JP4302222B2 - 2−アシルピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−アシルピリジン誘導体の製造方法およびその合成中間体である2−シアノピリジン誘導体の製造方法に関する。本発明により製造される2−アシルピリジン誘導体および2−シアノピリジン誘導体、例えば、2−アセチル−5−ブチルピリジンや2−シアノ−5−ブチルピリジンは、抗生作用、抗高血圧作用を有するフサル酸(Fusaric acid)の合成中間体として有用な化合物である[シンセティック コミニュケーション(Synthetic Communication)、第19巻、2371頁(1989年);ヒェーミシュ ベリヒテ(Chemisch Berichte)、第111巻、3502頁(1978年)参照]。
【0002】
【従来の技術】
近年見出された医薬および農薬には、その骨格中にピリジン環を含むものが数多く知られている。これらの化合物の合成中間体として有用な2−アシルピリジン誘導体の製造方法として、▲1▼5−エチル−2−メチルピリジンをベンズアルデヒドと縮合させて5−エチル−2−スチリルピリジンへ誘導し、続いて酸化することにより5−エチル−2−ピコリン酸を得、この化合物をエチルエステルへ変換した後、酢酸エチルとクライゼン縮合させ、続いて加水分解および脱炭酸反応を経る方法[アーヒブ ザ ケミジュ(Arhiv za Kemiju)、第18巻、3頁(1946年)参照]、▲2▼3−ブチルピリジンをマグネシウムアマルガム存在下にアセトンと反応させて5−ブチル−α,α−ジメチル−2−ピリジンメタノールを合成し、この化合物を脱水反応に付した後、さらに過マンガン酸カリウムで酸化する方法[ヒェーミシュ ベリヒテ(Chemisch Berichte)、第111巻、3502頁(1978年)参照]、▲3▼2−ブロモ−4−メチルピリジンをブチルリチウムで処理後、N,N−ジメチルアセトアミドと反応させる方法[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー (Journal of American Chemical Society)、第119巻、5605頁(1997年)参照]が知られている。しかしながら、▲1▼の方法は4工程を要し、各工程の収率も45%から76%と良好とは言えない。▲2▼の方法は、3−ブチルピリジンをマグネシウムアマルガムに対して2.4倍と過剰に使用する必要がある上、収率はマグネシウムアマルガム基準で33%と低く、また過剰に使用した3−アルキルピリジンの回収も必要など操作が煩雑である。さらに脱水反応工程、酸化工程についても収率はそれぞれ60%および75%と低い。▲3▼の方法は、−70℃という極低温を必要とし、収率も37%と低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、2−アシルピリジン誘導体の製造方法として、2−シアノピリジン誘導体をアシル化する方法が知られており、比較的高収率で目的とする2−アシルピリジン誘導体が得られる(例えば特開平10−114744号公報、特開平7−196617号公報など参照)。
この原料となる2−シアノピリジン誘導体の製造方法としては、▲4▼1−ジメチルアミノ−1−アザ−1,3−ブタジエン誘導体と2−クロロアクリロニトリルを塩基存在下に環化し、酸処理する方法[シンセティック コミニュケーション(Synthetic Communication)、第19巻、2371頁(1989年)参照]、▲5▼ピリジン−N−オキシドを3級アミンの存在下にトリメチルシリルシアニドと反応させる方法[ケミカル アンド ファーマシューティカル ブリチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、第33巻、565頁(1985年)参照]、▲6▼ピリジン−N−オキシドをN,N−ジメチルカルバモイルクロリドの存在下にトリメチルシリルシアニドと反応させる方法[ジャーナル オブ オーガニックケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第48巻、1375頁(1983年)参照]、▲7▼2−スルホニル−ハロピリジン誘導体をシアン化アルカリと反応させる方法[特開昭60−185764号公報およびジャーナル オブ ザケミカル ソサイエティー パーキン トランスアクション 1 (Journal of the Chemical Society Perkin Transaction 1)、1839頁(1984年)参照]などが知られている。
しかしながら、▲4▼の方法は収率が5〜74%と低く、塩化水素ガスのような腐食性を有するガスの使用が必須である。▲5▼および▲6▼の方法はシアノ基の導入位置に選択性がなく、2−シアノピリジン誘導体の収率は低い。また、▲7▼の方法はハロゲン原子がシアノ基に置換された副生成物が混入する場合があり、その分離が必要となる。したがって、これらの方法は2−シアノピリジン誘導体の有利な製造方法とは言い難い。
しかして、本発明の目的は、2−アシルピリジン誘導体およびその合成中間体である2−シアノピリジン誘導体を、収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は、
(1)一般式(I)
【0005】
【化8】
【0006】
(式中、R1、R2およびR3は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、R4は水素原子、アルコキシル基、アルキルチオ基、アシロキシ基、保護されておりかつ置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、R5は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
で示される2−スルホニルピリジン誘導体(以下、2−スルホニルピリジン誘導体(I)と略記する)をシアノ化剤と反応させて一般式(II)
【0007】
【化9】
【0008】
(式中、R1、R2、R3およびR4は前記定義のとおりである。)
