JP2005047823A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents

アルデヒド類の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005047823A
JP2005047823A JP2003203556A JP2003203556A JP2005047823A JP 2005047823 A JP2005047823 A JP 2005047823A JP 2003203556 A JP2003203556 A JP 2003203556A JP 2003203556 A JP2003203556 A JP 2003203556A JP 2005047823 A JP2005047823 A JP 2005047823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituent
substituents
general formula
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003203556A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Suda
晃治 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiratori Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2003203556A priority Critical patent/JP2005047823A/ja
Publication of JP2005047823A publication Critical patent/JP2005047823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】エポキシド類から位置選択的に効率よくアルデヒド類を製造する方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1):
【化9】
Figure 2005047823

[式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族基を示す。但し、RとRとは一緒になって環を形成してもよい。]で表されるエポキシド類に、次式(2):
【化10】
Figure 2005047823

[式中、TEPはテトラアリールポルフィリン又はフタロシアニンを示し;Xは−SOCF、−ClO又は−SbFを示す。]で表されるテトラピロールクロム錯体を反応させることを特徴とする一般式(3):
【化11】
Figure 2005047823

[式中、R、R及びRは前記定義の通りである。]で表されるアルデヒド類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシド類から位置選択的に効率よくアルデヒド類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルドール即ちβ−ヒドロキシカルボニル化合物は、有機合成上極めて有用な中間体であり、アリールアルコール由来のエポキシド類の転位反応によって生成するアリール置換β−ヒドロキシアルデヒド類は、工業原料や医薬原料として特に重要である。ところが、三級アルコールから誘導したエポキシシリルエーテルでは選択的1,2転位が起こるため、所望のアルデヒド類の他にケトン類が生成する。そこで、当該エポキシド類の位置選択的な転位反応によって対応するアルデヒド類を得るには、ルイス酸触媒として嵩高いアルミニウム錯体、例えばMABR(メチルアルミニウム ビス(4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド))やMAD(メチルアルミニウム ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド))を使用する方法がある(非特許文献1及び2参照)。中でも、MABRは、MADに比較して転位反応が速く、エポキシシリルエーテルの転位反応に有効な触媒である。
【0003】
しかし、MABRは、反応に化学量論以上を使用しなければならず、また不安定なため反応直前に調製する必要があり、後処理にはフッ化化合物を使用するなど煩雑な操作、技術を必要とする。
【0004】
一方、鉄、マンガン等の遷移金属を中心金属とするポルフィリン錯体はルイス酸触媒としても機能し、トリフルオロボラン・エーテラートのような通常のルイス酸触媒では困難な反応を速やかに進行させる。
【0005】
しかし、エポキシド類の転位反応に、3価の鉄を中心金属とするポルフィリン錯体、例えば、Fe(tpp)SOCF(tpp:テトラフェニルポルフィリン)又はFe(tpp)ClOを使用すると、位置選択的にケトン類が生成してしまう(特許文献1及び非特許文献3参照)。また、アルデヒド類が位置選択的に得られるとの報告もあるが(非特許文献4参照)、この場合のエポキシド類はモノアルキル置換体に限られ、複雑な天然物や生理活性物質の合成には応用できない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−86567号公報
【非特許文献1】
化学 48巻 3号(1993)218−219頁
【非特許文献2】
J.Am.Chem.Soc.1989,111,6431−6432
【非特許文献3】
Chemistry Letters,1996,1031−1032
【非特許文献4】
Tetrahedron Letters,40(1999)7243−7246
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、種々のエポキシド類から位置選択的に効率よくアルデヒド類を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルデヒド類の新たな製造法を見出すべく鋭意研究を行った結果、エポキシド類に特定のポルフィリンクロム錯体を反応させれば、位置選択性が極めて高く、しかも効率よくアルデヒド類が製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(1):
