砕して搾汁し、又は裏ごしすることにより得られるトマトジュース;トマト搾汁液を濃縮した濃縮トマトを利用したトマトピューレ、トマトペースト、トマトソース、トマトケチャップ、又はトマトスープなどが挙げられる。また、トマトの使用形態は液状に限られず、トマト搾汁液、又はその漿液を液状で利用したもの以外に、トマト搾汁液、又はその漿液を乾燥し、粉末状や固形状にしたものや、濃縮トマトを乾燥し、粉末状や固形状にした乾燥トマトも本発明の対象となる。尚、本発明でいう疲労改善効果を示す限り、トマトを搾汁する工程を経ずとも、トマトに充てん液を加え又は加えないで加熱殺菌した固形トマトを利用する場合も本発明の対象として含めることができるものとする。
また、本発明の疲労改善剤を飲食品用として通常用いられている他の任意成分に添加して疲労改善剤含有飲食品を得てもよい。あるいは、上述のトマト加工品にさらに飲食品用として通常用いられている他の任意成分を組み合わせ疲労改善剤含有飲食品を得てもよい。
本発明の疲労改善剤含有飲食品の種類や形態としては、上記の疲労改善作用が期待できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、茶、ジュース、ゼリー、ビスケット、タブレットなどに適用することができる。種々の飲食品原料に、トマト搾汁液又はその漿液を所要量配合させることができる。
尚、トマト搾汁液又はその漿液をそのままカプセルに充填して、あるいはトマト搾汁液又はその漿液を乾燥し粉末状や固形状にして、サプリメント剤とすることもできる。トマト搾汁液又はその漿液を飲食品原料に配合する際に特に留意することはなく、通常の製造方法により加工製造することができる。飲食品中のトマト搾汁液又はその漿液の配合量は、飲食品の種類により異なるが、味を損なわず、且つ十分な疲労改善効果を得るためには、飲食品全量に対して、例えばトマト搾汁液又はその漿液を溶液の状態で、10〜100
g/100gの割合で配合させるのが好ましい。
本発明の疲労改善剤を含有する飲食品は、健康食品等を含む各種機能性食品に適用されることができ、特に飲食品の最終商品形態に対し、疲労改善のために用いられる旨の表示を付すことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<試験1>
以下、運動による精神的疲労に対するトマト加工品摂取の影響について検討した。
試験飲料として、市販の無塩トマトジュース(カゴメ株式会社製)…トマトジュース(100mL中):果糖2.0g、ブドウ糖1.6g、ナトリウム5.5mg、カリウム148.5mg、カルシウム7.9mg、マグネシウム9.7mg、総アミノ酸0.4g、クエン酸390mg、リコピン10mg、一方、コントロール飲料として市販の水(ナチュラルミネラルウォーター:商品名(六甲のおいしい水):ハウス食品株式会社製)…水(100mL中):ナトリウム1.69mg、カルシウム2.51mg、マグネシウム0.52mg、カリウム0.04mgを用いた。
被験者として24歳〜29歳までの健常者10名(男性8名、女性2名)を選抜し、これら全員にコントロール飲料摂取(水摂取群)と試験飲料摂取(トマトジュース摂取群)の合計2回の試験を行った。
まず、エルゴメーター(プロバイクアップライトUB 5300;STARTRAC社製)による負荷運動を30分間行い、各被験者の疲労状態を一定にした。その直後に試験飲料又はコントロール飲料を320mL摂取し、1時間休憩した。その後、30分間の負荷運動を行い、運動直後の疲労感を測定した。つまり試験1は以下の流れで行った。
プレ運動30分⇒飲料摂取⇒休憩1時間⇒運動30分⇒疲労感測定
負荷は30分間の平均心拍数が、各自中等度強度(カルボーネンの式:運動心拍数=(220−年齢−安静時心拍数)×0.5+安静時心拍数)になるよう設定した。疲労感の測定は、BorgのRPE (Ratings of Perceived Exertion; 自覚的運動強度)スケールを用いた。安静時を6点、最高点を20点とし、それぞれの時点での作業強度(作業のつらさ・精神的疲労感)を点数で示してもらった。
この試験の後、コントロール飲料摂取群に属する被験者と試験飲料摂取群に属する被験者を入れ替えて同じ試験を実施した。結果を図1に示す。
図1中、*は、そのデータがコントロール群と比較して危険率5%以下で有意であることを示す。
図1の結果より、運動直後、コントロール飲料である水摂取群と比較してトマトジュース摂取群ではRPEの値が有意に低く、精神的疲労が少ないことが認められた。
尚、上記試験1で使用したトマトジュース100mL中のアミノ酸含有量0.4gの内訳は、セリン10mg、アラニン16mg、アスパラギン酸74mg、グルタミン酸234mg、スレオニン9.1mg、プロリン1.2mg、グリシン1.4mg、リジン7mg、アルギニン2.1mg、アスパラギン34mg、チロシン3.2mg、ヒスチジン2.4mg、フェニルアラニン12mg、メチオニン2mg、システイン4mg、イソロイシン3mg、バリン3mg、ロイシン3mgである。これは上記背景技術欄で挙げた特許文献6に記載のアスパラギン酸を2g/日以上、もしくはアスパラギン酸+グルタミン酸を各1g/日以上、あるいは特許文献7に記載の分岐アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)を500〜2000mg/日、あるいは特許文献8に記載の分岐鎖アミノ酸