で示される2−シアノピリジン誘導体(以下、2−シアノピリジン誘導体(II)と略記する)を得、得られた2−シアノピリジン誘導体(II)をアシル化することを特徴とする一般式(III)
【0009】
【化10】
【0010】
(式中、R1、R2、R3およびR4は前記定義のとおりであり、R6は置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す。)
で示される2−アシルピリジン誘導体(以下、2−アシルピリジン誘導体(III)と略記する)の製造方法、および
(2)2−スルホニルピリジン誘導体(I)をシアノ化剤と反応させることを特徴とする2−シアノピリジン誘導体(II)の製造方法を提供することにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記一般式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0012】
R1、R2、R3、R4、R5およびR6がそれぞれ表すアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;ニトロ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0013】
R4が表すアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基などが挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などが挙げられ、アシロキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの脂肪族または芳香族アシロキシ基などが挙げられ、アミノ基としては、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ベンゼンスルホニル基、tert−ブトキシカルボニル基などの保護基で保護されておりかつ置換基を有していてもよく、かかる置換基としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などが挙げられる。
【0014】
R5が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらのシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0015】
R5が表すアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。これらのアラルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0016】
次に、本発明の製造方法について説明する。
【0017】
まず、2−スルホニルピリジン誘導体(I)をシアノ化剤と反応させて2−シアノピリジン誘導体(II)を製造する工程について説明する。
【0018】
シアノ化剤としては、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどのアルカリ金属シアン化物;シアン化銅、シアン化亜鉛などの金属シアン化物などが挙げられ、なかでもシアン化リチウム、シアン化ナトリウムが好ましい。シアノ化剤の使用量は、2−スルホニルピリジン誘導体(I)に対して1〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜2モル倍の範囲がより好ましい。
【0019】
反応は、溶媒の存在下に行うのが好ましい。使用する溶媒は、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素; ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル;アセトン、2−ブタノンなどのケトン;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド;水、またはこれらの混合溶媒などを使用することができる。溶媒の使用量に特に制限はないが、2−スルホニルピリジン誘導体(I)に対して5重量倍以上を用いるのが好ましく、5〜20重量倍の範囲がより好ましい。
【0020】
反応温度は20℃〜250℃の範囲が好ましく、100℃〜200℃の範囲がより好ましい。反応時間は反応条件によって変化しうるが、通常1〜20時間の範囲が適当である。
【0021】
また、反応を加速する目的で18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)、15−クラウン−5(1,4,7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカン)などのクラウンエーテル類をさらに添加してもよい。クラウンエーテル類を添加する場合、その使用量について特に制限はないが、通常は2−スルホニルピリジン誘導体(I)に対して0.01〜0.1重量倍の範囲が好ましい。
【0022】
反応は、例えば所定量の2−スルホニルピリジン誘導体(I)、シアノ化剤および溶媒を混合し、必要に応じてクラウンエーテル類をさらに添加し、所定温度で撹拌して行う。
【0023】
このようにして得られた2−シアノピリジン誘導体(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合物を水洗して水溶性成分を除去し、有機溶媒で抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮し、得られた粗生成物を必要に応じて再結晶、蒸留、クロマトグラフィなどにより精製する。
【0024】
次に、2−シアノピリジン誘導体(II)をアシル化して2−アシルピリジン誘導体(III)を製造する工程について説明する。
【0025】
