JP6533784B2 - 眼の疲れ改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する眼の疲れの予防または改善剤に関する。
眼の疲れは「見る」という活動、すなわち視覚を通して情報を得る活動が過度であった場合に引き起こされる。特に近年では、多くの人がVDT(visual display terminal)作業に携わるようになったことに加え、携帯情報端末やノート型パソコン等の普及により、いつでもどこでもインターネットやゲーム、メールを行うことができる生活環境の変化により労働時間を超えて眼を酷使する機会が増えてきている。
疲労は肉体疲労と精神疲労の二つに分類され、肉体疲労は筋線維の疲労やインパルス発射の減少などによるものであり、精神疲労は大脳の興奮水準を高めた状態で行う精神・神経活動が長く続いた時に生じ、高頻度のインパルスによりシナプス前終末部の伝達物質が枯渇して起こるシナプス疲労が原因であると考えられる(非特許文献1)。このうち、眼の疲れは、視力を必要とする作業を続けるときに起こるシナプス疲労が原因であると言われ、肉体疲労の関与は否定的である(非特許文献2)。
また、眼の疲れは、適当な休息で改善する生理的な疲労である「眼疲労」と、容易に回復せず不快な症状が持続する病的疲労である「眼精疲労」とに分類される。
シトルリンは、生体内でタンパク質の合成原料としては使われず、遊離の状態で存在するアミノ酸の一種である。体内ではアルギニンの前駆体としてアルギニン合成や、一酸化窒素(NO)の供給に関わるNOサイクルの構成因子として重要な役割を果たしている。
シトルリンまたはその塩には疲労改善効果があることが知られており、例えば、水泳時の疲労困憊までの時間の延長効果(非特許文献3)、運動後の疲労感の軽減効果(非特許文献4)、ベンチプレス後の筋痛の低減効果(非特許文献5)、脳疲労改善用経口剤(特許文献1)等の報告があり、欧州では、抗疲労用医薬品としてシトルリン−リンゴ酸塩が用いられている。しかし、眼の疲れの予防または改善効果に関する報告はない。
ところで、体内においてシトルリンは、アルギニンおよびオルニチン等と共に尿素サイクルを構成し、相互に変換され得る物質である。そして、アルギニンを含有する眼科用組成物が疲労感等の軽減に優れた効果を発揮することが知られ(特許文献2)、さらに、オルニチンには眼精疲労を抑制する効果があることが知られている(非特許文献6)。
しかし、シトルリンまたはその塩による眼の疲れ、特に眼疲労の予防または改善効果は知られていない。
日本国特開2013−060406号公報 国際公開第2010/107069号
井上正康(編集)、他2名、「疲労の科学‐眠らない現代社会への警鐘」、株式会社講談社、2001年、p.17−23 市川宏著、「新臨床眼科全書」、金原出版株式会社、1993年、第2巻B、p.189−203 「ジャーナル オブ ニュートリショナル サイエンス アンド ビタミノロジー(Journal of Nutritional Science and Vitaminology)」2011年、第57巻、第3号、p.246‐250 「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)」、2002年、第36巻、第4号、p.282−289 「ジャーナル・オブ・ストレングス・アンド・コンディショニング・リサーチ(Journal of Strength and Conditioning Research)」、2010年、第24巻、第5号、p.1215−1222 「日本眼科紀要」、1965年、第16巻、第9号、p.114−119
本発明の目的は、シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する眼の疲れの予防または改善剤を提供することにある。
本発明は、下記の(1)〜(7)に関する。
(1)シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する眼の疲れの予防または改善剤。
(2)眼の疲れが、眼疲労である(1)記載の予防または改善剤。
(3)眼疲労が、運動後の眼の疲れ又は運動後の視野のかすみである、(2)記載の予防または改善剤。
(4)シトルリンまたはその塩の有効量を必要とする対象者に摂取させる工程を含む、眼の疲れの予防または改善方法。
(5)シトルリンまたはその塩の有効量を必要とする対象者に摂取させる工程を含む、眼の疲れの予防または改善方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