【0009】
【化4】
Figure 2005047823
【0010】
[式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族基を示す。但し、RとRとは一緒になって環を形成してもよい。]で表されるエポキシド類に、次式(2):
【0011】
【化5】
Figure 2005047823
【0012】
[式中、TEPはテトラアリールポルフィリン又はフタロシアニンを示し;Xは−SOCF、−ClO又は−SbFを示す。]で表されるテトラピロールクロム錯体を反応させることを特徴とする一般式(3):
【0013】
【化6】
Figure 2005047823
【0014】
[式中、R、R及びRは前記定義の通りである。]で表されるアルデヒド類の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)で表されるエポキシド類において、R及びRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基は、飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、芳香族基及び脂肪族基のいずれであってもよい。
【0016】
芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、これらは後述する置換基を有していてもよい。
【0017】
脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等の炭素数1〜8のアルキル基)、環状アルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の炭素数3〜6の環状アルキル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、2−メチル−2−ペンテニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基)、アルキニル基(例えば、エテニル基、1−プロピニル基等の炭素数2〜8のアルキニル基)等が挙げられる。
【0018】
複素環式基は、飽和又は不飽和の複素環式基を示し、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む5〜14員の複素環式基を示す。具体的には、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基等が挙げられる。
【0019】
で示される置換基を有していてもよい脂肪族基の脂肪族基は、上記の脂肪族炭化水素基の他に、1又は2以上のヘテロ原子を含む官能基を有する炭化水素基が挙げられる。
1又は2以上のヘテロ原子を含む官能基としては、エーテル結合、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオエーテル結合、チオカルボニル基、エステル結合、アミド結合、カルボキシル基等が挙げられ、ヒドロキシ基が好ましい。
ヒドロキシ基を有する炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基が好ましく、当該ヒドロキシ基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、トリメチルシリル基等の置換シリル基によって保護されていてもよい。
とRが一緒になって形成する環としては、シクロヘキサン環、シクロペンタン環等が挙げられる。
【0020】
基R、R及びR又はRとRが一緒になって形成する環がとり得る置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基等)、炭素数3〜18のアルキルシロキシ基(例えば、tert−ブチルジメチルシロキシ等)、炭素数1〜6のアシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基等)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0021】
本発明で使用するテトラピロールクロム錯体は、前記一般式(2)で表されるが、式中、TEPはテトラアリールポルフィリン又はフタロシアニン(pc)を示す。テトラアリールポルフィリンとしては、市販で安価なテトラフェニルポルフィリン(tpp)が好ましい。また、Xは−SOCF(OTf)、−ClO又は−SbFを示し、好ましくは−OTf又は−ClOである。テトラアリールポルフィリン及びフタロシアニンは、上記の炭素数1〜6のアルキル基、上記の炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。テトラピロールクロム錯体の好ましい具体例を以下に示す。尚、テトラピロールクロム錯体としては、熱や光に対する高い安定性から、フタロシアニン錯体が好ましい。
【0022】
【化7】
Figure 2005047823
【0023】
上記のテトラピロールクロム錯体は、公知の方法、例えば文献(ARDEN D. BOERSMA and HAROLD M. GOFF, Inorg.Chem.,21,581(1982))に記載の方法に準じて製造することができる。このようにして製造されるテトラピロールクロム錯体は、MABRに比べて高い保存安定性を有し、また、これを使用すると後記実施例に示すように、MABRと同等の高い位置選択性を示し、しかも原料のエポキシド類の光学純度が維持される。従って、本発明の製造法とシャープレス酸化などの不斉エポキシ化反応とを組み合わせることによって、天然物や生理活性物質の合成素子として有用な光学活性アルデヒド類が合成できる。
【0024】
また、上記のテトラピロールクロム錯体は、触媒として約10回程度再利用ができ、基質によっては約2万回の再利用が可能である。使用後の錯体は、例えば、反応終了後に濃縮およびn−ヘキサンを添加して錯体を析出させ、濾取し、加熱下に減圧乾燥することによって回収することができる。
【0025】
アルデヒド類(3)は、下記反応溶媒中、エポキシド類(1)に対し、触媒量、好ましくは0.001〜10mol%、より好ましくは0.001〜1.0mol%、特に好ましくは0.001〜0.01mol%のテトラピロールクロム錯体(2)を加え、加熱還流下に約0.5〜15時間反応させることにより製造できる。