アシル化は、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物;メチルリチウム、n−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム化合物などをアシル化剤として用いて行うことができる。アシル化剤の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常2−シアノピリジン誘導体(II)に対して1〜5モル倍の範囲が好ましく、1〜2モル倍の範囲がより好ましい。
【0026】
反応は、溶媒の存在下に行うのが好ましい。使用する溶媒は、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素; ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、またはこれらの混合溶媒などを使用することができる。溶媒の使用量に特に制限はないが、2−シアノピリジン誘導体(II)に対して10重量倍以上を用いるのが好ましく、10〜50重量倍の範囲がより好ましい。
【0027】
反応温度は−50℃〜70℃の範囲が好ましく、−20℃〜30℃の範囲がより好ましい。反応時間は反応条件によって変化しうるが、通常0.5〜10時間の範囲が適当である。
【0028】
反応は、例えば2−シアノピリジン誘導体(II)を溶媒に溶解して所定温度とし、この溶液にアシル化剤の溶液を滴下したのち、所定温度で撹拌して行う。
【0029】
このようにして得られた2−アシルピリジン誘導体(III)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応液を酢酸、塩酸、硫酸などの酸性水溶液中へ滴下して加水分解後、有機溶媒を加えて抽出し、抽出液を水洗して無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じて再結晶、蒸留、クロマトグラフィなどにより精製する。
【0030】
なお、本発明で用いる2−スルホニルピリジン誘導体(I)は、一般式(IV)
【0031】
【化11】
【0032】
(式中、R1、R2、R3およびR4は前記定義のとおりである。)
で示されるα,β−不飽和カルボニル化合物(以下、α,β−不飽和カルボニル化合物(IV)と略称する)を、一般式(V)
R5SO2CN (V)
(式中、R5は前記定義のとおりである。)
で示される有機スルホニルシアニド(以下、スルホニルシアニド(V)と略称する)と反応させることにより、簡便に収率良く合成できる。
【0033】
原料として用いるα,β−不飽和カルボニル化合物(IV)およびスルホニルシアニド(V)はいずれも公知化合物であり、容易に入手または製造することができる。例えば、α,β−不飽和カルボニル化合物(IV)はアルドール縮合反応により合成可能である(例えば特開平9−59201号公報、特開昭63−135356号公報など参照)。また、スルホニルシアニド(V)は対応するスルフィン酸金属塩とハロゲン化シアンを反応させて製造できる[オーガニック シンセシス(Organic Synthesis)、6巻、727頁(1988年)参照]。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0035】
参考例1
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器、冷却管を装備した内容積1000mlの3口フラスコに2−エチル−2−ブテナール57.0g(0.58モル)およびベンゼンスルホニルシアニド73.5g(0.44モル)を入れ、溶媒としてトルエン130mlおよびブタノール5.0mlを加え、続いてホウ酸トリブチル11.6g(0.05モル)を添加した後、窒素雰囲気下として内温121℃にて攪拌し、生成する水を分離除去しながら8時間加熱還流した。この溶液を60℃まで冷却後、ヘキサン130mlを加え、5℃に冷却して結晶を析出させた。この結晶をグラスフィルターで濾過し、5℃以下に冷却したヘキサン100mlで2回洗浄後、真空ポンプで2時間真空乾燥し、無色の結晶として下記の物性を有する2−ベンゼンスルホニル−5−エチルピリジン93.4gを得た(純度99%、ベンゼンスルホニルシアニド基準の収率:85%)。
【0036】
融点:81℃〜82℃
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm) δ:1.26(t,3H,J=7.4Hz)、2.71(q,2H,J=7.4Hz)、7.50−7.60(m,3H)、7.71(dd,1H,J=2.0Hz,7.9Hz)、8.04−8.13(m,2H)、8.51(d,1H,J=2.0Hz)
【0037】
参考例2
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器、冷却管を装備した内容積50mlの3口フラスコに2−ヘキセナール6.80g(69.4ミリモル)およびベンゼンスルホニルシアニド9.10g(54.5ミリモル)を入れ、溶媒としてトルエン15mlおよびブタノール1.5mlを加え、続いてホウ酸トリブチル1.25g(5.43ミリモル)を添加した後、窒素雰囲気下として内温121℃にて攪拌し、生成する水を分離除去しながら6時間加熱還流した。この溶液を室温まで冷却後、溶媒などの低沸成分を減圧下に除去し、氷浴中で冷却して結晶を析出させた。この結晶をグラスフィルターで濾過し、5℃以下に冷却したヘキサン10mlで洗浄後、真空ポンプで2時間真空乾燥し、無色の結晶として下記の物性を有する2−ベンゼンスルホニル−3−エチルピリジン11.0gを得た(純度98%、ベンゼンスルホニルシアニド基準の収率:80%)。
【0038】
融点:83℃〜84℃
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm) δ:1.33(t,3H,J=7.4Hz)、3.22(q,2H,J=7.4Hz)、7.38(dd,1H,J=4.5Hz,7.9Hz)、7.52−7.68(m,3H)、7.72(dd,1H,J=1.5Hz,7.9Hz)、8.00−8.04(m,2H)、8.38(dd,1H,J=1.5Hz,4.5Hz)
【0039】
実施例1