(BCAA)を10〜1000mg/Kgの量と比較して、極めて少ない含有量となっており、今回の効果におけるアミノ酸の影響は小さいものと考えられる。
また、上記試験1で使用したトマトジュースで補給されるナトリウム量は、17.6mg(NaCl換算で44.8mg)である。これは、上記背景技術欄で挙げた非特許文献1又は2に記載のナトリウム量と比較して、極めて少ない含有量となっており、今回の効果におけるナトリウムの影響は小さいものと考えられる。
<試験2>
クエン酸を含んだ疲労改善作用を有する組成物の提案が存在すること(上記背景技術欄で挙げた特許文献9及び10参照)や、運動時のエネルギー源として糖やクエン酸が利用されることから、試験1で示されたトマト加工品摂取による疲労改善作用には、糖とクエン酸による影響が考えられる。そこで、トマトジュースおよびトマト漿液の精神的疲労に与える影響について、糖+クエン酸液との比較を行った。
試験飲料として試験1で用いたトマトジュース及びトマト漿液(試験1で用いたトマトジュースを遠心分離機(himacCR20;日立製作所製)で、3000rpm(1870G) 10分間遠心分離した上清)…トマト漿液(100mL中):果糖1.6g、ブドウ糖1.6g、ナトリウム5.4mg、カリウム148.0mg、カルシウム4.2mg、マグネシウム9.2mg、総アミノ酸0.4g、クエン酸390mg、リコピン1.8mgを用いた。
他方、コントロール飲料として、糖+クエン酸液…100mL中:果糖2.0g、ブドウ糖1.6g、クエン酸390mgを用いた。
被験者として24歳〜28歳までの健常者4名(男性2名、女性2名)を選抜し、これら全員にコントロール飲料摂取(糖+クエン酸液摂取群)と、試験飲料摂取(トマトジュース摂取群、トマト漿液摂取群)の合計3回の試験を行った。
試験1と同量の飲料を摂取し、同様の手法により疲労感を測定した。結果を図2に示す。
図2中、*は、そのデータが糖+クエン酸液摂取群と比較して危険率5%以下で有意であることを示す(図3中の*も同義)。
図2の結果より、試験飲料摂取後の運動直後、糖+クエン酸液摂取群と比較して、トマトジュース摂取群とトマト漿液摂取群では、RPEの値が有意に低く、精神的疲労が少ないことが認められた。以上のことから、今回の精神的疲労改善作用は、糖やクエン酸による影響というよりは、糖やクエン酸以外のトマトジュースやトマト漿液に含まれる他の成分によるところが大きいということが分った。
<試験3>
以下、運動による肉体的疲労に対するトマト加工品;トマトジュースおよびトマト漿液摂取の影響について検討した。
試験飲料は、試験2と同じ3種を用いた。
被験者として22歳〜24歳までの健常者男性6名を選抜し、これら全員にコントロール飲料摂取(糖+クエン酸液摂取群)と、試験飲料摂取(トマトジュース摂取群、トマト漿液摂取群)の合計3回の試験を行った。
被験者には試験1と同様のフローで運動及び休憩をしてもらい、運動前、運動直後、運動1時間後に乳酸値を測定した。つまり試験3は以下の流れで行った。
プレ運動30分⇒試験飲料摂取⇒休憩1時間⇒乳酸値測定⇒運動30分⇒乳酸値
測定⇒休憩1時間⇒乳酸値測定
乳酸値は、血中乳酸測定器(ラクテートプロ:アークレイ社製)を用いて測定した。運動前の乳酸値を100とした時の運動後の相対的な乳酸値の推移を示した。結果を図3に示す。
図3より、トマトジュース摂取群とトマト漿液摂取群では、糖+クエン酸液摂取群と比較して、運動直後と1時間後の乳酸値の増加度が有意に低くなった。これらの結果、トマトジュースとトマト漿液は乳酸の蓄積を抑制し、肉体疲労に効果があることが示された。更に今回の肉体的疲労改善作用は、糖やクエン酸による影響が大であるというよりは、糖やクエン酸以外のトマトジュースやその漿液部分に含まれる他の成分によるところが大きいということが分った。
またトマト漿液は、トマトジュースに比べ1/5以下のリコピンしか含まれていなにも関わらず、トマトジュースと同程度の肉体的疲労の改善作用が認められたことから、本効果はトマトに含まれるリコピンによるものではないことが示唆される。
以上より、トマト搾汁液及びその漿液は、運動ストレスに対する肉体的・精神的疲労改善効果を有することが判明した。
試験1の結果を示す図である。 試験2の結果を示す図である。 試験3の結果を示す図である。

Claims (3)

  1. トマト搾汁液又はその漿液を有効成分として含有する疲労改善剤。
  2. 請求項1に記載の疲労改善剤を含有する疲労改善作用を有する飲食品。
  3. 請求項1に記載の疲労改善剤を含有する、疲労改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。

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