【0026】
反応溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられるが、反応時間及び目的とするアルデヒド類の収率の点から、特に1,2−ジクロロエタン又はジクロロメタンが好ましい。
【0027】
反応終了後に反応混合物からアルデヒド類(3)を単離するには、通常の操作、例えば再結晶、蒸留、抽出、各種クロマトグラフィー等を行えばよい。
【0028】
【実施例】
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
[参考例1]5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートクロミウム(III)トリフレート:Cr(tpp)OTfの製造
DMF 150 mLに5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン1.85 g (3 mmol)を加え、100℃で30分間撹拌して溶解した後、CrCl 1.97 g(16 mmol)を加え、窒素ガスを緩やかに通じながら加熱還流した。吸収スペクトルを用いて5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリンの消失を確認した後(12時間)、反応液を室温まで冷却し、全量を約50 mLまで濃縮した。この溶液をNaCl 20gを含む氷水1 Lに投入し、12時間放置した。沈殿を濾取し、濾液の色が無色になるまで水洗した後、80℃で減圧乾燥(<1 mmHg、12時間)した。この粗結晶をジクロロメタン/n−ヘキサンで二回再結晶し、更に100℃で減圧乾燥(<1 mmHg、24時間)することにより5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートクロミウム(III)クロリドを得た(1.55 g、収率72%)。生成物の構造は文献(J. Am. Chem. Soc., 1977, 99,8195.、Inorg., Chem., 1984, 23, 679. 及びJ. Chem. Soc., Chem. Commun., 1981, 1212.)記載の吸収スペクトル及びサイクリックボルタモグラムとの比較により決定した。
【0030】
UV−vis (CHCl): 397 (39.2 × 10), 450 (21.8 × 10), 566 (12.2 × 10), and 603 nm (10.5 × 10).
Half−wave potential vs. Ag / AgCl (CHCl): +1.30, +0.88, −1.08 (no anodic wave was observed in CHCl), and −1.29 V.
【0031】
上記で製造した5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートクロミウム(III)クロリド(反応開始前に100℃、1 mmHgで減圧乾燥しておく)140 mg (0.2 mmol)を無水THF 30 mLに加え、30分間加熱還流した。この溶液にAgOTf 62 mg (0.24 mmol)を加え、更に還流した。吸収スペクトルを用いて5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートクロミウム(III)クロリドの消失を確認した後(3時間)、反応液を室温まで冷却した。この反応液をセライトを用いて濾過し、濾液を減圧乾固することにより緑色の固体を得た。この固体をジクロロメタン/n−ヘキサンより再結晶した後、100℃で減圧乾燥(<1 mmHg、24時間)し、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリネートクロミウム(III)トリフレートを得た(77 mg、収率46%)。
【0032】
Anal. Calcd for C4528SCr 1/2HO: C, 65.69; H, 3.55; N, 6.81. Found: C, 65.75; H, 3.48; N, 6.82.
Exact mass (FAB) calcd for C4428Cr [M−OTf]664, found 664.
UV−vis(CHCl): 398 (38.9 × 10), 452 (16.5 × 10), 564 (14.6 × 10), and 600 nm (11.8 × 10).
IR(KBr) ν/cm−1: 3058, 1649, 1599, 1578, 1526, 1489, 1441, 1346, 1236, 1207, 1178, 1073, 1031, 1013, 801, 754, 719, 702, 661, 636, 571, 518, 455.
Half−wave potential vs. Ag / AgCl (CHCl): +1.15, +0.81,and −0.94 V (no anodic wave was observed in CHCl).
【0033】
[参考例2]
フタロシアニネートクロミウム(III)トリフレート:Cr(pc)OTfの製造
4−tert−ブチルフタロニトリル 3.33 g (18 mmol)とCrCl0.68 g (5.5 mmol)との混合物を200℃で5時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン 50 mLで希釈し、水及び0.5 mol/L HCl水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルショートカラム(ジクロロメタン)に付すことにより緑色の固体を得た。この固体をジクロロメタン/n−ヘキサンから再結晶し、更に100℃で減圧乾燥(<1 mmHg、24時間)することによりフタロシアニネートクロミウム(III)クロリドを得た(1.41 g、収率38%)。生成物の構造はFAB−MASSスペクトルおよび前記文献記載の吸収スペクトルとの比較により決定した。
【0034】
Exact mass (FAB) calcd for C4848CrN [M−Cl]778, found 778.