(6)眼の疲れが、眼疲労である(4)または(5)記載の方法。
(7)眼疲労が、運動後の眼の疲れ又は運動後の視野のかすみである、(6)記載の方法。
本発明により、シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する、眼の疲れの予防または改善剤を提供することができる。
図1は、被験者の眼の疲れを評価する線分スケール(VAS)法で用いる、線分の両端に眼の疲れの基準となる表現を記した線分を表し、線分の端から端までの実際の長さは10cmである。 図2は、L−シトルリン摂取8週間後の眼の疲れの体感指数の変化を示したものである。横軸のA群はプラセボ群、B群はL−シトルリン400mg摂取群およびC群はL−シトルリン1600mg摂取群を表す。値は平均値±標準偏差を示し、縦軸は、体感指数の変化を示す。N=15〜16。*はC群が、A群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。 図3は、L−シトルリン摂取8日間後の運動後の眼の疲れの体感指数を示したものである。A群はプラセボ群、B群はL−シトルリン2400mg摂取群を表す。値は平均値±標準偏差を示し、縦軸は、体感指数を示す。N=22。*はB群が、A群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。 図4は、L−シトルリン摂取8日間後の運動後の視野のかすみの体感指数を示したものである。A群はプラセボ群、B群はL−シトルリン2400mg摂取群を表す。値は平均値±標準偏差を示し、縦軸は、体感指数を示す。N=22。*はB群が、A群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
本発明で用いられるシトルリンとしては、L−シトルリンおよびD−シトルリンがあげられるが、L−シトルリンが好ましい。シトルリンは、化学的に合成する方法、発酵生産する方法等により取得することができる。また、シトルリンは、市販品を購入することにより取得することもできる。シトルリンを化学的に合成する方法としては、例えば、J.Biol.Chem.,122,477(1938)、J.Org.Chem.,6,410(1941)に記載の方法があげられる。
L−シトルリンを発酵生産する方法としては、例えば、日本国特開昭53−075387号公報、日本国特開昭63−068091号公報に記載の方法があげられる。また、L−シトルリンおよびD−シトルリンは、シグマ−アルドリッチ社等より購入することもできる。
シトルリンの塩としては、例えば酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩があげられる。
金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。
アンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。
有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の塩があげられる。
アミノ酸付加塩としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩があげられる。上記のシトルリンの塩のうち、リンゴ酸塩が好ましく用いられるが、他の塩、または2以上の塩を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の眼の疲れの予防または改善剤としては、シトルリンまたはその塩をそのまま投与することも可能であるが、通常各種の製剤として提供するのが好ましい。
製剤は、有効成分としてシトルリンまたはその塩を含有するが、更に任意の有効成分を含有していてもよい。また、それら製剤は、有効成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
製剤の投与形態は、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与等の非経口投与をあげることができるが、経口投与が好ましい。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等は、乳糖、白糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