窒素雰囲気下、温度計、マグネチックスターラ、冷却管を備えた容量500mlの3口フラスコに、参考例1で得られた2−ベンゼンスルホニル−5−エチルピリジン24.7g(0.10モル)およびシアン化ナトリウム5.56g(0.11モル、97%純度)を入れ、溶媒としてジメチルスルホキシド100mlを加えた後、189℃にて16時間反応を行った。その後、反応液を約60℃まで冷却して飽和食塩水100mlを加え、トルエン100mlで3回抽出した。抽出液を合わせて飽和食塩水50mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物を減圧下(15torr)で蒸留して120〜122℃の留分を分取し、無色油状物質として下記の物性を有する2−シアノ−5−エチルピリジン11.6g(0.088モル)を得た(純度100%、2−ベンゼンスルホニル−5−エチルピリジン基準の収率:80%)。
【0040】
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm) δ:1.30(t,3H,J=7.4Hz)、2.76(q,2H,J=7.4Hz)、7.63−7.65(m,2H)、8.57(s,1H)
【0041】
実施例2
窒素雰囲気下、温度計、マグネチックスターラ、冷却管を備えた容量25mlの3口フラスコに、参考例2で得られた2−ベンゼンスルホニル−3−エチルピリジン1.07g(4.3ミリモル)、シアン化ナトリウム0.40g(7.9モル、97%純度)および18−クラウン−6(120mg、0.45ミリモル)を入れ、溶媒として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン10mlを加えた後、200℃にて2時間反応を行った。その後、反応液を約60℃まで冷却して飽和食塩水10mlを加え、トルエン10mlで3回抽出した。抽出液を合わせて飽和食塩水10mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、淡黄色油状物質として下記の物性を有する2−シアノ−3−エチルピリジン0.50g(3.79ミリモル)を得た(純度99%、2−ベンゼンスルホニル−3−エチルピリジン基準の収率:87%)。
【0042】
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm)δ:1.33(t,3H,J=7.4Hz)、2.93(q,2H,J=7.4Hz)、7.46(dd,1H,J=4.9Hz,7.9Hz)、7.70(dd,1H,J=1.5Hz,7.9Hz)、8.55(dd,1H,J=1.5Hz,4.9Hz)
【0043】
実施例3
窒素雰囲気下、温度計、マグネチックスターラ、滴下ロートを備えた容量300mlの3口フラスコに、実施例1で得られた2−シアノ−5−エチルピリジン11.6g(0.088モル)を入れ、溶媒としてテトラヒドロフラン100mlを加え、−20℃に冷却した。この溶液に、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液30ml(3mol/l、0.090モル)を30分かけて滴下し、5時間反応させた。その後、反応液を0℃まで昇温し、0℃に冷却した6%酢酸水溶液100ml中へ滴下し、トルエン100mlで3回抽出した。抽出液を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、無色油状物質として下記の物性を有する2−アセチル−5−エチルピリジン11.8g(0.079モル)を得た(純度98%、2−シアノ−5−エチルピリジン基準の収率:90%)。
【0044】
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm) δ:1.29(t,3H,J=7.4Hz)、2.71(s,3H)、2.73(q,2H,J=7.4Hz),7.64(dd,1H,J=1.9Hz,7.9Hz)、7.98(d,1H,J=7.9Hz)、8.52(d,1H,J=1.9Hz)
【0045】
実施例4
窒素雰囲気下、温度計、マグネチックスターラ、セプタムキャップを備えた容量25mlの3口フラスコに、実施例2で得られた2−シアノ−3−エチルピリジン0.50g(3.78ミリモル)を入れ、溶媒としてテトラヒドロフラン10mlを加え、−20℃に冷却した。この溶液に、臭化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液4.1ml(0.93mol/l、3.81ミリモル)を30分かけて滴下し、1時間反応させた。その後、反応液を25℃まで昇温し、0℃に冷却した6%酢酸水溶液10ml中へ滴下し、トルエン10mlで3回抽出した。抽出液を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、淡黄色油状物質として下記の物性を有する2−アセチル−5−エチルピリジン0.51g(3.40ミリモル)を得た(純度99%、2−シアノ−3−エチルピリジン基準の収率:90%)。
【0046】
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS,ppm) δ:1.24(t,3H,J=7.4Hz)、2.70(s,3H)、2.95(q,2H,J=7.4Hz)、7.36(dd,1H,J=4.4Hz,7.7Hz)、7.60(dd,1H,J=1.5Hz,7.9Hz)、8.56(dd,1H,J=1.5Hz,4.4Hz)
【0047】
【発明の効果】
2−アシルピリジン誘導体およびその合成中間体である2−シアノピリジン誘導体を収率よく、工業的に有利に製造し得る方法が提供される。
Claims (1)
- 一般式(IV)
で示されるα,β−不飽和カルボニル化合物を、一般式(V)
R 5 SO 2 CN (V)
(式中、R 5 は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
で示される有機スルホニルシアニドと反応させることにより得られる一般式(I)
で示される2−スルホニルピリジン誘導体をシアノ化剤と反応させることを特徴とする一般式(II)
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