UV−vis (CHCl): 353, 500, 628, 664, and 696 nm.
【0035】
上記で製造したフタロシアニネートクロミウム(III)クロリド(反応開始前に100℃、1 mmHgで減圧乾燥しておく)124 mg (0.15 mmol)を無水THF 40 mLに加え、30分間加熱還流した。この溶液にAgOTf 46 mg (0.18 mmol)を加え、更に加熱還流した。吸収スペクトルを用いてフタロシアニネートクロミウム(III)クロリドの消失を確認した後(1時間)、反応液を室温まで冷却した。セライトを用いて反応液を濾過後、溶媒を留去して緑色の固体を得た。この固体をジクロロメタン/n−ヘキサンから再結晶し、100℃で減圧乾燥(<1 mmHg、24時間)することによりフタロシアニネートクロミウム(III)トリフレートを得た(127 mg、収率90%)。
【0036】
Exact mass (FAB) calcd for C4848CrN [M−OTf]778, found 778.
UV−vis(CHCl): 357 (2.95 × 10), 510 (5.37 × 10), and 703 (6.46 × 10) nm.
IR(KBr) ν/cm−1: 2958, 2907, 2866, 1716, 1653, 1616, 1491, 1394, 1365, 1335, 1257, 1173, 1084, 1032, 933, 895, 833, 752, 669, 640, 573.
Half−wave potential vs. Ag / AgCl (CHCl): +0.84 and −0.76 V.
【0037】
[実施例1]
2−フェニル−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロパナール (3a)の製造
【0038】
【化8】
Figure 2005047823
【0039】
(2R,3R)−(+)−2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)メチル−3−フェニルオキシラン(1a) 264 mg (1 mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液5 mLに、Cr(tpp)OTf 8 mg (0.01 mmol)を加え、1時間加熱還流した。減圧下、反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルショートカラム(酢酸エチル)に付すことによりアルデヒド(3a)を263 mg得た(収率97%)。アルデヒドの同定は、文献(Tetrahedron, 1991, 47, 6983.、J. Am. Chem. Soc., 1989, 111, 6431.等)記載のH−NMRスペクトルとの比較により行った。また、アルデヒドの光学純度及び絶対配置は、文献(同上)記載の比旋光度との比較により決定した。
【0040】
H−NMR (270 MHz, CDCl)δ ppm: 9.83 (1H, d, J = 2.0 Hz, CHO), 7.20−7.40 (5H, m, Ph), 4.24 (1H, dd, J = 7.4 and 10.1 Hz, CHOSi), 3.96 (1H, dd, J = 5.8 and 10.1 Hz, CHOSi), 3.75 (1H, br t, J = 6.4 Hz, PhCH), 0.85 (9H, s, tert−Bu), −0.02 and 0.00 (each 3H, s, (CHSi).
[α] +32.5°(c 0.50, CHCl).
【0041】
[実施例2〜27]
種々のエポキシド類(1)を用い実施例1と同様の操作を行って、対応するアルデヒド類(3)を得た。結果を表1〜3に示す。「収率」は、化合物(3)の単離収率、又はH−NMRスペクトルによる、化合物(3)とケトン類との混合物中の (3)の定量収率を示す。
【0042】
【表1】
Figure 2005047823
【0043】
【表2】
Figure 2005047823
【0044】
【表3】
Figure 2005047823
【0045】
[実施例28]
Cr(pc)OTfの再利用
実施例3において、反応終了後、反応液を濃縮し、n−キサンを添加した。析出する固体を濾取し、100℃、1 mmHgで減圧乾燥することによりCr(pc)OTfを回収した(回収率:98%)。回収したCr(pc)OTf 9 mg (0.01mmol)をエポキシド(1a) 264 mg (1 mmol)を含む1,2−ジクロロエタン溶液 5 mLに加え、30分間加熱還流した。反応液を濃縮後、n−ヘキサンを添加し、析出するCr(pc)OTfを濾取した(回収率:98%)。また、濾液の溶媒を減圧下留去することによりアルデヒド(3a)を収率97%で得た。濾取したCr(pc)OTfを100℃、1 mmHgで減圧乾燥した後、これを触媒として上記と同様の反応を行い、アルデヒド(3a)を収率96%で得た。このようにして10回までCr(pc)OTfの回収を繰り返し、3回〜10回目の回収後のCr(pc)OTfを使用しても触媒活性の低下は認められず、96〜97%の収率でアルデヒド(3a)を得た。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、エポキシド類から位置選択性が極めて高く、しかも効率よく工業原料、医薬原料等として有用な種々のアルデヒド類を製造できる。また、本発明で用いられるテトラピロールクロム錯体は、MABRに比較して保存安定性に優れ、取り扱いが容易で、しかも再利用が可能である。

Claims (1)