また、経口摂取または投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張であるシトルリンまたはその塩を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した防腐剤、保存剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種またはそれ以上の補助成分を添加することができる。
本発明の眼の疲れの予防または改善剤中のシトルリンまたはその塩の濃度は、製剤の種類、該製剤の投与により期待する効果等に応じて適宜選択される。本発明の眼の疲れの予防または改善剤中のシトルリンまたはその塩として、通常は0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜80重量%、特に好ましくは1〜70重量%である。
本発明の眼の疲れの予防または改善剤中の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、通常、成人一日当り、シトルリンまたはその塩として、通常は50mg〜30g、好ましくは100mg〜10g、より好ましくは200mg〜3g、さらに好ましくは400mg〜1.6gとなるように、一日一回ないし数回投与する。
また、本発明の眼の疲れの予防または改善剤は、1回あたりの摂取量が上記投与量に調整された剤であってもよい。
摂取または投与期間は、特に限定されないが、通常は1日間〜1年間、好ましくは1週間〜3ヶ月間であり、さらに好ましくは、4〜8週間である。
本発明の眼の疲れの予防または改善剤は、例えば、眼疲労等の予防または改善に使用することができる。
眼疲労とは、上述したように、適当な休息で改善する生理的な疲労であり、テレビやパソコンの長時間使用等により眼を酷使した際又は運動した際に、ピント調節に働く毛様体筋に筋肉疲労と緊張が生じ、一過性の近視状態(視界がぼやける)、眼がチカチカする、まぶしい、眼が重い等の症状が起きることをいい、一般に眼の疲れを感じる状態をいう。
また、眼疲労には、運動後の眼の疲れ又は運動後の視野のかすみ等も含まれる。運動後の眼の疲れ又は運動後の視野のかすみとは、具体的には、運動に起因して眼の疲れが生じることや視界がぼやけることをさす。運動とは、具体的には有酸素運動又は無酸素運動をいう。特に、本発明の眼の疲れの予防または改善剤は、有酸素運動に起因する眼の疲れ又は有酸素運動に起因する視野のかすみの予防または改善に使用することができる。
本発明の眼の疲れの予防または改善剤は、上記のような眼疲労を予防または改善することができる。
さらに本発明においては、眼の疲れの予防または改善剤を製造するために、シトルリンまたはその塩が使用され得る。
さらにまた本発明は、眼の疲れの予防または改善方法を包含する。本発明の方法は、眼の疲れの予防または改善させる必要のある対象者に、該対象者の眼の疲れの予防または改善に十分な量のシトルリンまたはその塩を摂取させる、または投与する工程を含む。
以下に、シトルリン摂取による眼の疲れの予防もしくは改善効果に関する試験例を示す。
試験例1
健常な25歳から49歳までの女性47名を16名、15名および16名の3群に分け、1日1回、下記記載の所要量のカプセルを水と共に噛まずに摂取させ、8週間摂取させた。
A群:プラセボ食品8カプセル(プラセボ)
B群:L−シトルリン含有食品2カプセルおよびプラセボ食品6カプセル(8カプセル中L−シトルリンは合計400mg)
C群:L−シトルリン含有食品8カプセル(8カプセル中L−シトルリンは合計1600mg)
L−シトルリン含有食品1カプセル当たりの成分はシトルリン200mgおよびコーンスターチ200mgであり、プラセボ食品1カプセルの成分は、コーンスターチ330mgである。摂取開始4週間後および摂取開始8週間後の測定当日は来院時に摂取し、それ以外は各被験者が朝食後に摂取した。朝食後に摂取出来なかった場合は、その日のうちに摂取した。有効性評価にあたり、試験開始4週間後に来院しなかったA群の1名を除外し、A群15名、B群15名、C群16名について解析を行った。
試験開始時および試験開始8週間後の被験者の眼の疲れについて、線分スケール(VAS)法を用いて評価した。すなわち10cmの線分の両端に眼の疲れの基準となる表現を記し、被験者に眼の疲れに関して図1に示す線分のどのあたりに相当するかを記入してもらった。線分の左端からチェックした部分までの距離(cm)を測定し、この数値を体感指数とした。試験開始時の体感指数と試験開始から8週間後の体感指数との差(試験8週間目の体感指数の変化)を測定して、各群ごとに平均値および標準偏差を求めた。体感指数の変化が大きいほど、眼の疲れ改善効果が大きいことを表す。