  1. 一般式(1):
    Figure 2005047823
    [式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;Rは水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族基を示す。但し、RとRとは一緒になって環を形成してもよい。]で表されるエポキシド類に、次式(2):
    Figure 2005047823
    [式中、TEPはテトラアリールポルフィリン又はフタロシアニンを示し;Xは−SOCF、−ClO又は−SbFを示す。]で表されるテトラピロールクロム錯体を反応させることを特徴とする一般式(3):
    Figure 2005047823
    [式中、R、R及びRは前記定義の通りである。]で表されるアルデヒド類の製造方法。
JP2003203556A 2003-07-30 2003-07-30 アルデヒド類の製造方法 Pending JP2005047823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003203556A JP2005047823A (ja) 2003-07-30 2003-07-30 アルデヒド類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003203556A JP2005047823A (ja) 2003-07-30 2003-07-30 アルデヒド類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005047823A true JP2005047823A (ja) 2005-02-24

Family

ID=34262869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003203556A Pending JP2005047823A (ja) 2003-07-30 2003-07-30 アルデヒド類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005047823A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5284269B2 (ja) ルテニウムを主成分とした触媒錯体、およびオレフィンメタセシスのための前記錯体の使用
JP3281920B2 (ja) アリルフラン化合物の製造方法
JP5173775B2 (ja) 3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2h−ピラン−2−オンの合成
JP6584696B2 (ja) 3−((2s,5s)−4−メチレン−5−(3−オキソプロピル)テトラヒドロフラン−2−イル)プロパノール誘導体の製造方法及びそのための中間体
JP5622019B2 (ja) アミノアルコール誘導体塩構造を有する不斉有機分子触媒及び該不斉有機分子触媒を用いた光学活性化合物の製造方法
JP2005047823A (ja) アルデヒド類の製造方法
Murai et al. Aldol-type condensation reactions of lithium eneselenolates generated from selenoamides with aldehydes
JP4759722B2 (ja) 置換基を有する芳香族カルボン酸エステルの製造方法
JP2004196710A (ja) 配位子及び不斉触媒
CN115043810B (zh) 一种非金属催化的不对称碳氢键氧化制备手性碳氢键氧化产物的方法
JPS588372B2 (ja) 光学活性β−置換アルデヒド化合物の製造方法
JP4807549B2 (ja) シロキサン類,シラノール類及びシラン類,並びにその製造方法
JP4613276B2 (ja) 光学活性ピロリジン誘導体
JP2004526741A (ja) キラリティーが高められたシクロプロパンの生成方法
JPH11255759A (ja) 光学活住β−ラクトン類の製造方法
JP2008069104A (ja) ヘリセン誘導体、トリイン誘導体、ヘリセン誘導体の製造方法
JP4215687B2 (ja) 光学活性なβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸誘導体の製造方法
JPS61126048A (ja) 光学活性4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の製法
JP4031652B2 (ja) インデン誘導体およびその中間体並びにそれらの製造方法
JP2579547B2 (ja) アルコキシカルボニル化合物の製法
JP4302222B2 (ja) 2−アシルピリジン誘導体の製造方法
JP3836177B2 (ja) アルデヒド誘導体の製造方法
Omote et al. Synthesis of axially dissymmetric ligands with two chiral centers of perfluoroalkyl carbinol moiety, and their application to asymmetric syntheses
JP4060718B2 (ja) エノールエーテルの新規製造法
JPWO2004076459A1 (ja) 四級アンモニウムビフルオリド化合物およびそれを用いたニトロアルコールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110