また、試験は無作為割付とし、二重遮蔽並行群間比較を行った。統計学的有意差検定は、試験開始8週間時の体感指数の変化量について、プラセボ(コーンスターチ摂取)群を対照群として、steel検定によって実施した。結果を図2に示す。
その結果、シトルリン1600mg摂取により、試験開始8週間後の眼の疲れ、具体的には眼疲労の自覚症状が顕著な改善を示した。以上の結果から、シトルリン摂取により、眼の疲れが改善することが示された。
なお、本試験の対象者は健常者であるため、病的疲労である「眼精疲労」を有する人は、対象者から除かれている。
試験例2
健常な20〜30代男性22人にL−シトルリン含有食品9カプセル(L−シトルリン 2400mg)もしくはプラセボ食品9カプセルを1日1回、水とともに8日間摂取させた。
試験食の摂取は8日間の摂取期間後に3週間のウォッシュアウト期間を設けてクロスオーバーで実施した。
L−シトルリン含有食品1カプセル当たりの成分はシトルリン267mgおよびコーンスターチ133mgであり、プラセボ食品1カプセルの成分は、コーンスターチ330mgである。測定当日(摂取8日目)は来院時に摂取し、それ以外は各被験者が就寝前に摂取した。
測定当日は試験食品摂取1時間後にエルゴメーターによる4kmのタイムトライアルを実施し、運動直後の被験者の眼の疲れ及び視野のかすみについて、線分スケール(VAS)法を用いて評価した。すなわち10cmの線分の両端に眼の疲れの基準となる表現を記し、被験者に眼の疲れ及び視野のかすみに関して図1に示す線分のどのあたりに相当するかを記入してもらった。線分の左端からチェックした部分までの距離(cm)を測定し、この数値を体感指数とし、各群ごとに平均値および標準偏差を求めた。体感指数の値が小さいほど、眼の疲れ改善効果が大きいことを表す。
また、試験は無作為割付とし、二重遮蔽クロスオーバー比較を行った。統計学的有意差検定は、プラセボ(コーンスターチ摂取)群を対照群として、Paired−t検定によって実施した。結果を図3及び図4に示す。図3は眼の疲れの体感指数の変化を示し、図4は視野のかすみの体感指数の変化を示す。
その結果、一日当り、シトルリン2400mgを8日間摂取することにより、運動後の眼の疲れ及び視野のかすみ、具体的には眼疲労の自覚症状が顕著な改善を示した。以上の結果から、シトルリン摂取により、眼の疲れが改善することが示された。
なお、本試験の対象者は健常者であるため、病的疲労である「眼精疲労」を有する人は、対象者から除かれている。
以下に、本発明の実施例を示す。
[実施例1]
シトルリンを含有する錠剤の製造
L−シトルリン(協和発酵バイオ社製)120kg、環状オリゴ糖19kg、セルロース57kgおよびプルラン1kgを流動層造粒乾燥機で造粒した。得られた造粒物およびステアリン酸カルシウム3kgをコニカルブレンダーで混合した後、ロータリー圧縮成形機で圧縮成形して錠剤を製造した。
[実施例2]
シトルリンを含有する腸溶錠剤の製造
実施例1で製造した錠剤の表面をシェラック溶液でコーティングして腸溶錠剤を製造した。
[実施例3]
シトルリンを含有する腸溶カプセルの製造
L−シトルリン(協和発酵バイオ社製)120kg、環状オリゴ糖19kg、セルロース57kg、ステアリン酸カルシウム3kgおよびプルラン1kgを、コニカルブレンダーで混合した。得られる混合物20kgおよび0.2kgの二酸化ケイ素を混合撹拌して得られた混合物をカプセル充填機に投入し、ハードカプセルに充填してハードカプセルを得た。得られるハードカプセルの表面をツェイン溶液でコーティングして腸溶カプセルを製造した。
[実施例4]
シトルリンを含有する飲料の製造
L−シトルリン(協和発酵バイオ社製)1.28kg、エリスリトール3kg、クエン酸0.05kg、人工甘味料3gおよび香料0.06kgを液温70℃で水50Lに撹拌溶解し、クエン酸でpHを3.3に調整後、プレート殺菌を用いて滅菌して瓶に充填後、パストライザー殺菌し、飲料を製造した。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお本出願は、2014年6月25日付で出願された日本特許出願(特願2014−129778)に基づいており、その全体が引用により援用される。

Claims (3)

  1. シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する眼の疲れの予防または改善剤。
  2. 眼の疲れが、眼疲労である請求項1記載の予防または改善剤。
  3. 眼疲労が、運動後の眼の疲れ又は運動後の視野のかすみである、請求項2記載の予防または改善剤。
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